JPH07300506A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系重合体の製造方法Info
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- JPH07300506A JPH07300506A JP6115996A JP11599694A JPH07300506A JP H07300506 A JPH07300506 A JP H07300506A JP 6115996 A JP6115996 A JP 6115996A JP 11599694 A JP11599694 A JP 11599694A JP H07300506 A JPH07300506 A JP H07300506A
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Abstract
量体の混合物を水性媒体中で油溶性重合開始剤を用いて
懸濁重合する塩化ビニル系重合体の製造方法において、
前記油溶性重合開始剤として(A) 0.1モル/Lベンゼン
溶液の10時間半減期温度が30〜50℃で、その構造中にベ
ンゼン環又はアルコキシ基を有しない有機過酸化物と、
(B) 3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパーオキ
シネオデカノエートとを組み合わせて使用することを特
徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。 【効果】 本発明の方法によれば、塩化ビニル又はこれ
を主体とするビニル系単量体の混合物の重合において既
存の重合装置を使用しつつ重合開始剤の使用量を増加し
た場合に、重合器内の重合体スケールの付着を抑制し、
既存の重合装置の冷却能力不足を補い重合時間を短縮す
ることができ、生産性が向上する。
Description
製造方法、特には高品質の塩化ビニル系重合体を高い生
産性で得ることができる塩化ビニル系重合体の懸濁重合
製造方法に関するものである。
ニル又はこれを主体とするビニル系単量体の混合物を水
性媒体中で油溶性重合開始剤を用いて懸濁重合すること
により製造される。この懸濁重合は、通常、平均重合度
1700以上の重合体を製造するときは、重合温度30〜45
℃、重合時間8時間程度の重合条件で行われ、平均重合
度700〜1000程度の重合体を製造するときは、重合温度5
5〜63℃、重合時間4時間程度の重合条件で行われる。
この際に、使用される油溶性重合開始剤にもよるが、油
溶性重合開始剤は単量体に対して、およそ0.04〜0.20重
量%程度用いられるのが通常である。
目的として重合時間の短縮が図られてきている。重合時
間短縮のための一方法として、重合開始剤の使用量を増
加することが考えられる。しかし、重合開始剤の使用量
を増加すると、以下のような問題があった。 (イ)重合器内にスケールが付着する。 (ロ)重合中の単位時間当たりの反応発熱量がピークに
達する時点における単位時間当たりの反応発熱量が大幅
に増大するので、既存の重合装置ではこのピークに達す
る時点で冷却能力が不足する。従って、重合開始剤の使
用量の増加には限界があり、重合時間の短縮も制約され
る。 (ハ)得られる塩化ビニル重合体の、成形品のフィッシ
ュアイの増加、初期着色性の低下等の品質の低下を生じ
させたり、さらには重合器内のスケール付着量が増加す
る。
油溶性重合開始剤を組み合わせて使用する方法が提案さ
れている。その方法としては、具体的には、BPD(t
−ブチルパーオキシネオデカノエート)とCPD(α−
クミルパーオキシネオデカノエート)とを組み合わせて
使用することが提案されている。この方法によれば、冷
却能力不足を補って重合時間を短縮することは可能であ
るが、重合終了時に重合器内にスケール付着が生じた
り、得られる塩化ビニル系重合体のフィッシュアイが増
加したり、重合開始剤の残渣又は分解生成物の増大によ
る異臭の発生、抽出成分の増加があり、重合体品質の低
下が生じる欠点があった。上記方法の欠点を改善する方
法として、BPD(t−ブチルパーオキシネオデカノエ
ート)とHDPH(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル
ブチルパーオキシネオヘプタノエート)とを組み合わせ
て使用することが提案されている(特開平5−1559
10号公報)が、この方法では得られる塩化ビニル系重
