JPH08188165A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JPH08188165A
JPH08188165A JP7018409A JP1840995A JPH08188165A JP H08188165 A JPH08188165 A JP H08188165A JP 7018409 A JP7018409 A JP 7018409A JP 1840995 A JP1840995 A JP 1840995A JP H08188165 A JPH08188165 A JP H08188165A
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steering
voltage
torque
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JP7018409A
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Yasuhiko Miyaura
靖彦 宮浦
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Publication date
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    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/04Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D6/00Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits
    • B62D6/08Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits responsive only to driver input torque
    • B62D6/10Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits responsive only to driver input torque characterised by means for sensing or determining torque
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B62D5/049Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such monitoring the steering system, e.g. failures detecting sensor failures

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 信頼性及び稼働率の高い電動パワーステアリ
ング装置を提供する。 【構成】 操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検
出器300と、操舵系に対して操舵補助力を発生する電
動モータ12と、操舵トルク検出器300の検出トルク
に応じて電動モータ12の発生する操舵補助力を制御す
る制御装置130とを備えた電動パワーステアリング装
置において、少なくとも一部が並列化され操舵トルク検
出器300と制御装置130とを電気的に接続するライ
ン301〜304と、ライン301〜304の並列部分
それぞれに対し個別に介挿された着脱可能な接触部18
0a〜180bを有する接触部品180とを備えたも
の。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の操舵系に対して
電動モータによる操舵補助力を付与するようにした電動
パワーステアリング装置に関し、特に、操舵トルク検出
器と制御装置との間における電気的接続部の一部又は全
部を二重系にすることにより信頼性および稼働率の向上
を図った電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電動パワーステアリング装置は、
トルクセンサで検出したトルク検出信号と、車速センサ
で検出した車両の車速とをもとにモータ駆動電流を制御
し、このモータ駆動電流を電動モータに供給することに
よって、ステアリングホイールの操舵力を補助するよう
になされている(特開昭63−232073号公報,実
開昭63−146736号公報参照)。
【0003】かかる電動パワーステアリング装置のうち
特にトルクセンサを中心とした回路部分を、図12に示
す。図中、30は2つのポテンショメータ31,32を
有するトルクセンサ、18はトルクセンサとコントロー
ラ間のケーブルを着脱可能に接続するためのコネクタ、
13はコントローラであってトルクセンサからの検出信
号の入力部分のみが図示されている。トルクセンサ30
のポテンショメータ31,32は共に、ステアリングシ
ャフトに入力された操舵トルクに応じて回転子が同様に
回転するものであり、両固定端子に電源電圧(Vcc)と
接地電圧(GND)を受けて可動接点にそれぞれ操舵ト
ルクに応じた検出電圧A,Bが発生する。そして、これ
らの検出電圧A,Bは、トルクセンサ30とコントロー
ラ13とを電気的に接続するケーブルのラインを介し
て、さらにコネクタ18を介して、それぞれ検出電圧
A’,B’としてコントローラ13に入力される。一
方、電源電圧(Vcc)と接地電圧(GND)は、やはり
同じケーブル中の他のラインを介して、それぞれコント
ローラ13からトルクセンサ30に供給される。
【0004】コントローラ13に入力された検出電圧
A’,B’のラインはノイズ耐性等の観点からそれぞれ
入力抵抗R1,R2を介して接地されるが、入力抵抗R
1,R2は抵抗分圧によって発生した検出電圧A,Bに
影響を与えない程度の高抵抗値Riのものが用いられる
