JP2006231114A - 積層塗布フィルムの作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 何れの界面でも密着性の良好な積層塗布フィルムを作製すること
【解決手段】 支持体上に硬化性樹脂を含有する塗液を複数(m)回塗工して積層塗布フィルムを作製する方法において、第n層上に第n+1層を塗布、乾燥後、第n層と第n+1層との界面に集光した電磁波を照射することで該界面近傍を選択的に硬化処理し、かかる処理の後に第n+2層を塗布するようにする。(ここで、mは2以上の整数、nは0以上の整数、n≦m−2であり、第0層は支持体を表わす。)上の層を塗布、乾燥後、それまでの層すべてを完全硬化する。
【選択図】 図1
【解決手段】 支持体上に硬化性樹脂を含有する塗液を複数(m)回塗工して積層塗布フィルムを作製する方法において、第n層上に第n+1層を塗布、乾燥後、第n層と第n+1層との界面に集光した電磁波を照射することで該界面近傍を選択的に硬化処理し、かかる処理の後に第n+2層を塗布するようにする。(ここで、mは2以上の整数、nは0以上の整数、n≦m−2であり、第0層は支持体を表わす。)上の層を塗布、乾燥後、それまでの層すべてを完全硬化する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、支持体上に硬化性樹脂を積層塗布して作製する積層塗布フィルムの作製方法に関し、特にディスプレイ等の表面に用いられる光学フィルム用の積層塗布フィルムの作製方法に関する。
支持体上に硬化性樹脂を積層塗布して作製する積層塗布フィルムは、様々な分野で使用されているが、近年フラットパネルディスプレイ等の画像表示装置の分野においても、画像表示装置の反射防止、防眩、耐磨耗、帯電防止、防湿等を目的として、複数の層を積層塗布して得られる積層塗布フィルムがディスプレイの表面に用いられている。
例えば、液晶表示装置(LCD)は、液晶セルとその両側に配置された二枚の偏光板からなるが、観察側の偏光板の表面には、偏光板の偏光子の保護膜も兼ねたトリアセチルセルロース(TAC)等からなるフィルム上に、ハードコート層、光散乱層、低屈折率層等が積層塗布形成され、偏光板の表面すなわち液晶表示装置の表面に、上記の耐磨耗、防眩、反射防止等の機能を付与している。
他の、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極線管(CRT)等の画像表示装置表面にも、同様に、反射防止、防眩、帯電防止等を目的とした積層フィルムが用いられる。
例えば、液晶表示装置(LCD)は、液晶セルとその両側に配置された二枚の偏光板からなるが、観察側の偏光板の表面には、偏光板の偏光子の保護膜も兼ねたトリアセチルセルロース(TAC)等からなるフィルム上に、ハードコート層、光散乱層、低屈折率層等が積層塗布形成され、偏光板の表面すなわち液晶表示装置の表面に、上記の耐磨耗、防眩、反射防止等の機能を付与している。
他の、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極線管(CRT)等の画像表示装置表面にも、同様に、反射防止、防眩、帯電防止等を目的とした積層フィルムが用いられる。
積層フィルムを支持体上に形成する方法としては、塗布に限らず、スパッタリング、蒸着等従来公知の種々の薄膜形成方法があるが、塗布による方法は、大面積のものを一度に多量に生産することが可能なので、生産性の点で有利である。
このような積層塗布フィルムを作製するには、光硬化性樹脂や熱硬化型樹脂の組成物を、例えば特許文献1に記載のディップコート法等公知の薄膜塗布方法で支持体フィルム上に塗布し、乾燥、光又は熱硬化を行うという一連の操作を各層ごとに繰返すことによって、目的とする積層塗布フィルムを得ることができる。
しかし、このように塗布・乾燥・硬化を繰返す場合に、第1層の硬化反応を完全に進行させた後に第2層を塗布/硬化すると、第1層と第2層の密着が不十分となることが知られている。このため、第1層の硬化が完全に進行する前の半硬化の状態で第2層を塗布し、その後に第1層と第2層を同時に硬化することで密着を良くすることが行われている(特許文献2)。
このような積層塗布フィルムを作製するには、光硬化性樹脂や熱硬化型樹脂の組成物を、例えば特許文献1に記載のディップコート法等公知の薄膜塗布方法で支持体フィルム上に塗布し、乾燥、光又は熱硬化を行うという一連の操作を各層ごとに繰返すことによって、目的とする積層塗布フィルムを得ることができる。
しかし、このように塗布・乾燥・硬化を繰返す場合に、第1層の硬化反応を完全に進行させた後に第2層を塗布/硬化すると、第1層と第2層の密着が不十分となることが知られている。このため、第1層の硬化が完全に進行する前の半硬化の状態で第2層を塗布し、その後に第1層と第2層を同時に硬化することで密着を良くすることが行われている(特許文献2)。
