JPH05279547A - 透明な熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
透明な熱可塑性樹脂組成物Info
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- JPH05279547A JPH05279547A JP7667392A JP7667392A JPH05279547A JP H05279547 A JPH05279547 A JP H05279547A JP 7667392 A JP7667392 A JP 7667392A JP 7667392 A JP7667392 A JP 7667392A JP H05279547 A JPH05279547 A JP H05279547A
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- Japan
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- methyl methacrylate
- rubber
- methylstyrene
- methacrylate copolymer
- resin composition
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、α−メチルスチレン−メタクリル酸
メチル共重合体の透明性を失わずに、耐熱性に優れ、剛
性と靭性のバランスの取れた樹脂組成物を提供すること
を目的とする。 【構成】α−メチルスチレン−メタクリル酸メチル共重
合体1〜99重量%と、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム
から選ばれた1種以上のゴム成分からなるラテックスに
メタクリル酸メチルとスチレンからなる単量体混合物を
グラフト重合させたゴム強化透明樹脂99〜1重量%を
配合してなる透明な熱可塑性樹脂組成物。 【効果】本発明により、α−メチルスチレン−メタクリ
ル酸メチル共重合体の透明性を失わずに耐熱性、剛性、
靭性の優れた樹脂組成物を提供できるため、α−メチル
スチレン−メタクリル酸メチル共重合体の工業的な用途
拡大に寄与できる。
メチル共重合体の透明性を失わずに、耐熱性に優れ、剛
性と靭性のバランスの取れた樹脂組成物を提供すること
を目的とする。 【構成】α−メチルスチレン−メタクリル酸メチル共重
合体1〜99重量%と、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム
から選ばれた1種以上のゴム成分からなるラテックスに
メタクリル酸メチルとスチレンからなる単量体混合物を
グラフト重合させたゴム強化透明樹脂99〜1重量%を
配合してなる透明な熱可塑性樹脂組成物。 【効果】本発明により、α−メチルスチレン−メタクリ
ル酸メチル共重合体の透明性を失わずに耐熱性、剛性、
靭性の優れた樹脂組成物を提供できるため、α−メチル
スチレン−メタクリル酸メチル共重合体の工業的な用途
拡大に寄与できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れ、剛性と
靭性のバランスの取れた透明な熱可塑性樹脂組成物に関
し、更に詳しくは、α-メチルスチレンーメタクリル酸
メチル共重合体と、ジエン系ゴム、アクリル系ゴムから
選ばれた1種以上のゴム成分からなるラテックスにメタ
クリル酸メチルとスチレンからなる単量体混合物をグラ
フト共重合させたゴム強化透明樹脂からなる熱可塑性樹
脂組成物に関する。
靭性のバランスの取れた透明な熱可塑性樹脂組成物に関
し、更に詳しくは、α-メチルスチレンーメタクリル酸
メチル共重合体と、ジエン系ゴム、アクリル系ゴムから
選ばれた1種以上のゴム成分からなるラテックスにメタ
クリル酸メチルとスチレンからなる単量体混合物をグラ
フト共重合させたゴム強化透明樹脂からなる熱可塑性樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】α-メチルスチレンーメタクリル酸メチ
ル共重合体は耐熱性、剛性に優れた透明な熱可塑性樹脂
であるが、靭性が低いために用途が制限されている。こ
のような樹脂の特性、特に靭性を改善するためには、樹
脂中に粒状、網目状、ハニカム状などの形で他のゴム成
分や延性樹脂成分を導入する(アロイ化する)(G.Menge
s, Makromol. Chem., Macromol. Symp., 23, 13(198
9))のが最良の方法であるが、たとえ透明な延性樹脂成
分を選んでも、α-メチルスチレンーメタクリル酸メチ
ル共重合体との屈折率が異なったり分散相のサイズが大
きすぎるため、得られる共重合樹脂または樹脂組成物は
不透明であり、靭性改善の代償として透明性という貴重
な付加価値を失ってしまう。
ル共重合体は耐熱性、剛性に優れた透明な熱可塑性樹脂
であるが、靭性が低いために用途が制限されている。こ
のような樹脂の特性、特に靭性を改善するためには、樹
脂中に粒状、網目状、ハニカム状などの形で他のゴム成
分や延性樹脂成分を導入する(アロイ化する)(G.Menge
s, Makromol. Chem., Macromol. Symp., 23, 13(198
9))のが最良の方法であるが、たとえ透明な延性樹脂成
分を選んでも、α-メチルスチレンーメタクリル酸メチ
ル共重合体との屈折率が異なったり分散相のサイズが大
きすぎるため、得られる共重合樹脂または樹脂組成物は
不透明であり、靭性改善の代償として透明性という貴重
な付加価値を失ってしまう。
【0003】例えば、α-メチルスチレンーメタクリル
酸メチル共重合体にポリカーボネートを配合することに
より靭性は改善されるが、透明性が失われてしまう(特
開平2-284949号公報、山本敏浩, 齋藤圭一, 木村正生,
高分子加工, 40(2), 35(1991)、M.Nishimoto, H.Keskku
la and D.R.Paul, Polymer, 32(7), 1274(1991))。こ
のように、α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共
