JP3433336B2 - Crt表面保護層形成方法 - Google Patents

Crt表面保護層形成方法

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JP3433336B2 JP01991895A JP1991895A JP3433336B2 JP 3433336 B2 JP3433336 B2 JP 3433336B2 JP 01991895 A JP01991895 A JP 01991895A JP 1991895 A JP1991895 A JP 1991895A JP 3433336 B2 JP3433336 B2 JP 3433336B2
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CRT(Cathod
e−ray Tube)の最表面に、フィルムにより表
面保護層を形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CRT製造において、そのガラス表面に
は、製造上、100μmオーダーの微小な傷があり、そ
のまま使用すると表示画像品質の低下を来すため、ガラ
ス表面の鏡面研磨加工が必要であった。また、必要に応
じて鏡面研磨加工後にさらに、1枚1枚、防眩処理等を
施すこともあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、従来のCR
Tの製造においては、鏡面研磨加工に時間がかかり、コ
ストアップとなり、しかも、鏡面研磨加工工程で不良品
となるものもあり、良品率が低下する等という問題があ
った。そして、鏡面研磨加工のみとせずに、防眩処理等
も施す場合には、さらにコストアップとなる上に、該処
理工程で発生する不良品の為に、さらに良品率が低下す
るという問題があった。
【0004】そこで、本発明の目的は、以上の如き問題
を解決した、短時間に、且つ安価に品質に優れたCRT
ガラス表面を与え得る方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のCRT表面材料は、透明な樹脂からなる基
材上に、常温で固体であり且つ熱可塑性の未硬化の電離
放射線硬化性樹脂を有する硬化性樹脂層を積層した構成
とする。
【0006】一方、本発明のCRT用表面保護層形成方
法は、鏡面加工前のCRTガラス表面に、電離放射線硬
化性樹脂液からなる接着剤を塗布した後、上記CRT用
表面材料を該表面材料の硬化性樹脂層を表側にしてラミ
ネートし、次いで電離放射線を照射して前記接着剤及び
CRT用表面材料の硬化性樹脂層を硬化させるようにし
たものである。また、上記CRT用表面保護層形成方法
において、CRT用表面材料をラミネートする前に、C
RTガラス表面の形状に予備成形するようにしたもので
もある。
【0007】以下、本発明のCRT表面保護層形成方法
を詳述する。図1はCRT用表面材料を示す断面図であ
る。同図のように、CRT用表面材料1は、透明な樹脂
からなる基材2と、基材2上に設けられた、常温で固体
であり且つ熱可塑性の未硬化の電離放射線硬化性樹脂を
有する硬化性樹脂層3とから構成される。
【0008】また、図2は、このCRT用表面材料1を
用いる、本発明のCRT表面保護層形成方法によって得
られる、CRT表面保護層の一実施例を示す断面図であ
る。すなわち、図2は、CRT用表面材料1は、CRT
ガラス5に電離放射線硬化性樹脂液からなる接着剤4を
介してラミネートされ、CRT用表面材料1がCRTガ
ラスの表面形状に沿って積層してCRTガラスの表面保
護層1となった状態の断面図である。同図のように、C
RT用表面材料1の硬化性樹脂層3は最外層となる。ま
た、CRTガラス表面の傷6は接着剤4によって埋めら
る。
【0009】CRT用表面材料1の基材2としては、表
面材の背面の映像を十分に透視できる程度に透明な樹脂
からなり、硬化性樹脂層を支持できるものであれば良
い。このような基材としては、通常フィルム状のものが
使用され、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリ
エステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリ
ル系樹脂、三酢酸セルロース等のセルーロース系樹脂、
或いはポリカーボネート樹脂等の公知の樹脂が使用でき
る。特に、CRT用表面材料を予備成形する場合には、
熱可塑性の樹脂が良い。これらの中でも、光学特性がそ
こそこで、且つ強度、コストの点で優れているポリエチ
レンテレフタレートは好適である。基材の厚さは、取扱
性、成形性等より、通常50〜400μm程度、より好
ましくは150〜300μm程度である。また、基材の
表面には公知の易接着処理を施しておいても良い。
【0010】硬化性樹脂層3は、未硬化の状態では常温
で固体であり、且つ、熱可塑性、溶剤溶解性を有してい