しかしながら、第1層の硬化が完全に進行する前の半硬化の状態で第2層を塗布した場合、支持体と第1層との界面、及び第1層と第2層との界面の何れの密着性も良好に作製するためには半硬化の条件を厳密にコントロールする必要があり、さらに状況によっては両界面の密着性を両立することが困難な場合があった。
したがって、本発明は、何れの界面でも密着性の良好な積層塗布フィルムを作製することを目的とする。
したがって、本発明は、何れの界面でも密着性の良好な積層塗布フィルムを作製することを目的とする。
本発明者らは、積層塗布フィルムの作製方法を以下のようにすることで、上記課題を解決することができた。
(1) 支持体上に硬化性樹脂を含有する塗液を複数(m)回塗工して積層塗布フィルムを作製する方法において、第n層上に第n+1層を塗布、乾燥後、第n層と第n+1層との界面に集光した電磁波を照射することで該界面近傍を選択的に硬化処理し、かかる処理の後に第n+2層を塗布することを特徴とする積層塗布フィルムの作製方法。
ここで、mは2以上の整数、nは0以上の整数、n≦m−2であり、第0層は支持体を表わす。
(2) 上記第n+2層の塗布、乾燥後に、第n+2層までの層を完全硬化することを特徴とする(1)に記載の積層塗布フィルムの作製方法。
ここで、mは2以上の整数、nは0以上の整数、n≦m−2であり、第0層は支持体を表わす。
(2) 上記第n+2層の塗布、乾燥後に、第n+2層までの層を完全硬化することを特徴とする(1)に記載の積層塗布フィルムの作製方法。
積層塗布フィルムの何れの界面においても密着性が良好な積層塗布フィルムを得ることが出来る。
本発明を説明するために、まず、一番簡単な例として、m=2、n=0の場合、すなわち、支持体上に、第1層、第2層の2つの層を塗布形成する場合について説明する。
この場合、上記(1)、(2)は、以下のようになる。
この場合、上記(1)、(2)は、以下のようになる。
(1) 支持体上に硬化性樹脂を含有する塗液を2回塗工して積層塗布フィルムを作製する方法において、支持体上に第1層を塗布、乾燥後、支持体と第1層との界面に集光した電磁波を照射することで該界面近傍を選択的に硬化処理し、かかる処理の後に第2層を塗布する積層塗布フィルムの作製方法。
(2) 上記第2層の塗布、乾燥後に、第2層までの層を完全硬化することを特徴とする(1)に記載の積層塗布フィルムの作製方法。
(2) 上記第2層の塗布、乾燥後に、第2層までの層を完全硬化することを特徴とする(1)に記載の積層塗布フィルムの作製方法。
すなわち、第2層を塗布する前に、支持体と第1層との界面にレーザ光等の電磁波を集光照射することにより、支持体との界面近傍に存在する光硬化性樹脂については硬化を促進させておくことで、支持体と第1層との界面の密着性をより高めることができる。
そして、半硬化状態の第1層とその上に塗布乾燥して未硬化状態の第2層の完全硬化は、これまでと同様、第2層を塗布乾燥した後に紫外線の照射等により、同時に行うが、第1層の上層部分は半硬化状態のままであるので、これまでと同様第1層と第2層との界面の密着性も良好となる。
なお、支持体と第1層との界面へのレーザ光等の集光照射は第1層を半硬化した後で行っても良いし、第1層を半硬化する前に行っても良い。
そして、半硬化状態の第1層とその上に塗布乾燥して未硬化状態の第2層の完全硬化は、これまでと同様、第2層を塗布乾燥した後に紫外線の照射等により、同時に行うが、第1層の上層部分は半硬化状態のままであるので、これまでと同様第1層と第2層との界面の密着性も良好となる。
なお、支持体と第1層との界面へのレーザ光等の集光照射は第1層を半硬化した後で行っても良いし、第1層を半硬化する前に行っても良い。
以上、2つの層が塗布形成される場合について説明したが、層の数(m)が3,4…と増えても、本発明は、ある層を塗布乾燥後、その層と下層との界面にレーザ光等を集光照射することにより、該界面近傍の選択的硬化を促進させておくことで、該界面の密着性をより高めることができるものである。
例えば、m=4,n=3の場合、第3層(n≧2)の光硬化性樹脂層を塗布乾燥した後、第4層を塗布する前に、第2層と第3層との界面にレーザ光を集光照射することにより、該界面近傍に存在する第3層の光硬化性樹脂については(場合によっては、完全硬化がされず半硬化状態のままの第2層の光硬化性樹脂についても)さらに硬化を促進させておくことで、第2層と第3層との界面の密着性をより高めることができる。(請求項1)この場合、第2層と第3層との界面へのレーザ光の集光照射は第3層を半硬化した後で行っても良いし、第3層を半硬化する前に行っても良い。
また、最上層(第m層)を塗布乾燥後に、それまでに塗布してある第m−1以下の半硬化層と塗布乾燥した未硬化の最上層とを同時に硬化する実施形態はばかりではなく、最上層ではない適宜の第n+2層を塗布乾燥後に、それまでに塗布してある半硬化層と未硬化の第n+2層とを同時に硬化することもできる。(請求項2)
