JPH0631471B2 - 酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面処理方法 - Google Patents

酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面処理方法

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JPH0631471B2
JPH0631471B2 JP25415886A JP25415886A JPH0631471B2 JP H0631471 B2 JPH0631471 B2 JP H0631471B2 JP 25415886 A JP25415886 A JP 25415886A JP 25415886 A JP25415886 A JP 25415886A JP H0631471 B2 JPH0631471 B2 JP H0631471B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本発明は、酸化皮膜を有する、アルミニウム又はアルミ
ニウムを含む合金などのアルミニウム系金属における当
該酸化皮膜の表面部に耐色性、耐候性の優れた不透明な
白色乃至灰白色の物質を生成させる、酸化皮膜を有する
アルミニウム系金属の表面処理方法に関する。
(b)従来の技術 近時、生活様式や嗜好の変化に伴い、建材、銘板、装飾
用品、日用品又は車両等に使用されるアルミニウム系金
属半製品をパステルカラーに着色することが要求されて
おり、特に、日用品、装飾用品、車両や建材等の分野で
はパステルカラーに着色したアルミニウム系金属製品が
看者に穏やか且つ暖かい感じを与えることから強く要請
されている。
ところで、アルミニウム系金属半製品をパステルカラー
に着色するには、先ず、アルミニウム系金属半製品を、
基本となる不透明な白色乃至灰白色に着色することが必
要であり、従来、アルミニウム系金属半製品を不透明な
白色乃至灰白色に着色する方法として、以下に述べる表
面処理方法が提案されている。
即ち、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム系金属半製品
を、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩及びアル
ミニウム塩の少なくとも1種の塩と硫酸を含む溶液に浸
漬又はその溶液中で電解した後、この処理した陽極酸
化皮膜の微細孔中における上記塩からの生成物と反応し
て白色乃至灰白色の化合物となる物質の1種以上を含む
溶液に浸漬又はその溶液中で電解するものである(特開
昭60−197897号公報)。
(c)発明が解決しようとする問題点 しかしながら、この方法は陽極酸化皮膜を有するアルミ
ニウム系金属半製品を上記のとの工程を経て白色乃
至灰白色に着色するものであるが、この方法により得ら
れた不透明な白色乃至灰白色の皮膜は、アルミニウム系
金属における陽極酸化皮膜との密着生が乏しく、このた
め、当該陽極酸化皮膜を着色したのち、水洗、乾燥更に
封孔等の工程中に、(イ)皮膜破壊(皮膜ロス)や(ロ)封孔
の際の脱色、更に(ハ)封孔後の皮膜の剥れ、等の問題が
生ずるのであり、これら金属塩を用いて得られた白色乃
至灰白色の皮膜は緻密性に欠け、耐候性が劣ると共に白
色乃至灰白色の皮膜の着色成分の屈折率が小さく白色度
が低いという致命的な欠点がある。
又、上記との工程で用いられる表面処理剤ではアル
ミニウム系金属の陽極酸化皮膜を均一に着色することが
できず、色ムラも発生して実用に耐えるものではなかっ
た。
(d)問題点を解決するための手段 本発明者らは、上記問題点を一挙に解決すべく多年に亘
って鋭意検討を重ねてきた。
その結果、酸化皮膜を有するアルミニウム系金属半製品
の当該酸化皮膜部を不透明な白色乃至灰白色に着色する
にあたり、得られた不透明な白色乃至灰白色の皮膜にお
いてその皮膜破壊(皮膜ロス)や封孔の際の脱色、更
に、封孔後の皮膜の剥がれ、等の問題の発生を防止する
には、先ず、難溶性のアルカリ土金属の塩、アルミニウ
ム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも種の難溶
性金属塩を用い、これをミョウバン類或いはミョウバン
類とアンモニア類を用いて強引に溶解ないし微粒子状に
分散させ、次いで、この溶液(処理液)中に酸化皮膜を
有するアルミニウム系金属を浸漬するか又はこの処理液
中で酸化皮膜を有するアルミニウム系金属を電解するこ
とにより当該アルミニウム系金属の酸化皮膜部を不透明
な白色乃至灰白色に着色し、然る後、これを予備封孔と
本封孔の2段封孔により封孔すべきであることを見い出
し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本願第1の発明の酸化皮膜を有するアルミニウム
系金属の表面処理方法は、酸化皮膜を有するアルミニウ
ム系金属を、ミョウバン類と有機系極性溶媒および難溶
性のアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、鉛塩又は鉛
塩から選ばれた少なくとも一種の難性金属塩を含むpH
0.5〜5.5の水溶液に浸漬又はその水溶液中で電解
する工程(A)、 上記工程(A)で得られた、不透明な白色乃至灰白色の皮
膜を有する固着剤を含む水溶液に浸漬又はその水溶液中
で電解して予備封孔する工程(B)、 上記工程(B)で得られたアルミニウム系金属を封孔剤で
本封孔する工程(C)、 よりなることを特徴とするものである。
又、本願第2の発明の酸化皮膜を有するアルミニウム系
金属の表面処理方法は、酸化皮膜を有するアルミニウム
系金属を、ミョウバン類、有機系極性溶媒、キレート化
合物および難溶性のアルカリ土金属の塩、アルニウム
塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくも一種の難溶性
金属塩を含むpH0.5〜5.5の水溶液に浸漬又はその
水溶液中で電解する工程(A)、 上記工程(A)で得られた、不透明な白色乃至灰白色の皮
膜を有するアルミニウム系金属を、上記アルカリ土金属
の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少
なくとも一の難溶性金属塩の金属イオンと結合して白色
乃至灰白色の物質を生成する固着剤を含む水溶液に浸漬
又は水溶液中で電解して予備封孔する工程(B)、 上記工程(B)で得られたアルミニウム系金属を封孔剤で
本封孔する工程(C)、 よりなることを特徴とするものである。
更に、本願第3の発明の酸化皮膜を有するアルミニウム
系金属の表面処理方法は、酸化皮膜を有するアルミニウ
ム系金属を、ミョウバン類、有機系極性溶媒、キレート
化合物、アンモニア類および難溶性のアルカリ土金属の
塩、アルミニウム塩、鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なく
とも一種の難性金属塩を含むpH0.5〜5.5の水溶液
に浸漬又はその水溶液中で電解する工程(A)、 上記工程(A)で得られた、不透明な白色乃至灰白色の皮
膜を有するアルミニウム系金属を、上記アルカリ土金属
の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少
なくとも一種の難溶性金属塩の金属イオンと結合して白
色乃至灰白色の物質を生成する固着剤を含む水溶液に浸
漬又は水溶液中で電解して予備封孔する工程(B)、 上記工程(B)で得られたアルミニウム系金属を封孔剤で
本封孔する工程(C)、 よりなることを特徴とするものである。
以下、先ず、本願の第1の発明を詳細に説明する。