ながら、塗装して溶剤を乾燥した後には見かけ上、また
は、手で触ったときにも非流動性(指触乾燥性)であ
り、且つ非粘着性である塗膜を与える電離放射線硬化性
樹脂を主成分として構成される。ここで、電離放射線と
は、分子を架橋・重合させるに足るエネルギー量子を有
している電磁波や荷電粒子線からなる電離放射線を言
い、種々のものがあるが、工業的に利用できるのは、紫
外線もしくは電子線であり、このほかγ線なども利用で
きる。
【0011】上記電離放射線硬化性樹脂としては、以下
具体的に説明するように、ガラス転移温度が0〜250
℃のポリマー中にラジカル重合性不飽和基を有するもの
や、融点が20〜250℃でありラジカル重合性不飽和
基を有する化合物がある。また、これらを混合して用い
ることもでき、さらに、それらに対してラジカル重合性
不飽和単量体を加えて使用することもできる。また、樹
脂硬化物の可撓性を得る為に、非架橋型の熱可塑性樹脂
を添加してもよい。する。
【0012】(1) ガラス転移温度が0〜250℃のポリ
マー中にラジカル重合性不飽和基を有するもの:さら
に、具体的には以下の化合物〜を重合、もしくは共
重合させたものに対して後述する方法(a) 〜(d) により
ラジカル重合性不飽和基を導入したものを用いることが
できる。
【0013】水酸基を有する単量体:N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)
アクリレート等。
【0014】カルボキシル基を有する単量体:(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモ
ノサクシネート等。
【0015】エポキシ基を有する単量体:グリシジル
(メタ)アクリレート等。
【0016】アジリジニル基を有する単量体:2−ア
ジリジニルエチル(メタ)アクリレート、2−アジリジ
ニルプロピオン酸アリル等。
【0017】アミノ基を有する単量体:(メタ)アク
リルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート等。
【0018】スルホン基を有する単量体:2−(メ
タ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
等。
【0019】イソシアネート基を有する単量体:2,
4−トルエンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートとの1モル対1モルの付加物、等
のジイソシアネートと活性水素を有するラジカル重合性
単量体との付加物等。
【0020】上記〜の単量体と共重合可能で上記
〜以外の単量体:メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレ
ート、イソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート等。これらは、上記〜の単量体から得
られる重合体又は共重合体のガラス転移点や、硬化後の
硬化性樹脂層の塗膜強度を調整するための共重合成分と
して使用する。
【0021】次に、上述のようにして得られた重合体又
は共重合体を、以下の方法(a) 〜(d) により反応させて
ラジカル重合性不飽和基を導入することによって、(1)
のガラス転移温度が0〜250℃のポリマー中にラジカ
ル重合性不飽和基を有する、電離放射線硬化性樹脂が得
られる。
【0022】(a) 水酸基を有する単量体の重合体又は
共重合体の場合には、前述の(メタ)アクリル酸等の
カルボキシル基を有する単量体を縮合反応させる。
【0023】(b) カルボキシル基、又はスルホン基を
有する単量体の重合体又は共重合体の場合には、前述の
の水酸基を有する単量体を縮合反応させる。
【0024】(c) エポキシ基、イソシアネート基、又
はアジリジニル基を有する単量体の重合体又は共重合体
の場合には、前述の水酸基又はのカルボキシル基を
有する単量体を付加反応させる。
【0025】(d) 水酸基又はカルボキシル基を有する
単量体の重合体又は共重合体の場合には、前述のエポ
キシ基又はのアジリジニル基を有する単量体、あるい
は、のジイソシアネート化合物と水酸基含有アクリル
酸エステル単量体の1対1モル付加物等の、イソシアネ
ート基を有する単量体を付加反応させる。
【0026】なお、上記反応を行うには、微量のハイド
ロキノン等の重合禁止剤を加え乾燥空気を送りながら行
うことが望ましい。
【0027】(2) 融点が常温(20℃)〜250℃であ
り、ラジカル重合性不飽和基を有する化合物:例えば、
ステアリル(メタ)アクリレート、トリアクリルイシソ
アヌレート、シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、スピログリコールジアクリレート、スピログリ
コール(メタ)アクリレート等である。
【0028】さらに、前記(1) の化合物と上記(2) の化
