JPH0522369Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は金属湯を受容する容器のための湯口ス
リーブであつて、該湯口スリーブの流過通路内へ
処理ガスを導入する装置を有している形式のもの
に関する。

従来技術 特にアルミニウム鎮静鋼湯を鋳込むための鋳込
とリベ又は連鋳機のタンデイシユの湯口におい
て、このような鋼湯を鋳込む場合に形成されるア
ルミナによつて湯口通路が次第に詰まるのを防ぐ
ために、例えばイナトガスのような処理ガスを湯
口スリーブの流過通路に供給することが公知であ
る。

オーストリア国特許第321480号明細書により公
知である前記形式の装置においては、ガス透過率
の異なる耐火性材料から成りかつ流過通路を同心
的に取囲む２つのスリーブが、ガス供給導管に接
続されたリング状の室に接続されており、処理ガ
スがガス透過率の高い外側のスリーブを介して金
属湯を受容する容器内に達しかつ内側のスリーブ
を介して湯口スリーブの流過通路内に達するよう
に構成されている。しかしながらこの場合には流
過通路の周囲の部分が稼働中に発生する熱で強く
加熱されるので外側のスリーブとこのスリーブを
下側で取囲む金属製の室壁を有するリング状の室
との間でかなりの漏れ損失が生じる。このような
漏れ損失はリング状の室とガス供給導管との間の
ねじ継手においても発生する。この結果として吹
込まれた有効なガス量は十分に正確に定まらず、
全体としてこの高価な処理ガスの消費量が比較的
に大きくなる。さらに公知の装置における流過通
路のホツパ状の上端部は不利であることが判明し
ている。何故ならばホツパ状の上端部によつて金
属湯の乱流及び撹流が発生し、この乱流及び撹流
が既にこのホツパ状の上端部で流過通路の閉塞を
生ぜしめる傾向を強めるからである。

考案が解決しようとする問題点 本考案が解決しようとする問題点は、流過通路
の閉塞を防止するために処理ガスを供給する装置
において処理ガスの漏れ損失を顕著に防止し、湯
口ノズルが頻繁に交換される必要があるために湯
口ノズルが簡単に製造できかつ容易に交換できる
ようにすることである。

問題点を解決するための手段 本考案の問題点を解決するための手段は、冒頭
に述べた形式の湯口ノズルにおいて湯口スリーブ
が金属薄板から成る板套壁で取囲まれた耐火性材
料から成り、湯口スリーブの耐火性材料内に、湯
口スリーブの流過通路に整合する孔を有する、耐
火性でかつガス透過性の材料から成る挿入体が埋
設されており、この挿入体が端面側と周面側とで
金属カプセルで取囲まれており、挿入体の外周と
金属カプセルの周壁との間にリング状の室が形成
されており、このリング状の室に一方では金属カ
プセルに溶接されかつ他方では薄板套壁を貫通し
てこの薄板套壁に溶接された導管区分が開口して
おり、この導管区分にフレキシブルな金属製のガ
ス供給導管が溶接又はろう接されており、湯口ス
リーブが耐火性の材料を薄板套壁を型として注型
成形されて成ることである。

考案の効果 本考案の効果はガス透過性の材料から成る挿入
体が金属カプセルで取囲まれているので処理ガス
の漏れ損失が顕著に防止されるようになり、ガス
透過性の材料から成る挿入体と金属カプセルとの
間にリング状の室が形成されていることにより処
理ガスが周方向に均一に分配されて流過通路に供
給されるようになり、耐火性材料から成る湯口ス
リーブがこの湯口スリーブを取囲む薄板套壁を型
として注型成型されて製造されることによつて湯
口スリーブの製造費用はきわめて低くなる。又、
金属カプセルに一端で溶接されかつ他端で薄板套
壁を貫いてこの薄板套壁に溶接された導管区分に
溶接又はろう接されたフレキシブルな金属製のガ
ス供給導管を介して湯口スリーブの流過通路に処
理ガスが供給されるようになつていることによつ
て湯口スリーブの交換は極めて容易になる。

