JPH07264355A - カラー画像読取装置 - Google Patents

カラー画像読取装置

Info

Publication number
JPH07264355A
JPH07264355A JP6048880A JP4888094A JPH07264355A JP H07264355 A JPH07264355 A JP H07264355A JP 6048880 A JP6048880 A JP 6048880A JP 4888094 A JP4888094 A JP 4888094A JP H07264355 A JPH07264355 A JP H07264355A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light receiving
receiving element
color
scanning direction
image sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6048880A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiya Imoto
善弥 伊本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP6048880A priority Critical patent/JPH07264355A/ja
Publication of JPH07264355A publication Critical patent/JPH07264355A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Facsimile Heads (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 3本の読取ラインを有するイメージセンサと
プリズム色分散を組み合せる方式において、イメージセ
ンサの各受光素子の形状及び配置を工夫することによ
り、各色の受光素子列の副走査方向の間隔を実質的に狭
くしてギャップ補正を簡単な回路で実現して高画質のカ
ラー画像を得ることができるカラー画像読取装置を提供
すること。 【構成】 ラインイメージセンサの各受光素子列B1
2 ,・・、G1 ,G2,・・、R1 ,R2 ,・・を、
各色の分光特性の波長の順番に副走査方向に並べると共
に、ラインイメージセンサの少なくとも2色の受光素子
列G1 ,G2 ,・・、R1 ,R2 ,・・の各受光素子に
関して、主走査方向と副走査方向の両方向に、互いの受
光素子の感度の重心を、各色毎の主走査方向の受光素子
間隔で決まるセンササンプリングピッチよりも小さい距
離だけずらして配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー画像をラインイ
メージセンサを使って入力するカラー画像読取装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、カラー複写機においては、イ
メージセンサを使用して原稿を走査することによりカラ
ー画像の読取が行われる。カラー画像を、イメージセン
サを使って走査読取を行うカラー画像読取装置として
は、たとえば、以下に示す四つの装置が知られている。
【0003】(1)白黒イメージセンサを使用し、光源
或いは白黒イメージセンサの前面に配置したフィルタの
色を切換えることにより読取色の切換えを原稿の走査毎
に行う装置。
【0004】(2)イメージセンサの1ラインの受光素
子列上に、色フィルタを3色点順次に貼りつけるたもの
を使用し、カラー画像の3色成分を同時に読み取る装
置。
【0005】(3)原稿からの反射光をダイクロイック
プリズムで3光路に色分解し、3本のイメージセンサで
同時に読み取る装置。
【0006】(4)3色に対応する3本の読取ラインを
イメージセンサの1チップ上に設け、カラー画像の異な
る部分の3色成分を同時に読み取る装置。
【0007】しかし上記の各装置には、以下に説明する
ような不都合がある。すなわち、(1)の装置は、1枚
の原稿の画像を読み取るために原稿を複数回走査する必
要があるので高速化に不向きである。
【0008】(2)の装置では、高画質・高解像度を考
えた場合、受光素子密度が高くなることから、長尺の密
着センサを使った方式になり、CCD(電荷結合素子)
等からなるイメージセンサを複数チップ並べる構造とな
る。この場合、チップ間の特性不整合により、読取画像
上で、各チップの読取エリアの境界が、目立ちやすくな
るという弱点を持っている。
【0009】また、この構造を縮小型センサに使う提案
もある。すなわち、赤,緑及び青の3色の受光素子を1
列に並べ、各受光素子の出力を3本の転送電極で読み出
すという提案がなされている(テレビジョン学会技術報
告・情報入力1992「高速駆動−点順次CCDカラー
リニアセンサ」)。この提案では、転送電極内を隣接す
る水平方向転送電極に、垂直方向に転送する機能を設け
て、受光素子列の片側に転送電極を3本設ける構造にな
っている。しかしこの方式では、3色の受光素子を点順
次に並べる構造になるため、1色あたりの受光素子面積
が小さくなり、感度が低下する問題がある。また、A3
サイズで解像度400SPI(spotper inc
h)の読取を行うため各色5000受光素子にすると、
1受光素子あたりの大きさを5μmとした場合でも、チ
ップの大きさが75mmになり、チップが大きくなりす
ぎて、コストの問題、チップの反りの問題などが発生す
る。
【0010】(3)の装置では、独立した3本のイメー
ジセンサが使用されるので、3本のイメージセンサの厳
密な位置合わせが要求され、調整工数が多くかかるとい
う問題がある。
【0011】これに比べて(4)の装置は、3ラインの
赤,緑及び青の受光素子列が、半導体基板上に作成され
ているので、3色のレジストレーションを合わせるため
の位置あわせの手間がいらず、また1色が1チップで構
成されているので、読取エリア内での読取特性の変化点
も存在しないという利点がある。しかし、この(4)の
装置においては、読取走査している時に、3ラインの読
取ラインが、同時刻に原稿面上の同じ位置を読んでない
ため、たとえば、高速FIFO(first−in f
irst−oput)メモリを使って先行して読んでい
る色の情報を遅延させ、同時刻に同一位置を読み取るよ
うなデジタル的な補正をする必要がある。この補正は3
本の読取ラインの間隔すなわちギャップに起因する読取
信号の時間差を補正するものあるので、ギャップ補正と
呼ばれる。
【0012】(4)の装置では、このギャップ補正の補
正のために、高速FIFOメモリとこのメモリ制御する
ための回路が必要となるためコスト高となり、カラー読
取装置を安価に供給しようというした場合のネックとな
る。また、このギャップ補正を行うためには、読取位置
ズレを読取時間ズレに置き換えて補正しているため、読
取走査速度が完全に等速度であることが前提となってい
る。このため、原稿走査機構系の振動等により走査速度
ムラが存在した場合に、局所的な色ズレが発生する。こ
のため、機構系の走査速度の安定性への要求が厳しくな
り、高価な走査機構系が必要になる。
【0013】また、3色で読み取っている位置が違うこ
とと、照明効率を上げるためにシャープに集光した照明
を行っていることから、読取原稿がプラテンガラスから
浮いた場合、読取色ごとの光量がアンバランスに変化す
ることにより、読取データのカラーバランスが変化して
黄色ぽくなり、見苦しい画像になる。
【0014】この欠点を補うため、1イメージセンサチ
ップ上に設けた3本の読取ラインに、同一ラインの画像
情報を、光学的に3色分解して結像するための提案がさ
れている。
【0015】たとえば、特開平1−237619号公報
には、ダイクロイックミラーを使ったビームスプリッタ
で結像された画像を3色に色分解して結像する装置が開
示されている。この装置では、図27に模式的に示すよ
うに、プラテンガラス1上に載置された原稿2をランプ
3で照明し、原稿2からの反射光をレンズ4を介してビ
ームスプリッタとして機能するダイクロイックミラー5
に照射し、このダイクロイックミラー5により原稿2か
らの反射光を3色に色分解して3本の読取ラインを有す
る白黒のイメージセンサ6の各読取ライン上に結像させ
ることにより、同一ラインの画像情報を3色同時に読み
取るようにしている。
【0016】しかし、図27に示されるカラー画像読取
装置においては、イメージセンサ6に対するダイクロイ
ックミラー5の取り付け精度が問題となる。さらにビー
ムスプリッタをダイクロイックミラー5により構成した
場合、コストが高いという問題がある。また、単純に原
稿からの反射光を色分解してイメージセンサ6上に結像
させただけでは、原稿2上の隣接した異なったラインの
画像(図27の例ではライン1とライン2の画像)が3
色に色分解されたスリット像が、イメージセンサ6上で
互いに重なり、光学的なクロストークが発生してしま
う。このため、非常に精度の高い細い幅のスリット7を
使って、光学像の副走査方向の幅を制限する必要がある
が、このようなスリット7を設けることは実際的ではな
い。
【0017】また、特開平2−214370号公報に記
載の装置では、ブレーズド回折格子を使って3ラインイ
メージセンサに色分解を行っているが、同公報に記載の
装置においては、画角によって分離角が変わることか
ら、テレセントリック光学系と組み合わす必要があり、
レンズの明るさの点で不利になる。
【0018】更に、同一ラインの画像情報を光学的に3
色分解するための手法として、プリズムの屈折での色分
散を使う提案もいくつかなされている。これは、図28
に模式的に示すように、プラテンガラス1上に載置され
た原稿2からの反射光を、プリズム7の屈折での色分散
を利用して3色に分解し、レンズ4により3本の読取ラ
インを有する白黒のイメージセンサ6の各読取ライン上
に結像させることにより、同一ラインの画像情報を3色
同時に読み取るようにしている。
【0019】図28に示すように、プリズム7での色分
散を使って、ラインイメージセンサ6の受光素子列と垂
直方向(副走査方向)に、3色に色分解を行おうとした
場合に問題となるのは、副走査方向の画像ボケである。
プリズム7ではガラスの屈折の色分散によって色分離を
行うため、波長による結像位置が受光素子列と垂直方向
に連続的に変わっていく。このため以下に説明するよう
に画像のボケが発生する。
【0020】図28に示すように、プリズム7によっ
て、色分散させられたライン1から発した光線(実線で
示す)は、イメージセンサ6上の各読取ラインに、赤
(R),緑(G)及び青(B)の各色ごとに結像され
る。また副走査方向に異なる位置のライン2から発した
光線(破線で示す)は、イメージセンサ6上の違う点に
結像される。この際、ライン1の青色光(450nmの
光)とライン2の青緑光(500nmの光)がイメージ
センサ6上の同じ位置に結像することになり、副走査方
向の画像ボケが生じる。つまり、原稿上で位置の異なる
情報が、イメージセンサ6の同じ受光素子に受光される
ため、画像がボケてしまう。これを防ぐための一つの方
法は、スリットを設けることにより副走査方向の読取幅
を制限することである。つまり、図28に示されるライ
ン2から来る光を遮断してしまうことである。しかし、
スリット幅を、読取ピッチ(たとえば、1/16mm)
程度にして、原稿面に置く必要があり、反射原稿読取の
ために、斜め方向からの照明を行う余裕を考えると、非
現実的である。
【0021】また、スリットを結像レンズの後段に置く
構成の提案が、特開昭60−135919号公報や、特
開平2−205169号公報、特開平3−85863号
