JPH08219243A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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JPH08219243A
JPH08219243A JP2509795A JP2509795A JPH08219243A JP H08219243 A JPH08219243 A JP H08219243A JP 2509795 A JP2509795 A JP 2509795A JP 2509795 A JP2509795 A JP 2509795A JP H08219243 A JPH08219243 A JP H08219243A
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gear
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Abstract

(57)【要約】 【目的】無段変速機において、運転者の要求とは異なる
方向に変速比が変化することによって、運転者に違和感
を与えることを回避する。 【構成】通常走行に対応する走行レンジDと、該走行レ
ンジDに対してより低速側の変速比を選択する傾向の走
行レンジDsとが運転者によって任意選択できる構成と
する。ここで、アップシフト制御中に(S3)、ダウン
シフト要求に対応するDレンジからDsレンジへの切換
えがあった場合には(S4)、強制的にダウンシフトを
行わせる(S7,S8)。同様に、ダウンシフト制御中
に(S3)、アップシフト要求を示すDsレンジからD
レンジへの切換えがあった場合には(S9)、強制的に
アップシフトを行わせる(S13,S14)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無段変速機の制御装置に
関し、特に、運転者による変速特性の選択操作に対する
変速制御の改善技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、無段変速機においては、例え
ばスロットル弁開度(アクセル開度)と車速とに応じて
基本変速比を設定し、かかる基本変速比に実際の変速比
を徐々に近づけるべく、実際の変速比を所定の変速速度
で変化させるようにしている(特開昭62−4644号
公報等参照)。
【0003】また、通常走行に対応する走行レンジ、エ
ンジンを比較的高回転に保つ走行レンジ等の相互に異な
る変速特性の走行レンジを予め複数備え、運転者による
セレクトレバーの操作等によって前記複数の走行レンジ
の中の1つを選択させ、該選択された走行レンジに従っ
て前記基本変速比を決定するよう構成される場合もあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、無段変
速機においては、スロットル弁開度が変化して基本変速
比が大きくステップ的に変化すると、この変化後の基本
変速比に対して所定の変速速度で徐々に実際の変速比が
近づくことになり、特に、スロットル(アクセル)を全
閉に戻したときのアップシフト時には、変速速度が速す
ぎると、高車速時にはイナーシャトルクによる加速感を
与え、低車速時には突然パワーが無くなるような違和感
を運転者に与えることがあるため、比較的遅い変速速度
で基本変速比に徐々に近づける必要がある。
【0005】このため、例えば図10に示すように、スロ
ットル弁を略全閉に戻して基本変速比が高速(HIG
H)側にステップ的に変化すると、比較的遅い変速速度
で実際の変速比が前記全閉状態に対応する高速側の基本
変速比に徐々に近づくことになるが、このようにして実
際の変速比が基本変速比に近づいている途中において、
運転者が通常走行レンジ(図10ではDと記してある)か
らエンジンを比較的高回転に保つ走行レンジ(図10では
Dsと記してある)に切り換える操作を行った場合で、
然も、かかる走行レンジの切換え操作に伴う基本変速比
の低速側への変化が、実際の変速比を横切ることがない
と、依然として実際の変速比が基本変速比よりも低速
(LOW)側であるために高速側への変速比変化(アッ
プシフト)が継続されることになる。
【0006】従って、運転者は、エンジンを比較的高回
転に保つ走行レンジ(Ds)への切換え操作によってダ
ウンシフト(又は少なくとも変速比の維持)を期待して
いるのにも関わらず、実際にはアップシフトが行われる
ことになってしまい、運転者に違和感を与えるという問
題があった。同様に、図11に示すように、アクセルの踏
込みに対応して基本変速比が低速側にステップ的に変化
し、実際の変速比が前記低速側の基本変速比に所定の変
