JPH10338701A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JPH10338701A
JPH10338701A JP10039688A JP3968898A JPH10338701A JP H10338701 A JPH10338701 A JP H10338701A JP 10039688 A JP10039688 A JP 10039688A JP 3968898 A JP3968898 A JP 3968898A JP H10338701 A JPH10338701 A JP H10338701A
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soluble
vinyl chloride
oil
monomer
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JP10039688A
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Ryuichi Saito
隆一 斎藤
Tadashi Amano
正 天野
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 塩化ビニル単量体又は塩化ビニルを主体
としこれと共重合し得る単量体を混合した混合単量体を
水性媒体中で懸濁重合させるに際し、油溶性重合開始剤
としてパーエステル化合物及びパーカーボネート化合物
から選択される1種又は2種以上を使用すると共に、重
合前又は重合率20%になるまでの間に水溶性過酸化物
及びハイドロパーオキシド系油溶性重合開始剤から選択
される1種又は2種以上と、水溶性還元剤とを添加する
ことを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。 【効果】 本発明によれば、少ない油溶性重合開始剤量
で初期着色性を悪化させずに重合速度の向上を図ること
ができ、低コストで高品質の塩化ビニル系重合体を得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系重合
体の製造方法に関し、更に詳述すると油溶性重合開始剤
量を減少させても反応時間が長くならない塩化ビニル系
重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】塩化ビ
ニル系重合体は一般に塩化ビニル又は塩化ビニルを主体
とするビニル系単量体混合物を水性媒体中で撹拌、懸濁
させ、これにパーエステル化合物やパーカーボネート化
合物等の油溶性重合開始剤を添加して行われる。
【0003】このような塩化ビニル系重合体の製造にお
いては、生産性を向上させるために重合時間を短縮させ
る試みが続けられているが、この場合、添加する油溶性
重合開始剤量を増加させる必要があり、その結果、製品
重合体より得られる成形品の初期着色性が悪化する問題
があった。
【0004】通常、一般の塩化ビニル系単量体の懸濁重
合は、油溶性の重合開始剤を単独或いは数種類の組み合
わせで用いて行われる。未反応の油溶性重合開始剤又は
油溶性重合開始剤残渣は重合後は重合体に吸着された形
で存在する。そのため、重合体を熱によって加工を行っ
た場合、未反応の油溶性重合開始剤又は油溶性重合開始
剤残渣が熱分解を受けるため色目が悪くなることが多
い。つまり、油溶性重合開始剤を多く導入すると初期着
色性に悪影響を与える。
【0005】例えば、ジカーボネート系化合物を単独使
用した場合は、開始剤の量を増やすと初期着色性を悪化
させる。更に、パーエステル系化合物を単独使用した場
合は、ジカーボネート系単独使用に比較して得られる製
品重合体の成形品の初期着色性の悪化の程度への影響は
少ないが、やはり開始剤量を増量すると初期着色性が悪
化し、十分なものとは言えない。
【0006】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであり、重合時間を短縮しても初期着色性
を悪化させない高品質の塩化ビニル系重合体を製造する
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は上記目的を達成すべく、初期着色性に悪影響を
与えず、低コストで重合時間を短縮可能な塩化ビニル系
重合体の製造方法について鋭意検討した結果、パーエス
テル化合物及びパーカーボネート化合物から選択される
油溶性重合開始剤と共に水溶性過酸化物及びハイドロパ
