JP4954412B2 - 有孔層を有する積層体ウェブ及びその製造方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
この発明は多層積層体ウェブに関し、特に少なくとも中心層が有孔である積層体ウェブに関する。いくつかの実施態様では、多層積層体ウェブ全体が有孔である。
【０００２】
［発明の詳細な説明］
（産業上の利用分野）
この発明は多層積層体ウェブに関し、特に少なくとも中心層が有孔である積層体ウェブに関する。いくつかの実施態様では、多層積層体ウェブ全体が有孔である。
【０００３】
（発明が解決しようとする課題）
別個のウェブを、層をなす関係で接合することにより形成される積層体ウェブは、当業界では周知である。例えば、積層体不織布ウェブはしばしば、例えばおむつ及び成人用失禁製品のような使い捨て吸収物品において利用される。このような積層されたウェブは、トップシート、バックシート、又はサイドパネルとして使用可能である。積層体ウェブの一例は、使い捨ておむつのストレッチサイドパネルのために有用なフィルム／不織布積層体である。不織布／不織布積層体はまた、ウェブ成分に追加的なかさ又は柔軟性も提供する。同様に、フィルム／フィルム積層体ウェブは、層をなす関係で種々のフィルムの特徴を組み合わせることとにより、利益を提供できる。積層体ウェブはまた、複合ウェブとも呼ばれ得る。
積層体ウェブのあまり一般的でない例には、非類似素材の積層体が含まれる。素材は機械的引っ張り特性、熱特性、又は視覚／触覚特性において非類似性であってもよい。例えば、ファブリックに柔らかい表面感覚を提供するために、不織布ウェブを比較的硬いファブリックに接合してもよい。非類似性素材は融着、接着剤結合、超音波結合などにより接合してもよい。結合方法はしばしば、素材自身によって決定するが、しばしば接着剤結合を必要とする。例えば、大きく異なる融解特性を有する素材の積層体又は複合物は、積層体層間の接着層を必要とするかもしれない。例えば不織布及び熱可塑性フィルム素材のような類似の融解特性を有する素材でさえ、不必要な層間剥離を防ぐために、しばしば適切な結合用の接着剤により接合される。接着剤は必要かもしれないが、このような処理方法は接着剤を加える故に高価になり得、又結果として生じる積層体は、積層体の素材及び加えた接着剤のレベル次第でしばしば相対的に硬くなる。
【０００４】
積層体ウェブはしばしば、共働の利益を得るために構成層の特性を組合わせることを意図している。例えば、ワズワース（Eadsworth）に発行された欧州特許第Ｂ−７１５，５７１号は、例えばテキスタイルウェブのような織ウェブの代替品としての使用を意図する多層不織布複合ウェブを開示している。このウェブは少なくとも熱可塑性人工繊維の層及びセルロース基材の繊維の層を含む。セルロース基材の繊維層は、間隔を置いた位置で熱可塑性人工繊維層に熱接着する、と開示している。しかし、両方又は全ての層間の熱接着は、必要な結合を作るために必要であると思われる。
ハク（Haq）らに発行された欧州特許第Ａ−１１２，６５４号は、非常に多孔で任意に液体を含有するポリマーであってもよい硬いコア素材をその間に挟む二枚の不織布などを含む積層体を開示している。外側の二枚は、複数の小さい間隔を置いた接着点の、例えばスポット溶接により、コア素材を含有せずに互いに結合する。好ましくはコア素材は、連続するシートの形態であり、結合点を収容するために孔を穿っている。しかし、そこを通って外側の層を接着させるためのコア素材の穿孔を記すための重要な処理問題を提起しているように思われる。
【０００５】
多くの目的のために、有孔不織布ウェブを有することは望ましく、有孔ウェブは、ウェブ中の複数の開口部又は穿孔に特徴がある。このような孔は、目の粗いメッシュの外観、並びに有益な材質及び布のような特性を提供することが可能である。このような有孔不織布ウェブは当業界で周知の方法により作し得る。例えば、シマラ（Shimalla）に発行された欧州特許第Ｂ−１６４，７４０号は、熱可塑性繊維のウェブの記述を含む有孔不織布を開示している。ファブリックは、多数の、融合した模様付き領域及び隣接する実質的に不融合の領域で形成され、隣接する領域内でなく複数の融合した模様付き領域内に形成される孔がある。ファブリックは、熱可塑性繊維の不織布ウェブを繊維の軟化点を超える温度で熱エンボス加工することにより作成し、それによりエンボス加工の手段の突出物により圧縮されるウェブの領域は融合し、その直後にエンボス加工したウェブの下削りをし、その結果、孔は融合した模様付き領域に形成される。しかし、開示した方法が不織布ウェブの積層体、又は非類似性素材の積層体を作成する事は明らかでない。
不織布ウェブの積層体を含む不織布ウェブに孔を穿つ他の有益な方法は、ベンソン（Benson）らに発行された欧州特許第Ａ−８５２，４８３号に開示されている。メルトブローしたウェブ、結合したカードウェブ、又は他の好適な素材の少なくとも一層に接合した、例えば少なくとも一層のスパンボンドしたウェブを有する積層体素材を開示している。このような有孔ウェブは、使い捨て吸収性物品のトップシートとして有用である。しかし、この開示は、非類似性素材（例えば異なる素材種類の素材又は異なる素材特性を有する素材）を含む積層体ウェブを教示しない。
【０００６】
上部及び下部の不織布層間の中間弾性層を含む穿孔多層弾性カバーシートはパルンボ（Palumbo）に発行された欧州特許第Ａ−７８４，４６１号に開示されている。上部と下部層は、穿孔の外周部の周囲のみで中間層に結合する。有孔弾性積層体を提供するが、開示された方法が熱的非類似性素材を含む積層体を作成できたことは明らかでない。
上述のように、不織布ウェブは、例えばおむつ、失禁用パンツ、トレーニングパンツ、女性用生理衣類などのような使い捨て消費者製品の構成材料として、並びに、例えば使い捨ての湿った拭き取り用品のような拭き取り用品において有益である。しかし単独で使用すると、このような不織布は、特に織又は編素材と比較する時、既知の作成方法の限界故に、視覚、触覚、強度又は吸収特性を含む有益な特性の範囲に制限がある。特に使い捨て消費者生産品に使用するための不織布ウェブ及び他の素材の積層体は、両立しがたい素材（例えば熱的非類似性素材）、コスト問題（例えば接着積層コスト）、又は触覚特性（例えば柔軟性及び視覚的な美意識）を含む加工の限界故に、これまでは制限されてきた。
【０００７】
不織布はまた、例えば非吸収性の使い捨て衣類、耐久性のある衣類、自動車構成材料、飾り付けた家具、ろ過媒体、及び他の消費者商品又は商業品のような他の消費者製品の有益な構成材料でもある。これらの用途及び他の用途に使用する不織布は、広範囲の視覚的及び触覚的特性から有益である。しかし、多くの場合、使用する不織布は、複合ウェブの中の他の非類似性素材と組み合わされることから利益を得ることができる。
それ故に、構造的に完全にするために、各構成層の熱的な適合に依存しない、非類似の材料特性の積層体ウェブを有することは望ましいであろう。
また、異なる材料特性の不織布ウェブ及び成分ウェブを含む積層体ウェブを有することは望ましいであろう。
また、接着剤なしで構成層を接合することにより形成する積層体ウェブを有することは望ましいであろう。
更に、ファブリックのような、又はニットのような外見及び感触を与える視覚的に明確な領域を持つ有孔積層体ウェブを有することは望ましいであろう。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
積層体ウェブを開示し、この積層体ウェブは第一ウェブ、複数の別個の接着箇所で第一のウェブに接合する第二ウェブ、及び第一及び第二の不織布の少なくとも一部の間に配置される第三素材を含む。第一及び第二不織布ウェブが孔を通じて接合するように、第三素材は接着箇所に隣接する領域に孔を穿つ。
一つの好ましい実施態様において、広がるための第一伸長を有する第一延伸性ウェブ、及び第一延伸性ウェブに複数の接着箇所で接合し、広がるための第二伸長を有する第二延伸性ウェブ、及び、第一及び第二不織布の間に配置され、広がるための第一又は第二伸長の両方より小さく広がるための第三伸長を有する第三ウェブ素材を有する有孔積層体ウェブを開示する。
更なる実施態様において、複数の不連続の接着箇所で接合している第一及び第二伸長性ウェブ、及び第一及び第二不織布ウェブの間に配置される第三素材を有する有孔積層体ウェブを開示する。第一及び第二不織布ウェブは、孔を介する流体連通であり、坪量、繊維配向、厚さ、及び密度から成る群から選択される少なくとも一つの特性により識別される明確な領域を有する。
【０００９】
この明細書は、本発明を指摘し、明白に請求する請求項で終結するが、本発明は同様の構成材料に同一の参照番号を付けた付随する定義に関連して用いる以下の図面によって、よりよく理解されると考える。
本明細書で使用する用語「吸収性物品」とは、身体***物を吸収して封じ込める考案を指し、具体的には、着用者の身体に押し付け又は近接して配置し、身体から排出される種々の***物を吸収して封じ込める考案を指す。本明細書で使用する用語「使い捨て」とは、洗濯、又はさもなくば吸収性物品として修復、又は再使用することを意図しない吸収性物品を記述するために使用する（即ち、その物品を一回の使用後に廃棄し、好ましくはリサイクル、堆肥化、又はさもなくば環境に適合する方法で処分することを意図する）。「単一の」吸収性物品とは、連係した実体を形成するために合体した別個の部分から形成される吸収性物品に関し、この物品は別個のホルダー又はライナーのような別個の操作部分を必要としない。
【００１０】
本明細書で使用する用語「不織布ウェブ」は、当業界で理解するその単純な意味で使用し、規則的な繰り返しの様態でなく、中間に入った個々の繊維又は糸の構造を有するウェブに関する。不織布ウェブは過去に、例えばメルトブローイング製法、スパンボンディング製法、及び接着したカードウェブ製法のような多様な製法によって形成されてきた。
本明細書で使用する用語「マイクロファイバー」は、約１００ミクロンを超えない平均直径を有する小直径繊維に関する。
本明細書で使用する用語「メルトブロー繊維」は、溶けた糸又はフィラメントとして、複数の細い、通常は環状のダイ毛管を通り高速のガス（例えば空気）の流れの中へと、溶けた熱可塑性素材を押し出す事により形成される繊維に関し、このガスの流れが溶けた熱可塑性素材のフィラメントを細くしてその直径を縮小するが、その直径はマイクロファイバーの直径までであってもよい。その後メルトブロー繊維は高速のガス流により運ばれ、収集面上に堆積してランダムに分散したメルトブロー繊維のウェブを形成する。
