JPH0737702B2 - 開孔模様を有する不織布 - Google Patents

開孔模様を有する不織布

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JPH0737702B2
JPH0737702B2 JP61312896A JP31289686A JPH0737702B2 JP H0737702 B2 JPH0737702 B2 JP H0737702B2 JP 61312896 A JP61312896 A JP 61312896A JP 31289686 A JP31289686 A JP 31289686A JP H0737702 B2 JPH0737702 B2 JP H0737702B2
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Description

【発明の詳細な説明】 （１） 発明の目的 （産業上の利用分野） 本発明は、開孔模様を有する不織布に関し、さらに詳し
くは、繊維材料層を高速流体の噴射で処理することによ
り、繊維を再配列・交絡させて形成した、規則的な開孔
模様を有する不織布に関する。
この不織布は、吸収性衛生物品の表面材、被服材、家具
を含む各種器物などの装飾・掛け布、さらには、壁内装
材、濾過材などとして種々の用途に広く利用され、とく
に前記表面材として好適に利用される。
（従来の技術） 従来、繊維材料層（繊維ウエブ）を高速流体の噴射で処
理することにより、繊維を再配列・分配させて形成し
た、規則的な開孔模様を有する不織布が、たとえば、特
公昭44-23909号、同36-7274号、同39-9199号において開
示されている。
（発明が解決しようとする問題点） 特公昭44-23909号による不織布においては、開孔不織繊
維区域によって形成された開孔内に比較的多数の繊維毛
羽が残って該開孔の輪郭を不明瞭にしており、しかも該
区域は、表面が比較的粗いロープ状を呈していて平滑性
に乏しく、手触りが良好とはいえない。
特公昭36-7274号、同39-9199号による不織布は、開孔の
輪郭が明瞭でないばかりでなく、不織繊維区域上に***
部を有し、これが用途を特殊なものに規約し、しかも、
該開孔の周縁と該両周縁間の部位との繊維交絡度に差が
あって、全体的に引張・引裂強力が低い。
ちなみに、こうした問題は、それぞれの製造技術に基因
するものである。すなわち、前者の製造技術は繊維ウエ
ブをメッシュ支持体上で高速水流の噴射で処理するもの
であって、開孔は該支持体の構成線材が重なる交差部
（ナックル部）で繊維を該水流の作用下に押し分けるこ
とによって形成される。しかし、この技術によれば、該
支持体の開孔（メッシュの目）から繊維が抜け出すとと
もに、該交差部に繊維が絡み付いてこれが不織布の形成
終了に当って該支持体から剥離するときに切断して該不
織布の開孔内に毛羽を生じ、こうしたことが前記問題の
要因となっている。また、後者の製造技術は開孔模様を
有し内面が屈曲する第１の支持体とメッシュの第２の支
持体との間に繊維ウエブを介在させ、該ウエブを該第１
の支持体の側から高速水流の噴射で処理するものであっ
て、開孔は高速水流が通過する通路上の繊維を洗いのけ
て変位させることによって形成される。しかし、この技
術によれば、繊維が***するように変位し、かつ、その
変位で密集した開孔の周縁の交絡度が比較的に高いが、
該周縁間の部位のそれが比較的に低くなり、こうしたこ
とが前記問題の要因となっている。
本発明は、開孔間の不織繊維区域が一定幅以上の平滑な
表面を有し、かつ、該開孔を縁取る明瞭な輪郭を有する
とともに、結合剤の添加が不要な強力を有し、柔軟で手
触りが良好で、かつ、ドレープ性に優れる不織布を提供
することを目的とする。
（２） 発明の構成 （問題点を解決するための手段） 前記問題点を解決するための本発明に係る不織布は、繊
維が集合交絡して連続分岐する不織繊維区域と、該区域
によって規則的に形成された円形または楕円形の開孔模
様とからなる不織布であって、次の点を特徴とする。
すなわち、本発明に係る不織布は、前記不織繊維区域が
実質的に均一な繊維密度と平滑な表面を有し、前記開孔
がその内周を縁取る明瞭な輪郭を有すること、互いに隣
接する四つの前記開孔が菱形状に配列し、前記不織布の
縦横方向における該開孔間の前記繊維集合区域が広く、
斜め方向における該開孔間が狭くなり、かつ、その広い
部分のほぼ中央で一部の繊維がその斜め方向へ延びて交
差するとともに、その一部の繊維が該開孔をその縁に沿
って囲繞していること、前記開孔間の距離が少なくとも
1mm、前記開孔間のピッチが少なくとも2.5mm、かつ、前
