JPH0551648A - 電縫鋼管の製造方法 - Google Patents

電縫鋼管の製造方法

Info

Publication number
JPH0551648A
JPH0551648A JP25653591A JP25653591A JPH0551648A JP H0551648 A JPH0551648 A JP H0551648A JP 25653591 A JP25653591 A JP 25653591A JP 25653591 A JP25653591 A JP 25653591A JP H0551648 A JPH0551648 A JP H0551648A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
weight
less
electric resistance
cooling rate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25653591A
Other languages
English (en)
Inventor
Motoaki Itaya
元晶 板谷
Asao Narimoto
朝雄 成本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP25653591A priority Critical patent/JPH0551648A/ja
Publication of JPH0551648A publication Critical patent/JPH0551648A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】電縫管の成分及び溶接部2の熱処理工程を調整
することによって、溶接部2の低温靭性を向上させる。 【構成】特定成分の電縫管11の電縫溶接部2を誘導加
熱装置5,6によって所定温度まで加熱した後、水冷装
置9により焼入れする際の管表面側及び管裏面側の冷却
速度が的確な範囲に入るように冷却を2段に分け、前段
を緩冷、後段を急冷とする制御冷却を行い、溶接部を微
細なフェライト組織とし溶接部2の板厚方向の冷却速度
を均一化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接部の低温靭性が優
れた高張力電縫鋼管の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電縫鋼管の溶接部の靭性を向上させるた
めに、従来一般的に行われていたノルマライジング処理
に代えて、焼鈍後に急冷する方法が例えば特公昭57−
8848号公報あるいは特開昭59−35629号公報
に開示されている。また焼入れ焼戻しをする方法が例え
ば特開昭59−43827号公報あるいは特開昭59−
153839号公報等に開示されている。さらに焼入れ
に続いて2相域加熱する方法が特開平3−31423号
公報に、焼入れに続いて2相域焼入れした後焼戻しする
方法が特開平2−305923号公報に開示されてい
る。これらの熱処理はいずれも、基本的には焼入れによ
る結晶粒の微細化を狙ったものであり、微細なフェライ
ト組織を得ることによって靭性の向上を図るものであ
る。このような熱処理方法に対して従来技術では加熱温
度、冷却開始温度及び冷却速度によって熱処理の条件の
みが規定されている。加熱温度に関しては一般的にミル
ラインに直列に配置した誘導加熱装置を用いるためその
出力調整により、また冷却開始温度に関しては冷却開始
位置の調整により容易に実現可能である。しかしながら
焼入れ時の冷却速度に関しては、発明者らの検討によれ
ば、実際的な冷却方法としては管外面側一方向からの冷
却になることから、外面側と内面側で冷却速度の差が生
じてしまい板厚方向に均一な冷却速度は得られず、従っ
て目標とする微細なフェライト組織が板厚方向で均一に
得られないことが明らかになった。
【0003】従来技術では、たとえ冷却速度を呈示して
いたとしても、その具体的な冷却方法が示されていな
い。一般的には通常の冷却方法では板厚方向に均一な冷
却速度は得られない。特に板厚が10mmを越える場
合、管内面側の冷却速度を確保するため冷却水量を多く
すれば管外面側の冷却速度が過大となり、管外面側にベ
ーナイト組織が生じて靭性が劣化する。一方管外面側の
冷却速度を抑えるため冷却水量を絞れば、管内面側の冷
