JPH0734220A - 蒸着膜の形成方法 - Google Patents

蒸着膜の形成方法

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JPH0734220A
JPH0734220A JP19537093A JP19537093A JPH0734220A JP H0734220 A JPH0734220 A JP H0734220A JP 19537093 A JP19537093 A JP 19537093A JP 19537093 A JP19537093 A JP 19537093A JP H0734220 A JPH0734220 A JP H0734220A
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JP
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resin
coating film
vapor deposition
film
semi
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JP19537093A
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English (en)
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Norinaga Nakamura
典永 中村
Kiyotaka Takematsu
清隆 竹松
Motohiro Oka
素裕 岡
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蒸着により金属又は金属酸化物等の無機質材
料の蒸着膜を樹脂基材上又は樹脂層上に形成する方法に
おいて、密着性が十分である無機質材料の蒸着膜の形成
方法を提供する。 【構成】 基材に、電離放射線硬化型樹脂を含む樹脂組
成物を塗工して中間樹脂塗膜を形成し、前記塗膜を半硬
化状態とし、前記半硬化状態の中間樹脂塗膜上に、無機
質材料を蒸着して蒸着膜を形成し、次いで電離放射線を
照射して前記半硬化塗膜を完全硬化させる。得られた蒸
着膜は、密着性が十分であり、蒸着膜の剥離が防止され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品包装材料等のガス
バリア性シート材料、導電性膜、反射防止膜等の各種機
能性蒸着膜に利用される無機質材料の蒸着膜形成方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品包装材料等のガスバリア性シ
ート材料、導電性膜、反射防止膜等の製造においては、
樹脂基材上、又は基材に各種機能を有する樹脂層を積層
したものの上に蒸着により金属、金属酸化物等の無機質
材料の蒸着膜を形成することが行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記蒸
着により金属又は金属酸化物等の無機質材料の蒸着膜を
樹脂基材上又は樹脂層上に形成する方法は、樹脂表面と
無機質材料の薄膜との接合において両者が異種材料であ
るために、密着性が十分ではなく、剥離が生ずることが
あった。
【0004】そこで本発明は、基材の材質に特に限定さ
れることなく、また、基材を特に樹脂とした場合におい
ても、それらの各種基材の表面に無機質材料の蒸着膜を
形成しても、密着性を十分なものとすることができる蒸
着膜の形成方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために本発明は、基材上に電離放射線硬化型樹脂を含む
樹脂組成物を塗工して塗膜を形成し、前記塗膜を半硬化
状態とし、前記半硬化状態の塗膜上に、無機質材料を蒸
着して蒸着膜を形成し、電離放射線を照射して前記半硬
化塗膜を完全硬化させることを特徴とする蒸着膜の形成
方法とする。
【0006】また本発明は、基材上に電離放射線硬化型
樹脂を含む樹脂組成物を塗工して中間樹脂塗膜を半硬化
状態に設け、一方、離型紙上に蒸着層を形成し、前記蒸
着層が形成された離型紙と、前記中間樹脂塗膜が形成さ
れた透明樹脂基材とを、前記中間樹脂塗膜と前記蒸着層
が向かい合うように密着させて接合し、前記半硬化の中
間樹脂塗膜を完全硬化させ、次いで前記離型紙を剥ぐこ
とにより前記蒸着層を前記中間樹脂塗膜に転写させるこ
とを特徴とする蒸着膜の形成方法とするものである。
【0007】また本発明は、離型紙上に蒸着層を形成
し、その蒸着層の上に電離放射線硬化型樹脂を含む樹脂
組成物を塗工して中間樹脂塗膜を半硬化状態に設け、前
記蒸着層と中間樹脂膜が形成された離型紙に対して、基
材を前記中間樹脂塗膜を内側にして密着させて接合し、
前記半硬化の中間樹脂塗膜を完全硬化させ、次いで前記
離型紙を剥ぐことにより前記蒸着層を前記中間樹脂塗膜
に転写させることを特徴とする蒸着膜の形成方法とする
ものである。
【0008】本発明の蒸着膜の形成方法に適用される基
材の種類は特に限定されず、樹脂塗膜が形成できるもの
であれば、どのような種類の基材でも適用できるが、本
発明は、従来、密着性に乏しかった樹脂基材に対して無
機質材料を蒸着する場合に、特に効果的に適用できる。
【0009】本発明において、中間樹脂塗膜を半硬化状
態として蒸着膜を密着させることができる樹脂には、電
離放射線硬化型樹脂を含む樹脂組成物が好適に使用でき
