JPH09305912A - 磁気ヘッド - Google Patents
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- JPH09305912A JPH09305912A JP8333932A JP33393296A JPH09305912A JP H09305912 A JPH09305912 A JP H09305912A JP 8333932 A JP8333932 A JP 8333932A JP 33393296 A JP33393296 A JP 33393296A JP H09305912 A JPH09305912 A JP H09305912A
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Abstract
特性を損なうことなく、摺動ノイズ特性を大幅に向上さ
せることを可能とする。 【解決手段】 当り幅規制溝21の深さHを磁気記録媒
体摺動面aにおける当り幅Wより小、ここでは25μm
以上45μm以下の所定値とする。または、当り幅規制
溝の深さHを37±12μmの所定値とし、磁気記録媒
体摺動面aにおける当たり幅Wを55±6μmの所定値
とし、当り幅規制溝の角部のRを16μm以下の所定値
とする。
Description
体がギャップ膜を介して各々の突合せ面にて接合されて
磁気ギャップが形成されてなる磁気ヘッドに関する。
に設けられている磁気ヘッドは、回転ドラムの周面に設
けられて回転型磁気ヘッド装置とされ、磁気記録媒体で
ある磁気テープに磁気記録媒体摺動面が摺動することに
より映像や音声等の記録・再生を行うものである。
化を図るための技術革新はめざましく、磁気記録媒体で
ある磁気テープの高記録密度化が一層進められている。
特に、保磁力(Hc)の大きい磁気テープにおける高い
C/Nを実現するために、各磁気コア半体の突合せ面に
高飽和磁束密度をもつ金属磁性膜が成膜されてなる、い
わゆるメタル・イン・ギャップの磁気ヘッド(MIGヘ
ッド)が実用化されている。
幅やギャップ長等の狭小化が進行し、磁気テープの摺動
時における当該磁気テープと磁気ヘッドの磁気記録媒体
摺動面との相対速度も大きくなっている。このため、上
記磁気ヘッドを構成する磁気コアの材料としては、優れ
た加工性と耐摩耗性が要求され、単結晶フェライトが広
く用いられている。
ェライトが用いられたMIG型の磁気ヘッドは、図21
に示すように、トラック幅規制溝103により形成され
た突合せ面に金属磁性膜が成膜されてなる一対の磁気コ
ア半体101,102がSi02 等の絶縁材料よりなる
ギャップ膜を介して突き合わせられ、溶融された融着ガ
ラスにより接合されて所定のアジマス角をもつ磁気ギャ
ップgが形成されて構成されている。
に銅線等の線材が巻回され図示しない磁気コイルが形成
されて上記磁気ヘッドが構成されている。
アの材料として単結晶フェライトが用いられた磁気ヘッ
ドには、以下に示すような問題がある。
用いられた磁気ヘッドは、多結晶フェライトが用いられ
たものに比して出力特性や耐摩耗性、精密加工性等に優
れているが、摺動ノイズが大きくC/Nが劣化する。特
に、記録波長の短波長化に伴って使用周波数帯がより高
域へと拡がるために、ノイズレベルを低減させて高い出
力特性を確保することが益々厳しくなっている。
れたものであり、その目的とするところは、記録・再生
を行う際の電磁変換特性や耐摩耗特性を損なうことな
く、摺動ノイズ特性を大幅に向上させることを可能とす
る磁気ヘッドを提供することにある。
は、一対の磁気コア半体がギャップ膜を介して各突合せ
面にて接合されて磁気ギャップが形成されるとともに、
磁気記録媒体摺動面における磁気記録媒体との当り幅を
規定する当り幅規制溝が形成されてなる磁気ヘッドであ
り、主に上記磁気コア半体の各突合せ面に高飽和磁束密
度をもつ金属磁性膜が成膜されたメタル・イン・ギャッ
プ(MIG)型の磁気ヘッドである。
イトを材料とするものや、その磁気ギャップ近傍が単結
晶フェライトからなるとともに、その他の部分が多結晶
