JPH06199915A - ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

ポリオレフィンの製造方法

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JPH06199915A
JPH06199915A JP36138492A JP36138492A JPH06199915A JP H06199915 A JPH06199915 A JP H06199915A JP 36138492 A JP36138492 A JP 36138492A JP 36138492 A JP36138492 A JP 36138492A JP H06199915 A JPH06199915 A JP H06199915A
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particles
reactor
reaction
treating agent
fluidized bed
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Application number
JP36138492A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Yamaguchi
喜久 山口
Shinjiro Suga
信二郎 菅
Hirohiko Sano
裕彦 佐野
Kazunari Takeyama
一成 竹山
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 チタンおよび/またはバナジウムを含有する
固体触媒成分と有機アルミニウム化合物とからなる触媒
を用い、気相状態でポリオレフィンを製造する場合に、
新たな設備を設けることなく、きわめて容易に静電気の
発生に基づく溶融樹脂の生成を防止する方法を提供す
る。 【構成】 一酸化炭素、二酸化炭素、アルコール類、ケ
トン類、窒素酸化物類、アルデヒド類からなる群から選
ばれた少なくとも1種の処理剤で処理され、かつ流動床
を形成し得る粒子をあらかじめ反応器内に充填して反応
を開始する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィンの製造
において安定した運転を行うための方法に関し、詳しく
は、気相流動床反応器によるポリオレフィンの製造にお
いて、反応開始時に起こりやすい溶融樹脂の発生を抑制
し、反応装置の運転を円滑に行うための方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィンの気相流動床による重合
プロセスにおいては、流動床反応器にあらかじめ種ポリ
マーと呼ばれる樹脂の粉末を充填して流動を開始し、原
料混合ガス、触媒および助触媒としてのアルキルアルミ
ニウム化合物を連続的に供給すると共に、ガス中の不純
物(酸素、水分等)を除去しながら重合反応を行い、所
定の滞留時間の間に成長した重合体粒子を抜き出す。上
記の種ポリマーを使用しないと、供給した触媒が分散し
難いため粒状の樹脂が生成せず、従って流動床も形成さ
れないので、流動床系の重合反応器においては運転開始
時に必ず種ポリマーが使用されてきた。
【0003】気相流動床によるポリオレフィンの製造に
おいて最も重要な点は、投入された触媒が反応器内でで
きる限り均一に分散され、かつ流動化ガスが反応器内に
均一に分散されて、これらにより反応熱が十分に除去さ
れることである。すなわち、反応器内において触媒濃度
が局部的に著しく高くなったり、ガスが十分に分散せず
に、冷却効果が不完全となった場合には、溶融樹脂が生
成し、これが塊状となって流動化を妨げ、温度分布が一
層不均一になって更に溶融樹脂が生成し、この悪循環が
繰り返されて、ついには樹脂を容器内から抜き出すこと
が不可能となり生産を停止せざるを得なくなる。以上の
問題点の内、後者の流動化ガスの均一な分散について
は、樹脂の粒径および粒径分布、かさ密度などと流動化
ガス速度との関係を検討し、かつ容器の構造を配慮する
ことなどによって比較的容易に解決することができる。
しかし、前者の触媒の分散に関しては、触媒および樹脂
の粉末の運動により発生する静電気のため、容器壁へ触
媒の微粉末が付着して触媒濃度が増大する結果、均一な
