JPH07226823A - カラー画像読み取り装置 - Google Patents

カラー画像読み取り装置

Info

Publication number
JPH07226823A
JPH07226823A JP1852694A JP1852694A JPH07226823A JP H07226823 A JPH07226823 A JP H07226823A JP 1852694 A JP1852694 A JP 1852694A JP 1852694 A JP1852694 A JP 1852694A JP H07226823 A JPH07226823 A JP H07226823A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
image
pixel
sensor
line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1852694A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiya Imoto
伊本善弥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP1852694A priority Critical patent/JPH07226823A/ja
Publication of JPH07226823A publication Critical patent/JPH07226823A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Facsimile Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 1ラインの情報を3ラインカラーセンサの各
色の画素列に分配して読み取る際、色分散手段の色収差
による副走査方向の解像度の低下を防ぐ。 【構成】 原稿Dの1ラインの情報を色分散プリズム6
によりオンチップフィルターb、g、rを貼り付けた3
ラインカラーセンサ5の各色の画素列に分配して読み取
る際、波長の短いB画素が2つの狭帯域の並列になるよ
うに、異なる分光特性の狭帯域色フィルタbS 、bL
貼り付けて分割して、異なった分光特性を持つ1画素内
の各領域への入射信号光を狭帯域として、色収差の影響
を少なくし、解像度の良い信号を得るようにし、なおか
つ、1つの画素内に複数の分光特性領域があることか
ら、分光レスポンスの波長幅が広がり、読み取り装置と
しての色再現特性が改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー画像読み取り装
置に関し、特に、カラーラインセンサを用いてカラー画
像を入力する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー画像をラインセンサを用いて走査
読み取りを行うのには、従来、以下の4つの方式がとら
れてきた。
【0003】(1)白黒イメージセンサを用い、光源又
はフィルタの色の切り換えによる読み取り色の切り換え
を行う方式。
【0004】(2)イメージセンサの1ラインの画素列
上に色フィルタを3色点順次に貼り付けるものを使う方
式。
【0005】(3)3色の読み取りラインをイメージセ
ンサの1チップ上に設けたものを使う方式。
【0006】(4)ダイクロイックプリズムで3光路に
色分解し、3本のイメージセンサで読み取る方式。
【0007】この中、(1)の方式は、高速化に不向き
である。(2)の方式では、高画質・高解像度を考えた
場合、画素密度が高くなることから、従来は、長尺の密
着センサを使った方式となっており、CCDを複数チッ
プ並べる構造となる。この場合、チップ間の特性不整合
により、読み取り画像上で各チップの読み取りエリアの
境界が目立ちやすくなるという弱点を持っている。
【0008】最近になって、この構造を縮小型センサに
使う提案もある。RGBの3色の画素を1列に並べ、各
画素の出力を3本の転送電極で読み出すという提案がな
されている(テレビジョン学会技術報告−情報入力19
92「高速駆動・点順次CCDカラーリニアセン
サ」)。この提案では、転送電極内の隣接する水平方向
転送電極に垂直方向に転送する機能を設けて、感光画素
列の片側に転送電極を3本設ける構造になっている。
【0009】しかし、この方式では、3色の画素を点順
次に並べる構造になるため、1色当たりの画素面積が小
さくなり、感度が低下する問題がある。また、A3/4
00SPIの読み取りを行うために各色5000画素に
すると、1画素当たりの大きさを5μmとした場合で