フェライトからなるものに主眼を置いている。
の深さが磁気記録媒体摺動面の当り幅より小となるよう
になされて構成される。
当り幅が55±6μmの値とされ、当り幅規制溝の深さ
が37±12μmとされ、当り幅規制溝の角部のRが1
6μm以下とされるように形成されることが好適であ
る。
の深さが25μm以上45μm以下の値となるように形
成することも好適である。
記録媒体の入端側をテーパ加工面とするとともに、出端
側を除去した形状に形成することも好適である。
及び当り幅規制溝の深さを全体的に略々一定となるよう
に、磁気記録媒体の摺動方向の曲率に略々沿うように当
り幅規制溝を形成することも好適である。
せるにあたり、この摺動ノイズの発生メカニズムが、磁
気記録媒体と磁気ヘッドが摺動することにより発生する
振動が逆磁歪現象によって磁化に変換され、この磁化が
磁気ヘッドの磁気コイルから検出されるものであると考
えられる。
材のなかで、磁気記録媒体との摺動によって最も振動し
やすく、且つ電磁変換特性に影響を及ぼす可能性の高い
領域を見つけ出し、その領域を振動し難い構造に改善す
ることにより、摺動ノイズを低減させることを図った。
は、振動体の寸法比に応じた共振現象が起こり、その共
振周波数に対応した摺動ノイズが発生していると考えら
れるため、逆に共振に支配的な寸法を見つけ出し、その
寸法比を変えることで共振周波数を使用周波数帯から除
外することも図った。
媒体との摺動によって最も振動しやすく、且つ電磁変換
特性に影響を及ぼす可能性の高い領域とは、磁気記録媒
体摺動面における当り幅と当該当り幅を規定する当り幅
規制溝とにより囲まれた領域である。この領域の高さ、
則ち当り幅規制溝の深さを当り幅より小とすることによ
り、この領域の剛性が高まり共振し難くなる。さらに、
磁気ヘッドにおいて、好ましくは、磁気記録媒体摺動面
の当り幅を55±6μmの値とし、当り幅規制溝の深さ
を37±12μmとし、当り幅規制溝の角部のRを16
μm以下することによって、さらに共振し難くなる。し
たがって、磁気記録媒体の摺動に伴う振動が抑制されて
摺動ノイズの発生が低減することになる。さらに、好ま
しくは、当り幅規制溝の深さを(35±10)μmの範
囲内の値とすることにより、さらに共振し難くなる。
り幅規制溝の深さが当り幅より小とされているために、
共振周波数が高域にシフトし、磁気記録媒体の使用周波
数帯から当該共振周波数が除外されることになる。
具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に
説明する。
半体の突合せ面にそれぞれ軟磁性金属材料からなる金属
磁性膜が成膜されてなる、いわゆるメタル・イン・ギャ
ップ(MIG)型のものである。
うに、磁気記録媒体摺動面aに磁気ギャップgが形成さ
れてなるものであり、所定の基板上上に接着固定されて
構成されている。そして、この磁気ヘッドが図示しない
回転ドラムの周面上に配設されて記録・再生が行われる
ことになる。
なる一対の磁気コア半体11,12のトラック幅規制溝
13が形成された各一主面に軟磁性金属材料からなる金
属磁性膜14及びギャップ膜15が順次成膜され、これ
ら各磁気コア半体11,12が上記各主面にて突き合わ
されて、磁気記録媒体摺動面aにおいて所定のアジマス
角をもつ磁気ギャップgが形成されて構成されている。
の磁気ギャップgの近傍の材料として単結晶フェライト
を用いるとともに、その他の部分の材料として多結晶フ
ェライトを用いて構成してもよい。
記録媒体摺動面aにおける磁気テープとの当り幅Wを規
定する当り幅規制溝21が磁気記録媒体摺動面aの両側
部にそれぞれ形成されており、当該当り幅規制溝21の
深さHが磁気記録媒体摺動面aにおける当り幅Wより
小、ここでは25μm以上45μm以下の所定値とされ
ている。
記録媒体摺動面aが、磁気テープ走行時における当該磁
気テープの入端側mにテーパ加工が施されてテーパ加工
面22が形成されるとともに、磁気テープの出端側nが
除去されて切欠部23が形成されている。