本発明においては、先ず、酸化皮膜を有するアルミニウ
ム系金属を、ミョウバン類と有機系極性溶媒および難溶
性のアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は
鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩を含む
pH0.5〜5.5の水溶液に浸漬又はその水溶液中で電
解する工程(A)、を実施する。
本発明に用いられる、酸化皮膜を有するアルミニウム系
金属とは、アルミニウム又はアルミニウムを含む合金の
表面に、化学的或いは電気化学的(陽極酸化)により酸
化皮膜を形成したアルミニウム系金属をいうが、特に陽
極酸化皮膜を形成したものが、一層優れた特性のパステ
ル調の皮膜が得られるから好ましい。
そして、上記アルミニウム系金属に陽極酸化皮膜を形成
するには、公知の陽極酸化法が採用される。
例えば、硫酸、リン酸、クロム酸からなる無機酸、シュ
ウ酸、パラフェノールスルホン酸、スルホサリチル酸、
マロン酸等からなる有機酸又は水酸化ナトリウム、リン
酸三ナトリウム等からなる水溶液中で、直流、交流、パ
ルス、PR波又は交直重畳法による電解によって陽極酸
化皮膜が形成される。
本発明に用いられるミョウバン類は、水と後述する有機
系極性溶媒の混合溶液に可溶性であって、後述する難溶
性のアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は
鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩の溶解
性や分散性を促進するものであれば特に限定されるもの
ではない。
上記ミョウバン類の具体的な代表例としては、硫酸カリ
ウムアルミニウム(カリミョウバン)、硫酸ナトリウム
アルミニウム(ナトリウムミョウバン)、硫酸ルビジウ
ムアルミニウム、硫酸セシウムアルミニウム、硫酸タリ
ウムアルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム(ア
ンモニウムミョウバン)、硫酸カリウムガリウム、硫酸
アンモニウムガリウム、硫酸アンモニウムインジウム、
硫酸チタンセシウム、硫酸バナジウムカリウム、硫酸マ
ンガンカリウム、硫酸ロジウムカリウム、硫酸カリウム
クロム、硫酸クロムセシウム、硫酸アンモニウムクロ
ム、硫酸アンモニウムマンガン、硫酸アンモニウム鉄、
硫酸カリウム鉄、硫酸アンモニウムコバルト、硫酸コバ
ルトカリウム、等が挙げられる。
又、本発明に用いられる有機系極性溶媒としては、後述
する難溶性のアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜
鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属
塩の溶解性や分散性を促進すると共に、その加水分解等
によって生成する不透明な白色乃至灰白色の物質を安定
化するものであるが、水溶性の極性溶媒であれば特に限
定されるものではなく、具体的には、例えばメタノー
ル、エタノール等の低級アルコール、アセトン、メチル
エチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類、エーテ
ル、ジエチルエーテル等のエーテル類、メチルアミン、
エチルアミン、モノエタノールエミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のアミン類、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセ
リン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド等が挙げられる。
難溶性のアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩
又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩の
具体例としては、酸化マグネシウム、リン酸アンモニウ
ムマグネシウム、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシ
ウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化スト
ロンチウム、クロム酸ストロンチウム、メタケイ酸バリ
ウム、フッ化バリウム、リン酸−水素バリウム、炭酸バ
リウム、ヘキサフルオロケイ酸バリウム、ショウ酸バリ
ウム、フッ化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、リン
酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ショウ酸アルミ
ニウム、四酸化マグネシウム二アルミニウム、四酸化バ
リウム二アルミニウム、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、炭酸亜
鉛、シアン化亜鉛、硫酸鉛、炭酸鉛等が挙げられる。
そして、本発明の酸化皮膜を有するアルミニウム系金属
の表面処理方法(以下、表面処理方法という)において
その工程(A)では、酸化皮膜を有するアルミニウム系金
属を、上記のミョウバン類と有機系極性溶媒および難溶
性のアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は
鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩を含む
pH0.5〜5.5の水溶液に浸漬するか、或いはその水
溶液中で電解するものである。
上記ミョウバン類の濃度としては0.1〜150g/
、好ましくは1〜120g/、特に好ましくは5〜
100g/とするのが望ましく、0.1g/未満で
は濃度が薄くなり過ぎて難溶性のアルカリ土金属の塩、
アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくと
も一種の難溶性金属塩の溶解性が乏しく充分な効果が得
られない場合があり、逆に150g/を超えると効果
に限界が生じ、かえって不経済であるから好ましくな
い。
又、上記有機系極性溶媒の濃度としては1〜50容量%
とするのが好ましい。
即ち、本発明の表面処理方法には、上記のミョウバン類
によって、難溶性のアルカリ土金属の塩、アルミニウム
塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶
性金属塩の溶解性や分散性を向上させ、この処理液に酸
化皮膜を有するアルミニウム系金属を浸漬するか、或い
はこの処理液中で酸化皮膜を有するアルミニウム系金属
を電解するだけでその表面部に優れた特性の白色乃至灰
白色の緻密な皮膜を形成し得るのであるが、有機系極性
溶媒の濃度が1容量%未満では薄くなり過ぎて充分な効
果が得られない場合があり、逆に50容量%を超えると
濃度が高くなり過ぎてミョウバン類や難溶性のアルカリ
土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ば
れた少なくとも一種の難溶性金属塩の溶解性に影響を与
えるから好ましくない。
そして、この工程(A)で用いられる水溶液は、上記のミ
ョウバン類と有機系極性溶媒および難溶性のアルカリ土
金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれ
た少なくとも一種の難溶性金属塩を必須成分とし、これ
に水と、所望によりpH調整剤が添加されたものである
が、この水溶液のpHは0.5〜5.5の範囲、特に1.
