JPH06104734B2 - 通気性フィルム - Google Patents

通気性フィルム

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JPH06104734B2
JPH06104734B2 JP62304791A JP30479187A JPH06104734B2 JP H06104734 B2 JPH06104734 B2 JP H06104734B2 JP 62304791 A JP62304791 A JP 62304791A JP 30479187 A JP30479187 A JP 30479187A JP H06104734 B2 JPH06104734 B2 JP H06104734B2
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清彦 中江
敏夫 川北
孝典 久米
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住友化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は通気性フィルムに関する。詳しくはフィルムの
加工性に優れ、且つ、通気性・透湿性・感触・外観・機
械的強度に優れた通気性フィルムに関する。
<従来の技術> 樹脂と充填剤等とからなる樹脂組成物から得られるフィ
ルムを延伸して該フィルムに微細な空孔(ミクロボイ
ド)を発生させることによって、水等の液体は透過させ
ないが水蒸気等の気体は透過させる通気性フィルムが得
られることは知られている(例えば特開昭58−149303号
公報参照)。
かかる方法によって得られる通気性フィルムの引裂強度
等の機械的強度を高めるためには、フィルムの延伸倍率
を低くすることによって樹脂の分子配向やフィルムの空
孔率を低減させたり、充填剤の含有量を少なくすること
によって空孔率を低減させなければならない。一方、優
れた通気性を有し延伸ムラがなく感触・外観の良好な通
気性フィルムを得るためには、それとは逆に、フィルム
の延伸倍率を高くしなければならない。
そこで、感触または柔軟性の良好な通気性フィルムを得
るために、樹脂と充填剤の他に第3成分として液状化合
物を含有する樹脂組成物を用いる方法が提案されている
(例えば特開昭58−15538号公報参照)。
また、柔軟性・通気性・透湿性に優れた多孔質フィルム
の製造方法として、充填剤を多量に含有させても優れた
延伸性を示す密度の非常に低いエチレン−α−オレフィ
ン共重合体を樹脂成分として使用する方法が提案されて
いる(特開昭62−149736号公報参照)。
更にまた、透湿性・柔軟性に優れた安価な透湿性フィル
ムとして、線状低密度ポリエチレン、無機充填剤、高圧
法低密度ポリエチレン及び/又は結晶化度30%未満のエ
チレン−α−オレフィン共重合体からなるフィルムが提
案されている(特開昭62−164739号公報参照)。
<発明が解決しようとする問題点> 上述の従来技術のうち、延伸倍率や充填剤の含有量を低
減させる方法は、延伸ムラの発生による外観不良や通気
性不足という問題点を有しており、延伸倍率を高める方
法は、引裂強度や引張強度の低下という問題点のみなら
ず、通気性フィルムがホットメルト系接着剤の塗布時に
熱収縮を起こすという通気性フィルムの用途上の問題点
をも有している。
第3成分として液状化合物を用いる特開昭58−15538号
公報等の方法は、液状化合物が通気性フィルムの表面へ
ブリードするためにフィルムの表面がべとつき、フィル
ムの高次加工において製造ラインを汚したり粘着テープ
等に対する通気性フィルムの接着性が低下するという通
気性フィルムの高次加工および用途上の問題点を有して
いる。
また、密度の非常に低い(0.870〜0.910g/cm3)エチレ
ン−α−オレフィン共重合体を樹脂成分として使用する
特開昭62−149736号公報の方法は、透湿性が不十分であ
るのみならず透湿性と通気性とのバランスが悪く、通気
性の割に透湿性が低いという問題点を有している。同公
報に記載された発明が特徴としている1.5〜3倍程度の
低倍率延伸と40〜70℃程度の低温延伸という延伸条件で
得られた通気性フィルムでさえ、延伸ムラは全く不充分
であり実用に供し難いものである。
更にまた、特開昭62−164739号公報で得られる透湿性フ