された際に、図示しないガラス溝に融着用のガラス材が
挿入されて高温にて溶融され、これら磁気コア半体1
1,12が接合されている。
は、コイルを巻回するための巻線溝16及びガイド溝1
7が形成されている。そして、これら磁気コア半体1
1,12が接合されることにより各巻線溝16が対向し
て巻線窓18が形成され、これら巻線窓18及び各ガイ
ド溝17に図示しない巻線が施されて上記磁気ヘッドが
構成される。
せるにあたり、この摺動ノイズの発生メカニズムが、磁
気テープと磁気ヘッドが摺動することにより発生する振
動が逆磁歪現象によって磁化に変換され、この磁化が磁
気ヘッドの磁気コイルから検出されるものであると考え
られる。
ドの構成部材のなかで、磁気テープとの摺動によって最
も振動しやすく、且つ電磁変換特性に影響を及ぼす可能
性の高い領域を見つけ出し、その領域を振動し難い構造
に改善することにより、摺動ノイズを低減させることを
図った。
は、振動体の寸法比に応じた共振現象が起こり、その共
振周波数に対応した摺動ノイズが発生していると考えら
れるため、逆に共振に支配的な寸法を見つけ出し、その
寸法比を変えることで共振周波数を使用周波数帯から除
外することも図った。
テープとの摺動によって最も振動しやすく、且つ電磁変
換特性に影響を及ぼす可能性の高い領域とは、磁気記録
媒体摺動面aにおける当り幅Wと当該当り幅Wを規定す
る当り幅規制溝21とにより囲まれた領域Eである。こ
の領域Eの高さ、則ち当り幅規制溝21の深さHを当り
幅Wより小、具体的には(35±10)μmの範囲内の
値とすることにより、当該領域Eの剛性が高まり共振し
難くなる。したがって、磁気テープの摺動に伴う振動が
抑制されて摺動ノイズの発生が低減する。
当り幅規制溝21の深さHが当り幅Wより小とされてい
るために、共振周波数が高域にシフトし、磁気テープの
使用周波数帯から当該共振周波数が除外されることにな
る。
コア半体11,12の材料として、特に磁気ギャップg
の近傍を構成する材料として単結晶フェライトが用いら
れているために、上述のように摺動ノイズを低減させる
ことが可能となるに加えて、出力特性や耐摩耗性、精密
加工性等も向上させることができる。
がテーパ加工面22とされるとともに、出端側nが切欠
部23とされているために、磁気記録媒体摺動面aの形
状が磁気テープとの摺動に起因して摩耗しても磁気テー
プとの所定の当り長を確保しつつ当り幅Wの長大化を回
避することが可能となる。
説明する。
面研削盤等を用いてMn−Zn等よりなるフェライト基
板の平面出しを行う。
板を用いたが、他の面方位の単結晶基板や多結晶基板或
は単結晶フェライトと多結晶フェライトとの接合基板を
用いてもよい。
線溝及びガラス溝をスライサー等を用いて形成した後
に、これら巻線溝及びガラス溝と略々直交する方向に複
数の帯状のトラック幅規制溝を切削或は研削により形成
する。
リッシング等の鏡面加工を施す。その後、上記フェライ
ト基板をその中心部にて切断し、一対の磁気コア半体ブ
ロックを作製する。ここで、一方のコア半体ブロックは
巻線溝及びガラス溝を有しており、他方の磁気コア半体
ブロックはこれらの溝を有しない。
面となる各一主面上にFe−Ru−Ga−Si(SM
X)等の軟磁性金属材料からなる金属磁性膜14を膜厚
数μmに当該一主面全体に均一にスパッタ成膜する。
MXを用いたが、その代わりにセンダスト,センダスト
+0,センダスト+N,SMX+0,SMX+N等の結
晶質磁性膜或はFe系微結晶膜,Co系微結晶膜等を用
いてもよい。また、フェライト基板21と金属磁性膜1
4との密着性向上のために、SiO2 やTa2 O5 等の
酸化物やSi3 N4 等の窒化物、或はCr,Al,S
i,Pt等の金属及びこれらの合金、並びにそれらを組
み合わせた材料を用いてフェライト基板の一主面上に下
地膜を成膜することが好ましい。本実施の形態において
は、SiO2 よりなる下地膜を膜厚5nmに成膜した。
よりなる単層のギャップ膜17をスパッタ成膜する。な
お、このギャップ膜17の材料としては、融着ガラスと
の反応を防止するために上層にCr膜等を積層する2層