5〜4の範囲にするのが望ましく、pHが0.5未満にな
ると酸性度が高くなり過ぎて皮膜が破壊される恐れがあ
り、又、逆にpHが5.5を超えると溶解されたアルカリ
土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ば
れた少なくとも一種の難溶性金属塩が加水分解されるな
どして表面処理剤が保存中や取扱い中に変質する恐れが
あるのであり、しかも酸化皮膜を有するアルミニウム系
金属を水溶液中に浸漬したり、或いは酸化皮膜を有する
アルミニウム系金属を水溶液中で電解する際、加水分解
等により生成したアルカリ土金属の塩、アルミニウム
塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶
性金属塩の酸化物等の生成物の粒子が大きくなり過ぎて
上記アルミニウム系金属の表面部に侵入し難くなった
り、或いは緻密な皮膜が得られなくなる恐れがある場合
があるから好ましくない。
そして、このpHの範囲では、アルカリ土金属の塩、アル
ミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一
種の難溶性金属塩の水和酸化物が数分子重合した、わず
かに濁りのあるヒドロゾルになっているものと解され
る。
上記pH調整剤としては、硫酸、リン酸等の無機酸、酢
酸、クエン酸、コハク酸、グルコン酸、グリシン、マロ
ン酸、修酸、ギ酸等の有機酸、アルカリ金属の水酸化
物、炭酸塩又は重炭酸塩、アンモニア、有機酸のアルカ
リ金属塩等が挙げられる。これらの酸又は塩基或いは有
機酸のアルカリ金属塩は1種類を用いてもよいし、2種
以上を併用してもよく、特にその併用がより効果な場合
もある。
本発明において、酸化皮膜を有するアルミニウム系金属
を上記水溶液に浸漬し、その表面を前処理するにあた
り、上記水溶液を処理槽に仕込み、所望により水で濃度
調整を行い、該水溶液の温度を、通常、室温〜75℃、
好ましくは40〜70℃に調節し、この溶液に上記アル
ミニウム系金属を、通常10秒〜30分、好ましくは1
分〜20分間浸漬すればよいのである。
又、本発明において、酸化皮膜を有するアルミニウム系
金属を上記水溶液に浸漬し、その水溶液中で電解するこ
とによってその表面部を前処理してもよく、この場合、
上記水溶液を処理槽に仕込み、上記と同様に濃度調整を
行い、該水溶液中において、直流法、交流法、パルス
法、PR法又は交直重畳法等の公知の方法により電解処
理してもよいのである。
この場合、電解条件は、液温が室温〜80℃、好ましく
は20〜70℃、電圧1〜50V、電流密度1〜150
A/m2、電解時間10秒〜30分、好ましくは1分〜2
0分間である。
本発明においては、次に、上記工程(A)で得られた、不
透明な白色乃至灰白色の皮膜を有するアルミニウム系金
属を、上記アルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛
塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩
の金属イオンと結合して白色乃至灰白色の物質を生成す
る固着剤を含む水溶液に浸漬又はその水溶液中で電解し
て予備封孔する工程(B)、を実施する。
この工程(B)に用いられる固着剤としては、下記金属塩
の金属イオンと結合して白色乃至灰白色の物質を生成す
るものであり、この工程(B)は後述する工程(C)において
封孔を確実にするために予備封孔するものである。
上記固着剤とは、上記の酸化皮膜を有するアルミニウム
系金属の当該酸化皮膜部の微細孔を拡大して下記金属塩
の侵入を容易にし、この拡大された微細孔内に下記難溶
性のアルカリ土金属類の侵入を容易にし、この侵入した
アルカリ土金属類と固着剤との生成物や難溶性のアルカ
リ土金属類からの加水分解物等の生成物を、上記酸化皮
膜部内において、その成長を促進し、この成長した生成
物が上記酸化皮膜部における微細孔内に充填された状態
で当該微細孔を塞ぐと共にこの生成物同士が吸着し、よ
り強固に電気的に微細孔内に吸着されて封孔の際の皮膜
の破壊や離脱(脱色)等を防ぐためのものである。
上記固着剤の具体例としては、リン酸、リン酸ナトリウ
ム、リン酸水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水
素カリウム、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウ
ム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、クロム酸カリ
ウム、硫酸、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫
酸カリウム、硫酸水素カリウム、アルカリ金属の水酸化
物、炭酸塩或いは重炭酸塩が挙げられるが、これらの固
着剤は1種、又は所望により2種以上を併用してもよ
く、この2種以上の併用が一層有効なばあいもある。
上記固着剤の濃度としては0.1〜300g/、好ま
しくは0.5〜200g/、特に好ましくは1〜10
0g/とするのが望ましく、0.1g/未満では濃
度が薄くなり過ぎて固着剤としての効果が不充分とな
り、逆に300g/を超えると濃度が高くなり過ぎて
アルミニウム系金属の酸化皮膜が破壊されたり、液温が
下がると(例えば冬季)固着剤が析出して濃度が変化す
るばあいがあり、この結果、皮膜の特性が悪化する場合
があるから好ましくない。
本発明において、酸化皮膜を有するアルミニウム系金属
を上記固着剤を含む水溶液に浸漬し、その表面部を前処
理するにあたり、この水溶液を処理槽に仕込み、所望に
より水で濃度調整を行い、該水溶液の温度を、通常、室
温〜75℃、好ましくは40〜70℃に調節し、この溶
液に上記アルミニウム系金属を、通常10秒〜30分、
好ましくは1分〜20分間浸漬すればよいのである。
又、本発明において、酸化皮膜を有するアルミニウム系
金属を上記水溶液に浸漬し、その溶液中で電解すること
によってその表面部を前処理してもよく、この場合、こ
の水溶液を処理槽に仕込み、上記と同様に濃度調整を行
い、該水溶液中において、直流法、交流法、パルス法、
PR法又は交直重畳法等の公知の方法により電解処理し
てもよいのである。
