JP3027263B2 - 被覆用組成物および表面被覆成形物 - Google Patents

被覆用組成物および表面被覆成形物

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JP3027263B2
JP3027263B2 JP4095501A JP9550192A JP3027263B2 JP 3027263 B2 JP3027263 B2 JP 3027263B2 JP 4095501 A JP4095501 A JP 4095501A JP 9550192 A JP9550192 A JP 9550192A JP 3027263 B2 JP3027263 B2 JP 3027263B2
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直己 山本
信博 向
章 中田
仁 位下
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化することにより耐
摩耗性、耐擦傷性並びに耐溶剤性に優れた被覆膜を形成
しうる被覆用組成物、およびこの被覆用組成物の硬化膜
により被覆された合成樹脂成形品等の表面被覆成形物に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、透明板ガラスの代替として耐破砕
性の高い透明プラスチック材料を使用することが広く行
なわれている。しかし透明プラスチック材料は、ガラス
に比較して表面が柔らかいので、摩耗し易く、引っ掻き
傷を受け易いという重大な欠点を有する。
【0003】そこで従来より、プラスチック材料の耐摩
耗性を改良すべく多くの試みが為されてきた。これらの
うち最も一般的な方法の一つに、例えば特開昭53−1
02936号、同53−104638号、同54−97
633号公報等に記載される様な、分子中に複数の(メ
タ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を合成樹脂成
形品の表面に塗布し、熱または紫外線等の活性エネルギ
ー線で硬化せしめ、耐擦傷性の優れた表面被覆成形品を
得る方法がある。この従来法は、硬化液も比較的安価で
生産性にも優れている。しかし、この被覆膜は有機物な
ので耐摩耗性には限界があるのが現状である。
【0004】一方、より高い表面硬度を成形品に付与す
べく、例えば特開昭48−26822号、同59−64
671号公報等に記載される様な、アルコキシシラン化
合物をプラスチック成形品表面に塗布し熱により硬化さ
せる方法がある。また、例えば特開昭56−10696
9号、特開平2−272041号公報等に記載される様
な、コロイダルシリカと有機樹脂の混合物をプラスチッ
ク成形品表面に塗布し熱により硬化させる方法がある。
しかしながら、これらの方法では溶剤を用いるので乾燥
工程が必要となってしまう。更には、被覆成形品の外観
にも問題が生じ易く、熱により硬化させる必要があるの
でエネルギー消費量が大きく硬化に長時間を要するため
工業的に不利である。
【0005】更に、特公平2−60696号公報には、
ガラス粉、微粉シリカ、コロイダルシリカ等の粉末状無
機充填剤と、多官能(メタ)アクリレートとを主成分と
するプラスチック被覆用組成物についての記載が有る。
しかしこの被覆用組成物は、多官能(メタ)アクリレー
ト中における粉末状無機充填剤(シリカ等)の分散性が
良くないので、組成物中の無機充填剤の含有率を高くで
きない。したがって、無機充填剤の含有率を低くした場
合にのみ、この被覆用組成物は塗布液としての操作性を
呈する。ただし、この場合は無機充填剤の含有率が低い
等に因り被覆膜の表面硬度が劣る。一方、この表面硬度
を向上させるべく無機充填剤の含有率を高くすると、こ
の組成物は流動性の無いゲル状物となり、これを塗布す
るには溶剤(希釈剤)を用いなければならず、光硬化ま
たは熱硬化に先んじて乾燥工程が必要となり生産性に劣
ることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の従来技
術における課題等を解決すべくなされたものである。す
なわち本発明の目的は、溶剤を用いなくとも塗布可能な
被覆用組成物であって、硬化により耐摩耗性、耐擦傷性
並びに耐溶剤性に優れ、表面硬度が高く外観も良好な被
覆膜を形成できる被覆用組成物、およびこの被覆用組成
物の硬化物で表面が被覆された成形物を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)分子中
に少なくとも2個のアクリロイルオキシ基および/また
はメタクリロイルオキシ基を有する架橋重合性化合物(a
-1) 、または該架橋重合性化合物(a-1) 50重量%以上
とこれと共重合可能な化合物(a-2) とから成る混合物、
(b)ビニル単量体から生成した重合体で表面が修飾さ
れた無機充填剤および(c)重合開始剤からなる被覆用
組成物である。
【0008】更にもう一つの本発明は、上記被覆用組成
物の硬化物で表面が被覆された成形物である。
【0009】
【作用】本発明においては、無機充填剤(b)の表面が
ビニル単量体から生成した重合体により修飾されている
ので、無機充填剤(b)と架橋重合性化合物(a-1) との
相溶性が向上する作用を奏する。したがって、無機充填
剤(b)の含有率を高くしても良好な分散状態が保た
れ、耐摩耗性の向上等の上記目的を達成し得る。また更