重合体の透明性を保持したまま靭性を改善するアロイ化
技術はこれまでに見出されていない。
酸メチル共重合体にポリカーボネートを配合することに
より靭性は改善されるが、透明性が失われてしまう(特
開平2-284949号公報、山本敏浩, 齋藤圭一, 木村正生,
高分子加工, 40(2), 35(1991)、M.Nishimoto, H.Keskku
la and D.R.Paul, Polymer, 32(7), 1274(1991))。こ
のように、α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共
重合体の透明性を保持したまま靭性を改善するアロイ化
技術はこれまでに見出されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はα-メチルス
チレンーメタクリル酸メチル共重合体の透明性を失わず
に、耐熱性に優れ、剛性と靭性のバランスの取れた樹脂
組成物を提供することを目的とする。
チレンーメタクリル酸メチル共重合体の透明性を失わず
に、耐熱性に優れ、剛性と靭性のバランスの取れた樹脂
組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決するために鋭意検討した結果、α-メチルスチレン
ーメタクリル酸メチル共重合体と、ジエン系ゴム、アク
リル系ゴムから選ばれた1種以上のゴム成分からなるラ
テックスにメタクリル酸メチルとスチレンからなる単量
体混合物をグラフト共重合させたゴム強化透明樹脂(以
下、単にゴム強化透明樹脂という)からなる樹脂組成物
が、α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共重合体
の優れた透明性と耐熱性、剛性を保持したまま高靭性と
なることを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明
は、α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共重合体
1〜99重量%とゴム強化透明樹脂99〜1重量%から
なる透明な熱可塑性樹脂組成物である。
解決するために鋭意検討した結果、α-メチルスチレン
ーメタクリル酸メチル共重合体と、ジエン系ゴム、アク
リル系ゴムから選ばれた1種以上のゴム成分からなるラ
テックスにメタクリル酸メチルとスチレンからなる単量
体混合物をグラフト共重合させたゴム強化透明樹脂(以
下、単にゴム強化透明樹脂という)からなる樹脂組成物
が、α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共重合体
の優れた透明性と耐熱性、剛性を保持したまま高靭性と
なることを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明
は、α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共重合体
1〜99重量%とゴム強化透明樹脂99〜1重量%から
なる透明な熱可塑性樹脂組成物である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いるα-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共重合
体は、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合のいず
れによって重合したものでもよい。また重合時に有機過
酸化物、アゾ系化合物を重合開始剤として用いる開始剤
重合、開始剤を用いない熱重合のいずれで重合したもの
でもよい。好ましくは、共重合体に不純物の混入しない
塊状重合法が用いられる。また共重合体の粘度が高い場
合には、少量の溶媒を添加して重合を行なうことも可能
である。この場合溶媒としては通常のラジカル重合で用
いられる不活性溶媒が好ましく、ベンゼン、トルエン、
エチルベンゼンなどが用いられる。
用いるα-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共重合
体は、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合のいず
れによって重合したものでもよい。また重合時に有機過
酸化物、アゾ系化合物を重合開始剤として用いる開始剤
重合、開始剤を用いない熱重合のいずれで重合したもの
でもよい。好ましくは、共重合体に不純物の混入しない
塊状重合法が用いられる。また共重合体の粘度が高い場
合には、少量の溶媒を添加して重合を行なうことも可能
である。この場合溶媒としては通常のラジカル重合で用
いられる不活性溶媒が好ましく、ベンゼン、トルエン、
エチルベンゼンなどが用いられる。
【0007】本発明で用いるα-メチルスチレンーメタ
クリル酸メチル共重合体は、透明性の指標となる全光線
透過率(ASTM D1003 に準拠)が85%以上、耐熱性の指標
となる荷重たわみ温度(ASTM D648 に準拠、曲げ応力 1
8.5kgf / cm2 にて測定)及びビカット軟化温度(ASTM
D1525 に準拠)がそれぞれ118℃以上、137℃以上、剛性
の指標となる曲げ弾性率(ASTM D790 に準拠)及び引張
弾性率(ASTM D638に準拠)がそれぞれ27000 kgf / cm2
以上、20000 kgf / cm2 以上であるという物性条件を
すべて満たすものが好ましいが、より好ましくは全光線
透過率が90%以上、荷重たわみ温度及びビカット軟化温
度がそれぞれ123℃以上、140℃以上、曲げ弾性率及び引
張弾性率がそれぞれ30000 kgf / cm2 以上、22000 kgf
/cm2以上という条件をすべて満たすものを用いるのがよ
い。
クリル酸メチル共重合体は、透明性の指標となる全光線
透過率(ASTM D1003 に準拠)が85%以上、耐熱性の指標
となる荷重たわみ温度(ASTM D648 に準拠、曲げ応力 1
8.5kgf / cm2 にて測定)及びビカット軟化温度(ASTM
D1525 に準拠)がそれぞれ118℃以上、137℃以上、剛性
の指標となる曲げ弾性率(ASTM D790 に準拠)及び引張