ィルムは、透湿性には優れるものの柔軟性は全く不充分
であり、且つ引裂強度も低い。
延伸前のフィルムは通常、樹脂組成物をインフレーショ
ン加工法やTダイ加工法等で成形加工することによって
得られる。一般にこれら加工法の速度は遅いので生産性
が悪く、生産性を上げるために高速の引取速度下で成形
加工するといわゆるドローレゾナンスが発生するため厚
さの均一なフィルムが得られない。従って、薄肉のフィ
ルムも得られず安価な通気性フィルムを生産することが
できない。
以上の通り、従来の技術によっては、フィルムの押出加
工性および延伸加工性に優れ、且つ、優れた通気性・透
湿性・感触・外観・強度を有する通気性フィルムを得る
ことは困難である。
本発明の目的は、押出加工性および延伸加工性に優れ、
且つ、優れた通気性・透湿性・感触・外観・強度を有す
る通気性フィルムを提供することである。
<問題点を解決するための手段> 本発明者らは加工性に優れ、且つ、種々の優れた物性を
有する通気性フィルムを得るために鋭意研究を続けてき
た。その結果、(A)特定の線状低密度ポリエチレン
と、(B)特定の分岐低密度ポリエチレンと、(C)充
填剤とを特定の配合割合で含む組成物から本発明の目的
とする通気性フィルムが得られることを知見し、本発明
を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、(A)25℃でのキシレン抽出成分
の重量平均分子鎖長が1000〜9000Åであり、該抽出成分
の含量が18〜45重量%であり、密度が0.870〜0.915g/cm
3であり、メルトフローレートが0.1〜30g/10分である線
状低密度ポリエチレン60〜95重量%と、(B)メルトフ
ローレートが0.5〜10g/10分でダイスウェル比が1.2〜1.
6である分岐低密度ポリエチレン40〜5重量%とからな
る樹脂組成物100重量部と、(C)充填剤50〜400重量部
とを含む組成物からなる通気性フィルムである。
本発明においてフィルムの押出加工性が優れていると
は、25m/分以上の引取速度下で成形加工しても厚さが均
一で表面の肌荒や膜割れのない薄肉加工されたフィルム
が得られることを言い、薄肉加工とは秤量80g/m2以下の
加工を言う。また、優れたフィルムの延伸加工性とは、
延伸ムラがなく厚さが均一で膜割れがなく薄肉のフィル
ムに延伸できることを言い、延伸ムラとは延伸される部
分と延伸されない部分が目視し得る程度に存在すること
を言う。
本発明で使用される線状低密度ポリエチレンは、重量平
均分子鎖長が1000〜9000Åである25℃におけるキシレン
抽出成分(以下「CXS成分」と言う)18〜45重量%を含
み、密度が0.870〜0.915g/cm3であり、メルトフローレ
ートが0.1〜30g/10分の線状低密度ポリエチレン(以下
「成分(A)」とも言う)である。線状低密度ポリエチ
レンとはエチレン−α−オレフィン共重合体であって、
適用されるα−オレフィンは炭素数4〜12のα−オレフ
ィンであり、特にブテン−1、ヘキセン−1、4−メチ
ルペンテン−1及びオクテン−1が好ましい。該エチレ
ン−α−オレフィン共重合体は公知の方法、例えば特開
昭59−99209号公報、特開昭59−23011号公報等に記載さ
れている方法によって製造することができる。25℃にお
けるCXS成分の重量平均分子鎖長が1000Å未満の場合は
成形後のフィルム表面のべとつきや粘着テープとの接着
性の不良のために好ましくない、9000Åを越える場合は
充填剤の配合割合を増やすことが困難となるので高い通
気性を示す通気性フィルムを得ることができない。CXS
成分の含有量が18重量%未満の場合は充填剤の配合割合
を増やすと充填剤の分散不良や凝集が生じ、従ってフィ
ルム強度の著しい低下やブツ発生およびそれらに基づく
穴空きや水もれ等が起こるので好ましくなく、また、45
重量%を越える場合は均一な厚さのフィルムを得るのが
困難である。密度が0.870g/cm3未満の場合はフィルム表
面がべとつくのみならずフィルム強度および耐熱性が低
下し、0.915g/cm3を越える場合は充填剤の配合割合を増
やすと充填剤の分散不良が凝集が生じるのみならず、得
られるフィルムは良好なしなやかさを持たず高級感に乏
しくなる。樹脂の流れ性を示すメルトフローレートが0.