速速度で徐々に近づいている途中で、エンジンを比較的
高回転に保つ走行レンジ(Ds)から通常走行レンジ
(D)への切換えが運転者によって行われたときには、
運転者がアップシフトを望んでいるにも関わらず、低速
側への変速がそのまま継続されてしまい、運転者に違和
感を与えることがあった。
【0007】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、運転者による変速特性の切換え選択に対して、運
転者に違和感を与えることのない変速制御を行える無段
変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのため請求項1の発明
にかかる無段変速機の制御装置は、図1に示すように構
成される。図1において、変速特性選択手段は、複数の
変速特性から任意の変速特性を選択し、基本変速比設定
手段は、前記選択された変速特性に従って基本変速比を
設定する。そして、変速比制御手段は、所定の変速速度
に基づいて実際の変速比を前記基本変速比に近づけるよ
うに変速比を制御する。
【0009】一方、変速特性切換え追従変速手段は、前
記変速特性選択手段により変速特性の切換えが行われた
ときに、少なくとも前記切換えに対応する基本変速比の
変化方向とは逆方向への変速比変化を一時的に阻止す
る。請求項2の発明にかかる無段変速機の制御装置で
は、前記変速特性切換え追従変速手段が、前記変速比制
御手段によるアップ又はダウンシフト制御中に、該変速
比の制御方向とは逆方向への基本変速比の変化に対応す
る前記変速特性の切換えがあったときに、前記変速特性
の切換えに対応する方向に変速比を強制的に変化させる
構成とした。
【0010】請求項3の発明にかかる無段変速機の制御
装置では、前記変速特性切換え追従変速手段が、前記変
速比制御手段によるアップ又はダウンシフト制御中に、
該変速比の制御方向とは逆方向への基本変速比の変化に
対応する前記変速特性の切換えがあったときに、変速比
を強制的に所定期間保持させる構成とした。請求項4の
発明にかかる無段変速機の制御装置では、前記変速特性
切換え追従変速手段が、複数の変速特性毎に予め類別さ
れた変速比の選択傾向に基づいて、変速特性の切換えに
よる基本変速比の変化傾向を判別し、該変化傾向を前記
切換えに対応する基本変速比の変化方向とする構成とし
た。
【0011】請求項5の発明にかかる無段変速機の制御
装置では、前記変速特性切換え追従変速手段が、切換え
前の変速特性に基づいて設定された基本変速比と、切換
え後の変速特性に基づいて設定された基本変速比とを比
較して、前記変速特性の切換えによる基本変速比の変化
方向を判別する構成とした。
【0012】
【作用】請求項1の発明にかかる無段変速機の制御装置
によると、運転者が変速特性を切換える選択を行った場
合には、即ち、変速比の積極的な選択意志を示した場合
には、そのときの実際の変速比と基本変速比との大小関
係に優先して、少なくとも前記切換えに対応する基本変
速比の変化方向とは逆方向への変速比変化が一時的に阻
止される。
【0013】従って、例えば運転者がダウンシフトを期
待して変速特性の切換えを行ったのに、実際の変速比が
基本変速比よりも低速側であることに基づき、高速側へ
の変速(アップシフト)が行われてしまうことを回避し
得る。請求項2の発明にかかる無段変速機の制御装置に
よると、通常のアップ又はダウンシフト制御中に、かか
る変速比の制御方向とは逆方向への基本変速比の変化に
対応する変速特性の切換えがあると、前記変速特性の切
換えに示される運転者の変速要求に積極的に応えるべ
く、前記変速特性の切換えに対応する方向に変速比を強
制的に変化させる。
【0014】請求項3の発明にかかる無段変速機の制御
装置によると、通常のアップ又はダウンシフト制御中
に、かかる変速比の制御方向とは逆方向への基本変速比
の変化に対応する変速特性の切換えがあると、前記変速
特性の切換えに示される運転者の変速要求に逆行する変
速が行われることを阻止すべく、変速比を強制的に所定
期間保持させる。
【0015】請求項4の発明にかかる無段変速機の制御
装置によると、複数の変速特性毎に予め変速比の選択傾
向、即ち、より低速側を選択してエンジンを比較的高回
転に保持する特性であるか、又は、より高速側を選択し
て燃費性能の向上を図る特性であるかを類別しておき、
変速特性の切換えがあった場合には、かかる切換え前後
の変速特性から運転者がより低速側への変速又はより高
速側への変速のいずれを意図しているかを判別し、該判
別された変速方向と逆方向への変速を阻止する。
【0016】請求項5の発明にかかる無段変速機の制御
装置によると、切換え前後における基本変速比の変化に
