JP3187603B2 - 被覆用組成物および表面被覆成形物 - Google Patents

被覆用組成物および表面被覆成形物

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JP3187603B2
JP3187603B2 JP10674893A JP10674893A JP3187603B2 JP 3187603 B2 JP3187603 B2 JP 3187603B2 JP 10674893 A JP10674893 A JP 10674893A JP 10674893 A JP10674893 A JP 10674893A JP 3187603 B2 JP3187603 B2 JP 3187603B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、活性エネルギー線を照
射することにより耐摩耗性並びに耐溶剤性の優れた被覆
膜を形成しうる被覆用組成物、及びこの被覆用組成物の
硬化膜により被覆された合成樹脂成形品等の表面被覆成
形物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、透明板ガラスの代替として耐破砕
性の大きい透明なプラスチック材料を使用することは広
く行なわれている。しかしながら、透明プラスチック材
料はガラスに比較して表面が柔らかく、表面摩耗及び引
っ掻き傷を受けやすいという重大な欠点を有する。
【0003】従来、プラスチックスの耐摩耗性を改良す
るために多くの試みがなされてきた。最も一般的な方法
の一つに、例えば特開昭53−102936号公報、同
53−104638号公報、同54−97633号公報
等に記載されたように分子中に複数のアクリロイルオキ
シ基あるいはメタクリロイルオキシ基を有する化合物を
成形品に塗布し、熱あるいは紫外線等の活性エネルギー
線により硬化させ、耐擦傷性の優れた成形品を得る方法
がある。この方法は、硬化液も比較的安価で生産性にも
優れているが、硬化被膜が有機物であることから該被覆
成形品の耐摩耗性には限界があるのが現状である。
【0004】一方、より高い表面硬度を成形品に付与さ
せるため、例えば特開昭48−26822号公報、同5
9−64671号公報等に見られるようなアルコキシシ
ラン化合物をプラスチック成形品表面に塗布し熱により
硬化させる方法、あるいは、特開昭56−106969
号公報、特開平2−272041号公報等に見られるよ
うなコロイダルシリカと有機樹脂の混合物をプラスチッ
ク成形品表面に塗布し熱により硬化させる方法が開示さ
れている。しかしながら、これらの方法には溶剤が用い
られるため乾燥工程が必要であり、被覆成形品の外観に
も問題が生じやすく、また、熱により硬化させる必要が
あるためエネルギー消費量が大きく、また、硬化に長時
間を要するため工業的に不利である。更に、溶剤を用い
乾燥することは、近年特に注目されている地球環境保護
といった観点からも好ましくない。
【0005】一方、特公平1−55307号公報、同3
−2168号公報、同3−6190号公報、特開昭59
−204669号公報、同62−256874号公報、
特開平2−64138号公報、同4−18423号公報
および特公昭62−21815号公報には、コロイダル
シリカと、アクリル基またはメタクリル基を有するアル
コキシシランと、多官能アクリレートからなる被覆用組
成物が開示されている。これらは必要に応じ無溶剤でも
用いることが可能であり、かなり優れた表面硬度をプラ
スチック成形品に付与できるが、アルコキシシラン化合
物中のアクリル基あるいはメタクリル基の構造に由来す
る親水的性質のため、被膜中のコロイダルシリカとアル
コキシシランの界面において加水分解を受けやすく、ひ
いては被膜の耐候性及び耐水性を損なう結果となってい
た。
【0006】また、特開平3−56514号公報には、
一部がアミノ有機官能性シランにより変性された多官能
性アクリレートとコロイダルシリカからなる被覆用組成
物が開示されている。その開示内容によれば、アミノ有
機官能性シランを多官能性アクリレート中の二重結合の
一部にマイケル付加させることによって得られるアクリ
ル基とアルコキシシリル基を両方有する化合物を利用す
るといった意味で、前述の、コロイダルシリカと、アク
リル基又はメタクリル基を有するアルコキシシランと、
多官能アクリレートからなる被覆用組成物と類似のもの
とみなされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の従来技
術における課題等を解決すべくなされたものである。す
なわち本発明の目的は、溶剤を用いなくとも塗布可能な
被覆用組成物であって硬化により耐摩耗性、耐擦傷性並
びに耐候性、耐水性に優れ、表面硬度が高く外観も良好
な被覆膜を形成できる被覆用組成物、およびこの被覆用
組成物の硬化物で表面が被覆された成形物を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)分子中
に少なくとも2個のアクリロイルオキシ基および/また
はメタクリロイルオキシ基を有する架橋重合性化合物(a
-1) 、または該架橋重合性化合物(a-1) 50重量%以上
とこれと共重合可能な化合物(a-2) とから成る混合物、
【0009】
【化2】 (b)一般式(I)(式中、R1 およびR2 はそれぞれ
独立して水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基、
3 はエ−テル結合および/またはカルボニル結合を有