この場合、電解条件は、液温が室温〜80℃、好ましく
は20〜70℃、電圧1〜50V、電流密度1〜150
A/m2、電解時間10秒〜30分、好ましくは1分〜2
0分間である。
本発明においては、最後に、上記工程(B)で得られたア
ルミニウム系金属を封孔剤で本封孔する工程(C)、を実
施する。
この工程(C)は、上記工程(B)を経て予備封孔されたアル
ミニウム系金属を確実に封孔し、これによって、皮膜破
壊(皮膜ロス)や封孔の際の脱色、更に封孔後の皮膜の
剥がれ、等の問題を確実に防止するためのものであり、
優れた特性の皮膜をアルミニウム系金属の酸化皮膜部に
形成するためのものである。
この封孔剤としては、酸化皮膜を有するアルミニウム系
金属の当該酸化皮膜の封孔に用いられるものであれば特
に限定されるものではなく、各種封孔剤を用いることが
できる。
上記工程(C)において、上記工程(B)を経て得たアルミニ
ウム系金属を封孔剤を含む水溶液に浸漬し、その表面を
確実に封孔するにあたり、この水溶液を処理槽に仕込
み、所望により水で濃度調整を行い、該水溶液の温度
を、通常、室温〜75℃、好ましくは40〜70℃に調
節し、この溶液に上記アルミニウム系金属を、通常10
秒〜30分、好ましくは1分〜20分間浸漬すればよい
のである。
又、この工程(C)において、上記工程(B)を経て得たアル
ミニウム系金属を上記水溶液に浸漬し、その溶液中で電
解することによってその表面を確実に封孔してもよく、
この場合、この水溶液を処理槽に仕込み、上記と同様に
濃度調整を行い、該水溶液中において、直流法、交流
法、パルス法、PR法又は交直重畳法等の公知の方法に
より電解処理してもよいのである。
この場合、電解条件は、液温が室温〜80℃、好ましく
は20〜70℃、電圧1〜50V、電流密度1〜150
A/m2、電解時間10秒〜30分、好ましくは1分〜2
0分間である。
次に、本願の第2の発明について詳細に説明する。
本願の第2の発明は上記第1の発明の改良にかかるもの
である。
即ち、酸化皮膜を有するアルミニウム系金属を、ミョウ
バン類、有機酸極性溶媒、キレート化合物および難溶性
のアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛
塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩を含むpH
0.5〜5.5の水溶液に浸漬又はその水溶液中で電解
する工程(A)、 上記工程(A)で得られた、不透明な白色乃至灰白色の皮
膜を有するアルミニウム系金属を、上記アルカリ土金属
の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少
なくとも一種の難溶性金属塩の金属イオンと結合して白
色乃至灰白色の物質を生成する固着剤を含む水溶液に浸
漬又はその水溶液中で電解して予備封孔する工程(B)、 上記工程(B)で得られたアルミニウム系金属を封孔剤で
本封孔する工程(C)、 よりなるものである。
本願第2の発明は、上記第1の発明においてその工程
(A)で用いる水溶液にキレート化合物を添加したもので
あり、キレート化合物の添加以外の要件、つまり、ミョ
ウバン類、有機酸極性溶媒、難溶性のアルカリ土金属の
塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少な
くとも一種の難溶性金属塩、固着剤および封孔剤やその
濃度或いはpH領域、更に酸化皮膜を有すアルミニウム系
金属の浸漬・電解条件等は上記第1の発明と同様であ
る。
そして、本発明に用いられるキレート化合物は工程(A)
の水溶液中におけるミョウバン類やアルカリ土金属の
塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少な
くとも一種の難溶性金属塩の安定性や、この工程(A)の
水溶液中に上記アルミニウム系金属を浸漬したり、或い
は上記アルミニウム系金属を工程(A)の水溶液中で電解
した際、その表面部で生成するアルカリ土金属の塩、ア
ルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも
一種の難溶性金属塩の酸化物のヒドロゾルを安定化させ
るものである。
更に、酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の当該酸化
皮膜部とアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩
又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩か
らの生成物との結合を容易にする作用を有するのであ
る。
上記キレート化合物の具体的な代表例としては、エチレ
ンジアミン四酢酸やそのナトリウム塩、トランス−1,
2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジエチレントリア
ミン五酢酸、エチレジアミン二酢酸、3,6−ジオキサ
−1,8−オクタンジアミン四酢酸、N−(2−ヒドロ
キシエチル)エチレンジアミン三酢酸、N−(2−ヒド
ロキシエチル)イミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン
六酢酸等のポリアミノカルボン酸類、エチレンジアミン
等のジアミン類、ジエチレントリアミン等のトリアミン
類、トリエタノールアミン、トリエチレンテトラミン等
の一分子中に2以上のアミン基を有するアミン化合物、
アセト酢酸エチル、ニトリロ三酢酸、ホルマリン、修
酸、マレイン酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク
酸、グルコン酸又はグリシン等の多塩基酸及びこれらの
可溶性金属塩等が挙げられる。これらの中には水に不溶
のキレート化合物も含まれるが、有機系極性溶媒を加え
ることにより、つまり水と有機系極性溶媒との混合物に
は溶解するのである。
上記キレート化合物の濃度としては用いるミョウバン
類、有機系極性溶媒およびアルカリ土金属の塩、アルミ
ニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種