分散状態を実現することがきわめて困難であった。多く
の場合、反応開始後約半日間にこの現象が著しく、壁面
のみ温度が上昇して、そこで樹脂の溶融が発生する。
【0004】樹脂の粉末が流動することにより静電気を
帯びる事実は日常よく経験されるところであり、例えば
樹脂粉をパイプで輸送する際に、その粉末がパイプの内
面に薄く付着することなどが知られている。流動床によ
るポリオレフィンの製造においてもこれらの事実は従来
から経験されており、 その対策として米国特許4,85
5,370号においては反応器内に水分を含有したガス
を供給し、 特開昭56−4608号においては液状炭
化水素を共存させる方法を開示しており、更に米国特許
4,532,311号ではクロム含有化合物の添加を、
また、 特開平1−230607号ではアルコール、ケ
トンなどをそれぞれ反応器内に添加する方法を開示して
いる。しかし、これらはいずれも重合反応中に特定物質
を反応器内に供給する方法であるため、実施に当たり特
別の装置を設置する必要があり、かつ運転操作も複雑に
ならざるを得ない。従って、より簡便な方法によって有
効に上記の欠点を排除する手段が強く求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、気相流動床
による重合反応において、上記の欠点を排除し、反応系
に特に新たな設備を設けることなく、きわめて容易な手
段で静電気の発生に基づく溶融樹脂の生成を防止してポ
リオレフィン粒子を製造する方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に沿って鋭意検討した結果、あらかじめ反応器に特定
の処理剤で処理された粒子を充填して流動床反応を開始
することにより、溶融樹脂の生成を防ぐことができるこ
とを見出して本発明に到達した。すなわち本発明は、少
なくともチタンおよび/またはバナジウムならびにマグ
ネシウムを含有する固体触媒成分と有機アルミニウム化
合物とからなる触媒を反応器へ供給し、オレフィンを気
相状態で定常的に重合または共重合させる方法におい
て、一酸化炭素、二酸化炭素、アルコール類、ケトン
類、窒素酸化物類、アルデヒド類からなる群から選ばれ
た少なくとも1種の処理剤で処理され、かつ流動床を形
成し得る粒子をあらかじめ反応器内に充填して反応を開
始することを特徴とするポリオレフィンの製造方法を提
供するものである。
【0007】以下に本発明の内容を詳述する。本発明で
使用する気相流動床とは、実質的に気−固系で運転され
る流動床系および撹拌床系をすべて包含し、撹拌機を有
するものまたは有しないもののいずれでもよい。
【0008】本発明で用いるオレフィンとしては、通常
炭素数2〜8、好ましくは2〜6のオレフィン、例え
ば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オ
レフィンが挙げられる。これらは単独(ホモ)重合また
は2種以上の適宜の混合割合による共重合を行うことが
できる。共重合の組み合わせとしては、例えばエチレン
/プロピレン、エチレン/ブテン−1、エチレン/ヘキ
セン−1、エチレン/4−メチルペンテン−1等のエチ
レンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合、プ
ロピレンとブテン−1との共重合、およびエチレンと他
の2種以上のα−オレフィンとの共重合等が挙げられ
る。また、ポリオレフィンの改質を目的としてジエンと
の共重合も可能である。このようなジエンとしては、
ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボ
ルネン、ジシクロペンタジエン等が例示される。反応系
へのオレフィンの供給は、好ましくは適宜の不活性キャ
リアーガス、例えば窒素と共に供給することができる。
【0009】上記オレフィンの重合に使用する触媒とし
ては、少なくともチタンおよび/またはバナジウムなら
びにマグネシウムを含有する固体触媒成分と有機アルミ
ニウム化合物とからなるものを用いる。少なくともチタ
ンおよび/またはバナジウムならびにマグネシウムを含
有する固体触媒成分としては、オレフィン重合用触媒と
して従来公知のチーグラー系触媒に用いられるチタンお
よびマグネシウムを含有する固体触媒成分、バナジウム