公報でなされている。これは、レンズとイメージセンサ
の間に、シリンドリカル凹レンズとスリットと色分散プ
リズムとからなる光学系を配置した構成のものである。
この光学系は、いわゆる分光器の光学系の全面に平行光
束にするための凹レンズを組み合せたものであるが、ス
リットの位置がいずれも結像位置でないため、このスリ
ットは、単に結像光束を制限して画像を暗くするのみで
なく、読取画像を制限する役割も果たせない。逆に、ス
リット位置を結像位置にもってくれば、プリズムを置く
スペースが無くなってしまう。したがって、スリットを
結像レンズの後段に置くことによる効果は疑問である。
【0022】また他の方法は、照明光を赤,緑及び青の
特定の狭帯域な3波長に制限することである。特開平3
−42686号公報に記載の装置では、これを試みよう
としている。しかし同公報の装置では、3ラインCCD
に白黒センサを使っているので、照明光を狭帯域にして
も、図28のようにライン2の赤(R)の光が緑(G)
の読取受光素子に入射するという、3色間のクロストー
クが発生するはずであり、提案として不完全である。さ
らにこのクロストークを防ぐ工夫が必要である。また、
副走査方向の解像度の改善を、単に照明光の波長帯域を
狭帯域にすることによって行おうとすると、同公報に記
載されているように、蛍光ランプに干渉膜フィルタを蒸
着して、非常に狭い帯域の分光特性にする必要があるの
で、蛍光ランプの光量が大幅に遮断され、充分な光量が
得られなくなるという欠点を持っている。また同公報に
記載の実施例では、赤,緑及び青の3本の蛍光ランプを
使っているが、切り貼り原稿の紙厚分の段差を読んだ場
合、照明方向で色が違うため、段差の部分が色づくとい
う画質欠陥が生じる。
【0023】上記した各種の問題を解決するためのもの
として、本出願人により出願された特願平5−2848
60号明細書では、図29に示すように、イメージセン
サ6の赤,緑及び青の各受光素子列6PR,6PG,6
PBに対する転送電極6TR,6TG,6TBの配置を
受光素子列の片側のみで駆動する構造とし、さらに、赤
と緑の受光素子列6PR,6PGを互いに向かい合わす
構造とすることにより、赤と緑の受光素子の間隔を縮
め、緑と青の間隔を赤と緑の間隔よりも大きい構造と
し、プリズムの色分散効果と組み合せて、光学系での3
ラインのギャップ補正を行っている。
【0024】また、前記の3色間のクロストークの対策
として、受光素子列上に作成されたオンチップフィルタ
により読取色以外の結像光をカットし、原稿上之読み取
ろうとするライン以外から読取色以外の色情報がクロス
トークとして侵入するのを防いでいる。
【0025】上記先願は、図29に示されるような受光
素子列6PR,6PG,6PBと転送電極6TR,6T
G,6TBの配置を採用することにより、3本の読取ラ
インを有するイメージセンサ6のギャップ補正を安価に
精度良く行うことができる。また、同一時刻に同一点を
読み取ることにより、読取系の読取速度変動によるレジ
ストレーションずれの発生、原稿が浮いたときに発生す
る赤,緑及び青のアンバランスな光量低下などの問題点
を解消できる。
【0026】しかし、この先願に記載のカラー画像読取
装置においても、緑と青の受光素子列6PG,6PB間
に、緑の転送電極6TGが入ることで、受光素子列の2
〜3ライン分程度の間隔ができるため、色分散による補
正量が大きくなり、副走査方向に波長ごとの結像位置が
広がることによる、副走査方向のMTF(modula
tion transfer function)の低
下(特に青)が発生するという問題がある。また、これ
を改善しようと、各色の分光特性をシャープにするため
にスペクトルが輝線型の3波長型蛍光ランプと組み合わ
すと3波長型蛍光ランプに起因する色再現性や光量安定
性の問題が発生する。
【0027】このため前記先願に記載のカラー画像読取
装置は、赤黒読取用などの特殊用途の光学系には好適だ
が、高画質を目指したカラー画像読取装置には適さない
という問題があった。
【0028】一方、特開平4−199983号公報に
は、図30に示すように、青の受光素子列B1 ,B2
3 の配列方向の受光素子長に比べて赤と緑の受光素子
列R1,R2 ,R3 とR1 ,R2 ,R3 の配列方向の受
光素子長を半分とし、赤と緑の各受光素子を交互に配置
したイメージセンサが開示されている。図30に示す構
成のイメージセンサでは、補正メモリを削減し、ライン
間のギャップ間隔があることによるエラーを小さくしよ
うとしている。
【0029】同公報に記載の装置では、補正ライン数が
減るほか、青の受光素子の面積を広げられることから、
3色のセンサ出力バランスが良くなる利点を持ってい
る。しかし、同公報に記載の装置でも、ギャップ間隔
が、1ライン程度存在するので、拡大モードでは、補正
ライン数が増えてしまい、FIFOメモリは、どうして
も必要となる。また、同公報に記載の装置では、センサ
ピッチを所望の解像度の1/2にしておき、補間で所望
解像度を得ようとしているものであり、本当の意味の高
解像度を狙いとしたものではない。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、複数本の読取ラインを有するイメージセンサとプリ
ズム色分散を組み合せる方式において、イメージセンサ
の各受光素子の形状及び配置を工夫することにより、各
色の受光素子列の副走査方向の間隔を実質的に狭くして
ギャップ補正を簡単な回路で実現して高画質のカラー画
像を得ることができるカラー画像読取装置を提供するこ
とにある。
【0031】また本発明の他の目的は、赤,緑及び青3
色の読取のみならず、4色以上のカラー読取にも拡張で
きるカラー画像読取装置を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、原稿からの反射光を色分散手段により各色光に分光
し、各色光を結像レンズにより3色以上の受光素子列の
各列が副走査方向にお互いの位置をずらして配置された
ラインイメージセンサの各受光素子列上に結像させ、主
走査方向を前記ラインイメージセンサの電気的走査によ
り読み取り、副走査方向を前記ラインイメージセンサへ
の結像位置を相対的に動かして行くことにより原稿の画
像を読み取るカラー画像読取装置において、前記ライン
イメージセンサの各受光素子列を、各色の分光特性の波
長の順番に副走査方向に並べると共に、前記ラインイメ
ージセンサの少なくとも2色の受光素子列の各受光素子
に関して、主走査方向と副走査方向の両方向に、互いの
受光素子の感度の重心を、各色毎の主走査方向の受光素
子間隔で決まるセンササンプリングピッチよりも小さい
距離だけずらして配置したことを特徴とする。
【0033】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
カラー画像読取装置において、前記ラインイメージセン
サの3色以上の受光素子列を第1の群と第2の群の二つ
の群に分け、前記第1の群の受光素子列に対しては第1
の副走査方向から読み出しを行い、前記第2の群の受光
素子列に対しては前記第1の副走査方向と反対側の第2
の副走査方向から読み出しを行うことを特徴とする。
【0034】請求項3に記載の発明は、請求項2記載の
カラー画像読取装置において、前記ラインイメージセン
サの前記第2の群の受光素子列は1色の受光素子列から
なり、この色の分光特性が各色のうち最も波長が短い色
であることを特徴とする。
【0035】請求項4に記載の発明は、請求項3記載の
カラー画像読取装置において、前記ラインイメージセン
サの前記第2の群の受光素子列は青1色からなり、前記
第1の群の受光素子列は緑と赤の2色からなることを特
徴とする。
【0036】請求項5に記載の発明は、請求項4記載の
カラー画像読取装置において、前記ラインイメージセン
サの青の受光素子列の分光感度曲線が、500nmでピ
ーク強度の20%以下の強度を有するものであることを
特徴とする。
【0037】請求項6に記載の発明は、請求項4記載の
カラー画像読取装置において、前記ラインイメージセン
サの緑と赤の受光素子を副走査方向に関して非対称の形
状とし、緑の受光素子の主走査方向の幅は、青の受光素
子列に近い側を幅を広くし、赤の受光素子の主走査方向
の幅は、青の受光素子列に近い側の幅を狭くしたことを
特徴とする。
【0038】請求項7に記載の発明は、請求項4記載の
カラー画像読取装置において、前記ラインイメージセン
サの緑と赤の受光素子の形状及び面積をお互いに異なら
せたことを特徴とする。
【0039】請求項8に記載の発明は、請求項2記載の
カラー画像読取装置において、前記ラインイメージセン
サの前記第2の群の受光素子列は青と青緑の2色からな
り、前記第1の群の受光素子列は緑と赤の2色からなる
ことを特徴とする。
【0040】請求項9に記載の発明は、請求項2記載の
カラー画像読取装置において、前記ラインイメージセン
サの前記第2の群の受光素子列は青と緑の2色からな
り、前記第1の群の受光素子列は赤と赤外の2色からな
ることを特徴とする。
【0041】請求項10に記載の発明は、請求項3記載
のカラー画像読取装置において、前記ラインイメージセ
ンサの前記第2の群の受光素子列は青1色からなり、前
記第1の群の受光素子列は緑と赤と赤外の3色からなる
ことを特徴とする。
【0042】請求項11に記載の発明は、請求項1から
請求項10のいずれか1項に記載のカラー画像読取装置
において、前記ラインイメージセンサにおける各色を読
み取る受光素子の分光感度特性の違いは、受光素子の上
に形成されたオンチップフィルタにより決定されること
を特徴とする。
【0043】請求項12に記載の発明は、請求項1記載
のカラー画像読取装置において、前記色分散手段を設け
る位置を前記結像レンズの直前としたことを特徴とす
る。
【0044】請求項13に記載の発明は、請求項1又は
請求項12に記載のカラー画像読取装置において、前記
色分散手段として、互いの屈折率がほぼ等しく、色分散
の大きさがアッベ数で10以上異なる2種のガラスを材
料とする二つのプリズムをお互いの屈折力を打ち消すよ
うに組み合せたものを用いることを特徴とする。
【0045】請求項14に記載の発明は、請求項13記
載のカラー画像読取装置において、前記2種のガラス
が、クラウン系のガラスとフリント系のガラスであるこ
とを特徴とする。
【0046】請求項15に記載の発明は、請求項1から
請求項11のいずれか1項に記載のカラー画像読取装置
において、前記ラインイメージセンサの各色の受光素子
列の副走査方向のギャップ距離を、前記色分散手段で決
まる各色の副走査方向の結像位置のズレ量とほぼ同じに
したことを特徴とする。
【0047】請求項16に記載の発明は、請求項4記載
のカラー画像読取装置において、前記ラインイメージセ
ンサの前記第2の群に属する受光素子列と前記第1の群
に属する受光素子列の主走査方向の受光素子位置のずれ
に起因する主走査方向のサンプリング位置のずれを、前
記第1の群の受光素子列について補間演算を施して前記
第2の群のサンプリング位置に合わせる補正回路を更に
備えていることを特徴とする。
【0048】請求項17に記載の発明は、請求項1記載
のカラー画像読取装置において、前記ラインイメージセ
ンサの対応する各色の受光素子の感度重心がお互いに一
直線上に乗るように各色の受光素子が配置されているこ
とを特微とする。
【0049】請求項18に記載の発明は、請求項17記
載のカラー画像読取装置において、前記ラインイメージ
センサの3色以上の受光素子列を互いの受光素子の感度
の重心を各色毎の主走査方向の受光素子間隔で決まるセ
ンササンプリングピッチよりも小さい距離だけずらして
配置している少なくとも2色の受光素子が含まれる第1
の群と、1色の受光素子列からなりその受光素子の分光