却速度が過小となり、組織の微細化が十分に行われず、
やはり靭性が劣化する。このように通常の冷却方法では
板厚方向に冷却速度の差があり、内外面で組織の不均一
が生じ、その結果靭性の劣化を招くという悪影響があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記の点
に関して、種々の板厚の電縫管について実験を行い、冷
却速度の均一化について検討を加えた結果、次の(1)
〜(3)の知見を得るに至った。 (1) 管内面側は主に管外面側の温度が下がることに
より熱伝導によって冷却されるため、管内面側では冷却
速度が小さく、また管外面側とは冷却に時間差がある。
【0005】(2) Ar1 変態点付近の500℃より
低い温度域であれば冷却速度が組織に及ぼす影響はほと
んどない。 (3) 上記(1)のことから管外面側が500℃の時
点でも、肉厚の中央や、管内面側はそれ以上の温度にな
っており、ここで冷却水量を増やして外面温度を速く下
げればその分、肉厚の中央部や管内面側は冷却速度が大
きくなり、管外面側の冷却速度に近づく。
【0006】本発明は上記知見に基いて完成されたもの
で、電縫管の溶接部の冷却過程に改善を加えることによ
って、溶接部の肉厚方向の組織を適正化し、溶接部の靭
性を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記知見に基づ
いてなされたものであって、次の技術手段から構成され
ている。すなわち、連続的に成形した帯鋼を電縫溶接
し、これに引き続いて溶接部をAc3 変態点以上、10
50℃以下に加熱し、外表面から強制冷却する過程を含
む熱処理において、前記冷却を溶接部外表面温度が80
0℃から500℃〜400℃までを10℃/sec以上
かつフェライトが析出する範囲の冷却速度で冷却し、該
溶接部外表面温度が500℃〜400℃に到達した時点
で冷却を強化して外表面が200℃以下になるまで冷却
することを特徴とする電縫鋼管の製造方法である。
【0008】この場合に、上記鋼帯の化学組成が、 C:0.01〜0.10重量%、 Si:0.5重量%以下、 Mn:0.5〜2.0重量%、 P:0.030重量%以下、 S:0.008重量%以下、 N:0.01重量%以下、 Al:0.06重量%以下 を含み、かつ Nb:0.1重量%以下、 V:0.1重量%以下、 Ti:0.05重量%以下 のうちの一種以上を含有し、残部Fe及び不可避的不純
物よりなる鋼帯とすれば、低温靭性の優れた高張力電縫
鋼管を製造することができ、さらに上記鋼帯の化学組成
がさらに Cr:0.1〜1.0重量%、 Mo:0.1〜1.0重量%、 Cu:0.1〜0.6重量%、 Ni:0.1〜0.6重量% のうちの一種以上、又はこれらの代りに、あるいはこれ
らにさらに加えて、 Ca:0.0005〜0.0050重量% を含有すると一層好ましい。
【0009】また熱処理としては上記200℃以下まで
の冷却の後に、溶接部を400℃以上800℃以下に再
加熱して焼戻すか、又は溶接部をAc1 点以上(Ac3
点−50℃)以下に再加熱し、650℃から200℃の
温度範囲内まで冷却速度10℃/sec以上で冷却する
か又は、溶接部をAc1 点以上(Ac3 点−50℃)以
下に再加熱し、200℃以下まで冷却速度10℃/se
c以上で冷却し、その後400℃以上800℃以下に再
再加熱して焼戻す処理を付加すると一層好ましい低温靭
性の優れた高張力電縫鋼管を製造することができる。
【0010】本発明において「冷却を強化する」とは、
抜熱速度を高めることをいい、冷却水などの冷却媒体量
を増加することを指称する。
【0011】
【作用】以下この発明について作用と共に詳細に説明す
る。本発明は電縫管の溶接部を焼入れすることを含む熱
処理において、焼入れの際の冷却を2段に分け、前段を
緩冷、後段を急冷とする制御冷却を行い、板厚方向の冷
却速度を均一化することにより、溶接部低温靭性の向上
を達成するものである。
【0012】以下この発明について詳細に説明する。ま
ず素材成分の限定理由について説明する。Cは強度を確
保するための元素であるが、含有量が増えると靭性が劣
化するため0.01〜0.10重量%とした。Siも強
度確保のための必要元素であるが、0.5重量%を超え
ると溶接部にペネトレータが発生しやすくなり靭性が劣
化するため0.5重量%以下規定とした。
【0013】Mnも強度を保つための必要元素である
が、0.5重量%未満では必要強度が得られず、2.0
