JPH1113873A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JPH1113873A
JPH1113873A JP17443697A JP17443697A JPH1113873A JP H1113873 A JPH1113873 A JP H1113873A JP 17443697 A JP17443697 A JP 17443697A JP 17443697 A JP17443697 A JP 17443697A JP H1113873 A JPH1113873 A JP H1113873A
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JP
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oil temperature
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lock
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JP17443697A
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English (en)
Inventor
Kenji Nishino
健司 西野
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マニュアルモードで走行中の油温の上昇を防
止しながら、製造コストの増大を抑制する。 【解決手段】 トルクコンバータ12を備えた自動変速
機10の自動変速モードとマニュアルモードとを選択的
に切り替える変速モード切替手段50と、マニュアルモ
ードを選択したときに変速段を設定する変速段設定手段
51と、自動変速機10の油温を検出する油温検出手段
52と、自動変速モードの変速パターンを、通常油温用
変速パターンと高油温用変速パターンで構成した変速パ
ターン設定手段53と、自動変速モードを選択したとき
に前記油温が所定値を超えている間は、高油温用変速パ
ターンを選択する変速パターン切替手段54と、マニュ
アルモードを選択したときに油温が所定値を超えている
間は、変速段設定手段51による変速を禁止する手動変
速禁止手段55と、手動変速を禁止している期間は、自
動変速モードへ切り替える油温上昇抑制手段56とを備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の変速
制御装置に関し、特に、自動変速モードとマニュアルモ
ードを切替可能な変速制御装置の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両に採用される自動変速機の変速制御
装置では、車速VSPとスロットル開度TVO(または
アクセル開度)等の運転条件に応じて変速段(変速比)
を決定する自動変速モードに加えて、従来からのマニュ
アル式変速機と同様に、予め設定された所定の変速比
を、運転者の変速操作に応じて選択するマニュアルモー
ドを備えたものがいくつか知られており、例えば、特開
平8−312774号公報に開示されるものが知られて
いる。
【0003】これは、自動変速機のマニュアルモード
で、高負荷運転が所定時間を超えた場合、予め設定した
マニュアルモード用の変速マップ(変速線)等に基づい
て強制的にアップシフトさせ、駆動系の過負荷を防止す
るものである。
【0004】また、自動変速機の自動変速モードでは、
トルクコンバータの滑り等によって油温が過度に上昇し
た場合、予め設定した変速マップに基づいてダウンシフ
トまたはロックアップを行い、油温の上昇を抑制して自
動変速機の耐久性を確保するものも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の自動変速機では、マニュアルモードを選択して、H
i側の変速段(変速比=小)を維持して高負荷運転を行
うと、トルクコンバータの滑りによって油温が過度に上
昇する場合があり、これを防止するためにはマニュアル
モードと自動変速モードについて、それぞれ油温が上昇
したときの変速マップを用意する必要があるため、制御
装置の記憶容量の増大や、変速マップの設定のために製
造コストが増大するという問題があった。
【0006】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、自動変速機のマニュアルモードにおいて、
油温の過大な上昇を確実に防ぐとともに、製造コストの
増大を抑制することをことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図10に
示すように、トルクコンバータ12を介してエンジンに
