JP3035468B2 - 被覆用組成物、それを用いた表面被覆成形物 - Google Patents
被覆用組成物、それを用いた表面被覆成形物Info
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Description
射することにより、耐摩耗性並びに耐候性の優れた硬化
被膜を形成しうる被覆用組成物、及び該被覆用組成物の
硬化物で表面が被覆された樹脂製成形物として、特に、
ヘッドランプカバー、風防ガラス、車両用屋根材、建造
物用窓ガラス、建造物用屋根材、道路用防音壁、銘板及
びディスプレー用面板などに用いられる、耐磨耗性並び
に耐候性に優れた表面被覆組成物及びそれを用いた表面
被覆成形物に関するものである。
良好な耐破砕性を備えた透明プラスチック材料を使用す
ることが広く行われている。
ガラスに比べて表面が柔らかく、引っかき傷を生じ易い
といった耐摩耗性不足と耐候性不足という重大な難点を
有している。そこで、従来から透明プラスチック材料の
耐摩耗性を改良するために多くの試みがなされてきた。
53−102936号公報、同53−104638号公
報、同54−97633号公報等に記載されているよう
に、分子中に複数のアクリロイルオキシ基あるいはメタ
クリロイルオキシ基を有する化合物を主体とする硬化液
を成形品表面に塗布し、熱あるいは紫外線などの活性エ
ネルギー線照射により硬化させて、耐擦傷性の優れた被
膜を有する成形品を得る方法がある。この方法に用いる
硬化液は、比較的安価で手軽に入手できるが、得られる
硬化被膜は有機物であることから、この被膜を有する成
形品の耐摩耗性には限界があるのが現状である。
して、例えば特開昭48−26822号公報、同59−
64671号公報等に記載されているように、アルコキ
シシラン化合物をプラスチック成形品表面に塗布し、熱
により硬化させた被覆を有する成形品を得る方法、ある
いは、特開昭56−106969号公報、特開平2−2
72041号公報には、コロイダルシリカと硬化液とよ
りなる被覆用組成物をプラスチック成形品表面に塗布し
熱により硬化させた被覆を有する成形品を得る方法など
が開示されている。
用組成物には、その塗装性を良好にするため有機溶剤を
用いられているので、乾燥工程で被塗物となるプラスチ
ック成形品にクラックが発生したり、塗りむら等の塗膜
欠陥が生じ易く、得られる被覆成形品の外観にも問題が
生じやすい。また、その塗装工程で空気中に有機溶剤の
放出が避けられず、近年注目されている地球環境保護の
観点からも好ましくない。
より硬化させるためエネルギー消費量が大きく、その硬
化に長時間を要するため、工業的に不利である。
公平1−55307号公報、同3−2168号公報、同
3−6190号公報、特開昭59−204669号公
報、同62−256874号公報、特開平2−6413
8号公報、同4−18423号公報、同4−21474
3号公報、同4−220411号公報、同5−9818
9号公報、同5−306374号公報、同6−2536
3号公報、同6−41468号公報、及び同6−151
694号公報には、コロイダルシリカと、アクリル基又
はメタクリル基を有するアルコキシシランと、多官能ア
クリレートとからなる被覆用組成物が開示されている。
としても用いることが可能であり、この被覆材からは比
較的優れた表面硬度を有するプラスチック成形品を得る
ことができるが、硬化被膜中のコロイダルシリカとアル
コキシシランとの界面において加水分解を受け、硬化被
膜に、クラックや白化現象を生じ、その耐候性が十分で
はないという難点があった。これらの課題を解決するた
め、本発明者らは、特開平6−100798号に示した
ように、スチリル基を有するアルコキシシランの加水分
解物で表面が修飾させたシリカ微粒子、多官能アクリレ
ート、及び活性エネルギー線重合開始剤からなる被覆用
組成物が良好な特性を有することを見いだした。
成物も従来のものよりは優れた性能を有するものの、ま
だ十分とはいえず、表面硬度が高く、かつ耐候性に優れ
た硬化被膜を形成し得る無溶剤でも用いることが可能な
活性エネルギー線硬化型被覆用組成物は未だ得られてい
ないのが現状である。本発明は上述の課題を解決するた
めに鋭意検討をした結果得られたものであり、その目的
は、溶剤を用いなくても塗装可能であり、かつ表面硬度
が高く外観及び耐候性が良好で、耐磨耗生、耐擦傷性に
優れた硬化被膜を形成できる活性エネルギー線硬化型被
覆用組成物にある。本発明の他の目的は、この被覆用組
成物の硬化物で表面が被覆された成形物を提供すること
にある。
合物(b−1)の加水分解物で修飾したシリカ微粒子と
多官能アクリレート及び/又はメタアクリレート(以
下、(メタ)アクリレートと略す)を主成分とする従来
開発されてきた被覆用組成物から得られる硬化被膜は、
かなり優れるものの耐候性に劣るという点を改良するた
めに、この硬化被膜の表面硬度発現機構ならびにその耐
候性に影響する要因について鋭意検討を行った結果、本
発明に至ったものである。
イルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を有す
る架橋重合性化合物(a−1)、または該架橋重合性化
合物(a−1)50重量%以上とこれと共重合可能な化
合物(a−2)50重量%以下とからなる混合物、 (b)成分として、下記一般式(I)
〜10の炭化水素基、R3は水素原子または炭素数1〜
10の炭化水素基、R4は炭素数1〜10の二価の炭化
水素基、mは0〜2の整数を表す。)で表されるシラン
化合物から選ばれる少なくとも1種以上のシラン化合物
(b−1)5〜95モル部と、下記一般式(II)
0の炭化水素基、R7は水素原子または炭素数1〜10
の炭化水素基、nおよびpは0〜3の整数であり、かつ
n+pは0〜3である。)で表されるシラン化合物(b
−2)95〜5モル部との混合物の加水分解物で表面を
修飾したシリカ微粒子、及び、 (c)成分として活性エネルギー線重合開始剤からなる
被覆用組成物である。また、前記被覆用組成物の硬化物
で表面が被覆された成形物も本発明の対象である。
膜の表面硬度発現機構および耐候性に影響する要因とし
て、(1)硬化被膜の耐候性は、シリカ微粒子の表面修
飾の程度に影響され、表面修飾が適切でなければ耐候性
の低下につながること、(2)硬化被膜の表面硬度を高
度に発現させるためには、シリカ微粒子と多官能(メ
タ)アクリレートの重合硬化物との間に何らかの結合を
有していなければならず、シラン化合物(b−1)はそ
の役割を果たすものであること、(3)シリカ微粒子と
多官能(メタ)アクリレートの重合硬化物の結合点が多
