JPH083510A - 新規なコート剤、およびコート層を有する成形品 - Google Patents

新規なコート剤、およびコート層を有する成形品

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JPH083510A
JPH083510A JP6160547A JP16054794A JPH083510A JP H083510 A JPH083510 A JP H083510A JP 6160547 A JP6160547 A JP 6160547A JP 16054794 A JP16054794 A JP 16054794A JP H083510 A JPH083510 A JP H083510A
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JP
Japan
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weight
molded article
copolymer
resin
coating agent
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JP6160547A
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English (en)
Inventor
Koji Minami
幸治 南
Yukiko Ishikawa
有紀子 石川
Takahiro Yamashiro
孝広 山城
Teiji Obara
禎二 小原
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ノルボルネン系単量体(例えば、エチルテト
ラシクロドデセンなど)から成る成形品(例えば、薬ビ
ンなど)の表面に、炭素数4以上の炭化水素基を有する
アクリル系単量体(例えば、ラウリルアクリレートな
ど)とエポキシ基を有するアクリル系単量体(例えば、
グリシジルメタクリレートなど)の共重合体、またはそ
のような共重合体にポリアミン(ジエチルトリアミンな
ど)を付加させた変性物から成る摩擦低減層を形成す
る。 【効果】 成形品表面の摩擦係数が小さくなり、滑りや
すくなり、成形品を互いに強く擦り合わせても成形品表
面に傷がつきにくくなり、スチーム滅菌によっても摩擦
低減層の白濁などにより透明性が失われることがなく、
さらに、摩擦低減層からも成形品からも人体に有害な成
分が溶出しにくく、医療用の容器などとして用いること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なコート剤およびコ
ート層を有する成形品に関し、さらに詳しくは樹脂表面
の摩擦を低減させ、不純物を溶出しない安全な新規なコ
ート剤およびコート層を有する成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、透明
性、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、耐湿性、耐水性、有
機物の低溶出性などに優れており、近時、熱可塑性ノル
ボルネン系樹脂の医療用途への展開が進んでいる。
【0003】熱可塑性ノルボルネン系樹脂性の容器を自
動化された封入システムで薬品等を封入しようとする
と、機械との接触や、容器同士の接触により、容器の外
表面に擦傷が生じ易いという問題があり、硬度の高い樹
脂コート層を形成することにより、容器の外表面の硬度
を上げる方法が試みられている。しかし、表面硬度を上
げても、表面の摩擦が大きいために、機械との接触や容
器同士の接触の際、大きな荷重が掛かり易く、例えば、
自動化された封入システムでは、工程の途中で容器同士
が詰まってしまったり、その結果荷重が限界を越えて外
表面に擦傷が生じることなどがあった。
【0004】さらに、医療用の薬品容器として使用する
ためには、薬事法第42条第2項に定める規定に基づく
ところの基準である、「ディスポーザブル輸血セット、
及び輸液セット基準」、「ディスポーザブル注射筒セッ
ト」等に適合する必要があり、さらには、日本薬局方一
般試験法輸液用プラスチック容器試験法で合格すること
が求められる場合がある。この溶出試験においては、容
器を縦に切り取った短冊状の断片を蒸留水に浸漬して溶
出される酸化安定剤等の添加剤や残留モノマー等の低分
子不純物の量が測定される。外表面に形成したコート層
から低分子不純物が溶出する場合、封入した薬品と接触
している内面については不純物が溶出せず、溶血等の原
因となることがなくても、不合格と判定されてしまい、
認可を受けることができない。そのため、医療用容器、
薬ビンなどとして使用する容器などにコート層を形成す
る場合、不純物を溶出せず、安全なコート剤を用いる必
要がある。しかし、目的とする効果と安全性の両方の要
求を満たすコート剤を見い出すことは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、熱可塑
性ノルボルネン系樹脂成形品の外表面の摩擦低減と不純
物溶出性の低減を目的に鋭意努力の結果、熱可塑性ノル
ボルネン系樹脂表面に特定の樹脂から成る摩擦低減層を
形成することにより、表面の摩擦が低減し、不純物溶出
性の低い成形品が得られることを見いだし、本発明を完
成させるに到った。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、炭素数4以上の炭化水素基を有するアクリル系単量
体とエポキシ基を有するアクリル系単量体の共重合体を
被膜形成成分として含有するコート剤、および樹脂から
成る基材の少なくとも一部の表面に該コート剤の被膜形
成成分によって形成されたコート層を有する成形品が提
供される。
【0007】(炭素数4以上の炭化水素基を有するアク
リル系単量体)本発明のコート剤の被膜形成成分である
共重合体の製造に用いられる炭素数4以上の炭化水素基
を有するアクリル系単量体としては、ブチルアクリレー
ト、ブチルメタクリレート、イソアミルアクリレート、
イソアミルメタクリレート、オクチルアクリレート、オ
クチルメタクリレート、ノニルアクリレート、ノニルメ
タクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタク
リレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタク
リレートなどが例示される。これらの中でも、後述のよ
うに共重合体のガラス転移温度が0℃以下になるよう
に、炭素数6以上のものが好ましく、8以上の炭化水素
基を有するアクリル系単量体がより好ましく、また、直
鎖の炭化水素基を有するアクリル系単量体が好ましい。
具体的には、オクチルアクリレート、オクチルメタクリ
レート、ノニルアクリレート、ノニルメタクリレート、
ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステ
アリルアクリレート、ステアリルメタクリレートなどが
好ましい。
【0008】(エポキシ基を有するアクリル系単量体)
本発明のコート剤の被膜形成成分である共重合体の製造
に用いられるエポキシ基を有するアクリル系単量体とし
ては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレ
ートが例示されるが、グリシジルメタクリレートが特に
皮膚刺激性などの毒性が低い点で好ましい。
【0009】(共重合体)本発明のコート剤の被膜形成
成分である共重合体は、炭素数4以上の炭化水素基を有
するアクリル系単量体に由来する繰り返し構造単位が5
0重量%以上99重量%以下、好ましくは80重量%以
上98重量%以下、エポキシ基を有するアクリル系単量
体に由来する繰り返し構造単位が1重量%以上50重量
%以下、好ましくは2重量%以上20重量%以下のもの
である。この重合体は特にアクリル系単量体が少なすぎ
ると脆くなり、多すぎると本発明の成形品の表面の摩擦
低減効果が小さく、傷つきやすくなる。
【0010】本発明のコート剤の被膜形成成分である共
重合体を得るには、炭素数4以上の炭化水素基を有する
アクリル系単量体50重量%以上99重量%以下、好ま
しくは80重量%以上98重量%以下、エポキシ基を有
するアクリル系単量体1重量%以上50重量%以下、好
ましくは2重量%以上20重量%以下からなる単量体混
合物を溶媒中、好ましくは窒素雰囲気下で、ラジカル重
合開始剤を用いて重合する。
【0011】用いる溶媒としては、単量体と共重合体を
溶解できるものであれば特に限定されず、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類; メチル
イソブチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン
類; などが例示される。単量体混合物1重量部に対し
て溶媒0.5〜10重量部、好ましくは1〜7重量部、
より好ましくは2〜5重量部を用いる。溶媒の使用量が
少なすぎると分子量が大きくなり、多すぎると分子量が
小さくなる。
【0012】用いるラジカル重合開始剤としては、過酸
化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、
過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイルなどの過酸化
物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’
−アゾビス−2−メチルブチロニトリルなどのアゾ化合
物; などが例示される。ラジカル重合開始剤は単量体
混合物1重量部に対して0.002〜0.05重量部、
好ましくは0.005〜0.04重量部、より好ましく
は0.01〜0.03重量部用いる。ラジカル重合開始
剤の使用量が少なすぎると分子量が大きくなり、多すぎ
ると分子量が小さくなる。
【0013】重合温度は、用いるラジカル重合開始剤、
用いる溶媒の沸点により、ラジカル重合開始剤の分解温
度以上、溶媒の沸点近くで還流させながら行うのが好ま
しい例えば、アゾビスイソブチロニトリルをラジカル重
合開始剤として用い、酢酸エチルを溶媒として用いた場
合、70〜77℃が好ましい。通常、0.8〜1.2気
圧、好ましくは常圧下で行う。反応温度が低すぎると重
合が開始できず、生産効率が悪く、高すぎると反応の制
御ができず、突沸したりして危険である。
【0014】反応は、全単量体が消費されると停止す
る。前記の条件では、7時間以内で停止するが、配合に
よっては3時間以内に停止する場合もある。
【0015】共重合体の回収する場合は、溶媒を除去す
る。溶媒を除去する方法は特に限定されず、例えば、減
圧下で反応溶液を加熱して揮発させる。なお、反応に用
いた溶媒が基材を構成する樹脂を溶解しないものであれ
ば、反応液の溶媒の一部を揮発させたもの、反応液の溶
媒を追加したもの、または反応液そのものを本発明のコ
ート剤として用いてもよい。また、後述のポリアミン付
加変性を行う場合も同様にして、さらにポリアミンを添
加して本発明のコート剤としてもよい。
【0016】得られた炭素数4以上の炭化水素基を有す
るアクリル系単量体とエポキシ基を有するアクリル系単
量体の共重合体は、ゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィによるポリスチレン換算値で数平均分子量5,
000以上、好ましくは7,000以上、100,00
0以下、好ましくは20,000以下のものである。分
子量が大きすぎると本発明の成形品のコート層表面がべ
たつき、小さすぎると本発明の成形品の基材表面からコ
ート層がスチーム滅菌によって剥離しやすくなる。ま
た、本発明の成形品のコート層表面の摩擦を小さくし
て、傷つきにくくするためには、共重合体のガラス転移
温度は0℃以下であることが好ましい。
【0017】(ポリアミン)また、本発明のコート層の
被膜形成成分は、第二成分としてポリアミンを含有して
いてもよい。第一成分である前記共重合体にポリアミン
を付加して変性させることにより、本発明の成形品の基
材からコート層がより剥離しにくくなる。例えば、スチ
ーム滅菌を繰り返しても剥離しにくく、効果が低下しに
くい。
【0018】第二成分であるポリアミンは特に限定され
ず、ジエチレンテトラミン、トリエチレンテトラミン、
ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ジ
プロピレンジアミン、ジエチレンアミノプロピンアミン
などの鎖状脂肪族ポリアミン; N−アミノエチルピペ
ラジン、メンセンジアミン、イソフォロンジアミンなど
の環状脂肪族ポリアミン; m−キシレンジアミンなど
の芳香族ポリアミンが例示される。また、市販されてい
る複素環式ポリアミン(例えば、油化シェルエポキシ社
のエポメートなど)や変性ポリアミン(例えば、旭電化
社のアデカハードナーなど)も使用できる。
【0019】なお、変性反応自体はコート剤を基材であ
る成形品に塗布した後、溶媒を除去する際の加熱によっ
て行うのが通常である。
【0020】(コート剤)本発明のコート剤は前記共重
合体を被膜形成成分として含有し、通常は被膜形成成分
を溶媒で希釈したものである。
【0021】コート剤の希釈成分として用いる溶媒は、
基材である成形品を構成する樹脂を溶解しないものであ
って、溶媒除去が容易な点で揮発性の高いものが好まし
く、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲ
ン化炭化水素; ジエチルエーテル、THF等のエーテ
ル類; メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジイソブチルケトン等のケトン類; 酢酸エチル、
酢酸ブチル等のエステル類; 等が例示される。
【0022】コート剤中の共重合体の量は、0.1重量
%以上、好ましくは0.2重量%以上、より好ましくは
1重量%以上、特に好ましくは2重量%以上、また10
重量%以下、好ましくは6重量%以下である。濃度が高
すぎると粘着性が高くなり、塗布の作業効率が低下す
る。濃度が低すぎると十分な厚さに塗布しにくい。
【0023】また、ポリアミンを添加する場合は、共重
合体の有するエポキシ基、通常は共重合に用いた単量体
混合物に含まれるエポキシ基1当量に対し、アミンの活
性水素の量が2.0当量以下、好ましくは0.5当量以
上1.5当量以下となるようにポリアミンを加える。少
ないと付加変性の効果が小さく、多すぎると変性後に未
反応のポリアミンが残留しやすく、コート層の不純物と
なる場合がある。
【0024】(樹脂)本発明の基材となる成形品を構成
する樹脂は特に限定されないが、成形が容易な点から熱
可塑性樹脂が好ましく、透明性、耐熱性、有機物の低溶
出性などの点から熱可塑性ノルボルネン系樹脂が好まし
い。
【0025】本発明で用いる熱可塑性ノルボルネン系樹
脂は、特開昭51−80400号公報、特開昭60−2
6024号公報、特開平1−168725号公報、特開
平1−190726号公報、特開平3−14882号公
報、特開平3−122137号公報、特開平4−638
07号公報などで公知の樹脂であり、具体的には、ノル
ボルネン系単量体の開環重合体、その水素添加物、ノル
ボルネン系単量体の付加型重合体、ノルボルネン系単量
体とオレフィンの付加型共重合体などが挙げられる。
【0026】ノルボルネン系単量体も、前記公報や特開
平2−227424号公報、特開平2−276842号
公報などで公知の単量体であって、例えば、ノルボルネ
ン、そのアルキル、アルキリデン、芳香族置換誘導体お
よびこれら置換または非置換のオレフィンのハロゲン、
水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド
基、イミド基、シリル基等の極性基置換体、例えば、2
−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,
5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノ
ルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチ
リデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−
2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5
−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネ
ン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−
5−メチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノ
ルボエルネン、5−オクチル−2−ノルボルネン、5−
オクタデシル−2−ノルボルネン等; ノルボルネンに
一つ以上のシクロペンタジエンが付加した単量体、その
前記と同様の誘導体や置換体、例えば、1,4:5,8
−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−
2,3−シクロペンタジエノオクタヒドロナフタレン、
6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
1,4:5,10:6,9−トリメタノ−1,2,3,
4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a−ド
デカヒドロー2,3−シクロペンタジエノアントラセン
等; シクロペンタジエンのディールス−アルダー反応
により多量化した多環構造の単量体、その前記と同様の
誘導体や置換体、例えば、ジシクロペンタジエン、2,
3−ジヒドロジシクロペンタジエン等; シクロペンタ
ジエンとテトラヒドロインデン等との付加物、その前記
と同様の誘導体や置換体、例えば、1,4−メタノ−
1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒド
ロフルオレン、5,8−メタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,3−シクロペン
タジエノナフタレン等; 等が挙げられる。
【0027】ノルボルネン系単量体の重合は公知の方法
でよく、必要に応じて、他の共重合可能な単量体と共重