連結された自動変速機10と、自動変速機10の自動変
速モードとマニュアルモードとを選択的に切り替える変
速モード切替手段50と、前記変速モード切替手段50
がマニュアルモードを選択したときに、運転者の操作に
応じて変速段を設定する変速段設定手段51と、自動変
速機10の油温を検出する油温検出手段52と、前記自
動変速モードの変速パターンを、通常油温用変速パター
ンと高油温用変速パターンの複数の変速パターンで構成
した変速パターン設定手段53と、前記変速モード切替
手段50が自動変速モードを選択したときに前記油温が
所定値を超えている間は、前記高油温用変速パターンを
選択する変速パターン切替手段54とを備えた自動変速
機の変速制御装置において、前記前記変速モード切替手
段50がマニュアルモードを選択したときに、前記油温
が所定値を超えている間は、少なくとも変速段設定手段
51によるアップシフトを禁止する手動変速禁止手段5
5と、前記手動変速禁止手段55が手動変速を禁止して
いる期間は、前記自動変速モードの高油温用変速パター
ンへ切り替える油温上昇抑制手段56とを備える。
【0008】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記手動変速禁止手段55は、前記油温が所定値
を超えている間は、変速段設定手段51によるアップシ
フト及びダウンシフトを共に禁止する。
【0009】また、第3の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記トルクコンバータ12はロックアップクラッ
チ12aを備え、前記油温上昇抑制手段56は、通常油
温用ロックアップパターンと高油温用ロックアップパタ
ーンの複数のパターンで構成したロックアップパターン
設定手段57と、前記手動変速禁止手段55が手動変速
を禁止している期間は、前記高油温用ロックアップパタ
ーンを選択する一方、その他の場合では通常油温用ロッ
クアップパターンを選択するロックアップパターン切替
手段58とを備える。
【0010】また、第4の発明は、前記第3の発明にお
いて、前記高油温用ロックアップパターンは、通常油温
用ロックアップパターンよりも負荷が大きく、かつ車速
が低い領域でロックアップクラッチの締結を行うように
設定される。
【0011】また、第5の発明は、前記第3の発明にお
いて、前記油温上昇抑制手段56は、ロックアップパタ
ーン切替手段58によって高油温用ロックアップパター
ンを選択した後に、ロックアップクラッチの締結が行わ
れない場合には、強制的にダウンシフトするダウンシフ
ト手段59を備える。
【0012】
【発明の効果】したがって、第1の発明は、マニュアル
モードで検出した油温が所定値を超える高油温の場合に
は、変速段設定手段による手動変速が禁止されて、高油
温時用変速パターンによる自動変速モードへ切り替えら
れるため、マニュアルモードでHi側の変速段を選択し
て走行していれば、自動変速モードの高油温時用変速パ
ターンに切り替えられると、自動的にダウンシフトされ
て、トルクコンバータの滑り率を低減して油温の低下を
促進することができ、油温が所定値未満に低下すれば、
その時点の変速段から再びマニュアルモードへ復帰し
て、手動変速が可能となって、運転性を損なうことなく
マニュアルモード時の油温上昇を抑制することができ、
高油温時にはマニュアルモードであっても自動変速モー
ドの高油温時用変速パターンを用いるため、マニュアル
モードの高油温時用変速パターンを作成する必要がなく
なって、変速制御装置の記憶容量の増大及び多数の変速
パターンの設定のために製造コストが増大するのを防止
することができるのである。
【0013】また、第2の発明は、高油温時にはアップ
シフトに加えてダウンシフトも禁止されるため、運転者
は自動変速機の高油温状態を容易に認識することがで
き、特別な警告手段などを設ける必要がない。
【0014】また、第3の発明は、高油温時には手動変
速が規制されるのに加えて、高油温時用のロックアップ
パターンが選択されてロックアップ制御が開始されるた
め、トルクコンバータの滑りによる油温上昇を確実に抑
制することが可能となって、上昇した油温を速やかに所
定値未満へ冷却して自動変速機の耐久性を向上させると
ともに、高油温時用のロックアップパターンを設定する
だけなので、製造コストの大幅な上昇を防ぐことがで
き、高油温時用ロックアップパターンによるロックアッ
プ制御は、油温が所定値未満になれば終了して通常のマ
ニュアルモードへ復帰できるため、運転性を損なうこと
がない。
【0015】また、第4の発明は、前記高油温用ロック
アップパターンは、通常油温用ロックアップパターンよ
りも負荷が大きく、かつ車速が低い領域でロックアップ
クラッチの締結を行うように設定されるため、ロックア
ップ領域を拡大することで迅速にトルクコンバータの滑
