JPH059213Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両のウインドガラス取付構造に関
し、より詳しくは、サイドドアにおけるウインド
ガラスの取付構造に関する。

（従来技術およびその問題点） 一般に、サイドドアのウインドガラスは昇降可
能とされているが、例えばワゴン車等、車種によ
つては、サイドドアのうちリヤ側のもの（リヤド
ア）は、ウインドガラスを開閉するニーズが少な
い。一方、リヤドアのウインドガラスを固定的に
組付ける、つまり嵌殺しとするようにすれば、ド
ア内にレギユレータを設置する必要がないため、
ドアの厚みを小さくすることができ、この結果車
室スペースの拡大化が図れるという利点がある。

ところで、フロントガラス等、車体の窓部に固
定的に組込まれるウインドガラスは、一般に接着
剤で車体側取付用フランジと接着されている。そ
して、このウインドガラス接着の際の隙間管理、
つまりウインドガラスと取付用フランジとの間の
隙間は、実開昭61−47713号公報に見られるよう
に、両者の間に介装されるスペーサで管理するよ
うにされている。その一方で、最近の自動車は空
気抵抗の減少等、空力特性を考慮してフラツシユ
サーフエイス化、すなわち車体外表面の段差をな
くして極力面一となるようにすることが行なわれ
ている。

したがつて、このようなフラツシユサーフエイ
ス化を採り入れてサイドドアのウインドガラスを
嵌殺しとするようにするには、ウインドガラスを
ドア本体上部に設けられたドアサツシユよりも車
外側に位置させて、接着する必要がある。

しかし、このようにした場合には、ドアサツシ
ユが車室内から丸見えとなるため、外観上の見栄
えが問題となる。勿論、この場合でも、ウインド
ガラスとドアサツシユとの隙間管理は当然必要で
あり、この隙間管理のために、従来のようにわざ
わざスペーサを用意しなければならないのは部品
点数、あるいは組立工程数的にも不利であること
は言うまでもない。

そこで、本考案の目的は、スペーサを、別途、
用意するまでもなくウインドガラスとドアサツシ
ユとの隙間管理が行なえるようにした車両のウイ
ンドガラス取付構造を提供することにある。

（問題点を解決するための手段、作用） 本考案は、ドアサツシユの車外側にウインドガ
ラスを配置するようにした場合には、外観上の見
栄えの点からドアサツシユの端末を隠蔽する必要
がある点を認め、結果的に隠蔽しなければならな
いのであれば、この隠蔽部材そのものでドアサツ
シユとウインドガラスとの間の隙間管理を行なう
ようにしてある。

具体的に説明すれば、 サイドドアの上部に設けられたドアサツシユの
車外側にウインドガラスが配置され、 前記ドアサツシユには、前記ウインドガラスの
板面に並行に伸びる取付用フランジ部が設けられ
て、該取付用フランジ部と前記ウインドガラスと
は接着剤により接合され、 前記ドアサツシユの取付用フランジ部には、そ
の端末にシーミングウエルトの嵌合凹部が嵌込ま
れ、 該シーミングウエルトの前記嵌合凹部を形成す
る２つの把持部のうち、前記取付用フランジ部と
前記ウインドガラスとに挟まれて位置する把持部
は、所定の厚さ寸法とされて、前記ウインドガラ
スとドアサツシユとの隙間を保持するスペーサ部
とされ、 該スペーサ部と前記ウインドガラスとの間には
第２の接着剤が設けられて、前記シーミングウエ
ルトとウインドガラスが接合され、 前記取付用フランジ部に、該取付用フランジ部
を車室側へ膨出させて閉断面部が設けられ、 前記閉断面部と前記ウインドガラスの内面との
間にウエザストリツプが介在されている、構成し
てある。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第２図は本考案が適用された自動車１を示すも
ので、自動車１は車体後部の荷物置場が車室と一
体に形成された、いわゆるセダンタイプとされ、
フロントドア２、バツクドア（図示省略）の他に
リヤドア３備えている。

リヤドア３は、第３図にも示すように、サツシ
ユドアとされて、ドア本体３ａの上部にドアサツ
シユ４が設けられている。そして、このドアサツ
シユ４にはウインドガラス５が接着されて、いわ
ゆる嵌殺しとされている。

ウインドガラス５の取付をより詳しく説明する
と、第１図に示すように、ドアサツシユ４は断面
略Ｔ字状に形成されて、ウインドガラス５の板面
に並行に延びる取付用フランジ部６と、この取付
用フランジ部６の中間部分より略直角に車内側に
向けて延びる脚部７とを有している。そして、脚
部７の車内端からは、上記取付用フランジ部６に
相対向してこれと略平行となるように内方側に屈
曲された閉断面状の支柱部８が連設され、この支
柱部８の先端部には取付用フランジ部６側に向け
て膨出した係止部９が形成されている。脚部７に
は、また、外側に開口する断面Ｕ字状のウエザス
トリツプ嵌合部１０が形成され、これに対応し
て、取付用フランジ部６の脚部７より外側部分の
外フランジ部１１は、車内側に膨出する閉断面形
状とされている。

このようなドアサツシユ４は、実施例ではアル
ミニユウムや鉄板等の一枚の金属板を、例えばロ
ール形成することにより構成されている。上述の
形状からなるドアサツシユ４には、シーミングウ
エルト１２とウエザストリツプ１３とが取付けら
れている。

先ず、シーミングウエルト１２について説明す
ると、シーミングウエルト１２は取付用フランジ
部６の内周縁に嵌込まれている。そして、シーミ
ングウエルト１２には、本体１２ａから車内方向
に延びるリツプ１４が設けられ、このリツプ１４
の先端は、前記ドアサツシユ４の係止部９に係止
されて、脚部７が車室内から直接見えないように
されている。

