JPH0917606A - 正特性サーミスタ素子 - Google Patents

正特性サーミスタ素子

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JPH0917606A
JPH0917606A JP7163615A JP16361595A JPH0917606A JP H0917606 A JPH0917606 A JP H0917606A JP 7163615 A JP7163615 A JP 7163615A JP 16361595 A JP16361595 A JP 16361595A JP H0917606 A JPH0917606 A JP H0917606A
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thermistor element
positive temperature
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篤 平野
Shigeyuki Kuroda
茂之 黒田
Kenji Tanaka
謙次 田中
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01CRESISTORS
    • H01C7/00Non-adjustable resistors formed as one or more layers or coatings; Non-adjustable resistors made from powdered conducting material or powdered semi-conducting material with or without insulating material
    • H01C7/02Non-adjustable resistors formed as one or more layers or coatings; Non-adjustable resistors made from powdered conducting material or powdered semi-conducting material with or without insulating material having positive temperature coefficient

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱破壊特性に優れた正特性サーミスタ素子を
提供する。 【構成】 本発明に係る正特性サーミスタ素子は、正特
性サーミスタ素体1を備え、かつ、この正特性サーミス
タ素体1の主表面上には電極2,3が形成されてなるも
のであって、正特性サーミスタ素体1は内部領域4と外
部領域5,6とを具備しており、かつ、外部領域5,6
のポア占有率が内部領域4よりも大きく設定されたもの
であることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は正特性サーミスタ素子に
係り、特には、突入電流に対する熱破壊特性を改善する
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】チタン酸バリウムに対して微量の不純物
及び添加物を添加すると、正の抵抗温度特性、つまり、
キュリー点温度以上で抵抗値が急激に増加する抵抗温度
特性の半導体セラミックが得られることになり、このよ
うな半導体セラミックを用いては、自動消磁用やモータ
起動用、過電流保護用、ヒータ用などの用途でもって使
用される正特性サーミスタ素子を構成することが行われ
ている。そして、この種の具体的な正特性サーミスタ素
子としては、図4で示すように、正の抵抗温度特性を有
する半導体セラミックを用いて作製された円板形状など
の正特性サーミスタ素体11を備え、かつ、その両主表
面上には電極12,13が形成されてなるものが一般的
であり、電極12,13のそれぞれに対してはリード線
(図示せず)が半田付けなどによって接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、正特性サー
ミスタ素子においては、電極12,13を介したうえで
の電圧印加に伴って正特性サーミスタ素体11が発熱す
ることになるが、この際における正特性サーミスタ素体
11の発熱状態を赤外線温度解析装置によって測定して
みると、図4中の仮想線で示す等温線Tからも分かるよ
うに、正特性サーミスタ素体11の内部領域である中央
部分と、その外部領域である両主表面側及び周面側部分
との間で温度差が生じている。なお、このような温度差
が生じるのは、正特性サーミスタ素体11の両主表面及
び周面が外気と接触しているため、両主表面側及び周面
側部分での熱放散量が多くなって温度が低くなる傾向が
あるのに対し、その中央部分では熱放散量が少なくて温