本明細書で使用する用語「スパンボンド繊維」は、複数の細い、通常は環状の毛管の、押し出したフィラメントの直径を持つ紡績口金からフィラメントとして溶けた熱可塑性素材を押し出し、その後引っ張ることにより急速に縮小させて形成される小直径繊維に関する。
【００１１】
本明細書に使用する用語「単一ウェブ」は、単一ウェブとして扱われる、加工される、又はそうでなくとも利用されるために、例えば熱接着手段により充分に接合される不織布ウェブを含む素材の二以上のウェブを含む層を成すウェブに関する。
本明細書に使用する用語「積層体」及び「複合物」は、本発明のウェブの説明に使用する時は、同じことを意味する。双方とも、多層単一ウェブを形成するために、面対面の関係で接合する少なくとも二つのウェブを含むウェブ構造に関する。
本明細書に使用する用語「ポリマー」は一般に、ホモポリマー、及び例えばブロック、グラフト、ランダムコポリマー及び代替コポリマー、ターポリマーなどのようなコポリマー、及びその混合物及び修飾物を含むがこれらに限定されない。更に他に特に限定がなければ、用語「ポリマー」は、素材の全ての可能な幾何学的な配置を含む。これらの配置には、アイソタクチック、シンジオタクチック、及びランダムシンメトリが含まれるが、それらに限定されない。
本明細書に使用する用語「弾性的な」は、傾斜した力を用いると、少なくとも約６０％、広がり可能である、つまり伸長可能であり（つまり弛緩した傾斜しない長さの少なくとも約１６０％である伸張した傾斜した長さまで）、伸張伸長力を解放すると、その伸長の少なくとも５５％を回復するいずれかの素材に関する。仮定的な例は、少なくとも１．６０インチまで伸長可能であり、１．６０インチまで伸長して解放すると、多くて１．２７インチの長さまで回復するであろう素材の１インチサンプルである。
【００１２】
多くの弾性素材は６０％を超えて（即ち解放した長さの１６０％より多い）、例えば１００％以上、伸長してもよく、これらの素材の多くは伸張り力を解放すると、実質的に最初の弛緩した長さまで、例えば最初の弛緩した長さの１０５％以内まで回復するであろう。このような素材は、傾斜した力を用いると、少なくとも約２００％（即ち弛緩した傾斜しない長さの少なくとも約３００％である伸張した傾斜した長さまで）広がり可能、つまり伸長可能であり、伸張力の解放で最初の弛緩した長さの１０５％以内まで実質的に回復するでいずれかの素材に関する用語「高度に弾性的な」により本明細書に表示される。それ故に、高度に弾性的な素材は一般に、弾性的でもあるが、全ての弾性的素材が高度に弾性的であるわけではない。
本明細書に使用する用語「非弾性的な」は、上記の「弾性的な」の定義に当てはまらないいずれかの素材に関する。
本明細書に使用する用語「延伸性がある」は、傾斜した力を用いると、破滅的な失敗を経験することなく、少なくとも約２５％伸長可能であるいずれかの素材に関する。破滅的な失敗には、実質的な裂け、破れ、破裂、又は引っ張りにおける他の失敗が含まれ、標準的な張力テストで試験する時、失敗によって突然、引張り力に重大な減少が生じる。本明細書で使用する用語「高度に延伸性がある」は、傾斜した力を用いると破滅的な降伏を経験することなく、少なくとも約１００％伸長可能であるいずれかの素材に関する。
【００１３】
積層体ウェブ
本発明の積層体ウェブ１０は、図１に示すように、層を成す面対面の関係で配置される少なくとも三つの層又はプライを含む。これらの層は、本明細書に記載するように加工可能であるために充分に薄くあるべきだが、いかなる実際の厚さ（即ちキャリパ）も制限があるとは考えられない。第一外層２０は、好ましくは熱的に接着可能であり、好ましくは充分な量の熱可塑性素材を含む不織布ウェブであり、そのウェブが広がるための所定の延伸性及び伸長性を有する。「充分な量」により、単一のウェブを生産するために熱及び／又は圧力を用いる時、充分な熱接着を可能にするのに適切な熱可塑性素材の量を意味する。第二外層４０は、好ましくは第一外層２０と同一素材であるが、異素材であってもよく、また熱接着可能であって広げるための所定の延伸性及び伸長性を有する異素材であってもよい。少なくとも一つの第三中心層３０を、二つの外層の間に配置する。外層２０及び４０、及びいくつかの実施態様では中心層３０の一部分を結合するために役立つ複数の融着箇所５０を提供すべく、超音波溶接、又は以下に記載する熱的カレンダーリング（艶出し）のような接合手段によって積層体ウェブ１０を加工し、それにより構成層を単一ウェブに形成する。接合する時、二つの外層はその間に内部領域を形成する。この内部領域は接着箇所５０を取り囲む外層の間の空間である。好ましい実施態様では、第三中心層３０は、実質的に内部領域を満たし、第三中心層３０には接着箇所５０と一致する孔を穿っている。
【００１４】
積層体ウェブ１０は主として不織布ウェブ及び複合物の文脈に開示されているが、積層体ウェブ１０は、本明細書に開示する要件（例えば融解特性、伸長性）を満たすいかなるウェブ素材から主に作られ得る。例えば、外層２０及び４０は、熱可塑性フィルム、微小多孔性フィルム、有孔フィルムなどであり得る。中心層３０はティッシュペーパーを含む紙、金属ホイルを含む金属、他の非熱可塑性ウェブ素材、織ファブリックなどであり得る。一般に外層素材は、本明細書に記載するように加工されるために充分に可撓性があることが必要である。しかし中心層は、その工程で或いは断裂、破壊、又はさもなくば粉砕する可能性があるにもかかわらず、本明細書に記載するように加工され得る限り、もろく、比較的硬い素材であり得る。故に、本発明の意外な長所の一つは、二つの外層の間に配置される中心層３０の選択により新しいウェブ特性が示され得ることを発見する事である。
【００１５】
孔なしの実施態様
一つの実施態様では、図２の横断面に示すように、二枚の外層に穴をあけることなく中心層３０に孔を穿つ事が可能になり、中心層３０は有孔であって積層体ウェブ１０（全体として）は孔なしであることを特徴とする三層積層体を供給する。本発明のウェブは、重要なことに中心層の孔を通して外層を確実に接着するための外層の記録の必要なしに本発明の方法により作り得る。上記のウェブ１０の好ましい実施様態を説明する一つの手法では、単一ウェブ１０を約５０ｃｍの距離から人の裸眼で直角に見た時、全体の積層体を通して孔又は穿孔は外に現れないにもかかわらず、接着箇所５０を、見る事ができる。
積層体ウェブ１０は更に、接着剤なしに三プライを単一ウェブに接合することを達成可能であることを特徴とする。つまり、ある好ましい実施態様では、プライを接着するための接着剤を必要とせず、接合は、例えば融着箇所５０における二つの外層の熱的融着のように、構成層にエネルギーを入れることにより達成する。他の実施態様では、入れるエネルギーは超音波接着によることも可能である。それ故に、本発明の重大な利益は、接着剤を使用せずに形成する単一ウェブである積層体ウェブを供給することである。このことは、例えば不織布ウェブのようなある素材を使用する時、加工を単純化して積層体ウェブのコストを下げるのみならず、より可撓性のある、より柔軟なウェブを生じる。
【００１６】
図２に示すように、積層体ウェブ１０の構成ウェブ層が本発明の方法により加工される時、融着箇所５０の領域にある中心層３０の一部分が離れて、融着箇所５０の二素材５２の中間面で第一外層２０が第二外層４０に直接融着するように中心層３０は選択される。このように、中心層３０の孔は、以下の本発明の方法に詳述するように、外層の接着直前の積層段階において置換により形成する。この手法では中心層３０は、孔なしウェブとして供給され得、積層時に接着箇所を記録するために孔を整列する複雑な記録段階を省き得る。更に中心層３０は、外側の層２０及び４０と熱的に適合可能である必要がない。中心層は熱可塑性素材である必要がなく、融点を有する必要すらない。中心層で必要なことは単純に、以下に詳述する加工装置が及ぼす力によって置換可能なことである。故に本発明の積層体ウェブを説明する一つの手法は、熱的特性、伸長特性、弾性特性、又は導電特性から適切に選択される少なくとも一つの素材特性により、中心層は、第一層又は第二層の素材と異なる素材であると識別することである。「熱的特性」は、主に熱的融解特性を意味し、中心層は融点を持たない、又は融点を持つならば、いずれかの外層より少なくとも約１０℃、より好ましくは約２０℃高いことが好ましく、いずれかの外層より１００℃高いことも可能である。「伸長特性」では、引っ張りにおいて、中心層の素材は広げるための伸びを表し、この伸びはいずれかの外層より少なくとも１０％少なく、より好ましくはいずれかの外層より５０％少なく、いずれかの外層より１００％を超えて少ないことが可能であることを意味する。このように中心層には延伸性があり得る一方、いずれかの外層には高度に延伸性があリ得る。「弾性特性」は、中心層は、例えば弾性的である一方、いずれかの外層は、本明細書に定義するように高度に弾性的でありうることを意味する。又は中心層は非弾性的で、外層は弾性的又は高度に弾性的であり得る。本明細書に使用する「導電特性」は、電気的に伝導性があることを意味し、中心層は外層の１０倍、更に好ましくは１００倍以上の電気伝導性を有し得る。伝導特性は、中心層が金属ホイルである事により、又は伝導不織布ウェブを含む伝導ポリマーであることにより促進される可能性がある。
【００１７】
本発明の方法の他の長所は、いくつかの実施態様において、例えば硬いコアの中心層３０の素材について（即ち連続シート、つまり実質的な孔、裂け目、又は他の空所を有しない）、外層２０及び４０と充分に親密に接触している有孔中心層３０を有する単一ウェブを生じる。「充分に」及び「親密に」によって、中心層３０は外層２０及び４０の間の全ての未接着領域を満たし、外層２０及び４０は接着箇所５０以外では接触しないことを意味する。もちろん、関係する多くの素材は有意の空気含有量を有し、外層２０及び４０の間の未接着の領域を「全て」満たすという事は、空気含有量を全て除去することを意味していないことを認める。
中心層３０は外層２０及び４０の間の接着に包含される、又は参加する事が可能である。「包含される」は、中心層は一つの又は両方のすぐ外側の層とある程度親密に接触し得る、及び、或いは部分的に没入し得ることを意味する。この包含は、接着箇所５０（例えば熱可塑性中心層３０）の周辺の実際の融着によるものでもよく、又は同様に接着箇所５０の周辺の例えばからみあい（例えば繊維性の不織布層の間のセルロースファイバ中心層３０）のような機械的相互作用によるものであってもよい。例えば、図１８−Ａは、外側の二枚の不織布層及びセルロース性ティッシュペーパーの中心層を含む単一ウェブの横断面を示す。図に見られるように、「圧搾して」離す工程のために、より薄い色の中心層は、接着箇所で二枚の外層に親密に包含される。