ことから、検出電圧A’,B’はそれぞれ検出電圧A,
Bに通常一致する。そして、検出電圧A’,B’は、検
出トルクを示す信号としてトルク演算回路131や異常
検出回路135に入力される。トルク演算回路131
は、検出電圧A’,B’の平均を採る演算等を行って、
単一のトルク検出信号Tを生成し、これをモータ駆動電
流の制御のため後段の回路に供する。また、異常検出回
路135は、例えば検出電圧A’,B’の差を求めてこ
の差が或る閾値を超えたとき異常検出信号SR を発生
し、これをモータ駆動電流の出力停止のため後段の回路
に送出する。
【0005】このように、トルクセンサにおけるポテン
ショメータからコントローラにおける入力段回路までの
部分を二重系とすることにより、平均演算が可能となっ
てトルク検出信号の信頼性が高められるとともに、トル
クセンサ関連の異常検出に応じたフェールセーフ機能の
実現が可能となって装置全体の信頼性の向上も図られて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、トルクセンサ
等のトルク検出系の二重化によって装置の信頼性の向上
が得られたといっても、これによって100%の信頼性
が達成された訳ではない。さらに、フェールセーフ機能
では、最悪状態に至らないという意味での信頼性の確保
は可能であっても、最適状態での稼働率の向上まで図れ
るものとは必ずしもいえない。例えば、操舵トルク検出
器と制御装置とを接続するコネクタにおいて接触部の接
触不良が発生した場合、トルクセンサ自体には何ら異常
がないのに、フェールセーフ機能によって操舵補助力の
発生が停止したり、不適切な操舵補助力が発生するとい
う不都合を招くことがある。このコネクタは別個に製造
等された操舵トルク検出器と制御装置とを後で結合する
ためには必要なものであるが、かかるコネクタの場合、
操舵トルクの検出電圧の値がさほど大きくないことや、
入力抵抗が大きくてその電流が微弱なことから、接触部
における電気的接触不良が相対的に発生し易いといえ
る。
【0007】このような場合の不都合を具体的に説明す
る。上述の電動パワーステアリング装置のコネクタ18
において、検出電圧Aと検出電圧A’とのラインを接続
する接触部18bが接触不良となった場合を例に採る。
ただし、電源ラインに挿入接続された接触部18a、接
地ラインに挿入接続された接触部18c、検出電圧B,
B’のラインに挿入接続された接触部18dは、正常に
接触し導通しているものとする。このときの接触部18
bにおける接触抵抗の値をRL として、図13に等価回
路を示す。この場合、ポテンショメータ32の可動接点
からの検出電圧Bはそのまま短絡状態で検出電圧B’と
されることから、検出電圧B’は正しく検出電圧Bに一
致する。しかし、ポテンショメータ31の可動接点から
の検出電圧Aは接触抵抗(RL )を経た後に検出電圧
A’とされることから、接触抵抗(RL )と入力抵抗
(Ri )とによる抵抗分圧により、検出電圧A’は(R
i /(RL +Ri ))となる。つまり、検出電圧A’は
検出電圧Aと一致しない。このため、接触抵抗の値RL
がさほど大きくないときには、検出電圧A’、そしてト
ルク検出信号T、さらにはこれに基づく操舵補助力に、
その大きさに応じた、不所望な偏差が生じることとな
る。また、接触抵抗の値RL が大きいときには、検出電
圧A’と検出電圧B’との差が所定の閾値より大きくな
り、このことが異常として検出される。そして、フェー
ルセーフ機能によって操舵補助力の発生が停止すること
となる。
【0008】このように、トルク検出系の二重化を図っ
た場合であっても、操舵トルク検出器と制御装置との間
における電気的接続部については依然として一重系のま
まであることから、装置全体の最適な稼働状態が電気的
接続部における接触不良の発生によって損なわれてしま
うという未解決の問題がある。これに対し、電動パワー
ステアリング装置は車両の操舵性能に直結するものであ
るから、上述の如き不都合の発生頻度を少なくして、よ
り一層の信頼性および稼働率の向上を達成することが求
められる。
【0009】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、操舵トルク検出器
と制御装置との間における電気的接続部の接触不良によ
る不具合を解消又は軽減することにより、信頼性および
稼働率の高い電動パワーステアリング装置を提供するこ
とを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電動パワーステアリング装置は、操舵系の
操舵トルクを検出する操舵トルク検出器と、前記操舵系
に対して操舵補助力を発生する電動モータと、前記操舵
トルク検出器の検出トルクに応じて前記電動モータの発
生する操舵補助力を制御する制御装置とを備えた電動パ
ワーステアリング装置において、少なくとも一部が並列
化され前記操舵トルク検出器と前記制御装置とを電気的
に接続するラインと、前記ラインの並列部分それぞれに
対し個別に介挿された着脱可能な接触部を有する接触部
品とを備えたものである。
【0011】
【作用】このような構成の本発明の電動パワーステアリ
ング装置は、電気的接続部すなわちライン及び接触部が
並列化されていることから、多重系の何れかに接触部の
接触不良が発生しても他の系における接触部が正常であ
れば正常な方の接触部を介して通電ができる。そこで、
並列化された当該ラインは、多重系の全てが共に接触不
良とならない限り、正常に機能することができる。多重
系の全てが共に接触不良となる確率は一重系における接
触不良の発生確率よりも低いから、このようなラインで
接続された操舵トルク検出器と制御装置との間では、検
出トルクが正常に伝達される確度が高くなる。これによ
り、検出トルクに応じた操舵補助力を発生する電動パワ
ーステアリング装置が最適状態で稼働する率が高まる。
すなわち、電動パワーステアリング装置の信頼性および
最適状態での稼働率が向上する。
【0012】したがって、この発明によれば、操舵トル