すぎると、硬化被膜の可撓性を阻害する要因となり、そ
の耐候性評価における高温/低温の熱サイクルテスト及
び吸水/乾燥の吸水サイクルテスト時に硬化被膜が成形
物の膨張、収縮挙動についてゆけず、硬化被膜にクラッ
ク等の欠陥が現れることを見いだした。
硬度と耐候性とが両立して発現する被覆用組成物を得る
ために、さらに検討を重ねた結果、シリカ微粒子表面を
修飾するために用いるシラン化合物として、シリカ微粒
子と多官能(メタ)アクリレートの重合硬化物との間に
結合を生起させるシラン化合物(b−1)と、両者間に
結合を生起させないシラン化合物(b−2)とを併用す
ることにより、上記の性能が発現され得ることを明らか
とした。
塗膜の表面硬度の向上に働き、またシラン化合物(b−
2)はシリカ微粒子の表面修飾に働いて、硬化被膜に可
撓性を付与するので、両者で修飾したシリカ微粒子を含
む被覆用組成物を用いることにより、高い表面硬度及び
良好な耐候性を発現した硬化被膜が得られることを見い
だした。
発明の被覆用組成物における(a)成分は、分子中に少
なくとも2個のアクリロイルオキシ基および/またはメ
タクリロイルオキシ基(以下、(メタ)アクリロイルオ
キシ基と略す)を有する架橋重合性化合物(a−1)で
ある。本発明で用いる架橋重合性化合物(a−1)は、
(メタ)アクリロイルオキシ基以外の部分である残基が
炭化水素またはその誘導体であり、その分子内にはエー
テル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結
合、ウレタン結合等を含んでいてもよい。
例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸またはそ
れらの誘導体とから得られるエステル化合物、あるいは
多価アルコールと多価カルボン酸と(メタ)アクリル酸
またはそれらの誘導体とから得られるエステル化合物が
挙げられる。
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、テトラエチレングリコール、平均分子量が
約300〜約1000のポリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−
プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−
ノナンジオール、ネオペンチルグリコール(即ち2,2
−ジメチル−1,3−プロパンジオール)、2−エチル
ヘキシル−1,3−ヘキサンジオール、2,2’−チオ
ジエタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等
の2価のアルコール;トリメチロールプロパン(即ち
1,1,1−トリメチロールプロパン)、ペンタグリセ
ロール(即ち、1,1,1−トリメチロールエタン)、
グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、1,
2,6−ヘキサントリオール等の3価のアルコール;そ
の他、ペンタエリスリトール(即ち2,2−ビス(ヒド
ロキシメチル)−1,3−プロパンジオール)、ジグリ
セロール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
トとして得られる架橋重合性化合物(a−1)の具体例
としては、下記一般式(III)
るX1はそのうちの2個以上が(メタ)アクリロイルオ
キシ基を、その残りのX1は各々独立に水素原子、水酸
基、アミノ基、アルキル基または置換アルキル基を示
す。)で表される化合物が挙げられる。
ては、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)
アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリ
レート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。
多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートとしては、
例えばジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テト
ラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4
−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ルコールと(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得
られるエステル化合物を用いる場合、特に好ましいエス
テル化合物は、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
グリセロールアクリレート、ジペンタグリセロールペン
タアクリレート等である。
用い得る多価アルコールと多価カルボン酸と(メタ)ア
クリル酸またはそれらの誘導体とから得られるエステル
化合物は、基本的には、多価アルコールのヒドロキシル
基と、多価カルボン酸および(メタ)アクリル酸又はそ
の誘導体の両者のカルボキシル基とが最終的には等量と
なるような混合物を反応させることによって得られる。
しては、多価アルコールとして、2価のアルコール、3
価のアルコール、または2価のアルコールと3価のアル
コールとの混合物を用い、多価カルボン酸として、2価
カルボン酸を用いて得られたエステル化物が挙げられ
る。3価のアルコールと2価のアルコールとの混合物を
用いる場合は、3価のアルコールと2価のアルコールと
のモル比は任意に選べる。
酸又はその誘導体とを併用する場合のモル比は、(メ
タ)アクリル酸又はその誘導体のカルボキシル基1モル
に対して2価カルボン酸のカルボキシル基が2モル以下
の範囲内とすることが好ましい。2価カルボン酸が上記
範囲より過剰にある場合には、生成するエステル化合物
の粘度が高くなり過ぎて塗膜の形成が困難になる場合が
ある。
カルボン酸またはその誘導体としては、例えばコハク
酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン
酸;テトラヒドロフタル酸、3,6−エンドメチレンテ
トラヒドロフタル酸などの脂環族ジカルボン酸;フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボ
ン酸;その他チオグリコール類、チオジバレリン酸、ジ
グリコール酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、お