弾性率(ASTM D638に準拠)がそれぞれ27000 kgf / cm2
以上、20000 kgf / cm2 以上であるという物性条件を
すべて満たすものが好ましいが、より好ましくは全光線
透過率が90%以上、荷重たわみ温度及びビカット軟化温
度がそれぞれ123℃以上、140℃以上、曲げ弾性率及び引
張弾性率がそれぞれ30000 kgf / cm2 以上、22000 kgf
/cm2以上という条件をすべて満たすものを用いるのがよ
い。
【0008】該共重合体の全光線透過率が85%より低い
場合は、これにゴム強化透明樹脂を配合して得られる樹
脂組成物の透明性が不十分となる。該共重合体の荷重た
わみ温度、ビカット軟化温度がそれぞれ118℃、137℃よ
り低い場合は、得られる樹脂組成物の耐熱性が不十分と
なる。曲げ弾性率、引張弾性率がそれぞれ27000 kgf/ c
m2、20000 kgf / cm2 より低い場合は、得られる樹脂組
成物の剛性が不十分となる。
場合は、これにゴム強化透明樹脂を配合して得られる樹
脂組成物の透明性が不十分となる。該共重合体の荷重た
わみ温度、ビカット軟化温度がそれぞれ118℃、137℃よ
り低い場合は、得られる樹脂組成物の耐熱性が不十分と
なる。曲げ弾性率、引張弾性率がそれぞれ27000 kgf/ c
m2、20000 kgf / cm2 より低い場合は、得られる樹脂組
成物の剛性が不十分となる。
【0009】α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル
共重合体の重量平均分子量は3万〜20万のものを用い
ることができるが、好ましくは5万〜15万、更に好ま
しくは7万〜13万のものを用いるのがよい。重量平均
分子量が3万より小さいと該共重合体の耐熱性や剛性が
低下し、荷重たわみ温度が118℃以上、ビカット軟化温
度が137℃以上、曲げ弾性率が27000 kgf / cm2 以上、
引張弾性率が20000 kgf/ cm2 以上という条件を満たす
ことができない。重量平均分子量が20万を越えると該
共重合体の溶融粘度が高くなりすぎて溶融混練や成形が
困難となるだけでなく、熱分解しやすくなる。
共重合体の重量平均分子量は3万〜20万のものを用い
ることができるが、好ましくは5万〜15万、更に好ま
しくは7万〜13万のものを用いるのがよい。重量平均
分子量が3万より小さいと該共重合体の耐熱性や剛性が
低下し、荷重たわみ温度が118℃以上、ビカット軟化温
度が137℃以上、曲げ弾性率が27000 kgf / cm2 以上、
引張弾性率が20000 kgf/ cm2 以上という条件を満たす
ことができない。重量平均分子量が20万を越えると該
共重合体の溶融粘度が高くなりすぎて溶融混練や成形が
困難となるだけでなく、熱分解しやすくなる。
【0010】また該共重合体の組成はα-メチルスチレ
ン単位10〜40重量%、メタクリル酸メチル単位90
〜60重量%であるが、好ましくはα-メチルスチレン
単位10〜30重量%である。α-メチルスチレン単位
が10重量%より少ないと該共重合体に十分な耐熱性が
発現せず、荷重たわみ温度が118℃以上、ビカット軟化
温度が137℃以上という条件を満足できない。40重量
%を越えると溶融混練や成形の際に熱分解を起こしやす
く、生成した低分子量物のために該共重合体の耐熱性や
剛性が低下し、荷重たわみ温度が118℃以上、ビカット
軟化温度が137℃以上、曲げ弾性率が27000 kgf / cm2
以上、引張弾性率が20000 kgf / cm2 以上という条件を
満たすことができない。
ン単位10〜40重量%、メタクリル酸メチル単位90
〜60重量%であるが、好ましくはα-メチルスチレン
単位10〜30重量%である。α-メチルスチレン単位
が10重量%より少ないと該共重合体に十分な耐熱性が
発現せず、荷重たわみ温度が118℃以上、ビカット軟化
温度が137℃以上という条件を満足できない。40重量
%を越えると溶融混練や成形の際に熱分解を起こしやす
く、生成した低分子量物のために該共重合体の耐熱性や
剛性が低下し、荷重たわみ温度が118℃以上、ビカット
軟化温度が137℃以上、曲げ弾性率が27000 kgf / cm2
以上、引張弾性率が20000 kgf / cm2 以上という条件を
満たすことができない。
【0011】なお、該共重合体には、少量の第3成分、
例えばα-メチルスチレン以外の芳香族ビニル系単量
体、シアン化ビニル系単量体、メタクリル酸メチル以外
の(メタ)アクリル酸(エステル)系単量体、マレイミ
ド系単量体などから誘導された単位を含んでいても差し
つかえないが、全光線透過率が85%以上、荷重たわみ温
度が118℃以上、ビカット軟化温度が137℃以上、曲げ弾
性率が27000 kgf / cm2以上、引張弾性率が20000 kgf /
cm2 以上であるという物性条件をすべて満たす範囲に
とどめることがよい。
例えばα-メチルスチレン以外の芳香族ビニル系単量
体、シアン化ビニル系単量体、メタクリル酸メチル以外
の(メタ)アクリル酸(エステル)系単量体、マレイミ
ド系単量体などから誘導された単位を含んでいても差し
つかえないが、全光線透過率が85%以上、荷重たわみ温
度が118℃以上、ビカット軟化温度が137℃以上、曲げ弾
性率が27000 kgf / cm2以上、引張弾性率が20000 kgf /
cm2 以上であるという物性条件をすべて満たす範囲に
とどめることがよい。
【0012】α-メチルスチレン以外の芳香族ビニル系
単量体の具体例としては、スチレン、p-メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ブロモスチレン
などが挙げられる。シアン化ビニル系単量体の具体例と
しては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど、
またメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸(エ
ステル)系単量体の具体例としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブ
チル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)ア
