JPH05128421A - 接合型磁気ヘツド - Google Patents
接合型磁気ヘツドInfo
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- JPH05128421A JPH05128421A JP31381791A JP31381791A JPH05128421A JP H05128421 A JPH05128421 A JP H05128421A JP 31381791 A JP31381791 A JP 31381791A JP 31381791 A JP31381791 A JP 31381791A JP H05128421 A JPH05128421 A JP H05128421A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高周波数域における出力特性の劣化を低減化
させる。 【構成】 コア材として単結晶フェライトと多結晶フェ
ライトからなる接合フェライトを使用し、上記単結晶フ
ェライトを磁気記録媒体と摺接されるフロントコア部
１，３に配設し、残りの磁気回路を構成するバックコア
部２，４に上記多結晶フェライトを配設する。この時、
上記多結晶フェライトとして、ＳｉＯ2及びＣａＣＯ3
の添加により優れた高周波数特性を示す多結晶体を使用
する。
させる。 【構成】 コア材として単結晶フェライトと多結晶フェ
ライトからなる接合フェライトを使用し、上記単結晶フ
ェライトを磁気記録媒体と摺接されるフロントコア部
１，３に配設し、残りの磁気回路を構成するバックコア
部２，４に上記多結晶フェライトを配設する。この時、
上記多結晶フェライトとして、ＳｉＯ2及びＣａＣＯ3
の添加により優れた高周波数特性を示す多結晶体を使用
する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気コア材として単結
晶フェライトと多結晶フェライトよりなる接合型磁気ヘ
ッドに関する。
晶フェライトと多結晶フェライトよりなる接合型磁気ヘ
ッドに関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、例えばビデオテープレコーダ（Ｖ
ＴＲ）等の分野においては、高密度記録化や短波長記録
化が進められている。これに対応する磁気記録媒体とし
て、Ｆｅ、Ｃｏ、Ｎｉ等の強磁性金属粉末を用いた所謂
メタルテープや、ベースフィルム上に強磁性金属材料を
蒸着等により直接被着した所謂蒸着テープ等が提案され
ている。
ＴＲ）等の分野においては、高密度記録化や短波長記録
化が進められている。これに対応する磁気記録媒体とし
て、Ｆｅ、Ｃｏ、Ｎｉ等の強磁性金属粉末を用いた所謂
メタルテープや、ベースフィルム上に強磁性金属材料を
蒸着等により直接被着した所謂蒸着テープ等が提案され
ている。
【０００３】この種の磁気記録媒体は、高い抗磁力や残
留磁束密度を有するので、情報信号の電磁変換を行う磁
気ヘッドにも性能向上に対する要求、特に飽和磁束密度
や透磁率の向上が望まれている。
留磁束密度を有するので、情報信号の電磁変換を行う磁
気ヘッドにも性能向上に対する要求、特に飽和磁束密度
や透磁率の向上が望まれている。
【０００４】かかる状況から、従来より多用されている
単結晶フェライトからなる単体磁気ヘッドでは十分な記
録再生特性を確保することが困難となり、これに代わる
磁気ヘッドとして、磁気コアに単結晶フェライトと多結
晶フェライトからなる接合フェライトを使用した、所謂
接合型磁気ヘッドが提案されている。上記接合フェライ
トは、単結晶フェライトと多結晶フェライトの固相反
応、即ち接合部における化学反応により直接接合される
ことによって得られるものである。例えば、別々に作製
したＭｎ−Ｚｎフェライト単結晶とＭｎ−Ｚｎフェライ
ト多結晶の接合面を重ね合わせた後、不活性ガス雰囲気
中、所定の圧力及び温度にて数時間保ち、固相反応を行
わせることによって両者の接合一体化がなされる。
単結晶フェライトからなる単体磁気ヘッドでは十分な記
