JPH08237436A - カラー画像読み取り装置 - Google Patents

カラー画像読み取り装置

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JPH08237436A
JPH08237436A JP7278286A JP27828695A JPH08237436A JP H08237436 A JPH08237436 A JP H08237436A JP 7278286 A JP7278286 A JP 7278286A JP 27828695 A JP27828695 A JP 27828695A JP H08237436 A JPH08237436 A JP H08237436A
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JP
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color
dispersion
image
light
lens
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Withdrawn
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JP7278286A
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English (en)
Inventor
Yoshiya Imoto
善弥 伊本
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Priority to US08/543,910 priority patent/US5696610A/en
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N1/00Scanning, transmission or reproduction of documents or the like, e.g. facsimile transmission; Details thereof
    • H04N1/46Colour picture communication systems
    • H04N1/48Picture signal generators
    • H04N1/486Picture signal generators with separate detectors, each detector being used for one specific colour component
    • H04N1/488Picture signal generators with separate detectors, each detector being used for one specific colour component using beam-splitters

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  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像原稿を露光・走査し、その反射光を三
原色の成分に分けて読み取るカラー画像読み取り装置に
おいて、色分散させた各色光をセンサ面上でほぼ等間隔
に結像させ、青色領域での解像度の低下を低減する。さ
らに、倍率色収差の発生を防止する。 【構成】 ランプ1でプラテンガラス7上の原稿8を
露光走査し、反射光をミラー2、3、プリズムユニット
4、レンズ5を介してラインイメージセンサ6上に結像
させる。プリズムユニット4は複数のプリズムからな
り、これらの境界面の二つが色分散面となっている。こ
れら二つの色分散面は、像光が逆方向に色分散するよう
に設定され、第2の色分散面における青色領域の部分分
散が第1の色分散面より大きくなるように硝子材が選択
されている。このような色分散面はレンズで構成するこ
ともでき、このときにはレンズ曲面の曲率中心を光軸か
ら偏心させて色分散面とするのが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像原稿を露光・
走査して電気的な画像信号に変換する画像読み取り装置
に係り、特に原稿からの反射光を三原色の成分に分けて
読み取るカラー画像読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー画像をラインセンサを使って走査
・読み取りを行う手段としては、従来から以下に示す5
つの装置が用いられている。 1) 原稿を露光する光源から射出される光の色、また
は反射光を透過させるフィルタの色を順次切り換え、三
原色の各色について原稿の露光・走査を繰り返して白黒
イメージセンサで各色の成分の画像を読み取る装置。 2) イメージセンサの1ラインの感光素子列上に、3
色の色フィルタが順次に貼り付けられており、各感光素
子がフィルタに応じた色の成分の画像を読み取る装置。 3) 図43に示すようなダイクロイックプリズム10
1を用い、原稿からの反射光を3光路に色分解して3つ
のイメージセンサ102で読み取る装置。 4) それぞれ異なる色のフィルタを備えた三色の読み
取りラインをイメージセンサの1つのチップ上に設け、
原稿上の異なる位置から入射される光を読み取り、画像
信号を補正して原稿面上の同一位置の信号に対応させる
装置。 5) それぞれ異なる色の像光を読み取るラインイメー
ジセンサを一つのチップ上に設け、原稿上の同一位置か
らの反射光を光学的に色分解し、この光をそれぞれライ
ンイメージセンサで読み取る装置。
【0003】上記5つの装置のうち、1)に示すもの
は、露光・走査を3回繰り返して行う必要があり、読み
取りの高速化に対応できないという欠点がある。
【0004】2)に示すものでは、1つの色の画像は、
3つの素子ごとに読み取ることになり、高画質・高解像
度を得るためには素子の密度を高くしなければならな
い。このため感光素子を原稿に密着して読み取る方式の
装置に多く用いられており、CCDを複数チップ配列す
る構造となる。このような構造では、チップ間の特性不
整合により、読み取り画像上で各チップの読み取りエリ
アの境界が目立ちやすくなるという欠点がある。また、
このような方式を縮小型センサに用いる提案もなされて
おり、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の
3色の感光素子を一列に並べ、各素子の出力を3本の転
送電極で読み出す装置がある(テレビジョン学会技術報
告・情報入力1992「高速駆動−点順次CCDカラー
リニアセンサ」)。しかし、この方式では、3色の感光
素子を順次に並べる構造となるため、一色あたりの素子
面積が小さくなり、感度が低下するという問題がある。
また、高解像度を得るために素子の数を増やすと1つの
感光素子の大きさをできるだけ小さくしてもチップが大
きくなり、コストが増大するという問題や、チップに反
りが生じるという問題がある。
【0005】3)に示す装置は、3光路に色分解された
光を3本のイメージセンサで読み取るため、3本のイメ
ージセンサを厳密に位置を合わせて設置しなければなら
ない。このため調整のために多くの工数が必要になると
いう欠点がある。
【0006】4)に示す装置は、3ラインのR・G・B
を読み取る素子列が、同一の半導体基板上に形成され、
一色の素子列が一チップで構成されているので、上記
1)、2)、3)が有する欠点はない。しかし、読み取
り走査をしているときに、3ラインの読み取りラインは
同時刻に原稿面の同位置を読んでいないため、メモリを
使って先行して読んでいる色の情報を遅延させ、同一位
置の画像信号が同時刻に出力されるように3ラインから
の信号を補正しなければならない。この補正のために必
要な、高速FIFOメモリとメモリ制御用の回路にコス
トがかかり、カラー読み取り装置を安価に供給できない
という問題がある。
【0007】また、この補正(Gap補正)は、読み取
り位置のズレを読み取り時間のズレに置き換えて補正し
ているため、読み取り走査速度が完全に等速度であるこ
とが前提となっており、機械的な駆動系の振動等により
走査速度にムラが存在すると、局所的な色ズレが発生す
る。このため、走査速度の安定性への要求が厳しくな
り、機械的な駆動系に高精度のものが必要となってコス
トが増大する。さらに、3色で読み取っている位置が違
うことと、照明効率を上げるために、シャープに集光し
た照明を行っていることから、読み取り原稿がプラテン
ガラスから浮いた場合、読み取り色ごとの光量がアンバ
ランスに変化することで、読み取りデータのカラーバラ
ンスが変化し、黄色が強くなった見苦しい画像になる。
【0008】5)に示す装置は、例えば特開平1−23
7619号公報、特開平3−42686号公報に開示さ
れているものである。特開平1−237619号公報に
開示される装置は図44に示すように、多層ダイクロイ
ックミラーを使用したビームスプリッタ111を配設
し、レンズ112によって結像される像光を3色に色分
解してそれぞれ3ラインの白黒イメージセンサ113で
読み取るものである。また、特開平3−42686号公
報に開示される装置は、波長域を狭くした3つの色光で
原稿面を露光し、反射光を色分解プリズムで色分解した
後、それぞれ対応するラインセンサで読み取るものであ
る。この装置では、原稿面の読み取りラインと隣接した
部分からの反射光がラインセンサに入射するいわゆるク
ロストークも防止することができる。
【0009】しかし、特開平1−237619号公報に
開示される装置では、ビームスプリッタ111及びイメ
ージセンサ113の取り付けの精度を厳密に確保する必
要があり、製作コストが増大する。また、ビームスプリ
ッタ自体の製作コストも高い。さらに、細い幅のスリッ
トを使って、反射光の副走査方向の幅を制限しないと、
図44に示すように3色に色分解されたスリット像が互
いに重なり、光学的なクロスストークが発生してしま
う。このため、精度の高いスリットを使って、読み取り
ラインを副走査方向に制限する必要がある。また、3本
のラインセンサの感覚はある程度広く(10数ライン程
度)しないと、像の分離が十分に行えないが、各色光の
結像位置の間隔を大きくするとともにその結像位置を正
確に合わせようとすると、ダイクロイックミラー間の透
明層の厚さを精密に調整する必要があり、コストがさら
に増大するという問題がある。
【0010】一方、特開平3−42686号公報に記載
の装置では、照明の分光特性を狭帯域な特性にしている
ので、各色光のクロストークは低減されるが、照明光量
が低下するという問題がある。
【0011】以上のように、1)〜5)に示す従来の装
置はそれぞれ欠点を有するものであるが、5)に示すも
のは一つの基板上に複数のラインイメージセンサが設け