も、チップの大きさが75mmになり、チップが大きく
なりすぎてコストの問題、チップの反りの問題等が発生
する。
【0010】(4)の方式では、3本のイメージセンサ
の厳密な位置合わせが要求され、調整工数が多くかか
る。
【0011】それに比べて、(3)の方式は、3ライン
のRGBの画素列が半導体基板上に作成されているの
で、3色のレジストレーションを合わせるための位置合
わせの手間がいらず、また、各色が1チップで構成され
ているので、読み取りエリア内での読み取り特性の変化
点も存在しない。
【0012】しかし、読み取り走査をしている時に、3
ラインの読み取りラインが、同時刻に原稿面上の同じ位
置を読んでいないため、メモリを使って先行して読んで
いる色の情報を遅延させ、同時刻に同一位置を読み取る
ようなデジタルの補正をする必要が出てくる。
【0013】この補正のために必要な高速FIFOメモ
リとメモリ制御用の回路にコストがかかり、カラー読み
取り装置を安価に供給しようとした場合のネックとな
る。また、この補正(ギャップ補正)を行うためには、
読み取り位置ズレを読み取り時間ズレに置き換えて補正
しているため、読み取り走査速度が完全に等速度である
ことが前提となっている。このため、メカニズム系の振
動等により走査速度ムラが存在した場合に、局所的な色
ズレが発生する。このため、メカニズム系の走査速度の
安定性への要求が厳しくなり、高価な走査メカニズムが
必要になる。
【0014】また、3色で読み取っている位置が異なる
ことと、照明効率を上げるためにシャープに集光した照
明を行っていることから、読み取り原稿がプラテンガラ
スから浮いた場合、読み取り色ごとの光量がアンバラン
スに変化することになり、読み取りデータのカラーバラ
ンスが変化して黄色っぽくなり、見苦しい画像になる。
【0015】この欠点を補うため、1イメージセンサチ
ップ上に設けた3本の読み取りラインに、同一ラインの
画像情報を光学的に3色分解して結像するための提案が
されている。
【0016】特開平1−237619号の従来例1で
は、図12に示すように、多層ダイクロイックミラーを
使ったビームスプリッタで結像された画像を3色に色分
解している。
【0017】しかし、この方式でも、ビームスプリッタ
の取り付け精度が問題となる。さらに、ビームスプリッ
タのコストも高い。また、細い幅のスリットを使って光
学像の副走査方向の幅を制限しないと、3色に色分解さ
れたスリット像が互いに重なり合い、光学的なクロスト
ークが発生してしまう。このため、精度の高いスリット
を使って、読み取りラインを副走査方向に制限する必要
が出てくる。さらに、3本の読み取りライン間のギャッ
プを10数ライン程度まで広くしないと、このスリット
像の分離が十分に行えないが、逆に、広いギャップ距離
を補正しようとした場合、3本の読み取りライン間のレ
ジストレーションを厳密に合わせようとすると、ダイク
ロイックミラー間の透明層の厚さを精密に調整する必要
がある。
【0018】また、従来例2として、特願平5−284
860号では、図13に示したような感光画素配列のセ
ンサと、プリズムによる色分散効果とを組み合せて、3
色のレジストレーションのズレを光学的に補正しようと
いう提案が、本発明者によりなされている。
【0019】この従来例2と後記する従来例3、及び、
本発明の実施例共通の構成を図1に示すが、この方式の
場合には、従来例1のクロストークの影響をセンサ上の
感光画素列の上に貼り付けた色フィルタ(オンチップフ
ィルタ)により、他の色のクロストーク成分をブロック
することにより防いでいる。この様子を図14に示す。
すなわち、プラテン上の原稿のライン1からの光は、プ
リズム及びレンズを経て、そのR、G、B成分が対応す
る色を読み取る感光画素列R、G、Bの上に貼り付けた
図15に示すような分光レスポンスの色フィルタr、
g、b上に集光されるが、ライン2からの分光された
R、G、B成分は対応する色フィルタr、g、bの位置
からズレて集光されるので、これら色フィルタr、g、
bでブロックされ、誤って読み取られることはない。
【0020】この従来例2では、R−G間の画素列の間
隔を1ライン分とし、B−G間の画素列の間隔をこの2
倍程度とすることで、ガラスの色分散の性質に起因する
3色の分離量の差を吸収させると共に、中央のGの画素
列からの信号の取り出しに、B−G間の間隙を使用して
いる(図13の転送電極)。
【0021】しかし、この方式の問題点として、3色色
分解のためのプリズムの色分散による色収差を起こそう
とした副作用により、3色の読み取りラインのギャップ
が大きい場合に、各色フィルタの分光レスポンス(図1
5)の広がりの範囲の色収差によって、原稿の隣接する