には、重合体が無機充填剤(b)の表面に強固に合一化
することによって、この硬化被覆膜が優れた耐候性、耐
水性を発現し、膜のクラック等の発生防止にもなる。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】本発明の被覆用組成物における重合成分
(a)は、分子中に少なくとも2個のアクリロイルオキ
シ基および/またはメタクリロイルオキシ基(以下(メ
タ)アクリロイルオキシ基と略す)を有する架橋重合性
化合物(a-1) である。またこの重合成分(a)は、架橋
重合性化合物(a-1) 50重量%以上とこれと共重合可能
な化合物(a-2) とから成る混合物であってもよい。
【0012】この分子内に少なくとも2個の(メタ)ア
クリロイルオキシ基を有する架橋重合性化合物(a-1)
は、(メタ)アクリロイルオキシ以外の部分である残基
が炭化水素またはその誘導体であり、その分子内にはエ
ーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド
結合、ウレタン結合等を含んでいてもよい。
【0013】この架橋重合性化合物(a-1) として、例え
ば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸またはそれら
の誘導体とから得られるエステル化合物、あるいは多価
アルコールと多価カルボン酸と(メタ)アクリル酸また
はそれらの誘導体とから得られるエステル化合物が挙げ
られる。この多価アルコールとしては、例えばエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、平均分子量が約3
00〜約1000のポリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロ
パンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール(即ち2,2−ジメチル−1,3−プロパン
ジオール)、2−エチルヘキシル−1,3−ヘキサンジ
オール、2,2’−チオジエタノール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール等の2価のアルコール;トリメチ
ロールプロパン(即ち1,1,1−トリメチロールプロ
パン)、ペンタグリセロール(即ち1,1,1−トリメ
チロールエタン)、グリセロール、1,2,4−ブタン
トリオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の3価
のアルコール;その他、ペンタエリスリトール(即ち
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパン
ジオール)、ジグリセロール、ジペンタエリスリトール
等が挙げられる。
【0014】そして、多価アルコールのポリ(メタ)ア
クリレートとして得られる架橋重合性化合物(a-1) の例
として、下記一般式(I)
【0015】
【化1】 (式中、nは0〜4を示し、分子中に4個以上存在する
Xは、そのうちの2個以上が(メタ)アクリロイルオキ
シ基を示し、その残りが各々独立に水素原子、水酸基、
アミノ基、アルキル基または置換アルキル基を示す。)
で表わされる化合物が挙げられる。
【0016】この一般式(I)で表わされる化合物は、
具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペ
ンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ト
リペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等
である。
【0017】また架橋重合性化合物(a-1) は、上記一般
式(I)の化合物以外の多価アルコールのポリ(メタ)
アクリレート、例えばジエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、グリセリントリ(メタ)アクリレート等であっても
よい。
【0018】架橋重合性化合物(a-1) として多価アルコ
ールと(メタ)アクリル酸とから得られるエステル化合
物を用いる場合、特に好ましいエステル化合物は、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジ
オールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリア
クリレート、ジペンタグリセロールペンタアクリレート
等である。
【0019】また架橋重合性化合物(a-1) として用い得
る多価アルコールと多価カルボン酸と(メタ)アクリル
酸またはそれらの誘導体とから得られるエステル化合物
は、基本的には、多価アルコールのヒドロキシル基と多
価カルボン酸および(メタ)アクリル酸の両者のカルボ
キシル基とが最終的には当量となるような混合物を反応
させることによって得られる。このエステル化合物のう
ち好ましいものは、多価アルコールとして、2価のアル
コール、3価のアルコール、または2の価アルコールと
3価のアルコールとの混合物を用い、多価カルボン酸と
して、2価カルボン酸を用いて得られたエステル化物が
挙げられる。3価のアルコールと2価のアルコールの混
合物を用いる場合は、3価のアルコールと2価のアルコ
ールとのモル比は任意に選べばよい。また、2価カルボ
