JP3590971B2 - 吸収性物品の表面材及び該表面材のための交絡不織布の製造方法 - Google Patents

吸収性物品の表面材及び該表面材のための交絡不織布の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は紙おむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品の表面材及び該表面材のための交絡不織布の製造方法に関するものであり、詳しくは、疎水部区域及び低疎水部区域を適宜の箇所に有した吸収性物品の表面材及び該表面材のための交絡不織布の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
紙おむつ、生理用ナプキン等における表面材は、漏れ防止を意図し、中央部が親水化/サイド部が疎水化による区域化が行われている。このため、親水性または疎水性の単一の機能しか有しない不織布に、区域化による相反する機能を与える不織布が望まれている。従来、特開昭60−226581号公報にはこれらの機能を持たせるため、2種の機能の異なる不織布を接合して、中央部が低疎水性の親水部区域とし、サイド部を水の難透過性の疎水部区域としたものがある(アウトライン方式)。
しかしながら、上記特開昭60−226581号公報に記載された機能性不織布では、その製造工程が複雑で、加工性も悪くなるおそれがあった。また、紙おむつ、生理用ナプキン等の表面材に使用する場合には、機能性不織布の中央部の親水度はドライ感向上のためにある程度疎水性である方が良く、より理想的にはサイド部/中央部の疎水レベルがある程度の差を持って調整されていることが望ましく、表面材における課題となっている。
【0003】
また、加工適性上、貼り合わせる不織布は、伸び等の物理特性が近いもの同士である必要があり、通常、寸法安定性の良いスパンボンド不織布やエンボスによるサーマルボンド不織布等の薄く、ペーパーライクな硬い不織布で構成される場合が多い。乳児の股ぐり部等の肌に触れることを考慮すると、あかぎれ、かぶれ等の防止の点でもより風合いの良い不織布が望まれる。また、不織布に穿孔する技術としては、従来、特開昭48−27070号公報や特開昭62−125061号公報、特開平2−216252号公報等に加熱されたピンによる穿孔が提案されている。
しかし、このピンの加熱温度が構成する繊維の融点以上であれば、孔周囲部に溶融玉や硬化部を形成するため、風合いを著しく悪化させ、実用に適さない。また、融点以下の温度でピンを加熱すると、上記溶融玉や硬化部の発生はなくなるが、孔の形態保持性が不十分であり、目的とする機能の発現ができない。
【0004】
特開平3−137257号公報や特開平3−260153号公報、特開平5−51355号公報のように、近年、メルトブローンを用いた穿孔も提案されている。
しかし、メルトブローンはウエブ強度が低いため、支持材との複合を必要とし、製法的にもコスト的にも有用でない。また、メルトブローン独自の風合いは表面材として必ずしも適切でない上、表面材に対する摩擦にも弱い欠点を抱えている。
【0005】
一方、穿孔不織布として、衛生材料へ適用する方法は、水流交格法が一般に挙げられ、本発明に類似する方法として、間隔を置いて水流ノズルを配置し、シート面上に配列模様を作る特開昭61−6355号公報が提案されている。
しかし、本発明の目的とするところは、最終製品の幅に最適化された、中央穿孔部と、サイド無穿孔部を、所望のバランスで配置し、しかも、その疎水度を一定の範囲にコントロールすることであり、単なる孔配列模様で得ることではない。つまり、中央部の親水度はドライ感向上にとっては疎水性である方が良く、より理想的にはサイド部/中央部の疎水レベルがある格差を持ってバランスされているのが望ましい。しかし、今までこのような技術の提案はなされていない。