重量%を超えるとSiと同様に溶接部にペネトレータが
発生しやすくなるため0.5〜2.0重量%とした。P
は偏析を生じて靭性を劣化させる元素なので低い方が望
ましく、0.030重量%以下とした。さらに耐サワー
性を考慮する場合には、Pは0.010重量%以下が望
ましい。
【0014】SはMnSの介在物が靭性に悪影響を及ぼ
すため低い方が望ましく、0.008重量%以下とし
た。さらにMnSはHICの起点となるので、Sは耐サ
ワー性確保の点からは極力低く押さえて、0.003重
量%以下が望ましい。Nはサイジング工程で加工を受け
た際、歪時効による靭性劣化の原因となるため低いほう
がよく、0.01重量%以下とした。
【0015】AlはAlNとしてオーステナイト粒を細
粒化する効果が大きいが、0.06重量%を超えると介
在物が増加し欠陥の原因となるため0.06重量%以下
とした。Nb,V,Tiについては、強度確保及び結晶
粒微細化のために必要な元素であり、Nb,Vは0.1
重量%以下、Tiは0.05重量%以下とした。
【0016】Cr,Mo,Cu,Niについては強度、
靭性あるいは耐食性を改善する元素であり、それぞれの
成分の限定理由は以下の通りである。Cr,Moは強度
の向上に効果があるが、0.10重量%未満では効果が
得られず、1.0重量%を超えると靭性に悪影響を与え
るので0.10〜1.0重量%とした。
【0017】Cuは強度及び耐食性の向上に効果がある
が、0.1重量%未満ではその効果が少なく、0.6重
量%を超えると熱間加工性を損なうので0.1〜0.6
重量%とした。Niは強度、靭性の向上ならびに耐食性
の向上に効果があり、またCuによる熱間加工性の低下
を防ぐためにも必要な元素であるが、0.1重量%未満
では効果がなく、0.6重量%を超えると硫化物応力腐
食が発生しやすくなるため0.1〜0.6重量%とし
た。
【0018】Caは硫化物系介在物を球状化し、靭性及
び耐HIC性を向上させる元素であり、その効果を得る
ためには0.0005重量%以上必要であるが、0.0
050重量%を超えるとCa系の介在物が増加し、靭性
及び耐HIC性を低下させるため0.0005〜0.0
050重量%とした。次に、熱処理条件について説明す
る。
【0019】加熱温度をAc3 以上、1050℃以下の
範囲に限定したのは、電縫溶接直後の靭性の劣化した急
冷組織を消去するためAc3 変態点以上に加熱してオー
ステナイト組織にする必要があるが、誘導加熱などによ
る外面側一方向からの急速加熱の場合、加熱温度がAc3
未満では内面側まで十分焼きならしができず、一方加熱
温度が1050℃を超えると結晶粒が粗大化し靭性が劣
化するためである。
【0020】その後の冷却条件について、Ac3変態点以
上の温度から冷却を開始し、溶接部外表面温度が800
℃から500〜400℃までを、10℃/sec以上か
つフェライトが析出する範囲の冷却速度で冷却すること
としたのは、冷却開始温度がAc3変態点より低くなると
組織の整流均一化が行われず急冷の効果がなくなるから
であり、また、冷却速度が10℃/secより遅いと結
晶粒が粗大化してしまい、靭性が劣化するためであり、
また冷却速度が例えば図8に示すようなCCT曲線(連
続冷却変態曲線)で決るフェライトが析出する範囲の冷
却速度を越えると外面側がベーナイトあるいはマルテン
サイトの脆化組織となり好ましくないためである。
【0021】このような冷却を外面側が500〜400
℃に到達するまで実施するのは、この温度になると、管
の外面側が変態をほぼ完了するからである。500℃を
越える温度で冷却を強化すると、脆化組織が混在し靭性
が劣化する。一方400℃未満まで冷却すると管の外面
側以外の部分も変態を完了してしまいその後冷却を強化
しても細粒化の効果がなくなる。
【0022】その後、冷却を強化した状態で管外表面側
が200℃以下になるまで冷却するのは、板厚方向の内
外面温度差を考慮した上で内面側を十分に変態完了させ
るためである。次に200℃以下まで冷却した後に際加
熱焼入れ焼戻しする場合について説明する。
【0023】再加熱温度を400〜800℃の範囲に限
定したのは、400℃未満では焼戻し効果が得られず、
一方800℃を超えると結晶粒が粗大化して直前の加熱
急冷処理によって得た微細組織が消失し靭性が劣化する
ためである。また、焼入れに続いて2相域加熱する場
合、再加熱温度をAc1 点以上、(Ac3 点−50℃)
