JPH0313524A - 鋼板表面及び板厚中央部の靭性の優れた厚肉高靭性高張力鋼板の製造方法 - Google Patents
鋼板表面及び板厚中央部の靭性の優れた厚肉高靭性高張力鋼板の製造方法Info
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- JPH0313524A JPH0313524A JP14736689A JP14736689A JPH0313524A JP H0313524 A JPH0313524 A JP H0313524A JP 14736689 A JP14736689 A JP 14736689A JP 14736689 A JP14736689 A JP 14736689A JP H0313524 A JPH0313524 A JP H0313524A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、板厚中央部の靭性が優れ、なお且つ鋼板表面
の靭性にも優れている板厚50mm以上の厚内高靭性高
張力鋼板の製造方法に関する。 (従来の技術及び解決しようとする*題)氷海域海洋構
造物に用いられる鋼板には、溶接時に予熱が不要で、な
お且つ低温靭性の優れた高強度の板厚50III11以
上の厚肉鋼板が要求されている。 このような鋼板の製造には、板厚中央部の靭性向上のた
めの低温圧延、及び炭素当量の低減が可能な加速冷却法
を適用することが有効であることは既に知られている。 すなわち、板厚中央部の靭性向上のための低温圧延に関
しては、板厚中央部においてオーステナイト未再結晶温
度域での相当量の圧下を確保する必要があるが、圧延中
のスラブ中央部の温度が表面温度に比べて高いために、
一般にスラブ表面温度がAr)よりも低い低温域での相
当量の圧下を含む制御圧延が施される。これにより、板
厚中央部において、シャルピー破面遷移温度が一60℃
以下という靭性の非常に優れた厚肉鋼板の製造が可能と
なっている。 しかし、圧延温度がスラブ表面においてはAr。 よりも低いため5表面部には圧延途中の段階において初
析フェライトが生成し、粗大化する現象がみられ、最終
的に製造された鋼板の表面近傍の靭性は、板厚中央部に
比べ劣っているという欠点を有している。 本発明は、か\る従来技術の欠点を解消し、板厚中央部
の靭性が優れ、なお且つ鋼板表面の靭性にも優れている
板厚50++v+以上の厚肉高靭性高張力鋼板の製造方
法を提供することを目的とするものである。 (課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記従来技術の問題点を解決すべく鋭意
研究を行った結果、表面部の靭性劣化の原因となる圧延
途中の段階における初析フェライトの生成、粗大化を極
力抑制する方法を見い出し、ここに鋼板表面及び板厚中
央部の靭性の優れた厚肉高靭性高張力鋼板を製造する方
法を開発するに至ったのである。 すなわち、本発明は、C:0.01〜0.10%、Si
:0.10〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、P
:0.015%以下、S:O,003%以下、AQ:0
.010〜0.100%、Ti:0.005〜0.02
0%及びN:20〜70ppmを含有し、必要に応じて
、更にCu: 1 、5%以下、Ni: 3 、0%以
下、Nb:0.03%以下及びCa:O,OO50%以
下のうちの1種又は2種以上を含有し、残部がFe及び
不可避的不純物よりなる鋼をAc)以上、1150℃以
下に加熱後、鋼板表面温度がAr3以上、(Ar2+
100℃)以下の温度範囲で15%以上の圧下を含む粗
圧延を行い、その後、鋼板表面温度が(Ar、−10℃
)以下、(Ar、−50℃)以上の温度範囲で圧下量3
0%以上の仕上圧延を行って鋼板表面温度が(Ar、−
50℃)以上で所定の板厚に仕上げ、直ちに550℃以
下の温度域まで1〜bに際し、粗圧延終了温度から仕上
圧延ヒバ始温度までの間に1回以上の間欠的な水冷を行
い、かつ。 この間を次式(1)を満足する平均の冷却速度CR(”
C/ 5ee)で冷却することを特徴とする鋼板表面及
び板厚中央部の靭性の優れた板厚50+s+n以上の厚