さらにリング状の室に一方では金属カプセルに
溶接されかつ他方では薄板套壁を貫通してこの薄
板套壁に溶接された導管区分が開口しており、こ
の導管区分にフレキシブルな金属製のガス供給導
管が溶接又はろう接されていることにより、導管
区分を介して供給されたガス量が耐火性の材料か
ら成る湯口スリーブを通つてもれることはなくな
るので、正確に制御された小量のガス量を湯口ス
リーブの流過通路に供給することができるように
なる。

実施例 第１図は金属湯を受容する容器の部分断面図で
あつて、壁部１と該壁部１の内側に配置された耐
火性の内層体２とを示している。この内層体２に
は円筒状の切欠き３が貫通して形成されており、
この切欠き３内には比較的に肉厚のつき固め質量
体４を介して湯口スリーブ５が挿入されている。
この湯口スリーブ５は容器の壁部１に溶接された
溶接リング６に支持されている。溶接リング６の
下には概略的に示されかつ周知の形式で作動する
スライド式閉鎖機構７が固定されている。このス
ライド式閉鎖機構７は２つの位置固定的な耐火性
の閉鎖プレート８と９との間に、横方向に可動な
スライドプレート１０を有し、このスライドプレ
ート１０によつて当該スライド式閉鎖機構７は開
口位置及び閉鎖位置にもたらされる。閉鎖位置で
は可動なスライドプレート１０は固定配置された
閉鎖プレート８及び９の貫通孔１１を覆う。

耐火性材料から成る湯口スリーブ５はスライド
式閉鎖機構７の固定配置された閉鎖プレート８の
上に載設されており、湯口スリーブ５を貫通して
延びる流過通路１２にはスライド式閉鎖機構７の
閉鎖プレート８，９の貫通孔１１が整合させられ
ている。

湯口スリーブ５は金属薄板から成る薄板套壁１
３で取囲まれている。湯口スリーブ５内には流過
通路１２に対して同心的にガス透過性の耐火性の
材料から成るリング状の挿入体１４が配置されて
いる。この挿入体１４は上面と下面では直接的に
かつ周面では半径方向の距離をおいて金属カプセ
ル１５によつて取囲まれている。この金属カプセ
ル１５が設けられていることによつて処理ガスは
多孔性の挿入体１４を通つて細かく分散されて流
過通路１２内にのみ流出し、処理ガスが他の方向
へ流出することによる漏れ損失は防止される。挿
入体１４の周面と金属カプセル１５との間のリン
グ状の室１６は、処理ガスを全体的に一様に分配
して挿入体１４を流過させるために役立つ。リン
グ状の室１６には金属カプセル１５に溶接された
接続管片１７が開口している。この接続管片１７
は導管区分３０として形成され薄板套壁１３を貫
通して延びている。この接続管片１７にはフレキ
シブルな金属製のガス供給導管１８又は銅管が溶
接又はろう接されている。この結果、公知の装置
ではこの個所に配置されているねじ結合部がなく
なるので、ガス供給導管における漏れ損失が回避
される。この場合にフレキシブルな金属製のガス
供給導管又は銅管を使用する理由は、しばしば交
換されなければならない湯口スリーブ５が接続さ
れたガス供給導管１８と一緒に上方から壁部１と
内層体２内に挿入されるときにフレキシブルなガ
ス供給導管が溶接リング６における溝１９と装置
の他の構成部材の間を通して導かれる必要がある
からである。

湯口スリーブ５は比較的に短い耐用年限しか有
していないので、この湯口スリーブは経済的な理
由からできるだけ簡単に製造することが有利であ
る。このためには、金属カプセル１５をその中に
配置された挿入体１４と一緒に、有利には金属カ
プセル１５と溶接された接続管片１７によつて薄
板套壁１３に固定し、ついで薄板套壁１３を型と
して耐火性材料から湯口スリーブ５を注型成形す
ることで湯口スリーブ５内に金属カプセル１５が
埋設されている。湯口スリーブ５が注型成形され
た後でフレキシブルなガス供給導管又は銅管１８
は薄板套壁１３から突出した接続管片１７に溶接
又はろう接される。