構造或は多層構造としてもよい。
該各磁気コア半体ブロックを突き合わせ圧着させながら
500〜700℃に加熱し、低融点のガラス材を用いて
両者を接合して磁気コアブロックを作製する。
ップgが形成されてなる一主面に円筒研削を施して磁気
記録媒体摺動面aを形成し、巻線用のガイド溝加工を施
す。
Wを確保するための当り幅加工を施して当り幅規制溝2
1を形成する。このとき、当該当り幅規制溝21をその
当り幅Wが56μm、深さHが25μm以上45μmの
所定値となるように形成する。
ジマス角をもって切断加工を施してそれぞれ磁気ギャッ
プgをもつ各ヘッドチップを作製する。
体摺動面aについて、磁気テープの走行時における当該
磁気テープの入端側にテーパ加工を施してテーパ加工面
22とするとともに、出端側を除去して切欠部23とす
る。これらの加工は、磁気記録媒体摺動面aの最大摩耗
量(ここではデプス長D)を見込んで行うものであり、
磁気テープとの接触による当り幅Wの長大化が防止され
ることになる。
動面aに対して、その長手方向及び当該長手方向に略々
直交する当り幅方向に円筒研削を施して所定の曲率を持
つ曲面に形成する。
処理を施すことにより上記磁気ヘッドが完成する。
変形例について説明する。この変形例の磁気ヘッドは、
本実施の形態に係る磁気ヘッドと略々同様の構成を有す
るが、その磁気記録媒体摺動面の形状が異なる点で相違
する。本実施の形態に係る磁気ヘッドと同一の部材等に
ついては同符号を記して説明を省略する。
当り幅規制溝31の深さHが磁気記録媒体摺動面aにお
ける当り幅Wより小、ここでは25μm以上45μm以
下の所定値とされるとともに、図4乃至図6に示すよう
に、当り幅W及び当り幅規制溝31の深さHが全体的に
略々一定となるように、磁気テープの摺動方向の曲率に
略々沿うように当り幅規制溝31が形成されている。
気ヘッドと同様に、上記高さHが(35±10)μmの
範囲内の値とされており、当該領域Eの剛性が高まり共
振し難くなる。したがって、磁気テープの摺動に伴う振
動が抑制されて摺動ノイズの発生が低減する。
当り幅規制溝31の深さHが当り幅Wより小とされてい
るために、共振周波数が高域にシフトし、磁気テープの
使用周波数帯から当該共振周波数が除外されることにな
る。
コア半体11,12の材料として、特に磁気ギャップg
の近傍を構成する材料として単結晶フェライトが用いら
れているために、上述のように摺動ノイズを低減させる
ことが可能となるに加えて、出力特性や耐摩耗性、精密
加工性等も向上させることができる。
々沿うように当り幅規制溝31が形成されているため
に、磁気記録媒体摺動面aの形状が磁気テープとの摺動
に起因して摩耗しても磁気テープとの所定の当り長を確
保しつつ当り幅Wの長大化を回避することが可能とな
る。
(変形例を含む)を用いたいくつかの実験例について説
明する。
形態に係る磁気ヘッドについて、当り幅規制溝21の深
さHが35±10μmの範囲内の各値とされたサンプル
1〜4と、上記範囲外の各値とされた比較例のサンプル
5,6とを用いて、無記録状態の磁気テープを走行させ
た際の摺動ノイズ・スペクトラムについて調べた。
深さがこの順に25μm,35μm,45μm,55μ
mとし、サンプル5,6については、上記深さがこの順
に65μm,135μmとした。
10゜とし、摺動時における磁気テープとの相対速度を
3.8m/sに設定した。さらに、回転ドラムにおける
角サンプルの突き出し量を18.5±0.5μm、磁気
記録媒体摺動面の曲率半径を6.5mmとした。
いて順に図7〜図12にそれぞれ示す。ここで、これら
の特性図においては、摺動ノイズNにアンプノイズAが
重畳されている。
ノイズレベルが大きく、使用周波数帯域(10MHz以
下、10MHzの位置を図中破線Lで示す。)内におけ
る急峻なノイズ・スペクトラムが目立つ。それに対し
て、サンプル1〜4については、ノイズレベルが小さ
く、使用周波数帯域内におけるノイズは殆ど無視し得る
レベルまで減少している。
る。ここでは、本実施の形態及びその変形例の磁気ヘッ