る。このような樹脂には次に例示するものが挙げられ
る。すなわち、電離放射線硬化型樹脂の単独、電離
放射線硬化型樹脂に粘着性を有する樹脂を混合したも
の、電離放射線硬化型樹脂に熱硬化型樹脂を混合した
もの、固相反応型電離放射線硬化型樹脂が使用され
る。
【0010】電離放射線硬化型樹脂:上記中間樹脂塗膜
を形成する樹脂〜に使用される電離放射線硬化型樹
脂の例には、好ましくは、アクリレート系の官能基を有
するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹
脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、
ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹
脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、
多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレー
ト等のオリゴマーまたはプレポリマーおよび反応性希釈
剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N
−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モ
ノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレー
ト、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1、6
−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量
に含有するものが使用できる。
【0011】さらに、上記の電離放射線硬化型樹脂を紫
外線硬化型樹脂とするには、この中に光重合開始剤とし
て、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベ
ンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テ
トラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン
類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルア
ミン、トリーn−ブチルホスフィン等を混合して用いる
ことができる。特に本発明では、オリゴマーとしてウレ
タンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート等を混合するのが好ましい。
【0012】粘着性を有する樹脂:前記の電離放射線
硬化型樹脂に混合される粘着性を有する樹脂には、電離
放射線硬化型樹脂に粘性を付与するものであり、粘着剤
と電離放射線硬化型樹脂との混合物から形成するのが好
ましいが、電離放射線硬化型樹脂が未架橋状態で液状で
はなく且つ粘着性を有していればそのまま使用すること
ができる。特に、塗膜の硬度を高く保つためにはポリメ
チルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等の熱
可塑性樹脂が好適に使用できる。
【0013】その他の樹脂には、従来公知の粘着テープ
や粘着シールに使用されているものでもよく、例えば、
ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレン
ブタジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム等の
ゴム系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリ
ビニルエーテル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩
化ビニル/酢酸ビニル共重合系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩素化オレフィン系樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂等に適当な粘着付与剤、例え
ば、ロジン、ダンマル、重合ロジン、部分水添ロジン、
エステルロジン、ポリテルプン系樹脂、テルペン変性
体、石油系樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、フェノー
ル系樹脂、クマロン−インデン系樹脂を適宜添加し、さ
らに必要に応じて軟化剤、充填剤、老化防止剤等を添加
したものである。
【0014】電離放射線硬化型樹脂に粘着性を有する樹
脂を混合する目的は、塗膜を半硬化させ、且つ粘着性を
付与するためである。電離放射線硬化型樹脂に対する粘
着性を有する樹脂の混合割合は、電離放射線硬化型樹脂
が100重量部に対して、50重量部以下とすること
が、塗膜の半硬化の目的のためには好ましい。
【0015】熱硬化型樹脂:前記の電離放射線硬化型
樹脂に熱硬化型樹脂を混合したものに含まれる熱硬化型
樹脂には、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレ
ート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリ
エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、
アミノアルキッド樹脂、メラミン/尿素共縮合樹脂、珪
素樹脂、ポリシロキサン樹脂等があり、必要に応じて、
添加剤として、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促
進剤、溶剤、粘度調整剤、体質顔料等を添加する。前記
硬化剤として通常、イソシアネートは不飽和ポリエステ
ル系樹脂又はポリウレタン系樹脂に、メチルエチルケト
ンパーオキサイド等の過酸化物及びアゾビスイソブチロ
ニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル系樹
脂によく使用される。さらに、硬化剤としてのイソシア
ネートは、2価以上の脂肪族又は芳香族イソシアネート
が使用できる。
【0016】固相反応型電離放射線硬化型樹脂:前記
の固相反応型電離放射線硬化型樹脂は、未架橋の状態で
は常温で固体であり、かつ熱可塑性、溶剤溶解性を有し
ていながら、塗装、及び乾燥によって見かけ上、又は手
で触ったときにも非流動性(指触乾燥性)であり、かつ
非粘着性である塗膜を与える電離放射線硬化型樹脂を主
成分とするものである。具体的には、例えば、下記の
(イ)、(ロ)の2種類の樹脂が例示される。また、特
開平1−202492号公報にも同様な樹脂が開示され
ている。さらに、下記の(イ)及び(ロ)に示す樹脂を
混合して用いることもでき、また、それに対してラジカ
ル重合性不飽和単量体を加えて使用することもできる。
これらの樹脂には通常の電離放射線硬化型樹脂に用いら
れる反応性希釈剤、増感剤等が添加される。また、樹脂
硬化物に可撓性を付与するために非架橋性の熱可塑性樹
脂を添加してもよい。
【0017】(イ)ガラス転移温度が0〜250℃のポ
リマー中にラジカル重合性不飽和基を有する樹脂。
【0018】具体的には次に列挙した単量体を重合又は
共重合させたものに対し、後述するa)〜d)の方法に
よりラジカル共重合性不飽和基を導入した樹脂である。
【0019】水酸基を有する単量体:例えば、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト等がある。
【0020】カルボキシル基を有する単量体:例えば、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルモノサクシネート等がある。
【0021】エポキシ基を有する単量体:例えば、グリ
シジル(メタ)アクリレート等がある。
【0022】アジリジニル基を有する単量体:2−アジ
リジニルエチル(メタ)アクリレート、2−アジリジニ
ルプロピオン酸アリル等がある。
【0023】アミノ基を有する単量体:(メタ)アクリ
ルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート等がある。
【0024】スルフォン基を有する単量体:2−(メ
タ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸
等がある。
【0025】イソシアネート基を有する単量体:2,4
−トルエンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートの1モル対1モルの付加物などの
ジイソシアネートと活性水素を有するラジカル共重合体
の付加物等がある。
【0026】さらに,共重合体のガラス転移温度を調節
したり、硬化膜の物性を調節したりするために、上記に
列挙した各単量体と次に示す化合物を共重合させること
ができる。このような共重合可能な単量体としては、例
えば、メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチ
ル(メタ)アクリレート、gt−ブチル(メタ)アクリ
レート、イソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
【0027】上記の各単量体を重合、もしくは共重合さ
せたものに対して、次のa)〜d)の方法により、ラジ
カル重合性不飽和基を導入することによって、紫外線硬
化型樹脂又は電子線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹
脂が得られる。
【0028】a)水酸基を有する単量体の重合体または
共重合体の場合には、(メタ)アクリル酸等のカルボキ
シル基を有する単量体などを縮合反応させる。
【0029】b)カルボキシル基、スルフォン基を有す
る単量体の重合体又は共重合体の場合には、前述の水酸
基を有する単量体を縮合反応させる。
【0030】c)エポキシ基、イソシアネート基又はア
ジリジニル基を有する単量体の重合体又は共重合体の場
合には、前述の水酸基を有する単量体又はカルボキシル
基を有する単量体を付加反応させる。
【0031】d)水酸基又はカルボキシル基を有する単
量体の重合体又は共重合体の場合には、エポキシ基を有
する単量体又はアジリジニル基を有する単量体又はジイ
ソシアネート化合物と水酸基含有アクリル酸エステル単
量体の1モル対1モルの付加物を付加反応させる。
【0032】上記反応を行なうには、微量のハイドロキ
ノンなどの重合禁止剤を加え、乾燥空気を送りながら行
なうことが望ましい。
【0033】(ロ)融点が常温(20℃)〜250℃で
あり、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂。