読み取りラインからの光が感光画素列に入射してしま
い、副走査方向のMTFが低下するという問題がある。
この対策として、従来例2では、図13に示す構造のセ
ンサを提案して、3色の読み取り画素列間のギャップを
詰めようとした。しかし、ガラスの性質上、色分散量が
相対的に大きくなるB色ではこの対策でも充分でなく、
副走査方向のMTFの低下が発生していた。
【0022】さらに、この対策として、従来例3とし
て、図16に示すような感光画素配列のセンサを用い、
従来例2と同様に、図15に示すような分光レスポンス
の色フィルタを対応する色読み取り用の感光画素列上に
貼り付けて、同様にプリズムによる色分散効果とを組み
合せて、R−G間の距離を約0.5ライン程度として、
B−G間の距離を1ライン程度とすることにより、MT
Fの低下を防止しようとする考え方もある。
【0023】しかし、この場合では、R、Gの画素面積
が小さくなるという問題があり、感度の低下につなが
る。
【0024】こうした、色フィルタ1色の分光レスポン
スの広がりの範囲の色収差によるMTF低下を防ぐ提案
として、従来例4の特開平3−42686号のものがあ
る。この提案では、分光レスポンスの広がりを狭帯域に
して、ほとんど輝線スペクトルにすることで、MTFの
低下を防止しようとしている。
【0025】しかし、こうすることで読み取り装置の分
光特性は人間の目の特性からかけ離れてしまい、色再現
性が低下してしまう。したがって、印刷、写真等の原稿
の色材の違いにより、人間の目で同じに見える色を異な
って読み取るメタメリズムと呼ばれる現象が強く現れ
る。
【0026】また、プリズム色分散の効果を使った色分
解方式の例として、従来例5に特開昭60−13591
9号のものがある。
【0027】この提案では、センサへの結像光束に光を
制限するスリットを入れ、スリットを出射するライン光
源を、プリズムにより色分散させる。そして、発生した
スペクトル部分に数十ラインの白黒ラインセンサを配置
し、各ラインがスペクトルパターンの単一色を分光器の
ように読み取っている。
【0028】しかし、この提案では、結像レンズとイメ
ージセンサの間に色分散を行うためのスリットを入れる
構造となっており、結像光束のほとんどを遮断するばか
りか、良好な結像が行えるかどうか疑問に思える構造と
なっている。また、数十色の信号出力があるため、セン
サ構造も複雑になり、後段での画像処理も数十系統もの
色信号を合成するため、複雑になる。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来技術の欠点を解決すべくなされたものであり、その目
的は、原稿上の1ラインの情報を光学的に3ラインカラ
ーセンサの各色の画素列に分配して読み取る方式におい
て、色分散手段の色収差による副走査方向の解像度の低
下を防ぎ、画素面積が小さいことに起因する感度低下を
防ぎ、色再現特性の悪化を防ぎ、かつ、複雑な構造のセ
ンサを使わないカラー画像読み取り装置を提供すること
である。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のカラー画像読み取り装置は、主走査方向をラインイ
メージセンサの電気的走査により読み取り、副走査方向
をラインイメージセンサへのカラー画像の結像位置を相
対的に移動させることで読み取るカラー画像読み取り装
置において、ラインイメージセンサが3色以上の感光画
素列を持つカラーラインイメージセンサからなり、この
3色以上の感光画素列の中、少なくとも1色の感光画素
列について、各画素を副走査方向に2種以上の異なる比
較的狭帯域な分光感度特性を持つ領域に区切り、この画
素列内の異なる分光感度特性を持つ領域、及び、それ以
外の画素列が、副走査方向に、各々の分光感度特性が波
長の順に並ぶように、順番に配置されており、カラー画
像から前記カラーラインイメージセンサまでの結像光路
中に色分散手段が設けられ、この色分散手段の色収差の
作用により、前記カラーラインイメージセンサ上のカラ
ー画像の各波長成分の結像位置が副走査方向に異ならさ
れることを特徴とするものである。
【0031】この場合、カラーイメージセンサの2種以
上の異なる分光感度特性を持つ領域に区切られた感光画
素列の読み取り色が青色成分であり、青色成分の感光画
素形状が他の色成分の感光画素に比べて副走査方向によ
り長く形成され、画素列内の異なる分光感度特性を持つ
領域、及び、それ以外の画素列の、分光感度特性の代表
波長の副走査方向の配置位置関係が、色分散手段より発
生する色収差の波長の配置位置関係と略等しく構成する
ことが望ましい。
【0032】さらに、少なくとも1色の感光画素列の各