基づいて、運転者がより低速側への変速又はより高速側
への変速のいずれを意図しているかを判別し、該判別さ
れた変速方向と逆方向への変速を阻止する。
【0017】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。図2は本
発明の一実施例のシステム図である。図示しないエンジ
ンと組み合わされる車両用の無段変速機1は、エンジン
側のプライマリプーリ2と、駆動軸(デフ)側のセカン
ダリプーリ3と、これらの間に巻掛けられたベルト4と
を備え、プライマリプーリ側アクチュエータ2aの変速
圧、及び、セカンダリプーリ側アクチュエータ3aへの
ライン圧調整により、プーリ比を変化させて、変速比を
無段階に変化させることができるものである。但し、無
段変速機としてはトロイダル式等の他の機構のものであ
っても良い。
【0018】変速圧及びライン圧は、オイルポンプ5に
つながる油圧回路6の油圧をリリーフする機能を有する
電磁弁7,8により制御して調圧しており、電磁弁7,
8はコントローラ9により制御される。従って、コント
ローラ9により、電磁弁7,8を制御して、変速圧及び
ライン圧を制御することにより、変速比を無段階に制御
することができる。
【0019】尚、本実施例において、変速比を、変速機
に対する入力回転数をNi、変速機の出力軸の回転数を
Noとしたときに、 変速比(i)=No(出力回転数)/Ni(入力回転数) と定義するものとする。変速比の制御のため、コントロ
ーラ9には、車速VSPを検出する車速センサ10、スロ
ットル弁開度TVOを検出するスロットルセンサ11、エ
ンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ12か
ら、それぞれ検出信号が入力されている。
【0020】尚、前記出力回転数Noは、車速センサ10
の検出値として求めることができるが、車速センサ10の
代わりに、セカンダリプーリの回転数を検出するセンサ
によって前記出力回転数Noを知る構成としても良い。
同様に、前記入力回転数Niは、エンジン回転数Neと
して求めることができるが、プライマリプーリの回転数
を検出するセンサによって前記入力回転数Niを知る構
成としても良い。
【0021】コントローラ9は、これらの信号に基づい
て、内蔵のマイクロコンピュータにより基本変速比(定
常状態に対応する変速比)を設定すると共に、該基本変
速比の変化時(過渡時)に目標とするための目標変速比
を設定し、前記目標変速比に実際の変速比を一致させる
べく電磁弁7,8をフィードバック制御して変速制御を
行う。
【0022】具体的には、前記車速VSP及びスロット
ル弁開度TVOに基づいて運転条件から要求される基本
変速比を設定し、この基本変速比と目標変速比との間に
偏差がある場合には、前記目標変速比を徐々に前記基本
変速比に近づけるように所定量ずつステップ変化させ
る。そして、エンジン回転数Ne(変速機の入力回転
数)と車速VSP(変速機の出力回転数)から求めれる
変速機の実際の変速比が、前記目標変速比に近づくよう
に前記電磁弁7,8をフィードバック制御する。
【0023】従って、前記目標変速比を基本変速比に向
けてステップ変化させる単位量によって変速速度が決定
されることになる。また、コントローラ9には、運転者
によって操作されるセレクトレバー(変速特性選択手
段)によっていずれのレンジが選択されているかを検知
するセレクトレンジスイッチ13からの信号が入力され
る。
【0024】前記セレクトレンジとしては、出力軸固定
のPレンジ、後退のRレンジ、ニュートラルのNレン
ジ、前進無段のDレンジ,該Dレンジよりもより低速側
の変速比を選択することでエンジンを比較的高回転に保
つ前進無段のDsレンジが設定されており、運転者は任
意に前記各種レンジの中から選択できるようになってい
る。コントローラ9は、前記前進無段のDレンジ及びD
sレンジにそれぞれ対応する2つの変速比マップを備え
ており、前記セレクトレンジスイッチ13からの信号に基
づいて前記変速比マップのいずれか一方を参照して、そ
のときの車速VSPとスロットル弁開度TVOとに対応
する変速比を検索する。前記2つの前進無段レンジD,
Dsが本実施例における複数の変速特性に相当する。
【0025】ここで、前記コントローラ9による変速制
御の様子を、図3のフローチャートに従って詳細に説明
する。尚、本実施例において、基本変速比設定手段,変
速比制御手段,変速特性切換え追従変速手段としての機
能は、前記図3のフローチャートに示すように、コント
ローラ9がソフトウェア的に備えている。
【0026】図3のフローチャートにおいて、まず、ス
テップ1(図にはS1と記してある。以下同様)では、