クリル酸ベンジルなどが挙げられる。マレイミド系単量
体の具体例としては、マレイミド、N-メチルマレイミ
ド、N-エチルマレイミド、N-プロピルマレイミド、N
-t-ブチルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミ
ド、N-フェニルマレイミドなどが挙げられる。
単量体の具体例としては、スチレン、p-メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ブロモスチレン
などが挙げられる。シアン化ビニル系単量体の具体例と
しては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど、
またメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸(エ
ステル)系単量体の具体例としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブ
チル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)ア
クリル酸ベンジルなどが挙げられる。マレイミド系単量
体の具体例としては、マレイミド、N-メチルマレイミ
ド、N-エチルマレイミド、N-プロピルマレイミド、N
-t-ブチルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミ
ド、N-フェニルマレイミドなどが挙げられる。
【0013】本発明で用いられるゴム強化透明樹脂は、
ジエン系ゴム、アクリル系ゴムから選ばれた1種以上の
ゴム成分からなり粒径が0.05〜1mm 程度のラテックス
に、メタクリル酸メチルとスチレンを主成分とする単量
体を乳化グラフト重合して製造する。ここで述べるジエ
ン系ゴムは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリク
ロロプレン、ポリ(ブタジエンースチレン)、ポリ(ブ
タジエンーメタクリル酸メチル)、ポリ(ブタジエンー
アクリロニトリル)などが挙げられる。アクリル系ゴム
はアクリル酸アルキルエステルを主体とした合成ゴム
で、例えば、ポリ(アクリル酸エチルーアクリロニトリ
ル)、ポリ(アクリル酸ブチルーアクリロニトリル)な
どが挙げられる。
ジエン系ゴム、アクリル系ゴムから選ばれた1種以上の
ゴム成分からなり粒径が0.05〜1mm 程度のラテックス
に、メタクリル酸メチルとスチレンを主成分とする単量
体を乳化グラフト重合して製造する。ここで述べるジエ
ン系ゴムは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリク
ロロプレン、ポリ(ブタジエンースチレン)、ポリ(ブ
タジエンーメタクリル酸メチル)、ポリ(ブタジエンー
アクリロニトリル)などが挙げられる。アクリル系ゴム
はアクリル酸アルキルエステルを主体とした合成ゴム
で、例えば、ポリ(アクリル酸エチルーアクリロニトリ
ル)、ポリ(アクリル酸ブチルーアクリロニトリル)な
どが挙げられる。
【0014】前記ゴム強化透明樹脂は、透明性の指標と
なる全光線透過率(ASTM D1003 に準拠)が85%以上、耐
熱性の指標となる荷重たわみ温度(ASTM D648 に準拠、
曲げ応力 18.5kgf / cm2 にて測定)及びビカット軟化
温度(ASTM D1525 に準拠)がそれぞれ84℃以上、96℃
以上、剛性の指標となる曲げ弾性率(ASTM D790 に準
拠)及び引張弾性率(ASTM D638 に準拠)がそれぞれ22
000 kgf / cm2 以上、17000 kgf / cm2 以上、靭性の
指標となる破断点伸び率(ASTM D638 に準拠)及びアイ
ゾット衝撃値(ASTM D256 に準拠、1/4インチ厚のノッ
チ付試片を使用し23℃にて測定)がそれぞれ20%以上、
7kgf・cm / cm 以上であるという物性条件をすべて満
たすものが好ましいが、より好ましくは全光線透過率が
88%以上、荷重たわみ温度及びビカット軟化温度がそれ
ぞれ87℃以上、100℃以上、曲げ弾性率及び引張弾性率
がそれぞれ25000 kgf / cm2 以上、19000 kgf / cm2 以
上、破断点伸び率及びアイゾット衝撃値がそれぞれ25%
以上、9kgf・cm / cm 以上という条件をすべて満たす
ものを用いるのがよい。
なる全光線透過率(ASTM D1003 に準拠)が85%以上、耐
熱性の指標となる荷重たわみ温度(ASTM D648 に準拠、
曲げ応力 18.5kgf / cm2 にて測定)及びビカット軟化
温度(ASTM D1525 に準拠)がそれぞれ84℃以上、96℃
以上、剛性の指標となる曲げ弾性率(ASTM D790 に準
拠)及び引張弾性率(ASTM D638 に準拠)がそれぞれ22
000 kgf / cm2 以上、17000 kgf / cm2 以上、靭性の
指標となる破断点伸び率(ASTM D638 に準拠)及びアイ
ゾット衝撃値(ASTM D256 に準拠、1/4インチ厚のノッ
チ付試片を使用し23℃にて測定)がそれぞれ20%以上、
7kgf・cm / cm 以上であるという物性条件をすべて満
たすものが好ましいが、より好ましくは全光線透過率が
88%以上、荷重たわみ温度及びビカット軟化温度がそれ
ぞれ87℃以上、100℃以上、曲げ弾性率及び引張弾性率
がそれぞれ25000 kgf / cm2 以上、19000 kgf / cm2 以
上、破断点伸び率及びアイゾット衝撃値がそれぞれ25%
以上、9kgf・cm / cm 以上という条件をすべて満たす
ものを用いるのがよい。
【0015】該ゴム強化透明樹脂の全光線透過率が85%
より低い場合は、これをα-メチルスチレンーメタクリ
ル酸メチル共重合体に配合して得られる樹脂組成物の透
明性が不十分となる。該ゴム強化透明樹脂の荷重たわみ
温度、ビカット軟化温度がそれぞれ84℃、96℃より低い
場合は、得られる樹脂組成物の耐熱性が不十分となる。
曲げ弾性率、引張弾性率がそれぞれ22000 kgf / cm2 、
17000 kgf / cm2 より低い場合は、得られる樹脂組成物
の剛性が不十分となる。破断点伸び率及びアイゾット衝