感度特性が、前記ラインイメージセンサの受光素子の分
光特性の中で最も波長の短いものである第2の群の二つ
の群に分け、前記第1の群の受光素子列に対しては第1
の副走査方向から読み出しを行い、前記第2の群の受光
素子列に対しては前記第1の副走査方向と反対側の第2
の副走査方向から読み出すことを特徴とする。
【0050】請求項19に記載の発明は、請求項18記
載のカラー画像読取装置において、前記ラインイメージ
センサの第1の群の受光素子列に属する少なくとも2色
の受光素子の形状を、主走査方向軸と副走査方向軸で決
まる2本の直交軸に対して斜め方向に長い形状とすると
共に、各色の受光素子列の対応する各色の受光素子の主
走査方向の感度重心が一致するように前記受光素子を配
置することを特徴とする。
【0051】請求項20に記載の発明は、請求項17記
載のカラー画像読取装置において、前記ラインイメージ
センサの対応する各受光素子の感度重心を結ぶ直線軸の
方向が、副走査方向軸に対して傾いており、前記色分散
手段によって生じる前記ラインイメージセンサ上の色収
差の発生方向と、前記対応する各受光素子の感度重心を
結ぶ直線軸の方向とが同じになるように前記色分散手段
を配置したことを特徴とする。
【0052】請求項21に記載の発明は、請求項18記
載のカラー画像読取装置は、前記ラインイメージセンサ
の前記第1の群に属する2色以上の画素のうち、最も波
長の短い分光感度特性を持つ第1の色を除いた他の色の
受光素子の形状を、主走査方向軸と副走査方向軸で決ま
る2本の直交軸に対して斜め方向に長い形状とすると共
に、最も波長の短い分光感度特牲を持つ第1の色の受光
の形状をこれと異ならせ、前記色分散手段によって生じ
る前記ラインイメージセンサ上の色収差の発生方向と、
受光素子の感度重心を結ぶ直線軸の方向が同じになるよ
うに、色分散手段を配置したことを特徴とする。
【0053】請求項22に記載の発明は、請求項21記
載のカラー画像読取装置において、前記ラインイメージ
センサの第1の色の受光素子の形状が、傾斜棒部とこの
傾斜棒部から主走査方向に伸延する横棒部とからなる形
状であることを特徴とする。
【0054】請求項23に記載の発明は、請求項18記
載のカラー画像読取装置において、前記ラインイメージ
センサの前記第2の群の受光素子列が青であり、前記第
1の群の受光素子列に属する2色が緑と赤であることを
特徴とする。
【0055】請求項24に記載の発明は、請求項18記
載のカラー画像読取装置において、前記ラインイメージ
センサの前記第2の群の受光素子列が青であり、前記第
1の群の受光素子列に属する3色が緑と赤と赤外である
ことを特徴とする。
【0056】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、ラインイメー
ジセンサの各受光素子列を、各色の分光特性の波長の順
番に副走査方向に並べると共に、前記ラインイメージセ
ンサの少なくとも2色の受光素子列の各受光素子に関し
て、主走査方向と副走査方向の両方向に、互いの受光素
子の感度の重心を、各色毎の主走査方向の受光素子間隔
で決まるセンササンプリングピッチよりも小さい距離だ
けずらして配置しているので、プリズムの色分散の効果
を使ってギャップ補正を行うに際し、異なる色、たとえ
ば、緑と赤の受光素子列の副走査方向の間隔を1ライン
以下にすることができ、色分散による副走査方向の解像
度の低下が抑えられる。
【0057】請求項2に記載の発明によれば、ラインイ
メージセンサの3色以上の受光素子列を第1の群と第2
の群の二つの群に分け、副走査方向に関して互いに反対
側から読み出すようにしたので、異なる色の受光素子列
の間に転送電極や読み出し回路が配置されることがな
く、異なる色の受光素子列の間のギャップを1ライン程
度にまで狭くすることができるので、色分散による副走
査方向の解像度の低下が抑えられる。
【0058】請求項3に記載の発明によれば、ラインイ
メージセンサの前記第2の群の受光素子列は1色の受光
素子列からなり、この色の分光特性が各色のうち最も波
長が短い色であるので、青の受光素子のサイズを赤と緑
のに比べ約2倍の面積にでき、色再現性や光量安定性に
優れたハロゲンランプと組み合せた場合でのセンサの
赤,緑及び青の出力のバランスが良好になる。
【0059】請求項4に記載の発明によれば、ラインイ
メージセンサの前記第2の群の受光素子列は青1色から
なり、前記第1の群の受光素子列は緑と赤の2色からな
っているので、青の受光素子のサイズが大きくすること
ができ、分光感度特性を緑側に膨らまさなくとも、赤,
緑及び青の感度バランスがとれるので、より色再現性に
すぐれた分光分布が得られるともに、青の分光特性がシ
ャープになるので、色分散系と組み合せた場合の青の副
走査方向の解像度低下を抑えられる。
【0060】請求項5に記載の発明によれば、青の受光
素子列の分光感度曲線が、500nmでピーク強度の2
0%以下の強度を有するので、青の分光特性がシャープ
となり、色分散手段としてプリズムを光路に挿入した場
合の収差の発生を少なくすることができる。
【0061】請求項6に記載の発明によれば、緑と赤の
受光素子を副走査方向に関して非対称の形状、たとえ
ば、副走査方向に対称軸を有する台形、三角形、五角形
等とし、緑の受光素子の主走査方向の幅は、青の受光素
子列に近い側を幅を広くし、赤の受光素子の主走査方向
の幅は、青の受光素子列に近い側の幅を狭くしたので、
青の受光素子列の重心と緑の受光素子列の重心との間隔
に比べて緑の受光素子列の重心と赤の受光素子列の重心
との間隔の方が狭くなるので、色分散によって発生する
赤−緑間の結像位置の分離幅と、緑−青間の分離幅の相
違に一致することになり、光学的に正確なギャップ補正
が可能となる。
【0062】請求項7に記載の発明によれば、緑と赤の
受光素子の形状及び面積をお互いに異ならせたので、イ
メージセンサの構造上発生する赤と緑の間のサンプリン
グ位置のズレを補正できる。
【0063】請求項8に記載の発明によれば、前記第2
の群の受光素子列は青と青緑の2色からなり、前記第1
の群の受光素子列は緑と赤の2色からなり、また、請求
項9に記載の発明によれば、前記ラインイメージセンサ
の前記第2の群の受光素子列は青と緑の2色からなり、
前記第1の群の受光素子列は赤と赤外の2色からなって
いるので、原稿の画像情報を4色で読み取ることがで
き、これにより、原稿の識別用の用途や、色再現の改善
の用途に使える。
【0064】請求項10に記載の発明によれば、前記ラ
インイメージセンサの前記第2の群の受光素子列は青1
色からなり、前記第1の群の受光素子列は緑と赤と赤外
の3色からなっているので、感度の悪い青の受光素子の
面積を広くすることができ、各色のバランスを良好にす
ることができる。
【0065】請求項11に記載の発明によれば、前記ラ
インイメージセンサにおける各色を読み取る受光素子の
分光感度特性の違いは、受光素子の上に形成されたオン
チップフィルタにより決定されているので、異なるライ
ンからの異なる波長の情報が重畳されることがなくな
る。
【0066】請求項12に記載の発明によれば、前記色
分散手段を設ける位置を前記結像レンズの直前としたの
で、光束の広がりが少なく収差の発生が少なくなる。
【0067】請求項13に記載の発明によれば、前記色
分散手段として、互いの屈折率がほぼ等しく、色分散の
大きさがアッベ数で10以上異なる2種のガラスを材料
とする二つのプリズムをお互いの屈折力を打ち消すよう
に組み合せたものを用いたので、貼り合わせたプリズム
の境界面では、屈折作用がほとんど無くなり、色分散を
起こす作用のみを持たせることができる。
【0068】請求項14に記載の発明によれば、前記2
種のガラスをクラウン系のガラスとフリント系のガラス
とすることにより、上記屈折率とアッベ数の条件を満足
させることができる。
【0069】請求項15に記載の発明によれば、前記ラ
インイメージセンサの各色の受光素子列の副走査方向の
ギャップ距離を、前記色分散手段で決まる各色の副走査
方向の結像位置のズレ量とほぼ同じにしたので、色分散
手段で色分解された各色光は対応する各色の受光素子列
に正確に入射する。
【0070】請求項16に記載の発明によれば、前記ラ
インイメージセンサの前記第2の群に属する受光素子列
と前記第1の群に属する受光素子列の主走査方向の受光
素子位置のずれに起因する主走査方向のサンプリング位
置のずれを、前記第1の群の受光素子列について補間演
算を施して前記第2の群のサンプリング位置に合わせる
補正回路を更に備えているので、主走査方向のレジスト
レーションを合わせることができる。
【0071】請求項17に記載の発明によれば、前記ラ
インイメージセンサの対応する各色の受光素子の感度重
心がお互いに一直線上に乗るように各色の受光素子が配
置されているので、色分散の方向を回転させることによ
り主走査方向のレジストレーションを合わせることがで
きる。
【0072】請求項18に記載の発明によれば、前記ラ
インイメージセンサの3色以上の受光素子列を互いの受
光素子の感度の重心を各色毎の主走査方向の受光素子間
隔で決まるセンササンプリングピッチよりも小さい距離
だけずらして配置している少なくとも2色の受光素子が
含まれる第1の群と、1色の受光素子列からなりその受
光素子の分光感度特性が、前記ラインイメージセンサの
受光素子の分光特性の中で最も波長の短いものである第
2の群の二つの群に分け、前記第1の群の受光素子列に
対しては第1の副走査方向から読み出しを行い、前記第
2の群の受光素子列に対しては前記第1の副走査方向と
反対側の第2の副走査方向から読み出すようにしたの
で、異なる色の受光素子列の間に転送電極や読み出し回
路が配置されることがなく、異なる色の受光素子列の間
のギャップを1ライン程度にまで狭くすることができる
ので、色分散による副走査方向の解像度の低下が抑えら
れる。
【0073】請求項19に記載の発明によれば、前記ラ
インイメージセンサの第1の群の受光素子列に属する少
なくとも2色の受光素子の形状を、主走査方向軸と副走
査方向軸で決まる2本の直交軸に対して斜め方向に長い
形状とすると共に、各色の受光素子列の対応する各色の
受光素子の主走査方向の感度重心が一致するように前記
受光素子を配置したので、電気的な重心補正を行わず
に、3色の主走査方向のレジストレーシヨンを一致させ
ることができ、ナイキスト周波数以下の空間周波数での
MTFの低下が無くなる。また、斜め受光素子の効果
で、ナイキスト周波数以下のMTFを落として、モアレ
の影響を軽減することができる。
【0074】請求項20に記載の発明によれば、前記ラ
インイメージセンサの対応する各受光素子の感度重心を
結ぶ直線軸の方向が、副走査方向軸に対して傾いてお
り、前記色分散手段によって生じる前記ラインイメージ
センサ上の色収差の発生方向と、前記対応する各受光素
子の感度重心を結ぶ直線軸の方向とが同じになるように
前記色分散手段を配置しているので、色分散手段で色分
解された各色光は対応する各色の受光素子に正確に入射
する。
【0075】請求項21に記載の発明によれば、前記ラ
インイメージセンサの前記第1の群に属する2色以上の
画素のうち、最も波長の短い分光感度特性を持つ第1の
色を除いた他の色の受光素子の形状を、主走査方向軸と
副走査方向軸で決まる2本の直交軸に対して斜め方向に
長い形状とすると共に、最も波長の短い分光感度特牲を
持つ第1の色の受光の形状をこれと異ならせ、前記色分
散手段によって生じる前記ラインイメージセンサ上の色
収差の発生方向と、受光素子の感度重心を結ぶ直線軸の
方向が同じになるように、色分散手段を配置したので、
感度の悪い青の受光素子の面積を広くすることができ、
各色のバランスを良好にすることができる。
【0076】請求項22に記載の発明によれば、前記ラ