合体のフィッシュアイの点及び重合器内の重合体スケー
ル付着の抑制の点で満足できるものではなかった。
ビニル又はこれを主体とするビニル系単量体の混合物を
水性媒体中で重合開始剤を用いて懸濁重合する塩化ビニ
ル系重合体の製造方法であって、既存の重合装置を使用
しつつ重合開始剤の使用量を増加した場合、重合器内の
重合体スケールの付着を抑制し、既存の重合装置の冷却
能力不足を補い、重合時間を短縮化可能ならしめ、さら
にはフィッシュアイが少なく、初期着色性が良好であ
り、抽出成分が少ない高品質の塩化ビニル重合体の製造
方法を提供することである。
題を解決するものとして、塩化ビニル又はこれを主体と
するビニル系単量体の混合物を水性媒体中で油溶性重合
開始剤を用いて懸濁重合する塩化ビニル系重合体の製造
方法において、前記油溶性重合開始剤として(A) 0.1モ
ル/Lベンゼン溶液の10時間半減期温度が30〜50℃で、
その構造中にベンゼン環又はアルコキシ基を有しない有
機過酸化物と、(B) 3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル
ブチルパーオキシネオデカノエートとを組み合わせて使
用することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法
を提供する。
徴があり、それにより重合の立ち上がり及び進行に伴う
発熱が適度に制御される。本発明の方法に使用される
(A) 成分としての油溶性重合開始剤は、 0.1モル/Lベ
ンゼン溶液の10時間半減期温度が30〜50℃で、その構造
中にベンゼン環又はアルコキシ基を有しない有機過酸化
物である。(A) 成分が上記10時間半減期温度が30℃未満
の有機過酸化物であると、重合開始剤の活性が持続しに
くくなる。また、50℃を超えるものを使用すると、過度
に多量の重合開始剤を必要とするため、得られる重合体
の初期着色性、耐抽出性等の品質が低下する。また、分
子内にベンゼン環を有すると、得られる重合体の抽出テ
ストの際にUV吸収ピークが検出されるため重合体の医
療、食品等の分野への用途が制限される恐れがある。ま
た、分子内にアルコキシ基を有すると、重合器内で重合
体スケールの付着が起こり易くなる。
温度が30〜50℃でその構造中にベンゼン環又はアルコキ
シ基を有しない有機過酸化物としては、好ましくは下記
のジアシルパーオキシド化合物、パーエステル化合物等
が使用される。
えば、下記一般式(1) :
1〜6の置換又は非置換のアルキル基である)で表され
るジアシルパーオキサイドが挙げられる。一般式(1) に
おいて、炭素原子数1〜6の置換又は非置換のアルキル
基 R1 としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基等のn−アルキル基;sec −アルキル基;tert−ブ
チル基、tert−ペンチル基等のtert−アルキル基;イソ
プロピル基、イソブチル基、イソペンチル基等のイソア
ルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基基等
が挙げられる。一般式(1) で表されるジアシルパーオキ
サイドとしては、例えば、イソブチリルパーオキサイド
(33℃)〔ここで、重合開始剤名の後の括弧書きの温度
は、当該重合開始剤の 0.1モル/Lベンゼン溶液の10時
間半減期温度である、以下同じ〕等が挙げられる。
記一般式(2) :
1〜10の置換又は非置換のアルキル基である)で表され
るパーエステル等が挙げられる。一般式(2) において、
炭素原子数1〜10の置換又は非置換のアルキル基 R2 と
しては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、
n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−
デシル基等のn−アルキル基;sec−アルキル基;tert
−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基、te
rt−ノニル基、tert−デシル基等のtert−アルキル基;
イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、イソ
ヘプチル基、イソオクチル基等のイソアルキル基;1−
シクロヘキシル−1−メチルエチル基等の環状アルキル
基;2,4,4−トリメチルペンチル基等が挙げられ