ン酸と(メタ)アクリル酸とを併用する場合のモル比
は、(メタ)アクリル酸のカルボキシル基1モルに対し
て2価カルボン酸のカルボキシル基が2モル以下の範囲
内とすることが好ましい。2価カルボン酸が上記の範囲
より過剰の場合には、生成するエステルの粘度が高くな
り過ぎて塗膜の形成に困難を生ずる場合がある。
【0020】上述のエステル化合物の合成に用いる2価
カルボン酸またはその誘導体としては、例えばコハク
酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン
酸;テトラヒドロフタル酸、3,6−エンドメチレンテ
トラヒドロフタル酸などの脂環族ジカルボン酸;フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボ
ン酸;その他、チオジグリコール酸、チオジバレリン
酸、ジグリコール酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、およびこれらの塩化物、無水物並びにエステル等を
挙げることができる。
【0021】架橋重合性化合物(a-1) として用いる上述
のエステル化合物の具体例は、マロン酸/トリメチロー
ルエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロ
ールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセ
リン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリ
トール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロー
ルエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロ
ールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリセ
リン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリスリ
トール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロ
ールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメ
チロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/
ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン
酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/ト
リメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸
/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、グル
タル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸
/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバシ
ン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セ
バシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル
酸、セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、セ
バシン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル
酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリ
ル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)ア
クリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル
酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリ
ル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)ア
クリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メ
タ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/
(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロール
エタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセ
リン/(メタ)アクリル酸等の化合物の組み合わせによ
る飽和または不飽和ポリエステルポリアクリレートまた
はポリメタクリレート等である。
【0022】更に架橋重合性化合物(a-1) として、例え
ばトリメチロールプロパントルイレントリイソシアネー
ト、下記一般式(II)
【0023】
【化2】 (式中、Rは各々独立に、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルエタンジ
イソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’
−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イ
ソホロンジイソシアネートまたはトリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネートの残基を示す。)で表わされる化
合物等のポリイソシアネートと、活性水素を有するアク
リル系単量体(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル
(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリ
ルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド等)
とを、イソシアネート基1モル当たりアクリル系単量体
1モル以上を常法により反応させて得られるウレタン
(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等のポ
リ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレ
ートが挙げられる。
【0024】本発明の被覆用組成物における重合成分
(a)は、先に述べたように架橋重合性化合物(a-1) 5
0重量%以上とこれと共重合可能な化合物(a-2) とから
成る混合物であってもよい。この共重合可能な化合物(a
-2) としては、例えば分子中に1個の(メタ)アクリロ
イルオキシ基を有する化合物等が用いられる。具体的に
は、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソ
−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)ア
クリレート、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、
1,4−ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカル
ビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−
クロロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリ
ルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、2,
2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、
2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アク
リレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル
(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリルアミド、ヒドロキシメチルジアセトン(メタ)
アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチル
(メタ)アクリルアミド、下記一般式(III) または(I
V)
【0025】
【化3】 (一般式III およびIV中、nは1〜10を示し、Xは
(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、Rはアルキル
基、置換アルキル基、フェニル基、置換フェニル基、ベ
ンジル基または置換ベンジル基を示す。)で表わされる
モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0026】この一般式III またはIVで表わされるモノ
(メタ)アクリレートとしては、例えばメトキシジエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエ
チレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシ
エチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0027】更に共重合可能な化合物(a-2) として、例
えばβ−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲ
ンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチル
ハイドロゲンサクシネート、β−(メタ)アクリロイル
オキシプロピルハイドロゲンサクシネート、および公知
の各種エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メ
タ)アクリレート等も挙げられる。
【0028】本発明の被覆用組成物における無機充填剤
(b)は、ビニル単量体から生成した重合体で表面が修
飾されたものである。ここで「重合体で表面が修飾され
た」とは、無機化合物の表面の一部または全部に何等か
の手段によって重合体を固着させることにより表面特性
を改質したことを意味する。したがって無機充填剤
(b)は、例えば粉末状無機化合物と、その表面にグラ