第２図に示された、本考案の変化実施例たる湯
口スリーブも第１図に示された湯口スリーブ同
様、簡単に製造することができる。第１図に示さ
れた円筒形の湯口スリーブとは異なつて湯口スリ
ーブ５は円錐形の外形を有しており、銅管２０と
して構成された導管区分３０は流過通路１２に対
して平行に下方に向かつて湯口スリーブ５から突
出させられており、上端で金属カプセル１５にろ
う接されている。この変化実施例では挿入体１４
の上面とに接する金属カプセル壁は、湯口スリー
ブ５の流過通路１２までは達していない。

又、第３図に示されているようにガス透過性の
材料を取囲む金属カプセル２１は、湯口スリーブ
５を取囲む薄板套壁１３とこの薄板套壁１３内に
熔接されたリング状の中間底部２２によつて形成
されている。

多孔性のガス透過性の材料から成る挿入体を有
する湯口スリーブを用いて稼働した場合には、有
利にはイナートガス、例えばアルゴンである処理
ガスが図示されていないガスタンクから湯口スリ
ーブ５の流過通路１２に吹込まれるか又は定量の
ガス流に重畳された部分ガス流がパルス状に吹込
まれる。この場合には処理ガスは加熱しておくと
有利である。この稼働形式によつては著しく長い
鋳造時間が可能になり、鋳造は流過通路の閉塞に
よるトラブルなしで行なわれるようになる。さら
にこの場合には４〜6NI／minである小量のガス
で稼働できるので、漏れ損失が実質的に完全に回
避されるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の複数の実施例を示すものであつ
て、第１図は容器底の湯口範囲と閉じられたスラ
イド式閉鎖機構を有する湯口スリーブとの鉛直方
向断面図、第２図は湯口スリーブの変化実施例を
示す鉛直方向断面図、第３図は湯口スリーブの別
の変化実施例を示す鉛直方向断面図である。 １……壁部、２……内層体、３……切欠き、４
……質量体、５……湯口スリーブ、６……溶接リ
ング、７……スライド式閉鎖機構、８……閉鎖プ
レート、９……閉鎖プレート、１０……スライド
プレート、１１……貫通孔、１２……流過通路、
１３……薄板套壁、１４……挿入体、１５……金
属カプセル、１６……室、１７……接続管片、１
８……ガス供給導管、１９……溝、２０……銅
管、２１……カプセル、２２……中間底部、３０
……導管区分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属湯を受容する容器のための湯口スリーブで
   あつて、該湯口スリーブ５の流過通路１２内へ処
   理ガスを導入する装置を有している形式のものに
   おいて、湯口スリーブ５が金属薄板から成る薄板
   套壁１３で取囲まれた耐火性材料から成り、湯口
   スリーブ５の耐火性材料内に、湯口スリーブ５の
   流過通路１２に整合する孔を有する、耐火性でか
   つガス透過性の材料から成る挿入体１４が埋設さ
   れており、この挿入体１４が端面側と周面側とで
   金属カプセル１５で取囲まれており、挿入体１４
   の外周と金属カプセル１５の周壁との間にリング
   状の室１６が形成されており、このリング状の室
   １６に一方では金属カプセル１５に溶接されかつ
   他方では薄板套壁１３を貫通してこの薄板套壁１
   ３に溶接された導管区分３０が開口しており、こ
   の導管区分３０にフレキシブルな金属製のガス供
   給導管１８が溶接又はろう接されており、湯口ス
   リーブ５が耐火性の材料を薄板套壁１３を型とし
   て注型成形されて成ることを特徴とする、金属湯
   を受容する容器のための湯口スリーブ。