インイメージセンサの第1の色の受光素子の形状が、傾
斜棒部とこの傾斜棒部から主走査方向に伸延する横棒部
とからなる形状であるので、受光素子の画積が増加す
る。
【0077】請求項23に記載の発明によれば、前記ラ
インイメージセンサの前記第2の群の受光素子列が青で
あり、前記第1の群の受光素子列に属する2色が緑と赤
であるので、青と緑の副走査方向の重心が接近し、青の
副走査方向のMTFを改善することができる。
【0078】請求項24に記載の発明によれば、前記ラ
インイメージセンサの前記第2の群の受光素子列が青で
あり、前記第1の群の受光素子列に属する3色が緑と赤
と赤外であるので、4色の読取が可能となる。
【0079】
【実施例】
〔実施例1〕図1は、本発明のカラー画像読取装置の光
学系を示す概略図である。
【0080】プラテンガラス11上に載置された原稿1
2はランプ13で照明される。原稿12からの反射光
は、プラテンガラス11に下面に沿ってランプ13と共
に移動して原稿を走査するフルレートミラー14と、こ
のフルレートミラー14と連動し半分の速度で移動する
ハーフレートミラー15a,15bを介してプリズム1
6に照射され、このプリズム16により原稿2からの反
射光は、赤,緑及び青の3色に色分解され結像レンズ1
7により3本の読取ラインを有する白黒のイメージセン
サ18の各読取ライン上に結像される。また、イメージ
センサ18の各読取ライン上の受光素子列上には、読み
取るべき色に対応する赤,緑及び青のオンチップフィル
タが作成されている。これにより、原稿を走査しながら
原稿の同一ライン上の画像情報を3色同時に読み取るこ
とが可能となる。
【0081】図1に示すカラー画像読取装置において
は、結像レンズ17の前面に置かれたプリズム16の色
分散の効果により、結像光の波長毎に結像位置が変わ
り、その位置にイメージセンサ18の対応する色の読取
ライン、すなわち、受光素子列を置くことにより、原稿
面上の同一ラインの情報を色分解して読み取ることがで
きる。
【0082】ここで、イメージセンサ18側から原稿側
を見ると、イメージセンサ18の1色の受光素子列に入
射する光は、先に図28に示したように、プラテンガラ
ス1上の異なるラインからの異なる波長の情報が、重畳
されたものである。各受光素子列上に、赤,緑及び青の
オンチップフィルタを作成しておくことにより、この重
畳の作用は、各色の分光特性分の拡がりの範囲に制限さ
れる。さらに、3ラインの間隔が狭いほど、プリズム色
分散による、各色ごとの色分離幅を小さくでき、各色の
分光特性分の拡がりの範囲内の、この重畳効果による副
走査方向のMTFの劣化を少なく抑えられる。
【0083】3ラインの受光素子列への色分離幅は、こ
のプリズムの面の角度によって、調整できる。この際、
ガラスの色分散の性質(図2参照)により、青に行くほ
ど波長に対する屈折率のの変化率が大きくなるため、図
3に示すように3色の分光特性のピーク値は、青−緑間
の方が緑−赤間より離れていることより、青−緑間の色
分散による分離幅の方が、緑−赤間の色分散による色分
離幅よりも通常2倍〜3倍大きくなる。
【0084】先に説明した先願では、この性質を使っ
て、図29のような構成のセンサ形状を考えたが、この
形状でも青−緑間の色分散による分離幅が大きいため、
青の分光特性の拡がりの範囲で副走査方向のボケとなり
読取MTFの低下が発生する。
【0085】この傾向は、色再現性・光量安定性が良好
なハロゲンランプと組み合せた場合に、分光特性が連続
スペクトルなため、より顕著となる。そのため、3波長
型蛍光ランプのような輝線スペクトル光源と組み合せた
提案を行っていた。
【0086】こうして、色再現性や光量安定性に優れた
ハロゲンランプとの相性が悪いことの対策として、図2
9の構造よりもさらに、各読取受光素子列の間隔を詰
め、なおかつ、青−緑間の受光素子列のギャップと、緑
−赤間の受光素子列のギャップの比を、色分散で決まる
分離幅の比とほぼ等しくすることが課題となる。
【0087】これを実現したイメージセンサの受光素子
形状を図4に示す。
【0088】図4及び図5に示すイメージセンサは、ほ
ぼ正方形の受光素子B1 ,B2 ,・・からなる青の受光
素子列に隣接させて、1色あたりの主走査方向の受光素
子密度が青と同じになるように、主走査方向の幅がほぼ
半分の緑の受光素子G1 ,G2 ,・・と赤の受光素子R
1 ,R2 ,・・を交互にならべた2色の受光素子列を作
成し、さらに、緑の受光素子列G1 ,G2 ,・・と赤の
受光素子列R1 ,R2,・・を副走査方向にも距離DGR
ずらして作成したものである。このように受光素子列を
配置することにより、青と緑の受光素子列のギャップD
BGを、主走査方向の受光素子密度で決まるセンサ受光素
子ピッチPとほぼ同程度にまで詰めることができる。図
4及び図5に示す例においては、青の受光素子B1 ,B
2 ,・・のサイズは縦14μm×横13μmであり、緑
と赤の受光素子G1 ,G2 ,・・、R1 ,R2 ,・・の
サイズはそれぞれ縦14μm×横6μmである。なお、
図4及び図5において、横方向が主走査方向であり、縦
方向が副走査方向である。隣接する青の受光素子と青の
受光素子との間隔は1μm、隣接する青の受光素子と緑
の受光素子との間隔は2μmとされている。
【0089】さらに、緑と赤の受光素子列G1 ,G2
・・、R1 ,R2 ,・・を副走査方向に距離DGRだけず
らして作成することにより、図5に示すように、イメー
ジセンサの各色の受光素子列副走査方向の感度重心が移
動し、センサ受光素子ピッチPの1倍以下のギャップを
実現できる。図5の例では、緑の受光素子列の重心と赤
の受光素子列の重心との間の距離DBGは6μmであり、
センサ受光素子ピッチPである14μmの半分以下であ
る。
【0090】このときの、青−緑間の受光素子感度重心
の副走査方向の距離DBGと、緑−赤間の感度重心の副走
査方向の距離DGRは、厳密には以下の計算を使う。な
お、式中のR,G,Bはそれぞれ赤,緑,青を表す。
【0091】 青−緑間の受光素子感度重心の距離DBG:P(B)−P
(G) 緑−赤間の受光素子感度重心の距離DGR:P(G)−P
(R) P(B)={∫d λ・ Sep(λ)・ResB( λ) }/ {∫d λ・ Re
sB( λ) } P(G)={∫d λ・ Sep(λ)・ResG( λ) }/ {∫d λ・ Re
sG( λ) } P(B)={∫d λ・ Sep(λ)・ResR( λ) }/ {∫d λ・ Re
sR( λ) } 但し、 Sep(λ):色分散の効果による、結像位置のずれ。
【0092】ResB(λ):青の系全体の分光特性。
【0093】ResG(λ):緑の系全体の分光特性。
【0094】ResR(λ):赤の系全体の分光特性。
【0095】この計算に基づき、受光素子列のずらし量
を厳密に決定することができる。つまり、センサピッチ
でほとんど決まってしまう緑−青間のギャップを基準距
離として、これの1/2〜1/3程度となるように、赤
−緑間の受光素子列のずらし量を決定する。
【0096】さらに、この構造とすることにより、青の
受光素子B1 ,B2 ,B3 ,B4 ,・・の大きさを赤と
緑の受光素子R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,・・とG1 ,G
2 ,G3 ,G4 ,・・の大きさの約2倍とすることがで
き、青光量が少ないハロゲン照明系と組み合せた場合
に、好適な構造となる。
【0097】このとき、従来の3ラインカラーイメージ
センサと比較して、緑と赤の受光面積が小さくなること
になるが、イメージセンサのS/N性能の向上により、
イメージセンサの出力ゲインを高くとれるようなったこ
とで、緑と赤の感度低下は補える。逆に、青の場合は、
従来の3ラインカラーイメージセンサと比較して、セン
サS/Nの改善分がそのまま、読取S/Nの改善につな
がる。一方、緑の感度については、元々必要以上に大き
く、3色のバランスをとるために、カットする必要性も
感じられたものだったので、受光素子面積を減らすこと
は、感度バランスの点からは望ましい。
【0098】従来の3ラインカラーイメージセンサを、
ハロゲンランプと組み合せた場合には、青のみが感度が
低いことに起因してS/Nが悪かった。しかし、本実施
例のイメージセンサ構造にすることと、センサのS/N
の向上と合わせると青のS/Nが改善でき、3色とも良
好なS/Nを得ることができる。
【0099】なお、この構造は、図6に示すように、あ
らかじめ、緑も赤も同じ長方形の受光素子形状を有する
受光素子R1a,R2a,R3a,R4a,・・とG1a,G2a
3a,G4a,・・とを作成しておき、それぞれ遮光部M
を互い違いの位置に設けることにより、図4の受光素子
の形状を有するイメージセンサと等価な機能を有するイ
メージセンサを容易に実現できる。
【0100】また、あらかじめ、緑・赤別個のフォダイ
オードのパターンを作っても構わない。
【0101】また、各色の受光素子と転送電極との配線
は、図7に示すような構造にすることにより、容易に出
力を取り出せる。すなわち、青の転送電極TB を、受光
素子B1 ,B2 ,・・からなる青の受光素子列に対し
て、図において上側に配置して、青の信号を上側から読
み出す。また、赤の転送電極TR 及び緑の転送電極TG
を、赤の受光素子R1 ,R2 ,・・と緑の受光素子
1 ,G2 ,・・の下側、すなわち、青の転送電極TB
とは副走査方向に関しては反対側に配置して緑及び赤の
信号を下側から読み出す。この際、図7に示すイメージ
センサの構造では、同じサイズの受光素子を有する3色
の受光素子列を副走査方向に3列配置した通常のイメー
ジセンサと比較して、緑と赤の受光素子部分の受光素子
密度が主走査方向で見て倍となることから、赤と緑を別
系統として取り出している。たとえば、『テレビジョン
学会技術報告・情報入力1992「高速駆動−点順次C
CDカラーリニアセンサ」』の文献にあるように、転送
電極内の垂直転送を使うことにより、片側に転送電極を
2段設けることが可能になる。
【0102】また、青の転送電極TB を赤及び緑の転送
電極TR ,TG とは反対方向に配置して、青の信号と、
赤及び緑の信号を互いに反対方向に読み出す構成にする
ことにより、赤及び緑の受光素子列群と青の受光素子列
を、前記のように別個に設けることができる。よって、
青の受光素子は、受光素子ピッチぎりぎりの幅の受光素
子にでき、上記文献の例のような点順次に赤緑青の受光
素子を並べた構造よりも、受光素子面積が大きくなっ
て、感度を増すことができる。
【0103】ところで、現状では、イメージセンサをハ
ロゲンランプと組み合せた場合、青の感度が低いので、
図8(b)に示すように、分光感度特性の山の裾野の広
がりが500nm以上にまで大きく尾を引いたフィルタ
特性のものと組み合せて青感度を上げ、赤,緑及び青の
出力バランスを合わそうとする例もある。
【0104】しかし、このような方法で青の出力を上げ
ようとすると、人間の目の分光特性と乖離して、色再現
特性が落ちるばかりでなく、イメージセンサの赤,緑及
び青出力から正味の青成分を求める際には、結局、イメ
ージセンサの青出力を、他の2色を使って補正する際の
補正量を大きくしなければならない。このため、正味の
青のS/Nは、改善されない。
【0105】一方、本実施例のように、青の受光素子の
面積を他の2色よりも大きくすれば、青の分光感度の波
長幅を広げなくとも、青の感度を大きくでき、青の正味
のS/Nの改善につながる。また、赤,緑及び青の出力
比を維持するために、青の分光感度の波長幅を広げなく
て良いということは、図8(a)のような短波長方向に
シャープなピークを有する分光感度特性のフィルタを使
えるので、プリズム色分散と組み合わす場合に副走査方