度が高くなる傾向があるためと考えられる。
【0004】そして、このような温度差が生じている
と、正特性サーミス夕素体11の中央部分が両主表面側
及び周面側部分に比べて高抵抗となり、かつ、この中央
部分では両主表面側及び周面側部分よりも早く熱応力が
発生することになるので、熱平衡状態の差が大きくなっ
て正特性サーミス夕素体11の破壊が起こり易くなる。
また、特に、自動消磁用やモータ起動用、過電流保護用
などの用途においては、比較的大きな突入電流が急に印
加される結果、正特性サーミスタ素体11が急に破壊さ
れるという不都合が生じることになっていた。
【0005】本発明は、このような不都合に鑑みて創案
されたものであって、熱破壊特性に優れた正特性サーミ
スタ素子の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る正特性サー
ミスタ素子は、正特性サーミスタ素体を備え、かつ、こ
の正特性サーミスタ素体の主表面上には電極が形成され
てなるものであって、上記目的を達成するため、正特性
サーミスタ素体は内部領域と外部領域とを具備してお
り、かつ、外部領域のポア(空隙)占有率が内部領域よ
りも大きく設定されたものであることを特徴としてい
る。
【0007】
【作用】上記構成によれば、正特性サーミスタ素体にお
ける外部領域の方が内部領域よりも大きなポア占有率を
有しているので、外部領域である両主表面側や周面側部
分では内部領域となる中央部分よりも熱伝導経路が減少
することになって比抵抗が上昇する結果、これら両主表
面側や周面側部分の温度が中央部分よりも高くなる。そ
こで、正特性サーミスタ素体の中央部分と両主表面側及
び周面側部分との温度差が小さくなり、熱平衡状態の差
が小さくなる。また、この際においては、正特性サーミ
スタ素体内に分散されたポアでもって発生した熱応力が
吸収あるいは緩和されることになるため、正特性サーミ
スタ素体の破壊が生じ難いことになる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0009】第1実施例 図1は本発明の第1実施例に係る正特性サーミスタ素子
の構造を示す側断面図であり、この正特性サーミスタ素
子は、正の抵抗温度特性を有する半導体セラミックを用
いて作製された板状、例えば、両主表面及び周面によっ
て外表面が構成されてなる円板形状の正特性サーミスタ
素体1を備え、かつ、両主表面上には電極2,3がそれ
ぞれ形成されたものとなっている。なお、これら電極
2,3のそれぞれに対しては、リード線(図示せず)が
半田付けなどによって接続されている。
【0010】そして、ここでの正特性サーミスタ素体1
は、その厚み方向に沿って区分された中央部分である内
部領域4と、主表面側部分であるところの外部領域5,
6とを具備しており、この際における外部領域5,6の
ポア占有率は内部領域4よりも大きく設定されている。
すなわち、より詳細にいえば、正特性サーミスタ素体1
は、11〜13%というような所定のポア占有率を有す
る内部領域4と、この内部領域4の外側となる上部及び
下部位置に配置され、かつ、内部領域4よりも大きな1
4〜15%程度のポア占有率を有する外部領域5,6と
を具備したものであり、この正特性サーミスタ素体1に
おける両主表面には外部領域5,6のそれぞれが露出
し、また、その周面には内部領域4と外部領域5,6と
の境界が露出している。なお、この際における内部領域
4及び外部領域5,6のポア占有率が上記数値に限定さ
れることはなく、例えば、外部領域5,6のポア占有率
が19%程度とされていても差し支えない。要するに、
この正特性サーミスタ素体1におけるポアの大きさや個
数は適宜に設定されていればよいのであり、外部領域
5,6のポア占有率の方が内部領域4のポア占有率より
も大きくなっていればよいのである。
【0011】次に、上記構造となる正特性サーミスタ素
体1の製造手順を説明する。まず、正特性サーミスタ素
体1を作製する際に必要となる第1のサーミスタ材料
X、例えば、(Ba・Sr・Pb・Ca・Y・Mn)T
iO3 +SiO2 と、PMMA(ポリメチルメタアクリ
レート)を主成分とする球形で粒径が10〜30μm程
度となった樹脂ビーズを第1のサーミスタ材料Xに対し
て2重量%程度添加してなる第2のサーミスタ材料Yと
を予め用意する。なお、この際における樹脂ビーズが上
記条件を満たすものに限られることはないのであり、そ
の主成分は焼成に伴って消失するものであればよく、形
状及び粒径も半導体セラミックが本来的に含んでいるポ
アよりも大きなポアを形成し得るものであればよい。そ
して、樹脂ビーズの添加量も所望の特性に応じて適宜設
定されることになり、例えば、第1のサーミスタ材料X
に対して1重量%程度の樹脂ビーズを添加する一方で第
2のサーミスタ材料Yに対して2重量%程度の樹脂ビー
ズを添加しておくことも可能である。
【0012】引き続き、乾式プレス機を利用したうえで