合物とを混合した混合物も用いることもでき、さらにそ
れらに対して、反応性希釈剤としてラジカル重合性不飽
和単量体を加えることもできる。
【0029】この反応性希釈剤となるラジカル重合性不
飽和単量体は、電離放射線照射の際、架橋密度を向上さ
せ、耐熱性を向上させるものであって、前述の単量体の
他に、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジ
ルエーテルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)
アクリレート、ポリプロピレングリコールジグリシジル
エーテルジ(メタ)アクリレート、ジグリシジルエーテ
ルジ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラグリシ
ジルエーテルテトラ(メタ)アクリレート等を用いるこ
とができる。使用量は、前記した(1) の化合物、(2) の
化合物、又は(1) の化合物と(2) の化合物との混合物、
の固形分100重量部に対して、0.1〜100重量部
で用いることが好ましい。
【0030】また、上記の電離放射線硬化性樹脂は電子
線により十分に硬化可能であるが、紫外線照射で硬化さ
せる場合には、ベンゾキノン、ベンゾイン、ベンゾイン
メチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ハロゲン化
アセトフェノン類、ジアセチル類等の紫外線照射により
ラジカルを発生する公知の光重合開始剤を、さらに必要
に応じて、n−ブチルアミン、トリエチルアミン等のア
ミン類、トリ−n−ブチルホスフィン等の公知の光増感
剤等を用いることができる。
【0031】また、可撓性を調整するために、あるいは
指触乾燥を容易化するために、上記の電離放射線硬化性
樹脂に対して電離放射線非硬化性樹脂である非架橋型の
熱可塑性樹脂を1〜70重量%、好ましくは1〜50重
量%混合して用いることもできる。非架橋型の熱可塑性
樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、ブチラール樹
脂、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂
等の熱可塑性を用いることができ、特に可撓性の点から
セルロース樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂が好ま
しい。
【0032】なお、上記電離放射線硬化性樹脂を有する
硬化性樹脂層、またその支持体となる透明な樹脂からな
る基材は、必要に応じ着色させてもよい。また、基材、
硬化後の接着剤及び硬化性樹脂層は、互いに隣接する層
と、例えば、接着剤であればCRTガラスと基材と、屈
折率を同一にするようにしておくと、層間界面での光学
的な歪みをキャンセルすることができる。
【0033】硬化性樹脂層は、上記の電離放射線硬化性
樹脂を適宜な方法により、例えば溶剤で希釈した塗液と
して、ロールコート、カーテンフローコート、ワイヤー
バーコート、リバースコート、グラビアコート、グラビ
アリバースコート、エアナイフコート、キスコート、ス
ムーズコート、コンマコート等の公知の塗工手段によっ
て基材上に塗工することで得ることができる。なお、硬
化性樹脂層の厚さは、通常2〜20μm、好ましくは4
〜10μm程度とする。
【0034】また、硬化性樹脂層はCRTガラスの表面
保護層の最外層となる層である為、該硬化性樹脂層に、
防眩性、反射防止性、帯電防止性等の単独又は複数の機
能を組み合わせて付与してもよい。防眩性を付与するに
は硬化性樹脂層が熱可塑性である点を利用して、エンボ
スロールや賦形フィルムや賦形版等の賦形型による賦形
加工(例えば、賦形フィルムをラミネートしたまま電離
放射線を照射し硬化させた後、剥離する方法)にて表面
に所望の凹凸パータンを形成したり、或いは、該樹脂層
を形成する電離放射線硬化性樹脂塗液の中に、樹脂ビー
ズやシリカ等のマット剤を添加すればよい。また、反射
防止性を付与するには、公知の反射防止膜を蒸着や塗工
により形成すればよい。また、帯電防止性を付与するに
は、公知の帯電防止剤を電離放射線硬化性樹脂塗液中に
添加したり、樹脂層形成後に帯電防止プライマーを塗工
する等の方法によって、各種機能をもったCRT用表面
材料が得られる。
【0035】このようにして、透明な樹脂からなる基材
上に、常温で固体であり且つ熱可塑性の未硬化の電離放
射線硬化性樹脂を有する硬化性樹脂層を積層した、本発
明のCRT用表面材料が得られる。
【0036】そして、このCRT用表面材料をCRTの
ガラス表面に電離放射線硬化性樹脂液からなる接着剤を
用いて貼着した後、電離放射線照射して、硬化性樹脂層
及び接着剤を硬化させることで、CRT用表面材料がC
RTガラス表面の表面保護層となる。以下、このCRT
用表面材料をCRTのガラス表面に貼着してCRT表面
