JPH09157470A - 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びその成形体

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JPH09157470A
JPH09157470A JP31868695A JP31868695A JPH09157470A JP H09157470 A JPH09157470 A JP H09157470A JP 31868695 A JP31868695 A JP 31868695A JP 31868695 A JP31868695 A JP 31868695A JP H09157470 A JPH09157470 A JP H09157470A
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copolymer
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Yoshinobu Konishi
栄信 小西
Hideaki Kodera
秀章 小寺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐薬品性、耐衝撃性に優れた成形体、特に、
自動二輪車外装部品に適した熱可塑性樹脂組成物を提供
する。 【解決手段】 (a)ゴム質重合体に芳香族ビニル単量
体、シアン化ビニル単量体を含む単量体成分を共重合し
てなるグラフト共重合体と、芳香族ビニル単量体、シア
ン化ビニル単量体を含む単量体成分を共重合してなる共
重合体からなり、ゴム質重合体の割合が15〜30重量
%、アセトン可溶成分のシアン化ビニルの割合が32〜
50重量%、数平均分子量(Mn)が50,000〜1
00,000である組成物96.1〜99.95重量
部、及び(b)ポリエステルエラストマー0.05重量
部〜3.9重量部からなる熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐薬品性や耐衝撃
性に優れた熱可塑性樹脂組成物及び該組成物からなる成
形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム成分で補強された樹脂の一種である
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(A
BS樹脂)は、耐衝撃性と成形加工性のバランスに優れ
ているため、自動車、家庭電化製品などの各分野で用い
られている。この中で二輪自動車用途では、フロントカ
ウル、リアカウル、サイドカバー等に使用されている。
また、これらは塗装して使用されるケースもある。この
ような用途では特に転倒時に破断面がシャープエッジに
ならないような耐衝撃性が必要である。また、乗車後
に、付着した土砂、汚れ、ほこり等を除くため、ノニオ
ン系洗浄剤で洗浄することがあるため耐洗浄剤性が必要
となる。
【0003】耐薬品性や塗装後の鮮映性を向上させるた
めにABS樹脂のアクリロニトリル(AN)成分の量を
増大することは、例えば特公昭63−30953号公報
に開示されている。しかし、AN含有量が多くなると成
形加工性や熱安定性が著しく低下し、成形加工性を上げ
るために分子量を低下させれば衝撃強度に劣る。このた
め特開平3−215547号公報では、平均AN含有量
とAN分布を規定することにより改良している。しかし
ながら、この場合、塗料のシンナー等には効果がある
が、二輪自動車の洗浄剤のような用途や、更にABSを
浸しやすい薬品に対しては耐薬品性が不十分である。
【0004】また、更に耐薬品性を向上させる方法とし
て例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)の様な
ポリエステル樹脂とABS樹脂のアロイとすることで耐
薬品性を向上する方法があるが、この場合耐衝撃性や熱
安定性が劣り、更に結晶性樹脂とのアロイであるため、
寸法安定性に劣ることがある。また、ABS樹脂にポリ
エスエルエラストマーを一定量以上添加すると落球衝撃
強度や耐薬品性が改良されることは、特公昭58−19
696号公報、特公平6−13631号公報、特開平6
−116472号公報等に示されている。特公昭58−
19696号公報では、ポリエステルエラストマーを5
重量%〜50重量%含有することでシンナーに対する耐
薬品性が向上するため、塗装性に優れることが開示され
ている。特公平6−13631号公報では、ポリエステ
ルエラストマーを4重量%〜70重量%含有することで
ガソリンに対する耐薬品性の向上に効果があることが開
示されている。また、特開平6−116472号公報で
は、ポリエステルエラストマーを0.99重量%〜1
6.67重量%含有することで塗装性を大幅に改善でき
ることが開示されている。しかしながら、これらは全て
ABS樹脂の組成範囲については全く限定されておら
ず、優れた塗装性を要求される場合にはこれらの手法で
は十分でないことが多い。また、ポリエステルエラスト
マーの添加量が多いと剛性や耐衝撃性、耐熱性の低下、
相剥離が発生、熱収縮率の増加に伴う寸法安定性の低下