の難溶性金属塩の種類や濃度によっても異なるが、一般
に0.1〜50g/の範囲が好ましく、0.1g/
未満では効果が乏しくなり、逆に50g/を超えると
効果に限界が生じるので不経済であるから望ましくな
い。
更に、本願の第3の発明について詳細に説明する。
本願の第3の発明は、上記第2の発明の改良にかかるも
のである。
即ち、酸化皮膜を有するアルミニウム系金属を、ミョウ
バン類、有機系極性溶媒、キレート化合物、アンモニア
類及び難溶性のアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、
亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金
属塩を含むpH0.5〜5.5の水溶液に浸漬又はその水
溶液中で電解する工程(A)、 上記工程(A)で得られた、不透明な白色乃至灰白色の皮
膜を有するアルミニウム系金属を、上記アルカリ土金属
の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少
なくとも一種の難溶性金属塩の金属イオンと結合して白
色乃至灰白色の物質を生成する固着剤を含む水溶液に浸
漬又はその水溶液中で電解して予備封孔する工程(B)、 上記工程(B)で得られたアルミニウム系金属を封孔剤で
本封孔する工程(C)、 よりなるものである。
本願の第3の発明は、上記第2の発明においてその工程
(A)で用いる水溶液にアンモニア類を添加したものであ
り、これによって、難溶性のアルカリ土金属の塩、アル
ミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一
種の難溶性金属塩の溶解性を一層向上させたものであ
り、このようにアンモニア類を添加することにより溶解
性の一層乏しい難溶性のアルカリ土金属の塩、アルミニ
ウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の
難溶性金属塩の溶解性を更に向上させたものであり、そ
の他の要件、つまり、ミョウバン類、有機系極性溶媒、
キレート化合物、難溶性のアルカリ土金属の塩、アルミ
ニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種
の難溶性金属塩、固着剤および封孔剤やその濃度或いは
pH領域、更に酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の浸
漬・電解条件等は上記第2の発明と同様である。
そして本発明に用いられるアンモニア類としては、アン
モニア、アンモニア水、塩化アンモニウム、硫酸アンモ
ニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、クエ
ン酸アンモニウム、硫酸ヒドロキシルアンモニウム、フ
ッ化水素アンモニウム、塩素酸アンモニウム、過塩素酸
アンモニウム、フッ化アンモニウム、ヨウ化アンモニウ
ム、ヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸アンモニウム、
硫化アンモニウム、五硫化アンモニウム、亜硫酸アンモ
ニウムー水和物、亜硫酸水素アンモニウム、硫酸水素ア
ンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、アミド硫酸アンモ
ニウム、亜セレン酸アンモニウム、セレン酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、
リン酸二水素アンモニウム、シアン化アンモニウム、シ
アン酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、炭酸
アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カルバミド
酸水素アンモニウム、メタホウ酸アンモニウム、四ホウ
酸アンモニウム、メタバナジン(V)酸アンモニウム、
クロム酸アンモニウム、二クロム酸アンモニウム等が挙
げられる。
そして、このアンモニア類は1種類を使用してもよい
し、所望により2種以上を併用してもよいのである。
ところで、このように工程(A)で用いる水溶液中にアン
モニア類を添加すると難溶性のアルカリ土金属の塩、ア
ルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも
一種の難溶性金属塩の溶解性が向上する理由は明確では
ないが、アンモニウムイオンがこのアルカリ土金属の
塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少な
くとも一種の難溶性金属塩と結合して錯体を形成し、こ
れによって、アルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜
鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属
塩が安定化すると共に溶解性が向上するものと解され
る。
又、上記アンモニア類の濃度としては、用いるミョウバ
ン類、有機系極性溶媒、キレート化合物或いはアンモニ
ア類の種類や組合わせ等によっても異なるが、通常1〜
100g/、好ましくは3〜50g/の範囲内から
適宜に選定される。
(e)作用 本発明は、上記構成を有し、表面処理剤中にミョウバン
類と有機系極性溶媒或いはミョウバン類と有機系極性溶
媒及びアンモニア類が含有されているから難解性のアル
カリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から
選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩の溶解性ないし
微粒子状での分散性を向上させることができるのであ
り、しかも、アルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜
鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属
塩が、pHの変化、つまり酸化皮膜を有するアルミニウム
系金属を工程(A)の水溶液中に浸漬したり、アルミニウ