肉高靭性高張力鋼板の製造方法を要旨とするものである
。 CR>1.5x(0,166−6,14X10−’t)
・・・(1)ここで、 t:粗圧延完了時のスラブ厚(■■) 以下に本発明を更に詳細に説明する。 (作用) まず、本発明における化学成分の限定理由は以下のとお
りである。 C: Cは強度上昇に有効な元素であり、そのためには0.0
1%以上が必要である。しかし、靭性の確保及び耐溶接
割れ性の低下防止の観点から上限をo、io%に規制す
る必要がある。したがって。 C量は0.01〜0.10%の範囲とする。 Si: Siは脱酸元素であり、0.10%以上の添加が必要で
あるが、過度の添加は靭性を劣化させるために上限を0
.50%とする。このため、Si量は0.10〜0.5
0%の範囲とする。 Mn: Mnは強度上昇に有効であり、そのためには065%以
上が必要であるが、2.0%を超えて添加すると靭性が
劣化する。したがって、Mn量は0.5〜2.0%の範
囲とする。 P : Pは偏析傾向の強い元素であり、母材及び溶接部の靭性
を劣化させる。このため、P量は低く抑える必要があり
、0.015%以下に抑制する。 S: SはA系介在物を形成し、板厚方向の絞り特性、耐ラメ
ラ−ティア−特性、更には靭性を劣化させる。したがっ
て、N量は極力低くする必要があり、0.003%以下
に規制する。 Ti: Tiは難溶性の炭窒化物を形成し、スラブ加熱時又は溶
接時のオーステナイト粒の成長を抑制するため、母材及
び溶接時の靭性を向上させる効果を有する元素である。 そのためには0.005%以上が必要であるが、0.0
20%を超えて添加すると粗大な介在物を形成し、靭性
を劣化させる。 したがって、Ti量は0.005〜0.020%の範囲
とする。 AQ: AQは脱酸元素であり、0.01%以上が必要であるが
、過度の添加は介在物を形成し、靭性を劣化させるため
、上限を0.10%とする。したがって、AQ量は0.
01〜0.10%の範囲とする。 N: NはTiとの間で難溶性の炭窒化物を形成し、母材及び
溶接部の靭性を向上させる効果があり、そのためには2
0ppm以上が必要であるが、70PPMを超える過度
の含有は、逆に母材及び溶接部の靭性を著しく劣化させ
る。したがって、N量は20〜70pp鳳の範囲とする
。 以上の各元素を必須成分とするが、必要ルこ応じて、以
下に示すCu、Ni、Nb及びCaのうちの1種又は2
種以上を適量で添加することができる。 Cu: Cuは固溶強化、析出強化或いは焼入性向上による変態
強化に有効な元素であるが、過度の添加は靭性を劣化さ
せるため、1.5%以下とする。 Nj: Niは低温靭性を改善する効果があるが、高価であるの
で、経済性を考慮して3.0%以下とする。 Nb: Nbは固溶状態でオーステナイトの再結晶を抑制し、制
御圧延の効果を高め、更に圧延後の加速冷却による変態
強化を促進して強度及び靭性の向上に寄与する元素であ
るが、過度の添加は溶接部の靭性を劣化させるため、0
.03%以下とする。 Ca: また、靭性改善の目的でCaを添加することができるが
、過度の添加は逆に靭性を著しく損なうので、Ca量は
0.0050%以下とする。 次に1本発明における上記化学成分を有する鋼に対する
加熱、圧延、冷却条件の限定理由について説明する。 圧延に先立つ加熱は、鋳片全体を完全にオーステナイト
化する必要があり、このためにはAc、以上に加熱する
必要があるが、1150℃よりも高い加熱温度ではオー
ステナイト粒の粗大化による靭性劣化を来たすので望ま
しくない、このため、加熱温度は、Acっ以上、115
0℃以下と規定する。 前記温度範囲に加熱された鋳片を熱間圧延するに際して
は、粗圧延、仕上圧延、及び粗圧延温度から仕上圧延温
度に鋳片の温度を調整する間の鋳片の冷却速度をコント
ロールする必要がある。 まず、厚肉鋼板の板厚中央部の靭性の向上には、板厚中
央部におけるオーステナイト再結晶温度域での圧下及び
オーステナイト未再結晶温度域での圧下が不可欠である
。 この点、本発明で規定した粗圧延温度(Ar、以上、(
Ar、 + 100℃)以下)並びに仕上圧延温度(A
r、 −10℃)以下、(Ar、 −50℃)以上)は
、それぞれ板厚中央部のオーステナイト再結晶温度、並
びにオーステナイト未再結晶温度に相当している。そし