以下の範囲に限定したのは、上記の処理によって得られ
た微細フェライト組織をさらに微細化するべく、オース
テナイト・フェライト2相域に加熱するためである。そ
の後の冷却条件で、650℃から200℃の温度範囲内
までを10℃/sec以上で冷却しその後空冷すること
にしたのは、650℃を超える温度で冷却を停止すると
組織が粗大化して靭性が劣化し、一方200℃未満まで
該冷却を実施するとマルテンサイト等の脆化組織が生成
して靭性が劣化するためであり、またこの冷却速度が1
0℃未満の場合、十分に微細な組織が得られないためで
ある。
【0024】さらに、焼入れに続いて2相焼入れした後
焼戻しする場合、再加熱温度をAc 1 点以上、(Ac3
点−50℃)以下の範囲に限定したのは、上記の処理に
よって得られた微細フェライト組織をさらに微細化する
べく、オーステナイト・フェライト2相域に加熱するた
めである。その後の冷却条件で、200℃以下の温度ま
でを10℃/sec以上で冷却することにしたのは、2
00℃を超える温度で該冷却を停止すると組織が十分細
粒化されず靭性が劣化するためであり、また該冷却の冷
却速度が10℃未満の場合、十分に微細な組織が得られ
ないためである。さらに、再再加熱温度を400〜80
0℃の範囲に限定したのは、400℃未満では焼戻し効
果が得られず、一方800℃を超えるとフェライト結晶
粒が粗大化して靭性が劣化するためである。
【0025】
【実施例】本発明を実施する電縫管製造設備の概略を図
1、図2に示す。連続的に成形された鋼帯1のエッジを
溶接電極3で加熱し、スクイズロール4で加圧、接合
し、電縫溶接部2をもつ電縫管11を製造する。この電
縫溶接部2を誘導加熱装置5,6によって所定温度まで
加熱した後、水冷装置9により外面側から所定の方法で
所定温度まで冷却する。さらに、その後焼入れ焼戻しを
施す場合は、図1の装置を用い誘導加熱装置7で再加熱
し、焼戻し処理を施す。また焼入れに続いて2相域加熱
する場合は、誘導加熱装置7で再加熱し、水冷装置10
で冷却する。さらに、焼入れに続いて2相域焼入れした
後焼戻しする場合は、誘導加熱装置7で再加熱し、水冷
装置10で冷却し、その後再び誘導加熱装置8で加熱し
て焼戻し処理を施す。
【0026】次に本発明の実施例を板厚12.7mmの
場合について説明する。図4に一例として水量密度11
00リットル/min・m2 で一定の場合の管内外面の
冷却曲線を示した。この場合管外面の冷却速度は125
℃/sec、管内面の冷却速度は30℃/secで、管
外面の冷却速度はフェライトが析出する限界冷却速度を
越えており、また管の内外面の冷却速度の差が95℃/
secと非常に大きい。
【0027】そこで図3に示すように、まず冷却の初期
では水量密度400リットル/min・m2 で管外面側
の冷却速度を臨界冷却速度以下の40℃/sec程度と
し、管外面の温度が500℃となる時点で、水量密度を
2000リットル/min・m2 に上げて冷却を強化す
れば、管外面側の温度がより早く下がる。この時点で肉
厚の中央部、管内面側の温度はまだ500℃以上であ
る。したがって、熱伝導による冷却で肉厚の中央部、管
内面側の冷却速度が上がり、500℃までの管内面側の
冷却速度が25℃/sec程度となる。従って、このよ
うな冷却パターンで冷却を行えば、800℃〜500℃
の冷却速度は管外面側が40℃/sec、管内面側が2
5℃/secとなり、管内外面の冷却速度の差が15℃
/secで通常の場合に比べて著しく小さくなる。
【0028】以上で述べたような冷却パターンにより、
管の内外面の冷却速度の差が減少し板厚方向の冷却速度
が均一化される。ここで冷却を強化するパターンとして
図3に示した2段ステップ状に水量を増やすパターンの
他、例えば図5に示すように多段ステップ状に水量を増
やすパターン、あるいは図6に示すように連続的に水量
を増やすパターンがあり、これらのいずれのパターンと
してもよい。
【0029】発明者らの研究によれば、図7に示すよう
に板厚方向の冷却速度の均一化により組織の均一性が向
上し、特に板厚方向の冷却速度の差を20℃/sec以
下にすれば靭性が非常に向上することが判明している。
表1、表2、表3に示される化学成分組成の鋼を用い、
図1に概略を示す装置で電縫溶接を行い、次いで表4、
表5、表6、表7、表8、表9、表10、表11に示す
各条件で熱処理を施し、外径508mmφ、肉厚12.