よびこれらの塩化物、無水物、並びにエステル等を挙げ
ることができる。
上述のエステル化合物の具体例としては、マロン酸/ト
リメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/
トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン
酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペン
タエリスリトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ト
リメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/
トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク
酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペン
タエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/
トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン
酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、ア
ジピン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル
酸、アジピン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グ
ルタル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル
酸、グルタル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)ア
クリル酸、グルタル酸/グリセリン/(メタ)アクリル
酸、グルタル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アク
リル酸、セバシン酸/トリメチロールエタン/(メタ)
アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールプロパン/
(メタ)アクリル酸、セバシン酸/グリセリン/(メ
タ)アクリル酸、セバシン酸/ペンタエリスリトール/
(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールエタン
/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールプロ
パン/(メタ)アクリル酸、フタル酸/グリセリン/
(メタ)アクリル酸、フマル酸/ペンタエリスリトール
/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールエ
タン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロー
ルプロパン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタ
エリスリトール/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸
/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、無水マ
レイン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸等の化合物
の組み合わせによる飽和または不飽和ポリエステルポリ
(メタ)アクリレートが挙げられる。
て、例えば下記一般式(IV)で示されるトリレントリイ
ソシアネート
キサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネ
ート、ジフェニルエタンジイソシアネート、キシレンジ
イソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキ
シルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、
またはトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の
ポリイソシアネートと、活性水素を有するアクリル系単
量体(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)ア
クリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、
N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド等とを、イソシ
アネート基1モル当たりアクリル系単量体1モル以上を
常法により反応させて得られるウレタン(メタ)アクリ
レート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル
酸のトリ(メタ)アクリレート等のポリ[(メタ)アク
リロイルオキシエチル]イソシアヌレートが挙げられ
る。
は、架橋重合性化合物(a−1)を主成分(50重量%
以上)とするものであり、これとともに共重合可能な化
合物(a−2)を配合した混合物であってもよい。
は、例えば分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有
する化合物等が用いられる。
レート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−
ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ド
デシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフ
リル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ
ート、イソボルニル(メタ)クリレート、1−アダマン
チル(メタ)ウリレート、3,5−ジメチル−1−アダ
マンチル(メタ)クリレート、ジシクロペンタニル(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリ
レート、1,4−ブチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチ
ルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)
アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、
2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレー
ト、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)
アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペン
チル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリルアミド、ヒドロキシメチルジアセトン(メ
タ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチ
ル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
イルオキシ基を示し、R9はアルキル基、置換アルキル
基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基または置
換ベンジル基を示す。)で表されるモノ(メタ)アクリ
レート等も挙げられる。
されるモノ(メタ)アクリレートとしては、例えばメト
キシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メト
キシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フ
ェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート
等が挙げられる。
て、例えばβ−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイ
ドロゲンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシ
エチルハイドロゲンサクシネート、β−(メタ)アクリ
ロイルオキシプロピルハイドロゲンサクシネート、およ
び公知の各種エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン
(メタ)アクリレート等も挙げられる。
る硬化被膜の用途に応じて選ばれるが、表面硬度の高い
被膜を望む場合には、化合物(a−2)の単独重合体と
してのガラス転移温度の高いものが好適に用いられる。
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、1−アダマン
チル(メタ)アクリレート、3,5−ジメチル−1−ア
ダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)ア
クリレートなどが挙げられる。
は、(a)成分中に50重量%以下の割合で含有される
ことが好ましく、30重量%以下であることがさらに好
ましい。この範囲以外の割合で(a)成分中に成分(a
−2)を含有させると、本発明で得られる硬化被膜の表
面硬度が低下してしまう。
は、一般式(I)で表されるシラン化合物から選ばれる
少なくとも1種以上のシラン化合物(b−1)と、一般
式(II)で表されるシラン化合物から選ばれる少なくと
も1種以上のシラン化合物(b−2)との混合物の加水
分解物で表面が修飾されたシリカ微粒子である。
た」とは、シリカ微粒子の表面の一部または全部にシラ
ン化合物の加水分解物が保持された状態にあり、シリカ
微粒子の表面特性が改質されていることを意味する。な
お、シラン化合物の加水分解物の縮合反応が進んだもの
が同時に保持されているシリカ微粒子もこれに含まれ
る。
は、代表的には、シリカ微粒子存在下にシラン化合物の
加水分解、または加水分解と縮合反応を生じせしめるこ
とにより容易に行うことができる。
ではないが、シリカ微粒子の平均粒径が1nm〜1μm
の範囲であるものが好ましく、さらに、好ましくは該平
均粒径が5〜200nmの範囲である。該シリカ微粒子
を含む被覆材より形成した被膜に透明性が要求される場
合には、平均粒径が5〜100nmの範囲のシリカ微粒
子を用いることが好ましい。
シリカが使用できる。コロイダルシリカを用いる場合、
その分散媒は特に限定されないが、通常、水;メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノ
ールのようなアルコール類;セロソルブ類;ジメチルア
セトアミド、トルエン、キシレン等が使用される。特に
好ましい分散媒は、アルコール類、セロソルブ類、トル
エン、及び水である。
ラン化合物(b−1)は、シリカ微粒子と(a)成分と
の間に活性エネルギー線の照射により結合を生起させ、
シリカ微粒子による硬化被膜の表面硬度の発現に寄与す
る成分である。
−1)としては、例えば、γ−アクリロイルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシ
プロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルオ
キシプロピルエチルジメトキシシラン、β−アクリロイ
ルオキシエチルトリメトキシシラン、β−アクリロイル
オキシエチルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロ
イルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタク
リロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエチルジメトキ
シシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメチル
メトキシシラン、β−メタクリロイルオキシエチルトリ
メトキシシラン、β−メタクリロイルオキシエチルメチ
ルジメトキシシラン等が挙げられる。
物(b−1)は、単独で、あるいは2種以上を組み合わ
せて用いられる。
−2)は、シリカ微粒子の表面修飾に寄与するが、表面
修飾したシラン化合物の加水分解物で修飾したシリカ微
粒子との間の結合能を有さないため、硬化被膜の可撓性
を向上させるとともに、良好な耐候性を発現する成分と
なっている。
−2)の具体例としては、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチ
ルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルエチルジメト
キシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、トリメ
チルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリ
エチルメトキシシラン等、及びこれらの混合物が挙げら
れる。
シラン化合物(b−2)との使用モル比は、5:95〜
95:5の範囲にあり、10:90〜90:10の範囲
が好ましく、特に10:90〜60:40の範囲にある
ことが特に好ましい。
(b−2)の使用モル比が、前記の範囲外にて修飾した
シリカ微粒子を含む被覆用組成物を用いた場合には、硬
化被膜の表面硬度の低下や、耐候性の悪化を生じてしま
う。
いる場合は、シラン化合物をコロイダルシリカの分散液
中に混合して、この系中の水または新たに加える水によ
り加水分解すれば、この加水分解物で表面が修飾された
シリカ微粒子(b)を得ることができる。
には、触媒として無機酸または有機酸を使用できる。無
機酸としては、例えば塩酸、弗化水素酸、臭化水素酸等
のハロゲン化水素酸や、硫酸、硝酸、リン酸等が用いら
れる。有機酸としては、蟻酸、酢酸、シュウ酸、アクリ
ル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
に溶媒を用いることが好ましい。この溶媒としては、反
応物であるシランアルコキシドと水、触媒を相容させ得
るものが好ましい。
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセト
ン、メチルイソブチルケトン類のケトン類、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類を挙げることがで
きる。
イダルシリカの分散媒をそのまま用いてもよいし、新た
に必要量加えてもよい。新たに加える場合にも、前述し
た溶媒が使用できる。
る量であれば特に制限はないが、反応物の濃度が希薄に
なりすぎると、反応速度が著しく遅くなる場合がある。
シラン化合物の加水分解と縮合反応は、室温〜120℃
程度の温度で30分〜24時間程度の条件下で行うこと
が好ましく、さらに好ましくは室温〜溶媒の沸点程度の
温度で1〜10時間程度の条件下で行うのがよい。
との配合比は、特に制限されないが、シリカ微粒子(コ
ロイダルシリカの場合にはその固形分)100重量部に
対し、シラン化合物(b−1)とシラン化合物(b−
2)の混合物を5〜200重量部の範囲とすることが好
ましく、さらに好ましくは10〜100重量部の範囲で
ある。また、(a)成分と(b)成分との配合比も制限
されないが、(a)成分100重量部に対し、(b)成
分を1〜200重量部の範囲とすることが好ましく、特
に好ましくは5〜60重量部の範囲である。
に使用される活性エネルギー線としては、例えばβ線、
γ線、X線、加速電子線等の放射線及び紫外線等が挙げ
られ、本発明の被覆用組成物中に重合反応を生起させ得
るため、活性エネルギー線重合開始剤(c)を添加する
必要がある。
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベン
ゾインイソブチルエーテル、アセトイン、ブチロイン、
トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシ
ベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシ
ルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−
1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−
(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ケトン、1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル
−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−メルホリ
ノプロパノン−1、ベンジルジメチルケタール、チオキ
サントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロ
ロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4
−ジメチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサ
ントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジ
イソプロピルチオキサントン、メチルフェニルグリオキ
シレート等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラム
モノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等
の硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス
−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物;ベ
ンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオ
キサイド等のパーオキサイド化合物;2,4,6−トリ
メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベ
ンゾイルジエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,
6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル
ペンチルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイ
ド化合物等が挙げられる。
ルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2、6−ジ
メトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチ
ルホスフィンオキサイド及びメチルフェニルグリオキシ
レートが好ましい。
単独で使用してもよく、2種以上組み合わせて用いても
よい。活性エネルギー線重合開始剤(c)の配合量は、