などが起こるため、適当でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐薬品性や
耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその成形体、
特に自動二輪車の外装部品を提供することを課題とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、組成と分子量分布
をある特定の範囲に限定したABS樹脂にポリエステル
エラストマーを少量添加することで、優れた耐薬品性、
耐衝撃性を発現できることを見い出し、本発明をなすに
至った。
【0007】すなわち、本発明は、(a)ゴム質重合体
に芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体を含む単
量体成分を共重合してなるグラフト共重合体(I)と、
芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体を含む単量
体成分を共重合してなる共重合体(II)からなる組成
物であり、該組成物中におけるゴム質重合体の割合が1
5〜30重量%であり、かつ該組成物におけるアセトン
可溶成分のシアン化ビニルの割合が32〜50重量%、
数平均分子量(Mn)が50,000〜100,000
である組成物96.1〜99.95重量部と、(b)ハ
ードセグメントが芳香族ポリエステル、ソフトセグメン
トが脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、脂肪族
ポリラクトンのいずれかもしくは混合物であるポリエス
テルエラストマー0.05重量部〜3.9重量部からな
ることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0008】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。本発明の(a)で用いられるゴム質重合体として
は、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイ
ソブチレン、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、
スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−メタクリロニ
トリル共重合体、ブタジエン−α、β−不飽和カルボン
酸アルキルエステル共重合体(例えば、ブタジエン−ア
クリル酸メチル共重合体、ブタジエン−アクリル酸エチ
ル共重合体、ブタジエン−アクリル酸ブチル共重合体、
ブタジエン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、
ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合体、ブタジエン
−メタクリル酸エチル共重合体)などのジエン系ゴム質
重合体、該ジエン系ゴム質重合体の水素添加物、アクリ
ルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム、フッ素
ゴム、シリコンゴムなどの飽和系ゴム質重合体などが挙
げられ、これらは単独で用いても2種以上を混合して用
いてもかまわない。これらの中では好ましくはジエン系
ゴム質重合体、更に好ましくはポリブタジエン含有ゴム
質重合体が用いられる。
【0009】これらのゴム質重合体は、乳化重合、懸濁
重合または重合体を乳化剤などにより乳化する方法など
により得られる。該ゴム質重合体の平均粒子径は組成物
の流動特性、表面光沢、耐衝撃性及び耐薬品性を向上さ
せるために0.03〜1.0μmの範囲であることが好
ましい。更に好ましくは0.08〜0.5μm、特に好
ましくは0.1〜0.35μmである。平均粒子径が
0.03μm未満であると耐衝撃性、耐薬品性が低下す
る傾向があり、1.0μmを越えると表面光沢や耐衝撃
性が低下する傾向がある。
【0010】また、(a)で用いられる単量体成分はシ
アン化ビニル単量体、芳香族ビニル単量体、及びその他
の共重合可能な単量体を含むものからなる。この中でシ
アン化ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル等が用いられる。これらの中ではアクリ
ロニトリルが好ましい。また、芳香族ビニル化合物とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチ
レン、アルキル化スチレン、ビニルナフタレン等が用い
られ、これらは混合しても良い。これらの中ではスチレ
ンが好ましい。
【0011】また、これらの他に、α,β−不飽和カル
ボン酸アルキルエステル、α,β−不飽和カルボン酸、
N−置換マレイミド類、無水マレイン酸等も必要に応じ
て用いることができる。これらの中ではα,β−不飽和
カルボン酸アルキルエステルが好ましい。これらは混合
して用いても良い。α,β−不飽和カルボン酸アルキル
エステルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシ
エチルアクリレート、グリシジルアクリレート、シクロ
ヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリ
レート等が挙げられる。これらの中では、エチルアクリ
レート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルア
クリレート、グリシジルメタクリレートが好ましい。
【0012】α,β−不飽和カルボン酸としては、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。N−置
換マレイミド類としては、例えば、マレイミド、N−メ
チルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−
フェニルマレイミド等が挙げられる。(a)の製造方法
としては、直接、ゴム質重合体の存在下にシアン化ビニ
ル単量体、芳香族ビニル単量体、及び必要によりその他
の共重合可能な単量体をグラフト重合することにより得
る方法を用いても良く、また、あらかじめ高濃度のゴム
質重合体の存在下にシアン化ビニル単量体、芳香族ビニ
ル単量体及び必要によりその他の共重合可能な単量体を
グラフト重合したグラフト共重合体を、別に製造したシ
アン化ビニル単量体、芳香族ビニル単量体及び必要によ
りその他の共重合可能な単量体を重合した共重合体で希
釈して製造しても良い。これらの製造方法は重合体を乳
化剤などにより乳化する乳化重合、懸濁重合、塊状重合
及び溶液重合等の公知の重合方法を用いて製造する。
【0013】また、(a)におけるゴム質重合体成分は
組成物100重量%中に15〜30重量%、好ましくは
15〜25重量%を含有する。15重量%より少ないと
耐衝撃性が劣り、30重量%を越えると成形加工性が悪
くなる。さらに、ゴム質重合体以外の成分におけるシア
ン化ビニルの割合が32〜50重量%、好ましくは32
重量%〜43重量%であることが必要である。シアン化
ビニルの割合が32重量%未満であると耐薬品性、塗装
後の鮮映性に劣り、50重量%を越えると成形加工性や
熱安定性、塗装膜の密着性が劣る。また、該組成物のア
セトン可溶成分の数平均分子量(Mn)は、ポリスチレ
ン換算で好ましくは50,000〜100,000、更
に好ましくは50,000〜80,000である必要が
ある。ここで言及する平均分子量とは、試料中に含まれ
る重合度Pの分子種の分子量をMp、分子数をNpとし
た場合、数平均分子量(Mn)は、Mn=(ΣMpN
p)/(ΣNp)で表されるものである。このような分
子量を測定する方法としては粘度法、光散乱法、沈降平
衡法など多数知られているが、本発明の場合、ゲル・パ
ーミエーション・クロマトグラフィによる測定(GPC
法)により得られた値を用いる。
【0014】アセトン可溶成分の数平均分子量(Mn)
が、50,000未満であると耐衝撃性、耐薬品性に劣
り、100,000を越えると成形加工性に劣り好まし
くない。また、(b)は、ハードセグメントが芳香族ポ
リエステル、ソフトセグメントが脂肪族ポリエーテル、
脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリラクトンのいずれかも
しくは混合物であるポリエステルエラストマーである。
【0015】芳香族ポリエステルとしては、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等が挙
げられる。これらの中ではポリブチレンテレフタレート
が好ましい。脂肪族ポリエーテルとしては、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール、ポリペンタメチレングリコール、
ポリヘキサメチレングリコール等が挙げられ、これらの
一種または二種以上を用いることができる。
【0016】脂肪族ポリラクトンとしては、ポリε−カ
プロラクトン、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラ
クトン等が挙げられ、これらの一種または二種以上を用
いることができる。ポリエステルエラストマー中におけ
るハードセグメントとソフトセグメントの構成比は、ハ
ードセグメントが20〜70重量%、好ましくは30〜
60重量%、ソフトセグメントが30〜80重量%、好
ましくは40〜70重量%のものの使用が好ましい。
【0017】本発明の熱可塑性樹脂組成物において、ポ
リエステルエラストマー(b)のブレンド割合は0.0
5重量%〜3.9重量%、好ましくは0.5重量%〜
3.0重量%である。0,05重量%未満であると耐薬
品性や塗装後の密着性に劣る。3.9重量%を越えると
剛性や耐衝撃性、寸法安定性に劣り、また耐薬品の改良
効果も飽和し、コストも上昇するため好ましくない。
【0018】本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は
特に限定されるものではなく、公知の技術、例えば、ヘ
ンシェルミキサー、タンブラー、ブレンダー等で液状、
粉体及び粒状物を混合し、これを押出機、ニーダー、ミ
キサー等で溶融混合する方法、予め溶融させた樹脂に他