第1及び第2のサーミスタ材料X,Yからなる成形体を
作製する。すなわち、具体的には、以下のような手順に
従って成形体を得た。
【0013】まず、乾式プレス機を構成する金型の内
部に第2のサーミスタ材料Yを0.62g程度の所定量
だけ充填した後、40MPa程度の低圧力でもって加圧
することにより正特性サーミスタ素体1の外部領域5と
対応する部分を作製した。
【0014】そして、この金型内における外部領域5
と対応する部分上に第1のサーミスタ材料Xを0.62
g程度の所定量だけ充填した後、40MPa程度の低圧
力で加圧することによって正特性サーミスタ素体1の内
部領域4と対応する部分を作製した。
【0015】さらに、この金型内における内部領域4
と対応する部分上に第2のサーミスタ材料Yを0.62
g程度の所定量だけ充填した後、120MPa程度の高
圧力で加圧することによって正特性サーミスタ素体1の
外部領域6に相当する部分を作製すると同時に、全体の
圧縮を行うことによって成形体を得た。
【0016】その後、得られた成形体を1340℃程度
の温度下で焼成すると、正特性サーミスタ素体1が作製
されたことになる。そして、この際、焼成に伴っては、
第2のサーミスタ材料Yに添加されていた樹脂ビーズが
消失し、これら樹脂ビーズの跡にはポアが形成される結
果、正特性サーミスタ素体1における外部領域5,6の
ポア占有率は内部領域4よりも大きく設定されているこ
とになる。すなわち、ここで、第2のサーミスタ材料Y
における樹脂ビーズの粒径が20μmであり、その添加
量が2重量%である場合、この第2のサーミスタ材料Y
からなる外側領域5,6のポア占有率は14〜15%と
なるのに対し、樹脂ビーズが添加されていない第1のサ
ーミスタ材料Xからなる内部領域4のポア占有率は11
〜13%となるのである。なお、樹脂ビーズの添加量を
増やしておけばポア占有率が大きくなり、また、樹脂ビ
ーズの添加量を減らしておけばポア占有率が小さくなる
ことは勿論である。
【0017】さらにまた、正特性サーミスタ素体1の両
主表面上に導電性ペーストを塗布したうえでの焼き付け
を行うと、Ni−Agなどからなる電極2,3が形成さ
れた正特性サーミスタ素子として完成する。ところで、
このような手順に従って製造された正特性サーミスタ素
子は、直径が14mm程度で厚みが2mm程度の大きさ
を有するものとなっている。
【0018】引き続き、本発明の発明者らが、本実施例
の手順に従って作製され、かつ、図1で示した構造の正
特性サーミスタ素子が有する抵抗値(Ω)及び熱破壊特
性を表すことになるフラッシュ耐圧(V)、つまり、突
入電流に対する耐電圧を測定してみたところ、表1で示
すような測定結果が得られた。そして、この表1中に
は、サーミスタ材料Xのみからなる正特性サーミスタ素
体を具備して構成された正特性サーミスタ素子の有する
抵抗値(Ω)及びフラッシュ耐圧(V)を比較例として
併記している。なお、ここでのフラッシュ耐圧は、10
0Vの電圧を5秒間にわたって印加した後、正特性サー
ミスタ素体1の温度を常温にまで低下させたうえで抵抗
値を測定することを行い、測定した抵抗値が初期の抵抗
直と変わらない場合には、電圧を上げたうえで同様の測
定を繰り返しながら測定した抵抗値が変化した時の電圧
値である。
【0019】
【表1】
【0020】そして、この表1によれば、比較例に係る
正特性サーミスタ素子では280Vのフラッシュ耐圧し
か得られないのに対し、本実施例に係る正特性サーミス
タ素子では500Vのフラッシュ耐圧が得られており、
1.8倍程度にまで向上することが明らかとなってい
る。すなわち、本実施例に係る正特性サーミスタ素子を
構成する正特性サーミスタ素体1においては、その厚み
方向に沿って区分された中央部分である内部領域4と、
主表面側部分であるところの外部領域5,6とを具備
し、かつ、この際における外部領域5,6のポア占有率
が内部領域4のポア占有率よりも大きく設定されている
から、正特性サーミスタ素体1の両主表面側部分におけ
る熱伝導経路が中央部分よりも減少して比抵抗が高くな
り、これら部分の温度が高くなる結果、中央部分と両主
表面側部分との温度差が小さくなり、熱平衡伏態の差が
小さくなると同時に、正特性サーミスタ素体1内に分散
されたポアでもって発生した熱応力が吸収あるいは緩和
されるため、フラッシュ耐圧が向上すると考えられる。
【0021】なお、以上説明した本実施例に係る正特性
サーミスタ素子の製造工程においては、乾式プレス機を
用いることによって正特性サーミスタ素体1となる成形
体を作製するとしているが、周知の押出成形法やドクタ
ーブレード法などを採用したうえで樹脂ビーズの添加量
が互いに異なる多数枚のセラミックグリーンシートを作
製した後、これらのセラミックグリーンシートを積層し
たうえで圧着することによって成形体を作製することも
可能である。そして、このような製造手順によって成形