(a)成分100重量部に対し、0.01〜10重量部
が好ましい。
溶剤を含有しないものが使用されるが、必要であれば有
機溶剤を含有させて使用することができる。この有機溶
剤としては、(a)成分及び(c)成分と均一混合する
ものが使用可能であり、かつ(b)成分を均一分散可能
なものを使用できる。
以下であり、かつ常温(25℃)での粘度が10センチ
ボイズ以下のものが適当である。有機溶媒の沸点が上記
範囲外の場合、塗布液が乾固してしまったり、塗布後の
乾燥ができなくなるなどの不都合が生じる場合があり、
また、粘度が上記範囲外である場合には塗装性が低下し
やすくなる傾向にある。
ル、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコ
ール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル等のアルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭
化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類;ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等のエステル類:N,N−ジメチルホルムアミド類等
が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。
は、硬化被膜の劣化防止及び基材の保護の目的で、紫外
線吸収剤(d)を含むことが好ましい。紫外線吸収剤
(d)としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾー
ル系、シュウ酸アニリド系、シアノアクリレート系、及
びトリアジン系のものが用いられているが、本発明の被
覆用組成物においては、ベンゾトリアゾール系のものが
好ましく用いられる。
ドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’
−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベ
ンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)/−5−クロロ
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,
5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾト
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−
t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’
−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−オクトキシカ
ルボニルエチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−ポリエ
チレングリコキシカルボニルエチルフェニル)ベンゾト
リアゾールなどが挙げられる。
しても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、光安定剤(e)を含有させることができるが、
中でもヒンダードアミン系光安定剤が好適に用いられ
る。
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1−
オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)セバケート、1−[2−{3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオ
キシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチ
ル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−
1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4
−ジオン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリ
ロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペ
リジンなどが挙げられる。
は、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイル
オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビ
ス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)セバケートである。
必要に応じて、表面平滑剤、界面活性剤、貯蔵安定剤な
どの各種添加剤を適宜添加して使用してもよい。
限定されるものではないが、例えばコロイダルシリカの
分散液にシラン化合物よりなる(b)成分及び必要なら
ば水や触媒を混合し、前述した反応条件で反応させ、こ
の反応後の液中に(a)成分を混合する。次いでコロイ
ダルシリカの分散媒およびシラン化合物の加水分解反応
で生成した揮発分を除去し、その後(c)成分および必
要ならば他の添加剤を加える方法が特に好ましい。
に塗布する方法としては、刷毛塗り法、流延法、ローラ
ー法、バーコート法、噴霧コート法、エアーナイフコー
ト法、ディッピング法等が挙げられる。
に対する塗布量としては、硬化被膜の膜厚が1〜30μ
mになるように塗布するのが適当である。膜厚が1μm
未満の場合は耐摩耗性に劣り、該膜厚が30μmを越え
る場合には硬化被膜にクラックが入りやすい傾向にあ
る。
しては、表面の耐摩耗性等の向上が求められる公知の各
種成形物でよい。
ばポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレートを
主構成成分とする共重合体、ポリスチレン、スチレン−
メチルメタクリレート共重合体、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、ポリカーボネート、セルロースアセテ
ートブチレート樹脂、ポリアクリルジグリコールカーボ
ネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂等
が挙げられる。
膜は、耐候性に非常に優れるため、例えば車両、飛行機