例えば、m=4,n=3の場合、第3層(n≧2)の光硬化性樹脂層を塗布乾燥した後、第4層を塗布する前に、第2層と第3層との界面にレーザ光を集光照射することにより、該界面近傍に存在する第3層の光硬化性樹脂については(場合によっては、完全硬化がされず半硬化状態のままの第2層の光硬化性樹脂についても)さらに硬化を促進させておくことで、第2層と第3層との界面の密着性をより高めることができる。(請求項1)この場合、第2層と第3層との界面へのレーザ光の集光照射は第3層を半硬化した後で行っても良いし、第3層を半硬化する前に行っても良い。
また、最上層(第m層)を塗布乾燥後に、それまでに塗布してある第m−1以下の半硬化層と塗布乾燥した未硬化の最上層とを同時に硬化する実施形態はばかりではなく、最上層ではない適宜の第n+2層を塗布乾燥後に、それまでに塗布してある半硬化層と未硬化の第n+2層とを同時に硬化することもできる。(請求項2)
ところで、本発明においては、「界面に集光した電磁波を照射することで該界面近傍を硬化する」ことが、特徴的である。
「界面に集光した電磁波を照射することで該界面近傍を硬化する」とは、界面にレーザ光等の電磁波を集光することで、塗布された硬化性樹脂の層のうち、電磁波を集光させた所望の一部分の箇所を硬化させることにより、該界面近傍を選択的に硬化させることを意味する。
光硬化性樹脂塗布層に「集光した電磁波を照射することで硬化させる」技術としては、近年レーザ光を利用した3次元微細加工法として周知となった、光造形法の技術を参考にすることができる。
「界面に集光した電磁波を照射することで該界面近傍を硬化する」とは、界面にレーザ光等の電磁波を集光することで、塗布された硬化性樹脂の層のうち、電磁波を集光させた所望の一部分の箇所を硬化させることにより、該界面近傍を選択的に硬化させることを意味する。
光硬化性樹脂塗布層に「集光した電磁波を照射することで硬化させる」技術としては、近年レーザ光を利用した3次元微細加工法として周知となった、光造形法の技術を参考にすることができる。
ただし、光造形法と異なり、本発明では薄膜の界面付近に集光する必要があるため、薄膜の厚み方向に高精度に位置を制御することが必要となる。この目的のために、界面を検出して集光位置をフィードバック制御する機構を組み合わせることが好ましい。
そして、光造形法では通常光硬化性樹脂塗布層の表面を硬化するが、本発明では塗布層とその下の層の界面という、塗布層内部のある一定の深さに硬化を起こすものであり、そのために、一旦分離ないし拡散させて強度を弱めたレーザ光を、界面に集光して強度を強めている。
図1,2に、実施の形態としての例を示す。
図1,2に、実施の形態としての例を示す。
図1では、紫外線レーザ発生器からのレーザビームをスプリッタ2で塗布層へ向かう反射光束と透過光束の2つに分け、透過光束はミラー3で反射して光束を塗布層へと向け、集光レンズ4により、2つの光束を支持体6と紫外線硬化樹脂の塗布層(第1層)5の界面に集光する。X−Yステージ7を2次元で走査することで、支持体6と第1層5の界面近傍の紫外線硬化樹脂を硬化することができる。
図2は、紫外線レーザ発生器からのレーザビームをアパーチャ12とコリメータレンズ13とで平行光束とし、ミラー14で平行光束を塗布層へと向け、集光レンズ15により、平行光束を支持体17と紫外線硬化樹脂の塗布層(第1層)16の界面に集光するものである。
図2は、紫外線レーザ発生器からのレーザビームをアパーチャ12とコリメータレンズ13とで平行光束とし、ミラー14で平行光束を塗布層へと向け、集光レンズ15により、平行光束を支持体17と紫外線硬化樹脂の塗布層(第1層)16の界面に集光するものである。
レーザ光源としては、使用する光硬化性樹脂の種類及び要求されるレーザ光強度などに応じて任意のものを用いることができる。Arレーザ(出力2〜400mW程度)やHe−Cdレーザ(20mW程度)などの紫外線レーザを用いることが通常であるが、例えばNd:YAGレーザの第3高調波、チタン酸サファイアレーザの第2高調波、及び青色半導体レーザ等も用いることができる。
また、光造形法の技術としては、2光子吸収を用いたマイクロ光造形法(特開2001−158050号公報)等も利用することも可能である。また、光硬化性樹脂に替えて、熱硬化性樹脂を使用することも可能である。
[支持体]
支持体(第0層)は、光又は熱硬化性樹脂を塗布する支持体として機能するものであれば、いかなるものでもよく、用途により種々のものが使用可能である。
