JPH0631472B2 - 酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面処理剤 - Google Patents

酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面処理剤

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JPH0631472B2
JPH0631472B2 JP25415986A JP25415986A JPH0631472B2 JP H0631472 B2 JPH0631472 B2 JP H0631472B2 JP 25415986 A JP25415986 A JP 25415986A JP 25415986 A JP25415986 A JP 25415986A JP H0631472 B2 JPH0631472 B2 JP H0631472B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本発明は、酸化皮膜を有する、アルミニウム又はアルミ
ニウムを含む合金などのアルミニウム系金属における当
該酸化皮膜の表面部に耐色性、耐候性の優れた不透明な
白色乃至灰白色の物質を生成させる、酸化皮膜を有する
アルミニウム系金属の表面処理剤に関する。
(b)従来の技術 近時、生活様式や嗜好の変化に伴い、建材、銘板、装飾
用品、日用品又は車両等に使用されるアルミニウム系金
属半製品をパステルカラーに着色することが要求されて
おり、特に、日用品、装飾用品、車両や建材等の分野で
はパステルカラーに着色したアルミニウム系金属製品が
看者に穏やか且つ暖かい感じを与えることから強く要請
されている。
ところで、アルミニウム系金属半製品をパステルカラー
に着色するには、先ず、アルミニウム系金属半製品を、
基本となる不透明な白色乃至灰白色に着色することが必
要であり、従来、アルミニウム系金属半製品を不透明な
白色乃至灰白色に着色する方法として、以下に述べる表
面処理方法が提案されている。
即ち、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム系金属半製品
を、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩及びアル
ミニウム塩の少なくとも1種の塩と硫酸を含む溶液に浸
漬又はその溶液中で電解した後、この処理した陽極酸
化皮膜の微細孔中における上記塩からの生成物と反応し
て白色乃至灰白色の化合物となる物質の1種以上を含む
溶液に浸漬又はその溶液中で電解するものである(特開
昭60−197897号公報)。
(c)発明が解決しようとする問題点 しかしながら、この方法は陽極酸化皮膜を有するアルミ
ニウム系金属半製品を上記のとの工程を経て白色乃
至灰白色に着色するものであるが、この方法により得ら
れた不透明な白色乃至灰白色の皮膜は、アルミニウム系
金属における陽極酸化皮膜との密着生が乏しく、このた
め、当該陽極酸化皮膜を着色したのち、水洗、乾燥更に
封孔等の工程中に、(イ)皮膜破壊(皮膜ロス)や(ロ)封孔
の際の脱色、更に(ハ)封孔後の皮膜の剥れ、等の問題が
あり、これら金属塩を用いて得られた白色乃至灰白色の
皮膜は緻密性に欠け、耐候性が劣ると共に白色乃至灰白
色の皮膜の着色成分の屈折率が小さく白色度が低いとい
う致命的な欠点がある。
又、上記のとの工程で用いられる表面処理剤ではア
ルミニウム系金属の陽極酸化皮膜を均一に着色すること
ができず、色ムラも発生して実用に耐えるものではなか
った。
(d)問題点を解決するための手段 本発明者らは、上記問題点を一挙に解決すべく多年に亘
って鋭意検討を重ねてきた。
その結果、酸化皮膜を有するアルミニウム系金属半製品
の当該酸化皮膜部を不透明な白色乃至灰白色に着色する
にあたり、得られた不透明な白色乃至灰白色の皮膜にお
いてその皮膜破壊(皮膜ロス)や封孔の際の脱色、更
に、封孔後の皮膜の剥がれ、等の問題の発生を防止する
には、先ず、難溶性のアルカリ土金属の塩、アルミニウ
ム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難
溶性金属塩を用い、これをミョウバン類或いはミョウバ
ン類とアンモニア類を用いて強引に溶解し、次いで、こ
の溶液(処理液)中に酸化皮膜を有するアルミニウム系
金属を浸漬するか又はこの処理液中で酸化皮膜を有する
アルミニウム系金属を電解することにより当該アルミニ
ウム系金属の酸化皮膜部を不透明な白色乃至灰白色に着
色し、然る後、これを予備封孔と本封孔の2段封孔によ
り封孔すべきであることを見い出し、本発明を完成する
に至ったものである。
即ち、本願の第1の発明は、ミョウバン類と有機系極性
溶媒および難溶性のアルカリ土金属の塩、アルミニウム
塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶
性金属塩を必須成分とする、酸化皮膜を有するアルミニ