て、板厚中央部で一60℃以下のシャルピー破面遷移温
度を確保するためには、粗圧延。 仕上圧延で各々15%以上、30%以上の圧下量を確保
する必要がある。 また、仕上温度は、その後の加速冷却による強度上昇効
果を確保するために(Ar、−50℃)以上とする。 次に、本発明の最も重要なポイントである鋼板表面の靭
性向上のための手段について説明する。 本発明者らは、低温圧延された鋼板の表面部の靭性劣化
の原因が、圧延途中の段階で生成した初析フェライトの
粗大化によるものであることを見い出したが、更に検討
を重ねた結果、この裏面部初析フェライトの生成、粗大
化が主に粗圧延完了から仕上圧延開始温度まで大気中で
放冷される間に起こっていることを究明した。 そこで、この間の平均冷却速度と裏面部靭性の関係を調
査した結果、第1図に示すように、粗圧延完了時のスラ
ブ厚で、1回以上の間欠的な水冷を実施し、且つ(1)
式を満足する平均の冷却速度CRで冷却す、ることによ
り1表面部の靭性が著しく向上することを発見した。す
なわち1表面部の靭性を向上させるためには、粗圧延完
了から仕上圧延温度開始温度までの間に粗圧延完了時の
スラブ厚で1回以上の間欠的な水冷の実施により、次式
の大気放冷の冷却速度(実験式) CRAC(’C/
5ee)CRAC= 0.166−6.14 X 10
−’ tここで、t:粗圧延完了時のスラブ厚(mu)
の1.5倍以上で冷却する必要がある。この間の間欠的
な水冷の実施は、銅板の表面温度を−Hフエライト粒が
成長し易い温度以下に低下させることにより、鋼板表面
部に生成したフェライトの粒成長を著しく抑制するとい
う重要な役割を担っており、本発明の必須の要因である
。 なお、仕上圧延後、550℃以下の温度域まで1〜b 強度を得るためである。冷却停止温度が550℃よりも
高いとこの強度上昇の効果が得られず、また冷却速度が
1℃/sec未満では強度上昇効果が少なく、20℃/
secよりも速いと強度上昇が過大になり靭性の劣化を
きたすため、この範囲に規定する必要がある。 次に本発明の実施例を示す。 (実施例) 第1表に示す化学成分を有する鋼につき、第2表に示す
条件で加熱、圧延、冷却して、所定の板厚の鋼板を製造
した。 得られた鋼板について引張強さ、降伏強さ、及び鋼板表
面部(鋼板表面下1■の部位)と板厚中央部のシャルピ
ー破面遷移温度を調べた。その結果を第2表に併記する
。 第2表より以下のように考察される。 試験&3〜Ha 5は加熱、圧延条件が本発明範囲を外
れているため、板厚中央部のシャルピー破面遷移温度(
vTrs)が−60℃以上となっており。 低温用鋼板として適当な性能を有していない。 また、試験NQIO,Mailは、鋼の化学成分が本発
明範囲外であるために、いずれも板厚中央部の靭性が劣
っている。 また、試験Na2.&7、Na9は、板厚中央部の靭性
は低温用鋼板として十分な性能を有しているものの、粗
圧延終了から仕上圧延開始までを大気放冷したために、
鋼板表面部の靭性が板厚中央部に比べて著しく劣ってい
る。 これらの比較例に対して、本発明例の試験&1゜&6、
Na8はいずれも、板厚中央部で優れた低温靭性を有し
ている共に、粗圧延終了から仕上圧延開始までの間を本
発明で規定した適切な冷却速度で冷却したために、鋼板
表面部においても、板厚中央部を遥かに上回る優れた低
温靭性を有している。
の靭性にも優れている板厚50mm以上の厚内高靭性高
張力鋼板の製造方法に関する。 (従来の技術及び解決しようとする*題)氷海域海洋構
造物に用いられる鋼板には、溶接時に予熱が不要で、な
お且つ低温靭性の優れた高強度の板厚50III11以
上の厚肉鋼板が要求されている。 このような鋼板の製造には、板厚中央部の靭性向上のた
めの低温圧延、及び炭素当量の低減が可能な加速冷却法
を適用することが有効であることは既に知られている。 すなわち、板厚中央部の靭性向上のための低温圧延に関
しては、板厚中央部においてオーステナイト未再結晶温
度域での相当量の圧下を確保する必要があるが、圧延中
のスラブ中央部の温度が表面温度に比べて高いために、
一般にスラブ表面温度がAr)よりも低い低温域での相
当量の圧下を含む制御圧延が施される。これにより、板
厚中央部において、シャルピー破面遷移温度が一60℃