【００１８】
理論に縛られることなく、本発明の方法は、中心層をせん断、切断、又はさもなくば破壊し、中心層３０の素材を充分に置換することによって中心層３０の分離を容易にし、二枚の外層２０及び４０の熱接着を可能にすると考えられている。このように中心層３０はそのような置換を可能にする特性を有するように選択される必要がある。故に、中心層３０の素材を「圧搾」し得る、又はさもなければ熱接着箇所５０の領域から置換し得るように、中心層３０は、相対的に低い伸長性、相対的に高いもろさ、又は相対的に高い変形性のうち一つ以上の特性を有するべきである。重要な点は、中心層３０は融解して熱接着箇所の領域から出る必要はない。このように中心層は、希望する最終結果及び結果として生じる単一ウェブの目的次第で、弾性的、高度に弾性的、延伸性がある、又は高度に延伸性があることが可能である。
理論に縛られることなく、中に孔を形成するため及び層を接着するために中心層３０の置換を行うために、以下に説明する熱的点カレンダーリングは、狭い幅Ｗ寸法及び高い縦横比を有する熱接着箇所を形成すべきであると考えられる。例えば図３は、狭い幅Ｗ及び高い縦横比、つまり長さＬは幅Ｗより非常に大きい、を有する単一の融着箇所５０の融解範囲を示す。長さＬは適切な接着範囲を可能にするよう選択するべきであり、一方幅Ｗは、接着箇所（以下に説明する）を形成するために使用する突出部が、中心層３０を切断、せん断、置換、又はさもなければ以下に説明する方法により接着箇所の領域で中心層３０を貫通し得るよう充分に狭い。幅Ｗは、約０．００３インチと約０．０２０インチの間であり得るが、好ましい実施態様では、約０．００５インチと約０．０１０インチの間であり、中心層３０の特性次第で調整してもよい。
【００１９】
融着箇所５０の縦横比は、約３（即ちＬ／Ｗの比は３／１に等しい）程度であり得ると考えられている。この縦横比はまた、約４と２０の間でもあり得る。ある好ましい実施態様では、縦横比は約１０であった。融着箇所５０の縦横比は、以下に詳述するように、カレンダーリングローラの点接着突出部の対応する縦横比によってのみ制限されると考えられる。
好ましい実施態様では、接着箇所５０の長さに直接対応する各接着箇所の長手方向の軸線ｌを、図１に示すように、縦方向ＭＤに一般に平行な方向の規則的な繰り返し模様で配置する。しかし、各接着箇所の長手方向の軸線は、横方向の、又は横方向と縦方向が不斉に混合する方向の規則的な繰り返し模様で配置してもよい。例えば接着箇所５０は、「ヘリンボーン」模様に配置してもよい。
不織布ウェブを積層体１０の構成層として使用する時、本発明の方法によって外層２０及び４０を接着する接着箇所５０と、構成層自体の中に存在してもよい熱接着箇所の間で重要な区別を行うべきである。例えば、不織布ウェブは典型的に、例えばハンセン（Hansen）らの米国特許第３，８５５，０４６号に開示する模様、及びレビー（Levy）らの米国特許第５，６２０，７７９号の図１０及び図１１に一般に示す模様のように、別個に空間を置いて融解した接着範囲の規則的な模様での熱接着によって固まる。他のフィルム、不織布ウェブなどは、審美的な理由から熱的エンボス加工を行ってもよい。故に、単一ウェブ１０には多くの熱接着箇所があってよく、そのいくつかは接着箇所５０であり、他は例えば基礎不織布中の接着箇所である。
【００２０】
基礎不織布の接着箇所は典型的には、約１より大きい縦横比を持たないので、これらの接着は典型的には、以下に開示する伸張工程の時に構成層に孔を形成しない。また、このような接着箇所の間隔は典型的には、未接着範囲の縦列の横に縦方向（ＭＤ）の接着範囲の縦列を供給しても又はしなくてもよい接着範囲と未接着範囲の繰り返し模様である。しかし、接着箇所５０の形成後、未接着範囲のいずれの顕著なＭＤの縦列もおそらくなく、いずれかの構成不織布ファブリックの接着模様全体は、現存する接着範囲及び接着箇所５０の組み合わせである。二組の接着箇所は一緒になり、縦列式、規則的、又は単一であってもなくてもよい接着箇所の複雑な模様をなす。
本発明のウェブは、図２の横断面に示すように、それ自体は孔なし積層体ウェブ１０であるが、中心層３０は接着箇所５０の領域と一致する孔を穿つ。上記のように、「孔なし」が意味する事は、積層体ウェブ１０は全体として孔なしと考えられていることである。本発明の孔なし積層体ウェブ１０は、素材及び加工の変化性、又は積層後の処理のために、局部的に切断、又は接着箇所５０で裂けていてもよいことが認められる。理想的には、ウェブ全体のこのような切断は最小化され、除去される。同様に、いくつかの例では、接着箇所５０の全ての位置での中心層３０の完全な置換はなくてもよく、中心層３０の、ある局部的な部分は孔なし（外層は接着されていない）であってもよいことが認められる。にもかかわらず、本明細書の説明は全体として、積層体ウェブ５０についてであり、潜在的な素材又は加工の変化の故に、変形又は奇形によって制限される事を意味しない。
【００２１】
図２の記載を含め、本発明のウェブを生産するために、外層は充分な伸びを有し、接着箇所５０の至近なところで、必要な局部的変形を可能にするべきである。このように外層２０及び４０には、延伸性、高度な延伸性、弾性、又は高度な弾性があることが可能である。
中心層３０自体は、外層と熱的適合性がある必要はない。中心層３０は、融解加工可能である必要すらない。中心層３０は例として、例えば紙のようなセルロース性の素材、例えば金属ホイルのような金属素材、例えば綿又はレーヨン混紡のような織又は編素材、又は例えばポリエステル又は芳香族ポリアミドフィルムのような熱硬化性素材であることができる。中心層３０は、有孔層へと加工するための好適な特性を有するその他の不織布であることができる。中心層３０が融点を持つならば、好ましくは外層より少なくとも約１０℃、より好ましくは約２０℃高いことである。ある実施態様では、例えば熱可塑性不織布の外層の間の金属ホイル中心層３０であって、この中心層が外層より少なくとも１００℃高い融点を持ち得る。しかし、中心層３０は融点を持つ必要がなく、積層体を接着するために必要なカレンダーリング温度で柔軟性を単純に経験してもよい。例えば金属ホイルのようなある中心層素材では、ウェブの熱加工のためにいずれの柔軟性もなくてもよい。
【００２２】
広範囲の可能な中心層素材によって驚異的に多種多様な本発明の構造が可能になり、各構造は多種類の最終的な用途において有益な適用性を有する。例えば、不織布材の外層を金属ホイルの中心層と共に使用する時、生じる積層体は、折る、しわにする、又はさもなければ変形する時、相対的に和らかで、可撓性があり、柔軟で、形成可能な導電ウェブである。このような素材は、例えば電気的遮断を必要とする用途に使用可能である。ティッシュペーパーの中心層を使用する時、生じる積層体は柔軟で嵩高な吸収性のあるウェブである。このような積層体は、例えば拭き取り用具として好適に使用される。更に、積層体ウェブ１０は熱可塑性の接着剤を使用することなく形成されるので、耐久性のある布様の特性を得ることができる。このような積層体は、容認できない程度に磨耗する前に、数回洗濯することが可能である。
【００２３】
例として、積層体ウェブ１０は、相対的に非伝導性の熱可塑性外層２０及び４０、及び相対的に導電性のある中心層３０を含む導電ファブリックであることができる。これら外層は、低価格で、柔軟、通気可能な導電ファブリックのための不織布ウェブであることができる。中心層は、例えば銅ホイル又はアルミホイルのような金属ホイルであることができる。中心層はまた、導電ポリマー、非ホイル導電ファブリック、又は複合導電素材であることができる。一般に、導電ファブリックの実施態様として、これらの外層は導電中心層を絶縁するのに役立つべきである。好ましい三層の実施態様では、外層はそれぞれ、第一の電気抵抗を有し、中心層は少なくとも第一の電気抵抗の１０分の１、より好ましくは１００分の１である第二の電気抵抗を有する（即ち中心層は外層の１０倍、好ましくは１００倍の導電性がある）。
【００２４】
導電積層体ウェブ１０は、信号の伝播のための伝導素材のシートとして利用し得る。またこのウェブは、シールド素材としても利用し得る。特に、接着箇所の縦横比は、特定のシールド特性のために予め決めることができる。接着箇所５０の長さ、幅、及び配向を変える事により、電磁波の、ある波の伝播を変え又は止めることができる。例えば、導電中心層の浸透を表す接着箇所５０は、電磁放射の、ある波長をろ過するのに効果的であるように設計する事ができる。このようなウェブの電磁特性に加えて、積層体ウェブ１０は、好ましくは非常に可撓性があリ形成可能である故に、導電性又は遮断性の利益を非平面の成形において適用可能である。例えば、感度の高い電気装置をファブリックシールドで包むことが可能である。
本発明の更なる利益は、接着剤なしで熱可塑性素材及び非熱可塑性素材を組み合わせて、独特の物質的特性を有する、ファブリックのような複合物を提供する能力である。例えば、高い引っ張り強度及び引き裂きへの抵抗性を有する素材は、中心層３０として、家庭用ラップ層として一般に使用される、非常に強いが通気可能なポリオレフィン不織布である、デュポン（DuPont,Wilmington Delaware,USA）から市販されているＴＹＶＫ（登録商標）及び、他の商標の同等又は類似素材を含むことができる。しかし、この素材は柔軟でも布のようでもなく、プラスチックフィルムの外見及び感触を有する。例えば不織布の外層と共に本発明の積層体ウェブ１０の中で使用する時、積層体ウェブは、ＴＹＶＥＫ（登録商標）層の強度を持つ不織布の柔軟性を表す。また、この積層体は、好ましくは、ウェブを単一ウェブに固めるための接着剤を使用することなく作られ得る。
【００２５】