従って、本発明の目的は、加工性の良いインラインで疎水部区域と低疎水部区域を区域化し、中央部の易透過性の低疎水部区域にドライ感を適宜に持たせて風合いを良くした紙おむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品の表面材及び該表面材のための交絡不織布の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、実質的に疎水性の繊維からなるカードウエブを高速流体で処理した交絡不織布からなる吸収性物品の表面材であって、
上記不織布は、水の難透過性である疎水部区域と、該疎水部区域より疎水性の低い低疎水部区域とが実質的に連続した構造であって、上記低疎水部区域は、高速流体で処理して形成した多数の穿孔を有しており、
上記疎水部区域での水注入速度が0.42g/cm2・分における耐水時間は、2分〜15分間であり、また上記低疎水部区域での上記耐水時間は、上記疎水部区域の耐水時間の2/3以下で、且つ1分〜10分間であることを特徴とする吸収性物品の表面材を提供することにより上記目的を達成したものである。
また、本発明は、上記吸収性物品の表面材のための交絡不織布の製造方法であって、
一以上の移動支持体上で、カードウエブを高速流体によって処理
上記支持体の少なくとも一の支持体に、穿孔を形成するための凸状の穿孔形成部を有した穿孔用支持体を用い、該支持体上で上記カードウエブの所定区域を高速流体によって処理して、上記低疎水部区域を形成するに際して、
上記穿孔用支持体は、穿孔を形成するための凸状の穿孔形成部を有し且つその側縁部の少なくとも幅2mm以上の部分に該側縁に向かって薄くしたテーパ面が形成されている穿孔用支持部材と、該穿孔用支持部材より幅広の非穿孔用支持部材とからなり、上記非穿孔用支持部材上の所定の位置に上記穿孔用支持部材を重ねた状態で用いることを特徴とする吸収性物品の表面材のための交絡不織布の製造方法を提供することにより上記目的を達成したものである。
【0007】
【作用】
本発明の吸収性物品の表面材によれば、低疎水部区域の耐水時間は疎水部区域に対して、一定の範囲に調整されており、表面材中央部に一定のドライ感を与え、サイド部で液の漏れ防止効果を発揮することができる。また、低疎水部区域は多数の穿孔を有し、穿孔数が実質的に調整可能であるため、その親水性及び疎水性の調整がなされる。このため、低疎水部区域と疎水部区域とは連続したインラインによる区域化が好適になされている。
また、本発明の吸収性物品の表面材のための交絡不織布の製造方法によれば、穿孔形成部を有する支持体を製造ライン等で用い、低疎水部区域を高速流体で処理するため、穿孔位置、穿孔径、及び穿孔数を調整しながら形成することができ、疎水性の異なる複数の不織布を重合することなく低疎水部区域の親水性または疎水性を適宜に調整することができる。
【0008】
【本発明の好ましい実施の態様】
以下、本発明の吸収性物品の表面材及び該表面材のための交絡不織布の製造方法を図1〜図6に示す実施の態様に基づき説明する。尚、各図中、図1は製造ライン上における本発明の吸収性物品の表面材のための交絡不織布の部分斜視図、図2は本発明の吸収性物品の表面材のための交絡不織布を製造するための製造装置の斜視図、図3は図2に示す製造装置の穿孔処理に用いる穿孔用支持体の一実施態様を示した部分斜視図、図4は、別の穿孔用支持体の実施態様を示した部分斜視図、図5は図4に示す穿孔支持体のI−I断面図、図6は、更に別の穿孔支持体の実施態様を示した斜視図である。
【0009】
本発明に係る吸収性物品の表面材は、図1に示す如く、水の難透過性の疎水部区域1Aと、該疎水部区域1Aより水の易透過性の低疎水部区域1Bとが実質的に連続した構造であって、上記低疎水部区域1Bは高速流体で処理して形成した多数の穿孔2(図1においては強調されている。)を有している。
即ち、表面材は、実質的に1種類の疎水性不織布であり、図1においては、製造ライン上に帯状の2つの不織布1、1材料が形成されており、各不織布1は、インラインで疎水部区域1A、1Aとの間に低疎水部区域1Bを区域化したものとなっている。
【0010】
不織布1からなる表面材は、水注入速度が0.42g/cm2・分における上記疎水部区域の耐水時間が2〜15分間であり、耐水時間の測定方法は、後述する実施例に示す条件で行われる。上記疎水区域1Aの耐水時間が15分以上となると、高撥水化により構造繊維が帯電しやすくなり、不織布製造工程にトラブルが発生しやすくなる。また、不織布全体も帯電し、その取扱いが難しくなる。尚、疎水部区域1Aの耐水時間が小さすぎると液の防水効果が悪くなる。