記開孔の径が少なくとも1mmであること、および目付が1
0〜150g/m2であることを特徴とする。
（実施態様） 図面を参照して、本発明の実施態様を説明すると、以下
のとおりである。
第１図を参照すると、不織布１は、繊維が集合して全方
向へ互いに交絡することによってのみ、すなわち、結合
剤を要することなく、シート状形態を維持しており、連
続し分岐する不織繊維区域２と、該区域によって規則的
に区分された楕円形（円形であってもよい）の開孔３と
からなる。不織繊維区域２は、実質的に繊維密度が均一
で、表面が平滑である。ここに「平滑」であるとは、不
織繊維区域２は、その全域を通しても部分的にも実質的
に高低ないし厚みの差や凹凸がないことを意味する。開
孔３は、肉眼観察によれば、その内には繊維の径方向へ
横切るかけ渡しや毛羽がほとんど見られず、その輪郭が
明瞭である。
また、不織繊維区域２は、互いに隣接する四つの開孔２
が菱形状Ｄに配列し、不織布１の縦横方向における開孔
３間の部分４が広く、斜め方向における開孔３の部分５
が狭くなっている。同図において比較的に濃く示してあ
るように、広い部分４の中央で一部の繊維が斜め方向へ
延びＸ状に交差するとともに、その一部の繊維が不織布
の横方向における開孔３の縁へ延びてその内縁を縁取り
該開孔を囲繞している。換言すれば、不織布１の縦方向
へ延びる一部の繊維は、同方向へ配列する少なくとも二
つの開孔３、好ましくは、三つ以上の開孔３間で交差す
るとともに該開孔の縁に沿って延びている。さらに、開
孔３の縁へ延びて縁取っているこの一部の繊維と、不織
布１の縦方向における該開孔の内縁を縁取っている一部
の繊維とが連続している。既述したように、不織繊維区
域２は実質的に繊維密度が均一であるが、開孔３を囲繞
し縁取っている部位の繊維密度分布がさらに均一である
とともに、繊維交絡度が高くなっている。こうした繊維
の配列状態は、開孔３の輪郭を明瞭にするのに大いに寄
与しているとともに、開孔３の保形性を含め不織布１の
全体の強力を向上させている。
隣接する開孔３間の距離、すなわち、不織繊維区域２の
幅は少なくとも1mmであり、それ未満であると、前記特
公昭44-23909号による不織布のようにロープ状になるう
え、平滑な表面が形成される余地がなくなる。また、開
孔３間のピッチは少なくとも2.5mm、かつ、その径は少
なくとも1mmであり、それぞれ未満であると、明瞭な輪
郭が形成され難いばかりでなく、それが形成されたとし
ても、不織布の取り扱いや使用中に繊維交絡がゆるむこ
とによって輪郭が不明瞭になるおそれがある。
不織布１の目付は、150g/m2以下、とくに120g/m2以下が
明瞭な輪郭を有する開孔３をうるうえで好ましく、10g/
m2未満では、薄すぎて強力がえられないうえ、繊維密度
にむらが生じるとともに明瞭な輪郭を有する開孔３をう
ることができない。
不織布１の構成繊維としては、従来一般に不織布や織布
のそれとして知られているすべてのものが用いられる。
しかし、ポリエステル、ポリプロピレンなどの疎水性繊
維や、レーヨンなどの親水性繊維を撥水処理したものか
ら構成した本発明の不織布は、開孔３の明瞭な輪郭によ
る高い液透過性と、表面平滑性・柔軟性による肌への好
触感とによって最適な吸収性衛生物品の表面材を提供す
ることができる。また、構成繊維の長さ、デニールは、
一般的には、それぞれ、20〜100mm、0.5〜15dのものが
用いられる。
前述のような本発明の不織布は、つぎのような方法で製
造することができる。
第２図〜第４図に示すように、高速水流の噴射作用下に
繊維が移動しうる状態の繊維材料層、好ましくはカード
による繊維ウエブ11にタンク12から水膜を供給しながら
繊維空隙を少なくするとともに繊維毛羽を抑制して形態
を安定させたのち、表面に所定配列で、好ましくは、少
なくとも1mmの間隔で、かつ、既述の菱形状に配列した
多数の突起13とそれら間に設けた微細な排水孔14とを有
する支持体としてのシリンダー15に導き、該シリンダー
内に配置したサクション16によって該排水孔から排水し
ながら、その上から横方向に所定の径・ピッチを有する
ノズル体17から高速水流を噴射する。この噴射処理によ
り、突起13上の繊維が該突起間に押し分けられて前記開
孔３が形成され、それと同時に繊維が交絡せしめられ
る。このように、突起13を介して押し分けられるととも
に、該突起間で制限されたシリンダー15上の平面領域に
押し込まれた状態で繊維交絡がなされ、かつ、既述した
ように、一部の繊維が前記開孔３の前後で交差するとと
もに該開孔をその縁に沿って囲繞するから、該開孔は、
いわば型抜きまたは型押し跡のようにクリアーであり、
明瞭な輪郭が賦与される。開孔・繊維交絡を終えた不織