フト化や吸着等により固着された重合体とから成る。
【0029】無機充填剤(b)の基材となる粉末状無機
化合物としては、例えば二酸化ケイ素(無定形シリカ、
ホワイトカーボン、コロイダルシリカ等)、酸化アルミ
ニウム、酸化チタン等が挙げられる。これらのうち二酸
化ケイ素が好ましい。また、この粉末状無機化合物は、
シランまたはチタン等のカップリング剤で処理されたも
のであってもよい。この粉末状無機化合物の平均粒子径
は0.001〜1μmであることが好ましく、0.00
5〜0.1μmが更に好ましい。
【0030】無機充填剤(b)の表面修飾用重合体を生
成するために用いるビニル単量体としては、ラジカル重
合可能な公知の各種ビニル単量体が使用できる。例え
ば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブ
チルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト等のメタクリル酸エステル類;メチルアクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル類;アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不
飽和カルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の
酸無水物;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシ
ルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド等のマレイミ
ド誘導体;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト等のヒドロキシ基含有単量体;アクリルアミド、メタ
クリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、ジアセトンアクリルアミド、ジメチルアミノエチル
メタクリレート等の窒素含有単量体;アリルグリシジル
エーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレート等のエポキシ基含有単量体;スチレン、α−メ
チルスチレン等のスチレン系単量体;ビニルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン等のケイ素含有単量体;エチレングリコール
ジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジビ
ニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト等の架橋剤;およびこれらビニル単量体の混合物が挙
げられる。これらのうち好ましいのは、メタクリル酸エ
ステル、アクリル酸エステル、およびメタクリル酸エス
テルおよび/またはアクリル酸エステルを主成分とする
単量体混合物である。更に、最も好ましいのはメタクリ
ル酸メチル、およびメタクリル酸メチルを主成分とする
単量体混合物である。
【0031】無機充填剤(b)において、粉末状無機化
合物に対する重合体の重量比は所望により広範囲に変更
できる。ただし重合体:無機化合物(重量比)は、好ま
しくは1:500乃至5:1、更に好ましくは1:50
乃至1:1である。
【0032】無機化合物の表面を重合体で修飾して無機
充填剤(b)を得る方法としては、従来より公知の各種
方法を用いることができる。すなわち、反応性単量体の
存在下で無機化合物を粉砕して有機重合体をグラフト化
させる機械化学的方法、無機化合物に高エネルギー放射
線を照射して有機重合体をグラフト化させる放射線法、
無機化合物の分散系中で無機化合物に重合開始剤を電気
的に吸着させた後ビニル単量体の重合を行う方法(高分
子論文集、40巻、259頁、1983年)、無機化合
物粒子にヒドロキシプロピルセルロースを吸着させた後
ビニル単量体の重合を行い無機粒子表面に有機重合体を
被覆させカプセル化する方法(高分子論文集、40巻、
697頁、1983年)、無機化合物をシランカップリ
ング剤で処理した後シランカップリング剤と有機重合体
あるいは単量体を反応させる方法(J.Polym.S
ci.、28巻、1923頁、1990年、等)、カル
ボン酸またはスルホン酸系単量体の存在下にしかも無機
化合物を分散させた重合系中でビニル単量体を無触媒ま
たは重合開始剤を用いて重合せしめる方法(特開昭57
−149314号、同57−115412号、同62−
50313号)等により無機充填剤(b)を得ることが
できる。
【0033】上述の方法のうち本発明に最も好ましく用
いられるのは、工程の容易さ、製造コストおよび無機化
合物と有機重合体との間の結合の強固さ等の点から、カ
ルボン酸系単量体の存在下に無機化合物を分散させた重
合系中で、ビニル単量体を無触媒または重合開始剤を用
いて重合せしめる方法である。以下、この好ましい方法
について説明する。
【0034】この方法において用いられるカルボン酸系
単量体としては、重合活性をもたらす活性サイトとして
カルボン酸基を有し、かつ生成重合体と無機化合物との
強固なる合一性を発現させる活性サイトとしての二重結
合の存在が必須であり、これら官能基を有する化合物が
すべて適用できる。具体的は、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、チグリン酸、ケイ皮酸、マレイン酸等
