JPH06100798A - 被覆用組成物および表面被覆成形物 - Google Patents

被覆用組成物および表面被覆成形物

Info

Publication number
JPH06100798A
JPH06100798A JP25276492A JP25276492A JPH06100798A JP H06100798 A JPH06100798 A JP H06100798A JP 25276492 A JP25276492 A JP 25276492A JP 25276492 A JP25276492 A JP 25276492A JP H06100798 A JPH06100798 A JP H06100798A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
acid
acrylate
coating composition
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP25276492A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3025587B2 (ja
Inventor
Naoki Yamamoto
直己 山本
Akira Nakada
章 中田
Hitoshi Ishita
仁 位下
Hiroyuki Watanabe
博之 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP4252764A priority Critical patent/JP3025587B2/ja
Priority to PCT/JP1993/001352 priority patent/WO1994006835A1/ja
Publication of JPH06100798A publication Critical patent/JPH06100798A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3025587B2 publication Critical patent/JP3025587B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F292/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to inorganic materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D4/00Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, based on organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond ; Coating compositions, based on monomers of macromolecular compounds of groups C09D183/00 - C09D183/16

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)2個以上の(メタ)アクリロイルオキ
シ基を有する架橋重合性化合物またはその混合物、
(b)一般式: 【化1】 (R1 =H、CH3 ;R2 =C1ー3 のアルキル、フェニ
ル;R3 =H、C1ー10の炭化水素残基;n=0〜2)で
表わされるシラン化合物の加水分解物で表面が修飾され
たシリカ粒子、 (c)光重合開始剤からなる被覆用組
成物、およびこの組成物の硬化物で表面が被覆された樹
脂成形物。 【効果】 溶剤を用いなくとも塗布可能であり、この硬
化被覆膜は、耐摩耗性、耐擦傷性、耐候性、耐水性等に
優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線等を照射するこ
とにより耐摩耗性並びに耐溶剤性に優れた被覆膜を形成
しうる被覆用組成物、およびこの被覆用組成物の硬化膜
により被覆された合成樹脂成形品等の表面被覆成形物に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、透明板ガラスの代替として耐破砕
性の高い透明プラスチック材料を使用することが広く行
なわれている。しかし透明プラスチック材料は、ガラス
に比較して表面が柔らかいので、摩耗し易く、引っ掻き
傷を受け易いという重大な欠点を有する。
【0003】そこで従来より、プラスチック材料の耐摩
耗性を改良すべく多くの試みが為されてきた。これらの
うち最も一般的な方法の一つに、例えば特開昭53−1
02936号、同53−104638号、同54−97
633号公報等に記載される様な、分子中に複数のアク
リロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有す
る化合物を合成樹脂成形品の表面に塗布し、熱または紫
外線等の活性エネルギー線で硬化せしめ、耐擦傷性の優
れた表面被覆成形品を得る方法がある。この従来法は、
硬化液も比較的安価で生産性にも優れている。しかし、
この被覆膜は有機物なので耐摩耗性には限界があるのが
現状である。
【0004】一方、より高い表面硬度を成形品に付与す
べく、例えば特開昭48−26822号、同59−64
671号公報等に記載される様な、アルコキシシラン化
合物をプラスチック成形品表面に塗布し熱により硬化さ
せる方法がある。また、例えば特開昭56−10696
9号、特開平2−272041号公報等に記載される様
な、コロイダルシリカと有機樹脂の混合物をプラスチッ
ク成形品表面に塗布し熱により硬化させる方法がある。
しかしながら、これらの方法では溶剤を用いるので乾燥
工程が必要となってしまう。特にこの溶剤の乾燥工程
は、近年注目されている地球環境保護の点で問題があ
る。更には、被覆成形品の外観にも問題が生じ易く、熱
により硬化させる必要があるのでエネルギー消費量が大
きく硬化に長時間を要するため工業的に不利である。
【0005】また、特公平1−55307号、特公平3
−2168号、特公平3−6190号、特開昭59−2
04669号、特開昭62−256874号、特開平2
−28267号、特開平2−64138号、特開平4−
18423号、および特公昭62−21815号公報等
には、コロイダルシリカと、アクリル基またはメタクリ
ル基を有するアルコキシシランと、多官能アクリレート
とからなる被覆用組成物が記載されている。これらの組
成物は、必要に応じ無溶剤でも用いることが可能であ
り、かなり優れた表面硬度を樹脂成形品に付与できる。
しかし、アルコキシシラン化合物中のアクリル基やメタ
クリル基の構造に由来する親水的性質のために、この被
膜中のコロイダルシリカとアルコキシシランの界面で加
水分解が生じ易く、被膜の耐候性および耐水性が損なわ
れるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の従来技
術における課題等を解決すべくなされたものである。す
