JP2000198865A - 多孔性フィルムの製造方法 - Google Patents

多孔性フィルムの製造方法

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JP2000198865A
JP2000198865A JP11000190A JP19099A JP2000198865A JP 2000198865 A JP2000198865 A JP 2000198865A JP 11000190 A JP11000190 A JP 11000190A JP 19099 A JP19099 A JP 19099A JP 2000198865 A JP2000198865 A JP 2000198865A
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film
porous film
producing
acid
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Akihiko Gunji
亮彦 郡司
Nobuyuki Kamishioiri
伸之 上塩入
Okiya Yamamoto
興哉 山本
Tetsuya Masuki
哲也 舛木
Yasuki Uchiyama
泰樹 内山
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脂肪酸またはその金属塩による充填剤の表面
処理に要するエネルギーを溶融成形時のエネルギーで賄
うことによってトータルエネルギーの低減を図り、多孔
性フィルムの製造コストを低減することができる多孔性
フィルム〔紙オムツ等の使い捨て用品等に用いられ、透
湿量(g/100cm2 ・hr)が約0.5〜3.0である微細孔
を有する多孔性フィルム〕の製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明は、ポリオレフィン樹脂、充填
剤、及び可塑剤を含有する組成物を溶融成形してフィル
ムとなし、次いで該フィルムを少なくとも1軸方向に延
伸処理して該フィルムに微細孔を形成する多孔性フィル
ムの製造方法において、上記充填剤には表面処理の施さ
れていない充填剤を用い、脂肪酸またはその金属塩を表
面処理剤として上記組成物に添加するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多孔性フィルムの製
造方法に関し、特にフィルムに微細孔を形成させる充填
剤の表面処理工程を改善した多孔性フィルムの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
多孔性フィルムの製造方法としては、ポリオレフィン樹
脂、充填剤及び延伸性の改善やフィルムに柔軟性をもた
せるための添加剤等を含有する組成物を撹拌混合及び溶
融成形してフィルムとなし、次いで該フィルムを少なく
とも1軸方向に延伸することによって該フィルムに微細
孔を形成させる方法が既に周知の事実となっている。充
填剤を含有せしめたフィルムを延伸処理して製造する多
孔性フィルムは、樹脂と充填剤との界面に剥離を生じさ
せることにより微細な透孔を多数生じさせ、この際、延
伸倍率等の適性なる操作により、透湿防漏性を同時に満
足し得るフィルムにしたものであって、該多孔性フィル
ムは紙オムツ等の使い捨て用品に実用化されている。
【0003】而して、フィルムに微細孔を形成するに
は、樹脂と充填剤とを均一に分散させることが非常に重
要で、分散が不均一な場合には、仮令、溶融成形でフィ
ルムの成形が可能であっても、延伸処理時にフィルムが
破断したり、延伸が不均一になって表面が粗れてムラに
なり、フィルムは商品価値のないものとなることが多
い。このようなムラ状態は、面積延伸倍率を向上させる
ことにより改善される反面、フィルムの柔軟性が損なわ
れるため、使い捨てオムツ等への使用に適さなくなる虞
れがある。
【0004】そのため、樹脂と充填剤との分散性を考慮
して、充填剤に対して脂肪酸またはその金属塩を用いて
表面処理を施し、充填剤の分散性を改善するようにして
いる。
【0005】このような技術は、特開昭57−4733