画素を副走査方向に2種以上の異なる分光感度特性を持
つ領域に区切る手段として、各画素の受光器の上に2種
以上の各々異なる分光透過特性を持つオンチップフィル
タを位置をズラせて被せたものを用いることができる。
【0033】この場合に、各画素の受光器に2種以上の
オンチップフィルタの境界に当たる部分に遮光帯を設け
ることが望ましい。
【0034】
【作用】本発明においては、異なった分光特性を持つ各
画素内の各領域への入射信号光が狭帯域となることで、
色収差の影響が少なくなり、従来例2に比べて解像度の
良い信号が得られ、なおかつ、1つの画素内に複数の分
光特性領域があることから、分光レスポンスの波長幅が
広がり、従来例4に比べて読み取り装置としての色再現
特性が改善される。
【0035】さらに、ガラスの性質に起因して色分散量
が大きくなる波長の短い読み取り色のBで、画素の副走
査方向のサイズを広げ、2つ以上の分光レスポンスを持
つ領域に分割し、各々の読み取り波長に合わせた位置に
受光器を設置することで、3ライン間のカラーレジスト
レーション補正を色分散効果により補正して、解像度の
良い信号光として読み取ることができる。
【0036】こうして、従来例3のように画素列間の間
隔を詰めなくとも、副走査方向のMTF特性は良好に保
たれるので、R、Gの感度は十分に得られる。
【0037】さらに、光学的に3ラインセンサのレジス
トレーション補正が可能となるので、従来技術の(3)
の方式での問題点を解消できる。
【0038】また、各画素の受光器の上に2種以上の各
々異なる分光透過特性を持つオンチップフィルタを位置
をズラせて被せることにより、2つ以上の分光レスポン
スを持つ領域に分割することで、簡易な手法で本発明の
センサ素子を作成することができ、従来例5のような複
雑なセンサ構造を必要としない。
【0039】また、各画素の受光器に2種以上のオンチ
ップフィルタの境界に当たる部分に遮光帯を設けること
で、オンチップフィルタを被せる過程でのフィルタの位
置ズレに起因する分光特性ムラ、カラーレジストレーシ
ョン補正ムラを解消することができる。
【0040】
【実施例】以下、図面を参照にして本発明のカラー画像
読み取り装置の実施例について説明する。
【0041】実施例1 図1に第1実施例のカラー画像読み取り装置の光学系の
基本構成を示す。原稿台ガラス1であるプラテン面上に
置かれた原稿をフルレートミラー2とハーフレートミラ
ー3からなるスリット走査ミラー光学系の折り畳んだ光
路を介して、結像レンズ4により3ラインCCDセンサ
5上に結像する。この結像光学系の途中に、色分散素子
であるプリズム6が入っており(図の場合は、結像レン
ズ4の入射側)、このプリズム6の働きによって、セン
サ5上に結像される光学像を色分散させ、原稿面上の1
ラインの情報をセンサ5の3ラインに分配して結像させ
る。
【0042】走査ミラー光学系を構成するフルレートミ
ラー2は、原稿を照明するランプ7と一体で図の矢印方
向へ速度vで原稿に沿って近接して移動して原稿の読み
取り走査をするミラーであり、ハーフレートミラー3
は、相互に90°をなして配置された2枚のミラー3
1、32からなり、フルレートミラー2の移動速度vの
半分の速度v/2で図の矢印方向へ移動し、原稿と結像
レンズ4の間の距離を一定に保つ役割をするものであ
る。この2つのミラー2、3を走査することで、原稿情
報を順次センサ5に結像させることができる。
【0043】ここでのプリズム6は、収差の少ない光学
平面板に近づけるために、互いに屈折率がほぼ等しくか
つ色分散の大きいガラスと小さいガラスの2種を貼り合
わせている。具体的な硝材としては、図6に波長と屈折
率の関係を示すSK5とLF5の2種である。
【0044】図2にこのプリズム6による色分散の発生
の様子を示す。原稿D上の1ラインから出射した光は、
プリズム6により色分散を受け、レンズ4の結像面であ
るCCD面に波長によって異なる位置に結像される。こ
の際、図6に示す硝材の一般的な色分散の性質から、波
長が短くなる程屈折率の変化の割合は大きくなる。その
ため、波長対結像位置の関係では、波長が短くなる程結
像位置の変化の割合が大きくなる非線形性を持ってい
る。したがって、図2に示した波長による結像位置を表
すスケールは、短波長側程スケールの幅が広がる非線形
になっている。
【0045】このことから、B−G間の結像位置重心の
ズレがR−G間のズレよりも大きくなり、先に示した従
来例2、3では、B−G間の画素列の間隔を、R−G間
の画素列の間隔よりも大きくとっていた。
【0046】このプリズム6での色分散の作用を、上記
とは逆に、「センサ5側のある読み取りラインに入射す
る光線が原稿面のどこからきたか」という立場で見たの