更に、例えばＴＹＶＥＫ（登録商標）のような比較的強い素材を、追加の中心層３０と組み合わせて、多様な物質特性を有する積層体ウェブ１０を作ることが可能である。例として、ＴＹＶＥＫ（登録商標）層を含む積層体ウェブはまた、プロクターアンドギャンブル社（The Procter & Gamble Co.,Cincinnati Ohio,USA）から市販されている、例えばバウンティ（BOUNTY,登録商標）ペーパータオルのような吸収性のあるティッシュペーパーの層のような吸収層、及びポリエチレン不織布（例えばＢＢＡ（Simpsonville,S.C.,USA）から市販されているコロリンド（Corolind））の一つ以上の外層も含み得る。本発明の方法に従って形成されたこのような複合物は、高度にテキスタイルのような素材に変形する事が可能であり、比較的高い吸収性（バウンティ（登録商標）ペーパータオルの層から）、及び比較的高い強度（ＴＹＶＥＫ（登録商標）層から）を組み合わせた珍しい特性を表す。
【００２６】
有孔の実施態様
本発明の更なる利益は、上記の熱接着した孔なし積層体ウェブを、融着箇所５０の長手方向の軸線ｌに一般に直交する方向に引っ張る又は伸ばす時に、得られる。融着箇所５０での融着は、接着箇所でウェブの局部的に弱い部分を作る傾向がある。このように、ウェブ１０の部分が接着箇所５０の長手方向の軸線ｌに一般に直交する方向に伸ばされるとき、接着箇所の素材は引っ張りが弱り、孔が形成される。融着箇所５０の比較的高い縦横比によって、充分に伸ばした時に比較的大きい孔の形成が可能になる。積層体ウェブ１０が均等に引っ張られる時、融着箇所５０の模様に対応する複数の孔６０の規則的な模様が生じる。
図４は、本発明の有孔積層体を部分的に切欠した表示である。図のように、部分切欠によって各層又はプライを平面図で見る事ができる。図４に示す積層体ウェブ１０は、熱接着した積層体を融着箇所の長手方向の軸線に直交する方向に、この場合は孔を形成させるために伸びの方向に充分な伸長を伴って横方向ＣＤに引っ張った後、作られる。図のように、前は融着箇所５０であったところで、比較的弱い接着箇所の引っ張りが弱まると、孔６０が作られる。また図のように中心層３０は、その素材特性次第で、積層体１０の中に通常均等に配置されたままであり得る。例えば、外層２０又は４０より延伸性があるならば、中心層３０は、弾性的に又はプラスティックの変形によって単純に伸びるが、ウェブ１０の孔なし領域では通常均等に配置されたままである。例えば、熱可塑性フィルムを中心層３０として利用するならば、この層は延伸的に又は弾性的に（フィルムの型による）伸びるが、例えば密度又は坪量において一般に均等なままであり得る。
【００２７】
孔６０が形成される時、外層２０及び４０の熱接着した部分は主に、接着箇所５０の長さに対応する孔周辺部の部分上に残る。故に、各孔６０は、熱接着した素材の周辺を有さず、図４において６２と表示する接着したままの部分のみを有する。このような積層体ウェブの一つの有益な特性は、一旦孔を穿つと、中心層を伴う流体の連通が容易になる。このように、吸収性のある中心層３０は相対的に非吸収性の二つの外層の間で使用することが可能であり、積層体１０は、比較的乾燥した手触わりの外層を持つ吸収性の拭き取り用品であり得る。
外層２０及び４０の間のいずれかの接着において、中心層３０が包含される又は加わる程度まで、中心層はまた、図４に示すように接着した部分６２の残りに加わる。この包含は、接着箇所５０（例えば熱可塑性中心層３０について）周辺のある程度の実際の融着によるものでもあってよいし、又は、例えばからみ（例えば繊維性不織布層の間のセルロース繊維性中心層３０）のような機械的相互作用によるものであってもよい。しかし、図ＸＸＸに示すように、全ての実施態様において中心層の包含が必要なわけでない。
【００２８】
図のように、図５は、図４の横断面の概略表現である。図のように、孔６０は積層体ウェブがＴ方向に伸長する時、形成する。
本発明の他の利益は、積層体を図４に関して説明するように伸長する時、得られるが、中心層３０は、二枚の外層のいずれか、及び実際の伸びの大きさより小さい、広がるための伸びを有するように選択される。このように、外層２０及び４０（従って全積層体ウェブ１０）に孔を形成するのに充分な、長手方向の軸線ｌに一般的に直交する積層体ウェブの伸長に関して、中心層３０は伸張しない。故に中心層３０は、充分な伸長で破壊する（即ち伸張しない）ので、伸長後、中心層３０は積層体ウェブ１０の孔なし領域の上で最早均等には配置されない。
二枚の外層のいずれか、及び実際の伸びの大きさより小さい、広がるための伸びを有する中心層を持つ単一ウェブの実施態様の例は、図５の部分切欠に示す。この部分切欠によって各層又はプライは、平面図で見る事ができる。図のように伸長後、中心層３０は破壊し、中心層素材の不連続な領域を形成する。これらの不連続領域は、図５に示す列のように相対的に均等に配置されてもよく、又は融着箇所５０の模様次第、中心層３０の物質特性次第、及び使用する伸長方法次第で、相対的に不斉に配置されてもよい。
【００２９】
図５に示す構造に似た構造を有するウェブ１０の一例は、相対的に伸長性の低いティシュペーパーの中心層を持つ相対的に伸長性のある不織布の外側の層を有するウェブである。このような積層体は、吸収性中心コアを有する有孔積層体ウェブであって、この吸収性コア素材は積層体ウェブの外側の領域と流体連通の状態である。つまり、例えば、もしこのような積層体ウェブが不織布の外層を含むならば、吸収性拭き取り用品として、使用可能であろう。流体は、このように孔を介して吸収され、その外辺部は、吸収性中心コアに流体連通を供給する部分で開き得る。もし相対的に疎水性のある不織布ウェブを外層に使用するならば、そのような拭き取り用品は高い吸収性と共に、乾燥した手触りの特性を表することが可能である。
【００３０】
図５に示す構造に似た構造を有するウェブ１０の一例は、相対的に延伸の低いティッシュペーパーの中心層を持つ相対的に延伸性のある不織布の外層を有するウェブである。特に興味深い構造は、吸収性の高い中心層と組み合わせた疎水性の高い外層を組み込む。好適な疎水性素材は、デットレ（Dettre）らの米国特許第３，３５４，０２２に説明されている。このような素材は、９０度より大きい固有前進水接触角、及び少なくとも７５度の固有後退水接触角を持つ水忌避面を有する。このような素材は、ロータス属の植物の葉の上に存在することが知られている効果に似た疎水特性を顕著に表す。このような素材を、例えばバウンティ（登録商標）ペーパータオルティッシュ層のような吸収性のある中心層と組み合わせる時、得られる複合物は、非常に清潔で乾燥した外面を保持しつつ、高度に吸収性があることが可能である。外層の坪量及び多孔性は、異なる程度の吸収性を達成するために、変える事ができる。一つの実施態様では、吸収性の流体バリアを形成するために、後で流体不透過性裏層に積層体を積層することも可能である。流体不透過性裏層は、衛生ナプキン、おむつ、テーブルマット、フロアマット、保護カバーなどのような吸収性物品に使用するための可撓性ポリマーフィルムであり得る。
【００３１】
図６に関して説明する本発明の積層体ウェブ構造の一つの驚異的に有利な特徴は、坪量、厚さ、又は密度から成る群から選択される少なくとも一つの特性によって識別されるウェブの孔なし部分における明確な領域の存在である。図７の横断面に示すように、いくつかのこのような領域は、識別可能である。好ましい実施態様では、これらの領域は視覚的に明確であり、積層体に審美的に好ましい外観及び感触を与える。これらの領域はまた、積層体に肌着のような又はニットのような材質及び手触りも与えることができる。
図７に関し、いくつかの構造的に明確な領域を、示した横断面に認め得る。示した領域６４は、孔６０に対応する。ウェブの孔なし領域において、領域６６は、中心層３０を含む相対的に坪量の高い領域である。領域６８は、中心層３０が破壊、分離し、即ち、最早ウェブ１０の相対的に低い坪量を形成して充分に存在しない積層体ウェブの部分を表す。一般に坪量のより高い領域はまた、相応に高密度の領域ではあるが、そうである必要はない。例えば、複合的な坪量の領域に加えて複合的な密度の領域を形成するために、後の伸長するエンボス加工の工程を、ウェブ１０に適用することが可能である。高坪量領域又は高密度領域のいずれかについて、単純に指の間で積層体ウェブをこすることにより、しばしば違いを識別することが可能である。
【００３２】
一般に、縦方向ＭＤに伸び、融着箇所５０の通常平行な列を有し、延伸した時に通常平行な孔の列を対応して形成し、広がるための外層より低い伸びを持つ中心層を有する積層体ウェブ１０について、結果的に生じた伸びた有孔積層体ウェブ１０は一般に、例えば図６及び７の領域６８のように縦方向ＭＤの孔間の低坪量、低密度領域といった特徴がある。同様に、このような積層体ウェブ１０は、例えば図７の領域６６のように横方向ＣＤの孔の隣接する列の間の相対的に高坪量、高密度領域に特徴がある。中心層素材３０、及び或いは後の積層操作、例えばエンボス加工の選択により、積層体ウェブの厚さも同様に変える事ができ、より厚い領域は一般に、より高密度の領域に対応する。
図７に関して説明する積層体ウェブの特に有用な実施態様は、接近した複数の平行信号伝導体を媒介とする信号伝達のための導電ファブリックである。例えば、導電金属ホイルを中心層３０として使用するならば、以下に説明する増加する伸張操作によるＣＤ方向の充分な伸びで、金属ホイルは図７の高坪量領域６６に対応する複数の別個の導電リボンに壊れる。外層２０及び４０は好ましくは、その絶縁特性のために選択され、故に好ましくは熱可塑性ポリマーの素材である。電気信号の高速伝達のために、例えばポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）及び好ましくはゴアアンドアソシエーツ（W.L.Gore and Associates, Newark, DE, USA）から市販される拡張したＰＴＦＥ（例えばＧＯＲＥ−ＴＥＸ（登録商標））のような低誘電素材を、絶縁外層として使用可能である。遮蔽したリボンケーブルを形成するための追加の導電層を含め、追加的な外層を加え得る（例えば後の積層体形成）。図Ｘはこのような導電リボンの例を示す。
【００３３】
不織布ウェブと外層として利用する本発明の積層体ウェブの他の実施態様は、繊維配向によって識別される明確な領域に特徴がある。他の領域より大きい伸びを経験するウェブの中に局部的な領域を供給することにより、示差的な繊維配向を達成することが可能である。例えば、図６で領域６８に対応する領域において、ウェブ１０に、より大きい程度まで局部的なひずみを与えることにより、顕著な繊維再配向の領域が形成される。このような局部的ひずみは以下に詳述する本発明の方法により、可能である。