基本変速比Base-ratio(定常時に対応する要求変速比)
の演算を行う。具体的には、スロットル弁開度TVOと
車速VSPとによって区分される運転条件毎に予め基本
変速比Base-ratioを記憶してある変速比マップ(図4参
照)を参照し、現在のスロットル弁開度TVO及び車速
VSPに対応する基本変速比Base-ratioを検索する。
【0027】本実施例では、前述のように前段無段の走
行レンジとしてDレンジとDsレンジとの2つが予め設
定されており、これに対応して2つの変速比マップが予
め用意されるので、前記ステップ1では、セレクトレン
ジスイッチ13に基づいていずれの走行レンジが選択され
ているかを検出し、該検出結果に基づいて参照する変速
比マップを選択して、基本変速比Base-ratioを検索する
ことになる。
【0028】ステップ2では、変速速度Sft-v の演算を
行う。本実施例では、エンジン回転数Ne(変速機の入
力回転数)と変速機の出力軸回転数No(図5ではOutr
evと記してある。) とに基づいて算出される実際の変速
比Cur-ratio ,スロットル弁開度TVOとエンジン回転
数Neとに基づいて推定されるエンジントルクに応じて
設定される目標イナーシャトルクTTINR, 定数として与
えられるエンジンイナーシャトルクENGINR, 前記出力軸
回転数Noに基づいて、基本変速速度Base-Sft-vを、図
5に示すように、Base-Sft-v=TTINR /(ENGINR×Outr
ev×Cur-ratio)として算出し、これを、実際の変速比Cu
r-ratioと基本変速比Base-ratioとの偏差に応じて設定
される変速進行割合Ra-rate に基づいて、基本変速比Ba
se-ratioに実際の変速比Cur-ratio が近づくほどより小
さく修正して、最終的な変速速度Sft-v とする。
【0029】ステップ3では、前記基本変速比Base-rat
ioと目標変速比Next-ratioとの比較に基づいて、アップ
シフト制御要求時(高速側への変速要求時)であるか否
かを判別する。本実施例では、基本変速比Base-ratioよ
りも目標変速比Next-ratioが小さい状態がアップシフト
制御要求時となる。ステップ3で、前記目標変速比Next
-ratioが前記基本変速比Base-ratioよりも小さく、アッ
プシフト制御要求時であると判別されると、次にステッ
プ4へ進み、かかるアップシフト制御要求状態で、Dレ
ンジからDsレンジへの切換え、換言すれば、より低速
側が選択される傾向である変速特性への切換えが行われ
たか否かを判別する。
【0030】ここで、上記のような走行レンジの切換え
が行われていない場合には、ステップ5へ進み、目標変
速比Next-ratioに前記変速速度Sft-v を加算すること
で、より高速側(変速比増大側)に目標変速比Next-rat
ioを変化させる。ステップ6では、前記ステップ5にお
ける目標変速比Next-ratioの増大制御で、目標変速比Ne
xt-ratioが基本変速比Base-ratioを上回るようになった
か否かを判別する。
【0031】そして、目標変速比Next-ratioが基本変速
比Base-ratioを上回っている場合には、ステップ12へ進
んで、目標変速比Next-ratioに基本変速比Base-ratioを
セットした後ステップ15へ進み、基本変速比Base-ratio
を上回ってアップシフトされることを回避する。一方、
目標変速比Next-ratioが基本変速比Base-ratio以下であ
るときには、前記ステップ5において増大制御された目
標変速比Next-ratioをそのままにして、ステップ15へ進
む。
【0032】ステップ15では、エンジン回転数Neと変
速機の出力軸回転数Noとに基づいて算出される実際の
変速比Cur-ratio が、前記目標変速比Next-ratioに一致
するように、変速比(変速圧及びライン圧)をフィード
バック制御する。ところで、前記ステップ4において、
DレンジからDsレンジへの切換えが行われたことが判
別された場合には、ステップ7へ進み、前記目標変速比
Next-ratioを、強制的にダウンシフト方向(変速比を減
少させる方向)に修正するための補正値SELRDWN を算出
する。
【0033】即ち、現状では、前記目標変速比Next-rat
ioが前記基本変速比Base-ratioよりも小さく、アップシ
フトを行うべき条件ではあるが、運転者のセレクトレバ
ー操作によってDレンジからより低速側を選択する傾向
であるDsレンジへ切換えられた場合には、運転者はダ
ウンシフトを期待しているので、かかる期待に逆行して
