JPH088948Y2 - サスペンションアーム支持部の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車のリヤフロア下部におけるサスペンシ
ョンアーム支持部の構造に関するものである。

（従来の技術） リヤサスペンションにおけるサスペンションアームの
基端部を支持するサスペンションアーム取付ブラケット
は、従来実開昭59−83173号公報や第４図に示されるよ
うに、クロスメンバａに溶接された第２ブラケットｂ
と、第２ブラケットｂの左右端部の夫々にスポット溶接
された第１ブラケットｃとから構成されている。この第
１ブラケットｃとしては右前用、左前用、右後用、左後
用の計４箇のものがあり、夫々が第２ブラケットｂの端
部側面に溶接されている。又各第１ブラケットｃは上辺
フランジｄを有してリヤフロア（図示せず）にもスポッ
ト溶接されている。なお、ｅ、ｆはサスペンションアー
ムの基端部を支持するための支持孔である。

（考案が解決しようとする課題） ところが上記従来例によると、第１ブラケットｃが左
右に分離しているので、十分な剛性を得られないという
問題がある。

又上記従来例によると、第１ブラケットｃの上辺フラ
ンジｄのリヤフロアに対するスポット溶接が必須のもの
となるが、リヤフロアにスポット打点を設ける余裕がな
い場合には、その実施が不可能になるという問題も生ず
る。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決するため、車体前後方向の
少なくとも一方の側面に左右１対のサスペンションアー
ム支持孔を備えた断面略状の第２ブラケットと、この
第２ブラケットの前記サスペンションアーム支持孔を備
えた側面及び底面に溶接されて第２ブラケットとの間に
断面ボックス構造を形成すると共に、前記左右１対のサ
スペンションアーム支持孔の夫々に対し同心位置に形成
された左右１対のサスペンションアーム支持孔を備えた
少なくとも１つの第１ブラケットとでサスペンションア
ーム取付ブラケットを構成し、且つこのサスペンション
アーム取付ブラケットの上部をリヤフロア下部にあるク
ロスメンバの車体前後方向の両側面に溶接し、少なくと
も左右１本づつのサスペンションアームを、夫々その基
端部において、同心位置関係にある第２ブラケット及び
第１ブラケットのサスペンションアーム支持孔に支持さ
れた支持軸に取付けたことを特徴とする。

（作用） 本考案によれば第１ブラケットを左右１対のサスペン
ションアーム支持部を備えた一体構造体としており、且
つ第１ブラケットと第２ブラケットとで断面ボックス構
造を構成しているので、サスペンションアーム支持部の
剛性を飛躍的に高めることができる。

又本考案によれば、第１ブラケットは第２ブラケット
の車体前後方向の少なくとも一方の側面及び底面に溶接
されているので、リヤフロアにおけるスポット打点を必
要とせず、設計の自由度を上げることができる。しかも
第１ブラケットと第２ブラケットとを予め溶接によって
一体化し、サスペンションアーム取付ブラケットをアッ
センブリ化できるので、作業性の向上を図ることもでき
る。

（実施例） 本考案の実施例を、第１図ないし第３図に基き説明す
る。

１はクロスメンバで、リヤフロア２の下面の左右方向
にスポット溶接を用いて接合されている。クロスメンバ
１はハット形断面を有し、その両上端フランジ３がリヤ
フロア２にスポット溶接されると共に、その両側面４に
サスペンションアーム取付ブラケット５がスポット溶接
されている。

サスペンションアーム取付ブラケット５は左右のサス
ペンションアーム支持孔６、６を備えた断面略状の第
２ブラケット７と、この第２ブラケット７の側面８及び
底面９に溶接されて第２ブラケット７との間に断面ボッ
クス構造を形成すると共に左右のサスペンションアーム
支持孔10、10を備えた前後１対の第１ブラケット11、11
とから構成されている。

第１ブラケット11は第２図に示すような断面形状を有
し、上部鉛直壁12が第２ブラケット７の側面８にスポッ
ト溶接され、その下方に連続する頂壁13が外側方へ張り
出し、頂壁13に連続して下方に向かう側壁14にサスペン
ションアーム支持孔10が形成され、側壁14に連続して内
側方へ向かう底壁15の先端部が第２ブラケット７の底面
９にスポット溶接されている。第１ブラケット11と第２
ブラケット７とは図にＳで示すスポット溶接によって結
合されて、アッセンブリ化されたサスペンションアーム
取付ブラケット５を構成する。

アッセンブリ化されたサスペンションアーム取付ブラ
ケット５はその上辺部において、図にＳ′で示すスポッ
ト溶接で、クロスメンバ１の側面４に結合される。なお
換言すれば、前記スポット溶接Ｓ′は、第１ブラケット
11、第２ブラケット７及びクロスメンバ１の３者を結合
するものである。

第１ブラケット11及び第２ブラケット７のサスペンシ
ョンアーム支持孔10、６は同心位置にあり、ここに第２
図及び第３図に示すように、支持軸16を介して、サスペ
ンションアーム17の基端部17aが取付けられる。

（考案の効果） 本考案によれば、サスペンションアーム支持部の剛性
を飛躍的に高めることができると共に、リヤフロアにス
ポット打点を必要とせず、サスペンションアーム取付ブ
ラケットをアッセンブリ化できるサスペンションアーム
支持部の構造を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の斜視図、第２図はその横断面
図、第３図は主要部の拡大斜視図、第４図は従来例の主
要部の斜視図である。 １……クロスメンバ ２……リヤフロア ５……サスペンションアームの取付ブラケット ６……サスペンションアーム支持孔 ７……第２ブラケット ８……側面 ９……底面 10……サスペンションアーム支持孔 11……第１ブラケット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体前後方向の少なくとも一方の側面に左
   右１対のサスペンションアーム支持孔を備えた断面略
   状の第２ブラケットと、この第２ブラケットの前記サス
   ペンションアーム支持孔を備えた側面及び底面に溶接さ
   れて第２ブラケットとの間に断面ボックス構造を形成す
   ると共に、前記左右１対のサスペンションアーム支持孔
   の夫々に対し同心位置に形成された左右１対のサスペン
   ションアーム支持孔を備えた少なくとも１つの第１ブラ
   ケットとでサスペンションアーム取付ブラケットを構成
   し、且つこのサスペンションアーム取付ブラケットの上
   部をリヤフロア下部にあるクロスメンバの車体前後方向
   の両側面に溶接し、少なくとも左右１本づつのサスペン
   ションアームを、夫々その基端部において、同心位置関
   係にある第２ブラケット及び第１ブラケットのサスペン
   ションアーム支持孔に支持された支持軸に取付けたこと
   を特徴とするサスペンションアーム支持部の構造。