1g/10分未満の場合は充填剤の分散性やフィルム成形性
が不良であり、30g/10分を越える場合は強度の低いフィ
ルムしか得られない。好ましい線状低密度ポリエチレン
は、重量平均分子鎖長が1800〜6000Åである25℃におけ
るCXS成分18〜35重量%を含み、密度が0.89〜0.91g/cm3
であり、メルトフローレートが0.5g〜10g/10分のもので
ある。
上述したような特定の線状低密度ポリエチレンを使用す
ることにより、多量の充填剤を用いても柔軟性・伸び・
機械的強度(引張衝撃強度、引張破断強度など)・延伸
性に優れたフィルムを与える組成物が得られる。
本発明で使用される分岐低密度ポリエチレンは、メルト
フローレートが0.1〜30g/10分でダイスウェル比が1.2〜
1.6である分岐低密度ポリエチレン(以下「成分
(B)」とも言う)であり、エチレンを公知の高圧法で
重合させることによって得られる。メルトフローレート
が0.1g/10分未満の場合は成分(A)との分散性が不充
分なために得られるフィルムの強度が良好でないのみな
らず、フィルムの押出成形加工性も良好でなく、30g/10
分を越える場合は強度の低いフィルムしか得られない。
溶融樹脂の弾性を示すダイスウェル比が1.2未満のもの
はフィルムの成形性が良好でなく、また、1.6を越える
ものは押出成形加工性が悪く、例えばドローレゾナンス
が発生するため厚さの均一なフィルムが得られない。好
ましい分岐低密度ポリエチレンはメルトフローレートが
0.5〜10g/10分でダイスウェル比が1.25〜1.45のもので
ある。
成分(B)の配合割合5〜40重量%について、5重量%
未満の場合はミクロボイドの発生が顕著でないので通気
性に優れたフィルムを得ることができず、得られたフィ
ルムの強度も良好でない。40重量%を越える場合はフィ
ルムの延伸性や強度が極めて低下する。
本発明で使用される充填剤(以下「成分(C)」とも言
う)の例として炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭
酸バリウムなどの炭酸塩、硫酸バリウム、硫酸マグネシ
ウム、硫酸カルシウムなどの硫酸塩、リン酸マグネシウ
ム、リン酸カルシウムなどのリン酸塩、水酸化マグネシ
ウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、アルミナ、
シリカ、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜
鉛、酸化チタンなどの酸化物、塩化亜鉛、塩化鉄などの
塩化物、アルミニウム粉、ゼオライト、シラス、白土、
珪藻土、タルク、カーボンブラック、火山灰などの無機
充填剤や木粉、パルプ粉などのセルロース系粉末、ナイ
ロン粉末、ポリエステル粉末、ポリカーボネート粉末、
ポリプロピレン粉末、ポリ−4−メチルペンテン−1粉
末などの合成樹脂系粉末などの有機充填剤を挙げること
ができ、これらは単独または組合わせて使用される。フ
ィルムの通気性、感触・外観などの点から炭酸カルシウ
ムが特に好ましい。充填剤の平均粒径は0.1〜20μmが
好ましく、特に0.8〜5.0μmのものが好ましい。
成分(C)の配合割合50〜400重量部について、50重量
部未満の場合は得られるフィルムの通気性が十分でな
く、また、400重量部を越える場合はフィルムの成形性
が困難であり厚さの均一なフィルムが得られないばかり
か、フィルム強度も良好でない。
本発明においては、更に、充填剤の配合割合が大である
場合における充填剤の均一分散性を向上させ、且つ、優
れた延伸性を維持させるために分散剤を使用することが
できる。分散剤としては炭素数12〜22の脂肪酸のエステ