していてもよい炭素数1〜10の二価の炭化水素基、R
4 は炭素数1〜10の二価の炭化水素基、R5 は炭素数
1〜3の炭化水素基、R6 は水素原子または炭素数1〜
10の炭化水素基、mは0または1、nは0〜2の整数
を表す)。で表されるシラン化合物の加水分解物で表面
が修飾されたシリカ粒子および(c)光重合開始剤から
なる被覆用組成物である。また、もう一つの本発明は、
かかる被覆用組成物の硬化物で表面が被覆された物品で
ある。
【0010】
【作用】本発明の被覆用組成物においては、シリカ粒子
(b)の表面が、一般式(I)で表されるシラン化合物
の加水分解物で修飾されているので、成分(a)中にシ
リカ粒子(b)を高濃度で分散することができ、耐摩耗
性の向上等の上記目的を達成し得る。また更には、一般
式(I)で表されるシラン化合物は、窒素原子に隣接す
る炭素に結合する水素を持つため水素供与体として働
き、光重合開始剤(c)とコンプレックスを形成するこ
とによりラジカルを生成する機能を有する。例えば光重
合開始剤(c)にベンゾフェノンを用いた場合、活性エ
ネルギ−線の照射により下記反応が生起する。
【0011】
【化3】 また、一般式(I)で表されるシラン化合物中の窒素原
子に隣接する炭素に結合する水素は重合の際に成長する
ラジカルによっても引き抜かれ、そこに再開始可能なラ
ジカルを生成する。
【0012】これらの理由のため、活性エネルギ−線の
照射により、シリカ粒子表面に結合した一般式(I)で
表されるシラン化合物においてラジカルが生成し、成分
(a)の重合を生起するため、成分(a)の重合体がシ
リカ表面に強固に結合し、硬化被膜が高い表面硬度を発
現することとなる。更に特筆すべきことに、本発明の被
覆用組成物は、従来技術において問題となっていた被覆
膜の耐候性並びに耐水性を改善できるものである。
【0013】以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】本発明の被覆用組成物における成分(a)
は、分子中に少なくとも2個のアクリロイルオキシ基お
よび/またはメタクリロイルオキシ基(以下(メタ)ア
クリロイルオキシ基と略す)を有する架橋重合性化合物
(a-1) である。またこの成分(a)は、架橋重合性化合
物(a-1) 50重量%以上とこれと共重合可能な化合物(a
-2) とから成る混合物であってもよい。
【0015】この分子内に少なくとも2個の(メタ)ア
クリロイルオキシ基を有する架橋重合性化合物(a-1)
は、(メタ)アクリロイルオキシ基以外の部分である残
基が炭化水素またはその誘導体であり、その分子内には
エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミ
ド結合、ウレタン結合等を含んでいてもよい。
【0016】この架橋重合性化合物(a-1) として、例え
ば多価アルコールと(メタ)アクリル酸またはそれらの
誘導体とから得られるエステル化合物、あるいは多価ア
ルコールと多価カルボン酸と(メタ)アクリル酸または
それらの誘導体とから得られるエステル化合物が挙げら
れる。この多価アルコールとしては、例えばエチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、平均分子量が約30
0〜約1000のポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール(即ち2,2−ジメチル−1,3−プロパンジ
オール)、2−エチルヘキシル−1,3−ヘキサンジオ
ール、2,2’−チオジエタノール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール等の2価のアルコール;トリメチロ
ールプロパン(即ち1,1,1−トリメチロールプロパ
ン)、ペンタグリセロール(即ち1,1,1−トリメチ
ロールエタン)、グリセロール、1,2,4−ブタント
リオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の3価の
アルコール;その他、ペンタエリスリトール(即ち2,
2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオ
ール)、ジグリセロール、ジペンタエリスリトール等が
挙げられる。
【0017】多価アルコールのポリ(メタ)アクリレー
トとして得られる架橋重合性化合物(a-1) の例として、
下記一般式(II)
【0018】
【化4】 (式中、nは0〜4の整数を示し、分子中に4個以上存
在するXは、そのうちの2個以上が(メタ)アクリロイ
ルオキシ基を示し、その残りが各々独立に水素原子、水
酸基、アミノ基、アルキル基または置換アルキル基を示
す。)で表わされる化合物が挙げられる。
【0019】この一般式(II)で表わされる化合物とし
ては、具体的にはトリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アク
リレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ト
リペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、
トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレ
ート等が挙げられる。
【0020】また、上記一般式(II)の化合物以外の多
価アルコールのポリ(メタ)アクリレートとしては、例
えばジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−
ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0021】架橋重合性化合物(a-1) として多価アルコ
ールと(メタ)アクリル酸とから得られるエステル化合
物を用いる場合、特に好ましいエステル化合物は、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジ
オールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリア
クリレート、ジペンタグリセロールペンタアクリレート
等である。
【0022】また架橋重合性化合物(a-1) として用い得
る多価アルコールと多価カルボン酸と(メタ)アクリル
酸またはそれらの誘導体とから得られるエステル化合物
は、基本的には、多価アルコールのヒドロキシル基と多
価カルボン酸および(メタ)アクリル酸の両者のカルボ
キシル基とが最終的には当量となるような混合物を反応
させることによって得られる。このエステル化合物のう
ち好ましいものは、多価アルコールとして、2価のアル
コール、3価のアルコール、または2価のアルコールと
3価のアルコールとの混合物を用い、多価カルボン酸と
して、2価カルボン酸を用いて得られたエステル化物が
挙げられる。3価のアルコールと2価のアルコールの混
合物を用いる場合は、3価のアルコールと2価のアルコ
ールとのモル比は任意に選べばよい。また、2価カルボ
ン酸と(メタ)アクリル酸とを併用する場合のモル比
は、(メタ)アクリル酸のカルボキシル基1モルに対し
て2価カルボン酸のカルボキシル基が2モル以下の範囲
内とすることが好ましい。2価カルボン酸が上記の範囲
より過剰の場合には、生成するエステルの粘度が高くな
り過ぎて塗膜の形成が困難になる場合がある。
【0023】上述のエステル化合物の合成に用いる2価
カルボン酸またはその誘導体としては、例えばコハク
酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン
酸;テトラヒドロフタル酸、3,6−エンドメチレンテ
トラヒドロフタル酸などの脂環族ジカルボン酸;フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボ
ン酸;その他チオジグリコール酸、チオジバレリン酸、
ジグリコール酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、
およびこれらの塩化物、無水物並びにエステル等を挙げ
ることができる。
【0024】架橋重合性化合物(a-1) として用いる上述
のエステル化合物の具体例は、マロン酸/トリメチロー
ルエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロ
ールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセ
リン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリ
トール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロー
ルエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロ
ールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリセ
リン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリスリ
トール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロ
ールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメ
チロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/
ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン
酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/ト
リメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸
/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、グル
タル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸
/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバシ
ン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セ
バシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル
酸、セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、セ
バシン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル
酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリ
ル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)ア
クリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル
酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリ
ル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)ア
クリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メ
タ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/
(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロール
エタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセ
リン/(メタ)アクリル酸等の化合物の組み合わせによ
る飽和または不飽和ポリエステルポリアクリレートまた
はポリメタクリレートである。
【0025】更に架橋重合性化合物(a-1) として、例え
ばトリメチロールプロパントルイレントリイソシアネー
ト、下記一般式(III)
【0026】
【化5】 (式中、Rは各々独立してヘキサメチレンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルエタンジ
イソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’
−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イ
ソホロンジイソシアネートまたはトリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネートの残基を示す。)で表わされる化
合物等のポリイソシアネートと、活性水素を有するアク
リル系単量体(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル
(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリ
ルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド等)
とを、イソシアネート基1モル当たりアクリル系単量体
1モル以上を常法により反応させて得られるウレタン
(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等のポ
リ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレ
ートが挙げられる。
【0027】本発明の被覆用組成物における成分(a)
は、架橋重合性化合物(a-1) 50重量%以上とこれと共
重合可能な化合物(a-2) とから成る混合物であってもよ
い。この共重合可能な化合物(a-2) としては、例えば分
子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物等
が用いられる。具体的には、例えばメチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
t−ブチル(メタ)アクリレート、2ーエチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、トリデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒド
ロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)
アクリレート、1,4−ブチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)ア
クリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)ア
クリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフル
オロペンチル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシメチルジアセ
トン(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−
N−メチル(メタ)アクリルアミド、下記一般式(IV)
または(V)
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】 (一般式IVおよびV中、nは1〜10を示し、Xは(メ
タ)アクリロイルオキシ基を示し、Rはアルキル基、置
換アルキル基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル
基または置換ベンジル基を示す。)で表わされるモノ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0030】この一般式(IV) または(V) で表わされ
るモノ(メタ)アクリレートとしては、例えばメトキシ
ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノ
キシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブ
トキシエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙
げられる。