なわち本発明の目的は、溶剤を用いなくとも塗布可能な
被覆用組成物であって、硬化により耐摩耗性、耐擦傷
性、耐候性並びに耐水性に優れ、表面硬度が高く外観も
良好な被覆膜を形成できる被覆用組成物、およびこの被
覆用組成物の硬化物で表面が被覆された成形物を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)分子中
に少なくとも2個のアクリロイルオキシ基および/また
はメタクリロイルオキシ基を有する架橋重合性化合物(a
-1) 、または該架橋重合性化合物(a-1) 50重量%以上
とこれと共重合可能な化合物(a-2) とから成る混合物、
(b)一般式(I):
【0008】
【化2】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数
1〜3のアルキル基またはフェニル基、R3 は水素原子
または炭素数1〜10の炭化水素残基、nは0〜2の整
数を表わす。)で表わされるシラン化合物の加水分解物
で表面が修飾されたシリカ粒子、および、(c)光重合
開始剤からなる被覆用組成物である。
【0009】また、もう一つの本発明は、かかる被覆用
組成物の硬化物で表面が被覆された成形物である。
【0010】
【作用】本発明の被覆用組成物においては、シリカ粒子
(b)の表面が一般式(I)で表わされるシラン化合物
の加水分解物で表面が修飾されているので、成分(a)
中にシリカ粒子(b)を高濃度で分散することができ、
耐摩耗性の向上等の上記目的を達成し得る。また更に
は、一般式(I)で表わされるシラン化合物の下記の基
に起因した優れた作用をも奏する。
【0011】
【化3】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を表わす。) すなわち、上記基は成分(a)と良好に共重合するの
で、成分(a)の重合体がシリカ粒子表面に強固に結合
し、硬化被膜が高い表面硬度を発現することとなる。更
に特筆すべきことは、上記基が良好な疎水性を呈するの
で、耐加水分解性に優れることとなり、従来技術におい
てアクリル基等を有するシラン化合物を被覆用組成物に
用いた場合問題となっていた被覆膜の耐候性並びに耐水
性を改善できるものとなる。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。
【0013】本発明の被覆用組成物における成分(a)
は、分子中に少なくとも2個のアクリロイルオキシ基お
よび/またはメタクリロイルオキシ基(以下(メタ)ア
クリロイルオキシ基と略す)を有する架橋重合性化合物
(a-1) である。またこの成分(a)は、架橋重合性化合
物(a-1) 50重量%以上とこれと共重合可能な化合物(a
-2) とから成る混合物であってもよい。
【0014】この分子内に少なくとも2個の(メタ)ア
クリロイルオキシ基を有する架橋重合性化合物(a-1)
は、(メタ)アクリロイルオキシ以外の部分である残基
が炭化水素またはその誘導体であり、その分子内にはエ
ーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド
結合、ウレタン結合等を含んでいてもよい。
【0015】この架橋重合性化合物(a-1) として、例え
ば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸またはそれら
の誘導体とから得られるエステル化合物、あるいは多価
アルコールと多価カルボン酸と(メタ)アクリル酸また
はそれらの誘導体とから得られるエステル化合物が挙げ
られる。この多価アルコールとしては、例えばエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、平均分子量が約3
00〜約1000のポリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロ
パンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール(即ち2,2−ジメチル−1,3−プロパン
ジオール)、2−エチルヘキシル−1,3−ヘキサンジ
オール、2,2’−チオジエタノール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール等の2価のアルコール;トリメチ
ロールプロパン(即ち1,1,1−トリメチロールプロ
パン)、ペンタグリセロール(即ち1,1,1−トリメ
チロールエタン)、グリセロール、1,2,4−ブタン
トリオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の3価
のアルコール;その他、ペンタエリスリトール(即ち
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパン
ジオール)、ジグリセロール、ジペンタエリスリトール
等が挙げられる。
【0016】そして、多価アルコールのポリ(メタ)ア
クリレートとして得られる架橋重合性化合物(a-1) の例
として、下記一般式(II)
【0017】
【化4】 (式中、nは0〜4の整数を示し、分子中に4個以上存
在するXは、そのうちの2個以上が(メタ)アクリロイ
ルオキシ基を示し、その残りが各々独立に水素原子、水
酸基、アミノ基、アルキル基または置換アルキル基を示
す。)で表わされる化合物が挙げられる。
【0018】この一般式(II)で表わされる化合物は、
具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペ
ンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ト
リペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等
である。
【0019】また架橋重合性化合物(a-1) は、上記一般
式(II)の化合物以外の多価アルコールのポリ(メタ)
アクリレート、例えばジエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、グリセリントリ(メタ)アクリレート等であっても
よい。
【0020】架橋重合性化合物(a-1) として多価アルコ
ールと(メタ)アクリル酸とから得られるエステル化合
物を用いる場合、特に好ましいエステル化合物は、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジ
オールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリア
クリレート、ジペンタグリセロールペンタアクリレート
等である。
【0021】また架橋重合性化合物(a-1) として用い得
る多価アルコールと多価カルボン酸と(メタ)アクリル
酸またはそれらの誘導体とから得られるエステル化合物
は、基本的には、多価アルコールのヒドロキシル基と多
価カルボン酸および(メタ)アクリル酸の両者のカルボ
キシル基とが最終的には当量となるような混合物を反応
させることによって得られる。このエステル化合物のう