ルや塩が挙げられ、好ましいものの具体例はモノグリセ
リンモノステアレート、ステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸カルシウム等であり、これらは単独または混合物で用
いられる。また、該分散剤を予めコーティングされた充
填剤を使用する方法によっても同目的を達成し得る。
なお、本発明の通気性フィルムを得るための組成物中に
は、本発明の効果を実質的に損わない範囲で酸化防止
剤、抗ブロッキング剤、無機系または有機系の顔料、帯
電防止剤、消臭剤、殺菌剤等を配合させることができ
る。
本発明の通気性フィルムを製造する方法は例えば次の通
りである。
まず、成分(A)と成分(B)と成分(C)、場合によ
っては更に分散剤等とを、ロール型またはバンバリー型
の混練機あるいは一軸または二軸押出機などを用いる通
常の方法で混合あるいは混練して組成物を得る。次いで
この組成物からインフレーション加工、カレンダー加
工、Tダイ加工等の通常のフィルム成形方法によってフ
ィルムが製造されるが、高速加工という点からはTダイ
加工でフィルム引取速度25m/分以上が好ましい。
次に、このフィルムを延伸することによってフィルムに
通気性を付与するが、延伸は一軸または二軸で行なわれ
る。一軸延伸の場合は通常ロール延伸が好ましいが、チ
ューブラー延伸で引取り方向を強調させた延伸等でも可
能である。また、延伸は一段でも二段以上でも可能であ
る。延伸倍率は1.2〜6.0倍である。1.2倍未満の場合は
通気性が非常に低く感触・外観も悪く、また、6.0倍を
越える場合はフィルム強度が低い。通気性・透湿性・感
触・外観(延伸ムラなど)・強度のバランスから、延伸
倍率は1.2〜4.0倍が好ましく、更に好ましくは1.5〜3.0
倍である。延伸の温度は得られる通気性フィルムの通気
性・透湿性や感触・外観に影響を及ぼす重要な因子であ
り、一般的には高温で延伸すると感触・外観は良好であ
るが通気性・透湿性は高くなく、低温で延伸すると通気
性・透湿性は高いが感触・外観は不良である。しかし、
低温で延伸した場合に得られる本発明の通気性フィルム
は、高い通気性・透湿性と良好な感触・外観とを同時に
有している。本発明における延伸の温度は通気性・透湿
性と感触・外観・強度の点から30〜80℃が好ましく、更
に、35〜70℃が好ましい。二軸延伸の場合は同時二軸で
の延伸も可能であるし、また、縦方向の延伸を行なった
後に横方向を延伸する逐次二軸延伸も可能である。
本発明の通気性フィルムは通気度が150〜3500cm3/m2
分、透湿度が1000〜15000g/m2・日、および引裂強度が5
kg/cm以上である。通気度が150cm3/m2・分未満の場合は
透湿性が実質的に発現しないことがあり、3500cm3/m2
分を越える場合は水漏れしたり通気性過多のために防風
性能が劣り、用途によっては不都合である。透湿度が10
00g/m2・日未満の場合は、例えば紙おむつのバックシー
トに用いたときにムレやカブレの発生原因となり、ま
た、15000g/m2・日を越える場合は水漏れすることがあ
る。通気度と透湿度は適度にバランスしていることが望
ましい。通常、透湿度は等圧(常圧)下で、通気度は加
圧下でそれぞれ測定される(後述)。このため、空孔径
の分布が異っていても空孔断面積が同じであれば透湿度
は同じであり、通気度は空孔径に依り変化する。従っ
て、通気度に比較し透湿度が低すぎる場合は空孔径分布
が広いことがあり、このような関係において特に透湿度
が高い場合には大空孔径部で水もれを生ずることがあ
る。また、逆に通気度に比較し透湿度が非常に高すぎる
場合には透湿度のコントロールが困難となり好ましくな