【0031】更に共重合可能な化合物(a-2) として、例
えばβ−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲ
ンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチル
ハイドロゲンサクシネート、β−(メタ)アクリロイル
オキシプロピルハイドロゲンサクシネート、および公知
の各種エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メ
タ)アクリレート等も挙げられる。
【0032】本発明の被覆用組成物における成分(b)
は、一般式(I)で表わされるシラン化合物の加水分解
物で表面が修飾されたシリカ粒子である。ここで「加水
分解物で表面が修飾された」とは、シリカ粒子の表面の
一部または全部にシラン化合物の加水分解物が保持され
た状態にあり、これにより表面特性が改質されているこ
とを意味する。なお、加水分解物の縮合反応が進んだも
のが同時に保持されているシリカ粒子も含まれる。本発
明におけるこの表面修飾は、代表的には、シリカ粒子存
在下にシラン化合物の加水分解、または加水分解と縮合
反応を生じせしめることにより容易に行うことができ
る。
【0033】シリカ粒子としては、例えばコロイダルシ
リカが使用できる。シリカの平均粒径は通常1nm〜1
μmであり特に限定されるものではないが、好ましい平
均粒径は10nm〜500nmである。コロイダルシリ
カを用いる場合、その分散媒は特に限定されないが、通
常、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブタノールのようなアルコール類;セロソル
ブ類;ジメチルアセトアミド、キシレン等が使用され
る。特に好ましい分散媒は、アルコール類、セロソルブ
類および水である。
【0034】本発明で用いる一般式(I)で表わされる
シラン化合物としては、例えばH2 NC36 Si(O
CH33 、H2 NC36 Si(OC253
【0035】
【化8】 CH3 NHC36 Si(OCH33 、C25 NH
36 Si(OCH33
【0036】
【化9】 2 NC24 NHC36 Si(OCH33
【0037】
【化10】 等およびこれらの混合物が挙げられる。
【0038】本発明の被覆用組成物における成分(b)
を得るには、一般式(I)で表わされるシラン化合物の
みをシリカ粒子の存在下に加水分解、縮合させてもよい
し、他のシラン化合物と共に共加水分解、縮合させても
よい。かかる他のシラン化合物としては、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキ
シシラン、テトラi−プロポキシシラン、テトラn−ブ
トキシシラン、テトラヘキシルオルソシリケート、テト
ラフェニルオルソシリケート、テトラベンジルオルソシ
リケート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエ
トキシシラン、フエニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラ
ン、メチルフェニルジメトキシシラン、メトキシエチル
トリエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン等が挙
げられる。
【0039】シリカ粒子としてコロイダルシリカを用い
る場合は、シラン化合物をコロイダルシリカの分散液中
に混合して、系中の水または新たに加える水により加水
分解すれば、この加水分解物で表面が修飾されたシリカ
粒子(b)が得られる。シラン化合物の加水分解反応を
行う際の触媒として、無機酸または有機酸を使用するこ
とが可能である。無機酸としては、例えば塩酸、弗化水
素酸、臭化水素酸等のハロゲン化水素酸や硫酸、硝酸、
リン酸等が用いられる。有機酸としては、蟻酸、酢酸、
シュウ酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
【0040】シラン化合物の加水分解反応系には、反応
を温和に、かつ均一に行うために溶媒を用いることがで
きる。この溶媒としては、反応物であるシランアルコキ
シドと水、触媒を相容させ得るものが望ましい。具体的
には、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール等のアルコール類;アセトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン
等のエーテル類を挙げることができる。これら溶媒とし
て、前述したコロイダルシリカの分散媒をそのまま用い
てもよいし、新たに必要量加えてもよい。溶媒の使用量
は反応物を均一に溶解できる量であれば特に制限はない
が、反応物の濃度が希薄になりすぎると、反応速度が著
しく遅くなるおそれがある。シラン化合物の加水分解と
縮合反応は、室温〜120℃程度の温度で30分〜24
時間程度の条件下で、好ましくは室温〜溶媒の沸点程度
の温度で1〜10時間程度の条件下で行われる。
【0041】成分(b)における配合比は特に制限され
ないが、シリカ粒子(コロイダルシリカの場合はその固
形分)100重量部に対し、シラン化合物を好ましくは
5〜200重量部、より好ましくは25〜100重量部
用いる。また成分(a)と成分(b)の配合比も特に制
限されないが、成分(b)におけるシリカ粒子(コロイ
ダルシリカの場合はその固形分)100重量部に対し、
成分(a)を好ましくは5〜1000重量部、より好ま
しくは20〜200重量部用いる。