図８は、孔を形成するために伸ばした、及び繊維再配向の領域６８を作るために局部的に伸ばした不織布外層を含む本発明のウェブを拡大して詳細に示す顕微鏡写真である。図８に見られるように、ウェブの部分を他より大きく局部的に伸ばすことにより、大きさの異なる孔を形成することが可能である。このように、図８で７０として一般に示す領域は、７２によって示される領域より大きいひずみ（即ち局部的伸び）を受けた。このように、領域７０にある孔は、領域７２のそれらよりも大きく、領域７２の不織布ウェブ素材の坪量は、領域７０の不織布ウェブの坪量より少ない。局部的なひずみの違いの故に、坪量における違いに加えて、本発明の積層体ウェブはまた、繊維再配向の明確な領域６８をも表す事が可能である。これらの領域において、繊維は、一般的にランダムな配向から、伸びの方向で優勢な配向へと再配向する。
【００３４】
図６に示すウェブ１０を作るために、中心層３０は多数の非類似性素材のいずれかであり得る。例えば、外層２０及び４０が、広がるための相対的に高い伸長を有する不織布ウェブであるならば、中心層３０は、紙、ティッシュペーパー、熱可塑性フィルム、金属ホイル、不連続又は連続気泡、又は二枚の外層と比較して、広がるための相対的に低い伸長を有する他のいずれかの素材であり得る。外層素材はそれ自体非類似性であってもよく、唯一の制約は、孔を形成するための伸長の方向では、中心層の延伸性は相対的に低いことである。
更に、一つより多い中心層３０を、有利な結果を伴って使用することが可能である。例えば、二枚の不織布ウェブの間にセルロース性繊維の中心ウェブとポリマーフィルムの中心ウェブを含む構造では、片側が他方より相対的により吸収性のある吸収性の拭き取り物品を作り得る。フィルム層が三次元的に形成されたフィルムであるならば、そのフィルムの側面は、多くの拭き取り用途に有利である積層体に付加的な材質を供給し得る。本発明における使用に好適な巨視的に伸張し三次元的に形成したフィルムは、本発明の譲受人に譲渡された１９７５年１２月３０日にトンプソン（Thompson）に発行された米国特許第３，９２９，１３５号、及び１９８２年８月３日にレイデル（Radel）らに発行された米国特許第４，３４２，３１４号に説明するフィルムを含むが、その両方の特許を本明細書に引用し組み入れる。
この（又は、「ある」）中心層はまた、弾性的であり得、例えば１９９７年３月１４日にクロ（Curro）らにより出願され、本発明の譲受人に譲渡された米国出願番号第０８／８１６，１０６号、発明の名称、「裂け抵抗性多孔質延伸性ウェブ」に説明するように、弾性的で巨視的に伸張し、真空で、三次元的に形成したフィルムであり得、これを本明細書に引用して組み入れる。更に、この（又は、「ある」）中心層は、例えば１９８６年１２月１６日にクロらに発行され、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第４，６２９，６４３号、及び１９８６年９月２日にクロらに発行された第４，６０９，５１８号に説明するような、微小孔を有する三次元形成したフィルムであり得、それら両方を本明細書に引用し組み入れる。
【００３５】
この（又は「ある」）中心層は、１９９６年５月２１日にチャぺル（Chappell）らに発行された米国特許第５，５１８，８０１号に開示するひずみ可能な網状組織を有するウェブ素材であり得、それをここに引用して組み入れる。このようなウェブは、例えば組み合わせプレート又はロールによるエンボス加工により形成した構造弾性フィルム（ＳＥＬＦ）ウェブであり得る。
この（又は「ある」）中心層は吸収性連続気泡フォームウェブ素材であり得る。例えばおむつのような高性能吸収性物品のために特に好適な吸収フォームは、高内相エマルジョン（以後ＨＩＰＥとする）から作られる。例えば、本明細書に引用し組み入れる１９９３年１１月９日発行の米国特許第５，２６０，３４５号（デスマライス（DesMarais）ら）、及び１９９３年１２月７日発行の米国特許第５，２６８，２２４号（デスマライスら）を参照のこと。これら吸収性ＨＩＰＥフォームは、（ａ）流体の連続的な噴出に適応すべく、最初の入射領域を避けてフォーム構造の他の領域へと、吸収した尿又はその他の体液を運ぶための相対的に良好な吸い上げ、及び流体分布特性、及び（ｂ）負荷を受けて、即ち圧縮力をかけた際、相対的に高い流体容量を持つ相対的に高い貯蔵容量；を含む望ましい流体扱い特性を提供する。
中心層３０は吸収性ゲル材料を含んでもよい。例えば、超吸収体又はヒドロゲル材料は、本発明の積層体ウェブを使い捨て吸収物品の中の吸収性拭き取り用品又は吸収性コアとして使用する時、優れた吸収性を提供することができる。「ヒドロゲル」を本明細書で用いる時、水性流体を吸収し、それらを適度な圧力で保持できる無機又は有機化合物を意味する。良好な結果を得るために、ヒドロゲルは非水溶性であるべきである。例は、例えばシリカゲルのような無機材料、及び例えば架橋ポリマーのような有機化合物である。架橋は、共有、イオン、バンデルバールス、又は水素結合によってもよい。ポリマーの例には、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、エチレン無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルエーテル、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピリジンなどが含まれる。
【００３６】
本発明の積層体の一つの利益は、接合のための接着剤を使用することなく、非類似性素材の積層体構造を作る能力である。積層体ウェブ１０の中心層は、融着箇所でカレンダーリングロールの突出部により貫通しているので、非熱接着可能な素材を含み得る。複数の融着箇所５０は、積層体ウェブの中で成分ウェブをまとめるのに充分であり、その結果、積層体ウェブは、加工の完全さ及び利用のために、不必要な層間剥離を起こさず、単一ウェブとして性能を発揮する。しかし、いくつかの実施態様において、及びある素材について、構成層の少なくとも二層の間に接着剤を用いることも有利であり得る。
本発明の積層体ウェブは、複数の相対的に接近した間隔で熱接着箇所（熱可塑性接着剤を使用することなく）に接着しているので、耐久性のある物品に有利に使用可能である。例えば、不織布ウェブ外層を含み、布のような感触及び外観を有する本発明の積層体ウェブは、耐久性のある衣類に使用可能である。本発明の積層体ウェブのある実施態様は、積層体の成分ウェブ及び熱接着のレベル次第で、家庭での洗濯及び乾燥機での繰り返しの洗濯及び乾燥に耐え得る。本発明のある実施態様のニット状の又はファブリック状の外観及び感触故に、そのような耐久性が、例えばインタライナーなどのような耐久性のある衣類材料において生じ得る。
【００３７】
作成方法
図９に関し、本発明の積層体ウェブを作る方法が１００に概略的に描かれている。
相対的に延伸性のあるウェブであり得る第一ウェブ１２０は、供給ロール１０４がそれに関する矢印で示す方向に回転する時、供給ロール１０４から解かれて、矢印で示す方向に動く。同様に第二ウェブ１４０は、相対的に延伸性があるウェブであり得、供給ロール１０５から解かれる。中心層１３０は相対的に延伸性のない層であり得、同様に供給ロール１０７から引かれる。これらの三成分（又は一以上の中心層を用いる場合は、更に多い）は、ローラ１１０及び１１２により形成された熱的点接着ローラの配列１０８の二ップ１０６を通過する。
熱可塑性不織布材に加えて、いずれかの外層は、例えばポリオレフィン（例えばＰＰ又はＰＥ）薄膜のようなポリマー膜を含み得る。外層全体が均一に熱可塑性でない場合、少なくとも融着の効果があるのに充分な量が熱可塑性でなければならない。例えばバイコンポーネント繊維のような抱合体繊維を、外層の熱接着を容易にするために外層に使用し得る。いずれかの外層は、例えば１９８６年１２月１６日にクロらに発行され、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第４，６２９，６４３号、及び１９８６年９月２日にクロらに発行された第４，６０９，５１８号に説明するような微小孔を有する三次元形成したフィルムのような形成フィルムを含み得、その両方を本明細書に引用して組み入れる。
【００３８】
好ましい実施態様では、両方の外層は、不織布材を含み、同一であってもよい。この不織布材を、例えば既知のメルトブローイング又はのスパンボンディング工程のような既知の不織布押出し方法により形成し、供給ロール上で先ず接着及び／又は貯蔵することなく、二ップ１０６を直接通過させてもよい。しかし、好ましい実施態様では、不織布ウェブ自体は、供給ロール上の熱的に点接着した（固めた）市販のウェブである。熱的点接着は典型的に、空間を置いたダイヤモンド形の接着箇所の規則的な模様の形であり、不織布の販売者から購入するような不織布の中に存在し、本発明のウェブの中で、本発明の方法により形成する接着箇所５０から識別されるはずである。
不織布ウェブ外層は弾性的であってもよく、高度に弾性的であっても、又は非弾性的であってもよい。この不織布ウェブは、スパンボンドウェブ、メルトブローウェブ、又は接着したカードウェブを含むいずれかの融解可融性ウェブであってよい。この不織布ウェブがメルトブロー繊維ウェブである場合、メルトブローマイクロファイバを含んでもよい。この不織布ウェブを、例えばポリオレフィンのような繊維形成ポリマーから作ってもよい。代表的なポリオレフィンには、一つ以上のポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、及びブテンコポリマーが含まれる。この不織布ウェブは、約１０から約６０ｇ／ｍ²（ｇｓｍ）までの間、より好ましくは約１５ｇ／ｍ²から約３０ｇ／ｍ²までの坪量を有し得る。
【００３９】
この不織布ウェブ外層はそれ自体、例えばメルトブローウェブ、接着したカードウェブ、又は他の好適な素材の少なくとも一層に接合する少なくとも一層のスパンボンドウェブを有する多層素材であってもよい。例えば、この不織布ウェブは、平方ヤード当たり約０．２から約８オンスまでの坪量を有するスパンボンドポリプロピレンの第一層、平方ヤード当たり約０．２から約４オンスまでの坪量を有するメルトブローポリプロピレンの層、及び平方ヤード当たり約０．２から約８オンスまでの坪量を有するスパンボンドポリプロピレンの第二層を有する多層ウェブであってよい。或いは、この不織布ウェブは、例えば平方ヤード当たり約０．２から約１０オンスまでの坪量を有するスパンボンドウェブ、又は平方ヤード当たり約０．２から約８オンスまでの坪量を有するメルトブローウェブのような素材の単層であってよい。