が挙げられるが、特にアクリル酸およびメタクリル酸が
極めて重合活性が高く好ましい。
【0035】この方法において用いられるビニル単量体
としては、通常のラジカル重合し得るビニル単量体はい
ずれも適用できるが、なかでもメチルメタクリレートが
特に重合活性が高く、しかも生成重合体と無機化合物と
の合一性が良好であるため特に好ましい。二種以上の単
量体の混合物を使用する場合、メチルメタクリレートを
その一成分とすることは、特に重合活性の面から好まし
い。
【0036】この方法において、カルボン酸系単量体
は、無機化合物およびビニル単量体の合計量100重量
部に対し約0.05〜100重量部、好ましくは0.1
〜50重量部、特に好ましくは0.5〜30重量部の量
で使用される。無機化合物に対する単量体(カルボン酸
系単量体およびビニル単量体)の重量比は広範囲に変え
ることができる。ただし重合体:無機化合物(重量比)
は、約500:1乃至1:5、好ましくは約50:1乃
至1:1である。
【0037】反応は、好ましくは無機化合物を媒体中も
しくは無媒体中に分散させた後、カルボン酸系単量体お
よびビニル単量体を添加、攪拌して無機化合物に単量体
混合物を均質に接触させ、例えば窒素等の不活性ガスの
雰囲気下において、30分間乃至約48時間、約10〜
100℃、好ましくは20〜80℃の温度で行われる。
【0038】特にこの方法で得られる無機充填剤(b)
は、表面に強固に合一化したビニル単量体から生成した
重合体が架橋重合性化合物(a)との相溶性に優れるの
で、未修飾の無機充填剤が分散不可能な高濃度まで架橋
重合性化合物(a)に分散できる。したがって、特にこ
の被覆用組成物の硬化物は、優れた耐摩耗性および耐擦
傷性を基材に付与させることができる。また更には、ビ
ニル単量体から生成した重合体が無機充填剤表面に特に
強固に合一化しているため、優れた耐候性、耐水性を発
現し、塗膜にクラック等を生じさせることがない。
【0039】本発明の被覆用組成物における無機充填剤
(b)の配合割合は、重合成分(a)100重量部に対
して通常は5乃至200重量部の範囲であるが、好まし
くは5乃至150重量部の範囲であり、より好ましくは
10乃至150重量部の範囲であり、特に好ましくは2
0乃至120重量部の範囲で用いられると本発明で目的
とする性能が特に発現しやすい。
【0040】本発明の被覆用組成物における重合開始剤
(c)としては、架橋重合性化合物(a)の重合反応を
生起させ得るものであれば特に限定されない。具体的に
例示すると、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエ
ーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトイン、
ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、
p−メトキシベンゾフェノンなどのカルボニル化合物;
テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチ
ウラムジスルフィド等の硫黄化合物;アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジター
シャリーブチルパーオキサイド等のパーオキサイド化合
物;トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサ
イド、ベンゾイルジエトキシホスフィンオキサイド等の
ホスフィンオキサイド化合物等が挙げられる。これらの
重合開始剤は単独で使用しても良いし、二種以上組み合
わせて用いても良い。
【0041】重合開始剤(c)の配合割合は、架橋重合
性化合物(a)と無機充填剤(b)の和100重量部に
対して0.001乃至10重量部の範囲が望ましい。好
ましくは0.01乃至10重量部の範囲である。添加量
が多過ぎると硬化被覆膜を着色させたり耐候性を低下さ
せるので好ましくない。
【0042】また、本発明の被覆用組成物においては、
必要に応じて表面平滑剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、
貯蔵安定剤などの各種添加剤を適宜添加して使用するこ
とができる。
【0043】この被覆用組成物を各種成形物の表面に塗
布する方法としては、刷毛塗り法、流延法、ローラーコ
ート法、バーコート法、噴霧コート法、エアーナイフコ
ート法、ディッピング法等が挙げられるが特に限定され
ない。
【0044】この様な方法で形成された塗膜を硬化さ
せ、硬化被複膜を形成する方法としては、紫外線、電子
線等の活性エネルギー線を照射して硬化する方法、熱に
より硬化する方法等が例示できる。基材の種類並びに本
発明の被覆用組成物の各構成成分の態様に応じて適した
方法が採用される。
【0045】被覆用組成物の成形品表面に対する塗布量
としては、膜厚が1〜30μmの厚みになるように塗布
するのが適当である。膜厚が1μm未満の場合は耐摩耗
性に劣り、膜厚が30μmを越える場合には硬化被膜に
クラック等が入り易い傾向にあり好ましくない。
【0046】本発明により、その表面に被膜が形成され
る成形物は、表面の耐摩耗性等の向上が求められる公知
の各種成形物である。特に合成樹脂成形物が代表的に挙
げられ、例えばポリメチルメタクリレート、メチルメタ