保護層を形成する方法について述べる。
【0037】CRT用表面材料をCRTガラス表面に接
着する接着剤としては、透明で両者を接着するものであ
れば特に制限はないが、なかでも電離放射線硬化性樹脂
液からなる接着剤が良い。このような接着剤としては、
ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エ
ポキシアクリレート等のアクリレート系プレポリマーや
アクリレート系モノマー、エポキシ、カチオン重合系、
ポリエン/チオール系等からなる公知の電離放射線硬化
性の接着剤が用いることができるが、未硬化状態で常温
で液状の電離放射線硬化性樹脂からなり無溶剤の接着剤
が、加熱硬化や溶剤乾燥が不要であり、また、接着後に
残留溶剤による気泡発生等が無い点等で好ましい。ま
た、電離放射線硬化性樹脂からなる接着剤は、前記した
硬化性樹脂層と同様に、紫外線や電子線等の電離放射線
によって硬化させる。
【0038】そして、CRT表面保護層の形成は、例え
ば、上記接着剤をCRTガラス表面上にフローコート等
の適宜な方法で塗布した面に、所望の寸法に断裁したC
RT用表面材料の基材側面を当接するようにラミネート
する。或いは、CRT用表面材料の基材側面に接着剤を
塗布して、これにCRTガラス表面を当接するようにし
てラミネートする。ラミネート時にロール等を使用すれ
ば、CRTガラス表面とCRT用表面材料との間に介在
する接着剤を押し広げられる。また、CRTガラス表面
に傷等があっても、液状の接着剤が傷を充填するので、
CRTガラス表面の鏡面研磨加工をしないもので構わな
い。
【0039】また、CRTガラス表面の形状の曲率が大
きい場合には、CRT用表面材料を予め、その曲率に対
応させて、予備成形しておくと、より大きいな曲率のC
RTガラス表面へ対応できる。CRT用表面材料の予備
成形は、例えば、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、
プレス成形、絞り成形等の公知の成形手段に行う。な
お、CRT用表面材料を、必要に応じ基材及び硬化性樹
脂層の所望の成形性が得られる温度まで加熱して行う。
【0040】硬化性樹脂及び接着剤の架橋硬化は、紫外
線や電子線等の電離放射線をCRT用表面材料側から照
射して行う。例えば、紫外線としては、超高圧水銀灯、
高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、クセノンア
ーク、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源
の紫外線が、また、電子線としては、コッククロフトワ
ルトン型、ハンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変
圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種
の電子線加速器による50〜1000keV、好ましく
は、100〜300keVの範囲のエネルギーを有する
電子線が用いられる。また、線状フィラメントからカー
テン状に連続して照射される電子線を利用すれば、被照
射体であるCRT用表面材料が貼着されたCRTガラス
を連続的に硬化させることができる。
【0041】かくして、鏡面加工前のCRTガラス表面
に対して、CRT用表面材料による表面保護層が形成さ
れる。そして、ガラス表面の微小な傷による凹凸も解消
する。
【0042】
【作用】本発明のCRT表面保護層形成方法によれば、
CRTガラス表面に貼着後に最外層となる、CRT用表
面材料の硬化性樹脂層が、貼着時には未硬化で熱可塑性
であるために曲面形状のCRTガラス表面に対しても変
形し追従できる成形性を有しているので、光学的な歪み
を発生することなくラミネートできる。そして、貼着後
に硬化性樹脂層は硬化されるために優れた表面物性が発
現する。しかも、硬化性樹脂層が電離放射線硬化性樹脂
を有する層からなり、また、接着剤にも電離放射線硬化
性樹脂液を使用するので、それらの硬化手段に電離放射
線を使用でき、CRTガラス表面に貼着した状態で対象
物が加熱されることなく硬化を速やかに行える。また最
外層となる硬化性樹脂層が電離放射線硬化性樹脂を有す
るため、耐擦傷性等の優れた表面物性が得られる。ま
た、CRT用表面材料をラミネートする前に、CRTガ
ラス表面の形状に予備成形することで、三次元曲面形状
のものへのラミネートも行える。
【0043】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を更に
具体的に説明する。
【0044】《実施例1》基材として、両面を易接着処
理した厚さ188μmの透明なポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(帝人(株)製)の片面に、紫外線硬化性