る。一般式(2) で表されるパーエステルとしては、例え
ば、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート(45
℃)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(46
℃)、t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート(49
℃)、2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシ−2
−ネオデカノエート(36℃)、1−シクロヘキシル−1
−メチルエチルパーオキシネオデカノエート(41℃)等
が挙げられる。
に、イソブチリルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオ
キシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカ
ノエート、t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエー
ト、2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシ−2−
ネオデカノエート及び1−シクロヘキシル−1−メチル
エチルパーオキシネオデカノエートが好ましく使用され
る。上述した有機過酸化物(A) は、1種単独で又は2種
以上の組み合わせで使用してもよい。
度は、以下のようにして求められる。有機過酸化物濃度
が 0.1モル/Lのベンゼン溶液を調製する。この溶液を
窒素置換を行ったガラス管中に密封して所定温度に調節
した恒温槽に浸し、有機過酸化物を熱分解させる。時間
に対する有機過酸化物の濃度変化を測定する。上記の反
応条件では、有機過酸化物の分解反応は近似的に一次反
応として取り扱うことができるので、以下の式が成り立
つ。 dx/dt=k(a−x) (3) ln〔a/(a−x)〕=kt (4) (上記2つの式中、xは分解した有機過酸化物の濃度、
aは有機過酸化物の初期濃度、kは分解速度定数、tは
時間を示す) 半減期は分解により有機過酸化物濃度が初期濃度の半分
に減ずるまでに要する時間であるから、これをt1/2 で
示し、(4) 式のxにa/2を代入して、以下の関係式を
得る。 kt1/2 =ln2 (5) 上記で測定した有機過酸化物の濃度変化から時間tとl
n〔a/(a−x)〕との関係をプロットする。得られ
た直線の傾きをkとして、(5) 式からその温度における
半減期t1/2 が求められる。従って、10時間半減期温度
とは、ある有機過酸化物のt1/2 が10時間となる温度と
して求められる。
として3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパーオ
キシネオデカノエート〔CH3 -CH(OH)-CH2 -C(CH 3 ) 2
-O-O-CO-t-C 9 H 19〕が使用される。
(A) 成分/(B) 成分の重量比で1/9〜9/1であるこ
とが好ましく、より好ましくは1/6〜5/1である。
この配合比が小さ過ぎると重合器内での重合体スケール
の付着を抑制することが困難となり、大き過ぎると得ら
れる重合体の初期着色性や熱安定性が低下する恐れがあ
る。
は、重合時間を短縮する目的を達成するために十分な量
であればよい。この量は、単量体に対して通常 0.05 〜
0.4重量%であり、好ましくは0.08〜0.3 重量%であ
る。
重合して平均重合度 1,700以上の塩化ビニル重合体を製
造する場合には、上記重合開始剤を単量体に対して0.1
〜0.4 重量%使用することが好ましく、重合温度55〜63
℃で重合して平均重合度 700〜1,000 程度の塩化ビニル
重合体を製造する場合には、上記重合開始剤を単量体に
対して0.05〜0.35重量%使用することが好ましい。
に制限されず、従来公知の方法のいずれも利用すること
ができ、例えば、溶剤で希釈して溶液として仕込んでも
よいし、水に分散させてエマルジョン又はサスペンジョ
ンとして仕込んでもよい。さらに、重合開始剤を、水及
び/又は懸濁剤と共にあるいは水及び/又は懸濁剤を仕
込み終った後に仕込んでもよく、単量体の仕込み後に重
合器中にポンプで圧入してもよい。重合開始剤は、2種
以上を混合物として仕込んでもよいし、1種単独又は2
種以上の混合物を別々に仕込んでもよい。
件は、通常、塩化ビニル又は塩化ビニルを主体とするビ
ニル系単量体混合物の水性媒体中における懸濁重合に通
常用いられる条件と同様でよい。以下、具体的に説明す
る。
と共重合可能なビニル系単量体の混合物(通常塩化ビニ
ルが50重量%以上)が使用される。このビニル系単量体
は、塩化ビニルと共重合可能なものであれば特に限定さ
れない。このビニル系単量体としては、例えば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−
デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセ
ン、1−テトラデセン等のα−オレフィン;アクリル
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル
酸又はそのエステル;メタクリル酸、メタクリル酸メチ
ル等のメタクリル酸又はそのエステル;マレイン酸又は
そのエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビ
ニルエステル;ラウリルビニルエーテル、イソブチルビ
ニルエーテル等のビニルエーテル;無水マレイン酸;ア
クリロニトリル;スチレン;塩化ビニリデン等が挙げら
れる。これらは単独又は2種以上の組合せで使用され
る。
の水性媒体中における懸濁重合に通常使用されているも
のであればよい。この分散剤としては、例えば、メチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース等の水溶性セルロースエーテル;水溶性あるいは油
溶性の部分けん化ポリビニルアルコール;アクリル酸重
合体;ゼラチン等の水溶性高分子等が挙げられる。これ
らは1種単独で又は2種以上の組み合わせで使用しても
よい。分散剤の量は、単量体 100重量部当り通常0.02〜
5.0 重量部であり、好ましくは0.04〜1.5 重量部であ
る。
の量は、単量体 100重量部当り通常90〜250 重量部であ
り、好ましくは100 〜200 重量部である。
合に適宜使用される各種添加剤を加えてもよい。この添
加剤としては、例えば、重合調整剤、連鎖移動剤、pH調
整剤、ゲル化改良剤、帯電防止剤、架橋剤、安定剤、充
てん剤、酸化防止剤、緩衝剤、スケール防止剤等が挙げ
られる。
法、使用量等は従来と同様に行えばよい。
を例示する。分散剤、水性媒体及びその他の添加剤を重
合器内に仕込み均一に混合する。次に、重合器内を脱気
して気相部の真空度を10〜200mmHg(絶対圧)の範囲に調
整し単量体を重合器内に仕込む。ここで、重合開始剤の
仕込みは単量体の仕込前でも後でもよい。このようにし
て、水性懸濁液を調製した後、重合器内を昇温し、重合
を開始する。
重合を行う。重合中には、必要に応じて、水、分散剤及
び重合開始剤の一種又は二種以上を添加してもよい。重
合器の内圧が0〜7kgf/cm2 ・G に低下した時に、或い
はジャケット内に流入、流出させる冷却水の入口温度と
出口温度との差がほぼ等しくなった時(即ち、重合反応
による発熱がなくなった時)に、重合反応が終了したと
判断し、排ガスを行い、重合体スラリー中に残存する未
反応単量体の回収を行う。この排ガス時には、ジャケッ
トに熱水を供給することにより重合器内の温度を上昇さ
せ、未反応単量体の回収率を向上させてもよい。
出し、脱水乾燥を行い、目的とする塩化ビニル系重合体
を得ることができる。通常、重合は35〜65℃で行われ、
重合時間は、重合温度、重合開始剤の種類、重合開始剤
の添加量等によるが1.5 〜6時間程度で終了する。具体
的には、例えば、平均重合度1700以上の重合体を得る場
合には、重合温度35〜45℃において3〜6時間で重合は
終了する。平均重合度 700〜1000程度の重合体を得る場
合、重合温度55〜63℃において 1.5〜4時間程度で重合
が終了する。
る。本発明は、これら実施例により何ら限定されるもの
ではない。なお、以下の各例において、ジャケット温度
とは、重合器のジャケットに通水する冷却水のジャケッ
ト入口での温度を意味し、重合器内の水性懸濁液の温度
を所定の重合温度に保つために適宜調整される。
重合器に、ケン化度80モル%、平均重合度2000の部分ケ
ン化ポリビニルアルコール350gを脱イオン水890kg に溶
解した水溶液を投入した。重合器内を50mmHgになるまで
排気した後、塩化ビニル700kg を仕込み、次いで、撹拌
しながら表1に示した重合開始剤をポンプで圧入し、同
時にジャケットに熱水を通して重合器内の昇温を始めて
重合を開始した。
ケットに冷却水を通水して、重合器内の温度(重合温
度)を55℃に保ちながら重合反応を行い、重合器の内圧
が6.0kg/cm2 G に低下した時点で重合を終了し、未反応
単量体を回収し、得られた重合体スラリーを重合器外に
取り出し脱水し乾燥して重合体を得た。なお、比較例2
では、重合を開始してから2時間後にジャケット温度が
25℃に達した。重合温度を55℃に維持するには、ジャケ
ット温度を25℃よりも低くする必要が生じたが、使用し
た重合装置の冷却能力ではジャケット温度をそれ以上下
げることができなかった。このために、水性懸濁液の温
度が3℃上昇して58℃になった。
法で評価した。その結果を表1に示す。 ・重合器内スケールの付着状況:重合体スラリーを重合
器外に取り出した後、重合器内の重合体スケールの付着
状況を観察し、下記の判断基準で評価した。 A・・・スケールの付着がなく金属鏡面の光沢がある。 B・・・金属鏡面にやや曇りがある。 ・嵩比重の測定:JIS K-6721に従って測定した。 ・粒度分布の測定:JIS Z-8801に準じた#60 、#100及び
#200の各篩を用いて篩分けし、通過量を計量して重量%
で表した(篩下分布)。
体 100重量部、DOP 50重量部、ステアリン酸バリウム
0.1重量部、ステアリン酸カドミウム 0.1重量部、セタ
ノール 0.8重量部、すず系安定剤 2.0重量部、二酸化チ
タン 0.5重量部及びカーボンブラック 0.1重量部を、 1
40℃の6インチロールミルで5分間混練し、厚さ 0.3mm
のシートとして分取し、このシート100cm 2 中の白色透
明粒子の数を計数した。
留水300mL を抽出ビンに入れ、混合する。この抽出ビン
を滅菌器内に入れ、 125℃で60分間放置する。冷却後、
抽出ビンを取り出し、上澄み液について、下記の要領で
UV吸収及び過マンガン酸カリウム消費量をそれぞれ評価
する。上記蒸留水のみからなるサンプルを標準サンプル
として、同様に測定した。 (UV吸収)波長 220nm及び241nm の各々について、上記
で得られた上澄み液の吸光度を測定する。この測定で得
られた吸光度と、上記標準サンプルについて同様に測定
して得られた吸光度との差を求め、この差を下記の基準
で評価した。 A・・・220nm で0.08未満かつ241nm で0.05未満 B・・・220nm で0.08以上及び/又は241nm で0.05以上 (過マンガン酸カリウム消費量)上記で得られた上澄み
液に過マンガン酸カリウムを添加した後、チオ硫酸ソー
ダ水溶液で滴定し、使用したチオ硫酸ソーダ水溶液の量
を求める。上記標準サンプルについて同様に測定して得
られたチオ硫酸ソーダ水溶液の量との差を求め、この差
を下記の基準で評価した。 A・・・1.00cc未満 B・・・1.00cc以上
に、ラウリル酸すず1重量部、カドミウム系安定剤0.5
重量部及びジオクチルフタレート50重量部を配合し、2
本ロールミルを用いて 160℃で5分間混練した後、厚さ
0.8mmのシートに成形した。つぎに、このシートを裁断
して重ね、内容積が4cm×4cm×1.5cm の型枠に入れ、
160℃、65〜70kgf/cm2 で10分間加熱加圧プレスして試
料片を作製した。この試料片のb値をカラーメーター
(日本電色工業 (株) 製)を用いて測定し、このb値が
小さいもの程初期着色性が良好である(初期着色が少な
い)と評価した。
それぞれ下記のものを意味する。 BPD :t−ブチルパーオキシネオデカノエート(46℃) CPD :α−クミルパーオキシネオデカノエート(36℃) HDPD:3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパーオ
キシネオデカノエート(36℃) HDPH:3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパーオ
キシネオヘプタノエート(41℃)
の重合操作で5回繰り返し、重合操作5回目の重合体ス
ラリーを重合器外へ取り出した後の重合器内の重合体ス
ケールの付着状況を観察した。その結果、重合器内壁に
重合体スケールの付着がなく、重合器内壁の金属鏡面は
光沢があった。
の重合操作で5回繰り返し、重合操作5回目の重合体ス
ラリーを重合器外へ取り出した後の重合器内の重合体ス
ケールの付着状況を観察した。その結果、重合器内壁に
重合体スケールの付着があり、重合器内壁の金属鏡面は
やや曇っていた。
重合器に、ケン化度80モル%、平均重合度2000の部分ケ
ン化ポリビニルアルコール760gを脱イオン水930kg に溶
かした水溶液を仕込んだ。重合器内を50mmHgになるまで
排気した後、塩化ビニル630kg を仕込み、次いで、撹拌
しながら表2及び表3に示す重合開始剤をポンプで圧入
し、同時にジャケットに熱水を通して重合器内の昇温を
始めて重合を開始した。重合器内の温度が51℃に達した
時点でジャケットに冷却水を通水して重合器内の温度
(重合温度)を51℃に保ちながら重合反応を行い、重合
器内圧が6.0kg/cm2 G に達した時点で重合を停止し、未
反応単量体を回収し、得られた重合体スラリーを重合器
外に抜き出し脱水乾燥して重合体を得た。得られた重合
体の品質は、実施例1と同様にして評価した。その結果
を表2に示す。
3時間30分後にジャケット温度が26℃に達した。重合温
度を51℃に保つためには、ジャケット温度を26℃よりも
下げる必要が生じたが、使用した重合装置の冷却能力で
はジャケット温度をそれ以上下げることができなかっ
た。このために、水性懸濁液の温度が 1.5℃上昇して5
2.5℃になった。
はそれぞれ下記のものを意味する。 BPD :t−ブチルパーオキシネオデカノエート(46℃) TPPD:2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシ−2
−ネオデカノエート(36℃) CPD :α−クミルパーオキシネオデカノエート(36℃) HDPD:3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパーオ
キシネオデカノエート(36℃)
重合器に、ケン化度80モル%、平均重合度2000の部分ケ
ン化ポリビニルアルコール700gを脱イオン水1030kgに溶
かした水溶液を仕込んだ。重合器内を50mmHgになるまで
排気した後、塩化ビニル単量体570kg を仕込み、次い
で、撹拌しながら表4に示す重合開始剤をポンプで圧入
し、同時にジャケットに熱水を通じて重合器内の昇温を
始めて重合を開始した。重合器内の温度が39℃に達した
時点でジャケットに冷却水を通水して重合器内の温度
(重合温度)を39℃に保ちながら重合反応を行い、内圧
が4.5kg/cm2 G に達した時点で重合を停止し、未反応単
量体を回収し、得られた重合体スラリーを器外に抜き出
し、脱水乾燥して重合体を得た。得られた重合体の品質
は、実施例1と同様の方法で評価した。その結果を表4
に示す。
れ下記のものを意味する。 IBP :イソブチリルパーオキサイド(33℃) BPD :t−ブチルパーオキシネオデカノエート(46℃) HDPD:3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパーオ
キシネオデカノエート(36℃)
これを主体とするビニル系単量体の混合物の重合におい
て、既存の重合装置を使用しつつ重合開始剤の使用量を
増加した場合、重合器内の重合体スケールの付着を抑制
し、既存の重合装置の冷却能力不足を補い重合時間を短
縮することができ、生産性が向上する。さらには、この
製造方法により得られる重合体の品質は良好であり、フ
ィッシュアイが少ない成形品を与え、初期着色性が良好
であり、抽出成分が少ない。
Claims (1)
- 【請求項1】 塩化ビニル又はこれを主体とするビニル
系単量体の混合物を水性媒体中で油溶性重合開始剤を用
いて懸濁重合する塩化ビニル系重合体の製造方法におい
て、 前記油溶性重合開始剤として (A) 0.1モル/Lベンゼン溶液の10時間半減期温度が30
〜50℃で、その構造中にベンゼン環又はアルコキシ基を
有しない有機過酸化物と、 (B) 3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパーオキ
シネオデカノエートとを組み合わせて使用することを特
徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6115996A JPH07300506A (ja) | 1994-05-02 | 1994-05-02 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
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1994
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