クリレートを主構成成分とする共重合体、ポリスチレ
ン、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート、セ
ルロースアセテートブチレート樹脂、ポリアクリルジグ
リコールカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ
エステル樹脂等が好ましい。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。ただし、本発明は実施例に限定されるものではな
い。また、実施例中の各種物性の測定および評価は、以
下に示す方法で行った。
【0048】1)耐擦傷性 000番スチールウールを25φ円形パッドに装着し、
往復式摩耗試験機台上に保持された試料表面に、このパ
ッドを置いて荷重1000g下で100回往復擦傷し
た。この試料を洗浄した後、ヘーズメーターで曇価を測
定した。耐擦傷性(α)は、α=(擦傷後曇価)−(擦
傷前曇価)で示される。
【0049】2)耐摩耗性 テーバー摩耗試験法により、CS−10F摩耗輪と50
0gの重量のおもりを組み合わせ、100回転させたと
きの曇価をヘーズメーターで測定した。なお、曇価の測
定は摩耗サイクルの軌道の回り4か所で行い、平均値を
算出した。耐摩耗性(β)は、β=(テーバー試験後曇
価)−(テーバー試験前曇価)で示される。
【0050】3)被膜の密着性 サンプルをカミソリの刃で1mm間隔に縦・横11本づ
つ切り目を入れて100個のゴバン目をつくり、市販セ
ロハンテープをよく密着させた後、90°手前方向に急
激にはがした時、被膜が剥離せずに残存したときのます
目数(x)をx/100で表示する。
【0051】4)外観 帯色、ブツ、クラック、くもりなどの欠陥について目視
にて判定し、次のように評価した。 ○… 特に目立った欠陥無し。 △… ΔYI値として4.0以上の黄帯色またはわずか
にクラック、くもりなどの発生がみられる。 ×… 外観をきわめて損ねたもの。
【0052】<無機充填剤(b)として用いるPMMA
修飾シリカ微粉の調製例1>特開昭57−149314
号に記載の方法を参考にし以下の様にして、ビニル単量
体から生成した重合体で表面を修飾された無機充填剤
(b)を調製した。
【0053】すなわち、良く攪拌されている市販のシリ
カ微粉(日本アエロジル社製、商品名アエロジルOX−
50)1000重量部に、メタクリル酸10重量部、メ
チルメタクリレート150重量部、およびγ−メタクリ
ロイルオキシプロピルトリメトキシシラン50重量部の
混合物を加え、シリカ微粉がまんべんなく濡れるよう
に、攪拌擂潰機を用いて良く混合した。その後、この混
合物をポリエチレン製の袋に詰め、中の空気を極力窒素
置換した後密閉し、60℃で24時間静置して、主とし
てメチルメタクリレートから生成した重合体で表面を修
飾されたシリカ微粉(PMMA修飾シリカ微粉)を得
た。
【0054】<実施例1>1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート(以下、C6 −DAと略す)50重量部
に、調製例1で得たPMMA修飾シリカ微粉50重量部
を、攪拌しながら少しずつ加え均一に分散させた。次い
でこれに、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィン
オキサイド(以下、APOと略す)2.8重量部および
ベンゾフェノン(以下、BNPと略す)1.0重量部を
加えて溶解させることによって被覆用組成物を得た。
【0055】この被覆用組成物をポリカーボネート板
(三菱レイヨン社製、商品名ダイヤライト、厚さ1m
m)に塗布し、その上からポリエステルフィルム(ダイ
ヤホイル社製、厚さ50μ)をかぶせながら、スポンジ
ロールを用いて密圧着し、塗布膜の厚みが約7μになる
様によくしごいた。次いで、照射幅13cmに調整され
た120W/cmのメタルハライドランプ(平行型リフ
レクター付、オゾンレスタイプ、被射体との距離30c
m)の下を、2m/分のスピードでポリエステルフィル
ム面側が照射されるよう通過させた。次いで、ポリエス
テルフィルムのみを剥離し、更に120W/cmの高圧
水銀灯(平行型リフレクター付、オゾンタイプ、照射幅
13cm、被射体とランプの距離30cm)の下を2m
/分の速度で通過させ、被覆用組成物の硬化膜により表
面が保護された樹脂板を得た。
【0056】この樹脂板の硬度、密着性、外観について
上述した方法に従い評価した。その結果を表1に示す。
【0057】<実施例2〜9>表1に示す各種組成の被
覆用組成物を実施例1と同様の方法で調製し、ポリカー
ボネート板(三菱レイヨン社製、商品名ダイヤライト、
厚さ1mm)またはポリメチルメタクリレート板(三菱
レイヨン社製、商品名アクリライト、厚さ1mm)の上
に実施例1と同様にして塗布および硬化させることによ
って、硬化膜で表面が保護された樹脂板を得た。これら
の樹脂板についても実施例1と同様に評価した。その結
果を表1に示す。
【0058】<実施例10>C6 −DA45重量部およ
び1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレ
ート(以下、8FAと略す)5重量部の混合物に、調製
例1で得たPMMA修飾シリカ微粉50重量部を攪拌し
ながら少しずつ加え均一に分散させた。次いでこれに、
ベンゾイルパーオキサイド(以下、BPOと略す)0.