合したり、水素添加することにより熱可塑性飽和ノルボ
ルネン系樹脂である熱可塑性ノルボルネン系重合体水素
添加物とすることができる。また、重合体や重合体水素
添加物を特開平3−95235号などで公知の方法によ
り、α,β−不飽和カルボン酸および/またはその誘導
体、スチレン系炭化水素、オレフィン系不飽和結合およ
び加水分解可能な基を持つ有機ケイ素化合物、不飽和エ
ポキシ単量体を用いて変性させてもよい。なお、耐湿
性、耐薬品性に優れたものを得るためには、極性基を含
有しない熱可塑性ノルボルネン系樹脂が好ましい。
【0028】本発明においては、熱可塑性ノルボルネン
系樹脂の数平均分子量は、トルエン溶媒によるGPC
(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)法で測
定したポリスチレン換算値で、10,000〜200,
000、好ましくは15,000〜100,000、よ
り好ましくは20,000〜50,000のものであ
る。また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂が主鎖構造中に
不飽和結合を有している場合は、水素添加することによ
り、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂とすることができ
る。水素添加する場合、水素添加率は耐熱劣化性、耐光
劣化性などの観点から、90%以上、好ましくは95%
以上、より好ましくは99%以上である。
【0029】医療用途に用いる場合等においては、樹脂
中に重合触媒由来の遷移金属が残留して溶出したりしな
いようにすることが好ましい。細孔容積0.5cm3
g以上、好ましくは0.7cm3/g以上、好ましくは
比表面積250cm2/g以上の吸着剤、例えばアルミ
ナ等の吸着剤に、ニッケル等の水素添加触媒金属を担持
させた不均一系触媒を用いて重合体を水素添加したり、
このような吸着剤で樹脂溶液を処理して金属原子を吸着
させたり、樹脂溶液を酸性水と純水で繰り返し洗浄した
りすること等により、樹脂中の重合触媒由来の各遷移金
属原子残留量を1ppm以下にすることが可能である。
【0030】また、本発明で用いる熱可塑性ノルボルネ
ン系樹脂はガラス転移温度が高いほど好ましく、医療用
途に用いる場合等は、好ましくは105℃以上、より好
ましくは120℃以上、特に好ましくは130℃以上の
ものである。滅菌法にはγ線照射等の加熱を必要としな
い方法もあるが、最も簡便な滅菌方法としては、加熱を
要する方法、特に煮沸による方法とスチーム滅菌があげ
られる。煮沸による滅菌ではガラス転移温度が105℃
以上であれば問題ないが、スチーム滅菌では滅菌時の温
度設定によって要求される耐熱性が異なる。最も一般的
なスチーム滅菌はオートクレーブを用いた121℃で行
う方法である。この場合、ガラス転移温度が130℃以
上のものが好ましい。一般に、環数が多いモノマーを多
く使うほど樹脂のガラス転移温度が高くなり、例えば、
4環体以上の単量体のみの開環重合体の水素添加物は、
通常130℃以上のガラス転移温度を有する。また、付
加型重合体の場合は、ノルボルネンの付加型重合体で
も、ガラス転移温度は300℃以上である。しかし、ガ
ラス転移温度が高すぎると、射出成形が困難になるなど
の弊害もあるので、モノマー、コモノマー、重合方法な
どを選択して、目的に応じたガラス転移温度の熱可塑性
ノルボルネン系樹脂を製造すればよい。
【0031】また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂には、
本発明の目的を損なわない範囲で、各種添加剤を添加し
てもよい。例えば、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の場
合、フェノール系やリン系等の老化防止剤; フェノー
ル系等の熱劣化防止剤; ベンゾフェノン系等の紫外線
安定剤; アミン系等の帯電防止剤; 脂肪族アルコー
ルのエステル、多価アルコールの部分エステル及び部分
エーテル等の滑剤; 等の各種添加剤を添加してもよ
く、他の樹脂、ゴム質重合体等を混合して用いることも
できる。特にガラス転移温度40℃以下のゴム質重合体
0.01〜10重量%、好ましくは0.02〜5重量
%、より好ましくは0.05〜1重量%、特に好ましく
は0.1〜0.5重量%を、粒径0.3μm以下、好ま
しくは0.2μm以下のマイクロドメインとして熱可塑
性ノルボルネン系樹脂中に分散させたものは、医療用の
樹脂として優れている。添加量が多すぎると、透明性、
ガラス転移温度、耐熱性等が低下する。添加量が少なす
ぎると、スチーム滅菌によって白濁して、透明性が失わ
れる場合がある。また、マイクロドメインを形成するこ
とにより、粒径以上の波長を有する光線が散乱しにく
く、透明性に優れる。ガラス転移温度40℃以下のゴム
質重合体は、溶出しにくく、薬剤を変性しにくい。な
お、ブロック共重合体などでガラス転移温度が2点以上
ある場合もあるが、最も低いガラス転移温度が40℃以
下であればよい。そのようなゴム質重合体としては、芳
香族ビニル系単量体と共役ジエン系単量体の共重合体、
その水素添加物、使用した熱可塑性ノルボルネン系樹脂
と非相溶のノルボルネン系ゴム質重合体が好ましい。
【0032】(基材)本発明で用いる基材は樹脂を成形
したものである。成形方法は、特に限定されない。熱可
塑性ノルボルネン系樹脂を用いる場合は、熱可塑性樹脂
の一般的成形法である射出成形、溶融押し出し、熱プレ
ス、溶剤キャスト、延伸などを用いることができる。
【0033】成形品の形状も特に限定されず、用途に応
じ、目的とする形状でよく、好ましい用途としては、不
純物溶出性の低いことが要求される薬品容器、特に薬ビ
ンが例示される。
【0034】(ハードコート形成)本発明の成形品の製
造においては、摩擦低減層を形成するに先だって、その
形成しようとする表面にハードコート層を形成してもよ
い。
【0035】また、ハードコート層を形成するに先だっ
て、形成しようとする表面に表面改質処理を行ってもよ
い。未処理の熱可塑性ノルボルネン系樹脂の表面張力
は、通常、25〜40dyne/cm程度である。本発
明の成形品の製造方法の一つにおいては、熱可塑性ノル