およびマグネシウムを含有する固体触媒成分またはチタ
ン、バナジウムおよびマグネシウムを含有する固体触媒
成分等を使用することができる。
【0010】上記固体触媒成分としては、例えば金属マ
グネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、塩化マグネシウム等、またケイ素、
アルミニウム、カルシウムから選ばれる元素とマグネシ
ウム原子とを含有する複塩、複酸化物、炭酸塩、塩化物
あるいは水酸化物等、更にこれらの無機固体化合物を含
酸素化合物、含硫黄化合物、芳香族炭化水素、ハロゲン
含有物質で処理しまたは反応させたもの等のマグネシウ
ムを含む無機固体化合物に、チタン化合物および/また
はバナジウム化合物を公知の方法により担持させたもの
が挙げられる。
【0011】上記含酸素化合物としては、例えば水;ポ
リシロキサン;アルコール、フェノール、ケトン、アル
デヒド、カルボン酸、エステル、酸アミドなどの有機含
酸素化合物;金属アルコキシド;金属のオキシ塩化物な
どの無機含酸素化合物を例示することができる。含硫黄
化合物としては、チオール、チオエーテル等の有機硫黄
化合物あるいは二酸化硫黄、三酸化硫黄、硫酸等の無機
硫黄化合物が挙げられる。また芳香族炭化水素として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、アントラセン、フ
ェナントレン等の各種単環または多環芳香族炭化水素を
例示することができる。ハロゲン含有物質としては、塩
素、塩化水素、金属塩化物、有機ハロゲン化物等が挙げ
られる。
【0012】前記のチタン化合物としては、チタンのハ
ロゲン化物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、
ハロゲン化酸化物等を挙げることができる。これらのう
ち、4価のチタン化合物と3価のチタン化合物が好適で
あり、4価のチタン化合物としては、具体的には一般式
Ti(OR)n4-n(ここで、Rは炭素数1〜20のアル
キル基、アリール基またはアラルキル基等の炭化水素基
を示し、Xはハロゲン原子を示す。nは0≦n≦4の範
囲の数である。)で示されるものが好ましく、具体的に
は四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、モノ
メトキシトリクロロチタン、ジメトキシジクロロチタ
ン、トリメトキシモノクロロチタン、テトラメトキシチ
タン、 モノエトキシトリクロロチタン、 ジエトキシジ
クロロチタン、トリエトキシモノクロロチタン、テトラ
エトキシチタン、モノイソプロポキシトリクロロチタ
ン、ジイソプロポキシジクロロチタン、トリイソプロポ
キシモノクロロチタン、 テトライソプロポキシチタ
ン、 モノブトキシトリクロロチタン、ジブトキシジク
ロロチタン、トリブトキシモノクロロチタン、テトラブ
トキシチタン、 モノペントキシトリクロロチタン、 モ
ノフェノキシトリクロロチタン、ジフェノキシジクロロ
チタン、トリフェノキシモノクロロチタン、テトラフェ
ノキシチタン等を挙げることができる。3価のチタン化
合物としては、一般式 Ti(OR)m4-m(ここで、Rは
炭素数1〜20のアルキル基、アリール基またはアラル
キル基等の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示
す。mは0<m<4の範囲の数である。)で示される4
価のアルコキシハロゲン化チタンを、水素、アルミニウ
ム、チタンあるいは周期律表第 I から III 族金属の有
機金属化合物により還元して得られる3価のチタン化合
物が挙げられる。
【0013】上記のチタン化合物のうち、4価のチタン
化合物が特に好ましい。これらの触媒の具体的なものと
しては、例えばMgO−RX−TiCl4系(特公昭51−
3514号公報)、 Mg−SiCl4−ROH−TiCl4
(特公昭50−23864号公報)、MgCl2−Al(O
R)3−TiCl4系(特公昭51−152号公報、特公昭
52−15111号公報)、 MgCl2−SiCl4−RO
H−TiCl4系(特開昭49−106581号公報)、M
g(OOCR)2−Al(OR)3−TiCl4系(特公昭52−
11710号公報)、Mg−POCl3−TiCl4系(特公
昭51−153号公報)、MgCl2−AlOCl−TiCl4