られており、設置が簡単であるという長所を有してい
る。さらに、各ラインは原稿面の同一位置からの反射光
を読み取っており、画像信号に複雑な処理を行なう必要
がない。このため、カラー画像を読み取る装置として有
用性が大きく、コストの低減も可能であると考えられ
る。特に特開平3−42686号公報に開示される装置
のように、像光の波長によって屈折率が異なることを利
用して色分解する装置が注目される。そして、照明光量
が低下するという問題点については、原稿の照明光には
光量が不足しない程度に広帯域の分光特性を有するもの
を用い、クロストークの影響に対しては、センサ上にオ
ンチップフィルタを設けて他の色の成分をブロックする
装置が考えられる。つまり、図45に示すようにプリズ
ムで色分散した各色光を図46に示すようなラインセン
サで読み取るもので、たとえば読み取りライン(ライン
1)と離れた位置で反射した赤色(R)の光はプリズム
で色分散されたのち緑色(G)のラインセンサ上に照射
されるがオンチップフィルタでブロックされ、緑色
(G)のラインセンサの読み取りに影響を与えないよう
にしたものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな装置でも次のような問題点が生じる。プリズムで色
分散させると、ガラスの色分散の特性により、青色領域
の部分分散が大きくなり、青(B)と緑(G)との感光
素子列の間隔は、緑(G)と赤(R)との感光素子列の
間隔よりも大きくなっている。したがって全体としての
色分散量をある程度大きくして読み取りラインの間隔を
大きくとると、この青色領域では部分分散が大きいこと
による副走査方向のMTF(Modulation transferfunct
ion)の低下、つまり解像度の低下が生じる。これは、
次のような現象によるものである。
【0013】読み取りライン(ライン1)からの青緑
(BG)の光は、図45に示すように、Aの位置に結像
する。この位置は、青(B)と青緑(BG)との波長差
は少ないにもかかわらず、青色領域での部分分散が大き
いために青(B)のセンサ位置からやや離れている。こ
のことは原稿面の読み取りラインからやや離れた位置
(ライン2)からの反射光が青(B)のセンサに入射す
ることを示しており、青緑(BG)の光は青(B)の光
と波長が近いためにフィルタを透過し、クロストローク
が生じる。この青(B)のセンサに入射される青緑(B
G)の光が読み取りライン(ライン1)に極近接した位
置からの反射光であればMTFの低下も少ないが読み取
りラインからやや離れた位置(ライン2)からの反射光
であるためにMTFの低下が著しくなるものである。
【0014】一方、青色領域でのMTFの低下を改善す
る手段としては、3色のラインセンサの間隔を小さく
し、全体に分散が小さいプリズムを用いる装置が考えら
れる。しかし、このような手段を用いると感光素子のサ
イズが小さくなり、感度が低下するとともに、3ライン
の素子列の間隔が等間隔でなく図47に示すような特別
の配列のセンサが必要となる。
【0015】また、原稿面で反射された像光を主走査方
向に配列された多数の感光素子で読み取る際に、像光は
主走査方向に画角を有し、原稿の両脇の部分からの反射
光はプリズムおよびレンズにやや斜め方向から入射す
る。プリズムは主走査方向には光学的平面となっている
ので入射角と出射角とは同じになるが、図48に示すよ
うに入射面と出射面とで屈折し、色分散が生じる。この
ため、画像の主走査方向における両脇の部分で倍率色収
差となって、読み取り画像に色ずれを生じるという問題
点がある。
【0016】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、波長によって屈折率が異な
ることを利用して色分解した各色光をセンサ面上でほぼ
等間隔に結像させ、正確な像光の読み取りを行なうこ
と、又は色分散された各色光に倍率色収差が発生するの
を防止することができるカラー画像読み取り装置を提供
することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、 原稿面を露光する
ランプと、 ランプにより露光された原稿面からの反射
光の色分散を発生させる第1色分散手段と、 第1色分
散手段よりも青色領域での部分分散が大きく第1色分散
手段による色分散とは逆方向に反射光の色分散を発生さ
せる第2色分散手段と、 第1色分散手段及び第2色分
散手段により色分散が発生された反射光の画像を読み取
る読み取り手段とを備える。
【0018】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のカラー画像読み取り装置において、 第1色分散手
段及び/又は第2色分散手段がプリズムで構成される。
【0019】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
のカラー画像読み取り装置においてさらに、 反射光
を結像させるレンズユニットを備え、 第1色分散手段
及び/又は第2色分散手段は前記レンズユニットに含ま
れる隣り合うレンズで構成される。
【0020】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
のカラー画像読み取り装置において、 プリズムを構
成する透明光学材料の境界面が反射光の光軸に対して副
走査方向に傾斜している。
【0021】請求項5に記載の発明は、請求項3に記載
のカラー画像読み取り装置において、 隣り合うレン
ズの境界は曲面を形成しており、その曲率中心が前記反
射光の光軸に対して副走査方向に偏心している。
【0022】請求項6に記載の発明は、請求項2に記載
のカラー画像読み取り装置において、 プリズムを構
成する透明光学材料の境界面が反射光の光軸に対して主
走査方向に傾斜している。
【0023】請求項7に記載の発明は、請求項3に記載
のカラー画像読み取り装置において、 隣り合うレン
ズの境界は曲面を形成しており、その曲率中心が前記反
射光の光軸に対して主走査方向に偏心している。
【0024】請求項8に記載の発明は、請求項1に記載
のカラー画像読み取り装置において、 第1色分散手
段及び/又は第2色分散手段がアッベ数が異なる2つの
透明光学材料で構成される。
【0025】請求項9に記載の発明は、請求項1に記載
のカラー画像読み取り装置において、 第1色分散手
段及び/又は第2色分散手段は光の波長によって異なる
屈折率の帯域がほぼ同じであるとともに、アッベ数が異
なる2つの透明光学材料で構成される。
【0026】請求項10に記載の発明は、 原稿面を露
光するランプと、 複数のレンズを含み、原稿面での反
射光を結像させるレンズユニットと、 反射光の結像位
置に配置され、主走査方向に多数の感光素子を配列した
読み取りラインを備えたイメージセンサとを有し、 主
走査方向にはラインイメージセンサの電気的走査により
像光を読み取り、副走査方向には読み取り位置を移動さ
せることによって像光を読み取るカラー画像読み取り装
置において、 レンズユニットに含まれる少なくとも
2つの隣り合うレンズがアッベ数の異なる透明光学材料
で構成され、これら2つのレンズが1つの曲面を境界と
して隣り合い、 この曲面の曲率中心が前記レンズユニ
ットの光軸から副走査方向又は主走査方向に偏心してい
る。
【0027】上記請求項1において、第1色分散手段お
よび第2色分散手段は、光の波長の違いによって屈折率
が変化することを利用して色分散させるものであり、第
1分散手段で所定の方向に色分散を発生させ、第2色分
散手段で逆の方向に色分散を発生させるように設定され
るものである。また、第1分散手段と第2分散手段と
は、いずれも硝子等の光学材料と大気との境界面、2種
の光学材料の境界面、又はこれらの複合されたもの等が
考えられる。また、青色領域における部分分散とは、他
の領域における色分散に対する青色領域の部分分散の比
を言うものである。
【0028】上記請求項3において、第1色分散手段及
び/又は第2色分散手段はレンズと大気との境界面、隣
り合った二つのレンズの境界面、又はこれらの複合され
たもの等とすることができ、上記境界面は平面であって
もよいし、レンズ曲面であってもよい。
【0029】上記請求項9において、「光の波長によっ
て異なる屈折率の帯域がほぼ同じである」とは、各材料
について屈折率は波長によって多少異なり、ある帯域に
分布するが、この帯域全体を巨視的に見ると2つの硝子
材間でほぼ同じであるということである。また、光の全
波長域における平均的な屈折率がほぼ同じ場合、ある特
定の波長の光についての屈折率がほぼ同じである場合等
も含むものである。
【0030】なお、上記発明において、透明光学材料は
光学的レンズやプリズムに使用することができるもので
あり、鉱物質のものに限定されるものではなく、透明な
プラスチック等も含むものである。
【0031】[作用]本願に係る発明は上記のような構
成を有しているので、次のように作用する。請求項1に
記載のカラー画像読み取り装置では、第1色分散手段と
第2色分散手段とを有しているので、原稿面からの反射
光は第1色分散手段で分光され、さらに第2色分散手段
で屈折してセンサ面に結像される。
【0032】図49は、この装置における色分散の状態
を示すものであり、以下これについて説明する。なお、
この図では、色分散手段が密接して配置された複数のプ
リズムを含むプリズムユニット121となっており、隣
接するプリズム間の境界面で色分散が生じるようになっ
ている。まず、第1の色分散面122(第1色分散手
段)のみが存在すると考えると、原稿面からの反射光は
第1の色分散面122で分光され、赤(R)・緑(G)
・青(B)の光はそれぞれR1 、G1 、B1 で示す光路
を通ってセンサ面124に結像する。このときの結像位
置は光軸からそれぞれA1 、A2 、A3 の間隔をおいた
位置となる。一方、第2の色分散面123(第2色分散
手段)のみが存在すると考えると、第2の色分散面12
3は第1の色分散面122と逆方向に色分散を発生させ
るように設定されたおり、この面で分散された光は第1
の色分散面で分散された光とは逆の方向に屈折し、図4
9中にR2 、G2 、B2 で示す光路を通ってセンサ面1
24に結像する。このときの結像位置は光軸からa1
2 、a3 で示す間隔だけ離れた位置となる。
【0033】この結像位置A1 、A2 、A3 およびa
1 、a2 、a3 を比較すると、第2の色分散面123に
おける青色領域での部分分散が第1の色分散面122に
おける部分分散よりも大きくなっているので、a3 のa
2 またはa1 に対する比が、A3 のA2 またはA1 に対
する比よりも大きくなる。したがって、これら第1の色
分散面と第2の色分散面との双方によって屈折した各色
光は図49中にR、G、Bで示される光路を通り、セン
サ面124でほぼ等間隔の位置で結像する。また色分散