【0042】本発明の被覆用組成物における光重合開始
剤(c)は、成分(a)の重合反応を生起させ得るもの
であり、具体的に例示すると、ベンゾイン、ベンゾイン
メチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイ
ンイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ
ル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、
ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノンなどのカ
ルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィ
ド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合
物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−
ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルパ
ーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド等
のパーオキサイド化合物;トリメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシホス
フィンオキサイド等のホスフィンオキサイド化合物等が
挙げられる。これらの重合開始剤は単独で使用してもよ
いし、二種以上組み合わせて用いてもよい。本発明に用
いるのが特に好適な光重合開始剤(c)は、窒素原子に
隣接するメチレン水素を有するシラン化合物の加水分解
物とコンプレックスを形成することのできるものであ
り、このような光重合開始剤を用いると前述した機構に
より炭素に結合する水素が引き抜かれてラジカル重合が
開始するため、成分(a)の重合体をシラン化合物の加
水分解物を介してシリカの表面に強固に結合させること
ができる。このような光重合開始剤の具体例としては、
ベンゾフェノン誘導体およびチオキサントン誘導体を挙
げることができる。
【0043】本発明の被覆用組成物における光重合開始
剤の配合量は、成分(a)100重量部に対して10重
量部以下が好ましい。
【0044】本発明の被覆用組成物を得る方法は特に限
定されるものではないが、例えばコロイダルシリカの分
散液に、シラン化合物および必要により水や触媒を混合
し、前述した反応条件で反応させ、この反応後の液中に
成分(a)を混合し、次いでコロイダルシリカの分散媒
およびシラン化合物の加水分解反応で生成した揮発分を
除去し、その後必要により光重合開始剤および他の添加
剤を加える方法が特に好ましい。
【0045】本発明の被覆用組成物は、基本的には有機
溶剤を含有しないものとして提供されるが、必要により
有機溶剤を含有したものとして提供してもよい。この有
機溶剤としては、成分(a)と光重合開始剤と均一混合
可能であり、かつ成分(b)を均一分散可能なものが使
用される。常圧での沸点が50℃以上200℃以下であ
り、常温(25℃)での粘度が10センチポイズ以下の
ものが適当である。具体的には、エタノール、イソプロ
ピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ノルマ
ルブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコ
ール類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオキサン
等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、これ
らの有機溶剤は単独でまたは2種以上を混合して使用す
ることができる。
【0046】また更に、本発明の被覆用組成物において
は、必要に応じて表面平滑剤、界面活性剤、紫外線吸収
剤、貯蔵安定剤などの各種添加剤を適宜添加して使用す
ることができる。
【0047】この被覆用組成物を各種成形物の表面に塗
布する方法としては、刷毛塗り法、流延法、ローラーコ
ート法、バーコート法、噴霧コート法、エアーナイフコ
ート法、ディッピング法等が挙げられるが特に限定され
ない。被覆用組成物の成形品表面に対する塗布量として
は、硬化後の膜厚が1〜30μmの厚みになるように塗
布するのが適当である。膜厚が1μm未満の場合は耐摩
耗性に劣り、膜厚が30μmを越える場合には硬化被膜
にクラック等が入りやすい傾向にあり好ましくない。こ
のような方法で形成した塗膜に紫外線等の活性エネルギ
ー線を照射し硬化させることによって、良好な硬化被膜
が形成できる。
【0048】本発明によりその表面に被膜が形成される
成形物は、表面の耐摩耗性等の向上が求められる各種成
形物である。特に合成樹脂製の成形物が代表的に挙げら
れ、例えばポリメチルメタクリレート、メチルメタクリ
レートを主構成成分とする共重合体、ポリスチレン、ス
チレン−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−ア
クリロニトリル共重合体、ポリカーボネート、セルロー
スアセテートブチレート樹脂、ポリアクリルジグリコー
ルカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステ
ル樹脂等が好ましい材質として挙げられる。
