JPH0745055B2 - ステンレス鋼帯の連続疵取り研削ラインおよび研削方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、ステンレス熱延鋼帯及びステンレス冷延鋼帯
の連続疵取り研削ラインおよび研削方法に関するもので
ある。

〈従来の技術〉 従来のステンレス熱延鋼帯、ステンレス冷延鋼帯の疵取
り研削設備を第２図により説明する。

第２図において、12はペイオフリール、10はステンレス
鋼帯、11は間紙、13はベルト研削装置、14はテンション
リール、15はペーパーワインダー兼ペーパーペイオフリ
ール、16はペーパーペイオフリール兼ペーパーワインダ
ーである（例えば、日本鉄鋼協会編、第３版鉄鋼便覧
（VI）、P455、図11・28「多段式機械研摩設備の配置
例」；日刊工業新聞社、ステンレス鋼便覧P624、コイル
きず取り参照）。

ステンレス鋼帯10は、ペイオフリール12に装入され、先
端が誘導され、テンションリール14に巻き付けられる。
ステンレス鋼帯10は、ペイオフリール12とテンションリ
ール14に間で規定の張力がかけられ、ベルト研削装置13
により表面が研削され疵取りが行われる。その時、ペイ
オフリール12側では、前工程で疵防止のため挿入された
間紙11がペーパーワインダー兼ペーパーペイオフリール
15で巻き取られると同時にテンションリール14側では、
ペーパーペイオフリール兼ペーパーワインダー16により
ステンレス鋼帯10に間紙11が挿入される。

ベルト研削装置13のヘッド数は、ステンレス鋼帯10の疵
の深さにも関係するが、３〜５ヘッドが一般的である。
ヘッド数は増加すればパス当たりの研削量は増加し、１
パス研削も可能となるが、ヘッド数を増やせば研削に必
要な張力も増加し、設備費も高くなる。従って、前述し
たように、３〜５ヘッドにするのが一般的であり、疵が
除去できない場合は、折り返し研削を行う。折り返し研
削とは、ペイオフリール12をテンションリールとし、テ
ンションリール14をペイオフリールとし、逆転して左行
き研削を行うことである。従って、ペーパーワインダー
兼ペーパーペイオフリール15をペーパーペイオフリール
として使用し、ペーパーペイオフリール兼ペーパーワイ
ンダー16をペーパーワインダーとして使用する。そし
て、折り返し研削を行い、疵が浅くなれば右行き研削に
変更し、疵取り作業を完了する。

〈発明が解決しようとする課題〉 上述のように、従来のステンレス鋼帯の疵取り研削設備
は、次のような問題がある。

１パスで疵取り研削を完了するには、ベルト研削装
置を多ヘッド設置する必要がある。

ベルト研削装置を多ヘッド設置すると、研削に必要
な張力が増加し、設備費が多大となる。

ベルト研削装置を多ヘッド設置しない場合は、折り
返し研削を行うため能率が悪くなり、結果的に設備基数
を増やす必要がある。

更に、この設備は鋼帯を連続的に処理できないた
め、研削装置にステンレス鋼帯を通板するのに時間を要
するため能率が悪いという欠点がある。

また、研削面に油が付着しているため、研削面の検
査がやり難いという欠点もある。

本発明は、このような問題を解決したステンレス鋼帯の
連続疵取り研削ラインおよび研削方法を提供することを
目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 本発明のステンレス鋼帯の連続疵取り研削ラインは、ラ
イン内に、順次、鋼帯の溶接機、鋼帯の弾性砥石研削装
置、鋼帯のベルト研削装置、鋼帯の脱脂洗浄装置を配置
したことを特徴とする。また、本発明のステンレス鋼帯
の連続疵取り研削方法は、ライン内に、鋼帯の溶接機、
鋼帯の弾性砥石研削装置、鋼帯のベルト研削装置および
鋼帯の脱脂洗浄装置をこの順に配置し、溶接機で接続さ
れた鋼帯を弾性砥石研削装置により重研削して疵取りを
行い、その際発生した研摩目を、これに続く鋼帯のベル
ト研削装置によりベルト研削して消去し、つづいて脱脂
洗浄装置により研削面の油を除去することを特徴とす
る。

〈作用〉 第１図において、ステンレス鋼帯10は、ペイオフリール
１に装入され、溶接機５によって、先行コイルと溶接さ
れ継ながれる。溶接機５で継ながれたステンレス鋼帯10
には、ペイオフリール１とテンションリール３により平
滑に研摩するために必要な張力が掛けられ、弾性砥石及
びベルトで鋼帯表面が研削され疵取りを行う。