りを防いで油温の低減を促進することができる。
【0016】また、第5の発明は、ロックアップパター
ン切替手段によって高油温用ロックアップパターンを選
択した後に、ロックアップクラッチの締結が行われない
場合には、強制的にダウンシフトするため再びロックア
ップ領域へ入ることを期待でき、強制ダウンシフト後に
ロックアップすることでトルクコンバータの滑りを防い
で油温を確実に低減することができる。そして、強制ダ
ウンシフト後でもロックアップされない場合では、高油
温時用変速パターンによる自動変速モードへ切り替えら
れるため、この変速パターンに応じて自動的にダウンシ
フトが行われて、ロックアップが不能な場合であっても
トルクコンバータの滑り率を低減して油温の低下を促進
することができ、自動変速機の耐久性を確保することが
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
【0018】図1は、車両の運転状態に応じて自動的に
変速比(又は変速段、以下同様)を変更する自動変速モ
ードと、運転者の操作に応じて任意の変速比を選択可能
なマニュアルモードを備えた自動変速装置を示し、ロッ
クアップクラッチ12aを備えたトルクコンバータ12
を介してエンジン11に連結された自動変速機10は、
変速制御コントローラ1からの指令に応じて変速比を変
更するもので、ここでは、自動変速機10を4速で構成
した場合として、変速制御コントローラ1から指令され
たGEAR位置に応じた変速比へ変速を行う。
【0019】変速制御コントローラ1は、マイクロコン
ピュータを主体に構成されており、図1に示すように、
運転者が操作するシフトレバー3の操作に応じたシフト
スイッチ2からの信号を読み込むとともに、車両の運転
条件として、車速センサ7から車速VSPを、スロット
ル開度センサ6から図示しないスロットルバルブの開度
TVOまたはアクセルペダルの操作量を読み込んで、予
め設定した変速マップ(変速線)に基づいて変速比を決
定して、変速比に応じたGEAR位置を自動変速機10
へ指令するのに加えて、油温センサ9が検出した自動変
速機10の油温Tempに基づいて、予め設定した自動
変速モードの通常油温用の変速マップと油温上昇時用の
変速マップを切り替えて、後述するような制御を行う。
【0020】ここで、変速制御コントローラ1の図示し
ない記憶手段には、自動変速モードとマニュアルモード
の変速マップがそれぞれ格納され、自動変速モードの変
速マップは、図3〜図6に示すように、通常油温用の変
速マップと高油温時用の変速マップが予め設定されてい
る。
【0021】そして、これらの変速モードを選択するた
め、シフトレバー3のセレクタスイッチ2は、図1に示
すように、「H」型のゲートを備え、自動変速モードで
ある「D」〜「D1」レンジに加えて、手動変速を行う
UPスイッチ4(図中「+」)とDOWNスイッチ5
(図中「−」)を備えており、シフトレバー3を図1の
Dレンジ位置から図中左側へ操作することで、変速モー
ドは自動変速モードからマニュアルモードへ切り替えら
れる。
【0022】このマニュアルモードでは、シフトレバー
3の前後方向(図1の上下方向)へのストロークに応じ
て順次相対的に変速段を変更するもので、「+」側へシ
フトレバー3を操作すると、自動変速機10には、現在
の変速段からアップシフトするよう指令され、逆に
「−」側へシフトレバー3を操作すると、現在の変速段
からダウンシフトするよう指令される。
【0023】なお、本実施形態の自動変速モードでは、
1速〜4速を使用する「D」レンジと、1速〜3速を使
用する「D3」レンジと、1速〜2速を使用する「D
2」レンジと、1速のみを使用する「D1」レンジのう
ちの一つを選択可能に構成される。
【0024】次に、変速制御コントローラ1で行われる
制御の一例を図2のフローチャートに示し、このフロー
チャートを参照しながら詳述する。なお、このフローチ
ャートは所定時間毎、例えば10msec毎に実行されるも
のである。
【0025】まず、ステップS1で、油温センサ8が検
出した自動変速機10の油温Tempを読み込んでか
ら、ステップS2では、この検出した油温Tempが所
定の油温Temphi以上であるか否かを判定し、検出値
が所定の油温temphi以上の場合には、自動変速機1
0の油温Tempが過度に上昇したと判定してステップ
S2以降の処理へ進む一方、検出値が所定の油温tem
phi未満の場合にはそのまま処理を終了する。
【0026】ステップS3では、セレクタスイッチ2の
信号から運転者が選択した変速モードMODEを読み込
み、図1において、シフトレバー3が「D〜D1」の位
置にあれば、自動変速モードであるからMODE=Aと
なり、「+」又は「−」側にあれば手動で変速を行うマ
ニュアルモードであるからMODE=Mとなる。同時
に、現在自動変速機10に設定されている変速段kを読