ボルネン系樹脂からなる成形品の密着性を改良しようと
する表面を表面張力が50dyne/cm以上、好まし
くは60dyne/cm以上、より好ましくは70dy
ne/cm以上になるように改質してもよい。表面改質
処理としては、特に限定されず、その具体例として、エ
ネルギー線照射処理と薬品処理などが挙げられる。これ
らの処理は、製造効率の点では行わないことが好ましい
が、ハードコート層との密着性の点では行うことが好ま
しいので、目的に応じて、処理の要否を決める。
【0036】エネルギー線照射処理としては、コロナ放
電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処
理などが挙げられ、処理効率の点等から、コロナ放電処
理とプラズマ処理、特にコロナ放電が好ましい。エネル
ギー線照射処理条件は、目的の表面改質がなされる限
り、特に限定されず、公知の方法でよい。例えば、コロ
ナ放電処理の場合、特公昭58−5314号公報、特開
昭60−146078号公報などで公知の条件でよい。
また、プラズマ処理の場合も特公昭53−794号公
報、特開昭57−177032号公報などで公知の条件
でよい。
【0037】また、薬品処理としては、重クロム酸カリ
ウム溶液、濃硫酸などの酸化剤水溶液中に、浸漬し、充
分に水で洗浄すればよい。浸漬した状態で状態で振盪す
ると効率的であるが、長期間処理すると表面が溶解する
などの透明性が低下するといった問題があり、特に、極
性基を有する熱可塑性ノルボルネン系樹脂においては、
用いる薬品の反応性、濃度などに応じて、処理時間など
を調製する必要がある。
【0038】さらに、ハードコート層の形成前に、プラ
イマー処理を行ってもよい。プライマーは、特に限定さ
れない。紫外線硬化型の多官能アクリル系のハードコー
ト剤でハードコート層を形成する場合、例えば、分子量
5,000〜200,000、好ましくは10,000
〜150,000、より好ましくは20,000〜10
0,000でハロゲン含有量が15〜55重量%、好ま
しくは20〜45重量%、より好ましくは25〜35重
量%のハロゲン化炭化水素重合体をプライマーとして用
いることができる。シリコーン系ハードコート剤でハー
ドコート層を形成する場合は、ポリカーボネートやポリ
メチルメタクリレート製の基板でシリコーン系ハードコ
ート剤用プライマーとして使用されているものが使用で
き、例えば、熱可塑性アクリル樹脂が挙げられる。ま
た、シリコーン系ハードコート剤用プライマーのプライ
マー層を形成する前に、ビニル芳香族化合物と共役ジエ
ン類の共重合体やその水素添加物に極性基を導入した変
性物、またはプロピレン・エチレン共重合体に極性基を
導入した変性物から成る一次プライマー層を形成してハ
ードコート層を剥離しにくくすることが可能であるが、
これらの変性物に着色剤を添加し、この一次プライマー
層中着色剤を均一に分散させてもよい。
【0039】ハードコート層形成に用いるハードコート
剤としては、通常、シリコーン系または有機系のハード
コート剤が用いられる。この内、シリコーン系ハードコ
ート剤はモノマーが残留しやすく、残留した場合には、
人体に対する毒性が高いことから、通常、医療用途、特
に薬品容器などには用いられない。それに対し、有機系
のハードコート剤は比較的安全であり、また、簡単に効
果させることができるので好ましく、医療用途において
も広く用いることができる。有機系のハードコート剤と
しては、硬度や耐候性に優れた紫外線硬化型の多官能ア
クリル系のハードコート剤が好ましい。さらに、用途に
応じてハードコート剤を選択する。例えば、薬品容器な
どにおいては、不純物低溶出性のハードコート層を形成
できるハードコート剤を選択する。
【0040】ハードコート剤の硬化は、それぞれのハー
ドコート剤に適した方法で行う。シリコーン系ハードコ
ート剤を硬化させるには、一般的には80〜140℃、
好ましくは100〜120℃で、1〜2時間加熱する。
また、紫外線硬化型のハードコート剤の場合、高圧水銀
灯などを用いて紫外線を照射して硬化させる。照射する
エネルギー量は、コート剤の組成や厚さなどによって異
なるが、通常、80mWの高圧水銀灯を用いて、5〜3
0秒程度の時間で、積算光量700〜1500mJ/c
2程度照射する。
【0041】(コート層形成)本発明のコート剤を樹脂
成形品である基材に塗布後、乾燥することにより、成形
品外表面に被膜形成成分によってコート層が形成され
る。このコート層を形成することにより表面の摩擦を低
減することができる。
【0042】塗布する方法は特に限定されず、ハケ塗
り、ディッピング、スプレー、スピンコート、ロールコ
ーター等の通常の塗布方法でよい。乾燥方法も、樹脂や
コート層が変質したり、傷ついたりすることなく、溶媒
を除去できる方法であれば、特に限定されず、加熱乾燥
法、減圧乾燥法、加熱減圧乾燥法、風乾法などでよい。
例えば、先に例示したコート剤の溶媒であれば、110
℃で5分以上処理することで、実質的に問題のない程度
に溶媒を除去できる。
【0043】ポリアミンを添加した場合、すなわち共重
合体にポリアミンを付加して変性する場合は、必ず80
℃以上、用いた熱可塑性ノルボルネン系樹脂のガラス転
移温度未満で、5分以上、好ましくは10分以上、より
好ましくは1時間以上2時間以下処理して溶媒を除去す
るとともにポリアミン付加変性を行う。時間が短すぎる
と変性が不十分であり、ポリアミンが残留して不純物と
なることがある。時間が長すぎると効率が悪い。
【0044】(コート層を有する成形品)本発明の成形
物は、樹脂から成る基材の少なくとも一部の表面に、本
発明のコート剤の被膜形成成分によって形成された、す
なわち前記の共重合体、またはそのポリアミン付加変性
物から成るコート層を有する成形品である。この成形品
は、日本薬局方第12改正一般試験法「輸液用プラスチ
ック試験法」に基づく、溶出物試験、溶血性試験におい
て良好な成績を示す。そのため、薬品容器、シリンジ、
輸液チューブ等の医療用器材として使用できる。
【0045】前記共重合体、またはそのポリアミン付加
変性物によって形成されたコート層は、ハードコート層
ではなく、非常に柔らか層であり、基材である樹脂成形