表示装置に用いる場合等、透明性が必要な場合には、ガラスやプラスチック等の透明支持体が使用されるが、例えば、反射防止フィルムの場合、その透明支持体としては、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムを形成するポリマーとしては、セルロースアシレート(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、代表的には富士写真フイルム社製TAC−TD80U,TD80UFなど)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR社製)、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製)、などが挙げられる。このうちトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、が好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
支持体(第0層)は、光又は熱硬化性樹脂を塗布する支持体として機能するものであれば、いかなるものでもよく、用途により種々のものが使用可能である。
表示装置に用いる場合等、透明性が必要な場合には、ガラスやプラスチック等の透明支持体が使用されるが、例えば、反射防止フィルムの場合、その透明支持体としては、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムを形成するポリマーとしては、セルロースアシレート(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、代表的には富士写真フイルム社製TAC−TD80U,TD80UFなど)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR社製)、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製)、などが挙げられる。このうちトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、が好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
[光硬化性樹脂層]
第1層から第m層の光硬化性樹脂層は、光硬化性樹脂の硬化物から主として構成される。そして、その他必要に応じて用いられる成分を含有する塗布液を塗布して塗膜を形成し、塗膜に紫外線又は可視光線を照射し、硬化することにより光硬化性樹脂層は形成される。光硬化性樹脂層の厚みは、その機能によって種々の値をとり得る。例えば防眩層の場合、その厚みは、好ましくは1〜10μmであり、1〜5μmがより好ましい。また、帯電防止層の場合、その膜厚は、1〜10μm、好ましくは3〜7μmである。
以下、光硬化性樹脂層に用いることのできる光硬化性樹脂について、説明する。最上層以外の層は半硬化状態となることができるようにすることが必要である。
第1層から第m層の光硬化性樹脂層は、光硬化性樹脂の硬化物から主として構成される。そして、その他必要に応じて用いられる成分を含有する塗布液を塗布して塗膜を形成し、塗膜に紫外線又は可視光線を照射し、硬化することにより光硬化性樹脂層は形成される。光硬化性樹脂層の厚みは、その機能によって種々の値をとり得る。例えば防眩層の場合、その厚みは、好ましくは1〜10μmであり、1〜5μmがより好ましい。また、帯電防止層の場合、その膜厚は、1〜10μm、好ましくは3〜7μmである。
以下、光硬化性樹脂層に用いることのできる光硬化性樹脂について、説明する。最上層以外の層は半硬化状態となることができるようにすることが必要である。
光硬化性樹脂層塗布液に用いられる樹脂には、主として紫外線、可視光線によって硬化する樹脂、即ち、
(1)光硬化性樹脂の単独、
(2)光硬化性樹脂に熱可塑性樹脂を混合したもの、
(3)光硬化性樹脂に熱硬化性樹脂を混合したもの、
(4)固相反応型光硬化性樹脂
が使用される。上記(1)〜(3)に使用される光硬化性樹脂には、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマーおよび反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用できる。
(1)光硬化性樹脂の単独、
(2)光硬化性樹脂に熱可塑性樹脂を混合したもの、
(3)光硬化性樹脂に熱硬化性樹脂を混合したもの、
(4)固相反応型光硬化性樹脂
が使用される。上記(1)〜(3)に使用される光硬化性樹脂には、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマーおよび反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用できる。
上記の樹脂を光硬化性とするには、塗布液中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用いればよい。