が、図3、図4である。
【0047】まず、図3のCCD5のラインGの場合を
見てみる。原稿上の様々な位置から発した光は、プリズ
ム6の色分散の作用により、1つの結像光束となってC
CD5のGの画素列に照射される。つまり、波長によっ
て原稿面の読み取り位置が変わる色収差が発生してい
る。しかし、CCD5のGの画素列に被せられたオンチ
ップフィルタ(G色フィルタg:図14)の効果によ
り、このG色フィルタgの分光レスポンス(図15)の
範囲以外の波長の光がカットされるため、実際にオンチ
ップフィルタgを透過してGの画素に入射する光束は、
G色フィルタgの分光レスポンスにより制限された範囲
のみとなり、上記の色収差の影響を軽減することができ
る。
【0048】しかし、Bの画素列の場合、上記した波長
対結像位置の非線形性から、B色フィルタbの分光レス
ポンス(図15)に制限された範囲でも、色収差が画素
列Gに比べて大きくなり、副走査方向の解像度の低下を
引き起こす。従来例2では、センサ画素列間の間隔を色
分散による結像位置に合わせ、R−G1ライン、G−B
2ラインにまで縮め、プリズムによる色分散量を小さく
し、色収差の影響を小さくしようとしている。しかし、
色再現性の良いハロゲンランプのような連続スペクトル
光源をランプ7として使った場合には、B色フィルタb
の分光レスポンスの広がり(図15)により、副走査方
向の解像度の低下が起こる。
【0049】この対策として、輝線光源を採用すること
により、B色フィルタの分光レスポンスを狭くしたのが
従来例4である。しかし、このことは、前記したよう
に、装置の分光レスポンスが人間の目の分光特性とかけ
離れたものとなることから、読み取り装置の色再現性を
悪くする。また、センサの画素列間の間隔を詰めること
により、色分散の必要量を小さくし、色収差を少なくし
ようとしたのが従来例3である。しかし、3色の感光画
素の間隔を詰めるために、R、Gの画素面積を小さく
し、センサ感度を犠牲にしている。
【0050】そこで、本発明では、図4(a)、(b)
に示すように、予め副走査方向に長い形状に作成したB
の感光画素列上に、2種類以上の狭帯域な分光特性を持
つ色フィルタbS 、bL を位置をズラして被せること
で、従来例3、4での色再現性の劣化・感度の低下の問
題を起こさずに、図1のような従来例2の装置での副走
査方向の解像度低下の問題を解決しようとしたものであ
る。
【0051】すなわち、この2種の色フィルタbS 、b
L の分光特性は図7のbS とbL である(色フィルタ
g、rについては、図15の従来例と同じ。)。それぞ
れのピーク波長がお互いにズレたレスポンスとなってい
る。この2種の色フィルタbS、bL をBの感光画素列
上に被せた様子を示すのが図9である。図9(a)は、
このようなオンチップ色フィルタbS 、bL 、g、rを
被せる前の感光画素列B、G、Rからなる3ラインセン
サの平面図で、B画素の副走査方向の長さを他に比較し
て長くしてある。これに、オンチップ色フィルタbS
L 、g、rを被せた後の平面図が図9(b)である。
Gの画素列に近い側に分光レスポンスが図7のbL とな
るような480nm付近をピーク波長とする色フィルタ
L を被せ、Gの画素列から遠い側に分光レスポンスが
S となるような430nm付近をピーク波長とする色
フィルタbS を被せている。この3ラインセンサの画素
列間の間隔は、主走査方向の走査ピッチ程度にまで縮め
ておき、色分散の特性と各受光部の分光レスポンスとで
決まる各色の結像位置に合わせて、3色の画素列B、
G、Rの間隔は若干調整しておく。このときの、bS
L 間の画素感度重心の副走査方向の距離、bL −g間
の画素感度重心の副走査方向の距離、及び、g−r間の
画素感度重心の副走査方向の距離は、厳密には以下の計
算により行う。
【0052】 bS −bL 間の画素感度重心の距離・・・PbS −Pb
SL −g 間の画素感度重心の距離・・・PbL −Pg g −r 間の画素感度重心の距離・・・Pg −Pr ただし、 PbS ={∫dλ・Sep(λ)・ResbS (λ) }/{∫dλ
・ResbS (λ) } PbL ={∫dλ・Sep(λ)・ResbL (λ) }/{∫dλ
・ResbL (λ) } Pg ={∫dλ・Sep(λ)・Resg (λ) }/{∫dλ・
Resg (λ) } Pr ={∫dλ・Sep(λ)・Resr (λ) }/{∫dλ・
Resr (λ) } ここで、 Sep(λ) :色分散の効果による結像位置のズレ ResbS (λ) :bS の系全体の分光レスポンス特性 ResbL (λ) :bL の系全体の分光レスポンス特性 Resg (λ) :gの系全体の分光レスポンス特性 Resr (λ) :rの系全体の分光レスポンス特性。