品表面に接着しているわけではない。しかし、本発明の
コート剤の被覆形成成分である共重合体、または共重合
体にポリアミンが付加した変性物からなるコート層は、
基材表面から剥離しにくい。例えば熱可塑性ノルボルネ
ン系樹脂成形品表面に形成した該共重合体、または該変
性物から成るコート層は、通常条件、すなわち、110
〜130℃で1時間以下のスチーム滅菌の処理では成形
品表面からは剥離しない。また、このコート層は、スチ
ーム滅菌後も滅菌前と同様に摩擦を低減させ、それによ
って成形品表面が傷つくのを防止する。
【0046】なお、本発明の成形品のコート層が前記共
重合体から成る場合、スチーム滅菌を繰り返すと剥離す
ることがあるが、共重合体ポリアミン付加変性物から成
る場合は、剥離しにくくなり、通常、スチーム滅菌を3
回繰り返しても剥離しない。
【0047】コート層の厚さは溶媒除去後で、0.1μ
m以上、好ましくは0.2μm以上、特に好ましくは
0.5μm以上、10μm以下、好ましくは5μm以下
になるようにする。薄すぎると十分に摩擦低減できず
に、厚すぎると成形品の透明性が失われることがある。
また、残留溶媒量が高いと、スチーム滅菌をする場合に
発泡する原因となり、溶出試験において不合格となる場
合があるため、形成されたコート層中の残留溶剤量は5
0ppm以下にすることが好ましい。
【0048】
【発明の効果】本発明の共重合体、または本発明の変性
物で表面をコートした本発明の成形品は、形成された共
重合体層、または変性物層の表面の摩擦係数が小さくな
るため、強く擦り合わせても傷つきにくく、スチーム滅
菌によっても剥離したり、コート層の白濁などにより透
明性が失われるという問題がなく、コート層から人体に
有害な成分が溶出しにくく、医療用の容器などに用いた
場合に安全である。
【0049】また、本発明およびその態様としては、
(1) 炭素数4以上の炭化水素基を有するアクリル系
単量体とエポキシ基を有するアクリル系単量体の共重合
体を被膜形成成分として含有するコート剤、(2) 熱
可塑性ノルボルネンの系樹脂がガラス転移温度40℃以
下のゴム質重合体0.01〜10重量%を粒径0.3μ
m以下のマイクロドメインとして分散させているもので
ある(1)記載のコート剤、(3) 共重合体が炭素数
4以上の炭化水素基を有するアクリル系単量体に由来す
る繰り返し構造単位が50〜99重量%、およびエポキ
シ基を有するアクリル系単量体に由来する繰り返し構造
単位が50〜1重量%から成るものである(1)〜
(2)記載のコート剤、(4) 共重合体の数平均分子
量がゲル・パーミエーション・クロマトグラフィによる
ポリスチレン換算値で5,000〜100,000であ
る(1)〜(3)記載のコート剤、(5) 共重合体の
ガラス転移温度が0℃以下である(1)〜(4)記載の
コート剤、(6) 炭素数4以上の炭化水素基を有する
アクリル系単量体が、ブチルアクリレート、ブチルメタ
クリレート、イソアミルアクリレート、イソアミルメタ
クリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリ
レート、ノニルアクリレート、ノニルメタクリレート、
ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステ
アリルアクリレート、またはステアリルメタクリレート
である(1)〜(5)記載のコート剤、(7) 炭素数
4以上の炭化水素基を有するアクリル系単量体が炭素数
6以上の直鎖の炭化水素基を有するアクリル系単量体で
ある(1)〜(6)記載のコート剤、(8) エポキシ
基を有するアクリル系単量体がグリシジルアクリレー
ト、またはグリシジルメタクリレートである(1)〜
(7)記載のコート剤、(9) 被膜形成成分としてさ
らにポリアミンを含有する(1)〜(8)記載のコート
剤、(10) ポリアミンが鎖状脂肪族ポリアミン、環
状脂肪族ポリアミン、または芳香族ポリアミンである
(9)記載のコート剤、(11) ポリアミンがジエチ
レンテトラミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレン
トリアミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレン
ジアミン、ジエチレンアミノプロピンアミン、N−アミ
ノエチルピペラジン、メンセンジアミン、イソフォロン
ジアミン、またはm−キシレンジアミンである(9)〜
(10)記載のコート剤、(12) ポリアミン付加変
性物が共重合体の有するエポキシ基1等量当たり、アミ
ンの活性水素の量が2.0当量以下のポリアミンを加え
て加熱したものである(9)〜(11)記載のコート
剤、(13) 樹脂から成る基材の少なくとも一部の表
面に、(1)〜(12)記載のコート剤の被膜形成成分
によって形成されたコート層を有する成形品、(14)
コート層が炭素数4以上の炭化水素基を有するアクリ
ル系単量体とエポキシ基を有するアクリル系単量体の共
重合体から成るものである(13)記載の成形品、(1
5) コート層が炭素数4以上の炭化水素基を有するア
クリル系単量体とエポキシ基を有するアクリル系単量体
の共重合体にポリアミンを付加した変性物から成るもの
である(14)記載の成形品、(16) 基材を成す樹
脂が熱可塑性ノルボルネン系樹脂である(13)〜(1
5)記載の成形品。(17) 熱可塑性ノルボルネン系
樹脂が重合触媒由来の各遷移金属原子残留量が1ppm
以下のものである(16)記載の成形品、(18) コ
ート層の厚さが0.1〜10μmである(13)〜(1
7)記載の成形品、(19) コート層中の残留溶剤量
は50ppm以下である(13)〜(18)記載の成形
品、(20) 外表面にコート層を有する容器である
(13)〜(19)記載の成形品、(21) 医療用器
材である(13)〜(20)記載の成形品、などが例示
される。
【0050】
【実施例】以下に、参考例、実施例、比較例をあげて本
発明を具体的に説明する。なお、スチーム滅菌処理、摩
擦係数測定、振とう試験、溶出物試験及び溶血性試験は
以下のように行った。
【0051】(スチーム滅菌処理)オートクレーブで1
21℃、30分間の処理を行った。
【0052】(摩擦係数測定)試料として厚さ120μ