向のボケを少なくすることができ、本実施例のプリズム
色分散による色分離の方式との適応性が良い。青の分光
感度特性としては、たとえば、500nmでピーク強度
の20%以下の強度を有するような特性が副走査方向の
ボケを少なくする点から好ましい。
【0106】また、前記の転送電極内垂直転送を使うこ
とにより、転送電極を青側2本、赤・緑側4本とするこ
ともでき、高速の読取にも対応できる。
【0107】ところで、この構造としたことで、赤,緑
及び青の3色の主走査方向の感度の重心がお互いに変わ
り、サンプリング位置のずれを生じる。しかし、この問
題は、図9に示すような、移動平均の回路を入れること
により解決することができる。すなわち、図10(a)
に示すように、青のセンサ受光素子B1 ,B2 ,B3
・・の形状がほぼ正方形であり、赤及び緑のセンサ受光
素子R1 ,R2 ,R3,・・及びG1 ,G2 ,G3 ,・
・の形状がほぼ半分の幅の縦長長方形である場合、受光
素子B2 を読み取るタイミングでは、青の出力BOUT
してB2 の信号、緑の出力GOUT として、G1 ×1/4
+G2 ×3/4の移動平均の信号、赤の出力ROUT とし
て、R2 ×3/4+R3 ×1/4の移動平均の信号が同
時に出力されれば良い。図10(b)は、イメージセン
サからの各色の読み出し信号を示す。なお、図中の
1 ,B2 ,B3 ・・、G1 ,G2 ,G3 ,・・、
1 ,R2,R3 ,・・は、対応する符号の受光素子の
出力を示すものとする。
【0108】図9は、上記演算を行うための回路であ
り、遅延回路D1 ,D2 ,D3 ,D4及び係数回路
1 ,C2 ,C3 ,C4 から構成されている。遅延回路
1 ,D2,D3 ,D4 は、入力信号に対してそれぞれ
1受光素子分の遅延を行い、C1 ,C2 ,C3 ,C
4 は、入力信号に対してそれぞれ1/4,3/4,3/
4,1/4の係数を乗ずるものである。図9に示す1受
光素子分程度の遅延回路は、ラッチで充分であり、画像
入力装置において一般的に使用されるシェーディング補
正回路などの他の回路と一緒に容易にLSI化すること
ができる。本実施例によれば、従来のカラー画像読取装
置のような、3ラインのデジタル補正を行うための1ラ
インの受光素子数×補正ライン数分の容量を有するFI
FOメモリを設ける必要がないので、低コストで補正回
路を実現できる。
【0109】ところで、赤と緑の受光素子形状の主走査
方向幅が青に比べて短いと、サンプリング窓によるボカ
シ効果が少なくて、モアレ等の原因にもなる。青のサン
プリング位置に対して、補間処理により、赤と緑を合わ
せるのはこのためであり、赤と緑の移動平均による補間
処理を行うことにより、モアレの対策にもなり、赤緑青
のMTFバランスも改善される。
【0110】このイメージセンサと組み合わせて使用す
る色分散を行うプリズムは、図2と図11に示すよう
な、屈折率がほぼ等しく色分散の大きさが異なる2種の
硝材、すなわち、LF5とSK5で作った頂角プリズム
二つを、お互いに屈折力を打ち消す向きに組合せて貼り
合わせ、全体として平行平面板と見なせるものとし、な
おかつ、色分散の機能を有するものにしている。こうす
ることにより、貼り合わせたプリズムの境界面では、屈
折作用がほとんど無くなり、色分散を起こす作用のみを
有する構造になる。
【0111】一つのプリズムで色分散を起こそうとする
と、プリズムの上側を通る光線と下側を通る光線とで光
路長が違うことから、プリズムに起因する収差が発生
し、特に結像レンズへの入射画角の大きくなる画像端部
では、強い非点収差となる。
【0112】この対策として、上述のように、屈折率が
ほぼ等しく色分散の大きさが異なる2種の硝材を組み合
わすことにより、前記光路長差がほとんどなくなり、良
好な解像特性が得られる。本実施例では、SK5(屈折
率1.59、アッベ数61の重クラウンガラス)とLF
5(屈折率1.58、アッベ数41の軽フリントガラ
ス)の2種の屈折率がほぼ等しく色分散が大きく異なる
硝材を使っている。なお、プリズム通過後の各色光の光
路を十分分離するためには、色分散の大きさがアッベ数
で10以上異なる2種のガラスを材料とすることが、望
ましい。
【0113】このプリズムに起因する収差は、2種の硝
材に屈折率差が僅かでも残っていれば、色分離幅が大き
くなるに従って強くなり、読取性能を低下させるおそれ
がある。しかしながら、本実施例では、上述した色分散
を行うプリズムを、先に説明した本発明のイメージセン
サ構造と組み合わせることにより、色分離幅を小さくす
ることができ、プリズムに起因する収差も小さくでき
る。
【0114】また、プリズムの結像光路への挿入位置
は、プリズムへ入射する結像光束が、なるべく平行光束
に近いほうが、収差の発生が少ないので、本実施例のよ
うな縮小結像の場合には、図1に示されるように、結像
レンズ17よりも原稿12側に置いた方が良く、プリズ
ム16の大きさを考えると、画角方向に光束が広がって
いない結像レンズ17の直前に置くことが望ましい。た
とえば、プリズム16がそれぞれ4mm厚のSK5とL
F5を2.7度の角度をもって張り合わされて構成され
ており、レンズ17の焦点距離が81.8mm、投影比
が1/4.5、F値が3.1であるとき、プリズム16
のレンズ17側の面とレンズ17の物側主点との距離は
50mmとされる。
【0115】実施例1では、赤と緑の受光素子面積を等
しくしたが、赤と緑の感度比を考えて互いに異ならせる
ことも可能である。この場合、受光素子の主走査方向の
幅を変えれば良い。また、副走査方向のMTFのアンバ
ランスを程度容認して、副走査方向の長さを変えるよう
にしてもよい。
【0116】〔実施例2〕上述した実施例1では、イメ
ージセンサの赤と緑の受光素子形状を図4に示すように
単純な長方形としているが、赤,緑及び青の受光素子列
の感度重心が、前記プリズムを構成するガラスの色分散
の特性で決まるラインの分離幅の比で決まるものであれ
ば、それ以外の形状も可能である。例えば、図12は、
青の受光素子B1 ,B2 ,・・の形状はほぼ正方形のま
まであるが、赤と緑の受光素子R1,R2 ,・・、
1 ,G2 ,・・の形状を台形にし、赤と緑の受光素子
面積を大きくするとともに、受光素子の横幅を広くし
て、サンプリングモアレの発生を抑制することに留意し
た構造にしたものである。図12の例では、台形の上辺
を5.5μm、底辺を9.5μm、高さを14μmとし
ている。また、青の受光素子列の隣接する受光素子の主
走査方向の間隔は1μm、隣接する赤の受光素子と緑の
受光素子の主走査方向の間隔は1μm、隣接する青の受
光素子と緑の受光素子の副走査方向の間隔は2μmとさ
れている。この例では、赤の受光素子面積が実施例1に
比べ1.25倍となり、赤感度も1.25倍にできる。
【0117】ところで、イメージセンサをハロゲンと組
み合せた読取系の場合、イメージセンサ上に作成する青
と緑の染色フィルタの分光特性の性質上、700nm付
近に透過帯ができるので、この透過を打ち消すため、結
像レンズの前面にCM500等の赤カットの色ガラスフ
ィルタを入れるのが普通である。この結果、本来ハロゲ
ンの持っている豊富な赤の分光光量も、この色ガラスフ
ィルタによって弱められてしまうため、通常この種のカ
ラー読取装置では、赤の感度の方が、緑の感度よりも悪
いのが普通になっている。
【0118】この図12の例では、図4の例に比べ、赤
の受光面積が大きくなり、感度が強くなっている分、赤
緑青の出力バランスが良好になる。
【0119】〔実施例3〕図13は、緑と赤の受光素子
形状をほぼ3角形に近い五角形とした実施例3を示して
いる。この実施例3は、図12に示す例に比べ、赤と緑
の受光素子の幅を広くし、サンプリングモアレをさらに
抑制したものである。図13に示す例では、赤の受光素
子R1 ,R2 ,・・が、左右に高さ1.3μmの垂直部
を有する底辺10μm、高さ14μmのほぼ三角形の五
角形の形状を有している。また、緑の受光素子G1 ,G
2 ,・・が、上辺2μm、底辺13μm、高さ14μm
の台形の形状を有している。なお、青の受光素子B1
2 ,・・は図12に示す例と同様にほぼ正方形であ
る。
【0120】図14は、図13に示す各受光素子に対す
る電極の引き出し構造を示しており、緑の受光素子
1 ,G2 ,・・から緑の転送電極TG への配線L
G は、隣接する両側の赤の受光素子R1 ,R2 ,・・の
間を通って引き出される。なお、LBは、青の受光素子
1 ,B2 ,・・から青の転送電極TB への配線、LR
は、赤の受光素子R1 ,R2 ,・・から赤の転送電極T
R への配線である。
【0121】図14に示す構造によれば、隣接する赤の
受光素子R1 ,R2 ,・・の間隔は、緑の受光素子
1 ,G2 ,・・からの配線が引き出せるだけの幅があ
ればよいので、隣接する赤の受光素子R1 ,R2 ,・・
の間隔を極めて狭くすることができる。また、図14に
示す構造によれば、緑の受光素子G1 ,G2 ,・・の感
度重心が、青の受光素子列B1 ,B2 ,・・の側に近づ
くため、受光素子列間のギャップをさらに10%程度縮
めることができる。
【0122】一方、図14に示す受光素子形状とした場
合、赤の受光素子R1 ,R2 ,・・間に緑の受光素子G
1 ,G2 ,・・からの配線を引き出すための幅を確保す
るため、どうしても、赤の受光素子の面積が緑の受光素
子面積よりも小さくなってしまう。
【0123】この対策としては、緑及び青のオンチップ
フィルタの材料として、700nm付近の透過帯のない
顔料系の色材を使うことや、近赤外以上の波長のカット
のために、CM500でなく、さらに赤の透過率の高い
フィルタ(例えば、HA500+近赤カットの薄膜フィ
ルタ)を使うことにより、赤の受光光量を増やすことが
できる。
【0124】〔実施例4〕上述した実施例1〜実施例3
においては、入力光を3色に分解する場合の例について
説明してきたが、これに限定されるものではなく、本発
明のカラー画像読取装置は、入力光を4色に分解する場
合にも適用することができる。この場合も3色の場合と
同様に、4色の受光素子を波長の順番に並べ、プリズム
による、色分散の量を考慮して、4色の副走査方向の受
光素子の感度重心の位置を決めれば良い。
【0125】図15は、入力光を赤,緑,青及び青緑の
4色に分解する例を示している。図15の例では、4色
の受光素子列を波長の短い方から、青、青緑、緑、赤の
順に並べた場合を示している。ここでは、青緑の受光素
子として、500nm付近にピークを持つ受光素子を使
用し、これを4色めの受光素子とする。この500nm
付近に感度を持った受光素子を持つことにより、人間の
目の分光視感度により近づけるための補正色として使え
るほか、紙幣等に使用される特色インクの識別にも使用
することができる。
【0126】こうして、青,青緑,緑,赤の4色の受光
素子列B1 ,B2 ,・・、BG1 ,BG2 ,・・、
1 ,G2 ,・・、R1 ,R2 ,・・を、図図15に示
すように、分光波長の順に副走査方向に並べておき、プ
リズムによる色分散と組み合せることにより、光学的ギ
ャップ補正を4色に拡張することもできる。
【0127】また、4色の組合せとして、各色の分光特
性を適当に調整し、色分散の特性で決まる色分離幅とマ
ッチングさせることにより、青,緑,赤,赤外(IR)
という組合せも可能である。この場合の例を図16と図
17に示す。
【0128】図16に示す例では、青,緑,赤及び赤外
の順に各色の受光素子列B1 ,B2,・・、G1
2 ,・・、R1 ,R2 ,・・、IR1 ,IR2 ,・・
が配列されている。そして、青と緑の転送電極TB とT
G が、イメージセンサの副走査方向に関して一方側に設
けられ、赤と赤外の転送電極TR とTIRが他方側に設け
られている。
【0129】また、図17に示す例では、青の感度が低