【0053】この計算に基づき、カラーレジストレーシ
ョンを完全に補正するための各色の画素列間、及び、各
々の分光特性を持つ分割された各領域間の間隔を厳密に
決定することができる。
【0054】各色の画像信号の取り出し方法は、3色画
素列R、G、B間の間隔が走査ピッチよりも若干大きい
程度ならば、信号電荷を画素内転送により取り出す方式
を採用することで、可能となる。
【0055】こうした構成でのセンサの作用を再び図4
を参照にして説明する。図4(a)は、bS の色フィル
タの部分に当たる光束が原稿D上のどの部分を出射した
かを示す図である。原稿面上430nm付近の波長の光
に相当する狭い範囲の光束のみがbS の色フィルタを透
過して、センサ5のBの画素列に入射する。一方、図4
(b)に示すように、原稿面上480nm付近の波長の
光は、bL の色フィルタを透過して、センサ5の同じB
の画素列にに入射する。
【0056】この関係を再び原稿D上の1ラインの情報
がセンサ5面のどこに結像するかを示したのが図5であ
る。原稿D上の同一ラインから出射した光束は、プリズ
ム6により色分散されて、CCDセンサ5面のオンチッ
プ色フィルタr、g、bL 、bS に照射され、それぞれ
が対応する波長域の光を透過し、色フィルタrを透過し
た成分は画素列Rにより、色フィルタgを透過した成分
は画素列Gにより、色フィルタbL 及びbS を透過した
成分は画素列Bにより光電変換される。このことから、
L に入射する480nmの波長の光束と、bS に入射
する430nmの波長の光束は、元々同じ原稿D面上の
点から発した光束であることが分かる。つまり、狭帯域
にしたことで、解像度の良くなったbL に入射した結像
光束とbS に入射した結像光束が、元々原稿上の同じ点
を発した光束ということになる。したがって、Bの画素
全体に入射した光情報は、原稿D面の同一点の情報をb
LとbS の2つの分光レスポンスについて合計した光情
報全体となり、解像度が良く、しかも、読み取り波長域
がbの波長範囲(図15)全体にわたる光情報を得るこ
とができる。
【0057】したがって、本実施例の効果として、 (1)3ラインセンサのカラーレジストレーションをプ
リズム6による色分散の効果により補正できる。
【0058】(2)従来例2で問題だったB成分の解像
度劣化を解決できる。
【0059】(3)従来例4で問題だった分光レスポン
スが狭帯域であるための色再現性の悪さを改善できる。
【0060】(4)従来例3のようにセンサの画素列間
間隔を詰めなくとも、B成分の解像度を改善できるの
で、R、G成分の感度低下の心配もない。
【0061】(5)B成分の副走査方向の画素サイズを
大きくすることと、オンチップフィルタの形成のみの変
更で、ラインセンサを比較的簡易に作成できる。
【0062】等の効果が得られる。
【0063】実施例2 上記実施例1では、Bの画素を2つの領域に分割して2
種の色フィルタbS 、bL を被せたが、これを3つ以上
の領域に分割して3種以上の色フィルタを被せてもよ
い。図10にこの実施例を示す。同図(a)は色フィル
タを被せる前の感光画素列B、G、Rからなる3ライン
センサの平面図で、同図(b)はオンチップ色フィルタ
を被せた後の平面図である。この場合、Bの画素列に図
8に分光レスポンスを示すような3種の色フィルタ
S 、bC 、bL を被せている。実施例1のbS 、bL
に加えて、従来例のbの分光特性と同じbC の3種類の
色フィルタを被せている。図10に示すように、Bの画
素列の中央部材にbC を配置することで、感度を確保す
ると共に、このbC の幅の副走査方向の幅を狭くするこ
とで、解像度の低下を防いでいる。残りの部分に実施例
1のbS 、bL を配置して、実施例1と同様の効果を果
たすことができる。これにより、実施例1に比べ、感度
アップを図ることができる。
【0064】実施例3 実施例1、2で、Bの画素の上に2種又は3種の色フィ
ルタを被せる場合、色フィルタを被せる位置と感光画素
部とのレジストレーションを厳密に行わないと、B成分
に関する分光レスポンスが1ライン中で変化したり、他
の2色成分との間の読み取りカラーレジストレーション
が1ライン中でずれたりする影響が発生する。しかし、
オンチップフィルタ形成の工程能力により、1〜2μm
程度のフィルタレジストレーションエラーが残る場合が
ある。
【0065】この対策として、図11に示すように、B
の画素列のほぼ中央部に、アルミ遮光膜による遮光部8
を形成しておき、この遮光部8上にbL とbS の境界を
設定してやれば、遮光部8の帯の幅の範囲でフィルタレ