ち好ましいものは、多価アルコールとして、2価のアル
コール、3価のアルコール、または2価のアルコールと
3価のアルコールとの混合物を用い、多価カルボン酸と
して、2価カルボン酸を用いて得られたエステル化物が
挙げられる。3価のアルコールと2価のアルコールの混
合物を用いる場合は、3価のアルコールと2価のアルコ
ールとのモル比は任意に選べばよい。また、2価カルボ
ン酸と(メタ)アクリル酸とを併用する場合のモル比
は、(メタ)アクリル酸のカルボキシル基1モルに対し
て2価カルボン酸のカルボキシル基が2モル以下の範囲
内とすることが好ましい。2価カルボン酸が上記の範囲
より過剰の場合には、生成するエステルの粘度が高くな
り過ぎて塗膜の形成に困難を生ずる場合がある。
【0022】上述のエステル化合物の合成に用いる2価
カルボン酸またはその誘導体としては、例えばコハク
酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン
酸;テトラヒドロフタル酸、3,6−エンドメチレンテ
トラヒドロフタル酸などの脂環族ジカルボン酸;フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボ
ン酸;その他、チオジグリコール酸、チオジバレリン
酸、ジグリコール酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、およびこれらの塩化物、無水物並びにエステル等を
挙げることができる。
【0023】架橋重合性化合物(a-1) として用いる上述
のエステル化合物の具体例は、マロン酸/トリメチロー
ルエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロ
ールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセ
リン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリ
トール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロー
ルエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロ
ールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリセ
リン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリスリ
トール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロ
ールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメ
チロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/
ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン
酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/ト
リメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸
/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、グル
タル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸
/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバシ
ン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セ
バシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル
酸、セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、セ
バシン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル
酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリ
ル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)ア
クリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル
酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリ
ル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)ア
クリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メ
タ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/
(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロール
エタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセ
リン/(メタ)アクリル酸等の化合物の組み合わせによ
る飽和または不飽和ポリエステルポリアクリレートまた
はポリメタクリレート等である。
【0024】更に架橋重合性化合物(a-1) として、例え
ばトリメチロールプロパントルイレントリイソシアネー
ト、下記一般式(III)
【0025】
【化5】 (式中、Rは各々独立に、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルエタンジ
イソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’
−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イ
ソホロンジイソシアネートまたはトリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネートの残基を示す。)で表わされる化
合物等のポリイソシアネートと、活性水素を有するアク
リル系単量体(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル
(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリ
ルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド等)
とを、イソシアネート基1モル当たりアクリル系単量体
1モル以上を常法により反応させて得られるウレタン
(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等のポ