【0034】具体的には、ステアリルアクリレート、ス
テアリル(メタ)アクリレート、トリアクリルイソシア
ネート、シクロヘキサンジオール(メタ)アクリレー
ト、スピログリコールジアクリレート、スピログリコー
ル(メタ)アクリレート等がある。
【0035】塗膜の硬化方法:本発明は、透明樹脂基材
上に塗布された中間樹脂塗膜層を指触乾燥又はハーフキ
ュア等の半硬化状態とすることにより半硬化層を形成
し、その上に金属または金属酸化物等の無機質材料を蒸
着して蒸着層を形成する。本発明において中間樹脂塗膜
層を半硬化させる理由は、完全に硬化させた中間樹脂塗
膜層上に無機材料からなる蒸着層を形成しても、両層が
異種材料であるため層間の密着性が悪く、剥離等の欠陥
が生じてしまうのに対して、主として樹脂層からなる中
間樹脂塗膜層が指触乾燥又はハーフキュアの半硬化状態
において、基材に対して斜め蒸着することにより、形成
される斜方蒸着層が中間樹脂塗膜層と密着性が良くなる
からである。
【0036】(1)溶剤乾燥型半硬化 a.溶剤乾燥型半硬化 通常の電離放射線硬化型樹脂に、溶剤を加えたものを塗
布し、溶剤を乾燥させることによって形成される塗膜の
半硬化の状態で、且つ電離放射線硬化型樹脂が硬化反応
を完了していない状態をいう。
【0037】前記組成のみでは十分な粘度が保てないの
で、溶剤乾燥型熱可塑性樹脂を加えて塗布に適した粘度
に調整する。この樹脂組成物を用いて塗膜を形成した場
合には、溶剤が乾燥時に離脱放散され、塗膜は半硬化状
態となる。
【0038】電離放射線硬化型樹脂に添加する溶剤乾燥
型熱可塑性樹脂の種類は通常用いられるものが使用され
るが、特に、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメ
タクリレートを使用する場合、塗膜の硬度を高く保つこ
とができる。
【0039】b.固相反応型電離放射線硬化型半硬化 この半硬化とは、前記固相反応型電離放射線硬化型樹脂
による半硬化の状態であり、未架橋状態において常温で
固体であり、且つ、熱可塑性及び溶剤溶解性を有し、塗
装及び乾燥によって見かけ上、あるいは、手で触ったと
きにも非流動性及び非粘着性であり、電離放射線硬化型
樹脂が硬化反応を完了していない状態をいう。
【0040】(2)ハーフキュア型半硬化 a.電離放射線硬化型樹脂半架橋型半硬化 通常の電離放射線硬化型樹脂を用いて塗布し、塗膜に紫
外線又は電子線等の電離放射線の照射条件を調整して半
架橋を行うことにより形成される半硬化の状態をいう。
【0041】b.電離放射線硬化型樹脂・熱硬化型樹脂
ブレンド型半硬化 電離放射線硬化型樹脂に熱硬化型樹脂を混合して樹脂組
成物を塗布し、塗膜に熱を加えることにより形成される
半硬化の状態をいう。
【0042】c.溶剤乾燥型・ハーフキュア型複合半硬
化 前記(1)の溶剤乾燥型半硬化の状態にさらに電離放射
線を照射して半硬化状態とする状態をいう。この半硬化
の状態は、特開平1−20249号公報に説明されてい
る半硬化状態と同じである。
【0043】塗膜の硬化方法:本発明は、基材上に塗布
された電離放射線硬化型樹脂を含む樹脂組成物の完全硬
化は、電離放射線の照射によって行う。半硬化状態の樹
脂層上に金属又は金属酸化物等の無機質材料を蒸着して
蒸着膜を形成し、その後、電離放射線を行なっているの
で、無機質材料が樹脂上に十分な密着性で接合される。
【0044】照射装置:本発明で使用される電離放射線
硬化型樹脂の硬化方法は通常の電離放射線硬化型樹脂の
硬化方法、即ち、電子線または紫外線の照射によって硬
化することができる。例えば、電子線硬化の場合にはコ
ックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、
絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波
型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000
KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギー
を有する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超
高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアー
ク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線か
ら発する紫外線等が利用できる。
【0045】
【実施例】
〔実施例1〕厚さ80μmのトリアセチルセルロースフ
ィルム(FT−UV−80:商品名、富士写真フィルム
株式会社製)上に、溶剤乾燥することにより表面に皮膜
が形成できる性質を持つ電離放射線硬化型樹脂としてア
クリルポリマー含有ポリエステルアクリレート)を5g
/dryになるように塗工し、60℃で1分間乾燥しす
ることにより、未架橋であるが、半硬化状態の塗膜を形
成した。
【0046】このフィルムをMgF2 からなる蒸着源に
対し85°の角度で設置し、MgF2 を斜方蒸着し、膜
厚1600Åの斜方蒸着膜を形成した。このフィルムに
電子線を5Mrad照射することにより、塗膜を完全硬
化させて反射防止フィルムを得た。
【0047】下記の表1に、本実施例1で得られた反射
防止フィルムのMgF2 膜の屈折率、透過率、碁盤目に
よるセロテープ密着試験、表面硬度の各試験項目につい
ての値を示す。