前記(2)の光硬化性樹脂に混合される熱可塑性樹脂には、光硬化性樹脂に粘性を付与するものであれば、何でも使用できるが、特に、塗膜の硬度を高く保つためにはポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。光硬化性樹脂組成物に熱可塑性樹脂を混合する目的は、塗布液を塗布した際に塗膜を半硬化させるためである。光硬化性樹脂に対する熱可塑性樹脂の混合割合は、塗膜の半硬化の目的のためには、光硬化性樹脂が100質量部に対して、熱可塑性樹脂50質量部以下とする。
前記(3)の光硬化性樹脂に混合される熱硬化性樹脂には、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン/尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等があり、必要に応じて、添加剤として、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤、体質顔料等を添加する。前記硬化剤として通常、イソシアネートは不飽和ポリエステル系樹脂またはポリウレタン系樹脂に、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物およびアゾビスイソブチロニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル系樹脂によく使用される。さらに、硬化剤としてのイソシアネートは、2価以上の脂肪族または芳香族イソシアネートが使用できる。
前記(4)の固相反応型光硬化性樹脂は、未硬化状態では常温で固体であり、かつ熱可塑性、溶剤溶解性を有していながら、塗装、および乾燥によって見かけ上、または手で触ったときにも非流動性(指触乾燥性)であり、かつ非粘着性である塗膜を与える光硬化性樹脂を主成分とするものである。具体的には、例えば、次の(イ)、(ロ)の2種類の樹脂が例示される。また、特開平1−202492号公報にも同様な樹脂が開示されている。さらに、以下に示す(イ)および(ロ)に示す樹脂を混合して用いることもでき、また、それに対してラジカル重合性不飽和単量体を加えて使用することもできる。これらの樹脂には通常の光硬化性樹脂に用いられる反応性希釈剤、増感剤等が添加される。また、樹脂硬化物の可撓性を得るために非架橋性の熱可塑性樹脂を添加してもよい。
(イ)ガラス転移温度が0〜250℃のポリマー中にラジカル重合性不飽和基を有する樹脂。具体的には次の単量体を重合または共重合させたものに対し、後述するa.〜d.の方法によりラジカル共重合性不飽和基を導入した樹脂である。水酸基を有する単量体:例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等がある。
カルボキシル基を有する単量体:例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノサクシネート等がある。エポキシ基を有する単量体:例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等がある。アジリジニル基を有する単量体:2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプロピオン酸アリル等がある。
アミノ基を有する単量体:(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等がある。スルフォン基を有する単量体:2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等がある。
イソシアネート基を有する単量体:2,4−トルエンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの1モル対1モルの付加物などのジイソシアネートと活性水素を有するラジカル共重合体の付加物等がある。さらに,共重合体のガラス転移温度を調節したり、硬化膜の物性を調節したりするために、上記に列挙した各単量体と次に示す化合物を共重合させることができる。このような共重合可能な単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記の各単量体を重合、もしくは共重合させたものに対して、次に述べるa.〜d.の方法により、ラジカル重合性不飽和基を導入することによって、紫外線で硬化するの光硬化性樹脂が得られる。
a.水酸基を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する単量体などを縮合反応させる。b.カルボキシル基、スルフォン基を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、前述の水酸基を有する単量体を縮合反応させる。c.エポキシ基、イソシアネート基またはアジリジニル基を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、前述の水酸基を有する単量体またはカルボキシル基を有する単量体を付加反応させる。d.水酸基またはカルボキシル基を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、エポキシ基を有する単量体またはアジリジニル基を有する単量体またはジイソシアネート化合物と水酸基含有アクリル酸エステル単量体の1モル対1モルの付加物を付加反応させる。上記反応を行うには、微量のハイドロキノンなどの重合禁止剤を加え、乾燥空気を送りながら行うことが望ましい。