ク検出器と制御装置との間における電気的接続部の一部
又は全部を並列化することにより、信頼性および稼働率
の高い電動パワーステアリング装置を提供することがで
きる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の電動パワーステアリング装置
について、第1の実施例を図面に基づいて説明する。図
1は、その概要構成図、特に操舵系の機械的構成を示す
図である。図中、1はステアリングホイールであり、こ
のステアリングホイール1に作用された操舵力は、入力
軸2aと出力軸2bとから構成されたステアリングシャ
フト2に伝達される。この入力軸2aの一端はステアリ
ングホイール1に連結され、他端は操舵トルク検出器と
してのトルクセンサ300を介して出力軸2bの一端に
連結されている。そして、出力軸2bに伝達された操舵
力は、ユニバーサルジョイント4を介してロアシャフト
5に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介
してピニオンシャフト7に伝達される。操舵力は、さら
にステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され
て転舵輪を転舵させる。ステアリングギヤ8は、ピニオ
ン8aとラック8bとを有するラックアンドピニオン形
に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラッ
ク8bで直進運動に変換している。
【0014】ステアリングシャフト2の出力軸2bに
は、操舵補助力(アシスト力)を出力軸2bに伝達する
減速ギヤ10が連結されている。また、減速ギヤ10に
は、操舵補助力の伝達・遮断を行う電磁クラッチ装置1
1(以後、クラッチという。)を介して、操舵補助力を
発生する電動モータとしてのモータ12の出力軸が連結
されている。このクラッチ11は例えば電磁式で構成さ
れ、モータ12は例えば直流サーボ電動機で構成され
る。さらに、クラッチ11はソレノイドを有し、このソ
レノイドに後述する制御装置としてのコントローラ13
0によって励磁電流が供給されることによって、減速ギ
ヤ10とモータ12とが機械的に連結され、励磁電流の
停止により離脱される。
【0015】トルクセンサ300は、ステアリングホイ
ール1に配設されて入力軸2aに伝達された操舵トルク
を検出するものであり、例えば、操舵トルクを入力軸2
a及び出力軸2b間に介挿したトーションバーの捩じれ
角変位に変換し、この捩じれ角変位をポテンショメータ
で検出するように構成される。そして、運転者がステア
リングホイール1を操舵操作することによって、ステア
リングシャフト2に生じる捩じれの大きさと方向とに応
じたアナログ電圧信号であるトルク検出電圧を出力す
る。トルクセンサ300は、ポテンショメータによっ
て、例えば、図2に示すように、ステアリングホイール
1が中立状態にある場合には、検出電圧として所定の中
立電圧V0 を出力し、これよりステアリングホイール1
を右切りするとそのときの操舵トルクに応じて中立電圧
0 より増加する電圧を、左切りするとそのときの操舵
トルクに応じて中立電圧V0 より減少する電圧を出力す
るようになされている。なお、中立電圧V0 としては、
例えば、電源電圧(Vcc)の(1/2)の電圧(Vcc/
2)が一般的である。
【0016】130は、モータ12を駆動制御して操舵
系への操舵補助力の制御を行うコントローラであって、
車載のバッテリ16から電源供給されることによって作
動するようになされている。そして、バッテリ16の負
極は接地され、その正極はエンジン始動を行うイグニッ
ションスイッチ14及びヒューズ15aを介してコント
ローラ130に接続されると共に、ヒューズ15bを介
してコントローラ130に直接接続されている。このヒ
ューズ15bを介して供給される電源は例えば、モータ
駆動用に使用される。そして、コントローラ130はト
ルクセンサ300からの検出トルクと車速センサ17か
らの検出車速とに基づきモータ12を駆動制御すると共
に、クラッチ11をオン/オフ制御しモータ12の出力
軸と減速ギヤ10とを結合/離脱状態に制御する。
【0017】図3は、検出トルクの信号経路を中心とし
た回路構成を示すブロック図であり、操舵トルク検出器
としてのトルクセンサ300と、接触部品としてのコネ
クタ180と、制御装置としてのコントローラ130
と、電動モータとしてのモータ12とから構成される。
トルクセンサ300は、トルク検出系を二重系とすべ
く、2つのポテンショメータ31,32を有する。この
うちポテンショメータ31は、ステアリングホイール1
に入力された操舵トルクに応じて回転子が回転するよう
にステアリングシャフト2の捩じれ部位に対して連結さ
れている。そして、ポテンショメータ31は、一方の固
定端子が電源電圧(Vcc)のライン301に接続され、
他方の固定端子が接地電圧(GND)のライン302に
接続され、可動接点が検出電圧Aの出力ライン303に
接続されている。これにより、両固定端子間に電源電圧
が印加されると、可動接点に操舵トルクに応じた検出電
圧Aが発生する。
【0018】一方、ポテンショメータ32は、やはりス
テアリングホイール1に入力された操舵トルクに応じて
回転子が回転するようにステアリングシャフト2に対し
例えばポテンショメータ31との軸対称位置に連結され
ている。そして、ポテンショメータ32は、一方の固定
端子が電源電圧(Vcc)のライン301に接続され、他
方の固定端子が接地電圧(GND)のライン302に接
続され、可動接点が検出電圧Bの出力ライン304に接
続されている。これにより、両固定端子間に電源電圧が
印加されると、可動接点に操舵トルクに応じた検出電圧
Bが発生する。ポテンショメータ32はポテンショメー
タ31と同一規格のものが用いられ、検出電圧Bは検出
電圧Aに原則一致する。
【0019】このような2つのポテンショメータ31,
32を有することにより、トルクセンサ300における
トルク検出系の二重化が図られ、ステアリングシャフト