ドを用いて、比較例の磁気ヘッドとの比較に基づいて、
磁気記録媒体摺動面の摩耗変化について調べた。
気ヘッドをサンプル11、上記変形例の磁気ヘッドをサ
ンプル12、サンプル11と同様の構成を有するがその
磁気記録媒体摺動面の入端部及び出端部で上記深さHの
小さい磁気ヘッドをサンプル13とした。そして、磁気
テープの代わりに所定のラッピングテープを用いて3分
間ずつ各磁気記録媒体摺動面に摺動させた。
プル11,12については磁気記録媒体摺動面aの当り
幅Wに変化は無かったが、サンプル13については、図
13に示すように、摺動後に摩耗によりその入端部41
及び出端部42で当り幅Wが拡大した。
形態及びその変形例の磁気ヘッドによれば、優れた摩耗
特性を維持しつつ、低ノイズを実現することができる。
た実施の形態に示したものに限定されるものではなく、
以下に記す第2の実施の形態に示す磁気ヘッドであって
も良い。なお、以下の第2の実施の形態に係る磁気ヘッ
ドの説明において、上述した実施の形態に係る磁気ヘッ
ドと同一の部材に関しては、同一の符号を付することに
よりその構成及び動作の詳細な説明は省略する。
は、図14乃至図16に示すように、上述した実施の形
態に係る磁気ヘッドと略々同一の構成を有するが、当り
幅規制溝の形状が異なる点で相違する。この第2の実施
の形態に係る磁気ヘッドでは、磁気記録媒体摺動面aの
当り幅Wが55±6μmの所定値とされるとともに、当
り幅規制溝51の深さHが37±12μmの所定値とさ
れるように当り幅規制溝51が形成されている。上記磁
気ヘッドにおいては、この当り幅規制溝51は、その角
部51aのRが16μm以下の所定値となるように形成
されている。この磁気ヘッドは、デプス長が15μm以
上の所定値となるように構成されている。
摺動面aが(110)結晶面であり、主磁路形成面11
a、12aが(110)結晶面であり、突合せ面が(1
00)結晶面であるように構成されている。
係る磁気ヘッドにおいて、磁気テープとの摺動によって
最も振動しやすく、且つ電磁変換特性に影響を及ぼす可
能性の高い領域とは、磁気記録媒体摺動面aにおける当
り幅Wと当該当り幅Wを規定する当り幅規制溝51とに
より囲まれた領域Eである。この領域Eの高さ、則ち、
当り幅規制溝51の深さHを37±12μmの所定値と
し、当り幅Wを55±6μmの所定値とし、当り幅規制
溝51の角部51aのRを16μm以下の所定値とする
ことにより、当該領域Eの剛性が高まり共振し難くな
る。したがって、磁気テープの摺動に伴う振動が抑制さ
れて摺動ノイズの発生が低減する。また、上記領域Eが
共振する場合でも、当り幅規制溝51の深さHが当り幅
Wより小とされているために、共振周波数が高域にシフ
トし、磁気テープの使用周波数帯から当該共振周波数が
除外されることになる。
制溝51の角部51aのRが16μm以下の所定値とさ
れているため、磁気ギャップの幅が全体に亘って略々寸
法となっている。すなわち、この磁気ヘッドでは、磁気
ギャップの幅が下端側で幅広となることなく、上端と下
端とで略々同寸法となっている。そして、この磁気ヘッ
ドでは、Rの値を16μm以下とするために、高精度の
砥石を用いて当り幅規制溝51が形成されている。
プの幅が略均一であるため、磁気記録媒体摺動面aが摩
耗するとともに当り幅Wが大きくなることがなく、常に
略々一定の当り幅Wを有することとなる。これに対し
て、Rの値が16μmよりも大きいような場合、磁気記
録媒体摺動面aの摩耗とともに当り幅Wが大きくなり、
磁気テープの当たりの状態が悪くなる。さらに、磁気ヘ
ッドにおいて、Rの値を大きくすると、振動を起こした
とき、複雑な振動を発生することとなる。これにより、
磁気ヘッドでは、磁気記録媒体摺動面の当り幅Wと当り
幅規制溝51の深さHを規定したとしても、大きな振動
ノイズが発生してしまう虞れがある。
第1の実施の形態の磁気ヘッドと略々同様な製造工程を
経て製造される。そして、このような磁気ヘッドでは、
歩留まりを向上させる観点から、磁気ギャップのデプス
長Dを正確に測定する必要がある。通常、磁気ギャップ