4号公報、特開昭57−203520号公報、特開昭5
8−15538号公報、特開昭59−62117号公報
等の他、特開昭62−280233号公報、特開昭62
−280234号公報、特開昭62−230235号公
報等において数多く提案されている。
【0006】しかしながら、上記各公報に記載された多
孔性フィルムは、いずれも組成物に配合される充填剤が
予め表面処理されたものであり、紙オムツ等の使い捨て
用品等にこのような多孔性フィルムを用いると、上述し
た従来の方法で製造した多孔性フィルムではコストが高
くなり、その製造コストを低減することが技術上の課題
となっている。即ち、従来の製造方法は、予め表面処理
した充填剤を用いており、この充填剤を表面処理するに
は、充填剤と脂肪酸またはその金属塩とを炉の中で十分
に加熱撹拌する必要があり、その加熱撹拌に多くの時間
とエネルギーを費やし、充填剤の製造コストが上述の如
く高くつき、このような充填剤を用いた組成物から得ら
れる多孔性フィルムは、結局、コストの高いものになっ
ている。
【0007】従って、本発明の目的は、脂肪酸またはそ
の金属塩による充填剤の表面処理に要するエネルギーを
溶融成形時のエネルギーで賄うことによってトータルエ
ネルギーの低減を図り、多孔性フィルムの製造コストを
低減することができる多孔性フィルム〔紙オムツ等の使
い捨て用品等に用いられ、透湿量(g/100cm2 ・hr)が約
0.5〜3.0である微細孔を有する多孔性フィルム〕
の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、多孔性フ
ィルムの製造方法について種々検討した結果、その製造
工程には組成物の混合工程、混練工程、フィルム成形工
程、延伸工程があり、これらのうち混合工程、混練工程
におけるエネルギーを表面処理剤による充填剤の表面処
理に利用することができるとの知見を得た。
【0009】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、ポリオレフィン樹脂、充填剤、及び可塑剤を含有
する組成物を溶融成形してフィルムとなし、次いで該フ
ィルムを少なくとも1軸方向に延伸処理して該フィルム
に微細孔を形成する多孔性フィルムの製造方法におい
て、上記充填剤には表面処理の施されていない充填剤を
用い、脂肪酸またはその金属塩を表面処理剤として上記
組成物に添加することを特徴とする多孔性フィルムの製
造方法を提供することにより上記目的を達成したもので
ある。
【0010】本発明の多孔性フィルムの製造方法の実施
に際し、上記可塑剤は、ポリエステル及び/またはモノ
エステルであり、且つ上記モノエステルが1塩基酸と1
価アルコールとから得られたものであり、ポリエステル
が多塩基酸と1価アルコール、1塩基酸と多価アルカコ
ール、または多塩基酸と多価アルカコールのうちいずれ
かの組み合わせによって得られたものであり、上記可塑
剤としてはこれらのモノエステル、ポリエステルの少な
くともいずれか1種を含有しており、また、上記ポリオ
レフィ樹脂、充填剤、及び可塑剤の各配合割合が、ポリ
オレフィン樹脂100重量部に対して、該充填剤50〜
250重量部、該可塑剤2〜50重量部であり、上記充
填剤及び上記表面処理剤の配合割合が、該充填剤100
重量部に対して、該表面処理剤0.2〜3.0重量部で
あり、面積延伸倍率が、4倍以下であることが好まし
い。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂は、エチレン、
プロピレン、ブテン等のモノオレフィンの重合体及び共
重合体を主成分とするもので、例えば、高密度ポリエチ
レン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びこ
れらの混合物が挙げられ、特に、線状低密度ポリエチレ
ンはしなやかで強靭な多孔性フィルムを得る上で好まし
い。
【0012】本発明に用いられる充填剤は、樹脂との界
面で剥離を生じて微細孔を形成させる物質で、平均粒径
が30μ以下に調製されたものが好ましく、10μ以下
に調製されたものがより好ましく、更に0.5〜5.0
μの範囲に調製されたものがより好ましい。また、該充
填剤として無機充填剤が好ましく、例えば、炭酸カルシ