ウム系金属の表面処理剤を特徴とするものである。
又、本願の第2の発明は、ミョウバン類、有機系極性溶
媒、キレート化合物およびアルカリ土金属の塩、アルミ
ニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種
の難溶性金属塩を必須成分とする、酸化皮膜を有するア
ルミニウム系金属の表面処理を特徴とするものである。
更に、本願の第3の発明は、ミョウバン類、有機系極性
溶媒、キレート化合物、アンモニア類及び難溶性のアル
カリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から
選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩を必須成分とす
る、酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面処理剤
を特徴とするものである。
以下、先ず、本願の第1の発明について詳細に説明す
る。
本発明に用いられるミョウバン類は、水と後述する有機
系極性溶媒の混合溶液に可溶性であって、後述する難溶
性のアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は
鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩類の溶
解性を促進するものであれば特に限定されるものではな
い。
上記ミョウバン類の具体的な代表例としては、硫酸カリ
ウムアルミニウム(カリミョウバン)、硫酸ナトリウム
アルミニウム(ナトリウムミョウバン)、硫酸ルビジウ
ムアルミニウム、硫酸セシウムアルミニウム、硫酸タリ
ウムアルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム(ア
ンモニウムミョウバン)、硫酸カリウムガリウム、硫酸
アンモニウムガリウム、硫酸アンモニウムインジウム、
硫酸チタンセシウム、硫酸バナジウムカリウム、硫酸マ
ンガンカリウム、硫酸ロジウムカリウム、硫酸カリウム
クロム、硫酸クロムセシウム、硫酸アンモニウムクロ
ム、硫酸アンモニウムマンガン、硫酸アンモニウム鉄、
硫酸カリウム鉄、硫酸アンモニウムコバルト、硫酸コバ
ルトカリウム、等が挙げられる。
又、本発明に用いられる有機系極性溶媒としては、後述
する難溶性のアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜
鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属
塩溶解性を促進すると共に、その加水分解等によって生
成する不透明な白色乃至灰白色の物質を安定化するもの
であるが、水溶性の極性溶媒であれば特に限定されるも
のではなく、具体的には、例えばメタノール、エタノー
ル等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケト
ン、ジエチルケトン等のケトン類、エーテル、ジエチル
エーテル等のエーテル類、メチルアミン、エチルアミ
ン、モノエタノールエミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等のアミン類、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール等のグリコール類、グリセリン、テト
ラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド等が挙げられる。
難溶性のアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩
又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩の
具体例としては、酸化マグネシウム、リン酸アンモニウ
ムマグネシウム、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシ
ウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化スト
ロンチウム、クロム酸ストロンチウム、メタケイ酸バリ
ウム、フッ化バリウム、リン酸−水素バリウム、炭酸バ
リウム、ヘキサフルオロケイ酸バリウム、シュウ酸バリ
ウム、フッ化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、リン
酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、シュウ酸アルミ
ニウム、四酸化マグネシウム二アルミニウム、四酸化バ
リウム二アルミニウム、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、炭酸亜
鉛、シアン化亜鉛、硫酸鉛、炭酸鉛等が挙げられる。
そして、本発明の酸化皮膜を有するアルミニウム系金属
の表面処理剤(以下、表面処理剤という)は上記のミョ