ジストレーションエラーが発生しても、各画素の受光部
に入光する光信号に変化はなく、画素の読み取り特性に
は何ら影響を与えない。
【0066】ここで、アルミ遮光部8は画素の受光部の
上に形成されているもので、感光画素の受光部自体は1
つに繋がっている。また、アルミ遮光膜8は半導体プロ
セスと同等の精度で作成されているので、オンチップフ
ィルタ作成のレジストレーションよりもレジストレーシ
ョン精度良く形成することができる。
【0067】これにより、オンチップフィルタのレジス
トレーションに起因する、B成分の分光レスポンスが1
ライン中で変わったり、他の2色との間の読み取りカラ
ーレジストレーションが1ライン中でズレたりする影響
をなくすことができる。
【0068】以上、実施例1〜3の説明では、B成分の
解像度改善のために、Bの画素内を2つ以上の分光特性
の領域に区切ってきたが、他の色の画素についても区切
ってもよい。例えば、Bの画素を3つの狭帯域な領域に
区切り、Gの画素を2つの狭帯域な領域に区切ることも
可能である。
【0069】また、今までの説明は3ラインセンサに限
ってきたが、従来例3のように、赤外等の第4の分光特
性の画素列まで含めた4ラインセンサ以上まで拡張する
こともできることは明らかであろう。
【0070】最後に、本発明の各実施例に共通する構成
について説明すると、本発明の各実施例に共通する構成
として、センサの1つの画素を2つ以上の分光感度特性
を持つエリアに区切ったことである。
【0071】先に説明した従来例5(特開昭60−13
5919号)も、色分散プリズムにより色分散された各
波長成分に合わせて、受光器を設置する方式であるが、
オンチップフィルタを施しておらず、各受光器の分光感
度特性を異ならしめる手段をとってないことが本発明と
異なっている。
【0072】本発明では、このオンチップフィルタの働
きが、解像度の向上に役立つ重要な役割を果たしてい
る。
【0073】また、従来例5では、各受光器が各々異な
る波長の光を受光する役割を果たしているが、本発明で
は、1つの受光器(画素)にフィルタを2種類以上被せ
ることで、受光器内の場所によって分光特性を異ならし
め、2種以上の波長と結像位置が異なる位置の信号電荷
を画素内で合成している。
【0074】これにより、従来例5のようにセンサ出力
の出力配線数を増やすことなく、センサ本体自体簡易な
構成で、本発明の読み取り装置を構成することができ
る。
【0075】以上、本発明のカラー画像読み取り装置を
いくつかの実施例に基づいて説明してきたが、本発明は
これら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【0076】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のカラー画像読み取り装置によると、B等の短波長色成
分の副走査方向MTFを改善することができ、R、G成
分の感度アップを図ることができ、また、色再現性を向
上することができ、さらに、複雑なセンサ構造にする必
要がなく、センサ出力は従来と同様のセンサとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1のカラー画像読み取り装置
の光学系の基本構成を示す図。
【図2】 プリズムによる色分散の発生の様子を示す
図。
【図3】 原稿上での位置の異なる各波長の情報が1読
み取りラインに重畳する様子を示す図。
【図4】 原稿上での位置の異なる各波長の情報がBの
読み取りラインに重畳する様子を示す図。
【図5】 原稿上の1ラインが色分散されて各読み取り
ラインに結像する様子を示す図。
【図6】 プリズムを構成する2種のガラスの屈折率波
長依存性を示す図。
【図7】 実施例1の各色フィルタの分光レスポンスを
示す図。
【図8】 実施例2の各色フィルタの分光レスポンスを
示す図。
【図9】 実施例1の色フィルタを被せる前と後の平面
図。
【図10】 実施例2の色フィルタを被せる前と後の平
面図。
【図11】 実施例3の色フィルタを被せる前と後の平
面図。
【図12】 従来例1の構成を示す図。
【図13】 従来例2のセンサの感光画素配列を示す
図。
【図14】 従来例3でクロストークを防止する様子を
示す図。
【図15】 従来例2、3の各色フィルタの分光レスポ
ンスを示す図。
【図16】 従来例3のセンサの感光画素配列を示す
図。
【符号の説明】
1…原稿台ガラス、2…フルレートミラー、3…ハーフ
レートミラー、4…結像レンズ、5…3ラインセンサ
(CCD)、6…プリズム、7…ランプ、8…遮光部、
31、32…ミラー、D…原稿、bS 、bC 、bL
g、r…オンチップ色フィルタ、R…赤色用画素、赤色