ム系金属を工程(A)の水溶液中で電解することによるpH
の変化により加水分解されて微細なアルカリ土金属の
塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少な
くとも一種の難溶性金属塩の酸化物等のヒドロゾルが生
成する際に、上記有機系極性溶媒がアルカリ土金属の
塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少な
くとも一種の難溶性金属塩の酸化物等に配位している水
分子を奪って加水分解を促進させ、これにより、上記ア
ルミニウム系金属の表面部において、微細な上記酸化物
等のヒドロゾルを連続的に生成させる作用を有するので
ある。
又、本発明の酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表
面処理方法は、工程(A)で処理したアルミニウム系金属
を固着剤による予備封孔(工程B)と封孔剤による本封
孔(工程C)の2段階封孔を行うことによって確実に封
孔し、不透明な白色乃至灰白色の皮膜の破壊(皮膜ロ
ス)や封孔の際の脱色、更に皮膜の剥がれを防止する作
用を有するのである。
つまり、上記酸化皮膜部内において、難溶性のアルカリ
土金属類からの生成物は、固着剤と結合、成長し、この
ため、封孔の際に、この成長した生成物が微細孔内に充
填された状態で当該微細孔を塞ぐと共にこの生成物同士
が突っ張り合ったり、電気的に微細孔内に吸着されて封
孔の際に皮膜の破壊や離脱(脱色)等が生じ難くなり、
つまり、予備的な封孔が生じ、その結果、本封孔の際の
脱色が防止されて封孔後のアルミニウム系金属が均一に
着色される作用を有するのである。
(f)実施例 以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。
陽極酸化皮膜を有する純アルミニウム板の作成 以下に述べる、各実施例及び各比較例において用いた陽
極酸化皮膜は、純アルミニウム板を通常の脱脂等の前処
理を行った後、硫酸温度180g/、浴温20℃、電
流密度2A/dm2の条件下、25分間直流電解して得
た。
この場合、陽極酸化皮膜の厚さは15μmであった。
実施例1〜7 上記アルミニウム板を、第1表に示す水溶液中に温度6
5℃で15分間浸漬し(工程A)、かくして得られたア
ルミニウム板を、固着剤として、15g/の水ガラス
水溶液中で温度98℃で5分間予備封孔し(工程B)、
次いで、シーリング塩AS(Sealing Salt AS サンド
社製)3.5g/の水溶液中で温度98℃で10分間
本封孔を行った。
比較例1 上記アルミニウム板を、酢酸カルシウム30g/およ
び硫酸0.5g/の水溶液(30℃)で交流電圧20
Vで20分間電解し、水洗後、リン酸30g/の水溶
液(30℃)で交流電圧20Vで20分間電解してアル
ミニウム板の表面に不透明白色の皮膜を得た。
比較例2 上記アルミニウム板を、硫酸アルミニウム50g/お
よび硫酸0.5g/の水溶液(60℃)で20分間浸
漬し、水洗後、リン酸20g/の水溶液(40℃)に
20分間浸漬してアルミニウム板の表面に不透明白色皮
膜を得た。
比較例3 上記アルミニウム板を、硫酸亜鉛15g/および硫酸
0.5g/の水溶液(25℃)で交流電圧20Vで1
0分間電解し、水洗後、シュウ酸20g/の水溶液
(25℃)で直流電圧15Vで20分間電解してアルミ
ニウム板の表面に不透明白色皮膜を得た。
比較例4 上記アルミニウム板を、酢酸カルシウム25g/およ
び硫酸0.5g/の水溶液(60℃)に30分間浸漬
し、水洗後、硫酸20g/の水溶液(35℃)にて交
流電圧20Vで20分間電解してアルミニウム板の表面
に不透明白色皮膜を得た。
比較例5 上記アルミニウム板を、酢酸カルシウム15g/およ
び硫酸0.5g/の水溶液(25℃)で直流電圧15
Vで5分間電解し、水洗後、リン酸三ソーダ30g/
の水溶液(40℃)に20分間浸漬してアルミニウム板
の表面に不透明白色皮膜を得た。
比較例6 上記アルミニウム板を、硝酸マグネシウム30g/お
よび硫酸1g/の水溶液(30℃)で交流電圧20V
で10分間電解し、水洗後、炭酸ソーダ30g/の水
溶液(40℃)に20分間浸漬して、アルミニウム板の
表面に不透明白色皮膜を得た。
比較例7 上記アルミニウム板を、硝酸マグネシウム20g/お
よび硫酸1g/の水溶液(40℃)で交流電圧20V
で10分間電解し、水洗後、炭酸ソーダ30g/の水
溶液(40℃)に20分間浸漬して、アルミニウム板の
表面に不透明白色皮膜を得た。
実施例8〜14 第2表に示す水溶液(工程Aで用いる水溶液)を用い、
工程(B)で用いる水溶液として110g/のリン酸水
溶液を用いた以外は、上記実施例と同様にして得たもの
を用いた。
実施例15〜31 第3表に示す水溶液(工程Aで用いる水溶液)を用い、
工程(B)で用いる水溶液として、ケイ酸ナトリウム20
g/の水溶液を用いた以外は、上記実施例と同様にし
て得たものを用いた。
上記各実施例及び各比較例の白色乃至灰白色の着色試験
の結果を第4表に示す。
第4表に色調の結果を示す通り、本願の第1の発明の表
面処理方法により陽極酸化皮膜を白色に着色したものは
均一で、しかも色ムラはほとんど認められなかった。
また、この白色皮膜はその後の水洗、乾燥等の工程中に
皮膜破壊は生じず、しかも封孔剤による脱色や封孔後の
皮膜剥れ等の問題もほとんど認められなかった。
本願の第2の発明、つまり本願第1の発明においてその
工程(A)の水溶液にキレート化合物を添加したものは一
層均一に着色(白色)でき、しかも優れた耐候性を有し
ていた。
また、この白色皮膜は、第1の発明と同様に、皮膜破壊
や脱色等の問題が発生しなかった。
更に、本願の第3の発明は本願第2の発明においてその
工程(A)の水溶液にアンモニア類を添加したものであ
り、これによって、難溶性のアルカリ土金属の塩、アル
ミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一
種の難溶性金属塩の溶解性を一層向上させ得ると共に優
れた白色皮膜が得られることが認められた。
また、この白色皮膜は、第1の発明と同様に、皮膜破壊
や脱色等の問題が発生しなかった。
これらに対して各比較例のものは色ムラが大で実用性に