布は、一対の絞りロール18で水分を絞ったのち、つぎの
乾燥、巻き取り工程へ移送する。なお、こうした不織布
の製造方法・装置については、本願人の特願昭60-20833
5号、同60-208336号に詳しく開示されている。
（実施例） 第２図に示す装置、第３図に示す支持体を利用して、ポ
リエステル100％で目付30g/m2の繊維ウエブを、噴射圧
力70kg/cm2、流量9.5l/m2の柱状水流により処理するこ
とにより70m/minの速度で第５図、第６図に示す開孔不
織布を製造した。ノズル体は、オリフィスの径130μ、
その配列ピッチ1mmのものを用いた。
支持体としては、ニッケルエレクトロフォーミング法に
より製作した直径500mmのシームレスシリンダーであっ
て、その表面に直径2mm、高さ0.8mmのほぼ半球状の多数
の突起が前記シリンダーの表面積の35％を占めるように
規則的に点在し、前記突起間の平面に、直径0.4mmの透
孔が前記シリンダーの表面積の９％を占めるように規則
的に点在するものを用いた。
（比較例１） 第３図に示すシリンダー支持体に替えて平織10メッシュ
のエンドレスベルトを用いる外は、実施例と同条件で処
理することにより第７図に示す開孔不織布を製造した。
（比較例２） 第３図に示すシリンダー支持体に替えて、朱子織76メッ
シュのエンドレスベルトの外周に、繊維ウエブが移動し
うるスペースをおいて、ニッケルエレクトロフォーミン
グ法で製作された直径380mmのシームレスにして、その
周面に2mmφの透孔が規則的に点在するシリンダーを重
ね、しかも前記メッシュの内面から圧力15kg/cm2で流量
30l/m2のカーテン流を噴射し、10m/minの速度で処理し
た外は、実施例と同条件で処理することにより第８図に
示す開孔不織布をえた。
前記実施例、比較例1,2による開孔不織布の性能は、次
のとおりであった。
（３） 発明の効果 本発明の不織布は、上述のように構成されているから、
既述した従来の不織布に比較して、明瞭な開孔模様を有
するとともに、全域にわたるむらのない強度性、表面平
滑性、柔軟性を有し、かつ、そのため、手触りが良好
で、かつ、ドレープ性に優れる。したがって、産業上の
利用分野の項で述べたように、種々の用途に広く利用す
ることができ、なかんずく、使い捨ておむつ、生理用ナ
プキンなどの吸収性衛生物品の表面材として最適であ
る。
【図面の簡単な説明】
第１図は、本発明に係る不織布の拡大組織模式図。 第２図は、本発明に係る不織布の製造装置例の側面図。 第３図は、装置中の支持体としてのシリンダーの斜視
図。 第４図は、前記支持体上の突起で繊維が分配された状態
を示す断面図。 第５図は、本発明に係る不織布組織の等倍で示す平面写
真。 第６図は、第５図の不織布組織の一部を拡大して示す平
面写真。 第７図は、比較例１の不織布組織を拡大して示す平面写
真。 第８図は、比較例２の不織布組織を拡大して示す平面写
真。 １……不織布、２……不織繊維区域 ３……開孔、４……広い部分 ５……狭い部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−101052（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−6973（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】繊維が集合交絡して連続分岐する不織繊維
    区域と、該区域によって規則的に形成された円形または
    楕円形の開孔模様とからなる不織布であって、 前記不織繊維区域が実質的に均一な繊維密度と平滑な表
    面を有し、前記開孔がその内周を縁取る明瞭な輪郭を有
    し、 互いに隣接する四つの前記開孔が菱形状に配列し、前記
    不織布の縦横方向における該開孔間の前記繊維集合区域
    が広く、斜め方向における該開孔間が狭くなり、かつ、
    その広い部分のほぼ中央で一部の繊維がその斜め方向へ
    延びて交差するとともに、その一部の繊維が該開孔をそ
    の縁に沿って囲繞しており、 前記開孔間の距離が少なくとも1mm、前記開孔間のピッ
    チが少なくとも2.5mm、かつ、前記開孔の径が少なくと
    も1mmであり、 目付が10〜150g/m2である ことを特徴とする開孔模様を有する不織布。
JP61312896A 1986-12-31 1986-12-31 開孔模様を有する不織布 Expired - Lifetime JPH0737702B2 (ja)

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