1に入力された操舵トルクに応じて同様に図2の如く変
化する一対の検出電圧A,Bが得られる。そして、ライ
ン301,302はそれぞれコントローラ130の電源
ラインVcc,接地ラインGNDに接続させるため、ライ
ン303,304はそれぞれ検出電圧A,Bをコントロ
ーラ130に出力するため、コントローラ130に接続
されたケーブル等で外部へ引き出される。ここで、ライ
ン301,302,303,304はトルクセンサ30
0内で2本のラインに分岐しており、分岐後の各ライン
が外部へ引き出されている。これにより、トルク検出系
の二重化とは別に、ライン301,302,303,3
04が二重化される。
【0020】コネクタ180は、着脱可能なオス部とメ
ス部とから構成されるが、これらが嵌合したときに接触
導通するプラグ部及びジャック部を備えた少なくとも8
個の接触部180a〜180hを有している。そして、
接触部180aは例えばプラグ部がライン301の分岐
した一方のラインに接続されるとともにジャック部がコ
ントローラ130の電源ラインVccに接続され、接触部
180bはプラグ部がライン301の分岐した他方のラ
インに接続されるとともにジャック部がコントローラ1
30の電源ラインVccに接続されている。これにより、
トルクセンサ300のポテンショメータ31,32の一
方の固定端子とコントローラ130の電源ラインVccと
を電気的に接続するライン301について、ラインの二
重の部分それぞれに対し、着脱可能な接触部180a,
180bが個別に介挿されるように、接続がなされる。
【0021】同様に、接触部180c,180dがそれ
ぞれライン303の分岐したそれぞれのラインに挿入接
続され、接触部180e,180fがそれぞれライン3
02の分岐したそれぞれのラインに挿入接続され、接触
部180g,180hがそれぞれライン304の分岐し
たそれぞれのラインに挿入接続されている。このような
接続によって、トルクセンサ300とコントローラ13
0との電気的接続ライン全てについて、ラインの二重の
部分それぞれに対し個別の接触部が介挿される。
【0022】コントローラ130は、電源ラインVccと
接地ラインGNDとからトルクセンサ300への電力供
給を行うともに、トルクセンサ300から検出電圧A,
Bを入力する。検出電圧Aは、トルクセンサ300内で
二重化されたライン303と途中のコネクタ180の接
触部180c,180dとを経た後、コントローラ13
0内で合流して一本化されたラインに伝えられ、検出電
圧A’とされる。この検出電圧A’のラインはノイズ耐
性等の観点から入力抵抗R1を介して接地されるが、そ
の抵抗値Ri は、ポテンショメータ31における抵抗分
圧によって発生した検出電圧Aに影響を与えないよう
に、ポテンショメータ31の抵抗値に比べて十分に高い
値が採用される。また、検出電圧Bは、トルクセンサ3
00内で二重化されたライン304と途中のコネクタ1
80の接触部180g,180hとを経た後、コントロ
ーラ130内で合流して一本化されたラインに伝えら
れ、検出電圧B’とされる。この検出電圧B’のライン
も、検出電圧A’のラインと同様の理由から抵抗値Ri
の入力抵抗R2を介して接地される。これらの検出電圧
A’,B’は、検出トルクを示す信号として、後段のト
ルク演算回路131および異常検出回路135に入力さ
れる。
【0023】トルク演算回路131は、例えば、検出電
圧A’と検出電圧B’とが共に加算的に反転入力とされ
これらの検出電圧A’,B’の中立電圧V0 すなわち電
圧(Vcc/2)が非反転入力とされ反転増幅率が(1/
2)となるように帰還抵抗等の値が設定されたオペアン
プによって構成される。これにより、検出電圧A’,
B’の平均を採る演算等を行って、一対の検出電圧
A’,B’から単一のトルク検出信号Tを生成する。ト
ルク検出信号Tは、モータ電流指令器132に出力され
る。
【0024】モータ電流指令器132は、トルク検出信
号Tの他に車速検出信号Vをも入力とし、例えばオペア
ンプを主体とした折れ線関数発生回路等を用いて構成さ
れ、モータ12に供給する駆動電流を定めるためのモー
タ電流指令信号SI を生成する。具体的には、操舵トル
クと車速とモータ電流との対応を表す特性線図を図4に
示すが、入力したトルク検出信号Tと車速検出信号Vと
の値に対応するモータ電流の目標値を図4の特性線図に
基づく関数に従って求め、これをモータ電流指令信号S
I として出力する。この特性線図は、ステアリングシャ
フト2に入力された操舵トルクに対応する補助操舵力を
モータ12に発生させるためにモータ12を駆動するの
に必要とされるモータ電流と、操舵トルクと、車速との
対応を表したものであり、車速が小さくなるほどモータ
電流指令信号SI の値は大きくなり、また操舵トルクが
大きくなるほどモータ電流指令信号SI の値は大きくな
り、ある値を越えるとそれ以上は大きくならないように
設定されている。モータ電流指令信号SI は、モータ駆
動回路133に送出される。
【0025】モータ駆動回路133は、詳細は図示しな
いが、例えば、4つのMOS−FET(電界効果型トラ
ンジスタ)をスイッチングトランジスタとして有するH
ブリッジ回路と、これらのスイッチングトランジスタの
ゲートを駆動するゲート駆動回路と、ゲート駆動回路を
モータ電流指令信号SI に応じたパルス幅の信号で制御
するPWM回路などで構成されている。さらに、Hブリ
ッジ回路は、電力供給を受けるためバッテリ16からの
電力ラインに接続され、モータ駆動電流Iをスイッチン
グ制御するため出力ラインがモータ12に接続されてい
る。そして、PWM回路によってモータ電流指令信号S
I の値に応じたパルス幅変調信号が生成され、ゲート駆
動回路によってパルス幅変調信号に従ってHブリッジ回
路のスイッチングトランジスタがオンオフし、Hブリッ
ジ回路におけるスイッチングによってモータ12へのモ
ータ駆動電流Iがスイッチング制御される。これによ
り、モータ電流指令信号SI に応じて、モータ駆動電流
Iが変化して、モータ12の正逆回転方向およびモータ