欠けるのであり、又、耐候性についても良好な結果が得
られず、更に、水洗、乾燥等の工程中に皮膜破壊が生じ
たり、封孔剤による脱色や封孔後の皮膜剥れ等の問題が
生じた。
又、本発明の方法によると、酸化皮膜を有するアルミニ
ウム系金属を単に着色用の水溶液に浸漬するだけで均一
に着色できるものであるから難溶性のアルカリ土金属類
やこれからの生成物を電気的に微細孔内に引っ張り込む
電解法によっても均一且つ緻密な皮膜が得られるのであ
る。
(g)発明の効果 本発明の表面処理方法は酸化皮膜を有するアルミニウム
系金属を浸漬するか、その中で電解するだけで溶液のpH
が変化し、このpHが変化した部位、つまり酸化皮膜の表
面や内部においてアルカリ土金属の塩、アルミニウム
塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶
性金属塩が加水分解し、これによって生成した白色乃至
灰白色の物質が上記皮膜部を均一且つ緻密に着色するも
のであり、かくして得られた不透明な白色乃至灰白色の
皮膜を、予備封孔と本封孔の2段階封孔によって確実に
封孔しているから、この皮膜形成後、皮膜破壊が生じた
り、封孔剤による脱色や封孔後の皮膜剥れ等の問題が生
じず、均一且つ緻密で耐候性、耐久生に優れた白色ない
し灰白色の皮膜を形成しうる効果を有するのである。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化皮膜を有するアルミニウム系金属を、
    ミョウバン類と有機系極性溶媒および難溶性のアルカリ
    土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ば
    れた少なくとも一種の難溶性金属塩を含むpH0.5〜
    5.5の水溶液に浸漬又はその水溶液中で電解する工程
    (A)、 上記工程(A)で得られた、不透明な白色乃至灰白色の皮
    膜を有するアルミニウム系金属を、上記アルカリ土金属
    の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少
    なくとも一種の難溶性金属塩の金属イオンと結合して白
    色乃至灰白色の物質を生成する固着剤を含む水溶液に浸
    漬又はその水溶液中で電解して予備封孔する工程(B)、 上記工程(B)で得られたアルミニウム系金属を封孔剤で
    本封孔する工程(C)、 よりなることを特徴とする酸化皮膜を有するアルミニウ
    ム系金属の表面処理方法。
  2. 【請求項2】ミョウバン類の濃度が0.1〜150g/
    である特許請求の範囲第1項に記載の酸化皮膜を有す
    るアルミニウム系金属の表面処理方法。
  3. 【請求項3】ミョウバン類の濃度が1〜120g/で
    ある特許請求の範囲第2項に記載の酸化皮膜を有するア
    ルミニウム系金属の表面処理方法。
  4. 【請求項4】有機系極性溶媒の濃度が1〜50容量%で
    ある特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記
    載の酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面処理方
    法。
  5. 【請求項5】固着剤がリン酸、リン酸ナトリウム、リン
    酸水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウ
    ム、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ケイ
    酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、クロム酸カリウム、硫
    酸、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸カリウ
    ム、硫酸水素カリウム、アルカリ金属の水酸化物、炭酸
    塩或いは重炭酸塩である特許請求の範囲第1項ないし第
    4項のいずれかに記載の酸化皮膜を有するアルミニウム
    系金属の表面処理方法。
  6. 【請求項6】固着剤の濃度が0.1〜300g/であ
    る特許請求の範囲第1項ないし第5項のいずれかに記載
    の酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面処理方
    法。
  7. 【請求項7】封孔剤の濃度が0.1〜200g/であ
    る特許請求の範囲第1項ないし第6項のいずれかに記載
    の酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面処理方
    法。
  8. 【請求項8】酸化皮膜を有するアルミニウム系金属を、
    ミョウバン類、有機系極性溶媒、キレート化合物および
    難溶性のアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩
    又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩を
    含むpH0.5〜5.5の水溶液に浸漬又はその水溶液中
    で電解する工程(A)、 上記工程(A)で得られた、不透明な白色乃至灰白色の皮
    膜を有するアルミニウム系金属を、上記アルカリ土金属
    の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少
    なくとも一種の難溶性金属塩の金属イオンと結合して白
    色乃至灰白色の物質を生成する固着剤を含む水溶液に浸
    漬又はその水溶液中で電解して予備封孔する工程(B)、 上記工程(B)で得られたアルミニウム系金属を封孔剤で
    本封孔する工程(C)、 よりなることを特徴とする酸化皮膜を有するアルミニウ
    ム系金属の表面処理方法。
  9. 【請求項9】ミョウバン類の濃度が0.1〜150g/
    である特許請求の範囲第8項に記載の酸化皮膜を有す
    るアルミニウム系金属の表面処理方法。
  10. 【請求項10】ミョウバン類の濃度が1〜120g/
    である特許請求の範囲第8項又は第9項に記載の酸化皮