面の角度等を適切に選択することにより光軸からの分離
距離が過大となることなく適切な位置に結像させること
ができる。
【0034】請求項2に記載のカラー画像読み取り装置
では、色分散手段が一つのプリズム又は複数のプリズム
を組み合わせて構成されているので、簡単な光学系で原
稿面からの反射光を赤(R)・緑(G)・青(B)に色
分解し、これらの像光を適切な位置に結像させて読み取
ることができる。また、色分散を起こさせる境界面の傾
斜を大きくすることができ、分散量すなわち各色の分離
距離を大きく取ることも容易となる。
【0035】請求項3に記載のカラー画像読み取り装置
では、色分散手段が一つのレンズ又は隣り合う二つのレ
ンズの境界面で構成されているので、レンズの曲面を適
切に設定することにより、主走査方向の両端部付近から
入射された像光も倍率色収差を生じることなく結像させ
ることができる。また、結像レンズ内に色分散手段を設
定することができ、部品数の減少、コストの低減を図る
ことができる。さらに、色分散が球面で構成されること
で偏心量の微調整も可能になる。
【0036】請求項4に記載のカラー画読み取り装置で
は、プリズムユニットを構成する硝子材の境界面が光軸
に対して副走査方向に傾斜しているので原稿からの反射
光は副走査方向に色分散され、適切な位置に結像され
る。このような像光の読み取りには、主走査方向に多数
の感光素子を配列した読み取りラインを副走査方向に複
数列配設したイメージセンサが用いられ、各ラインが色
分散された各色光を読み取る。このとき、青色光の分散
が大きくなるのを是正して各色光を結像させることがで
きるので、MTFの低下が防止される。
【0037】請求項5に記載のカラー画像読み取り装置
では、レンズユニットに含まれる二つの隣り合うレンズ
が曲面を境界として隣り合い、その曲率中心が光軸に対
して副走査方向に偏心しているので、レンズ曲面は副走
査方向に傾斜しており、原稿面からの反射光は副走査方
向に色分解される。そして、上記請求項4に記載の画像
読み取り装置と同様に、青色光の分散が大きくなるのが
是正され、MTFの低下が防止される。
【0038】請求項6に記載のカラー画像読み取り装置
では、プリズムユニットを構成する硝子材の境界面が像
光の光軸に対して主走査方向に傾斜しているので、原稿
からの反射光は主走査方向に色分解される。そして、主
走査方向に多数の感光素子を配列したイメージセンサで
あって、オンチップフィルタの装着により感光素子の3
つ毎がそれぞれ赤(R)・緑(G)・青(B)の像光を
検知するようになっているものを用いると、図50に示
すように、隣接した3つの感光素子R、G、Bには原稿
の同一位置からの像光を色分解して照射することができ
る。このため、読み取り位置がずれることによる黒文字
のエッジ部の色付き等を防止することができる。
【0039】請求項7に記載のカラー画像読み取り装置
では、レンズユニットに含まれる二つのレンズが曲面を
境界として隣り合い、その曲率中心が光軸に対して主走
査方向に偏心しているので、原稿からの反射光は主走査
方向に色分解される。そして、上記請求項6に記載の画
像読み取り装置と同様に3色間で読み取り位置がずれる
ことによる黒文字のエッジの色付きを防止することがで
きる。
【0040】請求項8に記載のカラー画像読み取り装置
では、アッベ数が異なる2つの透明光学材料で構成され
ているので、これらの境界面で有効に色分散を発生させ
ることができる。これにより、境界面の角度のみで、色
分散量を調整でき、色分散手段の特性を収差発生の少な
い光学平面とすることができる。
【0041】さらに、請求項9に記載のカラー画像読み
取り装置では、二つの隣り合う硝子材の屈折率の帯域が
ほぼ同じになっているので、像光全体は大きく屈折しな
い。このため、光路幅の両側で光路長が大きく異なるこ
とがなくなり、非点収差が抑止されて解像度が向上す
る。なお、本装置において、二つの隣り合う透明光学材
料のアッベ数が異なることによって色分散は発生する。
【0042】請求項10に記載のカラー画像読み取り装
置では、ランプによって原稿が露光され、その反射光が
レンズユニットでラインイメージセンサ上に結像され
る。このとき、二つの隣り合うレンズの境界となるレン
ズ曲面の曲率中心が光軸から主走査方向又は副走査方向
に偏心しているので、レンズ曲面は主走査方向又は副走
査方向に傾いており、さらに、このレンズ曲面の両側の
透明光学材料はアッベ数が異なるものとなっているの
で、像光は主走査方向又は副走査方向に色分散される。
このため、色分散された各色光をイメージセンサでそれ
ぞれ読み取ることができる。一方、上記二つのレンズの
境界面の曲率中心を主走査方向又は副走査方向の一方に
のみ偏心させると、偏心している方向には色分散を生じ
るがこれと直角の方向には、レンズユニットの一レンズ
曲面として作用し、ほとんど色収差(倍率色収差)を生
じない。したがって、良好な色調で画像を読み取ること
ができる。
【0043】また、別途プリズムを用いることなくレン
ズユニットで色分散を生じさせることができ、構成部品
の減少、コストの低減が図られる。さらに、レンズ曲面
の曲率中心を偏心させることにより、レンズ曲面の主走
査方向又は副走査方向の傾斜角が設定されるので、極め
て正確に設定することが可能となる。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。 ◎第一の実施例 図1は本願に係る発明の第1の実施例であるカラー画像
読み取り装置を示す概略構成図およびプリズムの断面構
成図である。この実施例は、第1色分散手段と第2色分
散手段との双方が密接されるプリズム間の境界面で構成
されており、像光の光軸に対して副走査方向に色分散を
発生させるものである。
【0045】[本実施例の装置の構成]このカラー画像
読み取り装置は、走行移動してプラテンガラス7上の原
稿8を露光するランプ1と、このランプとともに走行す
るフルレートミラー2と、前記ランプおよびフルレート
ミラーの1/2の速度で走行するハーフレートミラー3
と、原稿面での反射光を色分散させるプリズムユニット
4と、プリズムで色分散された各色光を結像させるレン
ズ5と、各色光の結像位置に設けられ、入射光を電気的
な画像信号に変換するCCDイメージセンサ6とを有し
ている。
【0046】上記フルレートミラー2は原稿面で反射し
た像光をハーフレートミラー3に導くように配置され、
ハーフレートミラー3、3はフルレートミラーの1/2
の速度で同方向に走行することにより、光路長を一定に
維持するようになっている。上記プリズムは図1(b)
に示すように4枚の硝子材を重ね合わせて構成されてお
り、面、面、面が光軸と直角に設定されている。
そして硝子材1と硝子材2との境界面である面が第1
の色分散面、硝子材3と硝子材4との境界面である面
が第2の色分散面となっている。また、硝子材1と硝子
材2、硝子材3と硝子材4はそれぞれ屈折率がほぼ同じ
となるとともに、アッベ数の差が大きくなるように選択
されており、これらの硝子材の屈折率(nd )、アッベ
数(νd )、部分分散比(PgF)は表1に示すとおりで
ある。
【0047】
【表1】
【0048】ここで、上記屈折率、アッベ数、部分分散
比は、代表的な波長の光として次の4光線を考え、これ
らの波長の光に対する特性に基づいて表すものであり、
下記の式で示される。 C線:波長λC =656.3nm d線:波長λd =587.6nm F線:波長λF =486.1nm g線:波長λg =435.8nm
【数1】
【0049】上記ランプ1は3波長型希ガス蛍光ランプ
であり、照明系の分光特性は図2に示すとおりとなって
いる。
【0050】上記CCDイメージセンサ6は、図3に示
すように主走査方向に多数の素子を配列した読み取りラ
インを副走査方向に3列備えるものであり、フィルタに
よってそれぞれのラインが光軸側から赤(R)、緑
(G)、青(B)の読み取りラインとなっており、これ
らラインが主走査方向の素子ピッチと同じ等間隔で配列
されている。このCCDイメージセンサ6の分光感度特
性は図4に示すとおりとなっており、図2に示す照明系
の分光特性とかけ合わせた読み取り装置としての分光レ
スポンス特性は図5に示すとおりとなる。
【0051】このようなカラー画像読み取り装置では、
プラテンガラス7上に載置された原稿8のカラー画像は
ランプ1によって露光され、反射光がフルレートミラー
2、ハーフレートミラー3、3を介してプリズム4に導
かれる。プリズムは図1(b)中に示すように2つの色
分散面を有しており、第1の色分散面(面)で色分散
が生じ、さらに第2の色分散面(面)で図27に示す
ように各色光は第1の色分散面と逆方向に色分解する。
そして、レンズ5によってセンサ面に結像される。色分
散面における色分散の性質は、青色領域で部分分散が大
きくなり、第1の色分散面を通過した後の像光は赤色光
(R)と緑色光(G)との間隔より緑色光(G)と青色
光(B)との間隔が大きくなるが、青色領域での部分分
散が大きい第2の色分散面で逆方向に屈折され、各色光
の間隔が補正されるので、赤(R)、緑(G)、青
(B)の像光は等間隔で配列された3本のラインセンサ
上に結像される。したがってセンサの赤色読み取りライ
ンと緑読み取りラインとの間隔を詰めて感度を低下させ
ることなく、図3に示すように、主走査方向の画素ピッ
チと読み取りライン間の間隔が同じとなるような充分な
素子面積を有するセンサを用いてカラー画像を読み取る
ことができる。
【0052】[本実施例の装置による効果]次に上記の
ように青色領域で部分分散が増大する色分散面の性質を
改善した効果を図6に基づいて説明する。この図は波長
の異なる光について、センサ面上での色分散量つまり結
像位置の光軸からの分離量を示したものであり、部分分
散の異なる2つの色分散面を用いて補正を行った本実施
例では、色分散量が波長の変化に対してほぼ線形となっ
ている。これに対し、上記のような補正を行わない従来
のものでは短波長領域で急激に色分散量が増大する。
【0053】次に解像度の指標であるMTFの改善につ
いて、従来の読み取り装置と比較して説明する。図7
は、本実施例のカラー画像読み取り装置における副走査
方向のMTFを示す図であり、プリズムで色分散され、
レンズによって結像された像をセンサで読み取ったとき
のMTFを各色光について示すものである。また、レン
ズ単体のMTF、つまりレンズによって像光を結像させ
るときのMTF、およびプリズムが無い場合のMTF、
つまり色分散されることなくレンズで結像され、センサ
で読み取られた画像のMTFを併せて示す。
【0054】一方、図8は従来のカラー画像読み取り装
置におけるMTFを示すものである。一般にMTFはラ
ダーパターンの空間周波数(lp[ラインペア]/m
m)が大きくなるにしたがって低下するが、図8に示す
従来例では青(B)のMTFが赤(R)、緑(G)に比