12に発生する操舵補助力が制御される。なお、モータ
電流指令信号SI に対するモータ駆動電流Iの追従性を
高めるため、PID制御なども用いられる。
【0026】また、モータ駆動回路133には、PWM
回路とゲート駆動回路との間に出力停止回路134が設
けられている。出力停止回路134は、例えば、異常検
出信号SR の反転信号とPWM回路の出力信号とが入力
とされ出力がゲート駆動回路に送出されるANDゲート
群からなるゲート回路によって構成される。そして、異
常検出信号SR が送出されると、すなわち異常検出信号
R の値が有意“H”(ハイ)になると、PWM回路か
らゲート駆動回路への信号送出が遮断される。一方、異
常検出信号SR が有意でないときは、PWM回路の出力
信号はそのままゲート駆動回路に伝達される。これによ
り、異常検出信号SR が送出されると、Hブリッジ回路
のスイッチング素子が全てオフしてモータ駆動電流の供
給が断たれ、モータ12による操舵補助力の発生が停止
する。
【0027】異常検出回路135は、例えば、検出電圧
A’,B’を入力としこれらの差電圧ΔVを出力する差
動アンプと、差電圧ΔVと所定の閾値Vdif とを入力し
これらを比較して差電圧ΔVが閾値Vdif 以上のとき有
意の異常検出信号SR を出力するコンパレータとを具備
する。これにより、検出電圧A’,B’が閾値Vdif以
上離れると異常と判定される。また、異常検出回路13
5は、検出電圧A’が所定の閾値Vhigh以上のとき有意
の異常検出信号SR を出力するコンパレータと、検出電
圧A’が所定の閾値Vlow 以下のとき有意の異常検出信
号SR を出力するコンパレータと、検出電圧B’が所定
の閾値Vhigh以上のとき有意の異常検出信号SR を出力
するコンパレータと、検出電圧B’が所定の閾値Vlow
以下のとき有意の異常検出信号SR を出力するコンパレ
ータとをも具備する。これにより、検出電圧A’,B’
の何れかが閾値Vhigh以上又は閾値Vlow 以下になると
異常と判定される。
【0028】ここで、各閾値Vdif ,Vhigh,Vlow
は、検出電圧A’を基準として図5に例示するように、
検出電圧A’,B’の変化範囲に基づいて設定される。
すなわち、閾値Vdif は、ポテンショメータ31,32
の特性のばらつき等による検出電圧A’と検出電圧B’
との偏差を考慮して、小さな値に設定される。一方、閾
値Vhighは、トルクセンサの定常動作における検出電圧
A’,B’の変化範囲の上限を僅かに超える値に設定さ
れ、閾値Vlow は、その変化範囲の下限を僅かに下回る
値に設定される。これらの閾値との比較に基づき異常検
出回路135によって有意とされた異常検出信号S
R は、上述の出力停止回路134に送出される。これに
より、検出電圧A’,B’に基づいてトルク検出系に異
常が検出されると、モータ12による操舵補助力の発生
が停止する。また、コントローラ130は、有意の異常
検出信号SR の発生があると、クラッチ制御回路62へ
のクラッチ制御信号の出力を停止することによって、ク
ラッチ11を作動させてモータ12の出力軸と減速ギヤ
10とを離脱状態にする。これによっても、異常検出時
は、不所望な操舵補助力が操舵系に加えられる事態が回
避される。
【0029】かかる構成からなる第1の実施例の電動パ
ワーステアリング装置について、その動作を説明する。
具体的には、コネクタ180における接触部180a〜
180hが全て正常に接触導通しておりその接触抵抗が
無視できるときと、コネクタ180における接触部18
0dが有意水準の抵抗値RL を持って接触導通している
ときと、コネクタ180における接触部180d及び接
触部180eがそれぞれ有意水準の抵抗値RL ,RL'
持って接触導通しているときに、分けて説明する。な
お、ポテンショメータ31,32や、コントローラ13
0には、異常がないものとする。
【0030】先ず、コネクタ180における接触部18
0a〜180hが全て正常に接触導通しておりその接触
抵抗が無視できる場合について説明する。コネクタ18
0における接触部180a〜180hの接触抵抗が無視
できることから、接触部180a,180bを介してポ
テンショメータ31,32の一方の固定端子には電源電
圧Vccが供給され、接触部180e,180fを介して
ポテンショメータ31,32の他方の固定端子は接地
(GND)される。そして、今、操舵系が直進状態にあ
り、操舵トルクが零であるものとすると、ポテンショメ
ータ31,32の可動接点が共に中立位置にあり、その
検出電圧A,Bは共に中立電圧V0 すなわち電圧(Vcc
/2)となる。また、運転中に運転者がステアリングホ
イール1を例えば右切りする操作を行ったときには、ス
テアリングホイール1の操作によってステアリングシャ
フト2に回転力が生じると、その回転力がステアリング
ギヤ8さらには転舵輪に伝達される。このとき、ステア
リングシャフト2の出力軸2bには、転舵輪及び路面間
の摩擦力やラックアンドピニオンのギアの噛み合い等の
摩擦力に応じた抵抗力が生じるため、ステアリングシャ
フト2の入力軸2aと出力軸2b間には、捩じれによる
相対回転が発生する。すると、この部位に連結されたポ
テンショメータ31,32の回転子が連動して回転す
る。さらにこの回転によって可動接点が移動し、その検
出電圧A,Bは共に操舵トルクに対応した分だけ中立電
圧V0 よりも高い電圧になる。何れにしても、検出電圧
A,Bは、定常変化範囲内であって、ほぼ一致してい
る。すなわち、検出電圧A,Bは共に閾値Vlow 超で閾
値Vhigh未満であり、検出電圧A,Bの差は閾値Vdif
未満である。
【0031】そして、コネクタ180における接触部1
80a〜180hの接触抵抗が無視できることから、ポ
テンショメータ31からの検出電圧Aは、接触部180
c,180dを介して、同一電圧値のまま、検出電圧
A’としてコントローラ130に入力される。同様に、
ポテンショメータ32からの検出電圧Bは、接触部18
0g,180hを介して、同一電圧値のまま、検出電圧