mのシートを用い、摩擦係数測定装置(新東化学株式会
社製、HEIDON−14S ANL)によって、荷重
200g、引っ張り速度1000mm/minの条件で
10mmφのSUS製の球との間の摩擦係数を測定し
た。
【0053】(振とう試験)内寸で縦155mm、横2
55mm、高さ40mmの発泡スチロール製の容器に、
下記参考例1で得た容器Bの外表面に、実施例1に記載
したように摩擦低減層を形成したものを、縦6本ずつ、
横10本ずつ、計60本並べて、横方向に振幅5cm、
1秒につき1往復で24時間振とうした。
【0054】(溶出物試験及び溶血性試験)日本薬局方
第12改正一般試験法「輸液用プラスチック試験法」に
基づいて、溶出物試験、溶血性試験を行った。いずれの
試験にも用いる切断片は、下記参考例1で得た容器Bの
外表面に、実施例1に記載したように摩擦低減層を形成
し、側面を長さ5cm、幅0.5cmに切断したものを
用いた。溶出物試験においては、切断片を240個用い
た。溶血性試験に用いる試験液A、空試験液A’の調製
は、「輸液用プラスチック試験法」の急性毒性試験に従
い、試験液Aの調製には、前記切断片180個を用い
た。さらに、目視による溶血性試験を行った液の上澄み
7〜8mlを採取し、この液の可視光吸収スペクトルを
以下の条件で測定し、540nmの光線透過率が、Aの
上澄み液とA’の上澄み液で2.0%以下の場合に、溶
血性がないと評価した。 測定装置:日本分光製分光光度計U−best30型 セル :10mm石英セル 対照液 :試験液A、溶血性試験に使用した生理食塩水 試料液 :A’の上澄み液、Aの上澄み液
【0055】参考例1 窒素置換下に、エチルテトラシクロドデセン60重量部
に、シクロヘキサン600重量部、1−ヘキセン6.0
重量部、トリエチルアルミニウム15重量%トルエン溶
液45重量部及びトリエチルアミン15.0重量部を加
え、20℃に保ち、攪拌しながら、エチルテトラシクロ
ドデセン240重量部及び四塩化チタン20重量%トル
エン溶液27.0重量無を60分に渡り、連続的に加え
た。その後、1時間反応させた後、エチルアルコール1
5.0重量部及び水6.0重量部を加えて反応を停止さ
せた。反応溶液を40℃に加温して触媒を加水分解した
後、硫酸カルシウム9重量部及びシクロヘキサン180
重量部を加え、過剰の水を除去した。析出した金属を含
む沈澱物を濾過して除去し、エチルテトラシクロドデセ
ン開環重合体を含む透明なポリマー溶液1113重量部
を得た。
【0056】このポリマー溶液750重量部に、Ni−
ケイソウ土触媒(日揮化学製、N113)15重量部を
添加し、耐圧反応器に入れ、水素を導入して、圧力50
kg/cm3、温度200℃で3時間水素添加反応を行
った。反応終了後、シクロヘキサン700重量部を加え
て希釈し、濾過により触媒を除去し、エチルテトラシク
ロドデセン開環重合体水素添加物溶液1350重量部を
得た。
【0057】この水素添加物溶液550重量部をイソプ
ルアルコール1500重量部中へ攪拌しながら注
ぎ、開環重合体水素添加物を凝固させた。凝固した開環
重合体水素添加物を濾過して回収し、イソプロピルアル
コール300重量部で2回洗浄した後、回転式減圧乾燥
器中で5torr、120℃で48時間乾燥し、エチル
テトラシクロドデセン開環重合体水素添加物52重量部
を得た。
【0058】この開環重合体水素添加物100重量部を
シクロヘキサン溶液900重量部を、活性アルミナ(水
澤化学製、ネオビードD)4,5重量部を充填した内径
10cm、長さ100cmのカラムに滞留時間100秒
になるように通過させ、24時間循環させた。イソプロ
ピルアルコール2500重量部中へ攪拌しながら注ぎ、
開環重合体水素添加物を凝固させた。凝固した開環重合
体水素添加物を濾過して回収し、イソプロピルアルコー
ル430重量部で2回洗浄した後、回転式減圧乾燥器で
5torr、120℃で48時間乾燥し、エチルテトラ
シクロドデセン開環重合体水素添加物78重量部を得
た。
【0059】この開環重合体水素添加物の分子量はゲル
・パーミエーション・クロマトグラフィによるポリスチ
エレン換算値で数平均分子量28,000、重量平均分
子量58,000、水素添加率99.8以上、示差走査
熱量分析によるガラス転移温度142℃、分子量2,0
00以下の樹脂成分0.1%未満、チタン原子量1pp
m(検出限界)以下、ニッケル原子量0.1ppm(検
出限界)以下、アルミニウム原子量は0.21ppm、
塩素原子量0.37ppmであった。
【0060】この開環重合体水素添加物99.8重量部
にゴム質重合体(タフテックH1052、ガラス転移温
度0℃以下、旭化成製)0.2重量部、老化防止剤(イ
ルガノックス1010、チバガイギー製)0.05重量
部を添加し、2軸混練機(TEM−35B、スクリュー
径37mm、L/D=32、スクリュー回転数250r
pm、樹脂温度265℃、フィードレート10kg/時
間)で混練し、押し出しペレットとした。
【0061】このペレットを金型温度100℃、樹脂温
度290℃、吹き込み空気圧5kg/cm2で円筒状の
側面と一つの底面を有する容器B(直径25mm、高さ
50mm、厚さ2mm)をブロー成形した。
【0062】また、このペレット5gを30cm×30
cm、厚さ100μmのSUS製で表面をクロームメッ
キし、鏡面仕上げにした金属板2枚にはさみこみ、12
0μmのスペーサーを入れて、220℃に昇温したプレ
ス成形機内で約2分間プレスし、得られたシートの端を
切断して、15cm×20cm、厚さ120μmのシー
トCを製造した。
【0063】実施例1 ラウリルアクリレート(共栄社化学製、ライトアクリレ
ートL−A)95重量部、グリシジルメタクリレート
(共栄社化学製、ライトエステルG)5重量部、及び重
合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2重量部を
酢酸エチル400重量部に加え、窒素雰囲気下、70℃
に保ち、3時間攪拌し、ゲル・パーミエーション・クロ
マトグラフィによるポリスチレン換算値で数平均分子量
12,000、ガラス転移温度−9.2℃の共重合体の
酢酸エチル溶液を得た。この共重合体は本発明のコート