べて著しく低下する。読み取り特性の判断基準となる5
lp/mmのラダーパターンを読み取ったときのMTF
は、赤(R)または緑(G)ではプリズムがない場合に
比べて一割程度の低下にすぎないが、青(B)では約1
/2に低下する。
【0055】これに対し、本実施例のカラー画像読み取
り装置では、図7に示すように、赤(R)、緑(G)、
青(B)のいずれの色の像もほぼ同じ程度のMTFとな
り、5lp/mmのラダーパターンを読み取ったときに
プリズムが無い場合に対して約一割程度の低下となる。
このように本実施例では青色領域の部分分散を低減する
ことによって、青色(B)用のセンサで読み取られる分
光レスポンス内の波長を持つ光が広域に分散するのを抑
止し、クロストークによる解像度の低下を抑えることが
できる。
【0056】なお、上記実施例では、4枚の硝子材が密
接するように配置したプリズムを用いたが、図9に示す
ように、硝子材1と硝子材2と、硝子材3と硝子材4と
が密接し、硝子材2と硝子材3とは離間するように配置
されたプリズムを用いても同様の効果が得られる。
【0057】[プリズムの色分散面の設定と硝子材の選
択についての説明]次に上記実施例で用いたプリズムの
色分散面の設定、硝子材の選択をプリズムによる色分散
の性質に基づいて説明する。 《プリズムによる色分散の性質》まず、一般的なプリズ
ムによる色分散の性質を考える。図10に示すような頂
角がθのプリズムに対して、像光がその第1面に垂直に
入射すると、屈折による像の位置は次のようになる。
【数2】 となり、プリズムからLの距離で結像するときの、像の
副走査方向の位置は光軸からの距離Dで示すと、
【0058】
【数3】 となる。ここで、波長λaと波長λbとの2つの異なる
波長の光について像の位置の差ΔDは次のようになる。
【0059】
【数4】
【0060】上記(1)式より、2つの異なる波長の光
が像を結ぶ位置の差は、近似的に、2つの波長の光の屈
折率の差、n(λa)−n(λb)に比例していると考
えることができる。ここで、代表的な波長の光として、
前記4光線を考え、色分散量を規定する量として、F線
とC線との像の分離距離ΔDFCを採ると、
【数5】 である。
【0061】これから、F線とC線との像の位置の間隔
は、アッベ数の逆数に比例することがわかる。一般にア
ッベ数の逆数の大きさは、硝子材の分散の大きさを示し
ており像位置の間隔は硝子材の分散の大きさに比例して
いる。
【0062】一方、青色領域で分散が急に大きくなる性
質を示す好適なパラメータとして、部分分散比PgF
【数6】 がある。g線とF線との像位置の間隔、すなわちg線−
F線間の分離距離およびF線−C線間の分離距離は、そ
れぞれ、{n(λg )−n(λF )}、{n(λF )−
n(λC )}に近似的に比例することから、上記部分分
散比はg線−F線間(青色領域)の分離距離と、F線−
C線間(青色から赤色までの領域)の分離距離との比
(以下、分離距離の比という)と考えることができる。
したがって(2)式に示す部分分散比の値が大きくなれ
ば、青色領域での色分散が大きくなることを示してい
る。
【0063】《組み合わせたプリズムの境界面における
色分散の性質》次に、図11に示すような2つの硝子材
を組み合わせたプリズムによる色分散を考える。このプ
リズムは白色光で測定する屈折率がほぼ同じでアッベ数
の異なる2つの硝子材を用いており、入射面と射出面と
は平行に設定され、この面と2つの硝子材の境界面との
角度がθとなっている。このプリズムの2つの硝子材の
境界面における屈折のみを考えると、プリズムからLの
距離で結像するときの像の位置は光軸からL・tan u
分離した位置となるが、この場合2つの硝子材の屈折率
をほぼ等しくとっているので、境界面での屈折量は小さ
いとしてtan u=uとおける。また、プリズムから空気
への境界面での屈折を考慮すると、やはりuが小さいの
でn2 ・sin u=sin u’はn2 ・u=u’と近似で
き、プリズムからLの距離での像の位置(光軸からの距
離)Dは、
【数7】 となる。
【0064】上式から、波長λaと波長λbの2つの波
長の光について、像位置の間隔すなわち像の分離距離Δ
Dは
【数8】 となる。
【0065】これをg線−F線間の分離距離ΔDgFにあ
てはめると、
【数9】
【0066】同様にF線−C線間の分離距離ΔDFCに当
てはめると、
【数10】 となる。この(4)式から、2つの硝子材のアッベ数の
差が大きいほど、2つの硝子材の境界面で発生する色分
散量が大きいことがわかる。
【0067】これら、(3)式と(4)式から、青の波
長域における色分散の拡大現象の指標となる、g線−F
線間の分離距離とF線−C線間の分離距離の比すなわち
「分離距離比」Sepを求めると、
【数11】 となる。
【0068】《硝子材の違いと色分散の性質との関係》
これを実際の硝子材にあてはめてみる。表2に示すよう
な特性をもった硝子材SK5とLF5を考え、これらに
よって図11に示すようなプリズムを構成すると、分離
距離の比Sep(≒部分分散)は、
【数12】 となる。
【0069】
【表2】
【0070】上記分離距離の比Sep値は、単体のプリズ
ムの分離距離の比(≒部分分散比DgF)より、大きな
値となっている。これは次のような理由によるものであ
る。(5)式を変形すると、
【数13】 となる。
【0071】一般的な硝子材は図12に示すようにアッ
ベ数が小さくなるほど、部分分散比が大きくなる。上記
プリズムに用いた硝子材SK5、LF5も図12に示す
「標準的な硝子材」に含まれ、アッベ数がSK5より小
さいLF5の部分分散比PgFは、SK5の部分分散比よ
り大きくなっている。したがって、上記(6)式の右辺
第2項の分母と分子は同符号となり、第2項が正の値と
なる。このため、2枚の硝子材を重ねたプリズムの部分
分散比PgFは、単体のプリズムよりも大きくなる。
【0072】一方、(6)式から部分分散比を小さくす
るためには、該(6)式の右辺第2項の値が負となるよ
うに硝子材を選択すればよいことになり、第2項の分母
と分子とが異符号となればよい。このために、2つの硝
子材のうち一方のがアッベ数が大きく、部分分散比も他
方より大きくなるように2つの硝子材を選択しなければ
ならない。一般的なガラスは図12に標準的な硝子材A
として示すようにアッベ数が小さいものほど部分分散比
が増大する領域にあり、上記条件を充足するような選択
はできないが、この領域からはずれる特性をもつ「異常
分散ガラス」(図12中に示すBの範囲のガラス材)と
称されるものがある。このグループに属する硝子材を用
いれば部分分散比を低減できると考えられる。
【0073】このグループに属する硝子材FCD1と、
これとほぼ等しい屈折率をもつ硝子材BSC3とを用い
た2枚重ねのプリズムによる色分散を次に示す。各々の
硝子材の特性は表3に示すとおりであり、分離距離の比
Sepは
【数14】 となる。
【0074】
【表3】 このように、異常分散ガラスを使うことでSepの値を若
干小さくすることはできる。ただし、2つの硝子材の部
分分散比の値の差が僅かなので、分離距離の比を大きく
改善する効果は得られない。
【0075】《2つの色分散面を組み合わせる場合の色
分散の性質》ここで、分離距離の比を改善する手段とし
て、分離距離の比が大きくなる性質をもつ第1のプリズ
ムと、分離距離の比が前記第1のプリズムより小さい第
2のプリズムとを重ね、第1のプリズムで色分散された
各色光を第2のプリズムで逆方向に屈折させ、色分散の
特性を補正することを考える。上記手段における第1の
プリズム、第2のプリズムはそれぞれ単体のプリズムと
し、屈折率が大きく部分分散が比較的小さい第1のプリ
ズムと、屈折率が小さく部分分散が大きい第2のプリズ
ムを図13に示すように組み合わせることも考えられ
る。しかし、この構成では、部分分散が最適になるよう
に2つのプリズムの屈折力を調整するために、プリズム
全体が光学平面となる条件からはずれてしまう。このた
め、読み取り光学系の中に挿入することで、非点収差な
ど他の収差を発生する。そこで、非点収差を発生させず
に、分離距離の比を改善する手段として、図11に示す
ように2枚の硝子材を重ね合わせ、ほぼ平行平板ガラス
としたプリズムを2組用いて、図14に示すような4種
の硝子材を組み合わせたプリズムを考える。このプリズ
ムの硝子材1と硝子材2とは、その境界面で、分離距離
の比が小さい色分散の特性を有するように選択され、硝
子材3と硝子材4とは、分離距離の比が大きい色分散の
特性を有するように選択される。
【0076】このようなプリズムは、近似的に、2組の
2枚合わせプリズムの特性を合計した特性を有するの
で、波長λa と波長λb との2つの波長に対しての像位
置の差ΔDは、硝子材1と硝子材2との境界面での分散
による像位置の差と硝子材3と硝子材4との境界面での
分散による像位置の差との和となる。
【0077】したがって
【数15】 となる。
【0078】これを、g線−F線間の分離距離に当ては
めると、g線−F線間の分離距離ΔDgFは、
【数16】 となる。
【0079】同様にF線−C線間の分離距離に当てはめ
ると、F線−C線間の分離距離ΔDFCは、
【数17】 となる。
【0080】ここで、
【数18】
【0081】
【数19】
【0082】
【数20】 と置き換えると、
【0083】
【数21】 となる。ここで、1/Nと、Sepは組み合わせプリズム
としての、分散と、部分分散比を示すものである。
【0084】《硝子材の選択と境界面の設定》このよう
なプリズムの設計において寸法・境界面を決定するに
は、まず、硝子材を決定する。これにより、SepA 、S
epB 、NA 、NB が決まり、「F線−C線間の分離距
離」・「g線−F線間の分離距離」が目標値となるよう
にθ1 とθ3 を決定することになる。概略的な設計とし
ては、ΔgF、ΔFC、SepA 、SepB、NA 、NB が決ま
れば、上記の近似式、(7)式、(8)式から、θ1 と
θ3が求められる。
【0085】この際、2組のプリズムは、それぞれのプ
リズムの特性を打ち消しあうように作用させるため、プ
リズムの厚さが大きくなる。このためプリズムの厚さを
できるだけ小さくすることができるように硝子材を選択
する必要がある。ここで、前述のように「分離距離の
比」Sepの小さい色分散の特性を、前側のプリズム(パ
ラメータSepA 、NA )に受け持たせ、「分離距離の
比」Sepの大きい色分散の特性を、後側のプリズム(パ
ラメータSepB 、NB )に受け持たせると、「分離距離
の比」Sepの大きい色分散の特性を持つものは、硝子材
自体の色分散が大きいので、色分散発生量を調整する硝
子材境界面の角度θ3 はθ1 に比べて小さくてすむ。こ
のため、θ1 をいかに小さい角度にするかが課題とな
る。
【0086】θ1 の値が低減される条件を考えるため
に、(7)式および(8)式からθ1を求めると
【数22】 となる。
【0087】上記(9)式から具体的なプリズムについ