【0048】〔実施例2〕前記実施例1において、Mg
2 を斜方蒸着することによ代えて、MgF2 を通常の
蒸着法、即ち、基板に対して法線方向の蒸着を行なった
以外については、実施例1と同じ処理を行なって、比較
例1の反射防止フィルムを得た。
【0049】下記の表1に、比較例1で得られた反射防
止フィルムのMgF2 膜の屈折率、透過率、碁盤目によ
るセロテープ密着試験、表面硬度の各試験項目について
の値を示す。
【0050】〔比較例1〕前記実施例1と同じ電離放射
線硬化型樹脂を塗工したものに電子線5Mrad照射す
ることにより塗膜を完全硬化させ、この完全硬化塗膜上
にMgF2 を斜方蒸着し、膜厚1600Åの斜方蒸着膜
を形成した以外は、実施例1と同じ条件で反射防止フィ
ルムを製造した。下記の表1に、比較例1で得られた反
射防止フィルムのMgF2 膜の屈折率、透過率、碁盤目
によるセロテープ密着試験、表面硬度の各試験項目につ
いての値を示す。
【0051】
【表1】 表1によれば、本発明の半硬化状態の中間樹脂塗膜上に
蒸着により形成した反射防止フィルム(前記実施例1、
実施例2)は、比較例1の通常の蒸着方法に比べて、中
間樹脂塗膜に対する蒸着層の密着性がよいことがわか
る。
【0052】〔実施例3〕厚さ125μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(HP−7:商品名、帝人株
式会社製)に対して、前記実施例1と同様の条件で反射
防止フィルムを製造した。
【0053】下記の表2に、本実施例3で得られた反射
防止フィルムのMgF2 膜の屈折率、透過率、碁盤目に
よるセロテープ密着試験、表面硬度の各試験項目につい
ての値を示す。
【0054】〔実施例4〕前記実施例3において、Mg
2 を斜方蒸着することによ代えて、MgF2 を通常の
蒸着法、即ち、基板に対して法線方向の蒸着を行なった
以外については、実施例3と同じ処理を行なって、本実
施例4の反射防止フィルムを得た。
【0055】下記の表2に、本実施例4で得られた反射
防止フィルムのMgF2 膜の屈折率、透過率、碁盤目に
よるセロテープ密着試験、表面硬度の各試験項目につい
ての値を示す。
【0056】〔比較例2〕前記実施例3と同じ電離放射
線硬化型樹脂を塗工したものに電子線5Mrad照射す
ることにより塗膜を完全硬化させ、この完全硬化塗膜上
にMgF2 を斜方蒸着し、膜厚1600Åの斜方蒸着膜
を形成した以外は、実施例3と同じ条件で反射防止フィ
ルムを製造した。下記の表2に、比較例42得られた反
射防止フィルムのMgF2 膜の屈折率、透過率、碁盤目
によるセロテープ密着試験、表面硬度の各試験項目につ
いての値を示す。
【0057】
【表2】 表2によれば、本発明の斜方蒸着により形成した反射防
止フィルム(前記実施例3及び実施例4)は、半硬化状
態の中間塗膜層上にMgF2 等の無機質材料を蒸着して
蒸着膜を形成し、その後、中間塗膜を完全硬化したの
で、中間塗膜層に対する蒸着層の密着性がよい。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、半硬化状態の樹脂層上
に、無機質材料を蒸着することによって蒸着膜を形成
し、その後、電離放射線により、半硬化状態の塗膜を完
全に硬化するので、無機質材料からなる蒸着膜は、剥離
することなく、樹脂層上に十分な密着力で接合される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)基材上に電離放射線硬化型樹脂を
    含む樹脂組成物を塗工して中間樹脂塗膜を形成し、 (2)前記中間樹脂塗膜を半硬化状態とし、 (3)前記半硬化状態の中間樹脂塗膜上に、無機質材料
    を蒸着して蒸着膜を形成し、 (4)電離放射線を照射して前記半硬化塗膜を完全硬化
    させることを特徴とする蒸着膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 (1)基材上に電離放射線硬化型樹脂を
    含む樹脂組成物を塗工して中間樹脂塗膜を半硬化状態に
    設け、 (2)一方、離型紙上に蒸着層を形成し、 (3)前記蒸着層が形成された離型紙と、前記中間樹脂
    塗膜が形成された透明樹脂基材とを、前記中間樹脂塗膜
    と前記蒸着層が向かい合うように密着させて接合し、前
    記半硬化の中間樹脂塗膜を完全硬化させ、 (4)次いで、前記離型紙を剥ぐことにより前記蒸着層
    を前記中間樹脂塗膜に転写させることを特徴とする蒸着
    膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 (1)離型紙上に蒸着層を形成し、その
    蒸着層の上に電離放射線硬化型樹脂を含む樹脂組成物を
    塗工して中間樹脂塗膜を半硬化状態に設け、 (2)前記蒸着層と中間樹脂膜が形成された離型紙に対
    して、基材を前記中間樹脂塗膜を内側にして密着させて
    接合し、前記半硬化の中間樹脂塗膜を完全硬化させ、 (3)次いで、前記離型紙を剥ぐことにより前記蒸着層
    を前記中間樹脂塗膜に転写させることを特徴とする蒸着
    膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記基材が樹脂基材である請求項1、
    2、又は3記載の蒸着膜の形成方法。
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