撃値がそれぞれ20%、7kgf・cm / cm より低い場合は、
得られる樹脂組成物の靭性が不十分となる。
より低い場合は、これをα-メチルスチレンーメタクリ
ル酸メチル共重合体に配合して得られる樹脂組成物の透
明性が不十分となる。該ゴム強化透明樹脂の荷重たわみ
温度、ビカット軟化温度がそれぞれ84℃、96℃より低い
場合は、得られる樹脂組成物の耐熱性が不十分となる。
曲げ弾性率、引張弾性率がそれぞれ22000 kgf / cm2 、
17000 kgf / cm2 より低い場合は、得られる樹脂組成物
の剛性が不十分となる。破断点伸び率及びアイゾット衝
撃値がそれぞれ20%、7kgf・cm / cm より低い場合は、
得られる樹脂組成物の靭性が不十分となる。
【0016】なお、該ゴム強化透明樹脂には、少量の第
3成分、例えばスチレン以外の芳香族ビニル系単量体、
シアン化ビニル系単量体、メタクリル酸メチル以外の
(メタ)アクリル酸(エステル)系単量体、マレイミド
系単量体などから誘導された単位を含んでいても差しつ
かえないが、全光線透過率が85%以上、荷重たわみ温度
及びビカット軟化温度がそれぞれ84℃以上、96℃以上、
曲げ弾性率及び引張弾性率がそれぞれ22000 kgf / cm2
以上、17000 kgf / cm2 以上、破断点伸び率及びアイゾ
ット衝撃値がそれぞれ20%以上、7kgf・cm / cm 以上と
いう物性条件をすべて満たす範囲にとどめることがよ
い。
3成分、例えばスチレン以外の芳香族ビニル系単量体、
シアン化ビニル系単量体、メタクリル酸メチル以外の
(メタ)アクリル酸(エステル)系単量体、マレイミド
系単量体などから誘導された単位を含んでいても差しつ
かえないが、全光線透過率が85%以上、荷重たわみ温度
及びビカット軟化温度がそれぞれ84℃以上、96℃以上、
曲げ弾性率及び引張弾性率がそれぞれ22000 kgf / cm2
以上、17000 kgf / cm2 以上、破断点伸び率及びアイゾ
ット衝撃値がそれぞれ20%以上、7kgf・cm / cm 以上と
いう物性条件をすべて満たす範囲にとどめることがよ
い。
【0017】スチレン以外の芳香族ビニル系単量体の具
体例としては、α-メチルスチレン、p-メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ブロモスチレン
などが挙げられる。シアン化ビニル系単量体の具体例と
しては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど、
またメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸(エ
ステル)系単量体の具体例としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブ
チル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)ア
クリル酸ベンジルなどが挙げられる。マレイミド系単量
体の具体例としては、マレイミド、N-メチルマレイミ
ド、N-エチルマレイミド、N-プロピルマレイミド、N
-t-ブチルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミ
ド、N-フェニルマレイミドなどが挙げられる。
体例としては、α-メチルスチレン、p-メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ブロモスチレン
などが挙げられる。シアン化ビニル系単量体の具体例と
しては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど、
またメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸(エ
ステル)系単量体の具体例としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブ
チル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)ア
クリル酸ベンジルなどが挙げられる。マレイミド系単量
体の具体例としては、マレイミド、N-メチルマレイミ
ド、N-エチルマレイミド、N-プロピルマレイミド、N
-t-ブチルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミ
ド、N-フェニルマレイミドなどが挙げられる。
【0018】本発明に用いるゴム強化透明樹脂は、ジエ
ン系ゴム、アクリル系ゴムから選ばれた1種以上のゴム
成分の含有率が5〜30重量%のものを用いることがで
きる。ゴム成分の含有率が5重量%未満の場合は、該ゴ
ム強化透明樹脂が破断点伸び率20%以上、アイゾット衝
撃値7kgf・cm / cm 以上という条件を満足できず、こ
れをα-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共重合体
に配合して得られる組成物の靭性が不十分となる。30
重量%を越えると、該ゴム強化透明樹脂は荷重たわみ温
度84℃以上、ビカット軟化温度96℃以上という条件を満
足できず、α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共
重合体との組成物の耐熱性が不十分となる。
ン系ゴム、アクリル系ゴムから選ばれた1種以上のゴム
成分の含有率が5〜30重量%のものを用いることがで
きる。ゴム成分の含有率が5重量%未満の場合は、該ゴ
ム強化透明樹脂が破断点伸び率20%以上、アイゾット衝
撃値7kgf・cm / cm 以上という条件を満足できず、こ
れをα-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共重合体
に配合して得られる組成物の靭性が不十分となる。30
重量%を越えると、該ゴム強化透明樹脂は荷重たわみ温
度84℃以上、ビカット軟化温度96℃以上という条件を満
足できず、α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共
重合体との組成物の耐熱性が不十分となる。