のデプス長Dは、磁気ギャップの側面方向から所定の光
を照射し、この光を透過させて検出することにより測定
される。
Rの値を16μm以下とするため、磁気ギャップの下端
部付近、すなわちデプスゼロ付近で光が良好に透過する
溜に正確なデプス長Dの測定を行うことができる。これ
に対して、Rが16μm以上の値を取ると、デプスゼロ
付近において表面状態が悪くなる。このため、Rを16
μm以上とするような磁気ヘッドでは、デプスゼロ付近
で光が透過し難くなり、デプス長Dを正確に測定するこ
とができない。また、上記磁気ヘッドにおいては、各磁
気コア半体11,12の材料として、特に磁気ギャップ
gの近傍を構成する材料として単結晶フェライトが用い
られているために、上述のように摺動ノイズを低減させ
ることが可能となるに加えて、出力特性や耐摩耗性、精
密加工性等も向上させることができる。
がテーパ加工面22とされるとともに、出端側nが切欠
部23とされているために、磁気記録媒体摺動面aの形
状が磁気テープとの摺動に起因して摩耗しても磁気テー
プとの所定の当り長を確保しつつ当り幅Wの長大化を回
避することが可能となる。
ドを用いたいくつかの実験例について説明する。
制溝51の深さHを様々な値として作製した磁気ヘッド
に関して、それぞれの磁気ヘッドの摺動ノイズ及び共振
周波数を測定した。
おいて、同一の材料が用いられ、同一の面方位とされ、
同一の当り幅Wとされた。また、これら磁気ヘッドで
は、当り幅規制溝51の角部51aのRの値を約11μ
mとした。なお、これらの磁気ヘッドでは、アジマス角
が約10℃になるように構成されている。
磁気ヘッドに対して、未使用の塗布型磁気テープを用
い、磁気テープと磁気ヘッドとの相対速度を3.8m/
sとした。このとき、磁気ヘッドは、回転ドラムに組み
込まれて使用される。そして、磁気ヘッドは、回転ドラ
ムに対して21±0.5μmの範囲内で突き出され、磁
気テープとの当り幅を約56μmとし、先端部Rを6m
mとした。
きの摺動ノイズを測定した結果を図17に示す。この図
17から明らかなように、深さHを37±12μmの所
定値としたとき、摺動ノイズが低い値で抑えられてい
る。具体的には、摺動ノイズとしては、そのレベルが約
4.0dBを越えない値であると良好な電磁変換特性を
有することとなる。
せたときの共振周波数を測定した結果を図18に示す。
この図18から明らかなように、深さHを37±12μ
mの所定値としたとき、共振周波数が高周波数となって
いる。具体的には、深さHが37±12μmの範囲内に
あるとき、共振周波数は使用周波数帯域よりも高周波数
帯域、すなわち、約10MHz以上の値をとる。したが
って、深さHを上記範囲内の所定値とすることにより、
共振周波数による悪影響が略々なく、良好な電磁変換特
性を有することとなる。
1の角部51aのRの値を様々な値として作製した磁気
ヘッドに関して、それぞれ磁気ヘッドの摺動ノイズを測
定した。
幅規制溝51の深さHが37±12μmとされ、磁気記
録媒体摺動面の当り幅Wを55±6μmとし、当り幅規
制溝51を形成する際の砥石を調節することによって、
当り幅規制溝51の角部51aのRの値を制御して作製
された。
磁気ヘッドに対して、上述した実験3と同様な条件下で
摺動ノイズを測定した。その結果を図19に示す。この
図19り明らかなように、Rの値が大きくなるのに伴っ
て、発生する摺動ノイズにばらつきが大きくなる。これ
に加えて、Rの値が大きい場合には、比較的大きな摺動
ノイズも発生している。
るような場合、発生する摺動ノイズが約4.0dBを略
々越えるようなことはなく、さらに、摺動ノイズにばら
つきも少なくて比較的大きな摺動ノイズも発生していな
い。したがって、磁気ヘッドにおいて、Rの値を16μ
m以下とすることによって、良好な電磁変換特性を有す
るものとなる。
1の角部51aのRを様々な値に変化させて作製した磁
気ヘッドに関して、それぞれの磁気ヘッドの磁気ギャッ
プに光を側面方向から透過させることによりデプス長D
を測定することができるかどうかを検証した。