一方、前記ウエザストリツプ１３は、前記ウエ
ザストリツプ嵌合部１０に嵌込まれて、ピラーＰ
との止水を図るようにされている。このウエザス
トリツプ１３には、また、車外方向に突出する第
２のリツプ１５が設けられ、この第２のリツプは
取付用フランジ部６の外周縁を跨いで、その先端
がウインドガラス５の内面に当接するようにさ
れ、これによつてドアサツシユ４の隠蔽を図るよ
うにされている。

このようなドアサツシユ４とウインドガラス５
とは、ドアサツシユ４の外フランジ部１１に塗布
された接着剤Ａで接着されるが、この接着剤Ａが
固まるまでの間は、シーミングウエルト１２に貼
着された両面接着テープＢで、ウインドガラス５
の仮接着がなされている。

この点を詳しく説明すると、ドアサツシユ４
（取付用フランジ部６）に嵌込まれるシーミング
ウエルト本体１２ａの嵌合凹部１６を形成する２
つの把持部１７のうち、取付用フランジ部６とウ
インドガラス５の間に挟まれた把持部１７の肉厚
Ｈは、接着剤Ａに対する取付用フランジ部６とウ
インドガラス５との隙間管理としてのスペーサの
機能をもつように設定され、またこの把持部（ス
ペーサ部）１７のガラス当接面１７には、上記両
面接着テープＢが貼着されて、この両面接着テー
プＢでウインドガラス５を取付ける際の仮止めを
行なうようにされている。尚、第１図中、符号２
０はダム、符号２１はシーミングウエルトで、こ
のシーミングウエルト２１には、中空状のウエザ
ストリツプ２２が一体に設けられている。

以上のように、シーミングウエルト１２の把持
部１７に接着剤Ａに対するスペーサの機能をもた
せてあるため、わざわざスペーサ部材を別途用意
する必要がなくなることは勿論のこと、この把持
部１７のガラス当接面１７ａを利用して、ウイン
ドガラス５の仮止めを行なうようにしてあるた
め、ウインドガラス５の組付けの際には、単にウ
インドガラス５を車外側からドアサツシユ４に押
しつけるだけで仮止め、本止めを行なうことがで
きることとなる。

第４図は、第２実施例を示すもので、上記第１
実施例と同一の要素には同一の符号を付してその
説明を省略し、本実施例の特徴部分について以下
に説明を加える。

本実施例におけるドアサツシユ４の形状は、外
周側半分が平板状の外フランジ部４１とされ、内
周側半分が略三角形状閉断面の支柱部４２とさ
れ、上記外フランジ部４１と支柱部４２との車外
側表面は面一とされて、ウインドガラス５の接着
面が形成されている。

そして、本実施例ではシーミングウエルト３０
が上記外フランジ部４１に嵌め込まれシーミング
ウエルト３０には車内側に中空状ウエザストリツ
プ３２が一体に設けられて、このウエザストリツ
プ３２で止水が図られている。また、シーミング
ウエルト３０には、車外側に小リツプ３３が設け
られて、ウインドガラス５の内面を覆蔽するよう
にされている。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、ドアサツシユの端末処理に設けられるシーミ
ングウエルトを利用して、接着剤が固まるまでの
間のドアサツシユとウインドガラスとの隙間管理
を行なうようにしてあるため、別途、スペーサ部
材を設ける必要がなくなる。

加えて、シーミングウエルトのスペーサ部とウ
インドガラスとが接着されて、ウインドガラスの
仮止めがなされるため、この仮止め作業を含め
て、部品点数の低減あるいは作業工程数の低減な
ど実用上の利点がある。

しかも、取付用フランジ部の閉断面部を、ウエ
ザストリツプの強固な保持部材、受け部材、固定
部材等として利用し、その閉断面部によつても、
ウインドガラスをウエザストリツプを介して支持
させることができることになり、ウインドガラス
の支持性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例を示すもので、第２図の
−断面図、第２図は実施例が適用された自動車
の斜視図、第３図はリヤドアを取外して示す拡大
分解図、第４図は第２実施例を示すもので、第１
図に対応する断面図である。 １……自動車、３……リヤドア、４……ドアサ
ツシユ、５……ウインドガラス、６……取付用フ
ランジ部、１２……シーミングウエルト、１７…
…把持部（スペーサ部）、１７ａ……ガラス当接
面、Ａ……接着剤、Ｂ……両面接着テープ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 サイドドアの上部に設けられたドアサツシユの
   車外側にウインドガラスが配置され、 前記ドアサツシユには、前記ウインドガラスの
   板面に並行に伸びる取付用フランジ部が設けられ
   て、該取付用フランジ部と前記ウインドガラスと
   は接着剤により接合され、 前記ドアサツシユの取付用フランジ部には、そ
   の端末にシーミングウエルトの嵌合凹部が嵌込ま
   れ、 該シーミングウエルトの前記嵌合凹部を形成す
   る２つの把持部のうち、前記取付用フランジ部と
   前記ウインドガラスとに挟まれて位置する把持部
   は、所定の厚さ寸法とされて、前記ウインドガラ
   スとドアサツシユとの隙間を保持するスペーサ部
   とされ、 該スペーサ部と前記ウインドガラスとの間には
   第２の接着剤が設けられて、前記シーミングウエ
   ルトとウインドガラスが接合され、 前記取付用フランジ部に、該取付用フランジ部
   を車室側へ膨出させて閉断面部が設けられ、 前記閉断面部と前記ウインドガラスの内面との
   間にウエザストリツプが介在されている、 ことを特徴とする車両のウインドガラス取付構
   造。