剤の被膜形成成分である。この溶液を分析したが、ラウ
リルアクリレートもグリシジルメタクリレートも検出限
界以下であった。この溶液1重量部を酢酸エチル99重
量部に加えて希釈液を得た。この溶液、希釈液は本発明
のコート剤である。
【0064】実施例2 実施例1で得た希釈液に、参考例1で得た容器Bを、内
部に希釈液が入り込まないようにディッピングして、外
表面全体に塗布した。90℃で1時間乾燥させて得られ
たコート層の厚さは約0.5μmであり、コート層を有
する容器Bは透明であった。このコート層を有する容器
Bは本発明の成形品である。
【0065】振とう試験の結果、表面に傷は認められな
かった。溶出物試験の結果、泡立ちは3分以内に消失
し、pH差は0.01、紫外線吸収は0.002、過マ
ンガン酸カリウム還元性物質0.13mlであった。ま
た、溶血性試験の結果は目視で溶血性は認められず、ブ
ランクである生理食塩水と溶血性試験液との540nm
の光線透過率差は0.4%であった。
【0066】スチーム滅菌処理を行った後、再度、振と
う試験を行ったが、表面に傷は認められなかった。
【0067】また、参考例1で得たシートCを実施例1
で得た希釈液にディッピングして、90℃で1時間乾燥
させた。コート層を有するシートCは透明であった。
【0068】このコート層の摩擦係数測定をしたとこ
ろ、静止摩擦係数が0.11、動摩擦係数が0.05で
あった。
【0069】スチーム滅菌処理を行った後、再度、摩擦
係数測定を行ったが、変化は認められなかった。
【0070】実施例3 実施例1で得た希釈液100重量部に対してジエチレン
トリアミン0.00008重量部を添加したものを調製
した。この調製した希釈液は被膜形成成分の第二成分と
してポリアミンを含有する本発明のコート剤である。実
施例1で得た希釈液の代わりに、この調製した希釈液を
用い、乾燥を90℃、1時間の代わりに120℃、10
分間にする以外は実施例2と同様に透明な厚さ約0.5
μmのコート層を有する容器Bを得た。このコート層を
構成しているのは、ポリアミン付加変性物であり、コー
ト層を有する容器Bは本発明の成形品である。
【0071】振とう試験の結果、表面に傷は認められな
かった。溶出物試験の結果、泡立ちは3分以内に消失
し、pH差は0.02、紫外線吸収は0.001、過マ
ンガン酸カリウム還元性物質0.15mlであった。ま
た、溶血性試験の結果は目視で溶血性は認められず、ブ
ランクである生理食塩水と溶血性試験液との540nm
の光線透過率差は0.2%であった。
【0072】スチーム滅菌処理を行った後、再度、振と
う試験を行ったが、表面に傷は認められなかった。
【0073】さらに、2回スチーム滅菌処理を行った
後、振とう試験を行ったが、表面に傷は認められなかっ
た。
【0074】また、参考例1で得たシートCを参考例2
で得た希釈液100重量部に対してジエチレントリアミ
ン0.00008重量部を添加したものにディッピング
して、120℃で10分間乾燥させた。摩擦低減層を有
するシートCは透明であった。
【0075】この摩擦低減層の摩擦係数測定をしたとこ
ろ、静止摩擦係数が0.10、動摩擦係数が0.03で
あった。
【0076】スチーム滅菌処理をさらに2回行った後、
再度、摩擦係数測定を行ったところ、静止摩擦係数が
0.10、動摩擦係数が0.03であった。
【0077】さらに2回スチーム滅菌をこの摩擦低減層
の摩擦係数測定をしたところ、静止摩擦係数が0.1
2、動摩擦係数が0.05であった。
【0078】比較例1 参考例1で得た容器Bを用いて、振とう試験をおこなっ
たところ、60本のサンプル中41本にはっきりと白い
スジ状のキズが目視で認められた。また、参考例1で得
たシートCを用いて、摩擦係数測定を行ったところ、静
止摩擦係数が0.15、動摩擦係数が0.10であっ
た。
【0079】比較例2 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10重量
部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート10重量
部、光重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー
製)3重量部、シリコン系界面活性剤(FC−430、
住友3M製)0.1重量部をイソプロピルアルコール8
0重量部に溶解してハードコート剤を得た。
【0080】このハードコート剤に参考例1で得た容器
Bを、内部にハードコート剤が接触しないようにディッ
ピングして塗布した。50℃に1分間放置してイソプロ
ピルアルコールを揮発させた後、2分間に渡り高圧水銀
ランプによって紫外線照射を10000mJ/cm2
行って、ハードコート剤を硬化させて、容器Bの外表面
に約1μmの厚さのハードコート層を形成した。
【0081】容器Bのハードコートした外表面の鉛筆硬
度は3Hであったが、振とう試験の結果、60本のサン
プル中19本に目視でかすかに判別できる程度の傷が認
められた。
【0082】また、このハードコート剤に参考例1で得
たシートCを同様にディッピング、乾燥、硬化させて、
シートCの表面にハードコート層を形成した。
【0083】このハードコート層を有するシートCを用
いて、摩擦係数測定を行ったところ、静止摩擦係数が
0.18、動摩擦係数が0.10であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小原 禎二 神奈川県川崎市川崎区夜光1−2−1 日 本ゼオン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数4以上の炭化水素基を有するアク
    リル系単量体とエポキシ基を有するアクリル系単量体の
    共重合体を被膜形成成分として含有するコート剤。
  2. 【請求項2】 被膜形成成分としてさらにポリアミンを
    含有するコート剤。
  3. 【請求項3】 樹脂から成る基材の少なくとも一部の表
    面に、請求項1、または2記載のコート剤の被膜形成成
    分によって形成されたコート層を有する成形品。
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