いことを考慮して、青の受光素子のみを1列に並べ、他
の緑,赤,赤外の3色を副走査方向に位置をずらしなが
ら、点順次に並べている。
【0130】図16と図17に示すように、赤外を4色
めとして加えることにより、原稿の色材の質の認識、例
えば、原稿が写真であるか、或いは、印刷であるかの識
別等の色々な用途が広がる。
【0131】〔実施例5〕図18は、赤,緑及び青の各
色の受光素子列R1 ,R2 ,・・、G1 ,G2 ,・・、
1 ,B2 ,・・を、副走査方向に関して傾斜させた実
施例を示す。図18に示すイメージセンサにおいては、
受光素子の斜辺の傾きと、赤と緑のずらし量を適当にと
ることにより、赤と緑の受光素子の主走査方向の感度重
心を一致させることができる。青の受光素子列の主走査
方向感度重心は、制約をうけないので、赤−緑の主走査
方向感度重心と青の主走査方向感度重心を一致させるこ
とができる。なお、具体的な設計手順については後述す
る。
【0132】図18に示すように、赤と緑の受光素子の
主走査方向の感度重心を一致させることにより、電気的
な重心補正を行わずに、3色の主走査方向のレジストレ
ーシヨンを一致させることができるので、ナイキスト周
波数以下の空間周波数でのMTFの低下が無くなる。ま
た、斜め受光素子の効果で、ナイキスト周波数以下のM
TFを落として、モアレの影響を軽減することができ
る。
【0133】図19は、図18に示す実施例5の具体的
な形状寸法を示す。青の受光素子B1 ,B2 は、上辺1
2μm、高さ14μm、主走査方向のずれ量7μmの平
行四辺形の形状をしており、各受光素子の主走査方向の
配列ピッチ(すなわち、サンプリングピッチ)が14μ
m、隣接する受光素子との主走査方向との間隔が2μm
である。また、赤と緑の受光素子R1 ,R2 とG1 ,G
2 をともに合同な平行四辺形の形状とし、斜辺の角度を
45°、緑と赤の各受光素子の副走査方向の重心のずら
し量を7μm(サンプリングピッチの半分)としてい
る。これにより、3色の各受光素子の感度の主走査方向
の重心位置が一致し、3色の主走査方向のレジストレー
シヨンを一致させることができる。
【0134】図20は、図19に示す受光素子形状の場
合での、MTFを示す。電気的な重心補正が無くなった
ことにより、ナイキスト周波数以下のMTFが高く良好
になり、逆に、斜め受光素子の効果によって、ナイキス
ト周波数以上の周波数は低く抑えられ、モアレが軽減さ
れる。また、青と赤及び緑とのMTFの差もほとんど生
じていない。
【0135】図21は、実施例5における各受光素子列
から転送電極への配線パターンを示す。青の各受光素子
1 ,B2 ,・・からの配線パターンLB は、図におい
て上側に副走査方向に引き出され、青に対応する転送電
極TB に接続される。また、緑及び赤の各受光素子
1 ,G2 ,・・、R1 ,R2 ,・・からの配線パター
ンLG ,LR は、一旦受光素子の延長方向に沿って引き
出された後、それぞれ図において下側に副走査方向に引
き出され緑及び赤の色に対応する転送電極TG ,TR
それぞれ接続される。
【0136】ここで、図22に示すような、赤と緑で合
同な平行四辺形の受光素子形状を採用した、一般的な場
合を考えてみる。
【0137】受光素子の傾き角をθ、1色あたりの主走
査方向のサンプリングピッチをPF、緑の受光素子G1
と右隣りの赤の受光素子R2との間の主走査方向感度重
心距離をPC、赤の受光素子列R1,R2と緑の受光素
子G1,G2の副走査感度重心距離をPSとすると、 PS/(PC−PF/2)=tanθ の関係になる。
【0138】ここで、PC=PFの場合が、赤と緑の主
走査方向感度重心を一致させる場合であり、 2・PS/PF=tanθ を満たすようにすることにより、赤と緑の主走査方向感
度重心を一致させることができる。
【0139】このとき、サンプリングピッチPFは、イ
メージセンサの仕様で決まるので、設計の自由度は、受
光素子の傾き角θと副走査感度重心距離PSになる。モ
アレの抑制効果と読取解像力のバランスで受光素子の傾
き角θを決めた場合、この関係式から副走査感度重心距
離PSが決まる。
【0140】赤と緑の受光素子列の副走査感度重心距離
PSと、青と緑の受光素子列の副走査感度重心距離PS
Bとの比は、前述した色分散の性質・読取系の分光特性
の形で決まる赤−緑、緑−青の色分散による分離幅の比
と等しくする必要がある。
【0141】前記関係式から、副走査感度重心距離PS
を決めた場合は、この色分散による分離幅の比により、
副走査感度重心距離PSBを決める。
【0142】図3に示す例の場合は、赤−緑、緑−青の
色分散による分離幅の比が、7:16の場合に、これら
の関係より、順次パラメータを決定した結果である。こ
の時、青と緑の受光素子列の副走査感度重心距離PSB
は16μmとなり、青と緑の受光素子境界の間隔が2μ
mとなるので、青と緑のオンチップフィルタのレジスト
レーションの許容度上、望ましい距離となる。
【0143】これより副走査感度重心距離PSBが大き
い場合には、色分散による副走査方向のMTFの低下が
問題となり、逆に副走査感度重心距離PSBが小さい場
合には、オンチップフィルタのレジストレーションがず
れ、青の受光素子の範囲に緑のフィルタが被せられるよ
うな不都合が発生する。
【0144】逆に、副走査感度重心距離PSBが最適に
なるように、受光素子の傾き角θを許容範囲の中で調整
することも可能であり、また、色分散の分離幅の比が、
PS:PSBの比と同じになるように、オンチップフィ
ルタの分光特性を調整するなどして、分光特性の形を変
えることも可能である。標準的な分光特性の形を、図3
に示す。この分光特性から、例えば、青の分光特性の半
値波長を変えることによって、赤−緑、緑−青の色分散
による分離幅の比が変わる。
【0145】以上のように、斜め受光素子形状にするこ
とにより、モアレの発生を抑制する効果を得るととも
に、電気的な重心補正がいらなくなることで、読取信号
の解像力を向上させることができる。
【0146】本発明では、プリズム色分散により色分解
を行うに際し、この斜め方向に長い形状の受光素子を副
走査方向に並べることによって、カラーレジストレーシ
ョン補正を行う場合に副走査方向の解像度を確保するの
に必要な、1ライン以下の受光素子列間間隔を得てい
る。
【0147】イメージセンサの受光素子を図18に示す
形状とすることにより、上記の「1ライン以下の受光素
子列間間隔を得る」以外にも、「主走査方向の感度重心
を一致させる」ことができ、また、「受光素子列から
の、信号取出も容易に行うことができる」という、利点
が得られる。また、元々斜め受光素子が持っているモア
レ抑制効果の恩恵も、そのまま得られる。
【0148】なお、図19に示す例では、青の受光素子
形状も平行四辺形にしたが、青は、赤と緑に比べ受光素
子の開口率が大きいので、必ずしも、斜めにする必要は
ない。また、ここでは、受光素子形状を平行四辺形とし
たが、斜め方向に長いものであれば、これに限るもので
もない。
【0149】さらに、赤と緑の受光素子形状も同じであ
る必要はなく、両者の主走査方向感度重心が同じであれ
ば良い。
【0150】〔実施例6〕上述した実施例5では、パラ
メータを適正に調整することにより、3色の受光素子の
主走査方向の感度重心を一致させることができたが、分
光特性の制約(例えば、照明として3波長型蛍光ランプ
を使うか、ハロゲンランプを場合)や、結像レンズの解
像度が高くない時に、モアレよりもMTFを優先させ、
受光素子の傾き角θを小さくするなどした場合などで
は、実施例5の条件を満たせない場合が出てくる。ま
た、実施例5のパラメータを厳密に守ろうとした場合に
も、実施例5の条件からはずれる場合が出てくる。
【0151】こうした場合、必ずしも3色の主走査方向
受光素子感度重心を同じにしなくても良い例を、実施例
6として示す。すなわち、青の主走査方向受光素子感度
重心をずらすことにより、2次元的に見た3色の感度重
心が同一直線上に乗るように構成する。
【0152】この様子を、図23に示す。これは青受光
素子の主走査方向サンプリング位置をずらして、3色の
感度重心が一直線上になるようにしたものである。図2
3に示す例において、青の受光素子B1 ,B2 は、12
μm×14μmの矩形の形状をしており、各受光素子の
主走査方向のサンプリングピッチが14μm、隣接する
受光素子との主走査方向との間隔が2μmである。ま
た、赤と緑の受光素子R1 ,R2 とG1 ,G2 をともに
上辺及び底辺が5μm、高さが14μmの合同な平行四
辺形の形状とし、斜辺の主走査方向の長さを10μm、
青の受光素子B1,B2 に対する緑の受光素子G1 ,G
2 の副走査方向の重心のずらし量を16μm、緑の受光
素子G1 ,G2 に対する赤の受光素子R1 ,R2 の副走
査方向の重心のずらし量を更に同じ方向に7μmとして
いる。また、青の受光素子B1 ,B2 に対する緑の受光
素子G1 ,G2 の主走査方向の重心のずらし量を4.5
7μm、緑の受光素子G1 ,G2 に対する赤の受光素子
1 ,R2 の副走査方向の重心のずらし量を更に同じ方
向に2μmとしている。これにより、3色の各受光素子
の感度重心が同一直線上に乗る。
【0153】ここで3色の受光素子感度重心は、1直線
上にはあるが、主走査方向にずれている。ここでは、こ
のずれを、プリズムにより色分散を発生させる方向を回
転させて斜めにすることにより補正する。
【0154】このプリズム回転による補正を図24
(a),(b)に示す。なお、図24は、図1に示す結
像光学系の中のプリズム16と、レンズ17と、イメー
ジセンサ18を同一光軸上に展開して模式的に図示した
ものである。プリズム16は、図示しない可動保持機構
により結像光学系の光軸を回転軸として回転可能に保持
されている。図24(a)はプリズム16を回転させて
いない状態を示しており、この状態では上述したように
3色の受光素子感度重心は、1直線上にはあるが、主走
査方向にずれている。ここで、図24(b)に示すよう
に、プリズム16を、結像光学系の光軸を回転軸として
回転させることにより、プリズム16における色分散の
発生方向は、副走査方向に平行な方向から、斜めの方向
に変わる。こうして、図23に示すイメージセンサの受
光素子感度重心を結ぶ線の副走査方向から見た斜めの角
度に合わせて、プリズムによる色分散の発生方向を斜め
にすることにより、光学的に主走査と副走査の両方向の
レジストレーションを一致させることができる。
【0155】なお、図24に示す説明では、プリズム1
6を実際に斜めにして補正を行ったが、色分散を発生さ
せるプリズム16二つの硝材の境界面の法線ベクトル
を、結像光学系の光釉に直交する面に射影したベクトル
を考え、このべクトルの方向を、色分散を発生させたい
方向に合わすように予めプリズムを作成しておけば、プ
リズム自体をを実際に斜めに配置する必要はなく、この
構造の方がより実際的である。
【0156】先に説明した実施例5では、完全なレジス
トレーション条件を満足させるためには自由度が一つ不
足しているため、それぞれのパラメータの許容度を使っ
て、3色の感度重心が主走査方向で一致するようにして
いたが、この実施例6では、青の受光素子の位置の自由
度を使っているので、各パラメータの事情に合わせて、
自由に設計することができる。
【0157】また、図19のような受光素子形状の場
合、斜め方向のラダーパターンを有する原稿を読んだ場
合に、受光素子の長手方向と短手方向で、MTFが若干
異なり、短手方向のMTFが高いために、モアレの抑制
効釆が弱くなる。しかし、図23のように、受光素子の
短乎方向に近い方向に色分散の軸をとることにより、こ
の方向に色分散によるMTFの低下が起こり、モアレの
発生を抑制する効果も得られる。