【0019】α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル
共重合体とゴム強化透明樹脂の配合割合は、α-メチル
スチレンーメタクリル酸メチル共重合体が1〜99重量
%、好ましくは5〜95重量%がよい。α-メチルスチ
レンーメタクリル酸メチル共重合体の割合が1重量%未
満の場合はゴム強化透明樹脂との組成物の耐熱性が不十
分となり、該共重合体の割合が99重量%を越える場合
は組成物の靭性が不十分となる。
共重合体とゴム強化透明樹脂の配合割合は、α-メチル
スチレンーメタクリル酸メチル共重合体が1〜99重量
%、好ましくは5〜95重量%がよい。α-メチルスチ
レンーメタクリル酸メチル共重合体の割合が1重量%未
満の場合はゴム強化透明樹脂との組成物の耐熱性が不十
分となり、該共重合体の割合が99重量%を越える場合
は組成物の靭性が不十分となる。
【0020】α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル
共重合体とゴム強化透明樹脂をブレンドする方法として
は公知の種々のブレンド方法が可能であるが、溶融混練
や溶液ブレンド法が好ましい。溶融混練に使用する混練
機は、ロール、バンバリミキサなどの各種インターナル
ミキサ、各種スクリュ式押出機、その他のミキサであ
る。直接の溶融混練が困難な場合、例えば混練する樹脂
の溶融粘度が著しく異なる場合などには溶液ブレンド法
を用いる。即ち、分散媒にブレンドする樹脂を溶解して
から十分に攪拌し、その分散状態を損なうことなく樹脂
を分散媒から分離すれば良い。
共重合体とゴム強化透明樹脂をブレンドする方法として
は公知の種々のブレンド方法が可能であるが、溶融混練
や溶液ブレンド法が好ましい。溶融混練に使用する混練
機は、ロール、バンバリミキサなどの各種インターナル
ミキサ、各種スクリュ式押出機、その他のミキサであ
る。直接の溶融混練が困難な場合、例えば混練する樹脂
の溶融粘度が著しく異なる場合などには溶液ブレンド法
を用いる。即ち、分散媒にブレンドする樹脂を溶解して
から十分に攪拌し、その分散状態を損なうことなく樹脂
を分散媒から分離すれば良い。
【0021】本発明の樹脂組成物は、全光線透過率が85
%以上、ビカット軟化温度が100℃以上、引張弾性率が19
000 kgf / cm2 以上、破断点伸び率が10%以上という物
性条件をすべて満たすことが望ましい。その優れた透明
性、靭性や耐熱性を低下させない範囲で、混練や溶液ブ
レンドの際に他の樹脂を添加することができる。これら
は、例えば(メタ)アクリル酸(エステル)系単量体と
芳香族ビニル系単量体を含む単量体混合物の共重合体
(α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共重合体を
除く)や、シアン化ビニル系単量体と芳香族ビニル系単
量体を含む単量体混合物の共重合体などである。
%以上、ビカット軟化温度が100℃以上、引張弾性率が19
000 kgf / cm2 以上、破断点伸び率が10%以上という物
性条件をすべて満たすことが望ましい。その優れた透明
性、靭性や耐熱性を低下させない範囲で、混練や溶液ブ
レンドの際に他の樹脂を添加することができる。これら
は、例えば(メタ)アクリル酸(エステル)系単量体と
芳香族ビニル系単量体を含む単量体混合物の共重合体
(α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共重合体を
除く)や、シアン化ビニル系単量体と芳香族ビニル系単
量体を含む単量体混合物の共重合体などである。
【0022】これらの共重合体の製造に用いる芳香族ビ
ニル系単量体の具体例としては、スチレン、α-メチル
スチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、クロ
ロスチレン、ブロモスチレンなどが挙げられる。シアン
化ビニル系単量体の具体例としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなど、また(メタ)アクリル酸
(エステル)系単量体の具体例としては、アクリル酸、
メタクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブ
チル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリ
ル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジルなど
が挙げられる。これらの添加用樹脂の製造方法について
は特に制限はなく、乳化重合、懸濁重合、塊状重合の公
知技術を適用できる。
ニル系単量体の具体例としては、スチレン、α-メチル
スチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、クロ
ロスチレン、ブロモスチレンなどが挙げられる。シアン
化ビニル系単量体の具体例としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなど、また(メタ)アクリル酸
(エステル)系単量体の具体例としては、アクリル酸、
メタクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブ
チル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリ
ル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジルなど
が挙げられる。これらの添加用樹脂の製造方法について
は特に制限はなく、乳化重合、懸濁重合、塊状重合の公
知技術を適用できる。
【0023】さらに、本発明の樹脂組成物には、混練や
成形の際に種々の配合剤を加えても良い。熱分解を抑え
る抗酸化剤としてヒンダードフェノール系化合物、ホス
ファイト系化合物、チオエーテル系化合物などが使用可
能であり、その他、難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤
なども配合できる。以下に実施例を挙げて本発明を具体
的に説明する。
成形の際に種々の配合剤を加えても良い。熱分解を抑え