リ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレ
ートが挙げられる。
【0026】本発明の被覆用組成物における成分(a)
は、先に述べたように架橋重合性化合物(a-1) 50重量
%以上とこれと共重合可能な化合物(a-2) とから成る混
合物であってもよい。この共重合可能な化合物(a-2) と
しては、例えば分子中に1個の(メタ)アクリロイルオ
キシ基を有する化合物等が用いられる。具体的には、例
えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレー
ト、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アク
リレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート、1,4−ブチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシエチル
(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ
メチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリルアミド、2,2,2−トリフルオロ
エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラ
フルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,
5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、
N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロ
キシメチルジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−ヒ
ドロキシエチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、
下記一般式(IV)または(V)
【0027】
【化6】 (一般式IVおよびV中、nは1〜10を示し、Xは(メ
タ)アクリロイルオキシ基を示し、Rはアルキル基、置
換アルキル基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル
基または置換ベンジル基を示す。)で表わされるモノ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0028】この一般式(IV)または(V)で表わされ
るモノ(メタ)アクリレートとしては、例えばメトキシ
ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノ
キシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブ
トキシエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙
げられる。
【0029】更に共重合可能な化合物(a-2) として、例
えばβ−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲ
ンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチル
ハイドロゲンサクシネート、β−(メタ)アクリロイル
オキシプロピルハイドロゲンサクシネート、および公知
の各種エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メ
タ)アクリレート等も挙げられる。
【0030】本発明の被覆用組成物における成分(b)
は、一般式(I)で表わされるシラン化合物の加水分解
物で表面が被覆されたシリカ粒子である。ここで「加水
分解物で表面が修飾された」とは、シリカ粒子の表面の
一部または全部にシラン化合物の加水分解物が保持され
た状態にあり、これにより表面特性が改質されているこ
とを意味する。なお、加水分解物の縮合反応が進んだも
のが同時に保持されているシリカ粒子も含まれる。本発
明におけるこの表面修飾は、代表的には、シリカ粒子存
在下にシラン化合物の加水分解、または加水分解と縮合
反応を生じせしめることにより容易に行うことができ
る。
【0031】シリカ粒子としては、例えばコロイダルシ
リカが使用できる。シリカの平均粒径は通常1nm〜1
μmであり特に限定されるものではないが、好ましい平
均粒径は10nm〜500nmである。コロイダルシリ
カを用いる場合、その分散媒は特に限定されないが、通
常、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブタノールのようなアルコール類;セロソル
ブ類;ジメチルアセトアミド、キシレン等が使用され
る。特に好ましい分散媒は、アルコール類、セロソルブ
類および水である。
【0032】一般式(I)で表わされるシラン化合物と
しては、例えば、p−ビニルフェニルトリメトキシシラ
ン、p−ビニルフェニルトリエトキシシラン、p−ビニ
ルフェニルトリイソプロポキシシラン、p−ビニルフェ
ニルメチルジメトキシシラン、p−ビニルフェニルメチ
ルジエトキシシラン、p−ビニルフェニルエチルジメト
キシシラン、p−ビニルフェニルプロピルジメトキシシ
ラン、p−ビニルフェニルフェニルジメトキシシラン、
p−ビニルフェニルジメチルメトキシシラン、o−ビニ
ルフェニルトリメトキシシラン、o−ビニルフェニルメ
チルジメトキシシラン、m−ビニルフェニルトリメトキ
シシラン、o−ビニルフェニルメチルジメトキシシラ
ン、p−イソプロペニルフェニルトリメトキシシラン、
p−イソプロペニルフェニルメチルジメトキシシラン、
m−イソプロペニルフェニルトリメトキシシラン、m−
イソプロペニルフェニルメチルジメトキシシラン等ある
いはこれらの混合物を挙げることができる。
【0033】このうち好ましいシラン化合物は、p−ビ
ニルフェニルトリメトキシシラン、p−ビニルフェニル
トリエトキシシラン、p−ビニルフェニルメチルジメト
キシシラン、p−ビニルフェニルメチルジエトキシシラ
ン、p−ビニルフェニルジメチルメトキシシランであ
り、更に好ましいシラン化合物は、p−ビニルフェニル
トリメトキシシラン、p−ビニルフェニルメチルジメト
キシシランである。
【0034】シリカ粒子としてコロイダルシリカを用い
る場合は、一般式(I)で表わされるシラン化合物をコ
ロイダルシリカの分散液中に混合して、系中の水または
新たに加える水により加水分解すれば、この加水分解物
で表面が修飾されたシリカ粒子(b)が得られる。シラ
ン化合物の加水分解反応を行う際の触媒として、無機酸
または有機酸を使用することが可能である。無機酸とし
ては、例えば塩酸、弗化水素酸、臭化水素酸等のハロゲ
ン化水素酸や硫酸、硝酸、リン酸等が用いられる。有機
酸としては、蟻酸、酢酸、シュウ酸、アクリル酸、メタ
クリル酸等が挙げられる。
【0035】シラン化合物の加水分解反応系には、反応