【0158】〔実施例7〕先に説明した実施例5では自
由度の制限があるので、受光素子形状も制約されたが、
実施例6の手法を使うことにより、赤と緑の受光素子形
状を自由に設計することができる。実施例7において
は、この点に着目して、緑と赤の2色の感度が青に比べ
て低いという3色の感度のアンバランスを補正してい
る。以下これについて説明する。
【0159】例えば、実施例5、実施例6とも、緑と赤
の受光素子面積が青に比べ小さいことから、この2色の
感度が低い。
【0160】一方、カラー原稿読取用の照明光源として
は、光量が安定しており、また、スペクトルが連続して
いるという理由により、通常、ハロゲンランプが使われ
る。このハロゲンランブを便ったシステムの場合、全体
の光量に余裕があり、また、緑と赤の光量が青の光量に
比べ多くなり、緑と赤の出力が飽和気味になる場合が多
い。このため、緑と赤の感度を落として、青の出力とバ
ランスさせることは、利点となる。
【0161】しかし、装置全体の電力の制約があった
り、コスト的に安い希ガス蛍光ランプを使ったりなど、
システムの照明光量が制限されている場合や、読取速度
が速く露光時間が充分取れない場合などでは、青ばかり
でなく3色とも信号出力が小さくなるので、緑と赤の受
光素子面積が小さすぎる受光素子形状が欠点となる場合
がある。
【0162】青のS/Nの低下が画像のS/Nに与える
影響は、赤と緑のS/Nの低下が画像のS/Nに与える
影響よりも小さい。このため、全体の光量が不足気味の
場合は、3色の出力バランスをとることよりも、赤と緑
の出力を少しでも大きくしたい場合が生じる。
【0163】そこで実施例7では、図25に示すよう
に、緑の受光素子列の受光素子同士のすき間の部分を緑
の受光部で埋める構造とし、緑と赤の受光素子の幅を調
整している。これにより、受光素子の画積が、実施例5
及び6の受光素子形状の70μm2 に比べ、84μm2
と20%増やすことができ、感度を20%改善できる。
【0164】図25に示す受光素子形状では、緑の受光
素子は、傾斜棒部G1a,G2aと横棒部G1b,D2bの二つ
の平行四辺形を組み合せた逆7字形の形状になってい
る。この場合、実施例6と同様に、赤と緑の主走査方向
の重心が異なつてしまうことが避けられない。このた
め、青,緑,赤の2次元の感度重心が一直線上になるよ
うに、青の面素列をずらして配置し、プリズムによる色
分散の方向を斜めにして、この感度重心を結ぶ直線の方
向と一致させる。こうして、3色のレジストレーシヨン
を、主走査・副走査ともに、色分散の効果によって光学
的に補正することができる。
【0165】また、赤と緑の受光素子の幅を広げること
と、斜め方向に色収差を発生させることで、前述の斜め
方向ラダーパターンを読んだ場合の、受光素子の長手と
短手の方向によるMTFの違いを緩和することができ
る。
【0166】また、緑の受光素子形状の逆7字形の横棒
部の部分の効果で、青と緑の副走査方向の重心が接近す
るので、青の副走査方向のMTFをも改善することがで
きる。
【0167】ここで、副走査方向の重心距離の比は、1
4.25:7.25で、実施例5のものと若干異なる
が、これは、照明の種類(ハロゲンランプであるか蛍光
ランプであるか)、オンチップフイルタの特性などで変
わるものである。また、この副走査方向の重心距離の比
を調整することは、青と緑の間隔を調整することや、緑
の受光素子形状の逆7字形の横捧の部分の幅を変えるこ
と、また前述のように、青のオンチップフィルタの分光
特性を変えること、などによって調整可能である。ま
た、色分散による、システムでの青と緑、或いは、緑と
赤の光学的なレジストレーションずらし量の許容度の範
囲なら、この受光素子ピッチの1/20程度のずれは許
容範囲となる。
【0168】〔実施例8〕図26は、図18に示す実施
例5を、青,緑,赤及び赤外(IR)の4色に拡張した
例を示す。ここでは、実施例5と同様に、主走査方向の
重心を合わせたが、実施例6及び実施例7を4色に拡張
することは容易に行うことができる。この4色センサ
は、先に述べたように、原稿の色材の質の認識、例え
ば、原稿が写真であるか、或いは、印刷であるかの識別
等の色々な用途に使用することができる。またイメージ
センサを、青,青緑,緑,赤の4色で構成してもよい。
【0169】
【発明の効果】以上述べたように、本発明においては、
同一ラインの画像をプリズムで各色成分に色分解してイ
メージセンサで同時に読み取るに際し、各色に対応する
受光素子列を波長の順に並べると共に、少なくとも二つ
の色に対応する受光素子が副走査方向に関して重なるよ
うに配置することにより、センサのライン間ギャップを
小さくでき、これにより以下の効果を奏する。
【0170】(1)色分散に起因する副走査方向の解像
度低下が少なくなる。
【0171】(2)また、副走査方向の解像度低下が少
ないことから、高画質カラー読取に適したハロゲンラン
プとの組合せも可能になり、高画質のカラー読取が可能
になる。
【0172】(3)色分離幅が小さくなることで、色分
散手段を挿入することに起因する収差の発生を抑制する
ことができ、高画質な読取性能を得ることができる。
【0173】また、斜め受光素子形状を採用するととも
に、3色の受光素子の主走査方向の感度重心を一致させ
ることにより以下の効果を奏する。
【0174】(4)色モアレをも消すことができる。
【0175】(5)電気的な主走査方向の感度重心の補
間補正処理が不要となる。また、補間処理が無くなるこ
とにより、ナイキスト周波数以下のMTFの劣化をも防
ぐことができる。
【0176】また、3色の受光素子の感度重心を一直線
上に配置し、プリズムの色分散を発生させる方向を、こ
の3色の受光素子の感度重心を結ぶ直線の方向と一致さ
せることにより、以下の効果を奏する。
【0177】(6)3色受光素子のレジストレーション
補正を主走査・副走査とも、光学的に行うことができ、
電気的なレジストレーション補正が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカラー画像読取装置の実施例の結像
光学系を示す構成図である。
【図2】 ガラスの屈折率の波長依存性を示すグラフで
ある。
【図3】 カラー画像読取装置の分光特性を示すグラフ
である。
【図4】 実施例1のイメージセンサの受光素子の形状
を示す説明図である。
【図5】 実施例1における3色の受光素子の感度の重
心を示す説明図である。
【図6】 実施例1における3色の受光素子の変形例を
示す説明図である。
【図7】 実施例1における各色の受光素子列と転送電
極の配置関係を示す説明図である。
【図8】 イメージセンサの青に対する分光特性を示す
グラフである。
【図9】 実施例1のイメージセンサと組み合わせて使
用される主走査方向レジストレーション補正回路のブロ
ック図である。
【図10】 実施例1における各色の受光素子とこれに
対応する各色の読み出し信号を示す説明図である。
【図11】 実施例1における結像光学系のプリズム系
のパラメータを説明するための図である。
【図12】 実施例2のイメージセンサの受光素子の形
状と3色の受光素子の感度の重心を示す説明図である。
【図13】 実施例2のイメージセンサの受光素子の形
状と3色の受光素子の感度の重心を示す説明図である。
【図14】 実施例3における各色の受光素子列と転送
電極の配置関係を示す説明図である。
【図15】 実施例4における青,青緑,緑,赤の4色
の受光素子列と転送電極の配置関係を示す説明図であ
る。
【図16】 実施例4において、青,緑,赤,赤外の4
色とした場合の変形例を示す説明図である。
【図17】 実施例4において、青,緑,赤,赤外の4
色とした場合の他の変形例を示す説明図である。
【図18】 実施例5のイメージセンサの受光素子の形
状と3色の受光素子の感度の重心を示す説明図である。
【図19】 実施例5の受光素子の具体的な形状を示す
説明図である。
【図20】 実施例5における主走査方向のMTFを示
すグラフである。
【図21】 実施例5における各色の受光素子列と転送
電極の配置関係を示す説明図である。
【図22】 実施例5における各色の受光素子の形状の
パラメータを説明するための図である。
【図23】 実施例6のイメージセンサの受光素子の形
状と3色の受光素子の感度の重心を示す説明図である。
【図24】 プリズムにおける色分散を発生方向を結像
光学系の光軸を回転軸として回転させる様子を示す説明
図である。
【図25】 実施例7のイメージセンサの受光素子の形
状と3色の受光素子の感度の重心を示す説明図である。
【図26】 実施例8のイメージセンサの受光素子の形
状と4色の受光素子の感度の重心を示す説明図である。
【図27】 ダイクロイックミラーと白黒3ラインイメ
ージセンサを組み合わせて使用する従来のカラー画像読
取装置の結像光学系を示す構成図である。
【図28】 プリズムと白黒3ラインイメージセンサを
組み合わせて使用する他の従来のカラー画像読取装置の
結像光学系を示す構成図である。
【図29】 先に提案されたカラー画像読取装置のイメ
ージセンサにおける各色の受光素子列と転送電極の配置
関係を示す説明図である。
【図30】 青の受光素子列の配列方向の受光素子長に
比べて赤と緑の受光素子列の配列方向の受光素子長を半
分とし、赤と緑の各受光素子を交互に配置したイメージ
センサを示す説明図である。
【符号の説明】
11…プラテン、12…原稿、13…ランプ、14…フ
ルレートミラー、15a,15b…ハーフレートミラ
ー、16…プリズム、17…レンズ、18…イメージセ
ンサ,B1 ,B2 ,・・…青の受光素子、G1 ,G2
・・…緑の受光素子、R1 ,R2 ,・・・・…赤の受光
素子

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿からの反射光を色分散手段により各
    色光に分光し、各色光を結像レンズにより3色以上の受
    光素子列の各列が副走査方向にお互いの位置をずらして
    配置されたラインイメージセンサの各受光素子列上に結
    像させ、主走査方向を前記ラインイメージセンサの電気
    的走査により読み取り、副走査方向を前記ラインイメー
    ジセンサへの結像位置を相対的に動かして行くことによ
    り原稿の画像を読み取るカラー画像読取装置において、 前記ラインイメージセンサの各受光素子列を、各色の分
    光特性の波長の順番に副走査方向に並べると共に、 前記ラインイメージセンサの少なくとも2色の受光素子
    列の各受光素子に関して、主走査方向と副走査方向の両
    方向に、互いの受光素子の感度の重心を、各色毎の主走
    査方向の受光素子間隔で決まるセンササンプリングピッ
    チよりも小さい距離だけずらして配置したことを特徴と
    するカラー画像読取装置。
  2. 【請求項2】 前記ラインイメージセンサの3色以上の
    受光素子列を第1の群と第2の群の二つの群に分け、前
    記第1の群の受光素子列に対しては第1の副走査方向か
    ら読み出しを行い、前記第2の群の受光素子列に対して
    は前記第1の副走査方向と反対側の第2の副走査方向か
    ら読み出しを行うことを特徴とする請求項1記載のカラ
    ー画像読取装置。
  3. 【請求項3】 前記ラインイメージセンサの前記第2の
    群の受光素子列は1色の受光素子列からなり、この色の
    分光特性が各色のうち最も波長が短い色であることを特
    徴とする請求項2記載のカラー画像読取装置。
  4. 【請求項4】 前記ラインイメージセンサの前記第2の
    群の受光素子列は青1色からなり、前記第1の群の受光
    素子列は緑と赤の2色からなることを特徴とする請求項
    3記載のカラー画像読取装置。