アップシフトがそのまま継続されることを回避すべく、
運転者の意志を反映させるべく一時的にダウンシフト制
御を実行させるものである(図6参照)。
【0034】尚、Dレンジに比してDsレンジがより低
速側を選択する傾向の変速特性であることが予め類別さ
れているから、DレンジからDsレンジへの切換えを、
そのまま運転者のダウンシフト要求(レンジ切換えによ
る基本変速比の低速側への変化)と見做しても良いが、
切換え前のDレンジで設定された基本変速比Base-ratio
と切換え後の基本変速比Base-ratioとを比較し、走行レ
ンジの切換えが行われても基本変速比Base-ratioの低速
側への変化がない場合を排除し、走行レンジの切換えに
伴って実際に基本変速比Base-ratioが低速側へ変化した
ときを、運転者によるダウンシフト要求時と見做しても
良い。上記のように変速特性の切換え前後における基本
変速比の変化を判別すれば、DレンジとDsレンジとの
変速特性に相違のない領域(走行レンジの切換えに伴っ
て基本変速比が変化しない領域)において、強制的な変
速が行われることを回避でき、より適正な制御が可能と
なる。
【0035】目標変速比Next-ratioと基本変速比Base-r
atioとの偏差が大きい場合には、たとえアップシフト制
御中に走行レンジが切換えられて基本変速比Base-ratio
がダウンシフト方向に変化して目標変速比Next-ratioに
近づいても、依然として基本変速比Base-ratioよりも目
標変速比Next-ratioが小さいことに基づいてアップシフ
トが継続されることになってしまうが、これでは、運転
者のDsレンジ選択に示されるダウンシフト要求が実際
の変速比に全く反映されないことになってしまって運転
者に違和感を与える。そこで、運転者のダウンシフト要
求を示す走行レンジの切換え(D→Ds)があった場合
には、基本変速比Base-ratioよりも目標変速比Next-rat
ioが小さいアップシフト要求時であっても、強制的にダ
ウンシフト方向に変速比を一時的に変化させて、運転者
の意志に沿った変速が行われるようにしたものである。
【0036】前記補正値SELRDWN は、例えば図7に示す
ように、予めスロットル弁開度TVOと車速VSPとに
対応させて予めマップに記憶させておくようにし、スロ
ットル弁開度TVOと車速VSPとに応じて設定される
基本変速比Base-ratioの変化に見合った補正値SELRDWN
が設定されるようにすると良い。また、切換え前又は後
の走行レンジに対応する基本変速比Base-ratioに基づい
て補正値SELRDWN を設定する構成としても良い。
【0037】ステップ8では、前記ステップ7で設定し
た補正値SELRDWN を、前回までの目標変速比Next-ratio
から減算して、目標変速比Next-ratioをダウンシフト方
向に強制的に修正する。同様に、ステップ3で、ダウン
シフト制御中であると判別された場合には、かかる制御
中にアップシフト要求に対応するDsレンジからDレン
ジへの切換えが行われたか否かを判別し(ステップ
9)、前記走行レンジの切換えが行われていないには、
通常に目標変速比Next-ratioを前記変速速度Sft-v だけ
徐々に減少させていって基本変速比Base-ratioに近づけ
るダウンシフト制御を実行する一方(ステップ10,1
1)、かかるダウンシフト制御中にアップシフト要求を
示すDsレンジからDレンジへの切換えが行われると
(ステップ9)、かかる切換えに対応するアップシフト
を強制的に実行すべく補正値SELRUPを設定し(ステップ
13:図8参照)、該補正値SELRUPに基づいて前記目標変
速比Next-ratioを強制的に増大補正する(ステップ1
4)。
【0038】従って、ダウンシフト中にアップシフト要
求を示す走行レンジの切換えが行われると、図8に示す
ように、前記切換え操作に対応してアップシフトが行わ
れ、運転者のアップシフト要求に対応して変速比が変化
することになる。ここで、前記DレンジからDsレンジ
への切換え時と同様に、DsレンジからDレンジへ切換
え操作が行われ、かつ、かかる切換え操作に伴って基本
変速比Base-ratioが高速側に変化した場合にのみ、運転
者のアップシフト要求時と見做して、強制的なアップシ
フト制御を実行させる構成としても良い。
【0039】尚、前記補正値SELRUPは、既述した補正値
SELRDWN と同様に、図7に示すようにしてスロットル弁
開度TVOと車速VSPに応じて基本変速比の変化に対
応するように設定することができ、また、走行レンジの
切換え前又は後の基本変速比Base-ratioに応じて設定さ
せることも可能である。かかる構成によると、目標変速