を温和に、かつ均一に行うために溶媒を用いることがで
きる。この溶媒としては、反応物であるシランアルコキ
シドと水、触媒を相容させ得るものが望ましい。具体的
には、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール等のアルコール類;アセトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン
等のエーテル類を挙げることができる。これら溶媒とし
て、前述したコロイダルシリカの分散媒をそのまま用い
てもよいし、新たに必要量加えてもよい。溶媒の使用量
は反応物を均一に溶解できる量であれば特に制限はない
が、反応物の濃度が希薄になりすぎると、反応速度が著
しく遅くなるおそれがある。シラン化合物の加水分解と
縮合反応は、室温〜120℃程度の温度で30分〜24
時間程度の条件下で、好ましくは室温〜溶媒の沸点程度
の温度で1〜10時間程度の条件下で行われる。
【0036】成分(b)における配合比は特に制限され
ないが、シリカ粒子(コロイダルシリカの場合はその固
形分)100重量部に対し、一般式(I)で表わされる
シラン化合物を好ましくは5〜200重量部、更に好ま
しくは25〜100重量部用いる。また成分(a)と成
分(b)の配合比も特に制限されないが、成分(b)に
おけるシリカ粒子(コロイダルシリカの場合はその固形
分)100重量部に対し、成分(a)を好ましくは5〜
1000重量部、更に好ましくは20〜200重量部用
いる。
【0037】本発明の被覆用組成物における光重合開始
剤(c)としては、成分(a)の重合反応を生起させ得
るものであれば特に限定されない。具体的に例示する
と、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、
ベンゾインイソブチルエーテル、アセトイン、ブチロイ
ン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メト
キシベンゾフェノンなどのカルボニル化合物;テトラメ
チルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジ
スルフィド等の硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のア
ゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリー
ブチルパーオキサイド等のパーオキサイド化合物;トリ
メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベ
ンゾイルジエトキシホスフィンオキサイド等のホスフィ
ンオキサイド化合物等が挙げられる。これらの重合開始
剤は単独で使用しても良いし、二種以上組み合わせて用
いても良い。光重合開始剤(c)の配合量は、成分
(a)100重量部に対し、0.01〜10重量部が好
ましい。
【0038】本発明の被覆用組成物は、基本的には有機
溶剤を含有しないものとして提供すればよいが、必要で
あれば有機溶剤(d)を含有したものとして提供しても
よい。この有機溶剤(d)としては、成分(a)と光重
合開始剤(c)と均一混合可能であり、かつ成分(b)
を均一分散可能な溶剤が使用される。常圧での沸点が5
0℃以上200℃以下であり、常温(25℃)での粘度
が10センチポイズ以下である等の条件を満たすものが
適当である。具体的には、エタノール、イソプロピルア
ルコール、ノルマルプロピルアルコール、ノルマルブチ
ルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール
類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオキサン等の
エーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、
N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、これらの
有機溶剤は単独でまたは2種以上を混合して使用するこ
とができる。
【0039】また更に、本発明の被覆用組成物において
は、必要に応じて表面平滑剤、界面活性剤、紫外線吸収
剤、貯蔵安定剤などの各種添加剤を適宜添加して使用す
ることができる。
【0040】本発明の被覆用組成物を得る方法は特に限
定されるものではないが、例えば、コロイダルシリカの
分散液に一般式(I)で表わされるシラン化合物および
必要ならば水や触媒を混合し、前述した反応条件で反応
させ、この反応後の液中に成分(a)を混合し、次いで
コロイダルシリカの分散媒およびシラン化合物の加水分
解反応で生成した揮発分を除去し、その後光重合開始剤
(c)および必要ならば他の添加剤を加える方法が特に
好ましい。
【0041】この被覆用組成物を各種成形物の表面に塗
布する方法としては、刷毛塗り法、流延法、ローラーコ
ート法、バーコート法、噴霧コート法、エアーナイフコ
ート法、ディッピング法等が挙げられるが特に限定され
ない。被覆用組成物の成形品表面に対する塗布量として
は、膜厚が1〜30μmの厚みになるように塗布するの
が適当である。膜厚が1μm未満の場合は耐摩耗性に劣
り、膜厚が30μmを越える場合には硬化被膜にクラッ
ク等が入り易い傾向にあり好ましくない。この様な方法
で形成した塗膜に紫外線等を照射し硬化させることによ
って、良好な硬化被膜が形成できる。
【0042】本発明により、その表面に被膜が形成され
る成形物は、表面の耐摩耗性等の向上が求められる公知
の各種成形物である。特に合成樹脂成形物が代表的に挙
げられ、例えばポリメチルメタクリレート、メチルメタ
クリレートを主構成成分とする共重合体、ポリスチレ
ン、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート、セ
ルロースアセテートブチレート樹脂、ポリアクリルジグ
リコールカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ
エステル樹脂等が好ましい。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。ただし、本発明は実施例に限定されるものではな
い。また、実施例中の各種物性の測定および評価は、以
下に示す方法で行った。
【0044】1)耐擦傷性 000番スチールウールを25φ円形パッドに装着し、
往復式摩耗試験機台上に保持された試料表面に、このパ
ッドを置いて荷重1000g下で100回往復擦傷し
た。この試料を洗浄した後、ヘーズメーターで曇価を測
定した。耐スチールウール擦傷性(%)は、(擦傷後曇
価)−(擦傷前曇価)で示される。
【0045】2)耐摩耗性 テーバー摩耗試験法により、CS−10F摩耗輪と50
0gの重量のおもりを組み合わせ、100回転させたと
きの曇価をヘーズメーターで測定した。なお、曇価の測
定は摩耗サイクルの軌道の回り4か所で行い、平均値を
算出した。テーバー摩耗性(%)は、(テーバー試験後
曇価)−(テーバー試験前曇価)で示される。