系(特公昭54−15316号公報)、MgCl2−Al
(OR)n−X3-n−Si(OR')m−TiCl4系(特開昭56
−95909号公報)等の固体触媒成分(前記式中にお
いて、 RおよびR'は有機残基、Xはハロゲン原子を示
す。)に有機アルミニウム化合物を組み合わせたものが
好ましい例として挙げられる。
【0014】前記バナジウム化合物としては、四塩化バ
ナジウム、四臭化バナジウム、四ヨウ化バナジウム等の
4価のバナジウム化合物、オキシ三塩化バナジウム、オ
ルソアルキルバナデート等の5価のバナジウム化合物、
三塩化バナジウム、バナジウムトリエトキシド等の3価
のバナジウム化合物などが挙げられる。バナジウム化合
物は、単独であるいはチタン化合物と併用して用いられ
る。
【0015】他の触媒系の例としては、固体触媒成分と
していわゆるグリニャール化合物などの有機マグネシウ
ム化合物とチタン化合物および/またはバナジウム化合
物との反応生成物を用い、これに有機アルミニウム化合
物を組み合わせた触媒系を例示することができる。有機
マグネシウム化合物としては、例えば一般式RMgX、
2Mg、RMg(OR)等で示されるマグネシウム化合物
(ここで、Rは炭素数1〜20の有機残基、Xはハロゲ
ン原子を示す。)およびこれらのエーテル錯体、または
これらの有機マグネシウム化合物に、更にに他の有機金
属化合物、例えば有機ナトリウム、有機リチウム、有機
カリウム、有機ホウ素、有機カルシウム、有機亜鉛等を
加えて変性したものを用いることができる。上記触媒系
の具体的な例としては、例えば、RMgX−TiCl4
(特公昭50−39470号公報)、RMgX−フェノ
ール−TiCl4系(特公昭54−12953号公報)、
RMgX−ハロゲン化フェノール−TiCl4系(特公昭5
4−12954号公報)、RMgX−CO2−TiCl4
(特開昭57−73009号公報)等の固体触媒成分に
有機アルミニウム化合物を組み合わせたものを挙げるこ
とができる。
【0016】また他の触媒系の例としては、固体触媒成
分としてSiO2、Al23およびSiO2・Al23等の無
機酸化物と前記のチタンおよび/またはバナジウムなら
びにマグネシウムを含有する固体触媒成分とを接触させ
て得られる固体物質を用い、これに有機アルミニウム化
合物を組み合わせたものを例示することができる。無機
酸化物としては上記SiO2、Al23およびSiO2・Al
23等のほかにCaO、B23、SnO2等を挙げること
ができ、またこれらの酸化物の複酸化物も使用すること
ができる。これら各種の無機酸化物とチタンおよび/ま
たはバナジウムならびにマグネシウムを含有する固体触
媒成分とを接触させる方法としては、公知の方法を採用
することができる。すなわち、不活性炭化水素、アルコ
ール類、フェノール類、エーテル類、ケトン類、エステ
ル類、アミン類、ニトリル類またはこれらの混合物等の
有機溶媒の存在下または不存在下で、温度20〜400
℃、好ましくは50〜300℃において通常5分〜20
時間反応させる方法が用いられるが、共粉砕処理による
方法、あるいはこれらを適宜に組み合わせる方法により
反応させてもよい。上記触媒系の具体的な例としては、
例えばSiO2−ROH−MgCl2−TiCl4(特開昭56
−47407号公報)、SiO2−ROR'−MgO−AlC
l3−TiCl4(特開昭57−187305号公報)、Si
2−MgCl2−Al(OR)3−TiCl4−Si(OR')4
(特開昭58−21405号公報)、 SiO2−TiCl4
−RnAlCl3-n−MgCl2−Al(OR')nCl3-n(特開平
3−35004号公報)、SiO2−TiCl4−RnAlX
3-n−MgCl2−Al(OR')nCl3-n−Si(OR'')mCl
4-m(特開平3−64306号公報)、 SiO2−MgCl
2−Al(OR')nCl3-n−Ti(OR'')4−RnAlCl
3-n(特開平3−153707号公報)、SiO2−MgC
l2−Al(OR')nCl3-n−Ti(OR'')nCl4-n−RnAl
Cl3-n(特開平3−185004号公報)、SiO2−Ti
Cl4−RnAlCl3-n−MgCl2−Al(OR')nCl3-n
R''mSi(OR''')n4-(m+n)(特願平2−41526
5号公報)、SiO2−RnMgX2ーn−Al(OR')nCl3-n