比Next-ratioが変速速度Sft-v に応じて徐々に基本変速
比Base-ratioに近づくアップ又はダウンシフト中に、か
かる制御方向とは逆のシフト要求を示す走行レンジの切
換え(走行レンジの切換えに対応する基本変速比Base-r
atioの変化)が発生すると、前記シフト要求(基本変速
比の変化)に対応するシフトを強制的に実行させるか
ら、運転者がセレクトレバーの操作によってダウン又は
アップシフトされることを期待しているにも関わらず、
かかる期待とは逆方向への変速が継続されることが阻止
され、かつ、積極的に運転者の意志に沿った変速が行わ
れ、運転者に違和感を与えることがない。
【0040】ところで、上記実施例(第1実施例)で
は、アップシフト中におけるDレンジからDsレンジへ
の切換え、又は、ダウンシフト中におけるDsレンジか
らDレンシへの切換えが行われたときには、走行レンジ
(変速特性)の切換えに対応する方向に変速比を強制的
に変化させる構成としたが、走行レンジの切換えに対応
して強制的に変速させる代わりに、アップ又はダウンシ
フト中に逆方向へのシフト要求を示す走行レンジの切換
えがあったときには、変速比を強制的に所定期間保持し
て、少なくとも走行レンジの切換えに対応するシフト方
向とは逆方向にシフトされることを回避して、運転者の
違和感を緩和する構成としても良い。
【0041】前記変速比の保持を行う実施例(第2実施
例)を、図9のフローチャートに示してある。図9のフ
ローチャートにおいて、通常のアップ又はダウンシフト
制御(ステップ27,28,33,34以外の各ステップ)は、
前記図3のフローチャートに従って説明した内容と同様
であるので、アップ又はダウンシフト制御にかかる制御
方向とは逆方向へのシフト要求を示す走行レンジの切換
えがあったときの制御を中心として説明する。
【0042】図9のフローチャートにおいて、アップシ
フト制御中に、DレンジからDsレンジへの切換えが行
われたこと(かつ、かかる切換えに伴って基本変速比Ba
se-ratioの低速側への変化が発生したこと)がステップ
24で判別されると、ステップ27へ進み、変速比を強制的
に保持する保持時間TVORT を設定する。前記保持時間TV
ORT は、固定値としても良いし、前記補正値SELRUP,SE
LRDWNと同様に、スロットル弁開度TVOと車速VSP
とに応じて、又は、走行レンジ切換え前又は後の基本変
速比Base-ratioに応じて設定させる構成としても良い。
【0043】ステップ28では、前記保持時間TVORT の経
過を計測し、この間にステップ25へ進むことを阻止する
ことで変速比を前記保持時間TVORT だけ強制的に一定に
保持し、DレンジからDsレンジへ切換えられ運転者が
ダウンシフトを期待しているときに、少なくとも逆方向
への変速比制御(アップシフト)が行われることを阻止
し、以て、運転者の違和感を緩和する。
【0044】同様に、ダウンシフト制御中に(ステップ
23)、DsレンジからDレンジへの切換えが行われたこ
と(かつ、かかる切換えに伴って基本変速比Base-ratio
の高速側への変化が発生したこと)が判別されると(ス
テップ29)、保持時間TVORTを設定し(ステップ33)、
この保持時間TVORT だけ変速比を強制的に保持すること
で(ステップ34)、運転者の要求(アップシフト)に逆
行するダウンシフトが行われることを阻止し、以て、運
転者の違和感を緩和する。
【0045】尚、上記実施例では、複数の変速特性とし
て、DレンジとDsレンジとの2種類を備える構成とし
たが、3種類以上の変速特性を備える構成であっても良
く、また、変速特性を任意に選択する手段が前記セレク
トレバーに限定されるものではないことは明らかであ
る。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明にか
かる無段変速機の制御装置によると、運転者によって変
速特性の切換え選択が行われた場合に、少なくともかか
る切換えに対応する方向とは逆方向への変速が一時的に
阻止されるから、運転者の要求とは異なる方向に変速さ
れて運転者に違和感を与えることがないという効果があ
る。
【0047】請求項2の発明にかかる無段変速機の制御
装置によると、通常のアップ又はダウンシフト制御中
に、かかる変速比の制御方向とは逆方向への変速要求を
示す変速特性の切換えがあった場合に、前記運転者の変
速要求に積極的に応える変速比変化が得られるという効
果がある。請求項3の発明にかかる無段変速機の制御装
置によると、通常のアップ又はダウンシフト制御中に、
かかる変速比の制御方向とは逆方向への変速要求を示す
変速特性の切換えがあった場合に、変速比を強制的に所