低疎水部区域1Bの耐水時間は、疎水部区域1Aの耐水時間の2/3以下で、且つ1〜10分間であることが重要である。耐水時間の割合が2/3を上回ると、疎水性の格差が小さいため低疎水部区域1Bの液透過性と疎水部区域1Aの液不透過性とのバランスが悪くなり、漏れ防止効果が低下する。低疎水部区域1Bの耐水時間が小さすぎると、ドライ感を失うおそれがある。
【0011】
不織布1からなる表面材における上記低疎水部区域1Bの多数の孔2、2・・は、高速流体によって穿孔処理されたものである。区域1Bの孔2は、円換算でφ0.7mm〜φ4mm、その開孔面積率は区域1Bに対して5〜40%の範囲で開孔するこが望ましく、このような範囲では、体液の透過、及び区域1Aとの疎水バランスを目的とする機能に合せることができる。孔2がφ0.7mm未満では区域1Aと区域1Bとの疎水バランスのコントロールが難しい上、技術的にも穿孔2が容易でない。孔2がφ4mmを越えると、同様に疎水バランスが崩れ、肌ざわりも悪くなり、穿孔も同様に難しい。
【0012】
不織布1からなる表面材の坪量は20g/m2〜50g/m2の範囲にあるのが好ましい。20g/m2未満では不織布の強度が足りない上、ムラも激しい。また逆に50g/m2を越えるとコスト的に不利な上、穿孔に必要なエネルギーも増大する。
【0013】
不織布1からなる表面材を構成する繊維は熱可塑性繊維、例えば、PET、PBT等のポリエステル系、PE、PP等のオレフィン系、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系、アクリル系等が挙げられ、実質的に疎水性の繊維から成る。また、最終的不織布状態で疎水性であればよく、繊維表面に濡れ性、工程性を考慮した界面活性剤等が付与されていても良い。同様に、非熱可塑性繊維、例えば、レーヨン、コットン等の天然系の親水性繊維を疎水化処理しても良い。また、該繊維は前記樹脂の組合わせから成る芯/鞘型またはサイドバイサイド型の複合繊維や、流体処理後に分散する分割繊維でも良い。このとき、カード適性、穿孔適性、風合い上、カード前の繊維の繊度は0.5デニール〜3デニールが好ましく、繊維の長さは、カード適性上20mm〜75mmの範囲が好ましい。また、繊維の疎水性が高すぎると、カード工程で帯電し、カードへ巻き付き等のトラブルを発生する。このため繊維は帯電防止の界面活性剤等を処理したものが好ましい。
【0014】
次に、本発明に係る表面材のための交絡不織布の製造方法を図2乃至図6に従って説明する。図2に示す如く、上記不織布1は、所定方向に移動させられる支持体5、6上で、カードウエブ4(不織布1、1の原料)を高速流体で処理したものである。
しかして、上記支持体6を、微細な穿孔を形成するための凸状の穿孔形成部を有した穿孔用支持体とし、該穿孔用支持体6上で上記カードウエブ4の所定の区域を高速流体で処理して、上記低疎水部区域1B、1Bを形成するものである。また、上記穿孔用支持体6の前段に、非穿孔用の支持体5を設け、該前段で、上記カードウエブ4の全幅を高速流体で処理することができる。
本発明に係る表面材のための不織布の製造方法を更に説明すると、図2において、不織布の製造装置10には、ロール11、11・・を周回する非穿孔用支持体5、及びロール12、12・・を周回する穿孔用支持体6が設けられる。非穿孔用支持体5及び穿孔用支持体6のそれぞれの上方には、高速エア(高速流体)を噴出するノズル13、13・・及び14、14・・が設けられ、上記ウエブ4は、上記支持体5及び6上を移動させられて、ノズル13及びノズル14からの高速エアの処理を受ける。
【0015】
非穿孔用支持体5は、ウエブ4を通常の高速流体で処理するためのコンベアネットであり、ウエブ4に上述したφ0.7mm〜φ4mm程度の微細な穿孔を形成するような凸状の穿孔形成部は形成されていない。一方、穿孔用支持体6は、微細な穿孔を形成する凸状の穿孔形成部を全体に有している。穿孔形成部の構造は、凸状もしくは突起状の形状を部分的に有しており、流体透過部を持つパンチングメタルに凸部を成形したものや、特殊編み加工による突起状のネットコンベアに成っており、特に好ましくは凸状部の最頂部と、凸状部の根元部との高低差が1mm以上と成っているのが良い。