ーオキシド系油溶性重合開始剤から選択される重合開始
剤と水溶性還元剤とを微量併用することにより、初期着
色性を悪化させずに重合速度の向上が図れ、その結果少
ない油溶性重合開始剤量で所定時間において重合を行う
ことができ、このため、塩化ビニル系重合体のコストの
削減への寄与が大きく、単位時間及び単位油溶性触媒量
当たりの収量の向上につながることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0008】従って、本発明は、塩化ビニル単量体又は
塩化ビニルを主体としこれと共重合し得る単量体を混合
した混合単量体を水性媒体中で懸濁重合させるに際し、
油溶性重合開始剤としてパーエステル化合物及びパーカ
ーボネート化合物から選択される1種又は2種以上を使
用すると共に、重合前又は重合率20%になるまでの間
に水溶性過酸化物及びハイドロパーオキシド系油溶性重
合開始剤から選択される1種又は2種以上と、水溶性還
元剤とを添加することを特徴とする塩化ビニル系重合体
の製造方法を提供する。
【0009】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の塩化ビニル系重合体は、塩化ビニル系単量体又
は塩化ビニルを主体としこれと共重合し得るビニル系単
量体を混合した混合単量体(以下、これらを総称して塩
化ビニル系単量体という)を水性媒体中で懸濁重合させ
るものである。
【0010】この場合、塩化ビニル系単量体としては、
上記のように塩化ビニル単量体単独に限られず、塩化ビ
ニルを主体とするこれと共重合可能なビニル系単量体
(コモノマー)との混合物(塩化ビニルが50重量%以
上)であってもよく、このコモノマーとしては、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エス
テル、もしくはメタアクリル酸エステル;エチレン、プ
ロピレンなどのオレフィン;ラウリルビニルエーテル、
イソブチルビニルエーテルなどのビニルエーテル;無水
マレイン酸;アクリロニトリル、スチレン;塩化ビニリ
デン;その他塩化ビニルと共重合可能な単量体などが挙
げられ、これらは1種を単独で又は2種以上の組み合わ
せで用いられる。
【0011】本発明の懸濁重合方法においては、常法に
従い、懸濁剤を配合し得るが、この懸濁剤は従来一般に
使用されているものでよく、例えばメチルセルロース、
エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース等の水溶性セルロースエーテル;アクリル酸
重合体、ゼラチン等の水溶性ポリマー;水溶性及び油溶
性部分ケン化ポリビニルアルコール等があり、これらは
1種を単独で又は2種以上の組み合わせで使用される。
また、これらの添加量は通常塩化ビニル系単量体100
重量部当たり0.01〜5重量部用いられる。
【0012】更に必要に応じて塩化ビニル系の重合に適
宜使用される重合調整剤、連鎖移動剤、pH調整剤、ゲ
ル化改良剤、帯電防止剤、スケール防止剤などを添加す
ることも任意である。
【0013】而して、本発明において、この懸濁重合に
際して、パーエステル化合物及びパーカーボネート化合
物から選択される油溶性重合開始剤と共に酸化還元系開
始剤、つまり水溶性過酸化物及びハイドロパーオキシド
系油溶性重合開始剤から選択される重合開始剤と水溶性
還元剤を併用するものである。
【0014】即ち、本発明で使用される油溶性重合開始
剤は、パーエステル化合物及びパーカーボネート化合物
より選択されるが、使用される油溶性重合開始剤中、パ
ーエステル化合物が70重量%以上、好ましくは90重
量%以上含まれているのがよい。パーエステル化合物と
しては、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブ
チルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピ
バレート、α−クミルパーオキシネオデカネートなどが
挙げられる。パーカーボネート化合物としては、ジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘ
キシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパ
ーオキシジカーボネートなどが挙げられる。これらは単
独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
これらの添加量は塩化ビニル系単量体100重量部当た