    膜を有するアルミニウム系金属の表面処理方法。
  11. 【請求項11】有機系極性溶媒の濃度が1〜50容量%
    である特許請求の範囲第8項ないし第10項のいずれか
    に記載の酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面処
    理方法。
  12. 【請求項12】キレート化合物がポリアミノカルボン酸
    類、多塩基酸類又は一分子中に2以上のアミン基を有す
    るアミン化合物である特許請求の範囲第8項ないし第1
    1項のいずれかに記載の酸化皮膜を有するアルミニウム
    系金属の表面処理方法。
  13. 【請求項13】固着剤がリン酸、リン酸ナトリウム、リ
    ン酸水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリ
    ウム、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ケ
    イ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、クロム酸カリウム、
    硫酸、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸カリ
    ウム、硫酸水素カリウム、アルカリ金属の水酸化物、炭
    酸塩或いは重炭酸塩である特許請求の範囲第8項ないし
    第12項のいずれかに記載の酸化皮膜を有するアルミニ
    ウム系金属の表面処理方法。
  14. 【請求項14】固着剤の濃度が0.1〜300g/で
    ある特許請求の範囲第8項ないし第13項のいずれかに
    記載の酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面処理
    方法。
  15. 【請求項15】封孔剤の濃度が0.1〜200g/で
    ある特許請求の範囲第8項ないし第14項のいずれかに
    記載の酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面処理
    方法。
  16. 【請求項16】酸化皮膜を有するアルミニウム系金属
    を、ミョウバン類、有機系極性溶媒、キレート化合物、
    アンモニア類および難溶性のアルカリ土金属の塩、アル
    ミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一
    種の難溶性金属塩を含むpH0.5〜5.5の水溶液に浸
    漬又はその水溶液中で電解する工程(A)、 上記工程(A)で得られた、不透明な白色乃至灰白色の皮
    膜を有するアルミニウム系金属を、上記アルカリ土金属
    の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少
    なくとも一種の難溶性金属塩の金属イオンと結合して白
    色乃至灰白色の物質を生成する固着剤を含む水溶液に浸
    漬又はその水溶液中で電解して予備封孔する工程(B)、 上記工程(B)で得られたアルミニウム系金属を封孔剤で
    本封孔する工程(C)、 よりなることを特徴とする酸化皮膜を有するアルミニウ
    ム系金属の表面処理方法。
  17. 【請求項17】ミョウバン類の濃度が0.1〜150g
    /である特許請求の範囲第16項に記載の酸化皮膜を
    有するアルミニウム系金属の表面処理方法。
  18. 【請求項18】ミョウバン類の濃度が1〜120g/
    である特許請求の範囲第17項に記載の酸化皮膜を有す
    るアルミニウム系金属の表面処理方法。
  19. 【請求項19】有機系極性溶媒の濃度が1〜50容量%
    である特許請求の範囲第16項ないし第18項のいずれ
    かに記載の酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面
    処理方法。
  20. 【請求項20】キレート化合物がポリアミノカルボン酸
    類、多塩基酸類又は一分子中に2以上のアミン基を有す
    るアミン化合物である特許請求の範囲第16項ないし第
    19項のいずれかに記載の酸化皮膜を有するアルミニウ
    ム系金属の表面処理方法。
  21. 【請求項21】アンモニア類がアンモニア、アンモニア
    水およびアンモニウム塩である特許請求の範囲第16項
    ないし第20項のいずれかに記載の酸化皮膜を有するア
    ルミニウム系金属の表面処理方法。
  22. 【請求項22】固着剤がリン酸、リン酸ナトリウム、リ
    ン酸水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリ
    ウム、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ケ
    イ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、クロム酸カリウム、
    硫酸、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸カリ
    ウム、硫酸水素カリウム、アルカリ金属の水酸化物、炭
    酸塩或いは重炭酸塩である特許請求の範囲第16項ない
    し第21項のいずれかに記載の酸化皮膜を有するアルミ
    ニウム系金属の表面処理方法。
  23. 【請求項23】固着剤の濃度が0.1〜300g/で
    ある特許請求の範囲第16項ないし第22項のいずれか
    に記載の酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面処
    理方法。
  24. 【請求項24】封孔剤の濃度が0.1〜200g/で
    ある特許請求の範囲第16項ないし第23項のいずれか
    に記載の酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面処
    理方法。
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