−Ti(OR'')nCl4-n−R'''OH−RnAlX3-n(特願
平3−94983号公報)、 SiO2−MgCl2−Al(O
R')nCl3-n−Ti(OR'')nCl4-n−R'''OH−RnAl
Cl3-n−Al(OR')nCl3-n (特願平3−48643号
公報)(前記式中においてR、R'、R''およびR'''は
炭化水素残基を示す。)等に有機アルミニウム化合物を
組み合わせたものを挙げることができる。
【0017】これらの触媒系において、チタン化合物お
よび/またはバナジウム化合物を有機カルボン酸エステ
ルとの付加物として使用することもでき、また前記のマ
グネシウムを含む無機固体化合物を有機カルボン酸エス
テルと接触処理した後使用することもできる。更に、有
機アルミニウム化合物を有機カルボン酸エステルとの付
加物として使用することもできる。また、あらゆる場合
において、有機カルボン酸エステルの存在下に調製され
た触媒系を使用することができる。ここで使用する有機
カルボン酸エステルとしては、脂肪族、脂環族、芳香族
カルボン酸の各種エステルが挙げられ、好ましくは炭素
数7〜12の芳香族カルボン酸エステルが用いられる。
具体的な例としては安息香酸、アニス酸、トルイル酸の
メチル、エチル等のアルキルエステルを挙げることがで
きる。
【0018】本発明において上記固体触媒成分と共に用
いる有機アルミニウム化合物とは、分子内に少なくとも
一個のアルミニウム−炭素原子の結合を有する有機アル
ミニウム化合物をいう。例えば、(i)一般式RmAl(O
R')npq(ここで、RおよびR'は炭素原子を通常1
〜15個、好ましくは1〜4個を含む炭化水素基、例え
ばアルキル基、アリール基、アルケニル基、シクロアル
キル基等であり、アルキル基の場合にはメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチ
ル、 tert−ブチル、ヘキシル、オクチル等が挙げられ
る。 RおよびR'は同一であっても異なってもよい。X
はハロゲン原子を示し、m、n、pおよびqはそれぞれ
0<m≦3、0≦n<3、0≦p<3および0≦q<3
の範囲にあり、かつm+n+p+q=3を満足する数で
ある。)で表される有機アルミニウム化合物、(ii)一
般式MAlR4(ここで、MはLi、Na またはKから選
ばれる金属であり、 Rは前記と同じ炭化水素基であ
る。)で表される、 周期律表第 I 族金属とアルミニウ
ムとの錯アルキル化物などを挙げることができる。
【0019】前記(i)に属する有機アルミニウム化合
物としては、例えば 一般式 RmAl(OR')3ーm (ここで、RおよびR'は前記と同じ炭化水素基であ
る。mは好ましくは1.5≦m≦3の範囲の数であ
る。)、 一般式 RmAlX3ーm (ここで、Rは前記と同じ炭化水素基である。Xはハロ
ゲン原子を示し、mは好ましくは0<m<3の範囲の数
である。)、 一般式 RmAlH3ーm (ここで、Rは前記と同じ炭化水素基である。mは好ま
しくは2≦m<3の範囲の数である。)および 一般式 RmAl(OR')nq (ここで、RおよびR'は前記と同じ炭化水素基であ
る。 Xはハロゲン原子を示し、m、nおよびqは好ま
しくはそれぞれm0<m≦3、0≦n<3、0≦q<3
の範囲にあり、かつm+n+q=3を満足する数であ
る。)で表されるものなどを例示することができる。
(i)に属する有機アルミニウム化合物として、具体的に
は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリ−sec−ブチルアルミニウム、 トリ−
tert−ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウ
ム、トリオクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミ
ニウム;トリアルケニルアルミニウム;ジエチルアルミ
ニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシド等
のジアルキルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミ
ニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブ
トキシド等のアルキルアルミニウムセスキアルコキシド
のほかに、R2.5Al(OR)0.5などで表される平均組成
を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニ
ウム;ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミ
ニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド等のジ
アルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセ
スキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エ
チルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニ
ウムセスキハライドのような部分的にハロゲン化された
アルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリ
ド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジアルキルアル
ミニウムヒドリドおよびエチルアルミニウムジヒドリ
ド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキルアル
ミニウムジヒドリドなど、部分的に水素化されたアルキ
ルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロリ
ド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアル
ミニウムエトキシブロミド等の部分的にアルコキシ化お
よびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを例示
することができる。前記(ii)に属する有機アルミニウ
ム化合物としては、LiAl(C25)4、LiAl(C715)
4等が挙げられる。また、(i)に類似する有機アルミニ
ウム化合物として、 酸素原子や窒素原子を介して2個
以上のアルミニウム原子が結合した有機アルミニウム化
合物を用いることもできる。これらの化合物として、例
えば(C25)2AlOAl(C25)2、(C49)2AlOAl
(C49)2、(C25)2AlN(C25)Al(C25)2等を
例示することができる。これらの中でも、トリアルキル
アルミニウムが好ましい。
【0020】定常運転中における有機アルミニウム化合
物の使用量は特に制限されないが、通常、 チタン化合
物1モルに対して0.05〜1000モルを使用するこ
とができる。
【0021】重合反応は、通常のチグラー型触媒による
オレフィンの重合反応と同様にして行われる。すなわ
ち、反応は実質的に気相で行われる。オレフィンの重合
条件として、温度は20〜300℃、好ましくは40〜
200℃であり、圧力は常圧〜70kgf/cm2・G、好まし
くは2〜60kgf/cm2・Gである。分子量の調節は、重合
温度、触媒のモル比等の重合条件を変えることによって
もある程度行うことができるが、重合系中に水素を添加
することにより効果的に行われる。定常運転中は、オレ
フィン、固体触媒成分、有機アルミニウム化合物が定常
的に反応系に導入され、一方、生成したポリマー粒子が
抜き出される。
【0022】本発明で用いる処理剤としては、一酸化炭
素、二酸化炭素、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の
アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類、一酸化窒素、二酸化窒素等の窒素酸化物類、アセ
トアルデヒドなどのアルデヒド類から選択することがで
きる。これらは単独または混合して用いることができ
る。一般に上記の触媒に対して、これらの極性化合物は
有害な不純物であり、これらを除去した後に反応を開始
する必要があるとされてきた。しかしながら、本発明者
らによれば、一定量の特定の処理剤で処理された粒子を
あらかじめ反応器内に充填した後に反応を開始すること
により、重合反応を大きく低下させることなく反応開始
後の静電気の発生による塊状の溶融樹脂の生成を著しく