り0.005〜3重量部、好ましくは0.05〜2重量
部使用することが好ましい。
【0015】本発明で使用される酸化還元系重合開始剤
はラジカル発生剤と還元剤から構成され、ラジカル発生
剤は、還元剤によって還元されることによってラジカル
を発生し、塩化ビニルの重合温度、つまり30〜80℃
の範囲における重合開始剤としての機能を持つ。
【0016】ラジカル発生剤としては水溶性過酸化物及
びハイドロパーオキシド系油溶性重合開始剤から選択さ
れる。水溶性過酸化物は例えば過酸化水素、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウムなどである。ハイドロパーオ
キシド系油溶性重合開始剤としてはクメンハイドロパー
オキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ターシ
ャリーブチルハイドロパーオキサイド、イソプロピルハ
イドロパーオキサイド、パラサイメンハイドロパーオキ
サイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどが挙げら
れる。これらの中では反応時間の短縮及び初期着色性へ
の悪影響の少なさの点で水溶性過酸化物を用いることが
好ましい。また、これら水溶性過酸化物の中では、反応
時間の短縮及び初期着色性の点で過硫酸カリウムが好ま
しい。
【0017】水溶性還元剤も特に限定されず、これには
例えばアルカリ金属亜硫酸塩、アルカリ金属亜硫酸水素
塩、アルカリ金属チオ硫酸塩、スルフィン酸、アスコル
ビン酸、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、
還元糖類等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組
み合わせて使用することができるが、反応時間の短縮及
び初期着色性への悪影響の少なさの点でアスコルビン酸
が好まれる。ただし、硫酸第1鉄、塩化第1銅等の重金
属系還元剤は初期着色性の点であまり好ましくない。
【0018】酸化還元系重合開始剤の量はラジカル発生
剤、水溶性還元剤とも塩化ビニル系単量体100重量部
当たり0.0005〜0.0015重量部、好ましくは
0.0008〜0.0012重量部程度であることが望
ましい。ラジカル発生剤、水溶性還元剤の量がそれぞれ
初期仕込み単量体100重量部当たり0.0005重量
部未満であると反応時間の短縮は見られない可能性があ
る。また、ラジカル発生剤、水溶性還元剤の量がそれぞ
れ初期仕込み単量体100重量部当たり0.0015重
量部を超えると、初期に反応が急激に進行し、反応の暴
走を招き安全上好ましくなく、初期着色性にも悪影響を
与える可能性がある。
【0019】また、酸化還元系重合開始剤を添加する時
期は重合率20%以内の間でなければならず、特に重合
開始前に行うことが好ましい。重合率が20%を超えて
から添加すると反応時間を短縮する効果が減少するおそ
れがある。
【0020】重合系に上記のラジカル発生剤、水溶性還
元剤をそれぞれ塩化ビニル系単量体100重量部当たり
0.001重量部程度加えることは、油溶性重合開始剤
を10重量%程度増量することと同等の反応時間短縮効
果を示す。一方、油溶性重合開始剤は通常の重合では塩
化ビニル系単量体100重量部当たり0.005〜3重
量部(好ましくは0.05〜2重量部)を用いている。
この事実から、酸化還元系開始剤を添加して重合時間を
短縮する場合、油溶性重合開始剤を増量することに比べ
て少量の添加量となり、コスト面における長所がある。
また、初期着色性を極度に悪化させることも少なく、品
質的にも特に問題がない。
【0021】なお、酸化還元系重合開始剤の添加により
上記効果が得られる理由については必ずしも明らかでは
ないが、従来の懸濁重合系で反応の場は油溶性ミセル中
で進められているのに対し、本発明において油溶性重合
開始剤と酸化還元系重合開始剤を併用すると、反応の場
が水溶性ミセル中でも進行することによって重合速度が
速くなると推察される。
【0022】本発明において、酸化還元系重合開始剤を
パーエステル化合物及びパーカーボネート化合物と併用
して用いること以外は通常行われている塩化ビニル系単
量体の重合方法と同様の条件で行うことができる。即
ち、この重合に際しての他の条件、例えば、重合器への
水性媒体の仕込み脱気方法、懸濁剤等の仕込み方法等は
従来と同様にして行えばよい。これらの仕込み割合、重
合温度などの重合条件も又同様でよく、重合温度に関し
ては通常30〜80℃の範囲で行われる。