以下という靭性の非常に優れた厚肉鋼板の製造が可能と
なっている。 しかし、圧延温度がスラブ表面においてはAr。 よりも低いため5表面部には圧延途中の段階において初
析フェライトが生成し、粗大化する現象がみられ、最終
的に製造された鋼板の表面近傍の靭性は、板厚中央部に
比べ劣っているという欠点を有している。 本発明は、か\る従来技術の欠点を解消し、板厚中央部
の靭性が優れ、なお且つ鋼板表面の靭性にも優れている
板厚50++v+以上の厚肉高靭性高張力鋼板の製造方
法を提供することを目的とするものである。 (課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記従来技術の問題点を解決すべく鋭意
研究を行った結果、表面部の靭性劣化の原因となる圧延
途中の段階における初析フェライトの生成、粗大化を極
力抑制する方法を見い出し、ここに鋼板表面及び板厚中
央部の靭性の優れた厚肉高靭性高張力鋼板を製造する方
法を開発するに至ったのである。 すなわち、本発明は、C:0.01〜0.10%、Si
:0.10〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、P
:0.015%以下、S:O,003%以下、AQ:0
.010〜0.100%、Ti:0.005〜0.02
0%及びN:20〜70ppmを含有し、必要に応じて
、更にCu: 1 、5%以下、Ni: 3 、0%以
下、Nb:0.03%以下及びCa:O,OO50%以
下のうちの1種又は2種以上を含有し、残部がFe及び
不可避的不純物よりなる鋼をAc)以上、1150℃以
下に加熱後、鋼板表面温度がAr3以上、(Ar2+
100℃)以下の温度範囲で15%以上の圧下を含む粗
圧延を行い、その後、鋼板表面温度が(Ar、−10℃
)以下、(Ar、−50℃)以上の温度範囲で圧下量3
0%以上の仕上圧延を行って鋼板表面温度が(Ar、−
50℃)以上で所定の板厚に仕上げ、直ちに550℃以
下の温度域まで1〜bに際し、粗圧延終了温度から仕上
圧延ヒバ始温度までの間に1回以上の間欠的な水冷を行
い、かつ。 この間を次式(1)を満足する平均の冷却速度CR(”
C/ 5ee)で冷却することを特徴とする鋼板表面及
び板厚中央部の靭性の優れた板厚50+s+n以上の厚
肉高靭性高張力鋼板の製造方法を要旨とするものである
。 CR>1.5x(0,166−6,14X10−’t)
・・・(1)ここで、 t:粗圧延完了時のスラブ厚(■■) 以下に本発明を更に詳細に説明する。 (作用) まず、本発明における化学成分の限定理由は以下のとお
りである。 C: Cは強度上昇に有効な元素であり、そのためには0.0
1%以上が必要である。しかし、靭性の確保及び耐溶接
割れ性の低下防止の観点から上限をo、io%に規制す
る必要がある。したがって。 C量は0.01〜0.10%の範囲とする。 Si: Siは脱酸元素であり、0.10%以上の添加が必要で
あるが、過度の添加は靭性を劣化させるために上限を0
.50%とする。このため、Si量は0.10〜0.5
0%の範囲とする。 Mn: Mnは強度上昇に有効であり、そのためには065%以
上が必要であるが、2.0%を超えて添加すると靭性が
劣化する。したがって、Mn量は0.5〜2.0%の範
囲とする。 P : Pは偏析傾向の強い元素であり、母材及び溶接部の靭性
を劣化させる。このため、P量は低く抑える必要があり
、0.015%以下に抑制する。 S: SはA系介在物を形成し、板厚方向の絞り特性、耐ラメ
ラ−ティア−特性、更には靭性を劣化させる。したがっ
て、N量は極力低くする必要があり、0.003%以下
に規制する。 Ti: Tiは難溶性の炭窒化物を形成し、スラブ加熱時又は溶
接時のオーステナイト粒の成長を抑制するため、母材及
び溶接時の靭性を向上させる効果を有する元素である。 そのためには0.005%以上が必要であるが、0.0
20%を超えて添加すると粗大な介在物を形成し、靭性
を劣化させる。 したがって、Ti量は0.005〜0.020%の範囲
とする。 AQ: AQは脱酸元素であり、0.01%以上が必要であるが
、過度の添加は介在物を形成し、靭性を劣化させるため
、上限を0.10%とする。したがって、AQ量は0.