(ロ)融点が常温(20℃)〜250℃であり、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂。具体的には、ステアリルアクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリアクリルイソシアネート、シクロヘキサンジオール(メタ)アクリレート、スピログリコールジアクリレート、スピログリコール(メタ)アクリレート等がある。
光硬化性樹脂素組成物の硬化方法は、通常の光硬化性樹脂含有塗布液の硬化方法、即ち、紫外線、可視光線等の照射によって硬化することができる。例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線が利用できる。
透明支持体上に光硬化性樹脂を含有する第1層塗布液を例えば硬化後の厚みが0.01〜10μmとなるように塗布して塗膜を形成し、その塗膜を半硬化して半硬化層となし、該半硬化層上に第1層塗布液を例えば硬化後の厚みが1〜10μmとなるように塗工して未硬化層を形成し、これら2層の塗膜に光照射して各層の塗膜を同時に完全硬化させる。
以下、半硬化について、さらに説明する。(簡単のため、塗布層は2層とする。)
完全に硬化させた第1層塗布液の塗膜上に第2層塗布液を塗布して第2層を形成すると層間の密着性が悪く剥離等の欠陥が生じてしまうのに対して、第1層塗布液の塗膜が半硬化の状態で第2層塗布液を塗り重ねてから、両塗膜を完全硬化させれば、層間の密着性が良い。
ここで、半硬化とは用いる樹脂の種類によって次のように分類される。
完全に硬化させた第1層塗布液の塗膜上に第2層塗布液を塗布して第2層を形成すると層間の密着性が悪く剥離等の欠陥が生じてしまうのに対して、第1層塗布液の塗膜が半硬化の状態で第2層塗布液を塗り重ねてから、両塗膜を完全硬化させれば、層間の密着性が良い。
ここで、半硬化とは用いる樹脂の種類によって次のように分類される。
(1)溶剤乾燥型半硬化
通常の光硬化性樹脂に、溶剤を加えたものを塗布し、溶剤を乾燥させることによって形成される塗膜の半硬化の状態で、且つ光硬化性樹脂が硬化反応を完了していない状態をいう。
通常の光硬化性樹脂に、溶剤を加えたものを塗布し、溶剤を乾燥させることによって形成される塗膜の半硬化の状態で、且つ光硬化性樹脂が硬化反応を完了していない状態をいう。
上記の塗布液では粘度が十分でない場合、溶剤乾燥型熱可塑性樹脂を加えて塗布に適した粘度に調整する。この塗布液を用いて塗膜を形成した場合には、溶剤が乾燥時に離脱放散され、塗膜は半硬化状態となる。添加する溶剤乾燥型熱可塑性樹脂の種類は通常用いられるものが使用されるが、特に、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートを使用する場合、塗膜の硬度を高く保つことができる。しかも、この場合、主たる光硬化性樹脂との屈折率が近いので塗膜の透明性を損なわず、透明性において有利である。また、溶剤乾燥型熱可塑性樹脂の別の例としてセルロース系ポリマーを光硬化性樹脂に加えると、トリアセチルセルロースの非溶解の溶剤であるトルエンを用いて透明支持体に塗布をおこなっても、透明支持体と塗膜樹脂との密着性を良好にすることができる。しかもトルエンは透明支持体としてのトリアセチルセルロースを溶解しない性質であるので、透明支持体を白化させない。
この各樹脂の配合割合は、光硬化性樹脂100質量部に対して溶剤乾燥型熱可塑性樹脂の添加量が50質量部以下である。溶剤乾燥型熱可塑性樹脂の添加量がこれ以上になると第2層の硬度を高く保つことはできず、耐擦傷性が劣ってくる。
(2)固相反応型光硬化型半硬化
この半硬化とは、前記固相反応型光硬化性樹脂による半硬化の状態であり、未硬化状態において常温で固体であり、且つ、熱可塑性および溶剤溶解性を有し、塗装および乾燥によって見かけ上、あるいは、手で触ったときにも非流動性および非粘着性であり、光硬化性樹脂が硬化反応を完了していない状態をいう。
この半硬化とは、前記固相反応型光硬化性樹脂による半硬化の状態であり、未硬化状態において常温で固体であり、且つ、熱可塑性および溶剤溶解性を有し、塗装および乾燥によって見かけ上、あるいは、手で触ったときにも非流動性および非粘着性であり、光硬化性樹脂が硬化反応を完了していない状態をいう。
(3)光硬化性樹脂半架橋型半硬化
前記で示した通常の光硬化性樹脂を用いて塗布し、塗膜に紫外線または可視光線等の光の照射条件を調整して半架橋を行うことにより形成される半硬化の状態をいう。