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。ただし、本発明は実施例に限定されるものではな
い。また、実施例中の各種物性の測定および評価は、以
下に示す方法で行った。
【0050】1)耐擦傷性 000番スチールウールを25φ円形パッドに装着し、
往復式摩耗試験機台上に保持された試料表面に、このパ
ッドを置いて荷重1000g下で100回往復擦傷し
た。この試料を洗浄した後、ヘーズメーターで曇価を測
定した。耐スチールウール擦傷性(%)は、(擦傷後曇
価)−(擦傷前曇価)で示される。
【0051】2)耐摩耗性 テーバー摩耗試験法により、CS−10F摩耗輪と50
0gの重量のおもりを組み合わせ、100回転させたと
きの曇価をヘーズメーターで測定した。なお、曇価の測
定は摩耗サイクルの軌道の回り4か所で行い、平均値を
算出した。テーバー摩耗性(%)は、(テーバー試験後
曇価)−(テーバー試験前曇価)で示される。
【0052】3)被膜の密着性 サンプルをカミソリの刃で1mm間隔に縦・横11本づ
つ切り目を入れて100個のゴバン目をつくり、市販セ
ロハンテープをよく密着させた後、90°手前方向に急
激にはがした時、被膜が剥離せずに残存したます目数
(x)をx/100で表示する。
【0053】4)外観 帯色、ブツ、クラック、くもりなどの欠陥について目視
にて判定し、次のように評価した。 ○… 特に目立った欠陥無し。 ×… ΔYI値として4.0以上の黄帯色またはクラッ
ク、くもりなどの発生がみられる。
【0054】5)耐候性 サンシャインウエザーメーター(スガ試験機(株)WE
L−SUN−DC型)を用いてブラックパネル温度63
℃で降雨12分−乾燥48分のサイクルで2000時間
暴露後、外観の評価を行った。
【0055】6)耐水性 80℃の水中に25日間試験片を浸漬した後に、外観、
密着性の評価を行った。
【0056】<実施例1>イソプロピルアルコール分散
型コロイダルシリカ(シリカ含量30重量%、触媒化成
工業(株)製、商品名OSCAL−1432)50重量
部に、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン(以下、PAPTSと略す)5.6重量部、脱イ
オン水1.5重量部を加え、40℃で1時間攪拌した。
その後、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(以
下、C6DAと略す)45重量部を加え、減圧下で揮発
分をすべて留去した。次いでこれに、光重合開始剤とし
てトリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイ
ド(以下、APOと略す)1.8重量部およびベンゾフ
ェノン(以下、BNPと略す)0.7重量部、紫外線吸
収剤として2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール(以下、UA−1と略
す、チバガイギー社製、商品名チヌビン−PS)3.9
重量部を加えて溶解させ、被覆用組成物とした。
【0057】この被覆用組成物をポリカーボネート板
(三菱レイヨン社製、商品名ダイヤライト、厚さ1m
m)に塗布し、その上からポリエステルフィルム(ダイ
ヤホイル社製、厚さ50μm)をかぶせながら、スポン
ジロールを用いて密圧着し、塗布膜の厚みが約7μmに
なるようによくしごいた。次いで、照射幅13cmに調
整された120W/cmのメタルハライドランプ(平行
型リフレクター付、オゾンレスタイプ、被射体との距離
30cm)の下を、2m/分のスピードでポリエステル
フィルム面側が照射されるよう通過させた。次いで、ポ
リエステルフィルムのみを剥離し、更に120W/cm
の高圧水銀灯(平行型リフレクター付、オゾンタイプ、
照射幅13cm、被射体とランプの距離30cm)の下
を2m/分の速度で通過させ、被覆用組成物の硬化膜に
より表面が保護された樹脂板を得た。この樹脂板の硬
度、密着性、外観、耐候性、耐水性について上述した方
法に従い評価した。その結果を表2に示す。
【0058】<実施例2〜5および比較例1、2>表1
に示す各種組成の被覆用組成物を実施例1と同様の方法
で調製し、実施例1で用いたポリカーボネート板または
ポリメチルメタクリレート板(三菱レイヨン社製、商品
名アクリライト、厚さ1mm)の上に実施例1と同様に
して塗布および硬化させることによって、硬化膜で表面
が保護された樹脂板を得た。これらの樹脂板についても
実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
【0059】<実施例6>実施例1で用いたと同様のコ
ロイダルシリカ30重量部に、フェニルトリメトキシシ
ラン(以下、PTMSと略す)1.7重量部および脱イ
オン水0.8重量部を加え、40℃で1時間攪拌した。
その後、C6DAを30重量部、トリメチロールエタン
/アクリル酸/コハク酸(モル比2/4/1)の縮合物
(以下、TASと略す)20部を加え、減圧下で揮発分
を殆ど留去した。次いでγ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン(以下、APTMSと略す)1.7重量部を加
え、40℃で1時間攪拌した。その後、揮発分を完全に
留去し、APOを1.7重量部、BNPを0.6重量部
およびUA−1を3.7重量部を加えて被覆用組成物と
した。
【0060】この被覆用組成物を実施例1と同様な手法
で硬化させることによって、硬化膜で表面が保護された
樹脂板を得た。その評価結果を表2に示す。
【0061】<実施例7および8>表1に示した組成の