る抗酸化剤としてヒンダードフェノール系化合物、ホス
ファイト系化合物、チオエーテル系化合物などが使用可
能であり、その他、難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤
なども配合できる。以下に実施例を挙げて本発明を具体
的に説明する。
【0024】
【実施例】樹脂の溶融混練と成形には、超小型の混練・
射出成形機(米国カスタム・サイエンティフィック・イ
ンストルメント社製)を用いた。 実施例1〜9 重量平均分子量約8万、α-メチルスチレン単位約20
重量%のα-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共重
合体(αMSt-MMAと略)と、市販のメタクリル酸メチル
−ジエン系ゴム−スチレン共重合体(MBSと略)であるゴ
ム強化透明樹脂(日本合成ゴム製 JSR ABS58)を表1に
示す重量比で混練機に仕込み、240℃で約5分間溶融
ブレンド後、ダンベル状の試験片(全長約17mm)を射
出成形した。試験片が小さく規格(ASTM D1003、JIS
K6714)に準拠した全光線透過率測定が困難なため、組
成物の透明性は、次のように目視により相対評価した。
射出成形機(米国カスタム・サイエンティフィック・イ
ンストルメント社製)を用いた。 実施例1〜9 重量平均分子量約8万、α-メチルスチレン単位約20
重量%のα-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共重
合体(αMSt-MMAと略)と、市販のメタクリル酸メチル
−ジエン系ゴム−スチレン共重合体(MBSと略)であるゴ
ム強化透明樹脂(日本合成ゴム製 JSR ABS58)を表1に
示す重量比で混練機に仕込み、240℃で約5分間溶融
ブレンド後、ダンベル状の試験片(全長約17mm)を射
出成形した。試験片が小さく規格(ASTM D1003、JIS
K6714)に準拠した全光線透過率測定が困難なため、組
成物の透明性は、次のように目視により相対評価した。
【0025】ゴム強化透明樹脂(全光線透過率のメーカ
ー側提示値 88%)のダンベル状試験片を評価の基準と
し、組成物の試験片の透明性が基準片と同程度(全光線
透過率88% 以上と見なせる)であれば◎、僅かに劣るよ
うであれば○、半透明の場合(全光線透過率 50% 以上
と見なせる)は△、不透明の場合には×とした。引張特
性は、引張試験機(島津製オートグラフ)を用い、引張
速度1mm / min にて測定した。引張衝撃特性は、専用
の衝撃試験機(米国カスタム・サイエンティフィック・
インストルメント社製)を用い、引張衝撃エネルギーを
求めた。ビカット軟化温度は、ASTM D1525 に準拠して
測定した。測定結果を表1に示す。
ー側提示値 88%)のダンベル状試験片を評価の基準と
し、組成物の試験片の透明性が基準片と同程度(全光線
透過率88% 以上と見なせる)であれば◎、僅かに劣るよ
うであれば○、半透明の場合(全光線透過率 50% 以上
と見なせる)は△、不透明の場合には×とした。引張特
性は、引張試験機(島津製オートグラフ)を用い、引張
速度1mm / min にて測定した。引張衝撃特性は、専用
の衝撃試験機(米国カスタム・サイエンティフィック・
インストルメント社製)を用い、引張衝撃エネルギーを
求めた。ビカット軟化温度は、ASTM D1525 に準拠して
測定した。測定結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】比較例1〜2 実施例1で用いたα-メチルスチレンーメタクリル酸メ
チル共重合体とゴム強化透明樹脂をそれぞれダンベル状
の試験片に射出成形し、実施例1と同様にして物性を評
価した結果を表2に示す。
チル共重合体とゴム強化透明樹脂をそれぞれダンベル状
の試験片に射出成形し、実施例1と同様にして物性を評
価した結果を表2に示す。
【0030】比較例3〜6 実施例1で用いたα-メチルスチレンーメタクリル酸メ
チル共重合体と、市販の射出成形グレードのポリカーボ
ネート(三菱化成製ノバレックス7022A)(PCと略)を
表3に示す重量比で混練機に仕込み、260℃で約5分
間溶融ブレンド後、ダンベル状の試験片を射出成形し
た。実施例1と同様にして物性を評価した結果を表3に
示す。
チル共重合体と、市販の射出成形グレードのポリカーボ
ネート(三菱化成製ノバレックス7022A)(PCと略)を
表3に示す重量比で混練機に仕込み、260℃で約5分
間溶融ブレンド後、ダンベル状の試験片を射出成形し
た。実施例1と同様にして物性を評価した結果を表3に
示す。
【0031】実施例1〜9(表1)より、本発明で得ら
れる樹脂組成物はα-メチルスチレンーメタクリル酸メ
チル共重合体や市販のゴム強化透明樹脂と同程度の透明
性を有するだけでなく、十分な耐熱性、剛性、靭性を併
せ持っていることがわかる。一方、比較例1〜2(表
2)より、α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共
重合体のみ、ゴム強化透明樹脂のみの場合では、それぞ
れ靭性、耐熱性が不十分なことがわかる。また、比較例
3〜6より、α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル
共重合体に透明なポリカーボネートを配合しても得られ
る組成物は不透明であることがわかる。
れる樹脂組成物はα-メチルスチレンーメタクリル酸メ
チル共重合体や市販のゴム強化透明樹脂と同程度の透明
性を有するだけでなく、十分な耐熱性、剛性、靭性を併
せ持っていることがわかる。一方、比較例1〜2(表
2)より、α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共
重合体のみ、ゴム強化透明樹脂のみの場合では、それぞ
れ靭性、耐熱性が不十分なことがわかる。また、比較例
3〜6より、α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル
共重合体に透明なポリカーボネートを配合しても得られ
る組成物は不透明であることがわかる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、α-メチルスチレ