また、ノズル13は、ウエブ4の全幅に向けて高速エアを噴出するが、ノズル14は、ウエブ4の所定の部分(不織布の1B部分と対向する部分)に向けて高速エアを噴出するようになっている。また、支持体6の後段には、複数の回転スリット15、・・が設けられ、ウエブ4を2つの不織布1、1に裁断している。
このような構成において、ウエブ4を上記支持体5、6上に移送させると、支持体6上で、ノズル14からの高速エア流により、ウエブ4は、所定の位置に0.7乃至4mm程度の穿孔2、・・が形成され、その部分が低水部区域1Bとなり、所定の幅に裁断されて上記不織布1、1となる。
【0016】
次に、本発明に係る表面材のための不織布の製造方法の別の態様を図3に従って説明する。図3に示す如く、穿孔用支持体7は、図2の製造装置10の支持体6の代わりにロール12に取り付けられ、また、ノズル14は、ノズル13と同様にウエブ4の全幅に向けて高速エアを噴出するようになっている。
穿孔用支持体7は、微細な穿孔を形成するための凸状の穿孔形成部7Bと非穿孔形成部7Aとが連続して設けられている。即ち、穿孔用支持体7には、非穿孔形成部7A、7Aが移動方向に沿って帯状に形成されると共に、非穿孔形成部7A、7Aの間には穿孔形成部7B、7Bが形成されている。穿孔形成部7Bは、上述したと同様な穿孔のための凸状部が形成されている。
このような構成においても、上述と同様な処理が成され、本発明に係る表面材のための不織布1を形成することができる。
【0017】
次に、本発明に係る表面材のための不織布の製造方法の別の態様を図4及び図5に従って説明する。図4及び図5に示す如く、穿孔用支持体8全体としては、微細な穿孔を形成するための凸状の穿孔形成部9Bを有し且つその側縁部の少なくとも幅2mm以上の部分9A、9Aに該側縁に向かって薄くしたテーパ面が形成されている穿孔用支持部材9と、該穿孔用支持部材9より幅広非穿孔用支持部材8Aとからなり、上記非穿孔用支持部材8A上の所定の位置に穿孔用支持部材9、9を重ねた状態で用いている。尚、穿孔用支持体8は、図1の製造装置10の支持体6の代わりにロール12に取り付けられ、また、ノズル14は、ノズル13と同様にウエブ4の全幅に向けて高速エアを噴出するようになっている。
このような構成においても、上述と同様な処理が成され、本発明に係る表面材のための不織布1を形成することができる他、更に、他品種への型換え、製品幅の変更等が簡単にできる。
【0018】
しかしながら、上記二重支持体の構成では、非穿孔用支持部材上に凸状穿孔支持部材を重ねるため、凸状の穿孔用支持部材の厚さの分が段差となる。このため、この境界部に対向するウェブは高速流体により乱れ、大きな孔が生じ易く、凸状の穿孔用支持部材の厚みが増すとその傾向が増大し、破れ易くなる不具合があった。
これに対し、本発明に係る上記二重支持体8では、凸状の穿孔用支持部材9の両側縁から2mm以上の縁部9A、9Aに、縁に向かって支持部材9の厚みを薄くしていくテーパ面が設けられているため、非穿孔用支持部材8Aとの境界部と対向するウエブ4部分には、大きな孔や破れが生じない。この場合、テーパを付ける部分は広いほうが良いが、目標機能に合わせ、テーパ部分の幅を設定し、区域1Aと区域1Bの疎水バランスを調整することができる。またこの時、凸状穿孔支持部材9のサイズや高速流体の処理条件等により、区域1Aから区域1Bに向かって疎水性の勾配ができる場合があるが、区域1Aの1/2以下の耐水時間を区域1Bとの境界として、区域1Bの幅を設定すればよい。
【0019】
次に、本発明に係る表面材のための不織布の製造方法の別の態様を図6に従って説明する。図6に示す如く、穿孔用支持体20は、ドラム型とすることができる。即ち、図1の製造装置10の支持体6の代わりに、ノズル14に対向させて、上記ドラム型穿孔用支持体20を配することができる。穿孔用支持体20は、微細な穿孔を形成するための穿孔形成部20Aと非穿孔形成部20Bとが連続して設けられている。