7mmの電縫鋼管を製造した。また表12に示す化学成
分、外径、肉厚の電縫鋼管を表13に示す条件で熱処理
を行った。なお、表4、表5、表6、表7、表8、表1
0には合せてフェライトが析出する臨界冷却速度も示し
てある。ここで図1の水冷装置9の下流側に配設されて
いる誘導加熱装置7,8や水冷装置10は熱処理の種類
に応じて使い分けた。表4、5は、1回の強制冷却の場
合の例を示し、表6、7;表13は、強制冷却後2回目
の加熱冷却を施した場合の例を示し、表8、9;表1
0、11はさらに3回目の加熱冷却を施した例を示した
ものである。
【0030】次に、このようにして製造された電縫鋼管
の溶接部から10mm×10mm、2Vノッチのシャル
ピー試験片を切り出して衝撃試験を実施し、シャルピー
遷移曲線から破面遷移温度を調査した。表4、表5、表
6、表7、表9、表11、表13に溶接部の熱処理条件
とともに破面遷移温度を示す。本発明例では管外面側、
管内面側の冷却速度はいずれも臨界冷却速度以下であ
り、かつ10℃/sec以上で、本発明の条件を満たし
ている。表4、表5、表6、表7、表12の結果から明
らかなように、本発明法により従来法に比べて溶接部低
温靭性が非常に優れた電縫鋼管の製造が可能である。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】
【表8】
【0039】
【表9】
【0040】
【表10】
【0041】
【表11】
【0042】
【表12】
【0043】
【表13】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、電縫管の溶接部の管厚
方向の組織の均一化を図ることができ、溶接部の靭性を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する電縫鋼管製造設備の概略図で
ある。
【図2】本発明を実施する電縫鋼管製造設備の概略図で
ある。
【図3】本発明法の冷却パターンと内外面の冷却カーブ
である。
【図4】従来法の冷却パターンと内外面の冷却カーブで
ある。
【図5】本発明に含まれる別の冷却パターンを示す図で
ある。
【図6】本発明に含まれる別の冷却パターンを示す図で
ある。
【図7】本発明の効果を示すグラフである。
【図8】CCT曲線の例を示す図である。
【符号の説明】
1 鋼帯 2 電縫溶
接部 3 溶接電極 4 スクイ
ズロール 5,6,7,8 誘導加熱装置 9,10
水冷装置 11 電縫管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続的に成形した帯鋼を電縫溶接し、こ
    れに引き続いて溶接部をAc3 変態点以上、1050℃
    以下に加熱し、外表面から強制冷却する過程を含む熱処
    理において、前記冷却を溶接部外表面温度が800℃か
    ら500℃〜400℃までを10℃/sec以上かつフ
    ェライトが析出する範囲の冷却速度で冷却し、該溶接部
    外表面温度が500℃〜400℃に到達した時点で冷却
    を強化して外表面が200℃以下になるまで冷却するこ
    とを特徴とする電縫鋼管の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鋼帯が、 C:0.01〜0.10重量%、 Si:0.5重量%以下、 Mn:0.5〜2.0重量%、 P:0.030重量%以下、 S:0.008重量%以下、 N:0.01重量%以下、 Al:0.06重量%以下 を含み、かつ Nb:0.1重量%以下、 V:0.1重量%以下、 Ti:0.05重量%以下 のうちの一種以上を含有し、残部Fe及び不可避的不純
    物よりなる鋼帯であることを特徴とする低温靭性の優れ
    た高張力電縫鋼管の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の鋼帯がさらに Cr:0.1〜1.0重量%、 Mo:0.1〜1.0重量%、 Cu:0.1〜0.6重量%、 Ni:0.1〜0.6重量% のうちの一種以上を含有する鋼帯であることを特徴とす
    る低温靭性の優れた高張力電縫鋼管の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の鋼帯がさらに Ca:0.0005〜0.0050重量% を含有する鋼帯であることを特徴とする低温靭性の優れ
    た高張力電縫鋼管の製造方法。
  5. 【請求項5】 200℃以下に冷却の後に、再び該溶接
    部を400℃以上800℃以下に再加熱して焼戻すこと
    を特徴とする請求項1、2、3又は4記載の低温靭性の
    優れた高張力電縫鋼管の製造方法。
  6. 【請求項6】 200℃以下に冷却の後に、該溶接部を
    Ac1 点以上、(Ac3 点−50℃)以下に再加熱後、
    650℃から200℃の温度範囲内まで冷却速度10℃
    /sec以上で冷却することを特徴とする請求項1、
    2、3又は4記載の低温靭性の優れた高張力電縫鋼管の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 200℃以下に冷却の後に、該溶接部を
    Ac1 点以上(Ac 3 点−50℃)以下に再加熱し、再
    び200℃以下まで冷却速度10℃/sec以上で冷却
    し、その後400℃以上800℃以下に加熱して焼戻す
    ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の低温靭
    性の優れた高張力電縫鋼管の製造方法。