て考えてみると、後側の組み合わせプリズムの硝子材と
しては、2つの硝子材の境界面において色分散量と、部
分分散比との両方が大きければよいので、標準的な硝子
材(図12中の破線A内の特性をもつ硝子材)の中から
屈折率のほぼ同じものを選べばよく、比較的自由に選択
でき、一般的なものとしてSK5とLF5との組み合わ
せを選ぶ。これらの硝子材の特性は表2に示すとおりで
あるが、この値から硝子材3をLF5、硝子材4をSK
5としてSepB 、NB を求めると、 NB =209、Sep=0.64 となる。
【0088】また、前側のプリズムとしては、SepA を
SepB に比べて充分に小さくしなければ、(9)式の右
辺の分母が0に近づきθ1 が大きくなってしまうので、
2つの硝子材は前述したように異常分散ガラス(図12
中の破線B内の特性をもつ硝子材)を含む組み合わせと
し、「分離距離の比」SepA を小さくする。しかし、異
常分散ガラスは、種類が少ないので、硝子材FCD1以
外の選択の余地はほとんどない。
【0089】一方、この異常分散ガラスと組み合わせる
屈折率1.50付近の硝子材については、図15中に示
すBSC3、ZNC7、C10が考えられ、これらの適
否を以下で検討する。(9)式のθ1 を求める式の中
で、上記3つの硝子材のいずれを選択するかによって変
動するパラメータは、SepA とNA だけであり、SepA
(<SepB )を小さくするか、NA を小さくすること
で、θ1 を小さくできる。前記3つの硝子材は、アッベ
数がBSC3→ZNC7→C10の順番で小さくなるに
つれて、部分分散が大きくなる性質をもつ。このため、
FCD1と組み合わせたトータルでの、分散(1/NA
)と部分分散比(SepA )とも、BSC3→ZNC7
→C10の順番で、大きくなる。
【0090】表4はこれら3つの硝子材について、それ
ぞれの特性値SepA 、NA の値と、これらの値によって
変化するNA /{1−SepA /SepB }の値とを示すも
のである。
【表4】
【0091】上記表4に示すように、NA /{1−Sep
A /SepB }の値はZNC7を用いたときに最も小さく
なる。これを実際に光線追跡により、比較・確認する実
験の結果を以下に示す。光線追跡を行う条件はレンズを
理想レンズとし、図16に示すように、レンズ、プリズ
ムを配置して結像面での波長の違いによる像の分離距離
を測定する。プリズムの寸法は、図17に示すとおりと
し、硝子材1をBSC3、ZNC7、C10の3種につ
いて比較するとともに、θ1 ・θ3 をパラメータとして
変えてみる。
【0092】まず、硝子材1をBSC3とし、前側プリ
ズムの頂角θ1 を変化させるとともに、θ3 は「d線
(588nm)−C線(656nm)間の分離距離」が
10μmで一定になるようにθ1 に追随して変化させ
た。この場合の青色領域の部分分散の変化を図18に示
す。青色領域の部分分散の変化として、「g線−F線間
の分離距離とF線−C線間の分離距離の比」を用いる。
この図から、「d線(588nm)−C線(656n
m)間の分離距離」を一定に保ちながら、前側プリズム
の頂角θ1 を大きくしていくことで、後側プリズムの頂
角θ3 が大きくなる。これにともなって部分分散の補正
量も大きくなって、青色領域の部分分散が小さくなって
いく。
【0093】他の硝子材と比較する基準としてθ1 =2
4度の条件を選ぶと、硝子材1にBSC3、ZNC7、
C10を用いたときの「g線−F線間の分離距離とF線
−C線間の分離距離の比」をCASE1、CASE2、CASE3と
して図19に示す。また、CASE4は硝子材1にZNC7
を用い、θ1 =22度としたときの結果である。この図
によれば、C10が悪く、BSC3とZNC7が同じ程
度で、若干ZNC7が良い結果を示し、表4の結果を裏
付けている。ただ、ZNC7とBSC3の差は僅かで、
ZNC7を用いて頂角θ1 を22度にしたCASE4ではB
SC3を用いたCASE1よりも部分分散の程度が悪くなっ
ている。この結果から「異常分散ガラス」であるFCD
1と組み合わせる硝子材はBSC3、またはZNC7が
ほぼ同程度で望ましいものと考えることができる。した
がって図1(b)に示すような第1の実施例で用いたプ
リズムの構成が望ましいものの1つとして採用できるこ
とがわかる。
【0094】◎第2の実施例 次に、本願に係る発明の第2の実施例であるカラー画像
読み取り装置について説明する。この実施例は、第1の
実施例で使用した図1(b)に示すプリズムに代えて、
図20に示すように3枚の硝子材を組み合わせて構成さ
れるプリズムを使用する。その他ランプ、ミラー、レン
ズ、イメージセンサ等は図1(a)に示す第1の実施例
と同じものを用いる。
【0095】このプリズムは白色光に対する屈折率がほ
ぼ同じ3枚の硝子材を用いたものであり、硝子材1にF
CD1、硝子材2にBSC3、硝子材3にC10を用い
ている。これらの硝子材の特性は表4に示すとおりであ
る。このプリズムでは硝子材1と硝子材2との境界面が
第1の色分散面となり、硝子材2と硝子材3との境界面
が第2の色分散面となって光軸に対して逆方向に色分解
を発生するように設定されている。また、硝子材1の入
射側の面と、硝子材3の射出側の面とは平行になってお
り、プリズム全体としてほぼ平行平板ガラスとなってい
る。このようなプリズムは、図14に示すプリズムの硝
子材2と硝子材3とに同じものを用い、一体に形成した
ものと考えることができ、硝子材1(FCD1)と硝子
材2(BSC3)とは、硝子材2のアッベ数および部分
分散比がともに硝子材1より小さくなるという関係にあ
り、この境界面による分離距離の比(≒部分分散比)が
小さくなっている。一方、硝子材2(BSC3)と硝子
材3(C10)とは、アッベ数の小さい硝子材3(C1
0)の方が部分分散比が大きくなるという関係にあり、
これらの境界面による分離距離の比が大きくなってい
る。
【0096】したがって、このプリズムに像光が入射す
ると第1の色分散面で色分散が生じ、第2の色分散面で
各色光が第1の色分散面と逆方向に色分散が生じるが、
第1の分散面で生じた色分散の青色領域での部分分散が
大きくなる特性が第2の分散面によって補正され、セン
サ面上での色分散量、すなわちそれぞれの波長の像が光
軸から分離する距離の分布は図21に示すようにほぼ線
形となる。このため、レンズでセンサ面上に結像された
赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の像がほぼ等間隔
となり、図3に示すようなイメージセンサでカラー画像
を読み取ることができる。
【0097】上記のような実施例では、硝子材を3枚と
したことにより構成が簡単となっているが、硝子材2
(BSC3)と硝子材3(C10)とのアッベ数の差が
小さくなり、これらの硝子材の境界面の角度θ2 を大き
くする必要が生じることから、ややプリズムの厚さが大
きくなっている。
【0098】◎第3の実施例 次に本願に係る発明の第3の実施例について説明する。
本実施例のカラー画像読み取り装置は、上記第1または
第2の実施例と異なり、1つの色分散手段を備えるもの
であり、この色分散手段は密接して隣り合う2つのレン
ズで構成され、2つのレンズの境界となる曲面の曲率中
心が副走査方向に偏心し、これにより副走査方向に色分
散を発生させるようになっている。図22は、この装置
を示す概略構成図およびレンズユニットの断面構成図で
ある。この図に示されるように本装置は、走行移動して
プラテンガラス17上の原稿18を露光するランプ11
と、このランプとともに走行するフルレートミラー12
と、前記ランプおよびフルレートミラーの1/2の速度
で走行するハーフレートミラー13と、像光を決像させ
るレンズ14と、入射光を電気的な画像信号に変換する
CCDイメージセンサ15とを有している。
【0099】上記フルレートミラー12は原稿面で反射
した像光をハーフレートミラー13に導くように配置さ
れ、ハーフレートミラー13、13はフルレートミラー
の1/2の速度で同方向に走行することにより、光路長
を一定に維持するようになっている。上記ラインイメー
ジセンサ15は、図23に示すように主走査方向に多数
の素子を配列した読み取りラインを副走査方向に3列備
えるものであり、フィルタによってそれぞれのラインが
光軸側から赤(R)、緑(G)、青(B)の読み取りラ
インとなっている。このラインイメージセンサは原稿の
同一のラインからの像光を色分散させて、各々の色の光
を読み取るようになっており、青色の分散量が大きくな
るのに合わせて、R−Gの素子列の間隔を16μm、G
−Bの素子列の間隔を28μmとしている。
【0100】上記レンズユニットは、図22(b)に示
すように7枚のレンズを組み合わせて構成されるもので
あり、第1のレンズと第2のレンズ、第3のレンズと第
4のレンズ、第5のレンズと第6のレンズが密接した合
わせレンズとなっている。このような組み合わせレンズ
とするのは、単レンズについて生じるザイデルの5収差
・色収差を補正するためであり、低分散の硝子材と高分
散の硝子材とが組み合わせて用いられる。このレンズユ
ニットの結像倍率は0.22倍であり、感光素子のピッ
チが14μmのセンサ上に原稿からの像光を結像させる
ので、原稿像を400dpiの解像度で読み取ることに
なる。
【0101】上記レンズユニットを構成するレンズ面の
曲率(r)、面間隔(d)、およびレンズを構成する硝
子材の屈折率(n)、アッベ数(ν)は図24に示すと
おりである。ここでアッベ数νは代表的な波長の光とし
て次の3光線を考え、次式で示される。 ν={n(λd )−1}/{n(λF )−n(λC )} C線:波長λC =656.3nm d線:波長λd =587.6nm F線:波長λF =486.1nm
【0102】このような構成のレンズにおいて第2面の
曲率中心が副走査方向の下側に1.5°偏心している。
これは図25に示されるように、レンズ面の曲率中心が
光軸から偏心角度θ=1.5°の位置にある状態であ
り、すなわち第2面は光軸上でθ=1.5°だけ、副走
査方向に傾斜していることになる。
【0103】上記第2面を境界とする第1のレンズと第
2のレンズの硝子材はFD15とLAC9であり、それ
ぞれの屈折率はn1 =1.6910、n2 =1.698
9とほぼ等しい値となっている。このため像光は全体と
してほぼ直進する。しかし、これらの硝子材のアッベ数
はν1 =54.71、ν2 =30.05と大きく異なっ
ており、この境界面、すなわち第2面が傾斜ししている
ことで色分散が生じる。なお、上記2つの硝子材におけ
る各波長の光に対する屈折率は図26に示すような分布
となっている。
【0104】なお、このレンズユニットの光軸方向をZ
方向とし、感光素子の配列されている方向(主走査方
向)をX方向、これと直角の方向をY方向とすると、X
Z平面上では、主走査方向の両端部すなわち原稿画像の