【0046】3)被膜の密着性 サンプルをカミソリの刃で1mm間隔に縦・横11本づ
つ切り目を入れて100個のゴバン目をつくり、市販セ
ロハンテープをよく密着させた後、90°手前方向に急
激にはがした時、被膜が剥離せずに残存したときのます
目数(x)をx/100で表示する。
【0047】4)外観 帯色、ブツ、クラック、くもりなどの欠陥について目視
にて判定し、次のように評価した。 ○… 特に目立った欠陥無し。 ×… ΔYI値として4.0以上の黄帯色またはクラッ
ク、くもりなどの発生がみられる。
【0048】5)耐候性 サンシャインウエザーメーター(スガ試験機(株)WE
L−SUN−DC型)を用いてブラックパネル温度63
℃で降雨12分−乾燥48分のサイクルで2000時間
暴露後、外観の評価を行った。
【0049】6)耐水性 80℃の水中に25日間試験片を浸漬した後に、外観、
密着性の評価を行った。
【0050】<実施例1>イソプロピルアルコール分散
型コロイダルシリカ(シリカ含量30重量%、触媒化成
工業(株)製、商品名OSCAL−1432)100重
量部に、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン(以
下、VPTMSと略す)11.2重量部、0.01規定
の塩酸水溶液3重量部を加え、40℃で1時間攪拌し
た。その後、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
(以下、C6DAと略す)45重量部を加え、減圧下で
揮発分をすべて留去した。次いでこれに、光重合開始剤
としてトリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキ
サイド(以下、APOと略す)2.4重量部およびベン
ゾフェノン(以下、BNPと略す)0.8重量部、紫外
線吸収剤として2−(2−ヒドロキシ−5−tert−
ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(チバガイギー社
製、商品名チヌビン−PS)5重量部を加えて溶解さ
せ、被覆用組成物とした。
【0051】この被覆用組成物をポリカーボネート板
(三菱レイヨン社製、商品名ダイヤライト、厚さ1m
m)に塗布し、その上からポリエステルフィルム(ダイ
ヤホイル社製、厚さ50μm)をかぶせながら、スポン
ジロールを用いて密圧着し、塗布膜の厚みが約7μmに
なる様によくしごいた。次いで、照射幅13cmに調整
された120W/cmのメタルハライドランプ(平行型
リフレクター付、オゾンレスタイプ、被射体との距離3
0cm)の下を、2m/分のスピードでポリエステルフ
ィルム面側が照射されるよう通過させた。次いで、ポリ
エステルフィルムのみを剥離し、更に120W/cmの
高圧水銀灯(平行型リフレクター付、オゾンタイプ、照
射幅13cm、被射体とランプの距離30cm)の下を
2m/分の速度で通過させ、被覆用組成物の硬化膜によ
り表面が保護された樹脂板を得た。
【0052】この樹脂板の硬度、密着性、外観、耐候
性、耐水性について上述した方法に従い評価した。その
結果を表2に示す。
【0053】<実施例2〜10および比較例1〜5>表
1に示す各種組成の被覆用組成物を実施例1と同様の方
法で調製し、ポリカーボネート板(三菱レイヨン社製、
商品名ダイヤライト、厚さ1mm)またはポリメチルメ
タクリレート板(三菱レイヨン社製、商品名アクリライ
ト、厚さ1mm)の上に実施例1と同様にして塗布およ
び硬化させることによって、硬化膜で表面が保護された
樹脂板を得た。これらの樹脂板についても実施例1と同
様に評価した。その結果を表2に示す。
【0054】<実施例11>イソプロピルアルコール分
散型コロイダルシリカ(シリカ含量30重量%、触媒化
成工業(株)製、商品名OSCAL−1432)100
重量部に、VPTMS11.2重量部、0.01規定の
塩酸水溶液3重量部を加え、40℃で1時間攪拌した。
その後、ビス(アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシ
エチルイソシアヌレート(東亜合成(株)製、商品名ア
ロニックスM−215)40重量部、C6DA10重量
部、およびイソブチルアルコール60重量部を加え、よ
く攪拌した。次いで、これに光重合開始剤としてAPO
2.4重量部およびBNP0.8重量部、紫外線吸収剤
として2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール(チバガイギー社製、商品
名チヌビン−PS)5重量部を加えて溶解させ、被覆用
組成物とした。
【0055】次いで、この被覆用組成物をポリカーボネ
ート板(三菱レイヨン社製、商品名ダイヤライト、厚さ
1mm)に0.3cm/秒の速度で浸漬塗布して、被膜
を形成し、室温雰囲気中で10分間放置し、溶剤を蒸発
させた。次いで、ポリエステルフィルムをかぶせない点
および高圧水銀灯照射時の被写体とランプの距離を15
cm、通過速度を1.5m/分とした点以外は実施例1
と同様にして照射を行い、被覆用組成物の硬化膜により
表面が保護された樹脂板を得た。この樹脂板についても
実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
【0056】
【表1】 (表1中の略号) C6DA :1,6−ヘキサンジオールジアクリレート THFA :テトラヒドロフルフリルアクリレート DEGDA:ジエチレングリコールジアクリレート TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート M−215:ビス(アクリロイルオキシエチル)ヒドロ
キシエチルイソシアヌレート(東亜合成(株)製、商品
名アロニックスM−215) TAS :トリメチロールエタン/アクリル酸/コハ
ク酸(モル比2/4/1)の縮合物 S−1 :イソプロピルアルコール分散型コロイダル
シリカ(シリカ含量30重量%、触媒化成工業(株)
製、商品名OSCAL−1432) S−2 :水分散型コロイダルシリカ(シリカ含量2
0重量%、日産化学工業(株)製、商品名スノーテック
スO) VPTMS:p−ビニルフェニルトリメトキシシラン VPDMS:p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラ
ン MPTMS:γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン APO :トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキサイド BNP :ベンゾフェノン HOB :2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベン
ゾフェノン BBE :ベンゾインイソブチルエーテル チヌビンPS:2−(2−ヒドロキシ−5−tert−
ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(チバガイギー社
製)
【0057】