前段に弾性砥石研削装置６、後段にベルト研削装置７を
設置している理由は、弾性砥石で重研削を行い、その際
発生した研摩目を、これに続く鋼帯のベルト研削装置に
よりベルト研削して消去すると同時に、弾性砥石研摩で
発生した若干の研摩ムラを均一に研摩するという目的も
併せ持っている。

なお、疵を除去した鋼帯10は、脱脂洗浄装置８により研
削油をクリーニングし、鋼帯10の表面検査をやり易くす
る。また、表面検査後もし鋼帯10の表面に疵が残ってい
る場合は、逆転運転（逆転運転とは、第１図において、
左行き運転を言う）を行い、部分的に疵が深いところが
研削できるような対応も可能としてもよい。

〈実施例〉 本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は、本発明のステンレス鋼帯の連続疵取り研削装
置の一実施例の全体構成図である。

第１図において、１はライン一端に設けられた鋼帯のペ
イオフリール、２はペーパーワインダー、３はラインの
他端に設けられたテンションリール、４はペーパーペイ
オフリールであり、ペイオフリール１に引続き、順次、
溶接機５、鋼帯の弾性砥石研削装置６、鋼帯のベルト研
削装置７、脱脂洗浄装置８、シャー９が配置されてい
る。

弾性砥石研削装置６およびベルト研削装置７は、発生す
るステンレス鋼帯の疵の程度と研削能力に応じて、それ
ぞれn,mヘッド設置されている。

ここで、溶接機５は鋼帯10を連続的に供給するために、
先行コイルと後続コイルの鋼帯の後端と先端を溶接する
ものである。弾性砥石研削装置６は効率よく疵の重研削
を行うためのものであり、ベルト研削装置７は弾性砥石
による重研削の研摩目を効率よくベルト研削で消去し、
目的とする表面粗度を得るためのものである。脱脂洗浄
装置８は、研削面の仕上がりを良好にし、また疵残りの
検査を容易にできるようにするために設置するものであ
る。

次に、本発明の設備により、ステンレス熱延鋼帯の疵取
り研削を行った場合の生産性を、従来の設備による場合
と比較して、第１表に示す。

ここで、 処理材:SUS304、No.1仕上 （熱延後、焼鈍酸洗処理したもの） 弾性砥石番手：♯60 ベルト番手：♯80、♯100 ベルトスケジュールは次の通り。

本発明：♯60−♯60−♯80−♯100−♯100 従来設備：♯60−♯60−♯80−♯80−♯100 研削速度:20mpm 第１表から、本発明の設備により、従来の設備に比較し
て、パス当たりの研削量が大幅に増加し、処理能力が飛
躍的に向上したことが分かる。

〈発明の効果〉 以上説明したように、本発明の設備は、 ベルト研削装置のヘッド数を減らすことができる。

パス当たりの研削量を大幅に増加することができ、
かつ連続的に処理することができるので、処理能力を飛
躍的に向上することができる。

研削面に付着した油を除去するため、研削面の検査
が容易である。

等の優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のステンレス鋼帯の連続疵取り設備の全
体構成図、第２図は従来のステンレス鋼帯の疵取り設備
の説明図である。 １…ペイオフリール、２…ペーパーワインダー、３…テ
ンションリール、４…ペーパーペイオフリール、５…溶
接機、６…弾性砥石研削装置、７…ベルト研削装置、８
…脱脂洗浄装置、９…シャー、10…ステンレス鋼帯、11
…間紙。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−113591（ＪＰ，Ａ) 実開 昭55−107954（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ライン内に、順次、鋼帯の溶接機、鋼帯の
   弾性砥石研削装置、鋼帯のベルト研削装置、鋼帯の脱脂
   洗浄装置を配置したことを特徴とするステンレス鋼帯の
   連続疵取り研削ライン。
2. 【請求項２】ライン内に、鋼帯の溶接機、鋼帯の弾性砥
   石研削装置、鋼帯のベルト研削装置および鋼帯の脱脂洗
   浄装置をこの順に配置し、溶接機で接続された鋼帯を弾
   性砥石研削装置により重研削して疵取りを行い、その際
   発生した研摩目を、これに続く鋼帯のベルト研削装置に
   よりベルト研削して消去し、つづいて脱脂洗浄装置によ
   り研削面の油を除去することを特徴とするステンレス鋼
   帯の連続疵取り研削方法。