両脇から入射する半画角18.7°の像光に対応するた
め、レンズの外形は図27に示すように光軸の前方およ
び後方で大きくし、中間部で外径を小さくしている。一
方、YZ平面上では、原稿の一走査ラインのみからの像
光を結像すればよく、レンズの上下部分は必要なく、切
除(truncate)することができる。このように上下部分
を切除することにより、レンズ面の曲率中心を偏心させ
たときに隣り合うレンズ曲面が接近し、レンズ厚が極度
に小さくなるのを回避することもできる。
【0105】[本実施例の装置の作用]上記のような画
像読み取り装置では、プラテンガラス17上に載置され
た原稿18のカラー画像はランプ11によって露光さ
れ、反射光がフルレートミラー12、ハーフレートミラ
ー13、13を介してレンズユニット14に導かれる。
このレンズユニットの第2面は色分散面となっているの
で像光は色分散され、レンズによって各色光がラインイ
メージセンサ15上に結像される。
【0106】ここで、上記第2面すなわち曲率中心が偏
心したレンズ面における3色像の分離の様子を図28に
示す。この図は、3色像の代表波長は次に示す値とし、
各色の点像の重心が、結像面でどれだけ分離するかを示
すものであり、横軸にレンズ面の偏心量を角度(°)で
取る。 青(B):440nm 緑(G):530nm 赤(R):650nm この図に示されるように、偏心が1.5°(レンズ面で
の偏心量:3mm)で、R−G間の分離距離が約16μ
m、B−G間の分離距離が約28μmとなり、図23に
示すラインイメージセンサ上に結像する。また、周辺部
すなわち主走査方向の両端付近における像の分離距離
も、中央部と比べて10%程度の違いしかなく、ライン
イメージセンサで充分読み取りが可能となっている。
【0107】また、上記実施例で生じる倍率色収差を測
定した結果を図29に示す。この図に示すように、B−
G間、R−G間の倍率色収差は、偏心量にほとんど影響
されず、いずれも2〜3μm以下であり、感光素子の間
隔14μmに比べて小さく、この倍率色収差によって像
が劣化することはほとんどないと考えることができる。
【0108】次に、上記実施例の解像度性能を確認する
ために行った実験の結果を示す。図30は、本実施例で
スポットダイヤグラムを読み取ったときの像の変化を示
すものであり、レンズユニットの第2面の偏心をθ=
1.5°としたとき、θ=3.0°としたときの結果を
偏心がないときと比較して示すものである。この図に示
されるようにレンズ曲面を偏心させたことによる像の変
化はほとんどないことが確認される。ただし、青色
(B)の光に対しては、図26に示されるように第2面
の両側の硝子材に屈折率の若干の差が生じるため、点像
に多少の変化が現れる。一方、図31は、上記実施例で
用いたレンズユニットの青色(B)の光についてのMT
F(Moduration Transfar Function)を示すものであ
る。この図に示されるようにレンズ面の曲率中心が偏心
することによるMTF特性の変化はほとんどないことが
確認される。
【0109】このように、上記実施例のカラー画像読み
取り装置では、組合せレンズを偏心させることによっ
て、結像特性を変えることなく、色分散を生じさせ、原
稿面の同一ラインからの像光を光の3原色に分解してイ
メージセンサで読み取ることができる。この色分散を生
じさせる効果は、光路にプリズムを介挿することによる
効果と同じであるが、プリズムを使用した時に生じる倍
率色収差を低減することができる。
【0110】[上記実施例で用いた組合わせレンズの製
造方法]次に、上記実施例で用いた組合せレンズの製造
方法について説明する。上記組合せレンズの第1面と第
3面の曲率中心は光軸上に存在し、第2面の曲率中心の
みが光軸から偏心している。このような状態を個々のレ
ンズについて観ると、第1のレンズと第2のレンズはそ
れぞれ軸心を有しており、これらの軸心の方向が一致し
ない状態となっている(図25参照)。したがって、こ
のようなレンズは、個々のレンズをその両面が所定の曲
率となるように形成した後、組み合わせる際に軸心をず
らすことによって形成することができる。この時、ずら
す量が大きくなると、外周縁が円となるように形成され
ているレンズでは、レンズ周辺部の多くの部分を切除す
ることになるので、無駄が多くなる。このため、レンズ
の必要な曲面部分のみを、余裕をもって製作しておき、
偏心量を調整して組み合わせるのが望ましい。
【0111】図32は、レンズの偏心量を調整して組み
合わせる方法を示す図である。この図に示すように、曲
率中心を偏心させない面にレーザー光が垂直に入射する
ようにセットし、曲率中心を偏心させる面で反射する光
と曲率中心を偏心させない面で反射する光との分離距離
を測定することにより、偏心させた面の光軸に対する傾
きを測定することができる。このように測定しながら第
1のレンズと第2のレンズのずれ量を調整し、曲率の傾
きを所定の量にすることができる。これは、プリズムの
製作時に頂角が所定の値となるよう研削するよりも、正
確で容易に行い得る。
【0112】◎第4の実施例 次に、本願に係る発明の第4の実施例であるカラー画像
読み取り装置について説明する。本実施例は、2つの色
分散手段を備え、第1色分散手段が2つの密接されたプ
リズムで構成され、第2色分散手段が密接して隣り合う
2つのレンズで構成されており、像光の光軸に対して副
走査方向に色分散を発生させるものである。 [本実施例の装置の構成]図33は、このカラー画像読
み取り装置の概略構成図およびレンズユニット、プリズ
ムの断面構成図である。このカラー画像読み取り装置は
図22に示す実施例と同様にランプ21、フルレートミ
ラー22、ハーフレートミラー23、レンズユニット2
4、ラインイメージセンサ25を有しており、さらにレ
ンズユニット24の原稿側にプリズムユニット26を備
えている。
【0113】上記プリズムユニット26は、2枚の頂角
が等しいプリズムを、頂角の位置が逆方向となるように
重ね合わせたものであり、それぞれのプリズムは屈折率
の概略値がほぼ同じで色分散の特性すなわちアッベ数の
異なる硝子材でできている。このため、境界面ではほと
んど屈折は生じないが色分散が生じるようになってい
る。また、2つのプリズムの頂角は等しいので入射面と
射出面とは平行となり、プリズム全体としては、ほぼ平
行平板ガラスとなっている。
【0114】上記レンズユニット24は、7枚のレンズ
を組み合わせたものであり、第1のレンズと第2のレン
ズ、第3のレンズと第4のレンズ、第5のレンズと第6
のレンズが密着して合わせレンズとなっている。このレ
ンズユニット24の第1のレンズと第2のレンズとの境
界であるレンズ曲面の曲率中心が偏心しており、この曲
面が上記プリズムの色分散面と副走査方向における逆方
向に色分散を発生させている。この第1のレンズと第2
のレンズとは、それぞれが屈折率の概略値がほぼ等し
く、分散特性の異なる硝子材でできており、この境界面
における色分散は、青色領域における部分分散が上記プ
リズムユニットによる青色領域の部分分散より大きくな
るように硝子材が選択されている。上記プリズムユニッ
ト26とレンズユニット24との光学面の曲率、面間
隔、およびこれらを構成する硝子材の屈折率、アッベ数
は、図34に示すとおりである。
【0115】なお、具体的な硝子材の選択において、プ
リズムに使用する硝子材は、標準的な硝子材とともに、
異常分散硝子と称されるものを選択している。ここで標
準的な硝子材とは、アッベ数と部分分散比PgFとが図
12に示す破線範囲Aにある硝子材であって、アッベ数
が小さくなると部分分散比が増大するものである。これ
に対し、異常分散ガラスはこれらの関係を有する範囲か
らはずれるものであり、図12中に破線範囲Bで示す硝
子材である。ここで、部分分散比PgFは、次式で示さ
れるものである。 PgF={n(λg )−n(λF )}/{n(λF )−
n(λC )} C線:波長λC =656.3nm d線:波長λd =587.6nm F線:波長λF =486.1nm g線:波長λg =435.8nm この部分分散比PgFの値により、可視域の平均的な色
分散の特性{n(λF)−n(λC )}と、青領域の色
分散の特性{n(λg )−n(λF )}の比として、部
分分散の特性がわかる。
【0116】[本実施例の装置の作用]上記のようなカ
ラー画像読み取り装置では、プラテンガラス27上に載
置された原稿28のカラー画像は、ランプ21によって
露光され、反射光がフルレートミラー22、ハーフレー
トミラー23、23を介してプリズムユニット26およ
びレンズユニット24に導かれる。プリズムユニットお
よびレンズユニットはそれぞれ色分散面を有しており、
プリズムユニットの色分散面(第1の色分散面)で色分
散が生じ、さらにレンズユニットの色分散面(第2の色
分散面)で図49に示すように各色光は第1の色分散面
と逆方向に色分散を生じる。そしてレンズユニット24
によってセンサ面に結像される。色分散面における色分
散の性質は、青色領域で部分分散が大きくなり、第1の
色分散面を通過した後の像光は赤色光(R)と緑色光
(G)との間隔より緑色光(G)と青色光(B)との間
隔が大きくなるが、青色領域での部分分散が第1の色分
散面よりも大きい第2の色分散面で逆方向に屈折され、
各色光の間隔が補正されるので、赤(R)、緑(G)、
青(B)の像光は等間隔で配列された3本のラインセン
サ上に結像される。したがってセンサの赤色読み取りラ
インと縁色読み取りラインとの間隔を詰めて感度を低下
させることなく、図3に示すように、主走査方向の画素
ピッチと読み取りライン間の間隔が同じとなるような充
分な素子面積を有するセンサを用いてカラー画像を読み
取ることができる。
【0117】このように曲率中心が偏心したレンズ曲面
を有するレンズユニットと色分散を発生させるプリズム
とを組み合わせることにより、青色領域での部分分散が
小さい分散面(第1の色分散面)の傾斜角を大きくする
ことができ、センサ面での色分散量を大きくして、図3
に示す各色のライン間の間隔が主走査方向の感光素子の
間隔と同じラインセンサを用いることができる。
【0118】また、プリズムの境界における分散の程度
は比較的小さく、このため傾斜角が大きくなっているの
で、傾斜角の精度は厳密性を要求されず、これに対して
レンズユニットにおける色分散面では、色分散の程度が
大きく、傾斜角が小さいので厳密性が要求される。しか
し、レンズユニットは偏心量をずらしながら正確に傾斜
角を設定することができるので、プリズムユニットとレ
ンズユニットとを組み合わせて精度の高い色分散読み取
り光学系を容易に得ることができる。
【0119】なお、図35はレンズユニットの色分散面
(第5面)の傾きを変えたときの、赤(R)、緑
(G)、青(B)の3色の分離距離を示すものである。
ここで赤、緑、青は次の単波長の光として計算してい
る。 赤:λR = 650nm 緑:λG = 530nm 青:λB = 440nm