体を作製した際には、図示していないが、厚み方向に沿
って区分された多数の区分層からなる正特性サーミスタ
素体を構成すると共に、内部側の区分層よりも外部側の
区分層ほどポア占有率が連続的に大きくなるように設定
しておくことができるという利点が得られる。
【0022】第2実施例 図2は本発明の第2実施例に係る正特性サーミスタ素子
の構造を示す側断面図であり、この実施例に係る正特性
サーミスタ素子は、第1実施例同様、正の抵抗温度特性
を有する半導体セラミックからなる円板形状などの正特
性サーミスタ素体1を備え、かつ、その両主表面上には
リード線(図示せず)を接続すべき電極2,3が形成さ
れたものとなっている。なお、図2において、図1と互
いに同一となる若しくは相当する部品、部分のそれぞれ
には同一符号を付し、ここでの詳しい説明は省略してい
る。
【0023】本実施例に係る正特性サーミスタ素子を構
成する正特性サーミスタ素体1は、主表面の拡がり方向
に沿う中央位置に設けられた中央部分であるところの内
部領域7と、この内部領域7の側面周囲を取り巻いて設
けられた周面側部分であるところの外部領域8とを具備
したものであり、外部領域8のポア占有率は内部領域7
のポア占有率よりも大きく設定されている。そして、こ
の正特性サーミスタ素体1における両主表面には内部領
域7と外部領域8との境界が露出しており、その周面に
は外部領域8が露出している。なお、この際における内
部領域7のポア占有率は11〜13%程度、また、外部
領域8のポア占有率は14〜15%程度とされている。
【0024】そこで、この実施例においては、正特性サ
ーミスタ素体1が中央部分である内部領域7と、周面側
部分である外部領域8とから構成されており、かつ、こ
の際における外部領域8のポア占有率が内部領域7のポ
ア占有率よりも大きく設定されているのであるから、正
特性サーミスタ素体1の周面側部分における熱伝導経路
が中央部分よりも減少して比抵抗が高くなって温度が高
くなる結果、中央部分と周面側部分との温度差が小さく
なり、熱平衡伏態の差が小さくなると共に、正特性サー
ミスタ素体1内に分散されたポアでもって発生した熱応
力が吸収あるいは緩和されるため、熱破壊特性が向上す
ることになる。
【0025】第3実施例 図3は本発明の第3実施例に係る正特性サーミスタ素子
の構造を示す側断面図であり、この実施例に係る正特性
サーミスタ素子は、第1及び第2実施例同様、正の抵抗
温度特性を有する半導体セラミックを用いて作製された
板状、例えば、両主表面及び周面によって外表面が構成
されてなる円板形状の正特性サーミスタ素体1を備え、
かつ、この正特性サーミスタ素体1の両主表面上にはリ
ード線(図示せず)を接続すべき電極2,3が形成され
たものとなっている。なお、図3において、図1及び図
2と互いに同一となる若しくは相当する部品、部分のそ
れぞれには同一符号を付し、ここでの詳しい説明は省略
する。
【0026】そして、ここでの正特性サーミスタ素体1
は、厚み方向及び主表面の拡がり方向に沿う中央位置に
設けられて中央部分となる内部領域9と、この内部領域
9を取り囲んで設けられたうえで両主表面側及び周面側
部分となる外部領域10とを具備しており、外部領域1
0のポア占有率は内部領域9よりも大きく設定されてい
る。すなわち、本実施例における正特性サーミスタ素体
1は、11〜13%というようなポア占有率を有する内
部領域9と、この内部領域9の外側周囲を全面的に取り
囲んで設けられ、かつ、14〜15%程度のポア占有率
を有する外部領域10とからなるものであり、この正特
性サーミスタ素体1における両主表面及び周面には外部
領域10のみが露出している。
【0027】すなわち、本実施例における正特性サーミ
スタ素体1は、内部領域9よりもポア占有率が大きく設
定された外部領域10を具備しているので、外部領域1
0であるところの両主表面側及び周面側部分における熱
伝導経路の方が内部領域9であるところの中央部分にお
ける熱伝導経路よりも減少して比抵抗が高くなり、温度
が高くなる結果、両者間の温度差が小さくなって熱平衡
伏態の差が小さくなると共に、発生した熱応力がポアで
もって吸収あるいは緩和されるため、第1及び第2実施
例と同様、熱破壊特性が向上することになる。
【0028】ところで、本発明の具体例が上述した3つ
の実施例のみに限定されることはなく、本発明の要旨の
範囲内において種々の応用や変形を行い得ることは勿論
である。すなわち、例えば、正特性サーミスタ素体を構
成する内部領域の外側位置に2つ以上の外部領域を設け
ておくことも可能であり、第1実施例に適用すれば、内
部領域4の外側となる上部及び下部位置それぞれに配置
された外部領域5,6の各々を互いのポア占有率が異な
る2つ以上ずつの外部領域でもって構成することが考え
られる。なお、このような構成を採用する場合には、内
部領域4から外側に配置されるにしたがってポア占有率
が大きくなるようにしておくことが好ましい。さらにま