録再生特性を確保することが困難となり、これに代わる
磁気ヘッドとして、磁気コアに単結晶フェライトと多結
晶フェライトからなる接合フェライトを使用した、所謂
接合型磁気ヘッドが提案されている。上記接合フェライ
トは、単結晶フェライトと多結晶フェライトの固相反
応、即ち接合部における化学反応により直接接合される
ことによって得られるものである。例えば、別々に作製
したＭｎ−Ｚｎフェライト単結晶とＭｎ−Ｚｎフェライ
ト多結晶の接合面を重ね合わせた後、不活性ガス雰囲気
中、所定の圧力及び温度にて数時間保ち、固相反応を行
わせることによって両者の接合一体化がなされる。
【０００５】このような接合フェライトは、単結晶フェ
ライトの有する優れた耐摩耗性及び精密可能の容易さ
と、多結晶フェライトの低ノイズ性を兼ね備えており、
例えば高性能ＶＴＲ用磁気ヘッドのコア材として好適と
される。この接合フェライトをコア材として有する接合
型磁気ヘッドにおいては、磁気記録媒体と摺接されるフ
ロントコア側に高飽和磁束密度を有する単結晶フェライ
トが用いられ、残りの磁気回路を構成するバックコア側
に高透磁率を有する多結晶フェライトが用いられる。上
記単結晶フェライトは、磁気テープとの摺接面に配され
るために、その磁気特性は磁気ヘッドの再生感度に大き
く影響を及ぼす。また、多結晶フェライトは、磁気回路
の大部分を占めるために、その磁気特性は磁気ヘッドの
出力特性に対して大きく寄与する。
ライトの有する優れた耐摩耗性及び精密可能の容易さ
と、多結晶フェライトの低ノイズ性を兼ね備えており、
例えば高性能ＶＴＲ用磁気ヘッドのコア材として好適と
される。この接合フェライトをコア材として有する接合
型磁気ヘッドにおいては、磁気記録媒体と摺接されるフ
ロントコア側に高飽和磁束密度を有する単結晶フェライ
トが用いられ、残りの磁気回路を構成するバックコア側
に高透磁率を有する多結晶フェライトが用いられる。上
記単結晶フェライトは、磁気テープとの摺接面に配され
るために、その磁気特性は磁気ヘッドの再生感度に大き
く影響を及ぼす。また、多結晶フェライトは、磁気回路
の大部分を占めるために、その磁気特性は磁気ヘッドの
出力特性に対して大きく寄与する。
【０００６】従って、この接合型磁気ヘッドでは、従来
の単体磁気ヘッドと同様に単純な構造でありながら、高
抗磁力磁気記録媒体に対して良好な記録・再生を行うこ
とが可能であると同時に、優れた電磁変換特性を得るこ
とができる。
の単体磁気ヘッドと同様に単純な構造でありながら、高
抗磁力磁気記録媒体に対して良好な記録・再生を行うこ
とが可能であると同時に、優れた電磁変換特性を得るこ
とができる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えばＶＴ
Ｒ用磁気ヘッドにおいては、数ＭＨｚの周波数で電気信
号を記録再生することが要求される。しかし、Ｍｎ−Ｚ
ｎ系フェライトの抵抗率は１Ωｃｍ程度であるために、
このＭｎ−Ｚｎ系フェライトをコア材として有する磁気
ヘッドをＶＴＲ用磁気ヘッドとして用いると、この周波
数領域では表皮効果の影響により磁気特性の劣化が生
じ、１ＭＨｚ以上の高周波数域における磁気ヘッドの出
力低下の原因となってしまう。
Ｒ用磁気ヘッドにおいては、数ＭＨｚの周波数で電気信
号を記録再生することが要求される。しかし、Ｍｎ−Ｚ
ｎ系フェライトの抵抗率は１Ωｃｍ程度であるために、
このＭｎ−Ｚｎ系フェライトをコア材として有する磁気
ヘッドをＶＴＲ用磁気ヘッドとして用いると、この周波
数領域では表皮効果の影響により磁気特性の劣化が生
じ、１ＭＨｚ以上の高周波数域における磁気ヘッドの出
力低下の原因となってしまう。
【０００８】そこで、本発明は、かかる従来の実情に鑑
みて提案されたものであって、特に高周波数域での出力
低下を低減化させることが可能な接合型磁気ヘッドを提
供することを目的とする。
みて提案されたものであって、特に高周波数域での出力
低下を低減化させることが可能な接合型磁気ヘッドを提
供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の目