の樹脂や液体を直接逐次混合する方法等の各種の方法で
製造することができる。
【0019】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物に対し
て、公知の熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防
止剤、可塑剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、着
色剤、有機充填剤、無機充填剤等の各種添加剤、また金
属状外観を付与するためにアルミニウム、銅のような金
属を加えることは任意である。本発明の熱可塑性樹脂組
成物は、耐衝撃性や優れた耐薬品性を要求される用途の
成形体、特に、二輪自動車外装部品に適している。
【0020】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物を使用
して成形体を得る成形方法は、一般に用いられる成形方
法、例えば、射出成形、射出−押出成形、真空成形、圧
空成形などを用いることができる。この中で、二輪自動
車外装部品を得る場合は、好ましくは射出成形もしくは
射出−圧縮成形、特に好ましくは射出成形法が用いられ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、実施例及び参考例に基づき
本発明をさらに詳細に説明する。本発明で用いた分析法
を以下に示す。 アセトン可溶成分:ABS樹脂1gにアセトン20m
lを加え、振とう機にて可溶成分が完全に溶解するまで
(2時間)振とうした。この溶液を20000rpmで
40分間遠心分離後、可溶分のみを濾別した後、80℃
で4時間乾燥しアセトンを除き、さらに100℃で1時
間減圧乾燥することにより、アセトン可溶成分を得た。 平均分子量:本測定には東ソー株式会社製のGPCシ
ステム(ポンプ;CCPD、RIディテクター;RI8
012、カラム温調機;CO8011、展開溶媒温調
機;SD8000、オートサンプラー;AS8000、
及び制御システム)を用いた。展開溶媒にはテトラヒド
ロフラン(THF)を用いた。カラムには昭和電工
(株)製G3000HXL,G4000HXL,G50
00HXL,G6000HXLを用いた。カラム温度3
8℃、ポンプ液量1ml/min、検出器として示差屈
折計(RI)を用い、アセトン可溶成分のTHF溶液を
測定した。あらかじめ分子量が既知のポリスチレン標準
サンプルを測定することにより相対的に分子量を求め
た。 面衝撃強度:平板試験片(厚み3mm、サイズ100
×100mm)を射出成形により成形した(成形機;F
ANUC社・AS−50B、シリンダー温度240℃、
金型温度45℃)。この平板の面衝撃強度を東洋精機社
製グラフィックインパクトテスターを用いて測定した。
試験個数5個(サンプル温度;−15℃、荷重;11.
2kg、高さ;82cm)で行った。
【0022】 5サンプル中に脆性破壊したサンプルがひとつもないもの……○ 脆性破壊したサンプルがひとつ以上でもあるもの………× 耐薬品性:引っ張り方向に引張弾性率の1.8%とな
る荷重を持たせた試験片(厚み=1mm、サイズ12.
6mm×126mm)の中央にガーゼ、その上にサラン
ラップ(旭化成工業の商品名)を巻き、このガーゼにノ
ニオン系洗浄剤を含浸させ、接触させた時の破断までの
時間(分)で判定した。
【0023】 破断までの時間が60分以上のもの………○ 破断までの時間が60分未満のもの………× 曲げ弾性率:6mm×12.6mm×126mmであ
る1/4インチのタンザク片を射出成形により成形した
(成形機;FANUC社・AS−100B,シリンダー
温度240℃、金型温度45℃)。得られた試験片の曲
げ弾性率をASTM−D790に基づいて測定した(測
定装置;島津製作所社製・オートグラフAG−5000
A、曲げ速度3mm/min)。
【0024】 20000Kg/cm2以上のもの………○ 20000Kg/cm2未満のもの………× メルトフローレイト:JIS−K7112に基づいて
実施した(温度220℃、荷重10Kg)。 3g/10分以上のもの………○ 3g/10分未満のもの………× 塗装試験:平板試験片(厚み3mm、サイズ100×
100mm)をと同様に射出成形にて成形した。これ
に2液ウレタン系塗料(ハイウレタン;No.500
0、日本油脂製)を膜厚が約40μmとなるようにスプ
レー塗装、乾燥を行った後、塗装表面の外観観察、付着
性試験を行った。 (1)外観観察 吸い込みやストレスクラックのないもの………○ 吸い込みやストレスクラックが見られるもの………× (2)付着性試験:JIS−K5400に準じて実施し
た。塗装試験後のサンプルを40℃水中に240時間放
置した後、23℃×50%RHで24時間調整した。こ
の試験片をマルチクロスカッターにて1×1mmの碁盤
目を100個作成し、JISセロハンテープを使用して
剥離試験を行った。
【0025】 剥離した碁盤目が一つもなかったもの………○ 剥離した碁盤目が一つ以上あったもの………×
【0026】
【参考例1】(グラフト共重合体(A1)の調製) 平均粒子径が0.3μmであるポリブタジエンゴムのラ
テックス40重量部(固形分換算)及び脱イオン水10