ウム、石膏、タルク、クレー、カオリン、シリカ、珪藻
土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウ
ム、硫酸バリウム、燐酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ゼオラ
イト、カーボンブラック等及びこれらの混合物が挙げら
れ、特に、上記粒径に調製し易い炭酸カルシウムが好ま
しい。
【0013】本発明に用いられる可塑剤は、モノエステ
ル及び/またはポリエステル等であり、しかも該モノエ
ステルは1塩基酸と1価アルコールとから得られる化合
物であり、ポリエステルは多塩基酸と1価アルコール、
1塩基酸と多価アルコール、及び多塩基酸と多価アルコ
ールのいずれかの組み合わせによって得られた化合物で
あり、これらの塩基酸とアルコールとの組合わせ態様は
ポリオレフィン樹脂と充填剤との親和性のバランスか
ら、ポリエステル一定重量中のエステル基数及び炭化水
素鎖の分岐度が種々考慮して適宜選択され、また、これ
らのポリエステルは単独で、またはこれらの混合物とし
て用いられる。
【0014】上記ポリエステルを構成する1塩基酸、多
塩基酸、1価アルコール、及び多価アルコールとして、
例えば、以下に挙げるものが好ましく用いられる。即
ち、本発明に用いられるポリエステルを構成する1塩基
酸としては、例えば炭素数10〜22の長鎖炭化水素の
モノカルボン酸等が挙げられ、また、多塩基酸として
は、例えばジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカル
ボン酸等が挙げられ、1価アルコールとしては、例えば
炭素数10〜22の長鎖炭化水素のモノアルコール等が
挙げられ、また、多価アルコールとしては、例えばジオ
ール類、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、シュクロ
ーズ等が挙げられる。
【0015】本発明に用いられるポリエステルは、脱水
縮合反応によって得られるポリエステルであり、末端が
カルボン酸の場合には、その大部分がステアリルアルコ
ール、オレイルアルコール、ゲルベアルコール等の長鎖
炭化水素のモノアルコールでエステル化され、末端がア
ルコールの場合には、その大部分がステアリン酸、ヒド
ロキシステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等
の長鎖炭化水素のモノカルボン酸でエステル化された末
端封鎖ポリエステルが好ましいが、末端の全てが必ずし
も封鎖されていなくても良い。また、エステル構成成分
としては、分岐の酸またはアルコールを含んだエステル
が更に好ましい。
【0016】次いで、好ましい上記ポリエステルを具体
的に挙げると、例えばジエチレングリコールとダイマー
酸とのポリエステルにおける両末端のカルボン酸または
アルコールをステアリルアルコールまたはステアリン酸
で部分的にまたは全部を封鎖したポリエステル、1,3
−ブタンジオールとアジピン酸のポリエステル、トリメ
チロールプロパン−アジピン酸−ステアリン酸からなる
ヘキサエステル、ペンタエリスリトール−アジピン酸−
ステアリン酸からなるオクタエステル、ジペンタエリス
リトール−アジピン酸−ステアリン酸からなるドデカエ
ステル、上記各ポリエステルの構成成分であるアジピン
酸の代わりにダイマー酸または水添ダイマー酸を用いた
ポリエステル、及びステアリン酸の代わりにイソステア
リン酸を用いたポリエステル等が挙げられる。
【0017】また、本発明に用いられるモノエステルと
しては、例えば炭素数1〜40のモノカルボン酸と炭素
数1〜40のモノアルコールとから脱水して得られる合
計炭素数30以上のエステルが好ましく、中でもモノカ
ルボン酸とモノアルコールとから得られる合計炭素数が
30以上のものが好ましく、該炭素数が38以上であっ
て分岐鎖を有するモノエステルがより好ましい。
【0018】次いで、好ましい上記モノエステルを具体
的に挙げると、例えばイソデシルステアレート、イソデ
シルベヘネート、イソトリデシルステアレート、2−オ
クタデシルステアレート、2−デシルテトラデシルラウ
レート、2−デシルテトラデシルステアレート、2−オ