JP25653591A 1991-06-10 1991-10-03 電縫鋼管の製造方法 Pending JPH0551648A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25653591A JPH0551648A (ja) 1991-06-10 1991-10-03 電縫鋼管の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-136911 1991-06-10
JP13691191 1991-06-10
JP25653591A JPH0551648A (ja) 1991-06-10 1991-10-03 電縫鋼管の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0551648A true JPH0551648A (ja) 1993-03-02

Family

ID=26470374

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25653591A Pending JPH0551648A (ja) 1991-06-10 1991-10-03 電縫鋼管の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0551648A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007301574A (ja) * 2006-05-09 2007-11-22 Nakajima Steel Pipe Co Ltd 鋼管の製造方法および鋼管の製造設備
WO2010002269A1 (en) * 2008-06-30 2010-01-07 Efd Induction As In-line weld seam heat treatment method and apparatus with internal selective heating of the welded joint
FR2991213A1 (fr) * 2012-06-05 2013-12-06 Alstom Hydro France Procede de soudage de deux bords d'une ou plusieurs pieces en acier l'un a l'autre et conduite forcee obtenue par un tel procede.
KR101979019B1 (ko) * 2018-09-18 2019-05-15 장근수 강관냉각이송장치
WO2021106577A1 (ja) 2019-11-29 2021-06-03 Jfeスチール株式会社 電縫鋼管およびその製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62158822A (ja) * 1986-01-07 1987-07-14 Nippon Steel Corp 硬さと降伏比の低い高強度鋼管の製造法
JPH02305923A (ja) * 1989-05-18 1990-12-19 Sumitomo Metal Ind Ltd 低温靭性の優れた高張力電縫鋼管の製造法
JPH0331423A (ja) * 1989-06-29 1991-02-12 Sumitomo Metal Ind Ltd 低温靭性の優れた高張力電縫鋼管の製造法
JPH0364415A (ja) * 1989-07-31 1991-03-19 Nippon Steel Corp 低合金高靭性シームレス鋼管の製造法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62158822A (ja) * 1986-01-07 1987-07-14 Nippon Steel Corp 硬さと降伏比の低い高強度鋼管の製造法
JPH02305923A (ja) * 1989-05-18 1990-12-19 Sumitomo Metal Ind Ltd 低温靭性の優れた高張力電縫鋼管の製造法
JPH0331423A (ja) * 1989-06-29 1991-02-12 Sumitomo Metal Ind Ltd 低温靭性の優れた高張力電縫鋼管の製造法
JPH0364415A (ja) * 1989-07-31 1991-03-19 Nippon Steel Corp 低合金高靭性シームレス鋼管の製造法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007301574A (ja) * 2006-05-09 2007-11-22 Nakajima Steel Pipe Co Ltd 鋼管の製造方法および鋼管の製造設備
WO2010002269A1 (en) * 2008-06-30 2010-01-07 Efd Induction As In-line weld seam heat treatment method and apparatus with internal selective heating of the welded joint
FR2991213A1 (fr) * 2012-06-05 2013-12-06 Alstom Hydro France Procede de soudage de deux bords d'une ou plusieurs pieces en acier l'un a l'autre et conduite forcee obtenue par un tel procede.