0重量部を還流冷却器付き重合槽に入れ、気相部を窒素
置換しながら70℃に昇温した。次いで、これにスチレ
ン36重量部、アクリロニトリル24重量部、t−ドデ
シルメルカプタン0.7重量部、クメンハイドロパーオ
キシド0.12重量部から成る混合液、及び、脱イオン
水50重量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシ
レート0.2重量部、硫酸第一鉄0.012重量部、エ
チレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム塩0.08重量
部から成る水溶液を、5時間要して連続追添加して反応
させた。この間、重合温度を70℃に調節し、追添加終
了後、さらに1時間その状態を維持して重合を完結させ
た。重合率は95%であった。
【0027】得られた共重合体ラテックスは凝集塩析し
た後、洗浄乾燥して、白色固体を得た。
【0028】
【参考例2】(グラフト共重合体(A2)の調製) 平均粒子径が0.3μmであるポリブタジエンゴムのラ
テックス40重量部(固形分換算)及び脱イオン水10
0重量部を還流冷却器付き重合槽に入れ、気相部を窒素
置換しながら70℃に昇温した。次いで、これにスチレ
ン40重量部、アクリロニトリル20重量部、t−ドデ
シルメルカプタン0.5重量部、クメンハイドロパーオ
キシド0.1重量部から成る混合液、及び、脱イオン水
50重量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレ
ート0.2重量部、硫酸第一鉄0.01重量部、エチレ
ンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム塩0.06重量部か
ら成る水溶液を、5時間要して連続追添加して反応させ
た。この間、重合温度を70℃に調節し、追添加終了
後、さらに1時間その状態を維持して重合を完結させ
た。重合率は97%であった。
【0029】得られた共重合体ラテックスは凝集塩析し
た後、洗浄乾燥して、白色固体を得た。
【0030】
【参考例3】(グラフト共重合体(A3)の調製) 平均粒子径が0.3μmであるポリブタジエンゴムのラ
テックス40重量部(固形分換算)及び脱イオン水10
0重量部を還流冷却器付き重合槽に入れ、気相部を窒素
置換しながら70℃に昇温した。次いで、これにスチレ
ン42重量部、アクリロニトリル18重量部、t−ドデ
シルメルカプタン0.4重量部、クメンハイドロパーオ
キシド0.1重量部から成る混合液、及び、脱イオン水
50重量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレ
ート0.2重量部、硫酸第一鉄0.01重量部、エチレ
ンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム塩0.06重量部か
ら成る水溶液を、5時間要して連続追添加して反応させ
た。この間、重合温度を70℃に調節し、追添加終了
後、さらに1時間その状態を維持して重合を完結させ
た。重合率は97%であった。
【0031】得られた共重合体ラテックスは凝集塩析し
た後、洗浄乾燥して、白色固体を得た。
【0032】
【参考例4】(グラフト共重合体(A4)の調製) 平均粒子径が0.3μmであるポリブタジエンゴムのラ
テックス40重量部(固形分換算)及び脱イオン水10
0重量部を還流冷却器付き重合槽に入れ、気相部を窒素
置換しながら70℃に昇温した。次いで、これにスチレ
ン27重量部、アクリロニトリル33重量部、t−ドデ
シルメルカプタン0.8重量部、クメンハイドロパーオ
キシド0.1重量部から成る混合液、及び、脱イオン水
50重量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレ
ート0.2重量部、硫酸第一鉄0.01重量部、エチレ
ンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム塩0.06重量部か
ら成る水溶液を、5時間要して連続追添加して反応させ
た。この間、重合温度を70℃に調節し、追添加終了
後、さらに1時間その状態を維持して重合を完結させ
た。重合率は90%であった。
【0033】得られた共重合体ラテックスは凝集塩析し
た後、洗浄乾燥して、白色固体を得た。
【0034】
【参考例5】(共重合体(B1)の調製) 完全混合型連続反応器を用い、スチレン、アクリロニト
リル、エチルベンゼンよりなる単量体溶液を一定速度で
連続追添加しつつ重合系内の反応率を一定に保ち、反応
温度、単量体の組成、エチルベンゼンの使用量を調節す
ることにより、アクリロニトリル含有率40重量%、ス
チレン含有率60重量%、数平均分子量57,000で
あるアクリロニトリル、スチレンの共重合体B1を得
た。
【0035】
【参考例6】(共重合体(B2)の調製) 参考例5と同様にしてアクリロニトリル含有率34重量
%、スチレン含有率66重量%、数平均分子量64,0
00であるアクリロニトリル、スチレンの共重合体B2
を得た。
【0036】
【参考例7】(共重合体(B3)の調製) 参考例5と同様にしてアクリロニトリル含有率29重量