この不織布ウェブ外層はまた、二以上の異なる繊維の混合物、又は繊維及び粒子の混合物から作られる複合物であってもよい。このような混合物は、メルトブロー繊維又はスパンボンド繊維が運ばれるガス流に繊維及び／又は微粒子を加えることにより形成してもよく、その結果、繊維及び他の素材、例えば木材パルプ、短繊維及び粒子、が親密に絡み合ったコミングル（混合）が、繊維の収集の前に発生する。
【００４０】
本発明の方法による加工の前に、凝集したウェブ構造を形成するために、繊維の不織布ウェブの外カバーを接着により接合することが可能である。好適な結合技法には、化学的結合、例えばポイントカレンダー、水流交絡、及びニードリングのような熱結合が含まれるが、それらに限定されない。
図９及び１０に関し、不織布熱接着ローラの配置１０８は、好ましくは模様付きカレンダーローラ１１０及び滑らかなアンビルローラ１１２を含む。模様付きカレンダーローラ１１０及び滑らかなアンビルローラ１１２の一方又は両方は、加熱してもよく、いずれかのローラの温度及び二つのローラの間の圧力は、中心層３０を融着箇所で置換し同時に、二枚の外層を複数の接着箇所で融着するために、望ましい温度、及びもしあれば圧力を供給するための周知の手段により調整してもよい。
模様付きカレンダーローラ１１０を、円筒形の面１１４、及び複数の突出部、又は面１１４から外側に伸びる模様要素１１６を有するよう形作る。突出部１１６を、所定の模様で配置し、中心層３０を融着箇所で置換するために、各突出部１１６を形作り、配置し、及び二枚の外層を複数の位置で融着する。突出物の一つの模様を概略的に図１１に示す。図のように、突出物１１６は相対的に小さい幅ＷＰを有し、この幅は約０．００３インチ及び０．０２０インチの間であり得るが、好ましい実施態様では、約０，０１０インチである。突出部は約０．０３０インチ及び約０．２００インチの間の長さＬＰを有し得、好ましい実施態様では約０．１００インチの長さを有す。好ましい実施態様では、突出部は１０の縦横比（ＬＰ／ＷＰ）を有する。示した模様は、一般的には列を成す突出部の互い違いの規則的な繰り返し模様であり、各列は約０．０１０インチ及び約０．２００インチの間の列空間、ＲＳにより離れている。好ましい実施態様では、列空間ＲＳは、約０．０６０インチである。突出部は列の中で、突出部の長さ、ＬＰに一般に等しい突出部の空間、ＰＳにより間隔を置いて離れ得る。しかし、空間と模様は希望する最終製品次第で、いずれにも変化し得る。
【００４１】
図１０に示すように、模様付きカレンダーローラ１１０は、面１１４の全周囲について広がる突出部１１６の繰り返し模様を有し得る。或いは、突出部１１６は、面１１４の周囲の一部分又は複数の部分に広がってもよい。同様に突出部１１６は、繰り返さない模様、又はランダムに向いた突出部の繰り返し模様であってよい。もちろん、ランダムな向きである場合は、生じた接着箇所に穿った孔もまた、以下に論ずるように引っ張りの方向に関する接着箇所の配向次第で、多少不斉になるであろう。例えば、ウェブを横断方向にのみ引っ張る場合、縦方向（ＭＤ）にベクトル成分を持つ長手方向の軸線ｌを有する接着箇所５０には、少なくともこのようなベクトル成分の大きさの程度まで孔が穿たれる。
突出部１１６は好ましくは、面１１４から外側に放射状に伸び、方形又は幾分楕円形の末端面１１７を有する切頭円錐形である。この外形のみの突出部に本発明の範囲を限定する意図はないが、融着箇所５０の高い縦横比は、図１０に関して上に示すように、末端面１１７で同様の突出部が狭い幅及び高い縦横比を有する時にのみ達成可能であると、現在は考えられている。好ましくはローラ１１０を、全ての末端面１１７が、ローラ１１０の回転軸に関して同軸である想像の直円柱に位置するように仕上げる。
突出部の高さは、接着する積層体の厚さに従って選択するべきである。高さは一般に、接着箇所で及び接着箇所のみで適切な接着が起こるように、カレンダー工程の間、積層体ウェブの最大の厚さより大きいことが必要である。
アンビルローラ１１２は、表面が滑らかで、鋼製の直円柱が好ましい。
【００４２】
二ップ１０６を通過後、三つ（以上の）の成分ウェブ、１２０、１３０、及び１４０は単一積層体ウェブ１０に形成される。この工程の時点で、図１及び２に示すように、外層は互いに熱接着して孔なしである。ウェブ１３０からの中心層３０は、二ップ１０６の突出部１１６により置換され、有孔である。使用する中心層次第で、中心層は接着箇所の周辺で接着に参加してもよく、しなくてもよい。いくつかの例では、特に非熱可塑性非繊維性素材について、中心層は外層の接着に全く含まれなくてもよい。しかし、熱可塑性素材及び繊維性素材について、中心層のいくらかの包含が観察される。
積層体ウェブ１０を更に加工して、接着箇所５０の軸線ｌに直交する方向にウェブの部分を伸ばすことにより、層体ウェブ全体（又はその部分）に孔を形成してもよい。図９及び１０に示すように、軸線ｌは通常、加工するウェブの縦方向ＭＤに平行である。故に、接着した部分で横断方向ＣＤに伸ばす事により、接着箇所５０が破れて開き、ウェブに孔を形成する。
ウェブに孔を形成するための一つの方法は、少なくともある程度まで互いに補足的である三次元面を有する対向圧力アプリケータ１３４及び１３６を用いる増加性伸長システム１３２により形成する二ップ１３０を通って、ウェブを通過させることである。積層体ウェブの伸張は、テンタリング又は手によるものまでも含めて、当業界で既知の他の方法により行ってもよい。しかし、ウェブにひずみレベルをつけることでさえ、特に局部的なひずみの差を希望する場合、本明細書に開示する増加性伸長システムは好ましい。
【００４３】
今度は図１２に関し、増加性ストレッチローラ１３４及び１３６を含む増加性伸長システム１３２の断片拡大図を示す。増加性ストレッチローラ１３４は、複数の歯１６０、及びローラ１３４の全周囲に伸びる対応する溝１６１を包含する。増加性ストレッチローラ１３６は、複数の歯１６２及び複数の対応する溝１６３を包含する。ローラ１３４の上の歯１６０は、ローラ１３６の上の溝１６３と噛み合う又は係合し、一方、ローラ１３６の上の歯１６２は、ローラ１３４の上の溝１６１と噛み合う又は係合する。各ローラの歯は一般に、図１３に示すように三角形をなす。仕上がったウェブにある効果を希望する場合、歯の頂き部はわずかに丸くてもよい。
【００４４】
図１３は、ローラ１３４及び１３６の歯１６０及び１６２の噛み合わせの一部分を各々示す。本明細書に使用する用語「ピッチ」は、隣接する歯の頂き部の間の距離に関する。このピッチは約０．０２から約０．３０インチまでの間であり得、約０．０５及び約０．１５インチの間が好ましい。歯の高さ（深さ）は、歯の基部から歯の頂き部までを測り、全ての歯について等しいことが好ましい。歯の高さは、約０．１０インチ及び０．９０インチの間であり得、約０．２５インチ及び０．５０インチである事が好ましい。
一方のロールの歯１６０は、他方のロールの歯１６２とピッチの半分で食い違い可能で、その結果一方のロールの歯（例えば歯１６０）は、噛み合うロールの歯との間の谷部分（例えば谷１６３）で噛み合う。この食い違いにより、ローラが係合する時、又は互いに関して噛み合う操作位置にある時、二つのローラの噛み合いが可能になる。好ましい実施態様では、各ローラの歯は、部分的にのみ噛み合う。向かい合うロールの歯が噛み合う程度は、本明細書では「係合の深さ」、又は歯の「ＤＯＥ」とする。図１３に示すように、ＤＯＥは、各ロール上の歯の頂き部が同一平面にある（噛み合い０％）平面Ｐ１により示される位置から、一方のロールの歯の頂き部が平面Ｐ１を越えて向かい合うロール上の谷部分へと内へ伸びる平面Ｐ２により示す位置までの間の距離である。特定の積層体ウェブのための最適な又は効果的なＤＯＥは、歯の高さ及びピッチ、及びウェブの素材次第である。
【００４５】
他の実施態様では、噛み合うロールの歯は、向かい合うロールの谷部分と一直線になる必要はない。つまり、歯は、わずかな食い違いから大きい食い違いまで、ある程度谷部分の範囲外であってもよい。
融着した場所５０を持つ積層体ウェブ１０は、増加性伸長システム１３２を通過するので、積層体ウェブ１０は、積層体ウェブ１０をＣＤ方向に伸ばすＣＤ又は横断方向の張力を受けることが可能になる。或いは、又は追加的に、積層体ウェブ１０は、ＭＤ方向（縦方向）に引っ張ってもよい。融着した場所５０を分離する又は破り、積層体ウェブ１０の融着した場所５０と一致する複数の孔６０を作るように、積層体ウェブ１０上に配置した張力は調整可能（例えばＤＯＥの調整により）である。しかし、積層体ウェブ１０の融着部分は残存し、図４の部分６２に示すように、融着した場所が破れた後でさえも、積層体ウェブを凝集性の単一ウェブ状態に維持する。
増加性伸長システム１３２により用いられた張力を受けた後、積層体ウェブ１０は、積層体ウェブの融着した領域５０と一致する複数の孔６０を包含する。上記のように、孔６０の周囲のへりの一部は、融着した場所６０の残り６２を包含する。残り６０は、積層体ウェブの更なる破れ又は層間剥離に抵抗するのを助けると考えられている。残り６２はまた、中心層が接着に包含される程度まで、中心層３０の部分を含有してもよい。
【００４６】
二つの実質的に同一なロール１３４及び１３６の代わりに、一方又は両方のロールを変更して、伸び及び追加の模様を作ることも可能である。例えば、図１４のロール２３６に示すように、一方又は両方のロールを変更して、ロールの表面で等間隔の細い溝２４６をいくつか歯に切り込むことも可能である。図１４では、増加性ストレッチローラ２３４及び２３６を含むある代替増加性伸長システム２３２の拡大図を示す。この増加性ストレッチローラ２３４は、複数の歯２６０及び、ローラ２３４の全周囲に伸びる、対応する溝２６１を包含する。増加性ストレッチローラ２３６は、複数の歯２６２及び複数の対応する溝２６３を包含する。ローラ２３４上の歯２６０は、ローラ２３６上の溝２６３と噛み合う又は係合し、一方ローラ２３６上の歯２６２は、ローラ２３４上の溝２６１と噛み合う又は係合する。一方又は両方のローラ上の歯は、例えば機械加工により形成する溝２４６を有することが可能で、その結果、変形していない積層体ウェブ材の領域は、伸張後に残存してもよい。好適な模様ロールは、チャペル（Chappell）らの名前で、１９９６年５月２１日に発行された米国特許第５，５１８，８０１号に記述され、その開示は本明細書に参考として組み入れられる。