  5. 【請求項5】 前記ラインイメージセンサの青の受光素
    子列の分光感度曲線が、500nmでピーク強度の20
    %以下の強度を有するものであることを特徴とする請求
    項4記載のカラー画像読取装置。
  6. 【請求項6】 前記ラインイメージセンサの緑と赤の受
    光素子を副走査方向に関して非対称の形状とし、緑の受
    光素子の主走査方向の幅は、青の受光素子列に近い側を
    幅を広くし、赤の受光素子の主走査方向の幅は、青の受
    光素子列に近い側の幅を狭くしたことを特徴とする請求
    項4記載のカラー画像読取装置。
  7. 【請求項7】 前記ラインイメージセンサの緑と赤の受
    光素子の形状及び面積をお互いに異ならせたことを特徴
    とする請求項4記載のカラー画像読取装置。
  8. 【請求項8】 前記ラインイメージセンサの前記第2の
    群の受光素子列は青と青緑の2色からなり、前記第1の
    群の受光素子列は緑と赤の2色からなることを特徴とす
    る請求項2記載のカラー画像読取装置。
  9. 【請求項9】 前記ラインイメージセンサの前記第2の
    群の受光素子列は青と緑の2色からなり、前記第1の群
    の受光素子列は赤と赤外の2色からなることを特徴とす
    る請求項2記載のカラー画像読取装置。
  10. 【請求項10】 前記ラインイメージセンサの前記第2
    の群の受光素子列は青1色からなり、前記第1の群の受
    光素子列は緑と赤と赤外の3色からなることを特徴とす
    る請求項3記載のカラー画像読取装置。
  11. 【請求項11】 前記ラインイメージセンサにおける各
    色を読み取る受光素子の分光感度特性の違いは、受光素
    子の上に形成されたオンチップフィルタにより決定され
    ることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか
    1項に記載のカラー画像読取装置。
  12. 【請求項12】 前記色分散手段を設ける位置を前記結
    像レンズの直前としたことを特徴とする請求項1記載の
    カラー画像読取装置。
  13. 【請求項13】 前記色分散手段として、互いの屈折率
    がほぼ等しく、色分散の大きさがアッベ数で10以上異
    なる2種のガラスを材料とする二つのプリズムをお互い
    の屈折力を打ち消すように組み合せたものを用いること
    を特徴とする請求項1又は請求項12に記載のカラー画
    像読取装置。
  14. 【請求項14】 前記2種のガラスが、クラウン系のガ
    ラスとフリント系のガラスであることを特徴とする請求
    項13記載のカラー画像読取装置。
  15. 【請求項15】 前記ラインイメージセンサの各色の受
    光素子列の副走査方向のギャップ距離を、前記色分散手
    段で決まる各色の副走査方向の結像位置のズレ量とほぼ
    同じにしたことを特徴とする請求項1から請求項11の
    いずれか1項に記載のカラー画像読取装置。
  16. 【請求項16】 前記ラインイメージセンサの前記第2
    の群に属する受光素子列と前記第1の群に属する受光素
    子列の主走査方向の受光素子位置のずれに起因する主走
    査方向のサンプリング位置のずれを、前記第1の群の受
    光素子列について補間演算を施して前記第2の群のサン
    プリング位置に合わせる補正回路を更に備えていること
    を特徴とする請求項4記載のカラー画像読取装置。
  17. 【請求項17】 前記ラインイメージセンサの対応する
    各色の受光素子の感度重心がお互いに一直線上に乗るよ
    うに各色の受光素子が配置されていることを特微とする
    請求項1記載のカラー画像読取装置。
  18. 【請求項18】 前記ラインイメージセンサの3色以上
    の受光素子列を互いの受光素子の感度の重心を各色毎の
    主走査方向の受光素子間隔で決まるセンササンプリング
    ピッチよりも小さい距離だけずらして配置している少な
    くとも2色の受光素子が含まれる第1の群と、1色の受
    光素子列からなりその受光素子の分光感度特性が、前記
    ラインイメージセンサの受光素子の分光特性の中で最も
    波長の短いものである第2の群の二つの群に分け、 前記第1の群の受光素子列に対しては第1の副走査方向
    から読み出しを行い、 前記第2の群の受光素子列に対しては前記第1の副走査
    方向と反対側の第2の副走査方向から読み出すことを特
    徴とする請求項17記載のカラー画像読取装置。
  19. 【請求項19】 前記ラインイメージセンサの第1の群
    の受光素子列に属する少なくとも2色の受光素子の形状
    を、主走査方向軸と副走査方向軸で決まる2本の直交軸
    に対して斜め方向に長い形状とすると共に、各色の受光
    素子列の対応する各色の受光素子の主走査方向の感度重
    心が一致するように前記受光素子を配置することを特徴
    とする請求項18記載のカラー画像読取装置。
  20. 【請求項20】 前記ラインイメージセンサの対応する
    各受光素子の感度重心を結ぶ直線軸の方向が、副走査方
    向軸に対して傾いており、 前記色分散手段によって生じる前記ラインイメージセン
    サ上の色収差の発生方向と、前記対応する各受光素子の
    感度重心を結ぶ直線軸の方向とが同じになるように前記
    色分散手段を配置したことを特徴とする請求項17記載
    のカラー画像読取装置。
  21. 【請求項21】 前記ラインイメージセンサの前記第1
    の群に属する2色以上の画素のうち、 最も波長の短い分光感度特性を持つ第1の色を除いた他
    の色の受光素子の形状を、主走査方向軸と副走査方向軸
    で決まる2本の直交軸に対して斜め方向に長い形状とす
    ると共に、最も波長の短い分光感度特牲を持つ第1の色
    の受光の形状をこれと異ならせ、 前記色分散手段によって生じる前記ラインイメージセン
    サ上の色収差の発生方向と、受光素子の感度重心を結ぶ
    直線軸の方向が同じになるように、色分散手段を配置し
    たことを特徴とする請求項18記載のカラー画像読取装
    置。
  22. 【請求項22】 前記ラインイメージセンサの第1の色
    の受光素子の形状が、傾斜棒部とこの傾斜棒部から主走
    査方向に伸延する横棒部とからなる形状であることを特
    徴とする請求項21記載のカラー画像読取装置。
  23. 【請求項23】 前記ラインイメージセンサの前記第2
    の群の受光素子列が青であり、前記第1の群の受光素子
    列に属する2色が緑と赤であることを特徴とする請求項
    18記載のカラー画像読取装置。
  24. 【請求項24】 前記ラインイメージセンサの前記第2
    の群の受光素子列が青であり、前記第1の群の受光素子
    列に属する3色が緑と赤と赤外であることを特徴とする
    請求項18記載のカラー画像読取装置。
JP6048880A 1994-03-18 1994-03-18 カラー画像読取装置 Pending JPH07264355A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6048880A JPH07264355A (ja) 1994-03-18 1994-03-18 カラー画像読取装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6048880A JPH07264355A (ja) 1994-03-18 1994-03-18 カラー画像読取装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07264355A true JPH07264355A (ja) 1995-10-13

Family

ID=12815605

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6048880A Pending JPH07264355A (ja) 1994-03-18 1994-03-18 カラー画像読取装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07264355A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6407418B1 (en) 1998-09-16 2002-06-18 Nec Corporation Semiconductor device, method of manufacturing the same, image sensor apparatus having the same and image reader having the same
KR101316135B1 (ko) * 2007-08-09 2013-10-08 엘지이노텍 주식회사 영상신호처리방법 및 영상신호처리장치

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6407418B1 (en) 1998-09-16 2002-06-18 Nec Corporation Semiconductor device, method of manufacturing the same, image sensor apparatus having the same and image reader having the same
KR101316135B1 (ko) * 2007-08-09 2013-10-08 엘지이노텍 주식회사 영상신호처리방법 및 영상신호처리장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100553056B1 (ko) 촬상장치
CN101919256B (zh) 图像拍摄装置
JPH09266517A (ja) 固体撮像素子および画像読取装置
JP3083013B2 (ja) イメージセンサ及び画像情報処理装置
CN104412579B (zh) 彩色摄像元件以及摄像装置
JP3227249B2 (ja) イメージセンサ
JPS6091304A (ja) カラー光ビーム・スプリツタ
US6064057A (en) Color image reading apparatus
JPH08237436A (ja) カラー画像読み取り装置
JPH0420166A (ja) カラー画像読取装置
JPH07264355A (ja) カラー画像読取装置
US5675425A (en) Color image reading device having an optical element for creating double images
JPH0718985B2 (ja) 固体撮像装置
JP3444126B2 (ja) 固体撮像素子およびこれを備えた画像読取装置
JPH07143281A (ja) カラー画像読取装置
JPH07226823A (ja) カラー画像読み取り装置
JPS58182365A (ja) カラ−画像の読取り方法
JPS63132576A (ja) 網目版作成方法
JPH089101A (ja) カラー画像読取装置
JP2021150837A (ja) 固体撮像素子、画像読取装置、及び画像形成装置
JPH09321940A (ja) 画像読取装置
JPH066516A (ja) カラー画像入力装置
JPH0473710A (ja) 画像読み取り装置
JP2001111774A (ja) カラー画像読取装置
JP2004260830A (ja) 自動レジスタ成分rgb撮像方法