B’としてコントローラ130に入力される。そこで、
検出電圧A,Bと同様に、検出電圧A’,B’は共に、
閾値Vlow 超で閾値Vhigh未満であり、検出電圧A’,
B’の差は閾値Vdif 未満である。
【0032】コントローラ130に入力された検出電圧
A’,B’は異常検出回路135及びトルク演算回路1
31に送出されるが、このような範囲にある検出電圧
A’,B’は異常検出回路135での異常検出条件には
該当しないので、この場合、異常検出回路135から有
意の異常検出信号SR が出力されることはない。このこ
とより、出力停止回路134による出力停止動作は行わ
れない。そこで、トルク演算回路131によって検出電
圧A’,B’の平均が採られてトルク検出信号Tが生成
され、このトルク検出信号Tと別途生成された車速検出
信号Vとからモータ電流指令器132によってモータ電
流指令信号SI が生成され、このモータ電流指令信号S
I に従うモータ駆動電流Iの供給がモータ駆動回路13
3によって行われる。そして、直進状態で操舵トルクが
零のときには操舵補助力も略零となり、右きりで操舵ト
ルクが正のときには操舵補助力もこれに対応した正の値
となるように、モータ12に発生する操舵補助力が制御
される。したがって、この場合、すなわち電気的接続部
における接触不良等が無い場合、電動パワーステアリン
グ装置全体が最適な稼働状態となる。
【0033】次に、コネクタ180における接触部18
0dが有意水準の抵抗値RL を持って接触導通してお
り、その接触抵抗が無視できない場合について説明す
る。なお、他の接触部における接触抵抗は無視できるも
のとする。すなわち、コネクタ180において、検出電
圧Aと検出電圧A’とのラインを接続する接触部180
cと接触部180dのうち接触部180dだけが接触不
良となった場合である。この場合、コネクタ180を中
心とした等価回路を図6に示すが、接触部180dの該
当位置に抵抗値RL が存在するとともに、接触部180
cの該当位置には導通ラインが存在する。そこで、抵抗
値RL の両端が並列に接続されたラインによって短絡さ
れた状態となる。これにより、操舵トルクに対応してポ
テンショメータ31に発生した検出電圧Aは、抵抗値R
L の存在に拘わらず、接触部180cを介して、同一電
圧値のまま、検出電圧A’としてコントローラ130に
入力される。また、ポテンショメータ32からの検出電
圧Bは、接触部180g,180hを介して、同一電圧
値のまま、検出電圧B’としてコントローラ130に入
力される。つまり、コネクタ180における接触部18
0a〜180hの全てが正常に接触している場合と同様
の検出電圧A’,B’が得られる。
【0034】このような検出電圧A’,B’に基づく場
合、上述したように、異常検出回路135からの有意の
異常検出信号SR の出力は無くて出力停止回路134に
よる出力停止動作は行われず、検出電圧A’,B’から
トルク検出信号Tが生成され、このトルク検出信号T等
からモータ電流指令信号SI が生成され、このモータ電
流指令信号SI に従うモータ駆動電流Iの供給が行われ
る。こうして、モータ12に発生する操舵補助力が操舵
トルクに応じて制御される。したがって、この場合、す
なわち電気的接続部における二重化ラインの一方に接触
不良がある場合、電動パワーステアリング装置全体の最
適な稼働状態が維持される。
【0035】最後に、コネクタ180における接触部1
80dと接触部180cがそれぞれ有意水準の抵抗値R
L ,RL'を持って接触導通しているおり、あるいは接触
しておらず(この場合抵抗値RL ,RL'は無限大とな
る)、その接触抵抗が無視できない場合について説明す
る。なお、他の接触部における接触抵抗は無視できるも
のとする。すなわち、コネクタ180において、検出電
圧Aと検出電圧A’とのラインを接続する接触部180
c及び接触部180dだけが接触不良となった場合であ
る。この場合、コネクタ180を中心とした等価回路を
図7に示すが、接触部180dの該当位置に抵抗値RL
が存在するとともに、接触部180cの該当位置には抵
抗値RL'が存在する。そこで、抵抗値RL と抵抗値RL'
との並列接続によって、検出電圧Aのラインと検出電圧
A’のラインとが接続された状態となる。すなわち、検
出電圧A,A’のライン間には抵抗値RLL=(RL ×R
L')/(RL +RL')の抵抗が介在するのと等価な状態
となる。この場合、抵抗値RLLは、抵抗値RL と抵抗値
L'との何れか小さい方の抵抗値以下の値となることか
ら、抵抗値RL ,RL'双方が有意の水準を超えるときで
あっても、抵抗値RLLは有意の水準より小さくなること
もありうる。かかる場合は、検出電圧A,A’のライン
間に介在する抵抗成分を無視することができる。したが
って、再度の説明は割愛するが、上述の場合と同様にこ
の場合も、電動パワーステアリング装置全体の最適な稼
働状態が維持される。
【0036】これに対し、抵抗値RLLが無視できないほ
ど大きい場合、操舵トルクに対応してポテンショメータ
31に発生した検出電圧Aは、抵抗値RLLの抵抗を介し
てコントローラ130に入力され、抵抗値RLLの抵抗と
抵抗値Ri の入力抵抗R1との抵抗分圧により検出電圧
A’を発生させる。これによって、検出電圧A’は、検
出電圧Aの(Ri /(RLL+Ri ))倍となり、検出電
圧Aと一致しなくなる。具体的に検出電圧Aが中立電圧
0 のときを例にとると、検出電圧A’は電圧V0 より
も(RLL/(RLL+Ri ))×V0 だけ低い電圧とな
る。一方、ポテンショメータ32からの検出電圧Bは、
接触部180g,180hを介して、同一電圧値のま
ま、検出電圧B’としてコントローラ130に入力され
る。つまり、検出電圧Bが中立電圧V0 のときは、検出
電圧B’も電圧V0 となる。このため、検出電圧A’と
検出電圧B’との差、すなわち(RLL/(RLL+Ri
))×V0 が閾値Vdif 以上となるときや、検出電圧
A’すなわち(Ri /(RLL+Ri))×V0 が閾値Vl
ow 以下となるときには、異常検出回路135での異常