抑制することができる事実が判明した。この事実は従来
実施されている種ポリマーの使用においては経験されて
いなかったところである。
【0023】上記のあらかじめ反応器内に充填して使用
する特定の処理剤で処理された粒子としては、流動床を
形成し得るものであればいかなる種類のものも使用する
ことができるが、流動化の条件および製品品質への影響
などを考慮すると、粒状樹脂、特に製品ポリオレフィン
に類似の成分からなる粒状樹脂を活性抑制剤で処理した
ものが好ましい。なおこの目的で使用するポリオレフィ
ン樹脂の性状としては、平均粒径500〜1,500μ
mで微粉が少なく、かつ、かさ密度0.25から0.5g/
cm3のものが好ましい。
【0024】上記粒子が含有すべき一酸化炭素、二酸化
炭素、アルコール類、ケトン類、窒素酸化物類、アルデ
ヒド類等の特定の処理剤の量は、ポリオレフィン粒子1
kgに対し1×10-6〜1×10-5モル、好ましくは3
×10-6〜7×10-6モルの範囲である。粒子に含有さ
れた特定の処理剤は、粒子全体に均一に分布しているこ
とが好ましい。そのためには、粒子を特定の処理剤を含
有する不活性ガスで1時間以上通気接触させることが好
ましい。この際、一酸化炭素等のガス状処理剤の場合に
は一定量を不活性ガスに同伴させ、またアルコール類等
の液状処理剤の場合には加熱器等でガス化させて不活性
ガスに同伴させる。具体的には、前記粒子の貯蔵容器に
上記処理剤を含有する窒素を流入する方法が用いられ
る。あるいは、撹拌機付き混合機またはスクリューミキ
サー内で粒子を特定の処理剤で処理する方法などでもよ
い。またこれらの方法を併用してもよい。特定の処理剤
を含有する粒子を反応器へ充填する方法としては、気体
輸送が一般に用いられ、また充填量は重合反応に必要な
流動床高さを保つ量とする。
【0025】特定の処理剤で処理されたポリオレフィン
粒子の投入後においては、固定触媒成分、有機アルミニ
ウム化合物およびオレフィンの供給順序は適宜に行うこ
とができる。例えば、固定触媒成分、有機アルミニウム
化合物および適宜に不活性ガスで希釈されたオレフィン
ガスを同時に供給する方法、初めに有機アルミニウム化
合物の供給を開始し、その後固定触媒成分などの供給を
開始する方法あるいは初めに固定触媒成分の供給を開始
して、その後有機アルミニウム化合物などの供給を開始
する方法などいずれの方法も採用することができる。
【0026】
【実施例】以下に、本発明を実施例および比較例に基づ
いて具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定
されるものではない。
【0027】<固体触媒成分の調製例>撹拌機および還
流冷却器を付けた500mlの三つ口フラスコに600
℃で焼成したSiO2 50gを入れて、 脱水ヘキサン1
60ml、 四塩化チタン2.2mlを加え、ヘキサンの
還流下で3時間反応させた。冷却後、ジエチルアルミニ
ウムクロライドのヘキサン溶液(1mmol/cc)を30m
l加え、 再びヘキサンの還流下で2時間反応させた
後、120℃で減圧乾燥を行いヘキサンを除去した。得
られた反応生成物を成分(I)とする。別に、直径1/
2インチのステンレススチール製ボール25個を入れた
内容積400mlのステンレススチール製ポットに、市
販の無水塩化マグネシウム10gおよびアルミニウムト
リエトキシド4.2gを入れ、 窒素雰囲気下の室温にお
いて、16時間ボールミリングを行い反応生成物を得
た。これを成分(II)とする。上記成分(II)の5.4
gを脱水エタノール160mlに溶解し、 その溶液全
量を成分(I)を収容する三つ口フラスコに加え、 エタ
ノールの還流下で3時間反応させた後、150℃で6時
間減圧乾燥を行い、固体触媒成分を得た。得られた固体
触媒成分1g中のチタンの含有量は15mgであった。
【0028】<実施例>気相流動床反応により、直鎖低
密度エチレンであるエチレン・ブテン−1共重合体を製
造するに際し、まず反応系内にエチレン40モル%、水
素8モル%、ブテン−117モル%および窒素35モル
%からなる原料ガスを循環させ、加熱しながら反応系内
の水分量が1ppm以下になるまで乾燥した。次に種ポ
リマーとしてあらかじめ製造してあったエチレン・ブテ
ン−1共重合体の粒状樹脂(平均粒径900μm)の貯
蔵サイロ(窒素シール)の下部から窒素を空塔速度0.