み込む。なお、変速制御コントローラ1からの指令値G
EAR=変速段kとなる。
【0027】次に、ステップS4では、現在の変速モー
ドMODEがマニュアルモードMであるかを判定し、マ
ニュアルモード(MODE=M)であれば、ステップS
5〜ステップS10へ進む一方、自動変速モード(MO
DE=A)であればステップS11以降の処理へ進む。
【0028】ステップS5、S7ではシフトレバー3が
「+」又は「−」側へ操作されたか否かを判定し、
「+」及び「−」のどちらにも操作されていない状態、
すなわち、現在の変速段kを維持する場合には、ステッ
プS9へ進んで現在の変速段kを変数iへ代入する。一
方、「+」又は「−」のいずれかに操作された場合で
は、ステップS8へ進んで、現在の変速段kに固定して
油温Tempが所定値を超えているため手動での変速を
禁止する。
【0029】そして、ステップS10では、現在の変速
段k(=i)に対応する変速レンジを変数jへ代入す
る。
【0030】ここで、マニュアルモードの変速段kと変
速レンジjの関係は、 変速段k=1 → 変速レンジj=1 変速段k=2 → 変速レンジj=2 変速段k=3 → 変速レンジj=3 変速段k=4 → 変速レンジj=4 として設定される。そして、ステップS12の処理へ進
む。
【0031】一方、ステップS4の判定で、自動変速モ
ードの場合にはステップS11へ進んで、現在設定され
ている変速レンジを変数jへ代入する。
【0032】ここで、自動変速モードの変速レンジj
は、 D1レンジ → 変速レンジj=1 D2レンジ → 変速レンジj=2 D3レンジ → 変速レンジj=3 Dレンジ → 変速レンジj=4 として設定した後、ステップS12へ進む。
【0033】ステップS12では、上記ステップS10
またはステップS11でマニュアルモードの変速段kま
たは自動変速モードのレンジから設定した変速レンジj
に基づいて、自動変速モードの変速マップのうち図3〜
図6(B)に示す高油温時用の変速マップを選択する。
すなわち、 j=4 → Dレンジ高油温時変速マップ{図3(B)} j=3 → D3レンジ高油温時変速マップ{図4(B)} j=2 → D2レンジ高油温時変速マップ{図5(B)} j=1 → D1レンジ高油温時変速マップ{図6(B)} となる。
【0034】ここで、自動変速モードの変速マップは、
図3〜図6(A)に示す通常油温時用の変速マップと、
図3〜図6(B)に示す高油温時用の変速マップが設定
されており、高油温時用の変速マップは通常油温時用に
比して早めにダウンシフトするようダウンシフト線(図
中波線)が設定され、早めのダウンシフトによってトル
クコンバータ12の滑り率(エンジン回転数Neと自動
変速機10の入力軸回転数の比)が低減するような設定
となっている。また、アップシフトのタイミングが遅く
なるようにアップシフト線(図中実線)が設定され、ア
ップシフトの遅延によってトルクコンバータ12の滑り
率の増大が抑制されるような設定となっている。ただ
し、図5、図6に示すD2及びD1レンジのダウンシフ
ト線は同一である。
【0035】次に、ステップS13で現在の車速VSP
とスロットル開度TVOを読み込んだ後、ステップS1
4では上記ステップS12で選択した自動変速モードの
高油温時用変速マップに基づいて、車速VSPとスロッ
トル開度TVOから新たな変速段k’を演算し、ステッ
プS15では新たに求めた変速段k’によって自動変速
機10へ変速指令を行う。
【0036】この変速指令は、上記高油温時用変速マッ
プが早めのダウンシフトまたは遅めのアップシフトとな
るように設定されているため、ステップS2で油温Te
mpが所定値Temphiを超えた時点の変速段kよりも
Hi側へ変速されるのを防いで、ダウンシフトまたは現
在の変速段kを維持するような指令となる。
【0037】そして、ステップS16では再び油温セン
サ8から読み込んだ自動変速機10の油温Tempが、
予め設定した油温TempLo未満となったか否かを判定
し、油温Tempが所定値TempLo以上の場合には、
高油温状態であると判定して上記ステップS3へ戻る一
方、油温Tempが所定値TempLo未満であれば高油
温状態が解消された判定してステップS17へ進む。た
だし、高油温状態を判定する所定値TemphiとTem
pLoの関係は、 TempLo<Temphi の関係に設定される。
【0038】油温Tempが所定値TempLo未満に低
下した後は、ステップS17で現在の変速モードMOD
Eがマニュアルモードあるか否かを判定して、マニュア
ルモードの場合には、ステップS18へ進んで、マニュ
アルモードの変速レンジjを上記ステップS14で設定
された新たな変速段k’に対応する値に一致させた後、
高油温時処理を終了する。
【0039】上記ステップS1〜S18の処理によっ
