JPH0715429B2 - 車輌診断装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、車輛に搭載された制御装置に入力するスイッ
チ類およびセンサ類などの出力信号、あるいは、上記制
御装置からアクチュエータ類などへ出力する出力信号な
どをチェックする車輛診断装置に関する。

［従来の技術］ 近年、車輛に搭載されているエンジンは、空燃比などを
電子的に制御して、快適なドライバビリティの現出、排
気ガスの浄化、省燃費、エンジン出力の向上などが図ら
れている。

エンジン状態を検出する各種センサ類およびスイッチ類
の出力信号、あるいは、インジェクタなどの各種アクチ
ュエータ類に対する出力信号が正確でないとエンジンを
的確に制御することが困難となり、ドライバビリティの
低下、排気エミッションあるいは燃費の悪化、および、
エンジンの出力低下を招く。

最近の複雑化した電子制御系では、制御装置内部、セン
サ類、スイッチ類、アクチュエータ類に故障が発生して
も故障原因を直ちに解明することは困難であり、ディー
ラのサービスステーションなどでは、これらのデータモ
ードをチェックする車輛診断装置、いわゆる、ハンドコ
ンピュータの装備が不可欠である。

例えば特開昭58-12848号公報に開示されている車輛診断
装置では、専用チェッカにより各種センサ類の出力信号
値、あるいは、この各センサの出力信号に基づく診断結
果をディスプレイに表示し、作業者に知らせる技術が示
されている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、前記先行技術に開示されている車輛診断
装置では、表示器に表示された値しか確認することがで
きず、例えば、センサ類の出力信号値をモニタしている
間に、スイッチ類の断続動作を確認することなどは不可
能である。また、このスイッチ類の動作を確認するに
は、別の診断モードを選択して行なわなければならず、
操作が煩雑化するばかりでなく、表示器に表示された電
圧値の変化にて断続状態を確認しなければならず、読取
り作業が手間取るなどの不具合がある。

本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、簡単な操
作で、センサ類の出力信号値あるいはアクチュエータ類
に対する出力信号値と、スイッチ類、アクチュエータ類
の動作状態とを同時に確認することが可能であり、作業
性の良い車輛診断装置を提供することを目的としてい
る。

［課題を解決するための手段］ 本発明の車輛診断装置は、車輛に搭載された制御装置に
接続し、センサ類、スイッチ類から上記制御装置に入力
される入力信号及び制御装置から各アクチュエータ類へ
出力される出力信号をチェックする車輛診断装置におい
て、上記入力信号及び出力信号のうち二値信号で示され
る信号に応じ上記スイッチ類及びアクチュエータ類の少
なくとも一方の動作状態を表示する表示手段と、上記入
力信号及び出力信号の少なくとも一方のデータを制御装
置から入力して演算処理し、この演算結果を表示させる
制御手段とを備えている。

［作用］ この構成で、センサ類、スイッチ類から制御装置に入力
される入力信号及びこの制御装置から各アクチュエータ
類へ出力される出力信号のうち、二値信号で示される信
号に応じて前記スイッチ類及びアクチュエータ類の少な
くとも一方の動作状態を表示すると共に、前記入力信号
及び出力信号の少なくとも一方のデータを演算処理して
その結果を表示する。

［実施例］ 以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は車輛の制御装
置に接続される車輛診断装置の外観図、第２図は車輛の
制御装置と、車輛診断装置の回路構成図である。

図中の符号１は自動車などの車輛、２はこの車輛１に搭
載されて空燃比制御などを行う制御装置であり、この制
御装置２の中央処理装置（CPU）３と、読み書き両用メ
モリ（RAM）４と、読出し専用メモリ（ROM）５と、入力
インタフェース６と、出力インタフェース７とがバスラ
イン８を介して接続されている。

また、上記入力インタフェース６に、冷却水温センサ９
の水温信号Tw、02センサ10の空燃比信号λ、吸入管負圧
センサ11の吸気圧信号Ｑ、車速センサ13の車速信号Ｓ、
スロットル開度センサ15のスロットル開度信号Trθ、エ
ンジン回転数センサ17の回転数信号Ｎなどのデータ信号
と、エアコンスイッチ12のエアコン動作信号SWa、アイ
ドルスイッチ14のアイドル動作信号SWi、ニュートラル
スイッチ16のニュートラル動作信号SWnなどのスイッチ
信号が各々入力される。