01〜0.10%の範囲とする。 N: NはTiとの間で難溶性の炭窒化物を形成し、母材及び
溶接部の靭性を向上させる効果があり、そのためには2
0ppm以上が必要であるが、70PPMを超える過度
の含有は、逆に母材及び溶接部の靭性を著しく劣化させ
る。したがって、N量は20〜70pp鳳の範囲とする
。 以上の各元素を必須成分とするが、必要ルこ応じて、以
下に示すCu、Ni、Nb及びCaのうちの1種又は2
種以上を適量で添加することができる。 Cu: Cuは固溶強化、析出強化或いは焼入性向上による変態
強化に有効な元素であるが、過度の添加は靭性を劣化さ
せるため、1.5%以下とする。 Nj: Niは低温靭性を改善する効果があるが、高価であるの
で、経済性を考慮して3.0%以下とする。 Nb: Nbは固溶状態でオーステナイトの再結晶を抑制し、制
御圧延の効果を高め、更に圧延後の加速冷却による変態
強化を促進して強度及び靭性の向上に寄与する元素であ
るが、過度の添加は溶接部の靭性を劣化させるため、0
.03%以下とする。 Ca: また、靭性改善の目的でCaを添加することができるが
、過度の添加は逆に靭性を著しく損なうので、Ca量は
0.0050%以下とする。 次に1本発明における上記化学成分を有する鋼に対する
加熱、圧延、冷却条件の限定理由について説明する。 圧延に先立つ加熱は、鋳片全体を完全にオーステナイト
化する必要があり、このためにはAc、以上に加熱する
必要があるが、1150℃よりも高い加熱温度ではオー
ステナイト粒の粗大化による靭性劣化を来たすので望ま
しくない、このため、加熱温度は、Acっ以上、115
0℃以下と規定する。 前記温度範囲に加熱された鋳片を熱間圧延するに際して
は、粗圧延、仕上圧延、及び粗圧延温度から仕上圧延温
度に鋳片の温度を調整する間の鋳片の冷却速度をコント
ロールする必要がある。 まず、厚肉鋼板の板厚中央部の靭性の向上には、板厚中
央部におけるオーステナイト再結晶温度域での圧下及び
オーステナイト未再結晶温度域での圧下が不可欠である
。 この点、本発明で規定した粗圧延温度(Ar、以上、(
Ar、 + 100℃)以下)並びに仕上圧延温度(A
r、 −10℃)以下、(Ar、 −50℃)以上)は
、それぞれ板厚中央部のオーステナイト再結晶温度、並
びにオーステナイト未再結晶温度に相当している。そし
て、板厚中央部で一60℃以下のシャルピー破面遷移温
度を確保するためには、粗圧延。 仕上圧延で各々15%以上、30%以上の圧下量を確保
する必要がある。 また、仕上温度は、その後の加速冷却による強度上昇効
果を確保するために(Ar、−50℃)以上とする。 次に、本発明の最も重要なポイントである鋼板表面の靭
性向上のための手段について説明する。 本発明者らは、低温圧延された鋼板の表面部の靭性劣化
の原因が、圧延途中の段階で生成した初析フェライトの
粗大化によるものであることを見い出したが、更に検討
を重ねた結果、この裏面部初析フェライトの生成、粗大
化が主に粗圧延完了から仕上圧延開始温度まで大気中で
放冷される間に起こっていることを究明した。 そこで、この間の平均冷却速度と裏面部靭性の関係を調
査した結果、第1図に示すように、粗圧延完了時のスラ
ブ厚で、1回以上の間欠的な水冷を実施し、且つ(1)
式を満足する平均の冷却速度CRで冷却す、ることによ
り1表面部の靭性が著しく向上することを発見した。す
なわち1表面部の靭性を向上させるためには、粗圧延完
了から仕上圧延温度開始温度までの間に粗圧延完了時の
スラブ厚で1回以上の間欠的な水冷の実施により、次式
の大気放冷の冷却速度(実験式) CRAC(’C/
5ee)CRAC= 0.166−6.14 X 10
−’ tここで、t:粗圧延完了時のスラブ厚(mu)
の1.5倍以上で冷却する必要がある。この間の間欠的
な水冷の実施は、銅板の表面温度を−Hフエライト粒が