クタデシルベヘネート、ステアリルイソステアレート、
ステアリン酸とC20ゲルベアルコールとのエステル、あ
るいはα−分岐脂肪酸(炭素数18〜40)とモノアル
コール(炭素数6〜36)とのエステル等が挙げられ
る。
【0019】尚、本発明における上記ポリエステルまた
はモノエステルは、単独で、または混合して用いること
ができ、延伸後の柔軟性、及びカサツキ音の少ないしな
やかな多孔性フィルムを得ることができると共に、低面
積延伸倍率で均一延伸性を向上させることができ、ムラ
のないフィルムを得ることができる。
【0020】而して、本発明に用いられる表面処理剤
は、上記可塑剤の効果を十分に発揮させることができる
化合物で、本発明に用いられる表面処理剤は、脂肪酸ま
たはその金属塩である。該脂肪酸としては、例えばカプ
リル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、カプリン酸、オ
レイン酸、ミリスチン酸、ラウリル酸等が挙げられ、金
属塩としては、これらの脂肪酸のカルシウム、アルミニ
ウム、マグネシウム等の塩が挙げられる。そして該表面
処理剤は、上記充填剤の表面を疎水化することができる
ものが好ましい。
【0021】本発明は、従来の如く表面処理済の充填剤
を用いることなく、上記充填剤の表面処理工程を多孔性
フィルムの一連の製造工程に取り込もうとするものであ
り、本発明によれば、全体的に消費エネルギーの低減を
図ることができ、安価な多孔性フィルムの製造が可能に
なる。
【0022】次に、上記ポリオレフィン樹脂、充填剤、
可塑剤、及び表面処理剤を含有する組成物を用いた多孔
性フィルムの製造方法について詳述する。
【0023】まず、混合工程について説明すると、本発
明に用いられるポリオレフィン樹脂は、他の構成物質と
の混合を容易にする点を考慮して、パウダー状のものを
用いることが好ましいが、ペレット状であっても良い。
【0024】上記表面処理剤は、通常のブレンダーまた
は混合機を用いて混合するが、混合には、ヘンシェルミ
キサー、スーパーミキサー等の高速撹拌型の混合機を用
いることが好ましく、しかも混合撹拌時にある程度発熱
を伴うことが、上記表面処理剤の分散上好ましい。混合
順序は、ポリオレフィン樹脂のパウダーに充填剤及び表
面処理剤をまず最初に混合して、表面処理のされていな
い充填剤がミキサーの内壁面に付着する傾向を抑制する
ことが好ましい。次いで、上記可塑剤を十分に撹拌し、
引き続き可塑剤を上記ポリオレフィン樹脂等に添加した
後、更に撹拌を続け、最終的な配合組成の混合物を得
る。上記方法によれば、短時間で十分な撹拌を達成する
ことができると共に、組成物の凝集等を防止し、分散性
を向上させることができる。
【0025】次に、この混合物を混練する混練工程につ
いて説明する。上記混合物の状態のままであってもフィ
ルムに成形することは可能であるが、混合物における各
組成物の分散性の向上と配合組成比の均一化のため、一
般的には混練工程を実施する。この混練工程では、公知
の単軸押出機、2軸押出機、ミキシングロール等が用い
られるが、生産性と均一分散性とを考慮すると2軸押出
機を用いることが好ましい。このとき上記混合撹拌工程
で十分な撹拌が達成されていると、この混練工程での電
力負荷等は、表面処理済の充填剤を用いた場合と略同じ
になり、この工程での表面処理済の充填剤を用いた場合
以上の電力消費は認められない。また、上記混合撹拌工
程で十分な撹拌が達成されていなくても、電力消費が多
少嵩む程度で問題はなく、表面処理済の充填剤を用いる
場合に比べて省エネルギー効果が顕著である。
【0026】次に、均一分散された表面処理剤を含有す
る組成物をフィルムまたはシートに成形する成形工程に
ついて説明する。成形方法には、環状フィルムを得るイ
ンフレーション法とフラットフィルムを得るTダイまた
はフラット法とがあり、本発明では、何れの方法を用い
ても良い。尚、この工程における電力負荷等は、表面処
理済の充填剤を用いた場合と全く同じであり、しかも上
記混合撹拌工程、混練工程により、充填剤の表面処理が
完全に達成されたことになる。
【0027】次いで、延伸工程について説明する。本発
明では、少なくとも1軸延伸することによって多孔性フ