75cm/secで送入し、 一方メチルアルコールを定量ポ
ンプによりヒーターを通してガス状とし、上記窒素流に
注入した。上記処理を6時間継続し、 この間に注入し
たメチルアルコールの量は1.6×10-4kg/kg-種ポリ
マーであった。このようにしてメチルアルコールで処理
された種ポリマーを窒素気流により反応器に充填し、上
記ガスにより流動化させて反応を開始した。触媒は、固
体触媒成分として前記固体触媒成分の調製例で得たTi
とMgを含有するものを、有機アルミニウム化合物とし
てトリエチルアルミニウムを用いた。触媒の供給を開始
した後、重合反応は順調に進行し、密度0.918g/c
m3、メルトフローレート1.0g/10minのエチレン・ブテ
ン−1共重合体が得られた。反応器内の温度について場
所による偏りは見られず、また、20日間運転を継続し
た後停止して反応器内部の点検を行ったところ、溶融樹
脂によるシートの生成は観察されなかった。
【0029】<比較例>実施例1で使用した流動床反応
器を用い、同例と同様にして直鎖低密度エチレンである
エチレン・ブテン−1共重合体を製造するに当たり、種
ポリマーとして窒素中で保管したものを使用した以外は
実施例1と同様に行った。すなわち、反応系内を実施例
1と同じ原料ガスを用いて乾燥した後、実施例1と同じ
エチレン・ブテン−1共重合体からなる種ポリマー粒状
樹脂を窒素雰囲気下の貯蔵サイロから窒素気流により反
応器に充填し、原料ガスにより流動化させて反応を開始
した。固体触媒成分および有機アルミニウム化合物は実
施例1で使用したものと同様である。触媒の供給を開始
して約5時間を経過した後、ガス分散板上30cmの高
さの反応器壁温度計が流動床平均温度より1〜2℃高い
値を示しはじめた。更に、触媒の供給開始約7時間後に
は、前記温度が10℃高くなり、かつガス分散板上70
cmの高さの反応器壁温度も2〜3℃高い値を示すに至
った。その後、重合生成物中にシート状の溶融ポリエチ
レンが現れはじめ、15時間後には重合物抜き出し口が
閉塞したため反応を停止した。
【0030】
【発明の効果】本発明に従い、特定の処理剤で処理され
た粒子を反応開始時に用いて気相流動床によるポリオレ
フィン粒子の製造を行ったところ、反応器内の温度は局
部的に高温を示すことなく、運転停止後の反応器内には
溶融樹脂の生成が認められず、かつ本発明の特定の処理
剤で処理された粒子を用いない場合に比べて著しく円滑
な運転が可能となった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともチタンおよび/またはバナジ
    ウムならびにマグネシウムを含有する固体触媒成分と有
    機アルミニウム化合物とからなる触媒を反応器へ供給
    し、オレフィンを気相状態で定常的に重合または共重合
    させる方法において、一酸化炭素、二酸化炭素、アルコ
    ール類、ケトン類、窒素酸化物類、アルデヒド類からな
    る群から選ばれた少なくとも1種の処理剤で処理され、
    かつ流動床を形成し得る粒子をあらかじめ反応器内に充
    填して反応を開始することを特徴とするポリオレフィン
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記処理剤で処理され、かつ流動床を形
    成し得る粒子は、該処理剤と接触させたポリオレフィン
    粒子である請求項1に記載のポリオレフィンの製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002528575A (ja) * 1998-10-27 2002-09-03 イーストマン ケミカル カンパニー オレフィンの重合方法、新規ポリエチレン並びにそれから製造されるフィルム及び物品
US10011667B2 (en) 2016-04-12 2018-07-03 Sumitomo Chemical Company, Limited Method for producing polyolefin

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