【表2】 (表2中の略号) PC :ポリカーボネート PMMA :ポリメチルメタクリレート
【0058】
【発明の効果】本発明の被覆用組成物は、溶剤を用いな
くとも塗布可能であり、これを塗布硬化して形成する被
覆膜は、耐摩耗性、耐擦傷性に優れ、外観も良好であ
る。また更には、優れた耐候性や耐水性をも発現し、膜
のクラック等の発生防止にも有効である。
【0059】また本発明の表面被覆成形物は、その表面
が上述の硬化被複膜で覆われているので、例えば合成樹
脂成形品において従来より問題であったキズによる審美
性の低下等の各種問題を解消できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数
1〜3のアルキル基またはフェニル基、R3 は水素原子
または炭素数1〜10の炭化水素残基、nは0〜2の整
数を表わす。)で表わされるシラン化合物の加水分解物
で表面が修飾されたシリカ粒子、および、 (c)光重合開始剤からなる被覆用組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【化2】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数
1〜3のアルキル基またはフェニル基、R3 は水素原子
または炭素数1〜10の炭化水素残基、nは0〜2の整
数を表わす。)で表わされるシラン化合物の加水分解物
で表面が修飾されたシリカ粒子、および、 (c)光重合開始剤からなる被覆用組成物である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】次いで、この被覆用組成物をポリカーボネ
ート板(三菱レイヨン社製、商品名ダイヤライト、厚さ
1mm)に0.3cm/秒の速度で浸漬塗布して、被膜
を形成し、80℃で10分間放置し、溶剤を蒸発させ
た。次いで、ポリエステルフィルムをかぶせない点およ
び高圧水銀灯照射時の被写体とランプの距離を15c
m、通過速度を1.5m/分とした点以外は実施例1と
同様にして照射を行い、被覆用組成物の硬化膜により表
面が保護された樹脂板を得た。この樹脂板についても実
施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 博之 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)分子中に少なくとも2個のアクリ
    ロイルオキシ基および/またはメタクリロイルオキシ基
    を有する架橋重合性化合物(a-1) 、または該架橋重合性
    化合物(a-1) 50重量%以上とこれと共重合可能な化合
    物(a-2) とから成る混合物、 (b)一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数
    1〜3のアルキル基またはフェニル基、R3 は水素原子
    または炭素数1〜10の炭化水素残基、nは0〜2の整
    数を表わす。)で表わされるシラン化合物の加水分解物
    で表面が修飾されたシリカ粒子、および、 (c)光重合開始剤からなる被覆用組成物。
  2. 【請求項2】 更に(d)有機溶剤を含む請求項1記載
    の被覆用組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の被覆用組成物の
    硬化物で表面が被覆された成形物。
JP4252764A 1992-09-22 1992-09-22 被覆用組成物および表面被覆成形物 Expired - Fee Related JP3025587B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4252764A JP3025587B2 (ja) 1992-09-22 1992-09-22 被覆用組成物および表面被覆成形物
PCT/JP1993/001352 WO1994006835A1 (en) 1992-09-22 1993-09-21 Coating material composition and molded article having its surface coated therewith

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4252764A JP3025587B2 (ja) 1992-09-22 1992-09-22 被覆用組成物および表面被覆成形物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06100798A true JPH06100798A (ja) 1994-04-12
JP3025587B2 JP3025587B2 (ja) 2000-03-27

Family

ID=17241973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4252764A Expired - Fee Related JP3025587B2 (ja) 1992-09-22 1992-09-22 被覆用組成物および表面被覆成形物

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP3025587B2 (ja)
WO (1) WO1994006835A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999055789A1 (fr) * 1998-04-24 1999-11-04 Catalysts & Chemicals Industries Co., Ltd. Liquide de revetement utilise pour former un film a base de silice presentant une faible constante dielectrique et substrat sur lequel est couche un film a faible constante dielectrique
KR100618301B1 (ko) * 1998-09-01 2006-08-31 쇼꾸바이 카세이 고교 가부시키가이샤 낮은 유전상수를 지니는 실리카-포함 필름을 형성하기위한 코팅 액체 및 그의 필름으로 코팅된 기질
KR100618304B1 (ko) * 1998-09-25 2006-08-31 쇼꾸바이 카세이 고교 가부시키가이샤 낮은 유전상수를 지니는 실리카-포함 필름을 형성하기위한 코팅 액체 및 그의 필름으로 코팅된 기질

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6790904B2 (en) * 2002-06-03 2004-09-14 Ppg Industries Ohio, Inc. Liquid coating of film-forming resin and particles chemically modified to lower surface tension