同様に、増加的伸長は、図１５に示すように向く噛み合うロールにより可能である。このようなロールは、ロール３３４又は３３６のいずれかの軸線Ａに平行に走る一連の***部分３６０、３６２及び谷部分３６１，３６３を含む。***部分は、ロールの表面に複数の三角形の歯を形成する。いずれかの又は両方のロールはまた、円筒形ロールの周囲を向いた一連の空間を置いた溝３４６を有してもよい。接着箇所５０の軸線ｌが、加工時に、ウェブの横断、ＣＤ方向に一般に平行な向きである時、示したロールは積層体ウェブ１０を縦方向ＭＤに増加的に伸長するのに効果的である。
【００４７】
ある実施態様では、本発明の方法は、ＣＤ方向及びＭＤ方向の増加的な伸長を含むことが可能である。図１６に示すように、二対の増加性ストレッチロールは列にして使用可能であるので、一対（２３２、図１６に示すように一連の空間を置いた溝２４６を包含する）は、ＣＤ方向の伸長を行い、他の対３３２はＭＤ方向の伸長を行う。この方法により、多くの興味深いファブリック状の材質を作ることが可能である。生じる手触り及び視覚的な外観により、このようなファブリック状のウェブは、ファブリック状の外観及び感触から利益を得る物品における使用に好適になる。例えば中心層３０は、いずれかの外層より少ない広がるための伸長を持つ素材を含み、本明細書の方法でＣＤ方向及びＭＤ方向に伸張して減衰する時、生じる積層体ウェブ１０から、中心層素材の「島」が現れる。この島は中心層の別個で不連続な部分であり、積層体ウェブ１０に明白なファブリック状の外観及び感触を与える。この方法では、金属ホイルを、例えば低坪量不織布のような相対的に半透明の二枚の素材の間で中心層３０として使用する場合、生じる積層体ウェブ１０は、シークインで飾ったファブリックに似る。
積層体ウェブを本明細書のように増加的に伸長する時、幾分脆性な又は相対的にやさしい素材を中心層３０として使用することが可能で、有利な結果をもたらす。例えば、相対的に高い硬さを有する薄いセラミック素材は、伸長の方向によっては、少なくとも一方向に相対的に可撓性が高いのある積層体ウェブ１０の中心層３０として使用可能である。故に、ウェブをＣＤ方向に増加的に伸長する場合、積層体ウェブは、ＭＤ方向に平行な軸線について可撓性があり、逆もまた同様であろう。ウェブを双方向に増加的に伸長する場合、生じる積層体ウェブ１０は、二つの軸線について相対的に可撓性が高く、作られた中心層の別個の「島」の大きさ次第で、二枚の外層の全体の可撓性に近づく。
【００４８】
【実施例】
以下の例を請求の発明の典型として、表１に示す。外層及び内層の選択及び組み合わせは、事実上無限であるので、示した例は可能な構造の例証であることを意味し、いずれかの特定の素材又は構造に限定する事を意味していない。特に示した例は、不織布ウェブを外層として含む現在の好ましい構造に限定する。
表１では、様々な素材の組み合わせを示す。層には、一方の外層から他方へと構造的な近接の順に番号をつけている。故に層１は、常に外層であり、最後の番号の層も同様に外層である。
示した全てのサンプルについて、カレンダーラインの速度は、一分当たり１００フィートであったが、このライン速度は本方法の操作に重要であるとは考えられない。カレンダー圧は、全てのサンプルについて７００ｐｓｉｇであったが、この圧力は、外層間の接着が可能である限り、希望どおり変えることが可能である。
以下のサンプルの有孔の実施態様を形成するために、熱接着した積層体を、図１２に関して上に説明した増加的伸長方法により加工した。これらのサンプルについて、「ピッチ」及び係合の深さ（「ＤＯＥ」）を示す。
クロペイ（Clopay）ＰＥフィルムはクロぺイ（Clopay,Cincinnati,OH）から得られた。これらの薄（厚さ約０．００１インチ）フィルムは、柔軟で変形可能なポリエチレン型であり、しばしば吸収性物品の流体障壁素材として使用される。
【００４９】
トレデガー（Tredegar）弾性的形成フィルムはトレデガーフィルムプロダクツ（Tredegar Film Products,Terre Haute,IN.）から入手した。「形成したフィルム」は、ウェブの一面から始まって伸び、その向かい合う面中の孔の形で終わる毛状の網状組織の連続体を含む、巨視的に伸張した三次元プラスティックウェブを意味する。このような形成したフィルムは、１９８２年８月３日にレーデル（Radel）らに発行され、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第４，３４２，３１４号に開示する。弾性的形成フィルムは、上記の、クロ（Curro）らの名前で１９９７年３月１４日に出願され、本発明の譲受人に譲渡された同時係属出願の米国特許出願第０８／８１６，１０６号、発明の名称「裂け抵抗性多孔質延伸性ウェブ」に開示する上述のレーデル（Redel）らのウェブの改良である。クロらの第０８／８１６，１０６号は、当業界で既知の弾性的素材から作られてもよく、ポリマー素材の積層体であってもよい上記のレーデルらの特許に一般的に従い、弾性を持たせたポリマーウェブを開示する。この型の積層体は、弾性的素材及び弾性の弱い皮膚層の共同押出しにより作成され得、例えばウエストバンド部分及びレッグカフのような吸収性衣類の体にぴったりした部分に使用してもよい。
【００５０】
高内相エマルジョン連続気泡フォーム素材は一般に、上記の米国特許第５，２６０，３４５号及び米国特許第５，２６８，２２４号の教示に従い作成することが可能である。
ＢＢＡ及びコロビン（Corovin）／ＢＢＡ不織布は、ＢＢＡ（Greenville,SC.）から入手した。
バウンティー（BOUNTY（登録商標））ペーパータオルは、Ｐ＆Ｇ社（Cincinnati,OH.）から入手した。
レイノルド（REYNOLD）の金属ホイル製品は、レイノルド金属製品会社（Reynold's Metal Products company）から入手した。
スリーエム（３Ｍ）製品はスリーエム（3M,Minneapolis,MN）から入手した。
以下に示す素材について、坪量は１平方メートル当たりのグラム数（ｇｓｍ）で表す。低密度ポリエチレンは「ＬＤＰＥ」と表し、ポリプロピレンは「ＰＰ」と表し、ポリエチレンは「ＰＥ」と表す。スパンボンドは「ＳＢ」と表す。
【００５１】
【表１】

本発明の積層体ウェブを多種多様の用途に利用してもよい。例えば、相対的に低価格の不織布、紙及びフィルム素材の積層体は使い捨て物品に好適である。本明細書で検討する物品は、本発明の積層体を使用可能である有用な用途の典型である。
【００５２】
図１７は、構造をより明瞭に示すために、切欠した構造部分を有する平面的な構成（全ての弾性誘導した収縮を除く）の使い捨ておむつ４２０の典型的な実施態様を示す。着用者に接触するおむつの部分は手前に向いている。このおむつは好ましくは、液体透過性トップシート４３８、トップシート４３８に接合する液体不透過性バックシート４４０、トップシート３３８及びバックシート３４０の間に位置する吸収性コア４４２（本発明の有孔積層体として示す）、弾性部材３４４、及びテープ状ひも（又は機械的）ファスナ４４６を含む。これらの構成材料を、多種多様の周知の構成で組み立てる事が可能である。
液体透過性トップシート４３８は、表１に示す例４（孔なし）又は例５（有孔）のような積層体ウェブから作ることができる。バックシート４４０は、例４のような積層体ウェブから作ことができ、吸収性コア４４２は、例１０のそれのような積層体から作ることができる。サイドパネル、弾性レッグカフ、及び弾性的なウエストの特徴は、例９のような積層体ウェブから作ることが可能である。このような積層体は、どちらも吸収性おむつには重要である通気性及び弾性を現す。
【００５３】
本発明の積層体を含むおむつに好ましいおむつの構成は、一般にブエル（Buell）に１９７５年１月１４日に発行された米国特許第３，８６０，００３号に説明されている。或いは、使い捨ておむつに好ましい構成は、米国特許第４，８０８，１７８号（アジズ（Aziz）ら）、第４，６９５，２７８号（ローソン（Lawson）、第４，８１６，０２５号（フォアマン（Foreman））、第５，１５１，０９２号（ブエル（Buell）ら）にも開示され、それら全てを本明細書に引用して組み入れる。
使い捨ておむつに加えて、本発明の積層体の種々の実施態様は、トップシート、バックシート、及び、例えば、生理用品、パンティーライナー、プルアップ式おむつ、成人用失禁用品などのような他の吸収性使い捨て物品のコアとして有用である。
本発明の積層体はまた、ウェットタオル、仕事用拭き取り用品、顔用拭き取り用品などを含む拭き取り用品としても有用であり得る。例えば、中心層３０としてセルロース性吸収層を有する例３は、孔で捕らえ得るこぼれ及び粒子状の物質を捕り上げるための優れた拭き取り用品であろう。同様に例６は、ポリエチレンフィルムを有し、特別なこすり能力を有する、より耐久性のある拭き取り用品を必要とする厳しい仕事のための優れた拭き取り用品であろう。本発明の積層体は、耐久性のある又は半耐久性のある多目的ぼろ布又はスポンジであると考える事ができる。
本発明の方法により達成可能な事実上無限の多種多様な模様のために、本発明の積層体は、ドレープ及び室内装飾材料を含め、家庭用の備品の構成材料として利用することが可能である。例えば、窓の覆いとして魅力的であるレース状のシーア模様を作ることが可能である。中心層３０を含めて、成分素材を変えることで、色を容易に変え得る。より高い坪量素材を、シートカバー、特に飛行機、バスなどに有用な使い捨てシートカバーとして耐久性があるように作り得る。
【００５４】
本発明の積層体は使い捨てよだれかけとして、有用であり得る。例えば、表１の例６は、ポリエチレン層を有し、効果的なよだれかけとして役立つであろう。有孔の場合でさえ、孔の大きさ次第で、孔が食物の粒子をよりよく捕らえる傾向があるので、よだれかけとして有用であり得る。よだれかけとして使用後、このよだれかけは、食事後の赤ちゃんの周囲を清潔にするための拭き取り用品として使用し得る。
本発明の金属含有ウェブは、電気的な用途に使用可能である。例えば表１の例８は、柔軟な、従順な支持材料を有する電気的遮蔽を必要とする用途に使用可能である。例８に類似の積層体は、回路板、電気ケーブルなどの構成材料として使用してもよい。