い。引裂強度が5kg/cm未満の場合は強度不足のために、
例えば紙おむつのバックシート等の用途に使用すること
は難しい。
<実施例> 以下、実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれ
によって限定されるものではない。なお、実施例および
比較例に示した物性の測定法は以下の通りである。
重量平均分子鎖長:CXS成分の重量平均分子鎖長は、東洋
曹達(株)製のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)811
型にカラムとしてGMH6−HDを2本取り付け、130℃の条
件下でポリスチレンを基準として測定した。
密度:樹脂の密度はJIS K6760−1981に準拠して密度勾
配管法により23℃で測定した。
通気度:通気性フィルムの通気性は、23℃でフィルムに
空気圧0.2kg/cm2 Gを加えた場合のフィルムの単位面積
あたり1分間の空気透過量を測定して表わした。
引裂強度:通気性フィルムの引裂強度はJIS P8116に準
拠してエルメンドルフ引裂強度をフィルム流れ方向(以
下、「MD」と言う)について測定した。
感触:通気性フィルムの感触は触指によって以下の基準
で判定した。
◎:非常に良好な感触である。
○:良好な感触である。
△:ややゴワゴワした感触である。
×:かなりゴワゴワした感触である。
延伸ムラ:通気性フィルムの延伸ムラは目視により以下
の基準で判定した。
◎;延伸ムラが全くない。
○:延伸ムラが殆んどない。
△:延伸ムラが少しある。
×:延伸ムラがかなりある。
メルトフローレート:JIS K6760−1981に準拠して測定
した。
ダイスウェル比:メルトフローレートの測定において得
られるストランドの直径とオリフィスの直径との比とし
て求めた。
透湿度:通気性フィルムの透湿性は40℃、相対湿度90%
の雰囲気中で1時間状態調整した後その時点から1時間
後の水蒸気透過量を測定し、フィルムの単位面積あたり
1日に通過した水蒸気の量を測定して表わした。
実施例1 成分(A)として重量平均分子鎖長が3700ÅであるCXS
成分21重量%を含み、密度が0.900g/cm3であり、メルト
フローレートが1.8g/10分であるエチレン−ブテン−1
共重合体(以下、この線状低密度ポリエチレンを第2表
の通り「A−1」と記す)90重量%と、成分(B)とし
てメルトフローレートが1.5g/10分でダイスウェル比が
1.31である高圧法低密度ポリエチレン(以下、この分岐
低密度ポリエチレンを第3表の通り「B−1」と記す)
10重量%とからなる樹脂組成物100重量部と、成分
(C)として平均粒径1.25μmの炭酸カルシウム(白石
カルシウム(株)製の商品名ホワイトンSSB(赤)、
(以下この充填剤を第4表の通り「C−1」と記す)15
0重量部と、分散剤としてステアリン酸亜鉛1.2重量部と
を森田精機(株)製のタンブラーミキサーMT50型によっ
て予め混合した後、得られた混合物を神戸製鋼(株)製
のBR型バンバリーによって120〜150℃で5分間さらに混
練して組成物を得た。
この組成物を南千住製作所製の65mmφ押出機によりTダ
イ成形(ダイス幅700mm、ダイリップ開度0.7mm)し、秤
量67g/m2のフィルムを得た。なお、フィルムの引取速度
は35m/分であり、押出機の温度はシリンダー1を250
℃、シリンダー2、シリンダー3、ヘッド及びダイスを
280℃とした。
このフィルムを日本製鋼(株)製のロール延伸機により
50℃でMDに1.9倍に延伸し、第1表に示す通り秤量35g/m
2、通気度900cm3/m2・分、透湿度6000g/m2・日および引
裂強度11.0kg/cmであって、且つ、感触に優れ延伸ムラ