上記制御装置２のCPU3では、上記データ信号およびスイ
ッチ信号などの各種信号に基づき、上記ROM5に格納され
ているプログラムに従って演算処理し、そのデータ出力
値を上記出力インタェース７、駆動回路18を介して、キ
ャニスタ制御装置19、EGRアクチュエータ20、アイドル
制御アクチュエータ21、イグニッションコイル22、およ
び、インジェクタ23に出力し、この各アクチュエータ類
の動作を制御する。

また、符号25は車輛診断装置本体（いわゆるハンドコン
ピュータ）であり、この車輛診断装置本体25の入力コネ
クタ26に、上記制御装置２の外部接続用コネクタ24が、
アダプタハーネス27を介して接続される。

この車輛診断装置本体25はディーラのサービスステーシ
ョンなどに常設されているものであり、車輛診断装置本
体25の底部には、コネクタ33を介して着脱自在なメモリ
カートリッジ34が装着されている。このメモリカートリ
ッジ34は機種ごとに異なる制御装置２のプログラムに対
応して複数用意されており、内部のROM41には、個々の
プログラムに対応する診断用プログラムが記憶されてい
る。

また、上記制御装置２の外部接続用コネクタ24も機種ご
とに相違しており、これに接続する入力コネクタ27aを
有する上記アダプタハーネス27は、この入力コネクタ27
aの種類分だけ用意されている。このアダプタハーネス2
7と、上記メモリカートリッジ34とは組をなすものであ
り、この両者には共通の識別標識を有するラベル44が貼
付されている。

識別手段は、ラベル44に共通の彩色を施したり、このラ
ベル44に共通の識別コードを印字したりするなど種々の
態様が考えられる。

さらに、上記車輛診断装置本体25の上部にON/OFF用操作
スイッチ43が設けられ、また、前面に第１の表示手段と
してのインジケータ部30、第２の表示手段としてのディ
スプレイ部31、キーボード部32が設けられている。

また、上記車輛診断装置本体25の内部に設けられた制御
部（制御手段）28には、互いにバスライン35を介して接
続する中央処理装置（CPU）36、読み書き両用メモリ（R
AM）37、第１の入出力インターフェース（I/O）39およ
び上記ROM41と、上記CPU36に接続する第２の入出力イン
ターェース（I/O）40が設けられている。

第２の入出力インターフェース40の入力側に、上記制御
装置２の出力インタフェース７から上記各スイッチ類1
2,14,16のON,OFF動作状態を示す二値信号及びアクチュ
エータ類へ出力される出力信号のうち二値信号（ON,OFF
信号）で示される信号（例えば図示しないフュエルポン
プF/Pに対するON,OFF信号）が入力される。また、第２
の入出力インターフェース40の出力側に上記インジケー
タ部30が接続されている。このインジケータ部30には、
上記スイッチ類12,14,16に対応するランプが複数設けら
れており、ON/OFF状態を点滅により表示する。

また、第１の入出力インターフェース39の入力側には、
上記キーボード部32の作業モード選択信号と、上記制御
装置２の出力インタフェース７から出力されるアクチュ
エータ類駆動用の各種データ信号が入力される。さら
に、第１の入出力インターフェース39の出力側が、上記
制御装置２の入力インタフェース６と上記ディスプレイ
部31とに接続されている。

さらに、上記制御部28に定電圧を供給する上記電源回路
29の入力側が上記操作スイッチ43を介して上記コネクタ
26に接続され、このコネクタ26に接続するアダプタハー
ネス27を介して上記車輛１の電源Vccに接続される。

次に、上記構成による実施例の作用について説明する。

まず、車輛１の制御装置２の機種を識別し、これに対応
するメモリカートリッジ34を車輛診断装置本体25に装着
する。また、このメモリカートリッジ34と組をなすアダ
プタハーネス27を介して、上記制御装置２の外部接続用
コネクタ24と、上記車輛診断装置本体25のコネクタ26と
を接続する。上記メモリカートリッジ34と上記アダプタ
ハーネス27とには共通の彩色などを施したラベル44が貼
付されているので、簡単に対応させることができる。