など運送機用の窓ガラス、ヘッドランプカバー、風防ガ
ラス、屋根材;建造物用の窓ガラス、屋根材;道路の防
音壁;銘板、ディスプレー用面板等各種面板のように、
屋外にて使用される用途に特に有用である。
明する。ただし、本発明は実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例中の部は重量部を示す。
価は、以下に示す方法で行った。 1)耐擦傷性 000番スチールウールを25φ円形パッドに装着し、
往復式摩耗試験台上に保持された試料表面に該パッドを
置いて、荷重1000g下で100回往復擦傷した。そ
の後、擦傷させた試料を洗浄し、ヘーズメーターで曇価
を測定した。耐スチールウール擦傷性(%)は、(擦傷
後曇価)−(擦傷前曇価)で示した。 2)耐摩耗性 テーバー摩耗試験法により、CS−10F摩耗輪と50
0gの重量のおもりを組み合わせ、100回転させたと
きの曇価をヘーズメーターで測定した。なお、曇価の測
定は摩耗サイクルの軌道の回り4か所で行い、平均値を
算出した。テーバー摩耗性(%)は、(テーバー試験後
曇価)−(テーバー試験前曇価)で示した。 3)硬化被膜の密着性 サンプルをカミソリの刃で1mm間隔に、縦・横11本
ずつ切り目を入れて、100個のゴバン目をつくり、市
販セロハンテープをよく密着させた後、90℃手前方向
に急激にはがした時、硬化被膜が成形物から剥離せずに
残存したときのます目数(X)をX/100で表示し
た。 4)外観 硬化被膜を形成した成形物の外観について、帯色、ブ
ツ、クラック、くもりなどの欠陥を目視にて判定し、次
のように評価した。 ○:特に目だった欠陥なし。 ×:△YI値として4.0以上の黄帯色またはブツ、ク
ラック、くもりなどの発生が見られる。 5)耐候性 サンシャインウエザーメーター(スガ試験機(株)製、
WEL−SUN−DC型)を用いてブラックパネル温度
63℃で降雨12分−乾燥48分のサイクルで1000
および2000時間暴露後、硬化被膜を形成した成形物
の外観及び密着性を評価した。◎:特に目だった欠陥なし。 ○:若干の汚れの付着が見られるが、ほとんど影響無
し。 △:密着性が低下。 ×:△YI値として4.0以上の黄帯色またはクラッ
ク、くもりなどの発生が見られる。(耐候性の良好な順は、◎>○>△>×で表す。)
コロイダルシリカ(シリカ含量30重量%、日産化学工
業(株)製、商品名:IPA−ST)35重量部に、γ
−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン
(以下、MPTMSと略す)2.2重量部、フェニルト
リメトキシシラン(以下、PTMSと略す)1.7重量
部、0.01規定の塩酸水溶液1重量部を加え、40℃
で1時間攪拌した。その後、1,6−ヘキサンジオール
ジアクリレート(以下、C6DAと略す)30重量部、
及びトリメチロールエタン/アクリル酸/コハク酸(2
/4/1)の縮合物(以下、TASと略す)20重量部
を加え、減圧下で揮発分をすべて留去した。次いで、こ
れに活性エネルギー線重合開始剤として、2,4,6−
トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
(以下APOと略す)1.8重量部、紫外線吸収剤とし
て2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニ
ルベンゾトリアゾール(チバガイギー社製、商品名:チ
ヌビンPS;以下UA−1と略す)3.8重量部を加え
て溶解させ、被覆用組成物を得た。
得られた被覆用組成物を、ギヤオーブンで50℃に加温
したポリカーボネート板(三菱レイヨン(株)製、商品
名:ダイヤライト、厚さ2mm)に塗布し、その上から
ポリエステルフィルム(ダイヤホイル社製、厚さ50μ
m)をかぶせながら、スポンジロールを用いて密圧着
し、塗布層の厚みが約8μmになるようによくしごい
た。この状態で50秒間おいた後、照射幅13cmに調
整された120W/cmのメタルハライドランプ(平行
型リフレクター付き、オゾンレスタイプ、被写体とラン
プとの距離30cm)の下を、2m/分のスピードで、
ポリエステルフィルム面側が照射されるように通過させ
た。次いで、ポリエステルフィルムのみを剥離し、更に
120W/cmの高圧水銀灯(平行リフレクター付き、
オゾンタイプ、照射幅13cm、被写体とランプとの距
離30cm)の下を1m/分のスピードで通過させ、被
覆用組成物の硬化被膜で表面が保護された樹脂板を得
た。得られた該樹脂板について、前記した評価方法で行
った評価結果を表2に示す。
に示す各種組成の被覆用組成物を実施例1と同様の方法
で調製し、ポリカーボネート板(三菱レイヨン(株)
製、商品名:ダイヤライト、厚さ2mm)またはポリメ
チルメタクリレート板(三菱レイヨン(株)製、厚さ2
mm)の上に、実施例1と同様な手法で塗布、硬化させ
ることによって、硬化被膜で表面が保護された樹脂板を
得た。そして、ここで得られた各樹脂板について、実施
例1と同様の方法で行った評価の結果を表2に示す。
様のコロイダルシリカ100重量部に、MPTMS6.
2重量部、PTMS 10重量部、及び0.01規定の
塩酸水溶液4重量部を加え、40℃で2時間攪拌した。
その後、C6DA 20重量部、ビス(アクリロイルオ
キシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート(東亜
合成(株)製、商品名:アロニックスM−215)80
重量部、APO1.2重量部、メチルフェニルグリオキ
シレート0.8重量部、UA−1を10重量部、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケート(三共(株)製、商品名:サノールLS77
0)0.4重量部、イソブチルアルコール270重量
部、酢酸n−ブチル130重量部、3−メトキシ−1−
ブタノール40重量部を加えてよく攪拌し、被覆用組成
物とした。
得られた被覆用組成物を、実施例1と同じ条件のポリカ
ーボネート板に、0.3cm/秒の速度で浸漬塗布して
被膜を形成し、80℃で10分間放置し、該被覆用組成
物中の溶剤を蒸発させた。次いで、ポリエステルフィル
ムをかぶせずに、実施例1で用いた高圧水銀灯を用い、
該ポリカーボネート板とランプとの距離を15cmと
し、ラインスピードを1.5m/分とする以外は、実施
例1と同様にして活性エネルギー線照射を行い、被覆用
組成物を硬化させることによって、硬化被膜で表面が保
護された樹脂板を得た。得られた該樹脂板について、実
施例1と同様の方法で行った評価結果を表2に示す。