本発明の積層体ウェブは、流体を濾過するためのフィルターとして使用可能である。例えば空気は、好適に設計された本発明の積層体ウェブに空気を通過させて濾過され得る。例えば、静電空気フィルターは、適切な非類似性のポリマー不織布材を積層することにより作り得る。ある実施態様では、フィルターは好適な素材及び孔径の不織布材を含み、伸張していない状態で、つまり図１及び２に関して示すような積層体で提供されるであろう。フィルターを使用して孔が濾過したくずで塞がれる時、濾過媒体の上に置かれた引っ張りは、少なくともいくつかの接着箇所５０を開いて孔を穿つ。このようにフィルターは、フィルターの完全な閉鎖を防ぎ、送風装置のモータなどのオーバーワークを避ける自己調整媒体を含む。
本発明の積層体の他の用途には、医学用包帯、織物の壁掛け、マット及び上掛け、乾燥モップ又は湿ったモップのモップヘッド、及び幾何学的織物が含まれる。
【００５５】
本発明の特定の実施例を例示し説明してきたが、本発明の精神と範囲から逸脱することなく種々の他の変形及び変更を行うことができることは、当業者にとって明らかであろう。したがって、記載された請求項において、本発明の範囲内にある全てのそのような変形と変更を包含しようとするものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の積層体ウェブの一つの実施態様の斜視図である。
【図２】 図１に示す積層体ウェブの一部分の断面図である。
【図３】 本発明の積層体ウェブの一つの接着箇所の拡大詳細図である。
【図４】 本発明の積層体ウェブの他の実施態様の上部平面図である。
【図５】 図４に示す積層体ウェブの一部分の断面図である。
【図６】 本発明の積層体ウェブの他の実施態様の上部平面図である。
【図７】 図６に示す積層体ウェブの一部分の断面図である。
【図８】 本発明の積層体ウェブの一つの実施態様の顕微鏡写真である。
【図９】 本発明の積層体ウェブを作るための工程の概略表示である。
【図１０】 融着カレンダー装置の斜視図である。
【図１１】 カレンダーロールの突出部のための模様の概略表示である。
【図１２】 本発明の積層体を伸張し、その中に孔を形成するための装置の斜視図である。
【図１３】 図１２に示す装置のかみ合う部分のうちの一部分の断面図である。
【図１４】 本発明の積層体を、その中に孔を形成するために横方向に伸張するための代替装置の斜視図である。
【図１５】 本発明の積層体を、その中に孔を形成するために縦方向に伸張するための他の代替装置の斜視図である。
【図１６】 本発明の積層体を、その中に孔を形成するために横方向及び縦方向の双方向に伸張するための装置の斜視表示である。
【図１７】 本発明の積層体ウェブ素材から得られる構成材料を有する使い捨て吸収性物品の斜視図である。
【図１８Ａ】 孔を形成するための引っ張り工程の前の接着箇所の断面写真である。
【図１８Ｂ】 孔を形成するための引っ張り工程の後の接着箇所の断面写真である。

Claims (39)

1. 孔なし積層体ウェブであって、
   ａ）第一ウェブ；
   ｂ）前記第一ウェブに面対面の関係で複数の別個の接着箇所で接合する第二ウェブであって、第一と第二ウェブがその中に内部領域を形成する第二ウェブ；
   ｃ）前記第一と第二ウェブの間に配置される第三素材であって、熱的特性、伸長特性、弾性特性、又は導電特性から選択される少なくとも一つの素材特性により前記第一又は第二ウェブから識別される該第三素材；及び
   ｄ）前記接着箇所と一致する領域で孔を穿ち、その結果前記第一及び第二ウェブが該孔を通じて接合する前記第三素材であって、前記別個の接着箇所に包含され実質的に前記内部領域を満たす該第三素材；
   を含む孔なし積層体ウェブ。
2. 前記積層体が接着剤のない接着により接合される請求項１に記載の積層体ウェブ。
3. 前記接着箇所が少なくとも３：１の縦横比を有する別個の熱接着である請求項１に記載の積層体ウェブ。
4. 前記接着箇所が少なくとも１０：１の縦横比を有する別個の熱接着である請求項１に記載の積層体ウェブ。
5. 前記第一又は第二ウェブが不織布を含む請求項１に記載の積層体ウェブ。
6. 前記第三素材がセルロース性ティッシュペーパーを含む請求項１に記載の積層体ウェブ。
7. 前記第三素材が金属ホイルを含む請求項１に記載の積層体ウェブ。
8. 前記第三素材がポリマーフィルムである請求項１に記載の積層体ウェブ。
9. 前記第三素材が、連続気泡フォームである請求項１に記載の積層体ウェブ。
10. 複数の孔を有する積層体ウェブであって、
    ａ）広がるための第一伸長を有する第一延伸性ウェブ；
    ｂ）複数の接着箇所で前記第一延伸性ウェブに接合する第二延伸性ウェブであって、広がるための第二伸長を有する該第二延伸性ウェブ；及び
    ｃ）前記第一ウェブ及び前記第二ウェブの間に配置される第三ウェブ素材であって、広がるための該第一又は第二伸長のいずれよりも小さい、広がるための第三伸長を有する該第三ウェブ素材；
    を含むことを特徴する積層体ウェブ。
11. 前記積層体が、接着剤のない接着により接合される請求項１０に記載の積層体ウェブ。
12. 前記接着箇所が、少なくとも３：１の縦横比を有する別個の熱接着である請求項１０に記載の積層体ウェブ。
13. 前記接着箇所が、少なくとも１０：１の縦横比を有する別個の熱接着である請求項１０に記載の積層体ウェブ。
14. 前記第一又は第二延伸性ウェブが、不織布を含む請求項１０に記載の積層体ウェブ。
15. 前記第三ウェブ素材が、セルロース性ティッシュペーパーを含む請求項１０に記載の積層体ウェブ。
16. 前記第三ウェブ素材が導電性がある請求項１０に記載の積層体ウェブ。
17. 前記第三ウェブ素材が、金属ホイルを含む請求項１０に記載の積層体ウェブ。
18. 前記第三ウェブ素材は連続気泡フォームである請求項１０に記載の積層体ウェブ。
19. 複数の孔を有する積層体ウェブであって、
    ａ）複数の別個の接着箇所で接合する第一及び第二延伸性ウェブ；
    ｂ）前記第一延伸性ウェブ及び前記第二延伸性ウェブの間に配置される第三素材であって、前記第一及び第二延伸性ウェブのいずれよりも小さい広がるための伸長を有する該第三素材；及び
    ｃ）孔を介する流体連通であり、坪量、繊維配向、厚さ、及び密度から成る群から選択される少なくとも一つの特性により識別される明確な領域を有する該第一及び第二延伸性ウェブ；
    を含む積層体ウェブ。
20. 前記積層体が、接着剤のない接着により接合される請求項１９に記載の積層体ウェブ。
21. 前記接着箇所が、少なくとも３：１の縦横比を有する別個の熱接着である請求項１９に記載の積層体ウェブ。
22. 前記接着箇所が、少なくとも１０：１の縦横比を有する別個の熱接着である請求項１９に記載の積層体ウェブ。
23. 前記第一又は第二の延伸性ウェブが不織布を含む請求項１９に記載の積層体ウェブ。
24. 前記第三素材が、セルロース性ティッシュペーパーを含む請求項１９に記載の積層体ウェブ。
25. 前記第三素材が、金属ホイルを含む請求項１９に記載の積層体ウェブ。
26. 前記第三素材が、ポリマーフィルムである請求項１９に記載の積層体ウェブ。
27. 前記第三素材が、連続気泡フォームである請求項１９に記載の積層体ウェブ。
28. 複数の孔を有する積層体ウェブを含む使い捨て吸収性物品であって、
    ａ）複数の別個の接着箇所で接合する第一及び第二延伸性ウェブ；
    ｂ）前記第一及び前記第二延伸性ウェブの間に配置される第三素材であって、前記第一及び第二延伸性ウェブのいずれよりも小さい広がるための伸長を有する該第三素材；及び
    ｃ）孔を介する流体連通であり、坪量、繊維配向、厚さ、及び密度から成る群から選択される少なくとも一つの特性により識別される明確な領域を有する前記第一及び第二延伸性ウェブ；
    を含む使い捨て吸収性物品。
29. 前記第一又は第二延伸性ウェブが、不織布を含む請求項２８に記載の使い捨て吸収性物品。
30. 前記第三素材が吸収性ゲル化素材を含む請求項２８に記載の使い捨て吸収性物品。
31. 積層体ウェブの形成方法であって、
    （ａ）熱可塑性素材を含む第一及び第二ウェブ素材の提供；
    （ｂ）少なくとも一つの第三ウェブ素材の提供；
    （ｃ）複数の突出部を有する熱的点接着機の提供；
    （ｄ）面対面の層の関係の前記第一ウェブ素材と前記第二ウェブ素材の間の前記第三ウェブ素材の前記熱的点接着機までの案内；
    （ｅ）前記第三ウェブ素材が前記第一及び第二ウェブ素材の間に位置している状態において、前記第三ウェブ素材に孔を形成するために、別個の間隔を置いた位置での前記第三ウェブ素材と前記突出部との置換；及び
    （ｆ）前記突出部と一致する別個の空間を置いた位置で接着箇所を形成するために、前記第一ウェブ素材及び前記第二ウェブ素材を熱的に点接着し、それにより接着した積層体の形成；
    の工程を含む積層体ウェブの形成方法。
32. 前記第三ウェブ素材が、孔なしの状態で提供される請求項３１に記載の方法。
33. 前記第三ウェブ素材が、前記接着箇所の周囲にて前記熱的点接着に包含される請求項３１に記載の方法。
34. 有孔積層体ウェブを形成する方法であって、
    （ａ）熱可塑性素材を含む第一及び第二ウェブ素材の提供；
    （ｂ）前記第一又は第二ウェブ素材のいずれよりも小さい広がるための伸長を有する少なくとも一つの第三ウェブ素材の提供；
    （ｃ）複数の突出部を有する熱的点接着機の提供；
    （ｄ）伸長手段の提供；
    （ｅ）面対面の層をなす関係の前記第一及び前記第二ウェブ素材の間で前記第三ウェブ素材の前記熱的点接着機までの案内；
    （ｆ）前記第三ウェブ素材が前記第一及び第二ウェブ素材の間に位置している状態において、前記第三素材に孔を形成するために、別個の空間を置いた位置で前記第三ウェブ素材と前記突出部との置換；
    （ｇ）前記突出部に対応する別個の空間を置いた位置で前記第一及び前記第二ウェブ素材を熱的点接着し、それによる接着した積層体の形成；及び
    （ｈ）有孔積層体ウェブを形成するための、前記接着した積層体の伸張；
    の工程を含む有孔積層体ウェブを形成する方法。
35. 前記第一及び第二ウェブ素材が、不織布繊維を含む請求項３４に記載の方法。
36. 前記熱的点接着機が、模様付きカレンダーローラを含む請求項３４に記載の方法。
37. 前記伸長手段が増加的伸長を含む請求項３４に記載の方法。
38. 前記熱的点接着機の前記突出部が、３及び２０の間の縦横比を有する請求項３４に記載の方法。
39. 前記熱的点接着機の前記突出部が、１０の縦横比を有する請求項３４に記載の方法。

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