成長し易い温度以下に低下させることにより、鋼板表面
部に生成したフェライトの粒成長を著しく抑制するとい
う重要な役割を担っており、本発明の必須の要因である
。 なお、仕上圧延後、550℃以下の温度域まで1〜b 強度を得るためである。冷却停止温度が550℃よりも
高いとこの強度上昇の効果が得られず、また冷却速度が
1℃/sec未満では強度上昇効果が少なく、20℃/
secよりも速いと強度上昇が過大になり靭性の劣化を
きたすため、この範囲に規定する必要がある。 次に本発明の実施例を示す。 (実施例) 第1表に示す化学成分を有する鋼につき、第2表に示す
条件で加熱、圧延、冷却して、所定の板厚の鋼板を製造
した。 得られた鋼板について引張強さ、降伏強さ、及び鋼板表
面部(鋼板表面下1■の部位)と板厚中央部のシャルピ
ー破面遷移温度を調べた。その結果を第2表に併記する
。 第2表より以下のように考察される。 試験&3〜Ha 5は加熱、圧延条件が本発明範囲を外
れているため、板厚中央部のシャルピー破面遷移温度(
vTrs)が−60℃以上となっており。 低温用鋼板として適当な性能を有していない。 また、試験NQIO,Mailは、鋼の化学成分が本発
明範囲外であるために、いずれも板厚中央部の靭性が劣
っている。 また、試験Na2.&7、Na9は、板厚中央部の靭性
は低温用鋼板として十分な性能を有しているものの、粗
圧延終了から仕上圧延開始までを大気放冷したために、
鋼板表面部の靭性が板厚中央部に比べて著しく劣ってい
る。 これらの比較例に対して、本発明例の試験&1゜&6、
Na8はいずれも、板厚中央部で優れた低温靭性を有し
ている共に、粗圧延終了から仕上圧延開始までの間を本
発明で規定した適切な冷却速度で冷却したために、鋼板
表面部においても、板厚中央部を遥かに上回る優れた低
温靭性を有している。
(発明の効果)
以上詳述したように、本発明によれば、化学成分を適切
に調整すると共に、適切な加熱、圧延、冷却条件、特に
粗圧延完了から仕上圧延開始までの間においてスラブを
適切な冷却速度で冷却する構成としたので、板厚中央部
及び鋼板表面部のいずれにおいても優れた低温靭性を有
する板厚50Iam以上の厚肉高靭性高張力鋼板の製造
が可能となる。
に調整すると共に、適切な加熱、圧延、冷却条件、特に
粗圧延完了から仕上圧延開始までの間においてスラブを
適切な冷却速度で冷却する構成としたので、板厚中央部
及び鋼板表面部のいずれにおいても優れた低温靭性を有
する板厚50Iam以上の厚肉高靭性高張力鋼板の製造
が可能となる。
第1図は粗圧延完了から仕上圧延開始までのスラブの冷
却速度と鋼板表面部及び板厚中央部のシャルピー破面遷
移温度(vTrs)との関係を示す図である。
却速度と鋼板表面部及び板厚中央部のシャルピー破面遷
移温度(vTrs)との関係を示す図である。
Claims (2)
- (1)重量%で(以下、同じ)、C:0.01〜0.1
0%、Si:0.10〜0.50%、Mn:0.5〜2
.0%、P:0.015%以下、S:0.003%以下
、Al:0.010〜0.100%、Ti:0.005
〜0.020%及びN:20〜70ppmを含有し、残
部がFe及び不可避的不純物よりなる鋼をAc_3以上
、1150℃以下に加熱後、鋼板表面温度がAr_3以
上、(Ar_3+100℃)以下の温度範囲で15%以
上の圧下を含む粗圧延を行い、その後、鋼板表面温度が
(Ar_3−10℃)以下、(Ar_3−50℃)以上
の温度範囲で圧下量30%以上の仕上圧延を行って鋼板
表面温度が(Ar_3−50℃)以上で所定の板厚に仕
上げ、直ちに550℃以下の温度域まで1〜20℃/s
ecの冷却速度で冷却して鋼板を製造するに際し、粗圧
延終了温度から仕上圧延開始温度までの間に1回以上の
間欠的な水冷を行い、かつ、この間を次式(1)を満足
する平均の冷却速度CR(℃/sec)で冷却すること
を特徴とする鋼板表面及び板厚中央部の靭性の優れた板