た、各実施例においては、内部領域及び外部領域のいず
れ共が基本的に同一の組成からなるサーミスタ材料を用
いることによって作製されたものであるとしているが、
これらを作製するためのサーミスタ材料が異なる組成と
されたものであってもよいことは勿論である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る正特
性サーミスタ素子においては、正特性サーミスタ素体を
構成する外部領域の方が内部領域よりも大きなポア占有
率を有しているので、外部領域である両主表面側や周面
側部分では内部領域となる中央部分よりも熱伝導経路が
減少することになって比抵抗が上昇することになり、こ
れら両主表面側や周面側部分の温度が中央部分よりも高
くなる。したがって、正特性サーミスタ素体の中央部分
と両主表面側や周面側部分との温度差が小さくなり、熱
平衡状態の差が小さくなることが起こる結果、突入電流
に対する熱破壊特性が向上するという効果が得られる。
【0030】また、本発明によれば、発生した熱応力が
ポアでもって吸収あるいは緩和されることになるため、
正特性サーミスタ素体の破壊が生じ難いことになる結
果、より熱破壊特性に優れた正特性サーミスタ素子が得
られることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る正特性サーミスタ素子の構造
を示す側断面図である。
【図2】第2実施例に係る正特性サーミスタ素子の構造
を示す側断面図である。
【図3】第3実施例に係る正特性サーミスタ素子の構造
を示す側断面図である。
【図4】従来例に係る正特性サーミスタ素子の構造を示
す側断面図である。
【符号の説明】
1 正特性サーミスタ素体 2 電極 3 電極 4 内部領域 5 外部領域 6 外部領域

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正特性サーミスタ素体を備え、かつ、こ
    の正特性サーミスタ素体の主表面上には電極が形成され
    てなる正特性サーミスタ素子であって、 正特性サーミスタ素体は内部領域と外部領域とを具備し
    ており、かつ、外部領域のポア占有率が内部領域よりも
    大きく設定されたものであることを特徴とする正特性サ
    ーミスタ素子。
  2. 【請求項2】 正特性サーミスタ素体を備え、かつ、こ
    の正特性サーミスタ素体の主表面上には電極が形成され
    てなる正特性サーミスタ素子であって、 正特性サーミスタ素体は厚み方向に沿って区分された内
    部領域と外部領域とを具備しており、かつ、外部領域の
    ポア占有率が内部領域よりも大きく設定されたものであ
    ることを特徴とする正特性サーミスタ素子。
  3. 【請求項3】 正特性サーミスタ素体を備え、かつ、こ
    の正特性サーミスタ素体の主表面上には電極が形成され
    てなる正特性サーミスタ素子であって、 正特性サーミスタ素体は厚み方向に沿って区分された多
    数の区分層からなり、かつ、内部側の区分層よりも外部
    側の区分層ほどポア占有率が連続的に大きく設定された
    ものであることを特徴とする正特性サーミスタ素子。
  4. 【請求項4】 正特性サーミスタ素体を備え、かつ、こ
    の正特性サーミスタ素体の主表面上には電極が形成され
    てなる正特性サーミスタ素子であって、 正特性サーミスタ素体は、主表面の拡がり方向に沿う中
    央位置に設けられた内部領域と、この内部領域を取り巻
    いて設けられた外部領域とを具備しており、かつ、外部
    領域のポア占有率が内部領域よりも大きく設定されたも
    のであることを特徴とする正特性サーミスタ素子。
  5. 【請求項5】 正特性サーミスタ素体を備え、かつ、こ
    の正特性サーミスタ素体の主表面上には電極が形成され
    てなる正特性サーミスタ素子であって、 正特性サーミスタ素体は、厚み方向及び主表面の拡がり
    方向に沿う中央位置に設けられた内部領域と、この内部
    領域を取り囲んで設けられた外部領域とを具備してお
    り、かつ、外部領域のポア占有率が内部領域よりも大き
    く設定されたものであることを特徴とする正特性サーミ
    スタ素子。
JP16361595A 1995-06-29 1995-06-29 正特性サーミスタ素子 Expired - Lifetime JP3327444B2 (ja)

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KR1019960026223A KR100228295B1 (ko) 1995-06-29 1996-06-29 정특성 서미스터 장치 및 정특성 서미스터 소자의 제조방법

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