の殆んどない良好な通気性フィルムを得た。
実施例2〜11 第1〜4表に示した成分と配合割合の組成物を用い、第
1表に示したフィルム引取速度で実施例1と同様に行な
い通気性フィルムを得た。これらの通気性フィルムは第
1表に示す通り優れた性能を有していた。
比較例1〜9 第1〜4表に示した成分と配合割合の組成物を用いて実
施例と同様の製造条件で行なった。しかし、第1表に示
す通り通気性フィルムが全く得られないか、性能の優れ
ない通気性フィルムしか得られなかった。
<発明の効果> 本発明によれば、特許請求の範囲に記載された通り特定
された(A)エチレン−α−オレフィン共重合体と
(B)分岐低密度ポリエチレンと(C)充填剤とからな
る組成物から、優れた通気性・透湿性・強度・感触・外
観を有する通気性フィルムを得ることができる。比較例
で示したように、本発明の範囲外の組成物−すなわち、
成分(B)を用いなかった比較例1、分散剤の配合割合
が過多である比較例2、範囲外の成分(B)を用いた比
較例3と4、範囲外の成分(A)を用い成分(B)を用
いなかった比較例5、範囲外の成分(A)を用いた比較
例6、成分(C)を範囲外の配合割合で用いた比較例
7、成分(A)と成分(B)とを範囲外の配合割合で用
いた比較例8と9の組成物−からは、これら性能をバラ
ンス良く兼ね備えた通気性フィルムが得られない。これ
に対して、本発明の実施例ではこれら性能を非常にバラ
ンス良く兼ね備えた優れた通気性フィルムが得られるの
である。
この驚異的な効果は組成物の樹脂成分として成分(B)
を併用したことによるものである。驚くべきことに、該
成分を併用することによってフィルム延伸時に樹脂と充
填剤との間に微細な空孔が顕著に発生するので、低い延
伸倍率においてさえ優れた通気性・透湿性・強度を有
し、且つ、感触・外観の優れた通気性フィルムが得られ
るのである。更に、成分(B)を併用することによって
Tダイ成形等におけるフィルムの引取速度を上げること
も可能となるから、不都合なドローレゾナンスを発生さ
せることなく厚さの均一な通気性フィルムを得ることが
できる。
本発明によって得られる通気性フィルムはその特性を生
かしてレジャーウェア・スポーツウェア・ガウン・レイ
ンコート等の衣料用、包帯・バンド・マスク・人工皮膚
・無菌包装・手術衣等の医療用、生理用品・使い捨てお
むつ・シーツ等のサニタリー用、食品・野菜・果物・植
物・医薬品等の包装用、壁紙、タタミ、ふとん、テン
ト、過膜、香料・殺虫成分等の徐放用等に使用するこ
とができる。用途目的に応じて他の基材例えば不織布等
と組み合せて使用することもできる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)25℃でのキシレン抽出成分の重量平
    均分子鎖長が1000〜9000Åであり、該抽出成分の含量が
    18〜45重量%であり、密度が0.870〜0.915g/cm3であ
    り、メルトフローレートが0.1〜30g/10分である線状低
    密度ポリエチレン60〜95重量%と、(B)メルトフロー
    レートが0.5〜10g/10分でダイスウェル比が1.2〜1.6で
    ある分岐低密度ポリエチレン40〜5重量%とからなる樹
    脂組成物100重量部と、(C)充填剤50〜400重量部とを
    含む組成物からなる通気性フィルム。
  2. 【請求項2】通気度が150〜3500cm3/m2・分、透湿度が1
    000〜15000g/m2・日、および引裂強度が5kg/cm以上であ
    る特許請求の範囲第1項記載の通気性フィルム。
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