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、多結晶フェ
ライトにＳｉＯ2 及びＣａＣＯ3を添加して磁気特性を
改善したフェライトをコア材として用いることにより、
高周波数領域における出力特性の向上が図られることを
見出し、本発明を完成するに至った。
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、多結晶フェ
ライトにＳｉＯ2 及びＣａＣＯ3を添加して磁気特性を
改善したフェライトをコア材として用いることにより、
高周波数領域における出力特性の向上が図られることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【００１０】即ち、本発明は、磁気記録媒体摺接部分に
単結晶フェライトを用い、後部磁気回路を構成する部分
に多結晶フェライトを用いた接合型磁気ヘッドにおい
て、前記多結晶フェライトにＳｉＯ2 及びＣａＣＯ3 が
添加されてなることを特徴とするものである。
単結晶フェライトを用い、後部磁気回路を構成する部分
に多結晶フェライトを用いた接合型磁気ヘッドにおい
て、前記多結晶フェライトにＳｉＯ2 及びＣａＣＯ3 が
添加されてなることを特徴とするものである。
【００１１】本発明の接合型磁気ヘッドにおいては、単
結晶フェライトと多結晶フェライトとがいわゆる熱間加
圧処理により接合されてなる接合フェライト材により構
成されてなる。このような接合フェライトを用いた接合
型磁気ヘッドにおいては、多結晶フェライトが磁気回路
の大部分を占めている。そこで、本発明では、多結晶フ
ェライトにＳｉＯ2 とＣａＣＯ3 を添加することによ
り、多結晶フェライトの磁気特性を向上させて高周波数
特性の改善を図っている。これにより、この多結晶フェ
ライトを用いた接合フェライトの高周波数特性が向上
し、ひいてはこの接合フェライトからなる磁気ヘッドの
出力特性を改善することができる。
結晶フェライトと多結晶フェライトとがいわゆる熱間加
圧処理により接合されてなる接合フェライト材により構
成されてなる。このような接合フェライトを用いた接合
型磁気ヘッドにおいては、多結晶フェライトが磁気回路
の大部分を占めている。そこで、本発明では、多結晶フ
ェライトにＳｉＯ2 とＣａＣＯ3 を添加することによ
り、多結晶フェライトの磁気特性を向上させて高周波数
特性の改善を図っている。これにより、この多結晶フェ
ライトを用いた接合フェライトの高周波数特性が向上
し、ひいてはこの接合フェライトからなる磁気ヘッドの
出力特性を改善することができる。
【００１２】ここで、図５に上記多結晶フェライトに添
加されるＳｉＯ2 及びＣａＣＯ3 の添加量と比抵抗の関
係を表す。図５より、多結晶フェライトの比抵抗値はＳ
ｉＯ2 及びＣａＣＯ3 の添加量に依存しており、各化合
物の添加量を制御することにより良好な磁気特性を確保
すうことができることが判る。
加されるＳｉＯ2 及びＣａＣＯ3 の添加量と比抵抗の関
係を表す。図５より、多結晶フェライトの比抵抗値はＳ
ｉＯ2 及びＣａＣＯ3 の添加量に依存しており、各化合
物の添加量を制御することにより良好な磁気特性を確保
すうことができることが判る。
【００１３】このことからＦｅ2 Ｏ3 原料中における上
記ＳｉＯ2 の添加量は０．０１〜０．０４ｍｏｌ％と
し、ＣａＣＯ3 の添加量は０．１〜０．４ｍｏｌ％とす
ることが望ましい。これら化合物の添加量が上記範囲か
ら外れると、比抵抗値を十分に改善することができず、
良好な高周波数特性を実現することは困難となる。
記ＳｉＯ2 の添加量は０．０１〜０．０４ｍｏｌ％と
し、ＣａＣＯ3 の添加量は０．１〜０．４ｍｏｌ％とす
ることが望ましい。これら化合物の添加量が上記範囲か
ら外れると、比抵抗値を十分に改善することができず、
良好な高周波数特性を実現することは困難となる。
【００１４】なお、本発明は、磁気ギャップ対面接に高
飽和磁束密度を有する軟磁性合金からなる金属磁性薄膜