前記で示した通常の光硬化性樹脂を用いて塗布し、塗膜に紫外線または可視光線等の光の照射条件を調整して半架橋を行うことにより形成される半硬化の状態をいう。
(4)光硬化性樹脂・熱硬化性樹脂ブレンド型半硬化
前記(3)で示した光硬化性樹脂に熱硬化性樹脂を混合した塗布液を塗布し、塗膜に熱を加えることにより形成される半硬化の状態をいう。この樹脂の配合割合は、光硬化性樹脂100質量部に対して熱硬化性樹脂の添加量が50質量部以下である。熱硬化性樹脂の添加量がこれ以上になると、光の照射時に適当な硬化が得られないため、密着不良となってしまうからである。
前記(3)で示した光硬化性樹脂に熱硬化性樹脂を混合した塗布液を塗布し、塗膜に熱を加えることにより形成される半硬化の状態をいう。この樹脂の配合割合は、光硬化性樹脂100質量部に対して熱硬化性樹脂の添加量が50質量部以下である。熱硬化性樹脂の添加量がこれ以上になると、光の照射時に適当な硬化が得られないため、密着不良となってしまうからである。
(5)溶剤乾燥型・ハーフキュア型複合半硬化
前記(1)の溶剤乾燥型半硬化の状態にさらに光を照射して半硬化状態とする状態をいう。この半硬化の状態は、特開平1−20249号公報に説明されている半硬化状態と同じである。本発明における半硬化状態の第1層と未硬化状態の第2層の2層の塗膜の完全硬化は、光の照射によって同時に行う。光硬化性樹脂組成物が第1層上に塗布された段階では、第1層の塗膜が半硬化の状態であり、第1層の塗膜中に含まれる光硬化性樹脂成分は完全に硬化していない。したがって、第1層と第2層の両層の塗膜中の光硬化性樹脂は未硬化成分を含んでいるので、光を照射することによって、両塗膜を同時に完全硬化させる。
前記(1)の溶剤乾燥型半硬化の状態にさらに光を照射して半硬化状態とする状態をいう。この半硬化の状態は、特開平1−20249号公報に説明されている半硬化状態と同じである。本発明における半硬化状態の第1層と未硬化状態の第2層の2層の塗膜の完全硬化は、光の照射によって同時に行う。光硬化性樹脂組成物が第1層上に塗布された段階では、第1層の塗膜が半硬化の状態であり、第1層の塗膜中に含まれる光硬化性樹脂成分は完全に硬化していない。したがって、第1層と第2層の両層の塗膜中の光硬化性樹脂は未硬化成分を含んでいるので、光を照射することによって、両塗膜を同時に完全硬化させる。
上記では、もっぱら、光硬化性樹脂について説明したが、熱硬化性樹脂についても同様である。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されて解釈されることはない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されて解釈されることはない。
トリアセチルセルロース17.4質量部、トリフェニルフォスフェート2.6質量部、ジクロロメタン66質量部、メタノール5.8質量部、ノルマルブタノール8.2質量部からなる原料を攪拌しながら混合して溶解し、トリアセチルセルロースドープAを調整した。トリアセチルセルロース24質量部、トリフェニルフォスフェート4質量部、ジクロロメタン66質量部、メタノール6質量部からなる原料を攪拌しながら混合して溶解し、トリアセチルセルロースドープBを調整した。特開平11−254594号公報に従って、3層共流延ダイを用い、ドープBの両側にドープAを共流延するように配置して金属ドラム上に同時に吐出させて重層流延した後、流延膜をドラムから剥ぎ取り、乾燥して、ドラム面側から10μm、60μm、10μmの3層共流延トリアセチルセルロースフィルムAを作成した。このフィルムには、各層間に明確な界面は形成されていなかった。
ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製)100質量部に、導電性顔料である粒径100Åの酸化スズSnO2(住友セメント製)を80質量部とラジカル開始剤(イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ(株)製)を4質量部含有させて、帯電防止層(第1層)塗布液を調製した。この帯電防止層塗布液を上記のトリアセチルセルロースフィルム上に、乾燥膜厚4μmになるように塗工し、80Wの高圧水銀灯下で20m/分のスピードで通過させることによってハーフキュア状態の半硬化にした。
その後、トリアセチルセルロースフィルム(支持体)と帯電防止層(第1層)の界面で集光するようにHe−Cd紫外線レーザ(20mW)を照射した。紫外線レーザ装置は図1の構成を使用し、スプリッタ2で分光後、2方向から界面に照射した。