幅規制溝51の深さHが37±12μmとされ、磁気記
録媒体摺動面の当り幅Wを55±6μmとし、当り幅規
制溝51を形成する際の砥石を調節することによって、
当り幅規制溝51の角部51aのRの値を制御して作製
された。
磁気ヘッドに対して、磁気ギャップ付近に光を照射し、
この光の透過を検出することにより、デプス長Dの測定
を行った。このとき、デプス長Dが測定可能である磁気
ヘッドの割合を算出し、デプス長D認識歩留まりとし
た。そして、Rの値とデプス長D認識歩留まりとの関係
を図20に示した。
Hを所定の範囲でグループ化し、各グループでのデプス
長D認識歩留まりを測定した。図20から明らかなよう
に、どのグループにおいてもRの値が16μm以下であ
るような場合、デプス長D認識歩留まりの値は略々50
%を越えている。このことから、磁気ヘッドでは、Rの
値を16μm以下とすることにより、デプス長Dを測定
する際に測定不良を起こすことなく、正確にデプス長D
を測定できることがわかる。
の変形例について説明してきたが、本発明がこれらに限
定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で形状、材質、寸法等、任意に変更することが可能であ
る。
生を行う際の電磁変換特性や耐摩耗特性を損なうことな
く、摺動ノイズ特性を大幅に向上させることが可能とな
る。
す斜視図である。
式的に示す斜視図である。
特性図である。
特性図である。
特性図である。
す特性図である。
す特性図である。
す特性図である。
当り幅が拡大した様子を示す平面図である。
的に示す斜視図である。
る。
る。
示す特性図である。
示す特性図である。
の関係を示す特性図である。
識歩留まりとの関係を示す特性図である。
る。
D 領域 H 深さ W 当り幅 a 磁気記録媒体摺動面 g 磁気ギャッ
プ
Claims (8)
- 【請求項1】 一対の磁気コア半体がギャップ膜を介し
て各突合せ面にて接合されて磁気ギャップが形成される
とともに、磁気記録媒体摺動面における磁気記録媒体と
の当り幅を規定する当り幅規制溝が形成されてなり、 上記当り幅規制溝の深さが磁気記録媒体摺動面の当り幅
より小となるようになされたことを特徴とする磁気ヘッ
ド。 - 【請求項2】 磁気記録媒体摺動面の当り幅が55±6
μmの値とされ、当り幅規制溝の深さが37±12μm
とされ、当り幅規制溝の角部のRが16μm以下とされ
ていることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。 - 【請求項3】 当り幅規制溝の深さが25μm以上45
μm以下の値とされていることを特徴とする請求項1記
載の磁気ヘッド。 - 【請求項4】 磁気記録媒体摺動面の当り幅及び当り幅
規制溝の深さが全体的に略々均一とされていることを特
徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。 - 【請求項5】 磁気記録媒体摺動面が、磁気記録媒体の
走行時における当該磁気記録媒体の入端側がテーパ加工
面とされるとともに、出端側が除去されてなることを特
徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。 - 【請求項6】 各磁気コア半体が単結晶フェライトから
なることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。 - 【請求項7】 各磁気コア半体が、その磁気ギャップ近
傍が単結晶フェライトからなるとともに、その他の部分
が多結晶フェライトからなるものであることを特徴とす
る請求項1記載の磁気ヘッド。 - 【請求項8】 一対の磁気コア半体の各突合せ面に高飽
和磁束密度をもつ金属磁性膜が成膜されていることを特
徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
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