が形成された、いわゆるメタル・イン・ギャップ型の複
合磁気ヘッドにも適用することができる。さらに、上述
の熱間加圧処理に伴ってフロントコア部とバックコア部
との界面に反応層が形成されるのを防止するために、必
要に応じて膜厚１〜５μｍ程度の酸化物磁性薄膜を介在
させても良い。
飽和磁束密度を有する軟磁性合金からなる金属磁性薄膜
が形成された、いわゆるメタル・イン・ギャップ型の複
合磁気ヘッドにも適用することができる。さらに、上述
の熱間加圧処理に伴ってフロントコア部とバックコア部
との界面に反応層が形成されるのを防止するために、必
要に応じて膜厚１〜５μｍ程度の酸化物磁性薄膜を介在
させても良い。
【００１５】上記酸化物磁性薄膜としては、Ｍｎ−Ｚｎ
フェライト、Ｍｎフェライト、Ｎｉ−Ｚｎフェライト、
Ｎｉフェライト、Ｆｅ−Ｚｎフェライト、Ｆｅフェライ
ト（マグネタイト）等のスピネル型結晶構造を有する磁
性薄膜や、ＹＩＧ，ＧｄＩＧ等のガーネット型結晶構造
を有する磁性薄膜、ＹＦｅＯ3 等のオルソフェライト型
の磁性薄膜等が挙げられる。
フェライト、Ｍｎフェライト、Ｎｉ−Ｚｎフェライト、
Ｎｉフェライト、Ｆｅ−Ｚｎフェライト、Ｆｅフェライ
ト（マグネタイト）等のスピネル型結晶構造を有する磁
性薄膜や、ＹＩＧ，ＧｄＩＧ等のガーネット型結晶構造
を有する磁性薄膜、ＹＦｅＯ3 等のオルソフェライト型
の磁性薄膜等が挙げられる。
【００１６】これらの酸化物磁性薄膜は、各種スパッタ
リング、真空蒸着法、メッキ法、イオンプレーティン
グ、ＭＢＥ等の手法によって容易に形成することができ
る。
リング、真空蒸着法、メッキ法、イオンプレーティン
グ、ＭＢＥ等の手法によって容易に形成することができ
る。
【００１７】
【作用】本発明においては、多結晶フェライトにＳｉＯ
2 とＣａＣＯ3 を適量添加しているので、多結晶フェラ
イトの高周波数特性が改善される。この高周波数特性に
優れた多結晶フェライトを用いた接合フェライトをコア
材として使用することにより、磁気ヘッドの高周波数領
域における出力特性が向上する。
2 とＣａＣＯ3 を適量添加しているので、多結晶フェラ
イトの高周波数特性が改善される。この高周波数特性に
優れた多結晶フェライトを用いた接合フェライトをコア
材として使用することにより、磁気ヘッドの高周波数領
域における出力特性が向上する。
【００１８】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。本実施例の接
合型磁気ヘッドは、図１に示すように、記録媒体対接面
１ａ，３ａの中央に位置するフロントギャップｇ1 およ
びバックギャップｇ2 を境として左右別々の磁気コア半
体Ａ，Ｂとして作成され、これら磁気コア半体Ａ，Ｂが
融着ガラス等によって接合一体化されてなる。
いて図面を参照しながら詳細に説明する。本実施例の接
合型磁気ヘッドは、図１に示すように、記録媒体対接面
１ａ，３ａの中央に位置するフロントギャップｇ1 およ
びバックギャップｇ2 を境として左右別々の磁気コア半
体Ａ，Ｂとして作成され、これら磁気コア半体Ａ，Ｂが
融着ガラス等によって接合一体化されてなる。
【００１９】上記磁気コア半体Ａ，Ｂは、フロントギャ
ップｇ1 側に設けられるフロントコア部１，３とバック
ギャップｇ2 側に設けられるバックコア部２，４とに分
かれる。上記フロントコア部１，３は、Ｍｎ−Ｚｎ系単
結晶フェライトからなり、上記バックコア部２，４は、
Ｍｎ−Ｚｎ系多結晶フェライトからなる。なお、上記磁
気コア半体Ａ，Ｂの少なくとも一方には、フロントギャ
ップｇ1 のデプスを規制し且つコイルを巻装するための
巻線溝５が設けられている。
ップｇ1 側に設けられるフロントコア部１，３とバック
ギャップｇ2 側に設けられるバックコア部２，４とに分
かれる。上記フロントコア部１，３は、Ｍｎ−Ｚｎ系単
結晶フェライトからなり、上記バックコア部２，４は、
Ｍｎ−Ｚｎ系多結晶フェライトからなる。なお、上記磁
気コア半体Ａ，Ｂの少なくとも一方には、フロントギャ