て、自動変速機10の検出油温Tempが所定値Tem
phiを超えると、ステップS5〜S10によって、シフ
トレバー3の操作による手動変速が禁止されて、高油温
時用変速マップによる自動変速モードへ切り替えられる
ため、例えば、マニュアルモードで4速(k=4)を選
択して図3(B)に示すA点で走行していれば、自動変
速モードの高油温時用変速マップに切り替えられると、
3速(k=3)へ自動的にダウンシフトされて、トルク
コンバータ12の滑り率を低減して油温Tempの低下
を促進することができ、油温Tempが所定値Temp
Lo未満に低下すれば、その時点の変速段kから再びマニ
ュアルモードへ復帰して、UPスイッチ4またはDOW
Nスイッチ5による手動変速が可能となって、運転性を
損なうことなくマニュアルモード時の油温上昇を抑制す
ることができるのである。
【0040】そして、高油温時にはマニュアルモードで
あっても自動変速モードの変速マップを用いるため、マ
ニュアルモードの高油温時用変速マップを作成する必要
がなくなって、変速制御コントローラ1の記憶容量の増
大及び多数の変速マップの設定のために製造コストが増
大するのを防止することができるのである。
【0041】こうして、マニュアルモード選択中であり
ながらも自動的にダウンシフトして、油温Tempの低
下を促進するとともに、Hi側の変速段で、ロックアッ
プクラッチ12aが解放された状態で、アクセル操作や
加減速により自動変速機10に高負荷が加わって高油温
となると、手動による変速を禁止して速やかにダウンシ
フトすることで油温Tempの過大な上昇を防止でき、
自動変速機10の耐久性を確保しながらも運転性を確保
でき、同時に製造コストの上昇を抑制することができる
のである。
【0042】また、高油温となった場合には、手動変速
が禁止されるため、運転者はシフトレバー3の操作に応
じて変速が行われないことから、自動変速機10の高油
温状態を容易に認識することができ、特別な警告手段を
設ける必要がない。
【0043】図7、図8は第2の実施形態を示し、前記
第1実施形態の高油温時用変速マップの切り替え制御
に、ロックアップクラッチ12aの高油温時制御を加え
るとともに、マニュアルモードではダウンシフトのみ許
可するようにしたものでありその他の構成は前記第1実
施形態と同様である。
【0044】前記と同様に、ステップS2で油温Tem
pが所定値Temphiを超え、かつ、ステップS4でマ
ニュアルモードであると判定されると、図8のステップ
S5以降の処理が行われる。
【0045】ステップS5では、シフトレバー3が
「−」側へ操作されたか否かを判定し、「−」側に操作
されてDOWNスイッチ5がONであれば、ステップS
6へ進んで、1段だけダウンシフトするため変数iにk
−1を代入した後、ステップS12へ進む一方、そうで
ない場合にはステップS7へ進む。
【0046】ステップS7では、シフトレバー3が
「+」側へ操作されたか否かを判定するが、「+」側へ
操作されてUPスイッチ4がONであっても、ステップ
S8で変速禁止されて現在の変速段kが維持するため、
される。また、ステップS5、S7でNOとなる「+」
及び「−」のどちらにも操作されていない状態、すなわ
ち、現在の変速段kを維持する場合には、ステップS9
へ進んで現在の変速段kを変数iへ代入する。
【0047】次に、ステップS10では、前記と同様に
して、現在の変速段k(=i)に対応する変速レンジを
変数jへ代入する。
【0048】そしてステップS20では、上記ステップ
S10でマニュアルモードの変速段kから設定した変速
レンジjに基づいて、ロックアップクラッチ12aの締
結(ロックアップ)、解除(アンロックアップ)の条件
を設定するL/U線のうち、図9(B)に示す高油温時
用のL/U線を選択する。すなわち、 j=4 → 4L/U ON及びOFF j=3 → 3L/U ON及びOFF j=2 → 2L/U ON及びOFF となる。
【0049】ここで、L/U線は車速VSPとスロット
ル開度TVO(またはアクセル操作量)に応じて予め設
定されるもので、図9(A)に示す通常油温時用のL/
U線、図9(B)に示す高油温時用のL/U線が予め設
定されており、高油温時用のL/U線は変速マップは通
常油温時用に比して早めにロックアップクラッチ12を
締結(L/U=ON)するようON線(図中実線)が設
定され、早めのロックアップによってトルクコンバータ
12の滑りを解消して作動油の冷却を促進して油温Te
mpの低減を図るような設定となっている。
【0050】すなわち、図9(B)において、変速段k
=4のときの高油温時のON線は、実線で示すようにス
ロットル開度TVOにかかわらずほぼ直線的に所定の車
速VSPで設定されている。一方、通常油温時用のON
線{図9(B)の一点鎖線}は図中斜線で示した領域B