ウバン類と有機系極性溶媒および難溶性のアルカリ土金
属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた
少なくとも一種の難溶性金属塩を必須成分とし、これに
水や所望によりpH調整剤が加えられた水溶液である。
上記ミョウバン類の濃度としては0.1〜150g/
、特に好ましくは5〜100g/とするのが望まし
く、0.1g/未満では濃度が薄くなり過ぎて難溶性
のアルカリ土金属類の塩の溶解性が乏しく充分な効果が
得られない場合があり、逆に150g/を超えると効
果に限界が生じ、かえって不経済であるから好ましくな
い。
又、上記有機系極性溶媒の濃度としては1〜50容量%
とするのが好ましい。
即ち、本発明の表面処理剤中には、上記のミョウバン類
によって、難溶性のアルカリ土金属の塩、アルミニウム
塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶
性金属塩の溶解性や分散性を向上させ、この処理液に酸
化皮膜を有するアルミニウム系金属を浸漬するか、或い
はこの処理液中で酸化皮膜を有するアルミニウム系金属
を電解するだけでその表面部に優れた特性の白色乃至灰
白色の緻密な皮膜を形成し得るのであるが、有機系極性
溶媒の濃度が1容量%未満では薄くなり過ぎて充分な効
果が得られない場合があり、逆に50容量%を超えると
濃度が高くなり過ぎてミョウバン類や難溶性のアルカリ
土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ば
れた少なくとも一種の難溶性金属塩の溶解性に影響を与
えるから好ましくない。
そして、本願の第1の発明は、上記のミョウバン類と有
機系極性溶媒および難溶性のアルカリ土金属の塩、アル
ミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一
種の難溶性金属塩を必須成分とし、これに水と、所望に
よりpH調整剤が添加されたものであるが、この表面処理
剤のpHは0.5〜5.5の範囲、特に1.5〜4の範囲
にするのが望ましく、pHが0.5未満になると酸性度が
高くなり過ぎて皮膜が破壊される恐れがあり、又、逆に
pHが5.5を超えると溶解されたアルカリ土金属の塩、
アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくと
も一種の難溶性金属塩が加水分解されるなどして表面処
理剤が保存中や取扱い中に白濁するのであり、しかも酸
化皮膜を有するアルミニウム系金属を表面処理剤中に浸
漬したり、或いは酸化皮膜を有するアルミニウム系金属
を表面処理剤中で電解する際、加水分解等により生成し
たアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛
塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩の酸化物
等の生成物の粒子が大きくなり過ぎて上記アルミニウム
系金属の表面部に侵入できなくなったり、或いは緻密な
皮膜が得られなくなる恐れがあるから好ましくない。
そして、このpHの範囲では、アルカリ土金属の塩、アル
ミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一
種の難溶性金属塩の水和酸化物が数分子重合した無色透
明乃至わずかに濁りのあるヒドロゾルになっているもの
と解される。
上記pH調整剤としては、硫酸、リン酸等の無機酸、酢
酸、クエン酸、コハク酸、グルコン酸、グリシン、マロ
ン酸、修酸、ギ酸等の有機酸、アルカリ金属の水酸化
物、炭酸塩又は重炭酸塩、アンモニア、有機酸のアルカ
リ金属塩等が挙げられる。
これらの酸又は塩基或いは有機酸のアルカリ金属塩は1
種類を用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、特
にその併用がより有効な場合もある。
次に、本願の第2の発明について詳細に説明する。
本願の第2の発明は上記第1の発明の改良にかかるもの
である。
即ち、ミョウバン類、有機酸極性溶媒、キレート化合物
および難溶性のアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、
亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金
属塩を必須成分とする、酸化皮膜を有するアルミニウム
系金属の表面処理剤である。
本発明は、上記第1の発明にキレート化合物を添加した
ものであり、キレート化合物の添加以外の要件は上記第
1の発明と同様である。
そして、本発明に用いられるキレート化合物は表面処理
剤中におけるミョウバン類やアルカリ土金属の塩、アル
ミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一
種の難溶性金属塩の安定性や、該表面処理剤中に上記ア
ルミニウム系金属を浸漬したり、或いは上記アルミニウ
ム系金属を表面処理剤中で電解した際、その表面部で生
成するアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又
は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩から
の生成物のヒドロゾルを安定化させるものである。
更に、酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の当該酸化
皮膜とアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又
は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩から
の生成物との結合を容易にする作用を有するのである。
上記キレート化合物の具体的な代表例としては、エチレ
ンジアミン四酢酸やそのナトリウム塩、トランス−1,
2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジエチレントリア
ミン五酢酸、エチレジアミン二酢酸、3,6−ジオキサ
−1,8−オクタンジアミン四酢酸、N−(2−ヒドロ
キシエチル)エチレンジアミン三酢酸、N−(2−ヒド
ロキシエチル)イミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン
六酢酸等のポリアミノカルボン酸類、エチレンジアミン
等のジアミン類、ジエチレントリアミン等のトリアミン
類、トリエタノールアミン、トリエチレンテトラミン等
の一分子中に2以上のアミン基を有するアミン化合物、
アセト酢酸エチル、ニトリロ三酢酸、ホルマリン、修
酸、マレイン酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク
酸、グルコン酸又はグリシン等の多塩基酸及びこれらの
可溶性金属塩等が挙げられる。
これらの中には水に不溶のキレート化合物も含まれる
が、有機系極性溶媒を加えることにより、つまり水と有
機系極性溶媒との混合物には溶解するのである。
上記キレート化合物の濃度としては用いるミョウバン
類、有機系極性溶媒およびアルカリ土金属の塩、アルミ
ニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種
の難溶性金属塩の種類や濃度によっても異なるが、一般
に0.1〜50g/の範囲が好ましく、0.1g/
未満では効果が乏しくなり、逆に50g/を超えると
効果に限界が生じるので不経済であるから望ましくな
い。
更に、本願の第3の発明について詳細に説明する。
本願の第3の発明は、上記第2の発明の改良にかかるも
のである。
即ち、ミョウバン類、有機系極性溶媒、キレート化合
物、アンモニア類及び難溶性のアルカリ土金属の塩、ア
ルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも
一種の難溶性金属塩を必須成分とする、酸化皮膜を有す
るアルミニウム系金属の表面処理剤である。
本発明は、上記第2の発明に、アンモニア類を添加した
ものであり、これによって、難溶性のアルカリ土金属の
塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少な
くとも一種の難溶性金属塩の溶解性を一層向上させたも
のであり、このようにアンモニア類を添加することによ
り溶解性の一層乏しい難溶性のアルカリ土金属の塩、ア
ルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも
一種の難溶性金属塩の溶解性を更に向上させたものであ
り、その他の要件は第2の発明と同様である。
そして本発明に用いられるアンモニア類としては、アン
モニア、アンモニア水、塩化アンモニウム、硫酸アンモ
ニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、クエ
ン酸アンモニウム、硫酸ヒドロキシルアンモニウム、フ
ッ化水素アンモニウム、塩素酸アンモニウム、過塩素酸
アンモニウム、フッ化アンモニウム、ヨウ化アンモニウ
ム、ヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸アンモニウム、
硫化アンモニウム、五硫化アンモニウム、亜硫酸アンモ
ニウム−水和物、亜硫酸水素アンモニウム、硫酸水素ア
ンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、アミド硫酸アンモ
ニウム、亜セレン酸アンモニウム、セレン酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、
リン酸二水素アンモニウム、シアン化アンモニウム、シ
アン酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、炭酸
アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カルバミド
酸水素アンモニウム、メタホウ酸アンモニウム、四ホウ