%、スチレン含有率71重量%、数平均分子量70,0
00であるアクリロニトリル、スチレンの共重合体B3
を得た。
【0037】
【参考例8】(共重合体(B4)の調製) 参考例5と同様にしてアクリロニトリル含有率50重量
%、スチレン含有率50重量%、数平均分子量64,0
00であるアクリロニトリル、スチレンの共重合体B4
を得た。
【0038】
【参考例9】(共重合体(B5)の調製) 参考例5と同様にしてアクリロニトリル含有率34重量
%、スチレン含有率66重量%、数平均分子量54,0
00であるアクリロニトリル、スチレンの共重合体B5
を得た。
【0039】
【参考例10】(共重合体(B6)の調製) 参考例5と同様にしてアクリロニトリル含有率40重量
%、スチレン含有率60重量%、数平均分子量40,0
00であるアクリロニトリル、スチレンの共重合体B6
を得た。
【0040】
【参考例11】(共重合体(B7)の調製) 参考例5と同様にしてアクリロニトリル含有率40重量
%、スチレン含有率60重量%、数平均分子量108,
000であるアクリロニトリル、スチレンの共重合体B
7を得た。
【0041】
【参考例12】(ポリエステルエラストマー(C1)) ポリエステルエラストマー(C1)は、ハードセグメン
トがポリブチレンテレフタレート、ソフトセグメントが
脂肪族ポリエーテルであり、その割合がポリブチレンテ
レフタレート35重量%、脂肪族ポリエーテルが65重
量%であるブロック共重合体を購入して使用した。
【0042】
【実施例1】参考例1で得た(A1)50重量部、参考
例5で得た(B1)50重量部、及び参考例12の(C
1)0.3重量部を押出機を用いて溶融混合し樹脂組成
物を得た。これを射出成形し成形体を得た。これは耐衝
撃性、耐薬品性に優れたものであった。このもののアセ
トン可溶分の数平均分子量を所定の方法により測定した
ところ54,000であった。
【0043】
【実施例2〜7】配合組成の割合を、表1に示す量に変
更して実施した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物
を得た。実施例1と同様に問題のない成形体が得られ
た。
【0044】
【比較例1】参考例1で得た(A1)50重量部、参考
例5で得た(B1)50重量部を押出機を用いて溶融混
合し樹脂組成物を得た。これを射出成形し成形体を得
た。これは耐薬品性に劣るものであった。
【0045】
【比較例2〜8】配合組成の割合を、表2に示す量に変
更して実施した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物
を得た。これらを用いて得た成形体は、面衝撃強度、耐
薬品性、成形加工性、剛性のいずれかもしくは二つ以上
の性能に劣るものであった。以上の実施例1〜7、比較
例1〜8の結果をまとめて表1、2に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形す
ることにより、耐薬品性、耐衝撃性に優れた成形体を得
ることができ、特に、自動二輪車の外装部品として優れ
たものが得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ゴム質重合体に芳香族ビニル単量
    体、シアン化ビニル単量体を含む単量体成分を共重合し
    てなるグラフト共重合体(I)と、芳香族ビニル単量
    体、シアン化ビニル単量体を含む単量体成分を共重合し
    てなる共重合体(II)からなる組成物であり、該組成
    物中におけるゴム質重合体の割合が15〜30重量%で
    あり、かつ該組成物におけるアセトン可溶成分のシアン
    化ビニルの割合が32〜50重量%、数平均分子量(M
    n)が50,000〜100,000である組成物9
    6.1〜99.95重量部と、(b)ハードセグメント
    が芳香族ポリエステル、ソフトセグメントが脂肪族ポリ
    エーテル、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリラクトンの
    いずれかもしくは混合物であるポリエステルエラストマ
    ー0.05重量部〜3.9重量部からなることを特徴と
    する熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物から
    なる成形体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物を使
    用して射出成形された自動二輪車外装部品。
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KR20170069194A (ko) * 2014-12-25 2017-06-20 도레이 카부시키가이샤 열가소성 수지 조성물, 그 제조 방법 및 그 성형품
KR20200089224A (ko) 2019-01-16 2020-07-24 아사히 가세이 가부시키가이샤 열가소성 수지 조성물 및 그의 성형품

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