を回避するように設定される。この領域Bは、スロット
ル開度TVOが大きいため、ロックアップを行った場合
に締結ショックが発生する領域であり、したがって、通
常油温時ではこの領域Bを回避して円滑なロックアップ
を実現する。
【0051】しかし、高油温時では一刻も早くトルクコ
ンバータ12の滑りを防いで油温Tempの低減を促進
するため、スロットル開度TVOが大きく、かつ車速V
SPが低い領域B内であっても、ロックアップ時の締結
ショックにかかわらず、ロックアップを行うように設定
する。なお、本実施形態では、高油温時用のON線をほ
ぼ直線的に所定の車速で設定し、ロックアップ領域を拡
大したが、任意の曲線としてもよい。
【0052】一方、ロックアップクラッチ12aの解放
(L/U=OFF)はOFF線(図中波線)により設定
され、高油温時用及び通常油温時用ともに同一のものを
用いる。
【0053】次に、ステップS21で現在の車速VSP
とスロットル開度TVOを読み込んだ後、ステップS2
2では上記ステップS20で選択した高油温時用ロック
アップ線に基づいて、現在ロックアップクラッチ12a
のロックアップが可能であるか否かを判定し、ロックア
ップ可能であればステップS23へ進んでロックアップ
クラッチ12aの締結を指令する。
【0054】一方、ロックアップクラッチ12aの締結
が不能な場合にはステップS24へ進んで、強制的にダ
ウンシフトを行う。
【0055】すなわち、変速段kを示す変数i、変速レ
ンジを示す変数i及びL/U線を示す変数Ljからそれ
ぞれ1を減算して、ダウンシフト後の変速段iに応じた
L/U線Ljを再度選択する。
【0056】そして、ステップS25では、強制ダウン
シフト後の条件でロックアップ可能か否かを判定し、ロ
ックアップ可能であればステップS26へ進んで自動変
速機10に対してロックアップを指令する一方、ロック
アップ不能であればロックアップクラッチ12aのアン
ロックアップを指令する。
【0057】こうして、マニュアルモードの変速段iの
設定と、ロックアップクラッチ12aの制御を行った
後、図7のステップS12以降へ進んで、前記第1実施
形態と同様に、高油温時用自動変速モードのマップに基
づいて変速を行い、油温Tempが所定値TempLo未
満となるまで上記処理を繰り返し実行する。
【0058】したがって、マニュアルモードで高油温と
なった場合には、シフトレバー3の操作のうちアップシ
フトのみが禁止されるとともに、高油温時用のL/U線
が選択されてロックアップ制御が開始され、さらに、ロ
ックアップ不能な場合には強制的にダウンシフトを行っ
てロックアップ制御を行うため、ロックアップ可能な場
合にはトルクコンバータ12の滑りによる油温上昇を確
実に抑制することが可能となって、上昇した油温Tem
pを速やかに所定値TempLo未満へ冷却して自動変速
機10の耐久性を向上させるとともに、高油温時用のL
/U線を設定するだけなので、製造コストの大幅な上昇
を防ぐことができ、上記高油温時用L/U線によるロッ
クアップ制御は、油温Tempが所定値TempLo未満
になれば終了して通常のマニュアルモードへ復帰できる
ため、運転性を損なうことがない。
【0059】そして、前記第1実施形態と同様に、マニ
ュアルモードであっても、高油温時用変速マップによる
自動変速モードへ切り替えられるため、変速マップに応
じて自動的にダウンシフトが行われて、ロックアップが
不能な場合であってもトルクコンバータ12の滑り率を
低減して油温Tempの低下を促進することができ、油
温Tempが所定値TempLo未満に低下すれば、その
時点の変速段kから再びマニュアルモードへ復帰して、
UPスイッチ4またはDOWNスイッチ5による手動変
速が可能となって、運転性を損なうことなくマニュアル
モード時の油温上昇を抑制することができるのである。
【0060】なお、上記実施形態において、マニュアル
モードのUPスイッチ4及びDOWNスイッチ5をシフ
トレバー3の変位に応じて操作する例を示したが、図示
はしないが、これらのスイッチをハンドルやステアリン
グコラム、あるいはインストゥルメントパネル等に配置
することもできる。
【0061】また、上記実施形態では自動変速装置1を
有段の自動変速機10で構成した場合を示したが、Vベ
ルト式やトロイダル式で構成された自動変速機で構成し
ても同様の作用、効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す自動変速装置のブロ
ック図。
【図2】変速制御コントローラで行われる制御の一例を
示すフローチャートである。
【図3】車速とスロットル開度に応じたノーマルパター
ンのDレンジの変速マップを示し、(A)は通常油温時
用、(B)は高油温時用である。
【図4】車速とスロットル開度に応じたスノーパターン
のD3レンジの変速マップを示し、(A)は通常油温時