厚50mm以上の厚肉高靭性高張力鋼板の製造方法。 CR>1.5×(0.166−6.14×10^−^4
t)・・・(1)ここで、 t:粗圧延完了時のスラブ厚(mm) - (2)前記鋼が更に、Cu:1.5%以下、Ni:3.
0%以下、Nb:0.03%以下及びCa:0.005
0%以下のうちの1種又は2種以上を含有するものであ
る請求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14736689A JPH0313524A (ja) | 1989-06-10 | 1989-06-10 | 鋼板表面及び板厚中央部の靭性の優れた厚肉高靭性高張力鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14736689A JPH0313524A (ja) | 1989-06-10 | 1989-06-10 | 鋼板表面及び板厚中央部の靭性の優れた厚肉高靭性高張力鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0313524A true JPH0313524A (ja) | 1991-01-22 |
Family
ID=15428593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14736689A Pending JPH0313524A (ja) | 1989-06-10 | 1989-06-10 | 鋼板表面及び板厚中央部の靭性の優れた厚肉高靭性高張力鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0313524A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06240355A (ja) * | 1993-02-22 | 1994-08-30 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高靱性厚物tmcp鋼板の製造方法 |
JPH0841536A (ja) * | 1994-07-29 | 1996-02-13 | Kawasaki Steel Corp | 板厚方向の硬度むらが少なくdwtt特性の優れた高張力鋼板の製造方法 |
WO2009072753A1 (en) * | 2007-12-04 | 2009-06-11 | Posco | High-strength steel sheet with excellent low temperature toughness and manufacturing method thereof |
KR100951296B1 (ko) * | 2007-12-04 | 2010-04-02 | 주식회사 포스코 | 저온인성이 우수한 고강도 라인파이프용 강판 및 그제조방법 |
KR101018159B1 (ko) * | 2008-05-15 | 2011-02-28 | 주식회사 포스코 | 저온인성이 우수한 고강도 강판 및 그 제조방법 |
JP2011214116A (ja) * | 2010-04-01 | 2011-10-27 | Nippon Steel Corp | 脆性き裂伝播停止特性に優れた厚手高強度鋼板及びその製造方法 |
CN107012395A (zh) * | 2017-03-02 | 2017-08-04 | 唐山钢铁集团有限责任公司 | 一种粗轧阶段提高低合金特厚板心部质量的方法 |
-
1989
- 1989-06-10 JP JP14736689A patent/JPH0313524A/ja active Pending
Cited By (9)
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