【0023】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、以下の例において部は重量部、%
は重量%を示す。また塩化ビニル樹脂の物性値は下記の
配合並びに方法によって測定したものである。
【0024】〔実施例1〕内容積5Lの撹拌機及びジャ
ケット付の重合器に脱イオン水を2600g、分散剤と
して部分ケン化ポリビニルアルコールを1.2g、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースを0.8g仕込んだ。
次いで重合器内圧が30mmHgになるまで脱気した
後、塩化ビニル単量体を1300g仕込んだ。撹拌しな
がらt−ブチルパーオキシネオデカネート0.9gを圧
入し、更に過硫酸カリウムを0.015g、アスコルビ
ン酸を0.015g圧入した。同時にジャケットに熱水
を通じて57℃まで昇温させた後、その温度を保ちなが
ら重合させた。
【0025】重合器内圧が6.0kg/cm2Gに低下
した時点で重合禁止剤を0.2g添加した後、未反応単
量体を回収したのち、反応混合物であるスラリーを重合
器内から取り出し、遠心分離機で脱水した。その脱水ケ
ーキを送風乾燥機で70℃,3時間乾燥して製品とし
た。得られた重合体の平均重合度、初期着色性を測定
し、その結果を表1に示した。
【0026】〔実施例2〕内容積2000Lの撹拌機及
びジャケット付の重合器に脱イオン水を900kg、分
散剤として部分ケン化ポリビニルアルコールを360
g、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを150g仕
込んだ。次いで重合器内圧が50mmHgになるまで脱
気した後、塩化ビニル単量体を700kg仕込んだ。撹
拌しながらジエチルヘキシルパーオキシジカーボネート
70g、t−ブチルパーオキシネオデカネート210
g、α−クミルパーオキシネオデカネート200gを圧
入し、更に過硫酸アンモニウムを7.0g、アスコルビ
ン酸を7.0g圧入した。同時にジャケットに熱水を通
じて57℃まで昇温させた後、その温度を保ちながら重
合させた。
【0027】重合器内圧が6.0kg/cm2Gに低下
した時点で重合禁止剤を100g添加した後、未反応単
量体を回収したのち、反応混合物であるスラリーを重合
器内から取り出し、遠心分離機で脱水した。その脱水ケ
ーキをバッチ式流動乾燥機で70℃,3時間乾燥して製
品とした。得られた重合体の平均重合度、初期着色性を
測定し、その結果を表1に示した。
【0028】〔実施例3〕内容積5Lの撹拌機及びジャ
ケット付の重合器に脱イオン水を2600g、分散剤と
して部分ケン化ポリビニルアルコールを1.2g、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースを0.8g仕込んだ。
次いで重合器内圧が30mmHgになるまで脱気した
後、塩化ビニル単量体を1300g仕込んだ。撹拌しな
がらt−ブチルパーオキシネオデカネート0.9gを圧
入し、更にシクロヘキサノンパーオキサイドを0.01
5g、アスコルビン酸を0.015g圧入した。同時に
ジャケットに熱水を通じて57℃まで昇温させた後、そ
の温度を保ちながら重合させた。
【0029】重合器内圧が6.0kg/cm2Gに低下
した時点で重合禁止剤を0.2g添加した後、未反応単
量体を回収したのち、反応混合物であるスラリーを重合
器内から取り出し、遠心分離機で脱水した。その脱水ケ
ーキを送風乾燥機で70℃,3時間乾燥して製品とし
た。得られた重合体の平均重合度、初期着色性を測定
し、その結果を表1に示した。
【0030】〔比較例1〕内容積5Lの撹拌機及びジャ
ケット付の重合器に脱イオン水を2600g、分散剤と
して部分ケン化ポリビニルアルコールを1.2g、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースを0.8g仕込んだ。
次いで重合器内圧が30mmHgになるまで脱気した
後、塩化ビニル単量体を1300g仕込んだ。撹拌しな
がらt−ブチルパーオキシネオデカネート1.0gを圧
入し、同時にジャケットに熱水を通じて57℃まで昇温
させた後、その温度を保ちながら重合させた。
【0031】重合器内圧が6.0kg/cm2Gに低下
した時点で重合禁止剤を0.2g添加した後、未反応単
量体を回収したのち、反応混合物であるスラリーを重合
器内から取り出し、遠心分離機で脱水した。その脱水ケ
ーキを送風乾燥機で70℃,3時間乾燥して製品とし