用、(B)は高油温時用である。
【図5】車速とスロットル開度に応じたスノーパターン
のD2レンジの変速マップを示し、(A)は通常油温時
用、(B)は高油温時用である。
【図6】車速とスロットル開度に応じたスノーパターン
のD1レンジの変速マップを示し、(A)は通常油温時
用、(B)は高油温時用である。
【図7】第2の実施形態を示し、変速制御コントローラ
で行われる制御の一例を示すフローチャートの前半部で
ある。
【図8】同じく、フローチャートの後半部である。
【図9】車速とスロットル開度に応じたロックアップ線
を示し、(A)は通常油温時用、(B)は高油温時用で
ある。
【図10】第1ないし第5の発明のいずれかひとつに対
応するクレーム対応図である。
【符号の説明】
1 変速制御コントローラ 2 セレクタスイッチ 3 シフトレバー 4 UPスイッチ 5 DOWNスイッチ 6 スロットル開度センサ 7 車速センサ 8 油温センサ 10 自動変速機 12 トルクコンバータ 12a ロックアップクラッチ 50 変速モード切替手段 51 変速段設定手段 52 油温検出手段 53 変速パターン設定手段 54 変速パターン切替手段 55 手動変速禁止手段 56 油温上昇抑制手段 57 ロックアップパターン設定手段 58 ロックアップパターン切替手段 59 ダウンシフト手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルクコンバータを介してエンジンに連
    結された自動変速機と、 自動変速機の自動変速モードとマニュアルモードとを選
    択的に切り替える変速モード切替手段と、 前記変速モード切替手段がマニュアルモードを選択した
    ときに、運転者の操作に応じて変速段を設定する変速段
    設定手段と、 自動変速機の油温を検出する油温検出手段と、 前記自動変速モードの変速パターンを、通常油温用変速
    パターンと高油温用変速パターンの複数の変速パターン
    で構成した変速パターン設定手段と、 前記変速モード切替手段が自動変速モードを選択したと
    きに前記油温が所定値を超えている間は、前記高油温用
    変速パターンを選択する変速パターン切替手段とを備え
    た自動変速機の変速制御装置において、 前記変速モード切替手段がマニュアルモードを選択した
    ときに、前記油温が所定値を超えている間は、少なくと
    も変速段設定手段によるアップシフトを禁止する手動変
    速禁止手段と、 前記手動変速禁止手段が手動変速を禁止している期間
    は、前記自動変速モードの高油温用変速パターンへ切り
    替える油温上昇抑制手段とを備えたことを特徴とする自
    動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記手動変速禁止手段は、前記油温が所
    定値を超えている間は、変速段設定手段によるアップシ
    フト及びダウンシフトを共に禁止することを特徴とする
    請求項1に記載自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記トルクコンバータはロックアップク
    ラッチを備え、前記油温上昇抑制手段は、 通常油温用ロックアップパターンと高油温用ロックアッ
    プパターンの複数のパターンで構成したロックアップパ
    ターン設定手段と、 前記手動変速禁止手段が手動変速を禁止している期間
    は、前記高油温用ロックアップパターンを選択する一
    方、その他の場合では通常油温用ロックアップパターン
    を選択するロックアップパターン切替手段とを備えたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の変速制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記高油温用ロックアップパターンは、
    通常油温用ロックアップパターンよりも負荷が大きく、
    かつ車速が低い領域でロックアップクラッチの締結を行
    うように設定されたことを特徴とする請求項3に記載の
    自動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 前記油温上昇抑制手段は、ロックアップ
    パターン切替手段によって高油温用ロックアップパター
    ンを選択した後に、ロックアップクラッチの締結が行わ
    れない場合には、強制的にダウンシフトするダウンシフ
    ト手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の自動
    変速機の変速制御装置。
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