5重量部を加えて溶解させることによって被覆用組成物
を得た。
【0059】この被覆用組成物を厚さ1mmのポリカー
ボネート板に塗布し、その上からポリエステルフィルム
をかぶせながら、スポンジロールを用いて密圧着し、塗
布膜の厚みが約7μになる様によくしごいた。次いでこ
れを、120℃に調節した恒温槽に30分入れて硬化さ
せ、被覆用組成物の硬化膜により表面が保護された樹脂
板を得た。この樹脂板についても実施例1と同様に評価
した。その結果を表1に示す。
【0060】<比較例1>PMMA修飾シリカ微粉を配
合しないこと以外は実施例1と同様にして被覆用組成物
を調製した。この無機充填剤(b)を含有しない被覆様
組成物を用い、実施例1と同様の方法でポリカーボネー
ト板の表面に硬化被覆膜を形成した。この樹脂板につい
ても実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示
す。
【0061】<比較例2>C6 −DA50重量部に、市
販のシリカ微粉(日本アエロジル社製、商品名アエロジ
ルOX−50)50重量部を分散させようと試みたが、
白い塊状となり、流動性を失い、基板に塗布不可能であ
った。
【0062】<比較例3>市販のシリカ微粉(日本アエ
ロジル社製、商品名アエロジルOX−50)50重量部
にγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン5重量部を用いてシラン処理した無機充填剤を、C6
−DA50重量部に分散させようと試みたが、流動性を
失い、基板に塗布不可能であった。
【0063】<比較例4>C6 −DA50重量部に、市
販のシリカ微粉(日本アエロジル社製、商品名アエロジ
ルR−972)10重量部を、攪拌しながら少しずつ加
え均一に分散させた。次いでこれに、APO1.7重量
部およびBNP0.6重量部を加えて溶解させ、被覆用
組成物とした。
【0064】ただし、この被覆用組成物は静置後しばら
くすると流動性を失い、基板上への塗布が不可能となっ
たので、再び攪拌してから直ちに基板上に塗布し、実施
例1と同様の方法でポリカーボネート板上に表面保護層
を設け、塗膜の性能を評価し、得られた結果を表1に示
す。
【0065】
【表1】 (表中の略号) C6 −DA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 8FA :1H,1H,5H−オクタフルオロペンチ
ルアクリレート TEGDA:テトラエチレングリコールジアクリレート TAS :トリメチロールエタン/アクリル酸/コハ
ク酸(モル比2/4/1)の縮合物 TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート THFA :テトラヒドロフルフリルアクリレート APO :トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキサイド BNP :ベンゾフェノン BPO :ベンゾイルパーオキサイド PC :ポリカーボネート PMMA :ポリメチルメタクリレート。
【0066】また、先に述べた本発明の好ましい態様の
代表的なものを以下に示す。
【0067】ビニル単量体から生成した重合体で表面が
修飾された無機充填剤(b)が、カルボン酸系単量体の
存在下に無機化合物を分散させた重合系中で少なくとも
1種のラジカル重合し得るビニル単量体を無触媒または
重合開始剤を用いて重合せしめて得た、有機重合体と無
機化合物とが強固に合一化されたものである本発明の被
覆用組成物。
【0068】上記態様において、カルボン酸系単量体が
(メタ)アクリル酸である本発明の被覆用組成物。
【0069】ビニル単量体が、メチルメタクリレートま
たはメタクリレートを主成分とする単量体混合物である
本発明の被覆用組成物。
【0070】
【発明の効果】本発明の被覆用組成物は、溶剤を用いな
くとも塗布可能であり、これを塗布硬化して形成する被
覆膜は、耐摩耗性、耐擦傷性並びに耐溶剤性に優れ、表
面硬度が高く外観も良好である。また更には、優れた耐
候性や耐水性をも発現し、膜のクラック等の発生防止に
も有効である。
【0071】また本発明の表面被覆成形物は、その表面
が上述の硬化被複膜で覆われているので、例えば合成樹
脂成形品において従来より問題であったキズによる審美
性の低下等の各種問題を解消できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 博之 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社中央研究所内 審査官 近藤 政克 (56)参考文献 特開 平11−92690(JP,A) 特開 平10−330409(JP,A) 特開 昭63−246307(JP,A) 特開 昭63−265907(JP,A) 特開 昭57−149314(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 4/02 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN) 実用ファイル(PATOLIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)分子中に少なくとも2個のアクリ
    ロイルオキシ基および/またはメタクリロイルオキシ基
    を有する架橋重合性化合物(a-1) 、または該架橋重合性
    化合物(a-1) 50重量%以上とこれと共重合可能な化合
    物(a-2) とから成る混合物、 (b)ビニル単量体から生成した重合体で表面が修飾さ
    れた無機充填剤、および、 (c)重合開始剤からなる被覆用組成物。
  2. 【請求項2】 ビニル単量体がメチルメタクリレートで
    ある請求項1記載の被覆用組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の被覆用組成物の硬化物で
    表面が被覆された成形物。
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