このような構成においても、本発明に係る表面材のための不織布の製造をすることができ、ドラム構造にすることにより、設備の小スペース化、コンパクト化に有利となっている。また、コンベア型の場合、通常エンドレスにコンベアを繋ぐが、図4のように支持部材を重ねる方法においては、コンベアを駆動するロール12の径や重ねた支持部材の厚さ分、周長差を生じ、エンドレス構造にするのが難しい。これに対し、ドラム構造では容易に重ね構造の支持体にすることができる。
【0020】
本発明に係る表面材は、不織布がインラインで区域化され、しかもサイド部/中央部の疎水レベルがある格差をもって調整されているうえ、高速流体による交絡不織布であるため、漏れを著しく低減し、中央部表面のドライ感と風合いによって優れた使用感が得られることとなる。また、上記不織布の製造方法によれば、2種の不織布を貼り合わせることなく、不織布の製造ラインで2つの区域化を同時に行うことができ、疎水レベルが高く、風合いの優れた表面材を提供することができる。
上記各実施の態様においては、ウエブ4から2つの不織布を形成したが、これに限るものではなく、1又はそれ以上の不織布を一緒に製造してもよい。
【0021】
【実施例】
以下、本発明に係る表面材の実施例を説明するが、本発明は、以下の実施例に限るものではない。
(実施例1)
帝人(株)のPET繊維1.5d×38mmから成るカードウェブを76メッシュの非穿孔用ネットコンベア支持体上で、流体の吐出圧40kg/cm2で1次処理し、次いで、18メッシュの凸状の穿孔用支持体を前記76メッシュの支持体上に幅100mmの部分だけ重ねて載せ、流体の吐出圧40kg/cm2で部分的に穿孔処理し、次いで乾燥し、実施サンプル1を作成した。
【0022】
(実施例2)
大和紡績(株)のPP繊維2d×51mmから成るカードウェブを実施例1と同様に処理し、実施サンプル2を作成した。
(実施例3)
大和紡績(株)のPP/PET複合型17分割繊維3d×45mmから成るカードウェブを実施例1と同様に処理し、実施サンプル3を作成した。
(実施例4)
帝人(株)のPET繊維1.5d×38mm70%、大和紡績(株)のレーヨン繊維1.5d×45mm30%の混率でカードウェブを作成し、実施例1と同様に処理し、最後に疎水性の界面活性剤を付着し、実施サンプル4を作成した。
【0023】
(比較例1)
帝人(株)のPET繊維1.5d×38mmから成るカードウェブを76メッシュのネットコンベア支持体上で、流体の吐出圧40kg/cm2で1次処理し、次いで、特殊突起金属ネットの凸状の穿孔用支持体を前記76メッシュの支持体上に幅100mmの部分だけ重ねて載せ、流体の吐出圧40kg/cm2で部分的に穿孔処理し、次いで乾燥し、比較品1を作成した。
(比較例2)
帝人(株)のPET繊維1.5d×38mmから成るカードウェブを76メッシュのネットコンベア支持体上で、流体の吐出圧40kg/cm2で1次処理し、次いで、40メッシュの凸状の穿孔用支持体を前記76メッシュの支持体上に幅100mmの部分だけ重ねて載せ、流体の吐出圧40kg/cm2で部分的に穿孔処理し、次いで乾燥し、比較品2を作成した。
(比較品3)
大和紡績(株)のレーヨン繊維1.5d×45mmから成るカードウェブを作成し、実施例1と同様に処理し最後に疎水性の界面活性剤等を付着せずに、比較品3を作成した。
【0024】
(比較品4)
疎水性の高い区域として、PEの20g/m2スパンボンド不織布を、疎水性の低い区域として、親水化処理された大和紡績(株)のPET/PEの芯/鞘構型複合繊維2d×51mmから成るサーマルボンド不織布を貼り合わせ、部分的に疎水性の異なる不織布、比較品4を作成した。
(比較品5)
疎水性の高い区域として、疎水化処理された大和紡績(株)のPET/PEの芯/鞘型複合繊維2d×51mmから成るサーマルボンド不織布を、疎水性の低い区域として、親水化処理された大和紡績(株)のPET/PEの芯/鞘構型複合繊維2d×51mmから成るサーマルボンド不織布を貼り合わせ、部分的に疎水性の異なる不織布、比較品5を作成した。
表1に、実施例1〜4、比較例1〜5の特性として性能を以下に示す方法により試験した結果を示す。
【0025】
(測定方法)
孔径:画像解析装置により測定。
耐水時間:図7に示す様な断面積が9.6cm2の円筒管40に不織布1を挟んで、1分間に約4gの注入速度でイオン交換水を入れていき、液が不織布1を通って下に洩れるまでの時間を測定する。
液戻り:尿を想定した、粘度1c.p.の低粘性液体150gをサンプルに注入し、一定時間後に加圧させ、内部より不織布を通って戻ってくる試験液量を測定する。
【0026】
【表1】
Figure 0003590971
【0027】
(その他の評価基準)
◎:実用上理想的なレベル
○:実用上問題のないレベル
△:実用上不安のあるレベル
×:実用性の低いレベル
(結果)
表1に示す結果によれば、本発明品は連続した不織布構造であるだけでなく、吸収性物品の表面材に要求される諸特性と、優れた風合いを兼ね備えたものであることが判る。
【0028】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品の表面材は、オムツ製造工程、オフライン等の工程で2種類の不織布の貼り合わせをすることなく、インラインで区域化し、しかも、サイド部/中央部の疎水レベルがある格差を持ってバランスされているうえ、高速流体による交絡不織布であるため、従来より風合いの良い中央部のドライ感を向上した実質的に洩れ防止効果の高い表面材とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吸収性物品の表面材のための不織布の製造ライン上での斜視図である。
【図2】本発明に使用される、不織布の製造装置の概略説明図である。
【図3】本発明に使用される製造装置に用いられる穿孔用支持体の斜視図である。
【図4】本発明に使用される製造装置に用いられる別の穿孔用支持体の斜視図である。
【図5】図4のI−I断面図である。
【図6】本発明に使用される製造装置に用いられる別のドラム型穿孔用支持体の斜視図である。
【図7】耐水時間を測定するための器具の概略断面図である。
【符号の説明】
吸収性物品の表面材のための交絡不織布
1A 水部区域
1B 低水部区域
4 カードウエブ
5 非穿孔用支持体
6、7、8、20 穿孔用支持体
9 穿孔用支持部材
10 織布の製造装置
13、14 高圧エア噴出ノズル

Claims (3)

  1. 実質的に疎水性の繊維からなるカードウエブを高速流体で処理した交絡不織布からなる吸収性物品の表面材であって、
    上記不織布は、水の難透過性である疎水部区域と、該疎水部区域より疎水性の低い低疎水部区域とが実質的に連続した構造であって、上記低疎水部区域は、高速流体で処理して形成した多数の穿孔を有しており、
    上記疎水部区域での水注入速度が0.42g/cm2・分における耐水時間は、2分〜15分間であり、また上記低疎水部区域での上記耐水時間は、上記疎水部区域の耐水時間の2/3以下で、且つ1分〜10分間であることを特徴とする吸収性物品の表面材
  2. 請求項1記載の吸収性物品の表面材のための交絡不織布の製造方法であって、
    一以上の移動支持体上で、カードウエブを高速流体によって処理
    上記支持体の少なくとも一の支持体に、穿孔を形成するための凸状の穿孔形成部を有した穿孔用支持体を用い、該支持体上で上記カードウエブの所定区域を高速流体によって処理して、上記低疎水部区域を形成するに際して、
    上記穿孔用支持体は、穿孔を形成するための凸状の穿孔形成部を有し且つその側縁部の少なくとも幅2mm以上の部分に該側縁に向かって薄くしたテーパ面が形成されている穿孔用支持部材と、該穿孔用支持部材より幅広の非穿孔用支持部材とからなり、上記非穿孔用支持部材上の所定の位置に上記穿孔用支持部材を重ねた状態で用いることを特徴とする吸収性物品の表面材のための交絡不織布の製造方法。
  3. 上記穿孔用支持体の前段に、非穿孔用の支持体を設け、該前段で、上記カードウエブの全幅を高速流体で処理することを特徴とする請求項記載の吸収性物品の表面材のための交絡不織布の製造方法
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