樹脂(三菱油化ファイン(株)製、トリアジン系アクリ
レート、LZ−075)のメチルエチルケトン/シクロ
ヘキサノン=2/1溶液をグラビアコーティングし、厚
み7μm(乾燥時)の硬化性樹脂層を形成して、本発明
のCRT用表面材料を得た。
【0045】一方、ラミネート部が殆ど二次曲面のCR
Tガラス表面に、接着剤として紫外線硬化性樹脂(日本
化薬(株)製、カヤラッド ASE−01)を300μ
mの厚みに塗工し、この上に、上記で得たCRT用表面
材料を重ね、CRTの端部等、そのガラス表面形状に合
わせたロールによりロール圧着してラミネートした。そ
して、高圧水銀灯により紫外線を照射量300mJ/c
2 の条件で照射して、接着剤及び硬化性樹脂層を硬化
させて、CRT表面保護層を形成した。得られた、CR
T表面保護層は、歪みもなく、CRT用として実用性を
満足するものであった。
【0046】《実施例2》実施例1において、ラミネー
ト部に三次元曲面を有するCRTガラスを用い、CRT
用表面材料をCRTガラス表面に貼着する前に、CRT
ガラス表面形状に真空ラミネーションにより所定条件で
成形した以外は、実施例1と同様にして、CRT表面保
護層を形成した。得られた、CRT表面保護層は、歪み
もなく、CRT用として実用性を満足するものであっ
た。
【0047】《比較例》実施例1において、硬化性樹脂
層の形成を、紫外線硬化性樹脂(大日精化工業(株)
製、EXG−62)をグラビアコーティングした後、高
圧水銀灯により紫外線を照射して(照射条件:160W
/cm、処理速度10m/分、4pass)、厚さ7μ
mで硬化済の硬化性樹脂層を有するCRT用表面材料と
した。そして、実施例1と同様にして、CRTガラス表
面に貼着した。その結果、得られたCRT表面保護層
は、ガラス端部周辺でCRT用表面材料に光学的歪みが
発生し、CRTとしての実用性を満たさなかった。
【0048】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明のCRT用表面
材料及びCRT表面保護層形成方法によれば、CRTガ
ラス表面の鏡面研磨加工が不要となり、曲面のガラス表
面に対して短時間に且つ安価に、光学的な歪みが少な
く、表面硬度等の表面物性に優れたCRT表面保護層が
得られる。そして、CRT表面保護層形成方法におい
て、用いるCRT用表面材料を予めCRTのガラス表面
形状に予備成形しておくことで、CRTガラス表面が三
次元曲面形状であっても表面保護層の形成が可能とな
る。また、CRT表面保護層は防爆機能も有し、ひいて
は、CRTの軽量化の効果もある。
【0049】単にCRT表面保護層に硬質の保護層を適
用すれば良いだけならば、CRT用表面材料に最初から
硬化済の硬化性樹脂層を形成しておけば良いが、CRT
ガラス表面は完全に平面ではなく、特に周辺部では三次
元的な曲面形状をしている。このため、硬化済の硬化性
樹脂層として電離放射線硬化性樹脂を使用し、その曲面
形状に追従できるある程度の成形性を具備させることも
可能ではあるが、光学的な歪みが発生し易い。一方、保
護膜に熱可塑性の樹脂層を適用すれば、成形性も問題な
く、また光学的な歪みの発生の問題も解消できる。とこ
ろが、熱可塑性の樹脂層では、保護膜として耐擦傷性等
の表面物性を具備できない。しかし、本発明では、ラミ
ネート時には熱可塑性で、ラミネート後には硬化性の樹
脂層とするために、表面物性、歪み、成形性の全ての性
能を満足する保護層が得られる。また、本発明ではラミ
ネート前の状態で硬化性樹脂層が常温で固体である為、
液状と異なりCRT用表面材料の取扱性にも優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCRT用表面材料の一実施例の断面
図。
【図2】本発明で得られたCRT表面保護層の一実施例
の断面図。
【符号の説明】
1 CRT用表面材料,CRT表面保護層 2 基材 3 硬化性樹脂層 4 接着剤(層) 5 CRTガラス 6 傷

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡面加工前のCRTガラス表面に、電離
    放射線硬化性樹脂液からなる接着剤を塗布した後、透明
    な樹脂からなる基材上に常温で固体であり、且つ熱可塑
    性の未硬化の電離放射線硬化性樹脂を有する硬化性樹脂
    層を積層したCRT用表面材料を用い、該表面材料の硬
    化性樹脂層の面とをラミネートし、次いで電離放射線を
    照射して前記接着剤及びCRT用表面材料の硬化性樹
    脂層を硬化させることを特徴とするCRT表面保護層形
    成方法。
  2. 【請求項2】 CRT用表面材料をラミネートする前
    に、CRTガラス表面の形状に予備成形することを特徴
    とする請求項記載のCRT表面保護層形成方法。
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