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5632510A (en) * 1979-08-27 1981-04-02 Sumitomo Chem Co Ltd Radically curable composition
GB2089826B (en) * 1980-12-18 1985-01-03 Gen Electric Abrasion resistant ultraviolet light curable hard coating compositions
JPS59104306A (ja) * 1982-12-08 1984-06-16 Tokuyama Soda Co Ltd 歯科用組成物
JPS62169806A (ja) * 1986-01-22 1987-07-27 Toagosei Chem Ind Co Ltd 光硬化型嫌気性組成物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999055789A1 (fr) * 1998-04-24 1999-11-04 Catalysts & Chemicals Industries Co., Ltd. Liquide de revetement utilise pour former un film a base de silice presentant une faible constante dielectrique et substrat sur lequel est couche un film a faible constante dielectrique
US6562465B1 (en) * 1998-04-24 2003-05-13 Catalysts & Chemicals Industries Co., Ltd. Coating liquid for forming a silica-containing film with a low-dielectric constant and substrate coated with such a film
KR100600630B1 (ko) * 1998-04-24 2006-07-13 쇼쿠바이가세고교 가부시키가이샤 저유전율 실리카계 피막 형성용 도포액 및 저유전율피막으로 도포된 기재
KR100618301B1 (ko) * 1998-09-01 2006-08-31 쇼꾸바이 카세이 고교 가부시키가이샤 낮은 유전상수를 지니는 실리카-포함 필름을 형성하기위한 코팅 액체 및 그의 필름으로 코팅된 기질
KR100618304B1 (ko) * 1998-09-25 2006-08-31 쇼꾸바이 카세이 고교 가부시키가이샤 낮은 유전상수를 지니는 실리카-포함 필름을 형성하기위한 코팅 액체 및 그의 필름으로 코팅된 기질

Also Published As

Publication number Publication date
WO1994006835A1 (en) 1994-03-31
JP3025587B2 (ja) 2000-03-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0696621B1 (en) Coating composition and surface-coated molding produced therewith
CN102471453B (zh) 具有高透明度的耐刮涂覆的聚碳酸酯,其制备方法及其用途
EP0832917A1 (en) Molded resin articles having marproof organic hard coat layer and nonfogging organic hard coat layer, process for the production of the same, and coating materials therefor
EP0869154A1 (en) Coating composition forming wear-resistant coat and article covered with the coat
US5449702A (en) Coating composition and process for producing abrasion-resistant synthetic resin molded articles
JPH06506718A (ja) Uv硬化性ハードコート組成物と製造方法
JP3247266B2 (ja) 被覆用組成物、それを用いた表面被覆成形物、及びその製造方法
JP3218132B2 (ja) 表面硬化皮膜の形成方法
JP3035468B2 (ja) 被覆用組成物、それを用いた表面被覆成形物
JP3025587B2 (ja) 被覆用組成物および表面被覆成形物
JP2000063549A (ja) 耐摩耗性薄膜を有する薄型物品、及び光学ディスク
JP3187603B2 (ja) 被覆用組成物および表面被覆成形物
JP4299513B2 (ja) 被覆材組成物および物品
JP6594558B2 (ja) 放射線硬化性コーティング組成物、耐引掻性コーティングを製造する方法、コーティング組成物を使用する方法、およびコーティング組成物でコー
JP3088511B2 (ja) 被覆用組成物及び表面被覆物品
JP3819245B2 (ja) 被覆用硬化性組成物、被覆物品、および自動車用外板
JP3718563B2 (ja) コーティング剤及び硬化塗膜を有する樹脂成形品
US5494645A (en) Process for producing abrasion-resistant synthetic resin molded articles
EP0331087A2 (en) Ultraviolet-curing coating composition and production process of molded plastic article having hardened coating of modified surface characteristics
JP3179932B2 (ja) 被覆用組成物および表面被覆成形物
JP3782670B2 (ja) 被覆用硬化性組成物、被覆物品、自動車用外板、および活性エネルギー線硬化性組成物
JPH05179157A (ja) 活性エネルギ−線硬化性塗料組成物
JP3027263B2 (ja) 被覆用組成物および表面被覆成形物
JP2798261B2 (ja) 紫外線硬化型ポリカーボネート樹脂被覆用組成物および表面特性を改質した硬化被膜を有するプラスチック成形品の製造方法
JP3894633B2 (ja) 樹脂組成物及びその硬化物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080121

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090121

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees