JP3437018B2 - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JP3437018B2 JP25704395A JP25704395A JP3437018B2 JP 3437018 B2 JP3437018 B2 JP 3437018B2 JP 25704395 A JP25704395 A JP 25704395A JP 25704395 A JP25704395 A JP 25704395A JP 3437018 B2 JP3437018 B2 JP 3437018B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系重合
体の製造方法に関する。特に、ポロシティーの高い粒子
構造を有し、可塑剤吸収性が高く、成形した際のフィッ
シュアイが少ない塩化ビニル系重合体を製造でき、さら
に、重合中の重合体スケールの付着が少ないので高い生
産性を有する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、ポロシティーが高く、加工性に優
れた塩化ビニル系重合体の製造方法が多数提案されてい
る。例えば、特開昭52-5886 号、同52-15890号、同55-1
12210号、同53-6392 号及び特公昭61-18562号の公報に
は、分散安定剤としてケン化度55モル%以下、平均重合
度 600以下のいわゆる油溶性ポリビニルアルコールを用
いてポロシティーを高め、フィッシュアイ、可塑剤吸収
性等を改良する方法が開示されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】これらの製造方法によ
れば、得られる重合体のポロシティーは、確かにある程
度高くなる。しかし、見掛けのスラリー粘度が重合末期
に上昇して、スラリーの流動性が低下する。このため、
反応混合物中に発生する重合反応熱を十分に除去できな
い。したがって、得られる重合体の重合度、可塑剤吸収
性、成形した際のフィッシュアイ等の品質に悪影響が及
びやすい。そのため、得られる重合体のフィッシュア
イ、可塑剤吸収性の改良の点では満足できるものではな
い。 【0004】さらに、得られる重合体の粒度が細かくな
る、粒度分布がブロードになる、重合中の重合器内に重
合体スケールが付着する等の問題も生じる。 【0005】そこで、本発明の課題は、粒度分布が狭
く、フィッシュアイが少なく、その上、可塑剤吸収性の
高い塩化ビニル系重合体を、重合体スケールの付着を効
果的に抑制しつつ、高い生産性で安定に製造する方法を
提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、塩化ビニル又は塩化ビニルを主体とする
ビニル系単量体の混合物を水性媒体中で懸濁重合する際
に、特定の分散安定剤を使用することにより、上記の課
題を解決できることを見いだした。 【0007】すなわち、本発明は、前記課題を解決する
手段として、塩化ビニル単量体又は塩化ビニルを主体と
するビニル系単量体の混合物を水性媒体中で分散安定剤
の存在下で懸濁重合することからなる塩化ビニル系重合
体の製造方法において、前記分散安定剤が、(A) 平均重
合度 300〜2000、ケン化度70〜98モル%であり、分子鎖
の少なくとも1つの末端にメルカプト基を有する部分ケ
ン化ポリビニルアルコール、及び(B) ヒドロキシプロポ
キシ置換度が40〜67重量%、そして2重量%水溶液の20
℃における粘度が5〜20000cP であるヒドロキシプロピ
ルセルロースを含有してなることを特徴とする塩化ビニ
ル系重合体の製造方法を提供するものである。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 【0009】(A)成分 部分ケン化ポリビニルアルコー
本発明の製造方法に用いられる分散安定剤は、平均重合
度が 300〜2000、好ましくは 500〜1500であり、ケン化
度が70〜98モル%、好ましくは75〜98モル%であり、そ
して分子鎖の少なくとも1つの末端にメルカプト基を有
する部分ケン化ポリビニルアルコール〔以下、分散安定
剤(A) という〕を含有することが必要である。平均重合
度が300 未満であったり、あるいはケン化度が70モル%
未満であると、得られる塩化ビニル系重合体の粒度が細
かくなりすぎたり、粒度分布がブロードになったりす
る。重合中の重合体スケールの付着も増加しやすい。逆
に、平均重合度が2000を超えたり、あるいはケン化度が
98モル%を超えると、得られる重合体のポロシティーが
低下したり、重合体を成形した際のフィッシュアイ量が
多くなったりする。 【0010】この部分ケン化ポリビニルアルコールとし
て、一般式: 【0011】 【化1】 【0012】〔式中、Zは、同一でも異なってもよく、
メルカプト基又は水素原子であり(ただし、少なくとも
1つはメルカプト基である)、x及びyは、 【0013】 【数1】 【数2】 300 ≦ x+y ≦ 2000 【0014】を満たす正の整数である〕で表されるもの
が挙げられる。 【0015】(B) 成分 ヒドロキシプロピルセルロース 本発明の製造方法に用いられる分散安定剤のもう一つの
成分は、ヒドロキシプロピルセルロース〔以下、分散剤
(B) という〕である。分散剤(B) は、ヒドロキシプロポ
キシ置換度が40〜67重量%であり、2重量%水溶液の20
℃における粘度が5〜20000cP であることが必要であ
る。分散剤(B) のヒドロキシプロポキシ置換度が40重量
%未満であると、得られる重合体のポロシティーが低く
なる。逆に、67重量%を超えると、粒度分布がブロード
になり、ハンドリングに支障をきたす。 【0016】分散剤(A) と分散剤(B) との仕込み量の比
は、重量比(A) /(B) が95/5〜3/7が好ましく、9
/ 1〜1/ 1の範囲がより好ましい。また、分散剤(A)
、(B) の合計仕込み量は、塩化ビニル系単量体 100重
量部に対して0.02〜0.5 重量部が好ましく、0.03〜0.2
重量部がより好ましい。 【0017】その他の重合条件 本発明の製造方法のその他の重合条件は、塩化ビニル又
は塩化ビニルを主体とするビニル系単量体混合物の水性
媒体中における懸濁重合で使用される通常の重合条件と
同様でよい。それを以下に説明する。 【0018】単量体 単量体には、塩化ビニル単独、又は塩化ビニルと共重合
するビニル系単量体と塩化ビニルとの混合物(通常、塩
化ビニルが主体で、50重量%以上含有される)が使用さ
れる。塩化ビニルと共重合可能なビニル系単量体として
は、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル
エステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の(メタ)アク
リル酸エステル;エチレン、プロピレン等のオレフィ
ン;無水マレイン酸;アクリロニトリル;スチレン;塩
化ビニリデン等が挙げられる。 【0019】重合開始剤 重合開始剤としては、例えばt−ブチルパーオキシネオ
デカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−
ヘキシルパーオキシピバレート、α−クミルパーオキシ
ネオデカノエート、t−ヘキシルネオヘキサノエート、
2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシ−2
−ネオデカノエート等のパーエステル化合物;ジイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキ
シルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチ
ルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピル
パーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合
物;デカノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド、ベンゾイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキ
シド、シクロヘキサノンパーオキシド、2,4−ジクロ
ロベンゾイルパーオキシド、p−メンタンハイドロパー
オキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオ
キシド、イソブチリルパーオキシド、アセチルシクロヘ
キシルスルホニルパーオキシド等のパーオキシド化合
物;α,α′−アゾビスイソブチロニトリル、α,α′
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、α,
α′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化水素等が挙げられ
る。これらは1種単独で又は2種以上の組合せとして使
用することができる。 【0020】重合開始剤の量は、単量体100 重量部当り
0.01〜0.5 重量部であることが好ましく、より好ましく
は0.03〜0.2 重量部である。 【0021】水性媒体 水性媒体として、脱イオン水等が挙げられ、その添加量
は、通常、単量体100重量部当り90〜200 重量部でよ
く、好ましくは90〜130 重量部である。水性媒体は、重
合の途中に必要に応じて追加してもよい。 【0022】その他の添加剤 必要に応じて使用される添加剤として、例えば重合調整
剤、連鎖移動剤、pH調整剤、ゲル化改良剤、帯電防止
剤、重合体スケール防止剤等が挙げられる。また、少量
の界面活性剤を添加することもできる。 【0023】重合 上述の単量体、水性媒体その他の材料を仕込む方法、重
合温度等の重合条件は、塩化ビニル系重合体の公知の懸
濁重合法に従えばよい。代表的な実施態様によれば、例
えば次のように行われる。 【0024】まず、分散剤(A) 、分散剤(B) 及び水性媒
体を重合器に仕込む。次に、重合器内を排気して減圧状
態にした後、単量体を仕込む。次に、重合開始剤を仕込
んで水性懸濁液を調製する。該水性懸濁液を攪拌しなが
ら昇温を開始し、通常、30〜80℃の反応温度で重合を行
う。重合中には、必要に応じて、前記の水性媒体、懸濁
剤、重合開始剤その他の添加剤の1種又は2種以上を添
加してもよい。重合反応終了後、未反応の単量体を回収
し、重合体スラリーを脱水、乾燥して重合体を得る。 【0025】 【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明の具体
的態様を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。 【0026】実施例1〜2及び比較例1〜4 各例で、内容積2 m3 のオートクレーブ(重合器)に、
純水900kg 並びに表1に示す分散剤(A) 及び(B) を表1
に示す条件で仕込んだ。次に、オートクレーブ内の圧力
が−700mmHg (8kPa)になるまで真空ポンプで排気
した。その後、塩化ビニル単量体700 kgを仕込み、さら
に、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシネオデカノ
エート420gを仕込んだ後、内温57.0℃になるまで昇温
し、同温度に保持した。内圧が6.0kg/cm2 G (690 kP
a)に達した時点で重合を停止した。そして、未反応単
量体を回収し、オートクレーブからスラリーを抜き出
し、得られたスラリーを脱水、乾燥して、重合体を得
た。 【0027】 【表1】【0028】各例で得られた重合体の嵩比重、粒度分
布、可塑剤吸収量、フィッシュアイ及び重合器内の重合
体スケール付着状況を下記のように測定した。結果を表
2に示す。 【0029】・嵩比重 JIS K-6721に準拠して測定した。 【0030】・粒度分布 JIS Z-8801に準拠して測定した。 【0031】・可塑剤吸収量 内径25mm、深さ85mmのアルミニウム合金製容器の底にグ
ラスファイバーを詰め、これに試料樹脂10g を投入し
た。さらに、DOP (ジオクチルフタレート)15ccを加
え、30分放置してDOP を樹脂中へ浸透させた。その後、
1,500Gの加速度で過剰のDOP を遠心分離した。樹脂に吸
収されたDOP の量を求め、樹脂 100重量部当りの値で表
した。 【0032】・フィッシュアイ 試料樹脂 100重量部、三塩基性硫酸鉛1重量部、ステア
リン酸鉛 1.5重量部、二酸化チタン 0.2重量部、カーボ
ンブラック 0.1重量部及びDOP 50重量部を混合した。得
られたコンパウンドを25g 採取し、 145℃のロールで3
分間混練し、次いで、厚さ0.2mm のシートにした。この
シート 100cm2 中にある透明粒子の数を計り、フィッシ
ュアイ数とした。 【0033】・重合体スケール付着 重合終了後、重合体を重合器から抜き出し、重合器内を
水洗した。そして、重合器内壁のうち、重合体が入って
いたときに気液界面付近及び液相に相当した部分につい
て、それぞれ、重合体スケール付着の状況を目視で観察
した。 【0034】 【表2】 【0035】 【発明の効果】本発明の製造方法によれば、粒度分布が
狭くてポロシティーの高い重合体を製造することができ
る。その上、この重合体を成形した際に、フイッシュア
イの少ない成形品が得られる。また、重合後の重合器内
には重合体スケールの付着が少ないので、重合体スケー
ルの除去作業なしで重合器を繰返し使用できる。このた
め、重合器を効率よく使用することができ、生産性が高
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−127604(JP,A) 特開 平8−109206(JP,A) 特開 平7−76603(JP,A) 特開 昭63−191806(JP,A) 特開 昭60−197229(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60,14/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 塩化ビニル単量体又は塩化ビニルを主体
    とするビニル系単量体の混合物を水性媒体中で分散安定
    剤の存在下で懸濁重合することからなる塩化ビニル系重
    合体の製造方法において、前記分散安定剤が、 (A) 平均重合度 300〜2000、ケン化度70〜98モル%であ
    り、分子鎖の少なくとも1つの末端にメルカプト基を有
    する部分ケン化ポリビニルアルコール、及び(B) ヒドロ
    キシプロポキシ置換度が40〜67重量%、そして2重量%
    水溶液の20℃における粘度が5〜20000cP であるヒドロ
    キシプロピルセルロースを含有してなることを特徴とす
    る塩化ビニル系重合体の製造方法。
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