被覆用組成物を実施例6と同様の方法で調製し、塗布液
を実施例1と同様にして硬化させることによって、硬化
膜で表面が保護された樹脂板を得た。その評価結果を表
2に示す。
【0062】<実施例9>N,N−ジメチル−m−アミ
ノフェノール25重量部、γ−トリメトキシシリルプロ
ピルイソシアネート37.4重量部、及びジ−n−ブチ
ルスズジラウレート0.02重量部を混合し、60Cで
18時間攪拌して粘性液体を得た。生成物の赤外吸収ス
ペクトル及び 1H−NMRスペクトルにより水酸基及び
イソシアネ−ト基が完全に消失し、カルバメート結合が
生成しており、下記構造式で表わされるN,N−ジメチ
ル−m−アミノフェニル−γ−トリメトキシシリルプロ
ピルカルバメートが生成していることを確認した(以
下、DMPTSと略す)。
【0063】
【化11】 DMPTSをシラン化合物として用い、実施例1と同様
な手法で塗布液を調製し、硬化させることによって、硬
化膜で表面が保護された樹脂板を得た。塗布液の組成お
よび樹脂板の評価結果を表1及び2にそれぞれ示す。
【0064】<実施例10> 実施例1で用いたと同様のコロイダルシリカ100重量
部に、PAPTS11.2重量部および脱イオン水3重
量部を加え、40℃で1時間攪拌した。その後、ビス
(アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシ
アヌレート(東亜合成(株)製、商品名アロニックスM
−215)40重量部、C6DA10重量部およびイソ
ブチルアルコール60重量部を加え、よく攪拌した。次
いで、これに光重合開始剤としてAPOを0.8重量部
およびメチルフェニルグリオキシレート2.4重量部
紫外線吸収剤としてUA−1を5重量部を加えて溶解さ
せ、被覆用組成物とした。
【0065】次いで、この被覆用組成物を実施例1で用
いたと同様のポリカーボネート板に0.3cm/秒の速
度で浸漬塗布して、被膜を形成し、室温雰囲気中で10
分間放置し、溶剤を蒸発させた。次いで、ポリエステル
フィルムをかぶせない点および高圧水銀灯照射時の被写
体とランプの距離を15cm、通過速度を1.5m/分
とした点以外は実施例1と同様にして照射を行い、被覆
用組成物の硬化膜により表面が保護された樹脂板を得
た。この樹脂板についても実施例1と同様に評価した。
その結果を表2に示す。
【0066】
【表1】 (表1中の略号) THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート M−215:ビス(アクリロイルオキシエチル)ヒドロ
キシエチルイソシアヌレート(東亜合成(株)製、商品
名アロニックスM−215) S−1:イソプロピルアルコール分散型コロイダルシリ
カ(シリカ含量30重量%、触媒化成工業(株)製、商
品名OSCAL−1432) S−2:水分散型コロイダルシリカ(シリカ含量20重
量%、日産化学工業(株)製、商品名スノーテックス
O) DETX:2,4−ジエチルチオキサントン MPG:メチルフェニルグリオキシレ−ト
【0067】
【表2】 (表2中の略号) PC:ポリカーボネート PMMA:ポリメチルメタクリレート
【0068】
【発明の効果】本発明の被覆用組成物は、溶剤を用いな
くとも塗布可能であり、これを塗布硬化して形成する被
覆膜は、耐摩耗性、耐擦傷性に優れ、外観も良好であ
る。また、優れた耐候性や耐水性をも発現し、膜のクラ
ック等の発生防止にも有効である。
【0069】また、本発明の表面被覆成形物は、その表
面が上述の硬化被複膜で覆われているので、例えば合成
樹脂成形品において従来より問題であったキズによる審
美性の低下等の各種問題を解消できる。
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 博之 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平3−56514(JP,A) 特開 平5−86308(JP,A) 特許3035468(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 7/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)分子中に少なくとも2個のアクリ
    ロイルオキシ基および/またはメタクリロイルオキシ基
    を有する架橋重合性化合物(a-1) 、または該架橋重合性
    化合物(a-1) 50重量%以上とこれと共重合可能な化合
    物(a-2) とから成る混合物、 【化1】 (b)一般式(I)(式中、R1 およびR2 はそれぞれ
    独立して水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基、
    3 はエ−テル結合および/またはカルボニル結合を有
    していてもよい炭素数1〜10の二価の炭化水素基、R
    4 は炭素数1〜10の二価の炭化水素基、R5 は炭素数
    1〜3の炭化水素基、R6 は水素原子または炭素数1〜
    10の炭化水素基、mは0または1、nは0〜2の整数
    を表す)。で表されるシラン化合物の加水分解物で表面
    が修飾されたシリカ粒子および(c)光重合開始剤から
    なる被覆用組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の被覆用組成物の硬化物で表面
    が被覆された成形物。
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