ィルムを得ることができ、勿論上記フィルム成形工程で
充填剤は既に完全に表面処理されており、延伸工程にお
いても表面処理済の充填剤を用いた場合と全く同様に多
孔性フィルムを得ることができる。従って、本発明にお
いて得られた多孔性フィルムは、上記可塑剤の特徴が生
かされた柔軟性、及びカサツキ音の少ない多孔性フィル
ムを得ることができると共に、低面積延伸倍率で均一延
伸をすることができ、ムラのないフィルムを得ることが
できる。
【0028】従って、本発明の多孔性フィルムの製造方
法によれば、安価で且つ透湿防漏性を有する多孔性フィ
ルムを製造することができる。
【0029】尚、上記多孔性フィルムの製造方法におい
て、表面処理剤を混合せずに、多孔性フィルムを製造し
た場合には、上述の混合撹拌工程で容器の内壁面に充填
剤が付着、蓄積して十分な撹拌が達成され難く、その結
果、次の混練工程での電力負荷が著しく高くなり、しか
も、その工程を経たフィルム成形工程においても、表面
処理済の充填剤を用いた場合に比べて、電力負荷等が高
くなる。即ち、この場合には、充填剤の表面処理が十分
でなく明らかに本発明方法とは電力負荷等に顕著な差が
認められる。更に、このようにして得られたフィルムを
延伸しても、延伸ムラが残り非常に外観の悪いものとな
り、これを更に高倍率まで延伸すれば延伸ムラを見掛け
上なくすことができる反面、多孔性フィルムとしてのし
なやかさ、柔軟さが得難く、特に使い捨てオムツ等のバ
ックシートとして用いるには好ましくない。
【0030】
【実施例】以下、実施例に基づき比較例と共に本発明を
説明する。
【0031】(1) 原 料 ポリオレフィン樹脂としては、線状低密度ポリエチレ
ンを用いた。 A−1 ウルトゼックス 2520F 三井石油化学工業(株)製 A−2 ウルトゼックス 3021F 三井石油化学工業(株)製
【0032】充填剤としては、炭酸カルシウムを用
い、それぞれの表面処理の有無により下記2種の充填剤
を用いた。尚、表面処理の有無を除き、充填剤の平均粒
径等他の物性については、それぞれ全く同じものを用い
た。 B−1 ライトン BS−O 備北粉化工業(株)製(表面脂肪酸処理済) B−2 ソフトン 2200 備北粉化工業(株)製(表面未処理)
【0033】ポリエステル(可塑剤)としては、表1
に示すものを用いた。
【0034】
【表1】
【0035】表面処理剤としては、下記脂肪酸を用い
た。 D−1 ステアリン酸 ルナックS−40 花王(株)製
【0036】(2) 配合組成 上記各原料を下記重量比に配合して表2に示す配合組成
物を用いた。
【0037】
【表2】
【0038】(3) 製造方法 混合撹拌は、201スーパーミキサーにより行った。混
合撹拌に際し、実施例1〜4については、ポリオレフィ
ン樹脂、充填剤、表面処理剤を投入後、約2分の予備撹
拌を行い、その後可塑剤を投入して更に約2分の撹拌を
行った後、その撹拌混合物を取り出した。また、比較例
1〜4については、ポリオレフィン樹脂、充填剤を投入
後、約2分の予備撹拌を行い、その後可塑剤を投入して
更に約2分の撹拌を行った後、その撹拌混合物を取り出
した。尚、この場合の1回当たりの総重量は5kgで行っ
た。
【0039】次いで、上記混合物を、45mm2軸押出
機により50kg/hrの速度で混練りし、均一に分散され
たペレットを得て乾燥し、50mmの単軸押出機により
40kg/hrの速度でフィルムに成形し、70μ前後のフ
ィルムを得た。更にこのフィルムをロール1軸延伸機に
より縦1軸に2倍延伸し、多孔性フィルムを得た。この
際、先にも述べたように、面積延伸倍率を上げるとフィ
ルムの柔軟性が悪化すると共に、縦1軸延伸において
は、フィルムの横強度が著しく低下してフィルムの使用
用途が限られるため本実施例では縦1軸の2倍延伸を採
用した。この延伸倍率における延伸ムラの差を表4に比
較しておく。尚、得られた各多孔性フィルムの物性はJ
ISに準ずる方法により測定し、それぞれを表3に示し
た。また、テンター法による逐次2軸延伸によるフィル
ム物性を実施例1及び比較例1、3について縦延伸倍率
1.5倍、横延伸倍率2倍について測定し、その結果を
表4に示した。本実施例における機械負荷の電流値によ