成分光、G…緑色用画素、緑色成分光、B…青色用画
素、青色成分光

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主走査方向をラインイメージセンサの電
    気的走査により読み取り、副走査方向をラインイメージ
    センサへのカラー画像の結像位置を相対的に移動させる
    ことで読み取るカラー画像読み取り装置において、 ラインイメージセンサが3色以上の感光画素列を持つカ
    ラーラインイメージセンサからなり、この3色以上の感
    光画素列の中、少なくとも1色の感光画素列について、
    各画素を副走査方向に2種以上の異なる比較的狭帯域な
    分光感度特性を持つ領域に区切り、この画素列内の異な
    る分光感度特性を持つ領域、及び、それ以外の画素列
    が、副走査方向に、各々の分光感度特性が波長の順に並
    ぶように、順番に配置されており、 カラー画像から前記カラーラインイメージセンサまでの
    結像光路中に色分散手段が設けられ、この色分散手段の
    色収差の作用により、前記カラーラインイメージセンサ
    上のカラー画像の各波長成分の結像位置が副走査方向に
    異ならされることを特徴とするカラー画像読み取り装
    置。
JP1852694A 1994-02-15 1994-02-15 カラー画像読み取り装置 Pending JPH07226823A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1852694A JPH07226823A (ja) 1994-02-15 1994-02-15 カラー画像読み取り装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1852694A JPH07226823A (ja) 1994-02-15 1994-02-15 カラー画像読み取り装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07226823A true JPH07226823A (ja) 1995-08-22

Family

ID=11974079

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1852694A Pending JPH07226823A (ja) 1994-02-15 1994-02-15 カラー画像読み取り装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07226823A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3950715B2 (ja) 固体撮像素子およびこれを用いた撮像装置
EP0716538B1 (en) Image pickup device
US5055921A (en) Color reading line sensor
US20080079807A1 (en) Image processing apparatus, endoscope, and computer readable medium
US6590679B1 (en) Multilinear array sensor with an infrared line
JP4987449B2 (ja) カラー入力スキャナ校正システム
JPH08237436A (ja) カラー画像読み取り装置
JPH07322006A (ja) カラー画像読取装置
US6768510B2 (en) Color correction for RGB
JPH07226823A (ja) カラー画像読み取り装置
JPH0718985B2 (ja) 固体撮像装置
JP2537805B2 (ja) カラ−撮像装置
JP2617925B2 (ja) 画像読取装置
JPH07143281A (ja) カラー画像読取装置
JPH07264355A (ja) カラー画像読取装置
JP3444126B2 (ja) 固体撮像素子およびこれを備えた画像読取装置
JPH089101A (ja) カラー画像読取装置
JP2000032214A (ja) カラーイメージセンサ
JPS5986361A (ja) カラ−密着センサ
JPS58182365A (ja) カラ−画像の読取り方法
JP2798449B2 (ja) 画像読取装置
JPH09321940A (ja) 画像読取装置
JPS5986362A (ja) 密着センサ
JPS60191547A (ja) カラ−画像読取素子
JPH0653461A (ja) カラーイメージセンサ