ップｇ1 のデプスを規制し且つコイルを巻装するための
巻線溝５が設けられている。
【００２０】このように、単結晶フェライトを磁気テー
プと摺動する側に配置させることにより、その磁気特性
は再生感度に大きく影響を及ぼす。また、多結晶フェラ
イトは、磁路の大部分を占めるために、その磁気特性は
磁気ヘッドの出力特性に対して大きく寄与する。したが
って、本実施例では、このヘッド出力特性に大きな影響
を及ぼす多結晶フェライトに、磁気特性を大幅に向上さ
せる目的でＳｉＯ2 とＣａＣＯ3 を添加している。すな
わち、ＳｉＯ2 とＣａＣＯ3 を添加すると、結晶粒界に
高抵抗絶縁層が析出し表皮効果が低滅し、磁気特性が向
上する。また、接合フェライトにおいては、単結晶と多
結晶の組成が同じであると、キュリー温度の相違により
接合時にひび割れが発生するが、このキュリー温度の変
化しない程度に多結晶フェライトに添加元素を加えれ
ば、ひび割れを防止でき、接合フェライトの製造上にお
ける歩留まりも劣化しない。
プと摺動する側に配置させることにより、その磁気特性
は再生感度に大きく影響を及ぼす。また、多結晶フェラ
イトは、磁路の大部分を占めるために、その磁気特性は
磁気ヘッドの出力特性に対して大きく寄与する。したが
って、本実施例では、このヘッド出力特性に大きな影響
を及ぼす多結晶フェライトに、磁気特性を大幅に向上さ
せる目的でＳｉＯ2 とＣａＣＯ3 を添加している。すな
わち、ＳｉＯ2 とＣａＣＯ3 を添加すると、結晶粒界に
高抵抗絶縁層が析出し表皮効果が低滅し、磁気特性が向
上する。また、接合フェライトにおいては、単結晶と多
結晶の組成が同じであると、キュリー温度の相違により
接合時にひび割れが発生するが、このキュリー温度の変
化しない程度に多結晶フェライトに添加元素を加えれ
ば、ひび割れを防止でき、接合フェライトの製造上にお
ける歩留まりも劣化しない。
【００２１】ところで、上述の接合型磁気ヘッドを作製
するには、以下のようにして行う。先ず、Ｍｎ−Ｚｎ単
結晶フェライトを作製した。すなわち、Ｆｅ2 Ｏ3 ，Ｚ
ｎＯ，ＭｎＯの原料粉末をＦｅ2 Ｏ3 ／５３．０ｍｏｌ
％、ＺｎＯ／１４．０ｍｏｌ％、ＭｎＯ／２９．０ｍｏ
ｌ％の割合で混合し、成型後に温度１２５０℃、５％Ｏ
2 ガス雰囲気下の焼成によってスピネル化させた。そし
て、１６５０℃でＰｔるつぼ中で溶解し、ブリッジマン
法により単結晶化させた。
するには、以下のようにして行う。先ず、Ｍｎ−Ｚｎ単
結晶フェライトを作製した。すなわち、Ｆｅ2 Ｏ3 ，Ｚ
ｎＯ，ＭｎＯの原料粉末をＦｅ2 Ｏ3 ／５３．０ｍｏｌ
％、ＺｎＯ／１４．０ｍｏｌ％、ＭｎＯ／２９．０ｍｏ
ｌ％の割合で混合し、成型後に温度１２５０℃、５％Ｏ
2 ガス雰囲気下の焼成によってスピネル化させた。そし
て、１６５０℃でＰｔるつぼ中で溶解し、ブリッジマン
法により単結晶化させた。
【００２２】次に、多結晶フェライトＡを作製した。す
なわち、Ｆｅ2 Ｏ3 ，ＺｎＯ，ＭｎＯ原料粉末を上記Ｍ
ｎ−Ｚｎ単結晶フェライトと同じ比率で調合したものに
ＣａＣＯ3 ／０．１５ｍｏｌ％とＳｉＯ2 ／０．０３ｍ
ｏｌ％を添加した。そして、これを粉砕，混合した後Ｎ
2 ガス雰囲気１０００℃で反応させてスピネル化させ、
再び粉砕したものを成型し、更に温度１２８０℃、１％
Ｏ2 ガス雰囲気で２時間加熱して焼結した。このように
して得られた多結晶フェライトＡの磁気特性を表１に示
す。なお、比較として添加物を加えていない場合（多結
晶フェライトａ）の磁気特性も併記する。
なわち、Ｆｅ2 Ｏ3 ，ＺｎＯ，ＭｎＯ原料粉末を上記Ｍ
ｎ−Ｚｎ単結晶フェライトと同じ比率で調合したものに
ＣａＣＯ3 ／０．１５ｍｏｌ％とＳｉＯ2 ／０．０３ｍ
ｏｌ％を添加した。そして、これを粉砕，混合した後Ｎ
2 ガス雰囲気１０００℃で反応させてスピネル化させ、
再び粉砕したものを成型し、更に温度１２８０℃、１％
Ｏ2 ガス雰囲気で２時間加熱して焼結した。このように
して得られた多結晶フェライトＡの磁気特性を表１に示
す。なお、比較として添加物を加えていない場合（多結
晶フェライトａ）の磁気特性も併記する。