紫外線硬化性樹脂として、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製)100質量部に対して、ラジカル開始剤(イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ(株)製)を4質量部からなる組成物100質量部に対して平均粒径約30nmのZrO2超微粒子の分散物をZrO2超微粒子の質量で100質量部になるように添加し、平均粒径2μmの架橋ポリスチレン微粒子を6質量部で配合し、塗布液組成物とした。
半硬化塗膜(第1層)上に、上記の防眩層(第2層)形成用塗布組成物を乾燥膜厚1.5μmになるように塗工した。この塗工物を160Wの高圧水銀灯下を5m/分のスピードで2回通過させることによって、帯電防止性を有する厚さ80μmの防眩フィルムを得た。このようにして得られた防眩フィルムを2.0Nの水酸化ナトリウム水溶液中(55℃)に、3分間浸漬した後、ゴバン目クロスカット剥離試験を行った。その結果、密着性はトリアセチルセルロース(支持体)/帯電防止層(第1層)界面、及び帯電防止層(第1層)/防眩層(第2層)界面の何れも良好であった。また、得られた防眩フィルムの表面抵抗値は2×1010Ω、ヘイズ値13%、全光線透過率84%、拡散透過率11%、60°グロス値72%の優れたものであった。
〔比較例〕
帯電防止層(第1層)を半硬化状態にした後、紫外線レーザの集光による支持体と帯電防止層(第1層)の界面の選択的硬化の工程を経ずに、第2層を塗工した以外は、上記実施例と同様にして、帯電防止性を有する厚さ80μmの防眩フィルムを得た。得られた防眩フィルムの表面抵抗値は2×1010Ω、ヘイズ値13%、全光線透過率84%、拡散透過率11%、60°グロス値72%の優れたものとなった。しかし、フィルムの密着性の点では、実施例と同様の剥離試験を行った結果、トリアセチルセルロース(支持体)/帯電防止層(第1層)界面において剥離が生じた。
帯電防止層(第1層)を半硬化状態にした後、紫外線レーザの集光による支持体と帯電防止層(第1層)の界面の選択的硬化の工程を経ずに、第2層を塗工した以外は、上記実施例と同様にして、帯電防止性を有する厚さ80μmの防眩フィルムを得た。得られた防眩フィルムの表面抵抗値は2×1010Ω、ヘイズ値13%、全光線透過率84%、拡散透過率11%、60°グロス値72%の優れたものとなった。しかし、フィルムの密着性の点では、実施例と同様の剥離試験を行った結果、トリアセチルセルロース(支持体)/帯電防止層(第1層)界面において剥離が生じた。
この帯電防止性を有する防眩フィルムをケン化処理することにより、偏光フィルム、即ち、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光フィルムとの接着性増強効果および静電気防止効果を持たせて、接着剤を用いて偏光フィルムとドライラミネートして偏光板を製作した。
1.紫外線レーザ発生器
2.スプリッタ
3.ミラー
4.集光レンズ
5.紫外線硬化樹脂
6.支持体
7.X−Yステージ
11.紫外線レーザ発生器
12.アパーチャ
13.コリメータレンズ
14.ミラー
15.集光用対物レンズ
16.紫外線硬化樹脂
17.支持体
18.X−Yステージ
2.スプリッタ
3.ミラー
4.集光レンズ
5.紫外線硬化樹脂
6.支持体
7.X−Yステージ
11.紫外線レーザ発生器
12.アパーチャ
13.コリメータレンズ
14.ミラー
15.集光用対物レンズ
16.紫外線硬化樹脂
17.支持体
18.X−Yステージ
Claims (2)
- 支持体上に硬化性樹脂を含有する塗液を複数(m)回塗工して積層塗布フィルムを作製する方法において、第n層上に第n+1層を塗布、乾燥後、第n層と第n+1層との界面に集光した電磁波を照射することで該界面近傍を選択的に硬化処理し、かかる処理の後に第n+2層を塗布することを特徴とする積層塗布フィルムの作製方法。
ここで、mは2以上の整数、nは0以上の整数、n≦m−2であり、第0層は支持体を表わす。 - 上記第n+2層の塗布、乾燥後に、第n+2層までの層を完全硬化することを特徴とする請求項1に記載の積層塗布フィルムの作製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005045752A JP2006231114A (ja) | 2005-02-22 | 2005-02-22 | 積層塗布フィルムの作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008176318A (ja) * | 2006-12-29 | 2008-07-31 | Eternal Chemical Co Ltd | 耐傷性薄膜 |
WO2018117260A1 (ja) * | 2016-12-22 | 2018-06-28 | 凸版印刷株式会社 | 化粧材 |
-
2005
- 2005-02-22 JP JP2005045752A patent/JP2006231114A/ja active Pending
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