検出条件に該当することとなり、この場合は、異常検出
回路135から有意の異常検出信号SR が出力される。
そして、これに応じて、出力停止回路134による出力
停止動作が行われる。そこで、モータ12による操舵補
助力の発生が停止し、フェールセーフ機能が働く。した
がって、この場合、すなわち電気的接続部における二重
化ラインの双方に接触不良がありしかもその並列抵抗全
体の抵抗値が無視できないほど大きくて異常検出条件に
該当する場合は、フェールセーフ機能が働く。
【0037】また、異常検出回路135での異常検出条
件に該当しない場合は、異常検出回路135からの有意
の異常検出信号SR の出力が無くて出力停止回路134
による出力停止動作は行われず、検出電圧A’,B’か
らトルク検出信号Tが生成されるが、検出電圧A,Bが
共に中立電圧V0 のときでも、このときのトルク検出信
号Tは中立状態の値とならない。具体的には、検出電圧
A’が電圧V0 よりも(RLL/(RLL+Ri ))×V0
だけ低いことから、検出電圧A’と検出電圧B’との平
均によって求められるトルク検出信号Tは、中立状態の
値から(RLL/(RLL+Ri ))×V0 /2だけ偏位し
た値となる。そして、このトルク検出信号T等からモー
タ電流指令信号SI が生成され、このモータ電流指令信
号SI に従うモータ駆動電流Iの供給が行われると、モ
ータ12に左きり方向の操舵補助力が発生する。このた
め、ステアリングホイール1が不所望に左方向に回転
(自転)を起こしてしまうことになる。ただし、この場
合でも、従来はトルク検出信号Tが中立状態の値から
(RL /(RL +Ri ))×V0 /2だけ偏位したのに
対し、この発明では(RLL/(RLL+Ri ))×V0
2しか偏位しない。上述のようにRL ≧RLLであるか
ら、この偏位量は一般に従来より少ないものである。し
たがって、この場合、すなわち電気的接続部における二
重化ラインの双方に接触不良がありしかもその並列抵抗
全体の抵抗値が無視できないほど大きいが異常検出条件
に該当しない場合、従来同様の不都合が発生しうるが一
般にその程度が軽くて済む。
【0038】以上の説明より、電気的接続部に接触不良
があっても、接触不良が電気的接続部における二重化ラ
インの一方だけの場合は装置全体としての不都合はな
く、問題となるのは接触不良が電気的接続部における二
重化ラインの双方に発生した場合に限られる。そこで、
トルクセンサと制御装置間のラインを二重化しないとき
の接触部接触不良の発生率をF1とすると、トルクセン
サと制御装置間のラインを二重化したときのこのライン
における導通不良の発生率はF1×F1となるが、通常
F1は“1.0”よりかなり小さな値であるから、F1
×F1は極めて小さな値となる。したがって、本発明の
電動パワーステアリング装置は、トルクセンサと制御装
置間の電気的接続部における接触不良に起因して発生す
る装置全体の故障率が低く、信頼性および稼働率が高い
ものである。
【0039】本発明の電動パワーステアリング装置につ
いて、他の実施例すなわち第2〜第5の実施例を説明す
る。これらは、上述した第1の実施例の変形例でもある
ので、その要部すなわちトルクセンサと制御装置間の電
気的接続部を中心とした回路部分についてそれぞれを図
8〜図11に示し、以下相違点のみを説明する。図8に
示す第2の実施例は、トルクセンサ306とコントロー
ラ136との間の接続ラインのうち一部だけが二重化さ
れた例である。具体的には、電流が微弱な検出電圧A,
Bのラインは二重化されているが、それより電流値の大
きい電源ラインVccと接地ラインGNDは二重化されて
いない。このように選択的に一部の電気的接続部だけを
二重化することにより、ライン数やコネクタ186の必
要端子数の増加に伴うコスト増と信頼性向上とのトレー
ドオフを図ることができる。
【0040】図9に示す第3の実施例は、トルクセンサ
307とコネクタ187は第1の実施例におけるトルク
センサ300とコネクタ180と同一であるが、コント
ローラ137は、検出電圧A’のラインが入力抵抗R1
を介して接地されるとともに他の入力抵抗R3を介して
電源ラインVccにも接続され、検出電圧B’のラインが
入力抵抗R2を介して接地されるとともに他の入力抵抗
R4を介して電源ラインVccにも接続される。これによ
り、コネクタ187における接触不良が二重化されたラ
インの双方におきたときに検出電圧A’が無条件に接地
側に偏位するということが防止される又は軽減される。
【0041】図10に示す第4の実施例および図11に
示す第5の実施例は、それぞれ図3の第1の実施例およ
び図9の第4の実施例に対し、ポテンショメータ31,
32への電源ライン,接地ラインをそれぞれ個別に設
け、しかもそれらを二重化したものである。これによ
り、ポテンショメータ31,32に供給される電源電圧
および接地電圧の信頼性が一層向上する。
【0042】なお、上記の実施例では、右操舵を行った
場合について説明したが、左操舵を行った場合でも、上
記と同様の効果を得ることができる。また、ラインの二
重化に際しトルクセンサ及びコントローラ内でラインの
分岐が行われた例について説明したが、トルクセンサ及
びコントローラ内でラインの分岐を行わず、コネクタ端
子接続部分でライン二重化のためのライン分岐を行う構
成にしてもよい。さらに、ラインを二重化した例につい
て説明したが、本発明の適用は、二重の場合に限られる
ものではなく、ラインを三重化以上に並列化した場合で
あってもよい。
【0043】また、トルク検出系が二重系の装置につい
てさらにトルクセンサとコントローラ間のラインの二重
化を図った例について説明したが、本発明の適用は、ト
ルク検出系が二重系の場合に限られるわけではない。ト
ルク検出系が三重以上であってもよく、逆にトルク検出
系が多重化されていなくてもよい。また、トルクセンサ
が回転子を有するポテンショメータによって構成される
例について説明したが、トルクセンサのポテンショメー
タは、回転子を有しないものであって可動接点が直接ス