【００２３】
【表１】
【００２４】表１からかわるように、ＳｉＯ2 ，ＣａＣ
Ｏ3 を添加した多結晶フェライトＡでは、高周波領域で
の透磁率が改善されていることがわかる。これは結晶粒
界中にＳｉＯ2 及びＣａＣＯ3 が析出して高抵抗層を形
成し、高周波領域における渦電流損失の発生を抑制した
ものと考えられる。また、添加元素の量が少量であるた
めにキュリー温度も変化は見られなかった。通常、キュ
リー温度が変化すると、単結晶フェライトと多結晶フェ
ライトの接合時にひびが発生するが、本例ではこれを回
避できる。
Ｏ3 を添加した多結晶フェライトＡでは、高周波領域で
の透磁率が改善されていることがわかる。これは結晶粒
界中にＳｉＯ2 及びＣａＣＯ3 が析出して高抵抗層を形
成し、高周波領域における渦電流損失の発生を抑制した
ものと考えられる。また、添加元素の量が少量であるた
めにキュリー温度も変化は見られなかった。通常、キュ
リー温度が変化すると、単結晶フェライトと多結晶フェ
ライトの接合時にひびが発生するが、本例ではこれを回
避できる。
【００２５】次に、得られたＭｎ−Ｚｎ単結晶フェライ
トを１０（幅）×３０（長さ）×１．０（厚み）ｍｍの
寸法に、また上記多結晶フェライトＡを１０（幅）×３
５（長さ）×２．０（厚み）ｍｍの寸法にそれぞれ切り
出し、図２に示すような単結晶フェライト基板１１と多
結晶フェライト基板１２を作製した。そして、これらフ
ェライト基板１１，１２の接合面を両者が十分に密着す
るような面粗度と平面度を持つように鏡面加工した。
トを１０（幅）×３０（長さ）×１．０（厚み）ｍｍの
寸法に、また上記多結晶フェライトＡを１０（幅）×３
５（長さ）×２．０（厚み）ｍｍの寸法にそれぞれ切り
出し、図２に示すような単結晶フェライト基板１１と多
結晶フェライト基板１２を作製した。そして、これらフ
ェライト基板１１，１２の接合面を両者が十分に密着す
るような面粗度と平面度を持つように鏡面加工した。
【００２６】次に、図３に示すように、上記接合面を介
して両者を密着させ、１０Ｋｇｆ／ｃｍ2 の圧力と１０
０％ガスＮ2 ガス雰囲気下で１２３０℃に加熱し、２時
間保持した。次に、上記接合体を冷却した後、図４に示
すようにブロック状に切断加工して磁気コア材を得た。
して両者を密着させ、１０Ｋｇｆ／ｃｍ2 の圧力と１０
０％ガスＮ2 ガス雰囲気下で１２３０℃に加熱し、２時
間保持した。次に、上記接合体を冷却した後、図４に示
すようにブロック状に切断加工して磁気コア材を得た。
【００２７】そして、上記磁気コア材より、通常行われ
ている加工，組立を行なって図１に示す磁気ヘッドを完
成した。本実施例では、上記磁気ヘッドのチップ厚を２
００μｍ、トラック幅を６０μｍ、ギャップ幅を０．５
μｍとし、巻線溝５にコイルを１６回巻回した。そし
て、このようにして作製された磁気ヘッドの飽和記録再
生出力を測定した。その結果を表２に示す。なお、測定
数は１０個とした。また、比較例として多結晶に添加物
を加えていない接合フェライト材で作製した磁気ヘッド
についても同様にその結果を併記する。
ている加工，組立を行なって図１に示す磁気ヘッドを完
成した。本実施例では、上記磁気ヘッドのチップ厚を２
００μｍ、トラック幅を６０μｍ、ギャップ幅を０．５
μｍとし、巻線溝５にコイルを１６回巻回した。そし
て、このようにして作製された磁気ヘッドの飽和記録再
生出力を測定した。その結果を表２に示す。なお、測定
数は１０個とした。また、比較例として多結晶に添加物
を加えていない接合フェライト材で作製した磁気ヘッド
についても同様にその結果を併記する。
【００２８】
【表２】
【００２９】この結果からわかるように、両者の特性は
０．５ＭＨｚではほとんど差はないが、５ＭＨｚでは＋
２．０ｄｂほど出力が向上したのがわかる。
０．５ＭＨｚではほとんど差はないが、５ＭＨｚでは＋
２．０ｄｂほど出力が向上したのがわかる。
【００３０】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、ＳｉＯ2 とＣａＣＯ3 の添加により優れた高周