酸アンモニウム、メタバナジン(V)酸アンモニウム、
クロム酸アンモニウム、二クロム酸アンモニウム等が挙
げられる。
そして、このアンモニア類は1種類を使用してもよい
し、所望により2種以上を併用してもよいのである。
ところで、表面処理剤中にアンモニア類を添加すると難
溶性のアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又
は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩の溶
解性や分散性が向上する理由は明確ではないが、アンモ
ニウムイオンがこのアルカリ土金属の塩、アルミニウム
塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶
性金属塩と結合して錯体を形成し、これによって、アル
カリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から
選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩が安定化すると
共に溶解性や分散性が向上するものと解される。
又、上記アンモニア類の濃度としては、用いるミョウバ
ン類、有機系極性溶媒、キレート化合物或いはアンモニ
ア類の種類や組合わせ等によっても異なるが、通常1〜
100g/、好ましくは3〜50g/の範囲内から
適宜に選定される。
本発明において、酸化皮膜を有するアルミニウム系金属
とは、アルミニウム又はアルミニウムを含む合金の表面
に、化学的或いは電気化学的(陽極酸化)により酸化皮
膜を形成したものであり、特に陽極酸化皮膜を形成した
ものが、均一で且つ一層優れた特性の白色乃至灰白色の
酸化皮膜が得られるから好ましい。
そして、上記アルミニウム系金属に陽極酸化皮膜を形成
するには、公知の陽極酸化法が採用される。
例えば、硫酸、リン酸、クロム酸等からなる無機酸、シ
ュウ酸、パラフェノールスルホン酸、スルホサリチル
酸、マロン酸等からなる有機酸又は水酸化ナトリウム、
リン酸三ナトリウム等からなる水溶液中で、直流、交
流、パルス、PR波又は交直重畳法による電解によって
陽極酸化皮膜が形成される。
次に、本発明の表面処理剤の使用例を以下に述べる。
酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面を白色乃至
灰白色に着色するにあたり、上記表面処理剤を処理槽に
仕込み、所望により水及び/又は有機系極性溶媒で温度
調整を行い、該表面処理剤の温度を、通常、室温〜75
℃、好ましくは40〜70℃に調節し、この溶液に酸化
皮膜を有するアルミニウム系金属を、通常10秒〜30
分、好ましくは1分〜20分間浸漬するか或いは通常の
電解条件で電解することにより、特性の優れた白色乃至
灰白色の緻密な皮膜が一回の処理で得られるのである。
得られた不透明な白色乃至灰白色の皮膜を有するアルミ
ニウム系金属を1〜100g/、好ましくは5〜50
g/のケイ酸ソーダ水溶液中で、温度90℃以上の条
件下、3分以上予備封孔した後、シーリング塩AS(Se
aling SaltAS サンド社製)等の封孔剤1〜50g/
の水溶液中で、温度90℃以上の条件下、5分以上本封
孔すれば良いのである。
(e)作用 本発明は、上記構成を有し、表面処理剤中にミョウバン
類と有機系極性溶媒或いはミョウバン類と有機系極性溶
媒及びアンモニア類が含有されているから難溶性のアル
カリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から
選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩を溶解性乃至分
散性を向上させることができるのであり、しかも、アル
カリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から
選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩が、pHの変化、
つまり酸化皮膜を有するアルミニウム系金属を浸漬した
り、アルミニウム系金属を表面処理剤中で電解すること
によるpHの変化により加水分解されて微細なアルカリ土
金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれ
た少なくとも一種の難溶性金属塩からの生成物のヒドロ
ゾルが生成する際に、上記有機系極性溶媒がアルカリ土
金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれ
た少なくとも一種の難溶性金属塩からの生成物に配位し
ている水分子を奪って加水分解を促進させ、これによ
り、上記アルミニウム系金属の表面部において、微細な
上記生成物のヒドロゾルを連続的に生成させ、緻密で、
しかも密着性の優れた皮膜を形成する作用を有するので
ある。
(f)実施例 以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。