また、上記車輛診断装置本体25を上記制御装置２に接続
すると、上記車輛１の電源Vccの電圧が上記アダプタハ
ーネス27を介して上記車輛診断装置本体25の電源回路29
に入力される。よって、上記車輛診断装置本体25自体に
電源を保有する必要がなく、その分、軽量、小型化でき
る。アダプタハーネス27を介して電圧が入力されるの
で、別ケーブルでシガライタなどから電源Vccの電圧を
取出していた従来のものに比し接続作業が簡略化でき
る。

次いで、上記車輛診断装置本体25の操作スイッチ43をON
し、車輛診断を行う。

例えば、走行中の空燃比（O2センサ出力電圧値）を診断
する場合、まず、キーボード部32のキーにて該当診断モ
ード（例えばＦ→１→０→ENT）を入力する。

すると、上記車輛診断装置本体25の制御部28にて、この
診断モードが読取られ、この制御部28から車輛１の上記
制御装置２へO2センサ10の出力データ要求信号TXが出力
される。

そして、上記制御装置２から上記車輛診断装置本体25の
制御部28へO2センサ10のデータ信号RXが入力されると、
CPU36でこのデータを演算し、その値をディスプレイ部3
1に、例えば0,75vなどとデジタル表示し、作業者にO2セ
ンサ10の出力電圧地を知らせる。作業者は、この出力電
圧値を確認して空燃比がリッチか、リーンかを診断す
る。なお、他のセンサ類の出力信号値、および、アクチ
ュエータ類に対する出力信号値をモニタする場合も、上
記キーボード部32の該当モードキーを打てば同様にディ
スプレイ部31に所定の値が表示される。

一方、その間、上記制御部28の入出力インターフェース
40には、エアコンスイッチ12、アイドルスイッチ14、ニ
ュートラルスイッチ16などの各種スイッチ類のON,OFF動
作状態を示す二値信号、及びアクチュエータ類に対する
二値信号が入力されており、この各信号により上記イン
ジケータ部30の該当ランプが点灯あるいは消灯する。

すなわち、例えば、上記車輛１のシフトをニュートラル
にセットすると、上記ニュートラルスイッチ16がON動作
し、そのON状態を示す二値信号（ON信号）が、上記制御
装置２の入力インタフェース６から出力インタフェース
７、上記アダプタハーネス27を介して、上記車輛診断装
置本体25に設けられた制御部28の入出力インターフェー
ス40に入力される。すると、この入出力インターフェー
ス40に接続するインジケータ部30の が点灯する。また、上記シフトをニュートラル以外のポ
ジションにセットすれば、上記ニュートラルスイッチ16
はOFF動作し、上記インジケータ部30の は消灯する。

作業者は、シフトをニュートラルにセットしたにも拘ら
ず上記インジケータ部30の が点灯しない場合、あるいは、ニュートラル以外のシフ
トで が点灯する場合は、上記ニュートラルスイッチ16が故障
していると診断する。

なお、他のスイッチ類及び制御装置２からの二値信号が
出力される各アクチュエータ類の動作状態も同様に調べ
ることができる。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明によれば、センサ類の出力信
号値あるいはアクチュエータ類に対する出力信号値と、
スイッチ類、アクチュエータ類の動作状態とを同時に確
認することができ、作業性が大幅に向上する。

また、少なくとも一方の診断モードを入力する必要がな
くなり、その分、操作が簡単になる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は車輛の制御装
置に接続される車輛診断装置の外観図、第２図は車輛の
制御装置と、車輛診断装置の回路構成図である。 １……車輛、２……制御装置、25……車輛診断装置本
体、28……制御部（制御手段）、30……インジケータ
部、31……ディスプレイ部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車輛に搭載された制御装置に接続し、セン
   サ類、スイッチ類から上記制御装置に入力される入力信
   号及び制御装置から各アクチュエータ類へ出力される出
   力信号をチェックする車輛診断装置において、 上記入力信号及び出力信号のうち二値信号で示される信
   号に応じ上記スイッチ類及びアクチュエータ類の少なく
   とも一方の動作状態を表示する表示手段と、 上記入力信号及び出力信号の少なくとも一方のデータを
   制御装置から入力して演算処理し、この演算結果を表示
   させる制御手段とを備えることを特徴とする車輛診断装
   置。