波数特性を示す多結晶フェライトを用いているので、接
合フェライトの高周波数特性が改善される。従って、こ
の接合フェライトをコア材として有する磁気ヘッドにお
いては、その効果が発揮され、１ＭＨｚ以上の高周波数
域においても良好な出力を得ることができる。
明では、ＳｉＯ2 とＣａＣＯ3 の添加により優れた高周
波数特性を示す多結晶フェライトを用いているので、接
合フェライトの高周波数特性が改善される。従って、こ
の接合フェライトをコア材として有する磁気ヘッドにお
いては、その効果が発揮され、１ＭＨｚ以上の高周波数
域においても良好な出力を得ることができる。
【図１】本発明を適用した接合型磁気ヘッドの構成を示
す断面図である。
す断面図である。
【図２】本発明の接合型磁気ヘッドを製造する工程のう
ち単結晶フェライトと多結晶フェライトの作成工程を示
す斜視図である。
ち単結晶フェライトと多結晶フェライトの作成工程を示
す斜視図である。
【図３】単結晶フェライトと多結晶フェライトとの接合
一体化工程を示す斜視図である。
一体化工程を示す斜視図である。
【図４】磁気コアブロックを得るための接合フェライト
の切断加工工程を示す斜視図である。
の切断加工工程を示す斜視図である。
【図５】ＳｉＯ2 とＣａＣＯ3 の添加量を変化させた時
の多結晶フェライトの比抵抗値を示す特性図である。
の多結晶フェライトの比抵抗値を示す特性図である。
１，３・・・フロントコア部 ２，４・・・バックコア部
Claims (1)
- 【請求項１】 磁気記録媒体摺接部分に単結晶フェライ
トを用い、後部磁気回路を構成する部分に多結晶フェラ
イトを用いた接合型磁気ヘッドにおいて、 前記多結晶フェライトにＳｉＯ2 及びＣａＣＯ3 が添加
されてなることを特徴とする接合型磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31381791A JPH05128421A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 接合型磁気ヘツド |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31381791A JPH05128421A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 接合型磁気ヘツド |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05128421A true JPH05128421A (ja) | 1993-05-25 |
Family
ID=18045871
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31381791A Pending JPH05128421A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 接合型磁気ヘツド |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05128421A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5852536A (en) * | 1996-03-14 | 1998-12-22 | Sony Corporation | Magnetic head |
-
1991
- 1991-10-31 JP JP31381791A patent/JPH05128421A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5852536A (en) * | 1996-03-14 | 1998-12-22 | Sony Corporation | Magnetic head |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20010821 |