【0120】このように第5面の傾斜角が大きくなるに
したがって各色像の分離距離は小さくなり、約1°でB
−G間とR−G間との分離距離が等しくなる。また、傾
斜角が0.1°変化することによってB−G間の像間隔
が感光素子のピッチの1/10程度ずれる。このため、
傾斜角の精度が要求されるが、レンズをずらすことによ
って厳密に調整することができる。図36は上記実施例
における倍率色収差を示すものであり、主走査方向の分
布を示す。この図に示されるように半画角が大きくなる
とやや増大するが2μm以下の小さい値に抑えられてい
る。ここでは、前述したような、プリズムユニットで発
生する倍率色収差を、レンズユニットの設計時に、逆方
向に倍率色収差を発生させることで、倍率色収差の影響
を防いでいる。
【0121】◎第5の実施例 次に、本願に係る発明の第5の実施例について説明す
る。この実施例は、第1色分散手段と第2色分散手段と
のいずれもが密接して隣り合うレンズで構成され、これ
らの境界面が色分散面となり、副走査方向に色分散を発
生させるものである。図37は、本実施例のカラー画像
読み取り装置の概略構成図およびレンズユニットの断面
構成図である。このカラー画像読み取り装置はランプ3
1、フルレートミラー32、ハーフレートミラー33、
レンズユニット34、ラインイメージセンサ35を有し
ており、レンズユニットは7枚のレンズを組み合わせて
なるものである。このレンズユニットの第1のレンズと
第2のレンズ、第3のレンズと第4のレンズ、第5のレ
ンズと第6のレンズは密接して合わせレンズとなってお
り、第1のレンズと第2のレンズとの境界となるレンズ
曲面、および第3のレンズと第4のレンズの境界となる
レンズ曲面の曲率中心が副走査方向の逆方向に偏心して
いる。
【0122】また、上記第1のレンズと第2のレンズ
と、および第3のレンズと第4のレンズとは、それぞれ
屈折率の概略値がほぼ等しく、分散特性の異なる硝子材
でできており、これらの境界面が第1の色分散面および
第2の色分散面となるものである。ここで第1の色分散
面は青色領域での部分分散が比較的小さくなるように、
そして第2の色分散面は青色領域での部分分散が比較的
大きくなるように硝子材が選択されている。上記レンズ
ユニット34のレンズ曲面の曲率、面間隔、およびレン
ズを構成する硝子材の屈折率、アッベ数は図38に示す
とおりである。
【0123】このようなカラー画像読み取り装置では、
原稿面での反射光はフルレートミラー32、ハーフレー
トミラー33、33を介してレンズユニットに導かれ、
このレンズユニットでセンサ面に結像される。これとと
もに上記第1の色分散面では、赤色光(R)、緑色光
(G)、青色光(B)に分散され、さらに第2の色分散
面で逆方向に色分散され、各色光の分離距離が補正され
る。これにより、赤(R)、緑(G)、青(B)の像光
はセンサ面でほぼ等間隔で結像され、図39に示すよう
な、3色の読み取りラインを詰めて等間隔で配列したラ
インイメージセンサで読み取ることができる。
【0124】したがって、プリズムを用いず、レンズユ
ニットのみで原稿の同一ラインから3色の画像を読み取
ることができ、倍率色収差を低減するとともに、青色領
域の部分分散が大きくなることによる解像度の低下を抑
止することができる。なお、本実施例ではレンズの境界
面を色分散面としているので色分散面を大きく傾けるこ
とができず、像の分離距離が小さくなる。したがって図
39に示すような高集積ラインセンサと組み合わせて用
いるのが望ましい。
【0125】◎第6の実施例 次に、本願に係る発明の第6の実施例であるカラー画像
読み取り装置について説明する。本実施例は、第1色分
散手段が2つの密接されたプリズムで構成され、第2色
分散手段が密接して隣り合う2つのレンズで構成されて
おり、像光の光軸に対して主走査方向に色分散を発生さ
せるものである。
【0126】[本実施例の装置の構成]図40は、この
カラー画像読み取り装置の概略構成図およびレンズユニ
ット、プリズムユニットおよびイメージセンサの平断面
図である。このカラー画像読み取り装置は図33に示す
実施例と同様にランプ41、フルレートミラー42、ハ
ーフレートミラー43、プリズムユニット46、レンズ
ユニット44、ラインイメージセンサ45を有してお
り、プリズムユニット46、レンズユニット44の各境
界面の曲率、面間隔、プリズム又はレンズの屈折率及び
アッベ数は図34に示す値と同じ値となっている。
【0127】ただし、本実施例では二つのプリズムの境
界面(第2面)が主走査方向に傾斜し、主走査方向に色
分散を発生させるようになっている。また、レンズユニ
ット44の第1のレンズと第2のレンズとの境界である
レンズ曲面の曲率中心は主走査方向に偏心しており、上
記プリズムユニット46の色分散面と逆方向に色分散を
発生させるようになっている。上記色分散面の傾斜角度
は図33、図34に示す装置の1/3となっており、分
散された各色光の分散距離が小さいので、原稿の両側端
部から最大画角で入射する光束もプリズム・レンズから
はずれることなく2つの色分散面を通過して、結像す
る。
【0128】また、ラインイメージセンサ45は、主走
査方向に多数の感光素子を配列した読み取りラインを1
本有するものであり、素子の密度は図3に示されるイメ
ージセンサの3倍の密度となっている。そして赤
(R)、緑(G)、青(B)のオンチップフィルタが順
次に装着されており、1色あたりの読み取り密度は、図
3に示されるイメージセンサと同じ14μmピッチとな
っている。
【0129】[本実施例の装置の作用]このようなカラ
ー画像読み取り装置では、原稿面で反射した像光が、プ
リズムユニット46、およびレンズユニット44で主走
査方向に色分散され、図50に示されるように赤・緑・
青と配列された素子の間隔とほぼ同じ間隔で結像され
る。したがって色分散で広がった像光のうち、オンチッ
プフィルタの分光特性で制限される波長域の光学像を選
択的に読み取ることで、イメージセンサ45の3つ毎の
感光素子(赤、・緑・青のオンチップフィルタを有する
素子)は原稿面の同一位置からの像光を読み取る。この
ため、3色間の解像度はバランスのとれたものとなり、
適正な色調の画像の再現が可能となる。
【0130】一般に従来のカラー画像読み取り装置で
は、上記のように主走査方向の色分解を行って像光を読
み取るものではなく、3色の読み取り位置が読み取りピ
ッチの1/3だけずれている。これをデジタル的に補正
しようとした場合には、以下に示すような隣接画素間の
補間演算処理が行われる。 Ri ’=Ri ×2/3+Ri+1 /3 Gi ’=Gii ’=Bi ×2/3+Bi-1 /3 しかし、この処理は、RとBの2色に対してのボカシ処
理でもあるので、3色間の解像度がアンバランスになっ
てしまう。これに対し、本実施例のカラー画像読み取り
装置では上記のような問題点が解消され、読み取られた
画像信号において3色間の解像度のバランスは良好なも
のとなる。
【0131】次に、2つの色分散面を光軸に対して主走
査方向に傾けた場合の影響を調べるため、本実施例の装
置でスポットダイアグラムを読み取り、その像の変化を
調査した。この結果を図42に示す。色分散面を傾けた
ことで、右側から左前方に進む結像光束と、左側から右
前方に進む結像光束とで、光路の状態が厳密にいえば違
ってきている。しかし、色分散面をはさむ2つの硝子材
の屈折率差が小さいことと、色分散面の角度が比較的小
さいことにより、結像状態への影響は少なく、図42に
示すように、設計画角18.7度で左右から入射する結
像光束の状態は、両者とも色分散面の傾きが無いときと
ほとんど差がない。
【0132】この実施例の場合、特にレンズの偏心面の
光軸に対する傾きが0.7度程度であるので、偏心面の
両側の屈折率差の影響は小さくなっている(実施例の場
合、青領域での屈折率差は、0.02程度である)。こ
うした色分散量が小さくてすむケースへの応用の場合、
偏心面の両側の屈折率差を小さくするという条件は、比
較的緩くすることができる。
【0133】なお、この実施例では、プリズムの色分散
とレンズでの偏心による色分散とを組み合わせた場合を
示したが、偏心面をはさむ硝子材の厚さを大きめにする
ことで、図37に示すような結像レンズ内の2面を偏心
させ、これらを2つの色分散面とすることもできる。ま
た、3色の位置の補正精度が緩くてよい場合には、1面
のみを偏心させ、色分散面を1つだけ有する装置とする
こともできる。
【0134】
【発明の効果】以上、説明したように、本願に係る発明
のカラー画像読み取り装置では、第1色分散手段と第2
色分散手段とを介してセンサ面に各色光が結像される。
このとき第1色分散手段での青色領域の部分分散が大き
くなる特性が第2色分散手段で補正されるので赤色
(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光はセンサ面で
ほぼ等間隔の位置に結像され、光軸からの分離距離も過
大となることなく適切な位置で各色像を読み取ることが
できる。
【0135】したがって、副走査方向に上記色分散を発
生させ、感光素子を主走査方向に多数配列した読み取り
ラインを副走査方向に複数列配設したイメージセンサで
上記像光を読み取ると、青色領域の部分分散が大きくな
ることによる青色のMTFの低下を抑制することがで
き、解像度が向上する。さらに、特殊な素子配列のイメ
ージセンサを使用せず、汎用のものを用いて良好な画像
の読み取りができる。
【0136】また、主走査方向に上記色分散を発生さ
せ、主走査方向に赤・緑・青の光を検出する感光素子が
くり返し多数配列されたイメージセンサで、上記像光を
読み取ると、隣接する3色毎の感光素子は原稿面の同一
位置からの像光を読み取ることになり、3色間の解像度
のバランスが良好な画像信号を得ることができる。
【0137】上記色分散手段としてプリズムまたは複数
のプリズムを含むプリズムユニットを用いることによ
り、簡単な光学系で色分散を発生させ、その部分分散の
調整が容易となる。また、色分散手段をレンズユニット
に含まれる1以上のレンズで構成することにより、主走
査方向の両端部から入射された像光も倍率色収差を生じ
ることなく結像させることが可能となる。さらに、色分
散手段を隣り合う2つのレンズとし、これらのレンズの
境界となる曲面の曲率中心が光軸に対して主走査方向ま
たは副走査方向に偏心されたものとすることにより、レ
ンズユニットに色分散面を容易に設定することが可能と
なる。また、色分散面の傾斜は、レンズ曲面の曲率中心
の偏心により設定されるので、傾斜角を正確に設定する
ことが可能となる。
【0138】上記色分散手段は、光の波長によって屈折
率の比が異なる2つの隣り合う硝子材で構成されること
により、部分分散の調整すなわち青色領域での部分分散
の大きい色分散手段や青色領域での部分分散が小さい色
分散手段を得ることが容易となる。また、これらの隣り