テアリングシャフトの変位に応じて摺動するものであっ
てもよい。さらに、トルクセンサは、他の変位センサに
よって構成されるものでもよく、アンプ等の信号増幅回
路を含んでいてもよい。例えば、トルクに応じてインダ
クタンスが変化するコイルを有し、コイルに誘起された
電圧によってトルクを検出するものであってもよい。
【0044】また、制御装置における入力回路は、単に
入力抵抗によって終端されたものに限られず、ノイズ除
去用のフィルタ回路などが付加されていてもよい。ま
た、ポテンショメータの両固定端子が接続されるライン
は、電源ラインと接地ラインに限られるものでなく、他
の基準電圧ラインであってもよい。また、コネクタは、
トルクセンサと制御装置間を接続するケーブルの途中に
設けられている必要はなく、コネクタは、そのオス部又
はメス部が制御装置に一体として組み込まれていてもよ
く、トルクセンサ側に組み込まれていてもよい。
【0045】また、接触部品は、コネクタに限られず、
いわゆるピンジャック−タイプのものなども含むもので
ある。また、トルク検出信号は検出電圧A’,B’K
平均演算を採る方法について説明したが、これに限定さ
れることなく、A’をトルク検出信号として使用し、
B’はA’の監視用として使用する場合であってもよ
い。
【0046】また、トルクセンサとコントローラの電気
的な接続にケーブルを使用する場合について説明した
が、各々独立したワイヤーハーネスを使用した場合であ
ってもよい。また、上記実施例では、PID制御によっ
てモータの駆動制御を行う場合について説明したが、こ
れに限らず、例えばPI制御等により制御を行うことも
可能である。
【0047】また、上記実施例では、操舵トルクと車速
とをもとにモータ電流指令値を設定するようにした場合
について説明したが、例えば、操舵トルクのみに基づい
てモータ電流指令値を設定することも可能である。ま
た、上記実施例では、制御装置が直接電子回路で構成さ
れる場合を例に説明したが、モータ電流指令器や異常検
出回路などの機能は、マイクロコンピュータ及びこれに
よって実行されるプログラムによって構成されていても
よい。
【0048】さらに、上記実施例では、FET(電界効
果トランジスタ)によりモータ駆動回路を構成した場合
について説明したが、これに限らず、バイポーラトラン
ジスタ等、その他のスイッチング素子等を適用すること
も可能である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のパワース
テアリング装置にあっては、操舵トルク検出器と制御装
置との間における電気的接続部の一部又は全部を二重系
にすることにより、電気的接続部の接触不良による不具
合が解消又は軽減される。したがって、信頼性および稼
働率の高い電動パワーステアリング装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】操舵トルクとトルクセンサの出力電圧との関係
を示す特性線図である。
【図3】検出トルクの信号経路を中心とした回路構成の
ブロック図である。
【図4】車速をパラメータとして操舵トルクとモータ電
流値との関係を示す特性線図である。
【図5】トルクセンサの出力電圧について異常が検出さ
れる範囲を示す図である。
【図6】電気的接続部における二重化ラインの一方に接
触不良がある場合の等価回路である。
【図7】電気的接続部における二重化ラインの双方に接
触不良がある場合の等価回路である。
【図8】本発明の第2の実施例の要部を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施例の要部を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施例の要部を示す図であ
る。
【図11】本発明の第5の実施例の要部を示す図であ
る。
【図12】従来装置の要部のブロック図である。
【図13】接触不良がある場合について、その等価回路
である。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 ステアリングシャフト 4 ユニバーサルジョイント 5 ロアシャフト 7 ピニオンシャフト 8 ステアリングギヤ 9 タイロッド 10 減速ギヤ 11 クラッチ 12 モータ(電動モータ) 13 コントローラ 14 イグニッションスイッチ 15a,15b ヒューズ 16 バッテリ 17 車速センサ 18 コネクタ 30 トルクセンサ 31,32 ポテンショメータ 130 コントローラ(制御装置) 131 トルク演算回路 132 モータ電流指令器 133 モータ駆動回路 134 出力停止回路 135 異常検出回路 180 コネクタ(接触部品) 180a〜180b 接触部 300 トルクセンサ(操舵トルク検出器) 301,302,303,304 ライン R1,R2,R3,R4 入力抵抗 136,137,138,139 コントローラ 186,187,188,189 コネクタ 306,307,308,309 トルクセンサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵系の操舵トルクを検出する操舵トル
    ク検出器と、前記操舵系に対して操舵補助力を発生する
    電動モータと、前記操舵トルク検出器の検出トルクに応
    じて前記電動モータの発生する操舵補助力を制御する制
    御装置とを備えた電動パワーステアリング装置におい
    て、少なくとも一部が並列化され前記操舵トルク検出器
    と前記制御装置とを電気的に接続するラインと、前記ラ
    インの並列部分それぞれに対し個別に介挿された着脱可
    能な接触部を有する接触部品とを備えたことを特徴とす
    る電動パワーステアリング装置。
JP7018409A 1995-01-11 1995-01-11 電動パワーステアリング装置 Pending JPH08188165A (ja)

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