実施例1〜7 実施例1〜7の表面処理剤の組成を第1表に示す。
実施例8〜14 実施例8〜14の各々の表面処理剤の組成を第2表に示
す。
実施例15〜31 実施例15〜31の各々の表面処理剤の組成を第3表に
示す。
比較例1 下記アルミニウム板を、酢酸カルシウム30g/およ
び硫酸0.5g/の水溶液(30℃)で交流電圧20
Vで20分間電解してアルミニウム板の表面に不透明白
色の皮膜を得た。
比較例2 下記アルミニウム板を、硫酸アルミニウム50g/お
よび硫酸0.5g/の水溶液(60℃)で20分間浸
漬し、水洗後、リン酸20g/の水溶液(40℃)に
20分間浸漬してアルミニウム板の表面に不透明白色皮
膜を得た。
比較例3 下記アルミニウム板を、硫酸亜鉛15g/および硫酸
0.5g/の水溶液(25℃)で交流電圧20Vで1
0分間電解し、水洗後、シュウ酸20g/の水溶液
(25℃)で直流電圧15Vで20分間電解してアルミ
ニウム板の表面に不透明白色皮膜を得た。
比較例4 下記アルミニウム板を、酢酸カルシウム20g/およ
び硫酸0.5/の水溶液(60℃)に30分間浸漬
し、水洗後、硫酸20g/の水溶液(35℃)にて交
流電圧20Vで20分間電解してアルミニウム板の表面
に不透明白色皮膜を得た。
比較例5 下記アルミニウム板を、酢酸カルシウム15g/およ
び硫酸0.5g/の水溶液(25℃)で直流電圧15
Vで5分間電解し、水洗後、リン酸三ソーダ30g/
の水溶液(40℃)に20分間浸漬してアルミニウム板
の表面に不透明白色皮膜を得た。
比較例6 下記アルミニウム板を、硝酸マグネシウム30g/お
よび硫酸1g/の水溶液(30℃)で交流電圧20V
で10分間電解し、水洗後、炭酸ソーダ30g/の水
溶液(40℃)に20分間浸漬して、アルミニウム板の
表面に不透明白色皮膜を得た。
比較例7 下記アルミニウム板を、硝酸マグネシウム20g/お
よび硫酸1g/の水溶液(40℃)で交流電圧20V
で10分間電解し、水洗後、炭酸ソーダ30g/の水
溶液(40℃)に20分間浸漬して、アルミニウム板の
表面に不透明白色皮膜を得た。
上記各実施例を用いて白色乃至灰白色の着色試験を第4
表に示す条件で行った結果、及び各比較例の結果を第4
表にそれぞれ示す。
ところで、上記実施例においては下記アルミニウム板の
酸化皮膜部を不透明な白色乃至灰白色に着色した後、水
ガラス15g/の水溶液中で、温度98℃で5分間予
備封孔し、次いで、シーリング塩AS(Sealing SaltAS
サンド社製)3.5g/の水溶液中で、温度98℃
で10分間本封孔を行った。
なお、上記各実施例及び各比較例において用いた陽極酸
化皮膜は、純アルミニウム板を通常の脱脂等の前処理を
行った後、硫酸濃度180g/、浴温20℃、電流密
度1.5A/dm2の条件下、20分間直流電解して得
た。
この場合、陽極酸化皮膜の厚さは10μmであった。
第4表に色調の結果を示す通り、ミョウバン類と有機系
極性溶媒及び難溶性のアルカリ土金属の塩、アルミニウ
ム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難
溶性金属塩を必須成分とする表面処理剤、つまり本願の
第1の発明の表面処理剤により陽極酸化皮膜を白色に着
色したものは均一で、しかも色ムラはほとんど認められ
なかった。
また、この白色皮膜はその後の水洗、乾燥等の工程中に
皮膜破壊は生じず、しかも封孔剤による脱色や封孔後の
皮膜剥れ等の問題も発生しなかった。
本願の第2の発明、つまり上記第1の発明の表面処理剤
にキレート化合物を添加したものは一層均一に着色(白
色)でき、しかも耐候性も優れていた。
また、この白色皮膜は、上記第1の発明と同様に、皮膜
破壊等の問題が発生しなかった。
更に、本願の第3の発明は第2の発明にアンモニア類を
添加したものであり、これによって、難溶性のアルカリ
土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ば
れた少なくとも一種の難溶性金属塩の溶解性を一層向上
させ得ると共に優れた白色皮膜が得られることが認めら
れた。
また、この白色皮膜は、第1の発明と同様に、皮膜破壊
等の問題が発生しなかった。
これらに対して各比較例のものは色ムラが大で実用性に
欠けるのであり、又、耐候性についても良好な結果が得
られず、更に、水洗、乾燥等の工程中に皮膜破壊が生じ
たり、封孔剤による脱色や封孔後の皮膜剥れ等の問題が
生じた。
(g)発明の効果 本発明の表面処理剤は酸化皮膜を有するアルミニウム系
金属を浸漬するか、その中で電解するだけで溶液のpHが
変化し、このpHが変化した部位、つまり酸化皮膜の表面
や内部においてアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、
亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金
属塩が加水分解し、これによってアルカリ土金属の塩、
アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくと
も一種の難溶性金属塩の金属酸化物により上記皮膜部を
白色ないし灰白色に着色するものであり、しかも難溶性
のアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛
塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩を用いて
いるから着色後、皮膜破壊が生じたり、封孔剤による脱
色や封孔後の皮膜剥れ等の問題が生じず、均一且つ緻密
で耐候性、耐久生に優れた白色ないし灰白色の皮膜を形
成しうる効果を有するのである。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミョウバン類と有機系極性溶媒および難溶
    性のアルカリ土金属の塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は
    鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難溶性金属塩を必須
    成分とする、酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表
    面処理剤。
  2. 【請求項2】ミョウバン類の濃度が0.1〜150g/
    である特許請求の範囲第1項に記載の酸化皮膜を有す
    るアルミニウム系金属の表面処理剤。
  3. 【請求項3】ミョウバン類の濃度が5〜100g/で
    ある特許請求の範囲第2項に記載の酸化皮膜を有するア
    ルミニウム系金属の表面処理剤。
  4. 【請求項4】有機系極性溶媒の濃度が1〜50容量%で
    ある特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記
    載の酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面処理
    剤。
  5. 【請求項5】ミョウバン類、有機系極性溶媒、キレート
    化合物および難溶性のアルカリ土金属の塩、アルミニウ
    ム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少なくとも一種の難
    溶性金属塩を必須成分とする、酸化皮膜を有するアルミ
    ニウム系金属の表面処理剤。
  6. 【請求項6】ミョウバン類の濃度が0.1〜150g/
    である特許請求の範囲第5項に記載の酸化皮膜を有す
    るアルミニウム系金属の表面処理剤。
  7. 【請求項7】ミョウバン類の濃度が5〜100g/で
    ある特許請求の範囲第6項に記載の酸化皮膜を有するア
    ルミニウム系金属の表面処理剤。
  8. 【請求項8】有機系極性溶媒の濃度が1〜50容量%で
    ある特許請求の範囲第5項ないし第7項のいずれかに記
    載の酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面処理
    剤。
  9. 【請求項9】キレート化合物がポリアミノカルボン酸
    類、多塩基酸類又は一分子中に2以上のアミノ基を有す
    るアミン化合物である特許請求の範囲第5項ないし第8
    項のいずれかに記載の酸化皮膜を有するアルミニウム金
    属の表面処理剤。
  10. 【請求項10】ミョウバン類、有機系極性溶媒、キレー
    ト化合物、アンモニア類及び難溶性のアルカリ土金属の
    塩、アルミニウム塩、亜鉛塩又は鉛塩から選ばれた少な
    くとも一種の難溶性金属塩を必須成分とする、酸化皮膜
    を有するアルミニウム系金属の表面処理剤。
  11. 【請求項11】ミョウバン類の濃度が0.1〜150g
    /である特許請求の範囲第10項に記載の酸化皮膜を
    有するアルミニウム系金属の表面処理剤。
  12. 【請求項12】ミョウバン類の濃度が5〜100g/
    である特許請求の範囲第11項に記載の酸化皮膜を有す
    るアルミニウム系金属の表面処理剤。
  13. 【請求項13】有機系極性溶媒の濃度が1〜50容量%
    である特許請求の範囲第10項ないし第12項のいずれ
    かに記載の酸化皮膜を有するアルミニウム系金属の表面
    処理剤。
  14. 【請求項14】キレート化合物がポリアミノカルボン酸
    類、多塩基酸類又は一分子中に2以上のアミノ基を有す
    るアミン化合物である特許請求の範囲第10項ないし第
    13項のいずれかに記載の酸化皮膜を有するアルミニウ
    ム金属の表面処理剤。
  15. 【請求項15】アンモニア類がアンモニア、アンモニア
    水およびアンモニウム塩である特許請求の範囲第10項
    ないし第14項のいずれかに記載の酸化皮膜を有するア
    ルミニウム系金属の表面処理剤。
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