WO2013182582A1 (fr) * 2012-06-05 2013-12-12 Alstom Renewable Technologies Procede de soudage de deux bords d'une ou plusieurs pieces en acier l' un a l'autre incluant une etape de traitement thermique posterieure a l'etape de soudure : conduite forcee obtenue par un tel procede
CN104520060A (zh) * 2012-06-05 2015-04-15 阿尔斯通再生能源技术公司 将一个或多个钢部件的两个边缘彼此焊接起来的、在焊接步骤之后包括热处理步骤的方法:利用这种方法获得的压力管道
KR101979019B1 (ko) * 2018-09-18 2019-05-15 장근수 강관냉각이송장치
WO2021106577A1 (ja) 2019-11-29 2021-06-03 Jfeスチール株式会社 電縫鋼管およびその製造方法
KR20220084380A (ko) 2019-11-29 2022-06-21 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 전봉 강관 및 그의 제조 방법
EP4043114A4 (en) * 2019-11-29 2022-08-24 JFE Steel Corporation ELECTRICAL RESISTANCE-WELDED STEEL PIPE AND METHOD OF MAKING THE SAME

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3711896B2 (ja) 高強度ラインパイプ用鋼板の製造方法
JP2008266758A (ja) 低温靭性に優れ、かつ強度異方性が小さい高張力鋼材ならびにその製造方法
JP2020510749A (ja) 低温での破壊開始及び伝播抵抗性に優れた高強度鋼材及びその製造方法
JP2004010991A (ja) スポット溶接性に優れた超高強度冷延鋼板の製造方法
JP2020504236A (ja) 低温での破壊開始及び伝播抵抗性に優れた高強度鋼材、及びその製造方法
JP6684353B2 (ja) 低温靭性と耐水素誘起割れ性に優れた厚板鋼材、及びその製造方法
JP4859618B2 (ja) 耐遅れ破壊性に優れた中空スタビライザの製造方法
JPH0941088A (ja) 高靱性低温用鋼板の製造方法
JPH0941036A (ja) 高靱性低温用鋼板の製造方法
JPH0920922A (ja) 高靱性低温用鋼板の製造方法
JPH0551648A (ja) 電縫鋼管の製造方法
JPH06184636A (ja) 溶接性の優れた高強度高靭性シームレス鋼管の製造法
JPH08295934A (ja) 耐磨耗性の優れた高炭素電縫鋼管の製造方法
JP3823906B2 (ja) 耐水素割れ特性および靭性に優れる高強度ラインパイプ用電縫鋼管の製造方法
JP3218447B2 (ja) 優れた低温靱性を有する耐サワー薄手高強度鋼板の製造方法
JPH0313524A (ja) 鋼板表面及び板厚中央部の靭性の優れた厚肉高靭性高張力鋼板の製造方法
JP3009558B2 (ja) 耐サワー性の優れた薄手高強度鋼板の製造方法
JPH083636A (ja) 低降伏比高靱性鋼の製造方法
JPH05320775A (ja) 低温靭性に優れた電縫鋼管の製造方法
JP3666457B2 (ja) 板厚方向材質差が小さい低降伏比高張力鋼材の製造方法
JPH0331423A (ja) 低温靭性の優れた高張力電縫鋼管の製造法
JPH07122098B2 (ja) 低温靭性に優れた高強度電縫鋼管の製造方法
JPH07278730A (ja) 延性および靭性の優れた引張強度が1080〜1450MPaの電縫鋼管およびその製造方法
JPH08337815A (ja) 強度と靱性に優れるCr−Mo鋼の製造方法
JPH05148544A (ja) 板厚方向の硬さ分布が均一な高強度高靭性鋼板の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19980721