合う透明光学材料の波長によって異なる屈折率の帯域が
ほぼ同じとなるように硝子材を選定することにより、こ
れらの境界面で像光は全体として大きく屈折することが
なくなり、非点収差を生じることなく良好な解像度を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願に係る発明の第1の実施例であるカラ
ー画像読み取り装置を示す概略構成図およびこのカラー
画像読み取り装置で用いられるプリズムの断面構成図で
ある。
【図2】 図1に示すカラー画像読み取り装置で用い
られるランプの分光特性を示す図である。
【図3】 図1のカラー画像読み取り装置で用いられ
るラインイメージセンサの感光素子の配列を示す図であ
る。
【図4】 図3に示すラインイメージセンサの分光感
度特性を示す図である。
【図5】 図2に示すランプの特性と図4に示すライ
ンイメージセンサの特性とを掛け合わせた読み取り系の
分光レスポンス特性を示す図である。
【図6】 図1に示すプリズムで色分散された光の波
長とセンサ面上での色分散量との関係を、従来のカラー
画像読み取り装置におけるものと比較して示す図であ
る。
【図7】 図1に示すカラー画像読み取り装置におけ
る副走査方向のMTFを示す図である。
【図8】 従来のカラー画像読み取り装置における副
走査方向のMTFを示す図である。
【図9】 図1(b)に示すプリズムの変形例を示す
断面構成図である。
【図10】 単体のプリズムによる屈折の状態を示す図
である。
【図11】 2枚の硝子材を組み合わせ、ほぼ平行平板
ガラスとしたプリズムの屈折の状態を示す図ある。
【図12】 硝子材のアッベ数と部分分散比との関係を
示す図である。
【図13】 2枚の硝子材を組み合わせたプリズムの一
般的な例を示す図である。
【図14】 4枚の硝子材を組み合わせ、全体としてほ
ぼ平行平板ガラスとしたプリズムの形状を示す図であ
る。
【図15】 硝子材のアッベ数と屈折率との関係を示す
図である。
【図16】 本発明の効果を確認するために行なった実
験装置における光路を示す図である。
【図17】 図16に示す装置で用いたプリズムの構成
を示す図である。
【図18】 図16に示す装置を用いて行なった実験の
結果であって、プリズムの頂角θ1 と「g線−F線間の
分離距離とF線−C線間の分離距離との比」との関係を
示す図である。
【図19】 図16に示す装置を用いて行なった実験の
結果であって、第1の硝子材の種類と、「g線−F線間
の分離距離とF線−C線間の分離距離との比」との関係
を示す図である。
【図20】 本願に係る発明の第2の実施例であるカラ
ー画像読み取り装置で用いられるプリズムの断面構成図
である。
【図21】 図20に示すプリズムで色分散された光の
波長とセンサ面上での色分散量との関係を示す図であ
る。
【図22】 本願に係る発明の第3の実施例であるカラ
ー画像読み取り装置を示す概略構成図、およびこのカラ
ー画像読み取り装置で用いられるレンズユニットの断面
構成図である。
【図23】 図22に示すカラー画像読み取り装置で用
いられるラインイメージセンサの感光素子の配置を示す
図である。
【図24】 図22に示すカラー画像読み取り装置で用
いられるレンズユニットの構成を示す図およびレンズ面
の曲率、面間隔、レンズを構成する硝子材の屈折率、ア
ッベ数を示す表である。
【図25】 図22に示すレンズユニットの偏心する境
界面の構成を示す図である。
【図26】 図22に示すレンズユニットに用いられる
硝子材の、光の波長と屈折率との関係を示す図である。
【図27】 図22に示すレンズユニットの平断面図で
ある。
【図28】 図22に示すカラー画像読み取り装置にお
ける、レンズの境界曲面の偏心量と像面上での各色像点
の分離距離との関係を示す図である。
【図29】 図22に示すカラー画像読み取り装置にお
ける、レンズの境界曲面の偏心量と像面上での倍率色収
差との関係を示す図である。
【図30】 図22に示すカラー画像読み取り装置でス
ポットダイアグラムを読み取ったときの像の変化を示す
図である。
【図31】 図22に示すレンズユニットの青色光につ
いてのMTFを示す図である。
【図32】 レンズの偏心量を調整して組み合わせる方
法を示す図である。
【図33】 本願に係る発明の第4の実施例であるカラ
ー画像読み取り装置を示す概略構成図、およびプリズム
ユニットとレンズユニットとの断面構成図である。
【図34】 図33に示すカラー画像読み取り装置で用
いられるプリズムユニット、レンズユニットの構成を示
す図およびレンズ面の曲率、面間隔、プリズム、または
レンズを構成する硝子材の屈折率、アッベ数を示す表で
ある。
【図35】 図33に示すカラー画像読み取り装置にお
ける、レンズの境界曲面の偏心量と像面上での各色像点
の分離距離との関係を示す図である。
【図36】 図33に示すカラー画像読み取り装置にお
ける、半画角と倍率色収差との関係を示す図である。
【図37】 本願に係る発明の第5の実施例であるカラ
ー画像読み取り装置を示す概略構成図、およびレンズユ
ニットの断面構成図である。
【図38】 図37に示すカラー画像読み取り装置で用
いられるレンズユニットの構成を示す図およびレンズ面
の曲率、面間隔、レンズを構成する硝子材の屈折率、ア
ッベ数を示す表である。
【図39】 図37に示すカラー画像読み取り装置で用
いられるラインイメージセンサの感光素子の配置を示す
図である。
【図40】 本願に係る発明の第6の実施例であるカラ
ー画像読み取り装置を示す概略構成図およびレンズユニ
ット、プリズムユニットおよびイメージセンサの平断面
図である。
【図41】 図40に示すカラー画像読み取り装置で用
いられるイメージセンサの感光素子の配置を示す図であ
る。
【図42】 図40に示すカラー画像読み取り装置でス
ポットダイアグラムを読み取ったときの像の変化を示す
図である。
【図43】 従来のカラー画像読み取り装置の一例を示
す概略図である。
【図44】 従来のカラー画像読み取り装置の他の例を
示す概略図である。
【図45】 従来のカラー画像読み取り装置であって、
プリズムで色分散を発生させるものの問題点を説明する
図である。
【図46】 図45に示す装置で用いられるイメージセ
ンサを示す図である。
【図47】 特別な感光素子の配列を有するラインイメ
ージセンサの一例を示す図である。
【図48】 プリズムによる倍率色収差の発生を説明す
る図である。
【図49】 本発明のカラー画像読み取り装置における
色分散の状態を示す図である。
【図50】 本発明のカラー画像読み取り装置におい
て、主走査方向に色分散を発生したときの光路および結
像位置を示す概念図である。
【符号の説明】 1 ランプ 2 フルレートミラー 3 ハーフレートミラー 4 プリズム 5 レンズ 6 ラインイメージセンサ 7 プラテンガラス 8 原稿 11,21,31 ランプ 12,22,32 フルレートミラー 13,23,33 ハーフレートミラー 14,24,34 レンズユニット 15,25,35 ラインイメージセンサ 26 プリズムユニット 17,27,37 プラテンガラスガラス 18,28,38 原稿

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿面を露光するランプと、 前記ランプにより露光された前記原稿面からの反射光の
    色分散を発生させる第1色分散手段と、 前記第1色分散手段よりも青色領域での部分分散が大き
    く前記第1色分散手段による色分散とは逆方向に前記反
    射光の色分散を発生させる第2色分散手段と、 前記第1色分散手段及び前記第2色分散手段により色分
    散が発生された反射光の画像を読み取る読み取り手段と
    を備えることを特徴とするカラー画像読み取り装置。
  2. 【請求項2】 前記第1色分散手段及び/又は前記第
    2色分散手段はプリズムであることを特徴とする請求項
    1に記載のカラー画像読み取り装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のカラー画像読み取り
    装置においてさらに、 前記反射光を結像させるレンズユニットを備え、 前記第1色分散手段及び/又は前記第2色分散手段は前
    記レンズユニットに含まれる隣り合うレンズであること
    を特徴とするカラー画像読み取り装置。
  4. 【請求項4】 前記プリズムを構成する透明光学材料
    の境界面が前記反射光の光軸に対して副走査方向に傾斜
    していることを特徴とする請求項2に記載のカラー画像
    読み取り装置。
  5. 【請求項5】 前記隣り合うレンズの境界は曲面を形
    成しておりその曲率中心が前記反射光の光軸に対して副
    走査方向に偏心していることを特徴とする請求項3に記
    載のカラー画像読み取り装置。
  6. 【請求項6】 前記プリズムを構成する透明光学材料
    の境界面が前記反射光の光軸に対して主走査方向に傾斜
    していることを特徴とする請求項2に記載のカラー画像
    読み取り装置。
  7. 【請求項7】 前記隣り合うレンズの境界は曲面を形
    成しておりその曲率中心が前記反射光の光軸に対して主
    走査方向に偏心していることを特徴とする請求項3に記
    載のカラー画像読み取り装置。
  8. 【請求項8】 前記第1色分散手段及び/又は前記第
    2色分散手段はアッベ数が異なる2つの透明光学材料で
    構成されることを特徴とする請求項1に記載のカラー画
    像読み取り装置。
  9. 【請求項9】 前記第1色分散手段及び/又は前記第
    2色分散手段は光の波長によって異なる屈折率の帯域が
    ほぼ同じであるとともに、アッベ数が異なる2つの透明
    光学材料で構成されることを特徴とする請求項1に記載
    のカラー画像読み取り装置。
  10. 【請求項10】 原稿面を露光するランプと、 複数のレンズを含み、原稿面での反射光を結像させるレ
    ンズユニットと、 前記反射光の結像位置に配置され、主走査方向に多数の
    感光素子を配列した読み取りラインを備えたイメージセ
    ンサとを有し、 主走査方向にはラインイメージセンサの電気的走査によ
    り像光を読み取り、副走査方向には読み取り位置を移動
    させることによって像光を読み取るカラー画像読み取り
    装置において、 前記レンズユニットに含まれる少なくとも2つの隣り合
    うレンズがアッベ数の異なる透明光学材料で構成され、 これら2つのレンズが1つの曲面を境界として隣り合
    い、 この曲面の曲率中心が前記レンズユニットの光軸から副
    走査方向又は主走査方向に偏心していることを特徴とす
    るカラー画像読み取り装置。
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