定期間保持させることで、運転者の変速要求に逆行する
変速が行われることがなく、運転者に違和感を与えるこ
とがないという効果がある。
【0048】請求項4の発明にかかる無段変速機の制御
装置によると、複数の変速特性毎の変速比の選択傾向に
基づいて、変速特性切換え時の運転者の変速要求を判断
して、運転者の要求に逆行する変速を阻止できるという
効果がある。請求項5の発明にかかる無段変速機の制御
装置によると、変速特性の切換え前後における基本変速
比の変化に基づいて、運転者がより低速側への変速又は
より高速側への変速のいずれを意図しているかを判別す
るので、より適正に変速特性切換え時の変速を制御でき
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明にかかる装置の基本構成を示す
ブロック図。
【図2】本発明の一実施例を示すシステム概略図。
【図3】第1実施例における変速比制御を示すフローチ
ャート。
【図4】実施例における基本変速比のマップを示す図。
【図5】実施例における変速速度の演算の様子を示す
図。
【図6】第1実施例におけるアップシフト時の変速比特
性を示すタイムチャート。
【図7】第1実施例における変速比補正値のマップを示
す図。
【図8】第1実施例におけるダウンシフト時の変速比特
性を示すタイムチャート。
【図9】第2実施例における変速比制御を示すフローチ
ャート。
【図10】従来の変速比制御の問題点を説明するためのタ
イムチャート。
【図11】従来の変速比制御の問題点を説明するためのタ
イムチャート。
【符号の説明】
1 無段変速機 2 プライマリプーリ 3 セカンダリプーリ 9 コントローラ 10 車速センサ 11 スロットルセンサ 12 エンジン回転センサ 13 セレクトレンジスイッチ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の変速特性から任意の変速特性を選択
    する変速特性選択手段と、 該変速特性選択手段で選択された変速特性に従って基本
    変速比を設定する基本変速比設定手段と、 所定の変速速度に基づいて実際の変速比を前記基本変速
    比に近づけるように変速比を制御する変速比制御手段
    と、 前記変速特性選択手段により変速特性の切換えが行われ
    たときに、少なくとも前記切換えに対応する基本変速比
    の変化方向とは逆方向への変速比変化を一時的に阻止す
    る変速特性切換え追従変速手段と、 を含んで構成されたことを特徴とする無段変速機の制御
    装置。
  2. 【請求項2】前記変速特性切換え追従変速手段が、前記
    変速比制御手段によるアップ又はダウンシフト制御中
    に、該変速比の制御方向とは逆方向への基本変速比の変
    化に対応する前記変速特性の切換えがあったときに、前
    記変速特性の切換えに対応する方向に変速比を強制的に
    変化させることを特徴とする請求項1記載の無段変速機
    の制御装置。
  3. 【請求項3】前記変速特性切換え追従変速手段が、前記
    変速比制御手段によるアップ又はダウンシフト制御中
    に、該変速比の制御方向とは逆方向への基本変速比の変
    化に対応する前記変速特性の切換えがあったときに、変
    速比を強制的に所定期間保持させることを特徴とする請
    求項1記載の無段変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】前記変速特性切換え追従変速手段が、複数
    の変速特性毎に予め類別された変速比の選択傾向に基づ
    いて、変速特性の切換えによる基本変速比の変化傾向を
    判別し、該変化傾向を前記切換えに対応する基本変速比
    の変化方向とすることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1つに記載の無段変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】前記変速特性切換え追従変速手段が、切換
    え前の変速特性に基づいて設定された基本変速比と、切
    換え後の変速特性に基づいて設定された基本変速比とを
    比較して、前記変速特性の切換えによる基本変速比の変
    化方向を判別することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1つに記載の無段変速機の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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