た。得られた重合体の平均重合度、初期着色性を測定
し、その結果を表1に示した。
【0032】〔比較例2〕内容積5Lの撹拌機及びジャ
ケット付の重合器に脱イオン水を2600g、分散剤と
して部分ケン化ポリビニルアルコールを1.2g、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースを0.8g仕込んだ。
次いで重合器内圧が30mmHgになるまで脱気した
後、塩化ビニル単量体を1300g仕込んだ。撹拌しな
がらt−ブチルパーオキシネオデカネート0.9gを圧
入し、同時にジャケットに熱水を通じて57℃まで昇温
させた後、その温度を保ちながら重合させた。
【0033】重合器内圧が6.0kg/cm2Gに低下
した時点で重合禁止剤を0.2g添加した後、未反応単
量体を回収したのち、反応混合物であるスラリーを重合
器内から取り出し、遠心分離機で脱水した。その脱水ケ
ーキを送風乾燥機で70℃,3時間乾燥して製品とし
た。得られた重合体の平均重合度、初期着色性を測定
し、その結果を表1に示した。
【0034】〔比較例3〕内容積5Lの撹拌機及びジャ
ケット付の重合器に脱イオン水を2600g、分散剤と
して部分ケン化ポリビニルアルコールを1.2g、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースを0.8g仕込んだ。
次いで重合器内圧が30mmHgになるまで脱気した
後、塩化ビニル単量体を1300g仕込んだ。撹拌しな
がらt−ブチルパーオキシネオデカネート0.9gを圧
入し、更に過硫酸カリウムを0.015g圧入した。同
時にジャケットに熱水を通じて57℃まで昇温させた
後、その温度を保ちながら重合させた。
【0035】重合器内圧が6.0kg/cm2Gに低下
した時点で重合禁止剤を0.2g添加した後、未反応単
量体を回収したのち、反応混合物であるスラリーを重合
器内から取り出し、遠心分離機で脱水した。その脱水ケ
ーキを送風乾燥機で70℃,3時間乾燥して製品とし
た。得られた重合体の平均重合度、初期着色性を測定
し、その結果を表1に示した。
【0036】平均重合度 JIS−K6721の方法に
従って測定した。初期着色性 塩化ビニル重合体100部にスズ系安定剤1.5部、ジ
オクチルフタレート50部を配合し、2本ロールミルを
用いて160℃で5分間混練した後、厚さ0.8mmの
シートを成形した。
【0037】次に、このシートを裁断して重ねて、4×
4×1.5cmの型枠に入れて160℃、65〜70k
gf/cm2で加熱、加圧成形して測定試料を作成し
た。この測定試料について、光電色彩計(日本電色工業
株式会社製)を用いてJIS−Z8730(1980)
に記載のハンターの色差式において明度指数Lを求め
た。
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果から、本発明の製造方法によれ
ば、油溶性重合開始剤を多くした系と同等の反応時間に
て良好なレジンが得られ、コスト面におけるメリットが
大きい。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、少ない油溶性重合開始
剤量で初期着色性を悪化させずに重合速度の向上を図る
ことができ、低コストで高品質の塩化ビニル系重合体を
得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル単量体又は塩化ビニルを主体
    としこれと共重合し得る単量体を混合した混合単量体を
    水性媒体中で懸濁重合させるに際し、油溶性重合開始剤
    としてパーエステル化合物及びパーカーボネート化合物
    から選択される1種又は2種以上を使用すると共に、重
    合前又は重合率20%になるまでの間に水溶性過酸化物
    及びハイドロパーオキシド系油溶性重合開始剤から選択
    される1種又は2種以上と、水溶性還元剤とを添加する
    ことを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 水溶性過酸化物及びハイドロパーオキシ
    ド系油溶性重合開始剤から選択される1種又は2種以上
    を上記単量体100重量部に対して0.0005〜0.
    0015重量部使用すると共に、水溶性還元剤を上記単
    量体100重量部に対して0.0005〜0.0015
    重量部使用した請求項1記載の製造方法。
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