ンーメタクリル酸メチル共重合体と、ジエン系ゴム、ア
クリル系ゴムから選ばれた1種以上のゴム成分からなる
ラテックスにメタクリル酸メチルとスチレンからなる単
量体混合物をグラフト共重合させたゴム強化透明樹脂を
組み合わせることにより、α-メチルスチレンーメタク
リル酸メチル共重合体の透明性を失わずに耐熱性、剛
性、靭性の優れた樹脂組成物を提供することができるた
め、α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共重合体
の工業的な用途拡大に寄与できる。
ンーメタクリル酸メチル共重合体と、ジエン系ゴム、ア
クリル系ゴムから選ばれた1種以上のゴム成分からなる
ラテックスにメタクリル酸メチルとスチレンからなる単
量体混合物をグラフト共重合させたゴム強化透明樹脂を
組み合わせることにより、α-メチルスチレンーメタク
リル酸メチル共重合体の透明性を失わずに耐熱性、剛
性、靭性の優れた樹脂組成物を提供することができるた
め、α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル共重合体
の工業的な用途拡大に寄与できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 圭一 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 田中 利昌 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】α-メチルスチレンーメタクリル酸メチル
共重合体1〜99重量%と、ジエン系ゴム及びアクリル
系ゴムから選ばれた1種以上のゴム成分からなるラテッ
クスにメタクリル酸メチルとスチレンからなる単量体混
合物をグラフト共重合させたゴム強化透明樹脂99〜1
重量%を配合してなる透明な熱可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7667392A JPH05279547A (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 透明な熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7667392A JPH05279547A (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 透明な熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05279547A true JPH05279547A (ja) | 1993-10-26 |
Family
ID=13611949
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7667392A Withdrawn JPH05279547A (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 透明な熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05279547A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997044392A1 (fr) * | 1996-05-17 | 1997-11-27 | Nippon Steel Co., Ltd. | Composition a base de resine styrenique modifiee par du caoutchouc |
WO2002002691A1 (en) * | 2000-07-06 | 2002-01-10 | Lg Chemical Co., Ltd. | Process for preparing thermoplastic transparent resin |
JP2006265406A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Nippon A & L Kk | 表面硬度に優れる透明樹脂組成物および該樹脂組成物を成形してなる透明樹脂成形品 |
WO2022113680A1 (ja) * | 2020-11-27 | 2022-06-02 | 株式会社クラレ | アクリル系樹脂組成物、成形体及び積層体 |
-
1992
- 1992-03-31 JP JP7667392A patent/JPH05279547A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997044392A1 (fr) * | 1996-05-17 | 1997-11-27 | Nippon Steel Co., Ltd. | Composition a base de resine styrenique modifiee par du caoutchouc |
US6121385A (en) * | 1996-05-17 | 2000-09-19 | Nippon Steel Chemical Co., Ltd. | Rubber-modified styrenic resin composition |
WO2002002691A1 (en) * | 2000-07-06 | 2002-01-10 | Lg Chemical Co., Ltd. | Process for preparing thermoplastic transparent resin |
JP2006265406A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Nippon A & L Kk | 表面硬度に優れる透明樹脂組成物および該樹脂組成物を成形してなる透明樹脂成形品 |
WO2022113680A1 (ja) * | 2020-11-27 | 2022-06-02 | 株式会社クラレ | アクリル系樹脂組成物、成形体及び積層体 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990608 |