る比較を表5に示した。尚、本実施例における各装置の
定格電圧値は、それぞれ200Vである。
【0040】(4) フィルム物性及び各工程負荷の比較
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】実施例1〜4の多孔性フィルムの物性値
は、表3、表4に示す如く、表面処理済の充填剤を配合
組成とした比較例1、2のフィルムの物性値と殆ど同じ
物性値を示す。また、表面未処理の充填剤を表面処理剤
の添加なくして製造したフィルムである比較例3、4
は、外観、柔軟性共に上記各実施例と著しい差があるこ
とも認められた。また、表5に示す如く、実施例1〜4
は、比較例1、2と比べて各製造工程でのエネルギーも
殆ど差が無く、また、比較例3、4と比較すると省エネ
ルギー下で製造し得ることが明白である。上記各実施例
では、充填剤を表面処理剤によって高温炉の中で1昼夜
近く撹拌して表面処理するためのエネルギーを完全に節
約することができるため、その省エネルギー効果は著し
く、多孔性フィルムの製造コストを格段に低減し得るこ
とができることが判る。尚、多孔性フィルムとして使用
時にムレ防止効果の認められるフィルムの透湿量は1.
0g/100cm2 ・hrとされており、実施例1〜4のフ
ィルムは十分にこの条件を満たしたものであることが判
る。
【0045】
【発明の効果】本発明の多孔性フィルムの製造方法によ
れば、脂肪酸またはその金属塩による充填剤の表面処理
に要するエネルギーを溶融成形時のエネルギーで賄うこ
とによってトータルエネルギーの低減を図り、多孔性フ
ィルムの製造コストを低減することができる。従って、
使い捨てオムツ等の使い捨て用品等に使用し得る多孔性
フィルムの如く、透湿防漏性を有し、且つ柔軟でしかも
カサツキ音の少ない多孔性フィルムを省エネルギー下で
安価に製造することができ、多量に使用される程省エネ
ルギー効果が著しい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 興哉 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 舛木 哲也 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 内山 泰樹 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 4F074 AA16 AA20 AC26 AD09 AD11 AG01 AG02 CA02 CA06 CB13 CC02X DA02 DA12 DA53

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂、充填剤、及び可塑
    剤を含有する組成物を溶融成形してフィルムとなし、次
    いで該フィルムを少なくとも1軸方向に延伸処理して該
    フィルムに微細孔を形成する多孔性フィルムの製造方法
    において、上記充填剤には表面処理の施されていない充
    填剤を用い、脂肪酸またはその金属塩を表面処理剤とし
    て上記組成物に添加することを特徴とする多孔性フィル
    ムの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記ポリオレフィン樹脂、充填剤、及び
    可塑剤の各配合割合が、ポリオレフィン樹脂100重量
    部に対して、該充填剤50〜250重量部、該可塑剤2
    〜50重量部であることを特徴とする請求項1記載の多
    孔性フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記充填剤及び上記表面処理剤の配合割
    合が、該充填剤100重量部に対して、該表面処理剤
    0.2〜3.0重量部であることを特徴とする請求項1
    又は2記載の多孔性フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 面積延伸倍率が、4倍以下であることを
    特徴とする請求項1記載の多孔性フィルムの製造方法。
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