(モル比2/4/1)の縮合物 C9DA:1,9−ノナンジオールジアクリレート FA731A:トリス(アクリロイルオキシエチル)イ
ソシアネート(日立化成(株)製、商品名:FA−73
1A) DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート R−684:ジシクロペンタニルジアクリレート(日本
化薬(株)製、商品名:カヤラッドR−684) IBA:イソボルニルアクリレート CHA:シクロヘキシルアクリレート ADA:1−アダマンチルアクリレート DMADA:3,5−ジメチル−1−アダマンチルアク
リレート TBA:t−ブチルアクリレート CPTAA:シクロペンタニルアクリレート CPTEA:シクロペンテニルアクリレート THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート M−215:ビス(アクリロイルオキシエチル)ヒドロ
キシエチルイソシアヌレート(東亜合成(株)製;商品
名:アロニックスM−215) S−1:イソプロピルアルコール分散型コロイダルシリ
カ(シリカ含量30重量%、日産化学工業(株)製;商
品名:IPA−ST) S−2:水分散型コロイダルシリカ(シリカ含量20重
量%、日産化学工業(株)製;商品名:スノーテックス
O) MPTMS:γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン PTMS:フェニルトリメトキシシラン MTMS:メチルトリメトキシシラン DMDMS:ジメチルジメトキシシラン TMMS:トリメチルメトキシシラン TMS:テトラメトキシシラン APO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル
ホスフィンオキサイド(BASF製、商品名:LUCI
RIN−TPO) BAPO:ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−
2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド
/2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパ
ン−1−オンの重量比1/3の混合物(チバガイギー社
製、商品名:CGI−1700) MPG:メチルフェニルグリオキシレート(アクゾ・ジ
ャパン(株)製、商品名:VICURE−55) UA−1:2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−
ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(チバガイギー社
製;商品名:チヌビン−PS) UA−2:2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−
オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(チバガイギー
社製、商品名:チヌビン−329) HALS−1:ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(チバガ
イギー社製、商品名:チヌビン−123) HALS−2:4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン(三共(株)製、商品名:サ
ノールLS−744) HALS−3:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)セバケート(三共(株)製、商品名:
サノールLS−770)
剤型いずれの場合でも塗布可能な被覆用組成物であり、
これを基材に塗布硬化して形成した硬化被膜は、耐摩耗
性、耐衝撃性に優れ、外観も良好である。また、優れた
耐候性をも発現し、硬化被膜のクラック等の発生防止に
も有効である。また、本発明の表面被覆成形物は、表面
に上述効果をもつ硬化被膜で覆われているので、例えば
合成樹脂成形品において従来より問題であったキズによ
る審美性の低下等各種問題を解消した成形物を得ること
ができる。さらに、本発明の被覆組成物より得た硬化被
膜は、耐候性に非常に優れるため、例えば車両、飛行機
など輸送機用の窓ガラス、ヘッドランプカバー、風防ガ
ラス、屋根材;建造物用の窓ガラス、屋根材;道路の防
音壁;銘板及びディスプレー用面板等各種面板のよう
に、屋外にて使用される用途に特に有用である。
Claims (4)
- 【請求項1】(a)成分として、分子中に少なくとも2
個のアクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオ
キシ基を有する架橋重合性化合物(a−1)、または該
架橋重合性化合物(a−1)50重量%以上とこれと共
重合可能な化合物(a−2)50重量%以下とからなる
混合物、(b)成分として、下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1
〜10の炭化水素基、R3は水素原子または炭素数1〜
10の炭化水素基、R4は炭素数1〜10の二価の炭化
水素基、mは0〜2の整数を表す。)で表されるシラン
化合物から選ばれる少なくとも1種以上のシラン化合物
(b−1)5〜95モル部と、下記一般式(II) 【化2】 (式中、R5およびR6は同一又は異種の炭素数1〜10
の炭化水素基、R7は水素原子または炭素数1〜10の
炭化水素基、nおよびpは0〜3の整数であり、かつn
+pは0〜3である。)で表されるシラン化合物(b−
2)95〜5モル部との混合物の加水分解物で表面を修
飾したシリカ微粒子、及び(c)成分として、活性エネ
ルギー線重合開始剤とを含有することを特徴とする被覆
用組成物。 - 【請求項2】(a)成分として、(a−1)成分を70
重量%以上と(a−2)成分として分子中に1個のアク
リロイル基またはメタクリロイル基を有する重合性化合
物30重量%以下からなる混合物100重量部に対し、
(b)成分としてコロイダルシリカ5〜60重量部、
(c)成分を0.01〜10重量部であることを特徴と
する請求項1記載の被覆用組成物。 - 【請求項3】(d)成分としてベンゾトリアゾール系紫
外線吸収剤及び/又は(e)成分としてヒンダードアミ
ン系光安定剤をさらに含有した請求項1記載の被覆用組
成物。 - 【請求項4】請求項1記載の被覆用組成物の硬化物で表
面が被覆された樹脂製成形物。
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