JP2640977B2 - スフィンゴ糖脂質 - Google Patents
スフィンゴ糖脂質Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、オニヒトデ(Acanthaster planci)由来の
スフィンゴ糖脂質に関する。
スフィンゴ糖脂質に関する。
スフィンゴ糖脂質は、動植物の細胞膜を形成する脂質
二重層の構成成分であり、細胞の分化、相互識別などに
関与すると言われている。
二重層の構成成分であり、細胞の分化、相互識別などに
関与すると言われている。
従来、棘皮動物門に属するヒトデ類からもセレブロシ
ド(セラミド−モノヘキソシド)セラミド−ジヘキソシ
ド,ガングリオシドなどのスフィンゴ糖脂質が数種得ら
れているが(T.Komori et al,Liebigs Ann.Chem.,1980,
653)、いずれもセラミド(長鎖塩基と脂肪酸)部の組
成を異にする混合物(分子種)のままであり、単離され
たスフィンゴ糖脂質についての構造解析や生理活性の検
討はおこなわれていない。
ド(セラミド−モノヘキソシド)セラミド−ジヘキソシ
ド,ガングリオシドなどのスフィンゴ糖脂質が数種得ら
れているが(T.Komori et al,Liebigs Ann.Chem.,1980,
653)、いずれもセラミド(長鎖塩基と脂肪酸)部の組
成を異にする混合物(分子種)のままであり、単離され
たスフィンゴ糖脂質についての構造解析や生理活性の検
討はおこなわれていない。
本発明者らは、海洋産物であるオニヒトデ(Acanthas
ter planci)から新規なガングリオシドを単離し、構造
決定したところ、このものは次の式(I)で表わされる
化合物である事を見い出した。
ter planci)から新規なガングリオシドを単離し、構造
決定したところ、このものは次の式(I)で表わされる
化合物である事を見い出した。
すなわち、本発明は次の式(I) (式中、Rは炭素数10〜25、好ましくは13〜21の直鎖ア
ルキル基を、R′は炭素数10〜20、好ましくは11〜17の
直鎖アルキル基を示す) で表わされるスフィンゴ糖脂質を提供するものである。
ルキル基を、R′は炭素数10〜20、好ましくは11〜17の
直鎖アルキル基を示す) で表わされるスフィンゴ糖脂質を提供するものである。
本発明のスフィンゴ糖脂質(I)は、例えば、オニヒ
トデをクロロホルムとアルコール類(特にメタノール)
の混合溶媒で抽出し、濃縮後、溶媒分画を行い、水溶性
分画を逆相及び順相カラムクロマトで精製することによ
り得ることができる。なお、オニヒトデ組織中には、本
発明のスフィンゴ糖脂質(I)のほか、次の式(II) (式中、R及びR′は前記と同じ) で表わされるスフィンゴ糖脂質も存在するが、このスフ
ィンゴ糖脂質(II)は、上記精製工程において、シリカ
ゲルクロマト[溶媒:n−ブタノール−クロロホルム−イ
ソプロパノール−メタノール−14%アンモニア(1:2:1:
4:1.5)]で容易に分離することができる。
トデをクロロホルムとアルコール類(特にメタノール)
の混合溶媒で抽出し、濃縮後、溶媒分画を行い、水溶性
分画を逆相及び順相カラムクロマトで精製することによ
り得ることができる。なお、オニヒトデ組織中には、本
発明のスフィンゴ糖脂質(I)のほか、次の式(II) (式中、R及びR′は前記と同じ) で表わされるスフィンゴ糖脂質も存在するが、このスフ
ィンゴ糖脂質(II)は、上記精製工程において、シリカ
ゲルクロマト[溶媒:n−ブタノール−クロロホルム−イ
ソプロパノール−メタノール−14%アンモニア(1:2:1:
4:1.5)]で容易に分離することができる。
本発明のスフィンゴ糖脂質には、その代表的なものと
して(I)式中R=CH2 19CH3でR′=CH2 11CH3
のもの及びR=CH2 21CH3でR′=CH2 11CH3のも
のが含まれており、これらも更にMeoH−H2O−PicAを用
いた逆相HPLC等の手段で分離することが可能である。
して(I)式中R=CH2 19CH3でR′=CH2 11CH3
のもの及びR=CH2 21CH3でR′=CH2 11CH3のも
のが含まれており、これらも更にMeoH−H2O−PicAを用
いた逆相HPLC等の手段で分離することが可能である。
本発明のスフィンゴ糖脂質(I)は、大脳皮質神経細
胞生存維持作用を有するので、例えば老人性痴呆、アル
ツハイマー病、パーキソン病等の神経退行性疾患の治療
薬として有用である。
胞生存維持作用を有するので、例えば老人性痴呆、アル
ツハイマー病、パーキソン病等の神経退行性疾患の治療
薬として有用である。
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。
実施例1 オニヒトデ52kgのクロロホルム−メタノールエキスを
水と酢酸エチル−n−ブタノール混液で分配し、ここで
得られた水層を水飽和n−ブタノールで抽出した。さら
に水層を濃縮乾固後、クロロホルム−メタノール混液で
抽出し、このクロロホルム−メタノール可溶部を逆相お
よび順相カラムクロマトで精製することにより、順相TL
C上単一スポットを示す二成分AG−2(1.2g)及びAG−
3(620mg)を得た。
水と酢酸エチル−n−ブタノール混液で分配し、ここで
得られた水層を水飽和n−ブタノールで抽出した。さら
に水層を濃縮乾固後、クロロホルム−メタノール混液で
抽出し、このクロロホルム−メタノール可溶部を逆相お
よび順相カラムクロマトで精製することにより、順相TL
C上単一スポットを示す二成分AG−2(1.2g)及びAG−
3(620mg)を得た。
実施例2 上記のようにして得られたAG−3は、AG−2と同様IR
でアミドの吸収を示し、13C NMRの解析によりオキシ脂
肪酸を有するフィトスフィンゴシン型セラミド分子種で
ある事が判明した。
でアミドの吸収を示し、13C NMRの解析によりオキシ脂
肪酸を有するフィトスフィンゴシン型セラミド分子種で
ある事が判明した。
その糖部は13C NMRの知見およびAG−3のメタノリシ
ス成績体のトリメチルシリル(TMS)化、その分析より
ガラクトース(Gal)4モル、N−アセチルノイラミン
酸(NANA)、グルコース(Glc)各1モルより構成され
ていることが明らかとなり、各糖の結合順序はネガティ
ブFABMSにおけるフラグメンテーションからターミナル
ヘキソース→ヘキソース→ヘキソース→NANA→ヘキソー
ス→ヘキソースであることが判明した。
ス成績体のトリメチルシリル(TMS)化、その分析より
ガラクトース(Gal)4モル、N−アセチルノイラミン
酸(NANA)、グルコース(Glc)各1モルより構成され
ていることが明らかとなり、各糖の結合順序はネガティ
ブFABMSにおけるフラグメンテーションからターミナル
ヘキソース→ヘキソース→ヘキソース→NANA→ヘキソー
ス→ヘキソースであることが判明した。
さらにAG−3完全メチル化体から得たアルジトール−
アセテート、メタノリゼートのアセテートのGC−MS分析
からターミナルヘキソフラノース(1モル)、4位結合
NANA(1モル)、3位結合ヘキソピラノース(2モ
ル)、4位結合ヘキソピラノース(2モル)の存在が判
明した。
アセテート、メタノリゼートのアセテートのGC−MS分析
からターミナルヘキソフラノース(1モル)、4位結合
NANA(1モル)、3位結合ヘキソピラノース(2モ
ル)、4位結合ヘキソピラノース(2モル)の存在が判
明した。
又、AG−3を水溶液中80℃で加熱して部分水解する
と、セラミド−ラクトシド及びオリゴ糖が得られた。さ
らにAG−3の完全メチル化体を部分メタノリシスして得
られるセラミド−ラクトシドの部分メチル化体をそのま
ま、アルジトールアセテートの分析を行ない、その結果
から、NANA(2→4)GalP(1→4)Glc−セラミドの
部分構造の存在が判明した。
と、セラミド−ラクトシド及びオリゴ糖が得られた。さ
らにAG−3の完全メチル化体を部分メタノリシスして得
られるセラミド−ラクトシドの部分メチル化体をそのま
ま、アルジトールアセテートの分析を行ない、その結果
から、NANA(2→4)GalP(1→4)Glc−セラミドの
部分構造の存在が判明した。
以上の化学知見、AG−3の13C NMRによる解析および
完全メチル化体の1H NMR上のアノメリック水素のシグナ
ル等よりAG−3は式(I)で表わされる化合物の混合種
であると判断された。
完全メチル化体の1H NMR上のアノメリック水素のシグナ
ル等よりAG−3は式(I)で表わされる化合物の混合種
であると判断された。
AG−3: mp 164−166℃ ネガティブ FABMS(m/z) 〔1727,1741,1755〔M−H〕−〕 〔1593,1431,1269,978,816,654(メインフラグ メント
イオンズ)〕13 C NMR 〔69.9,51.1,75.4,72.5,176.0,72.6(セラミド)〕 〔110.5,104.9,104.2,101.9,100.9,97.3(アノメリック
カーボン)〕 実施例3 AG−3成分の分離は、MeOH−H2O−PicA*を用いた逆
相HPLC〔カラム:ERC−2151,3μ溶媒:97%MeOH−PicA(1
00:5)流速:1.2ml/min〕で行ない、AG−3−3およびAG
−3−5を単離した。そしてこのものの構造を13C NM
R、メタノリシスにより得られる脂肪酸メチルエステル
の同定およびネガティブFABMS等の結果より同定した。
イオンズ)〕13 C NMR 〔69.9,51.1,75.4,72.5,176.0,72.6(セラミド)〕 〔110.5,104.9,104.2,101.9,100.9,97.3(アノメリック
カーボン)〕 実施例3 AG−3成分の分離は、MeOH−H2O−PicA*を用いた逆
相HPLC〔カラム:ERC−2151,3μ溶媒:97%MeOH−PicA(1
00:5)流速:1.2ml/min〕で行ない、AG−3−3およびAG
−3−5を単離した。そしてこのものの構造を13C NM
R、メタノリシスにより得られる脂肪酸メチルエステル
の同定およびネガティブFABMS等の結果より同定した。
Claims (2)
- 【請求項1】次の式(I) (式中、Rは炭素数10〜25の直鎖アルキル基を、R′は
炭素数1〜20の直鎖アルキル基を示す) で表わされるスフィンゴ糖脂質。 - 【請求項2】Rが炭素数13〜21の直鎖アルキル基、R′
が炭素数11〜17の直鎖アルキル基である請求項1記載の
スフィンゴ糖脂質。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1020548A JP2640977B2 (ja) | 1989-01-30 | 1989-01-30 | スフィンゴ糖脂質 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1020548A JP2640977B2 (ja) | 1989-01-30 | 1989-01-30 | スフィンゴ糖脂質 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02200696A JPH02200696A (ja) | 1990-08-08 |
JP2640977B2 true JP2640977B2 (ja) | 1997-08-13 |
Family
ID=12030206
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1020548A Expired - Fee Related JP2640977B2 (ja) | 1989-01-30 | 1989-01-30 | スフィンゴ糖脂質 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2640977B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4585172B2 (ja) * | 2003-01-31 | 2010-11-24 | 森永乳業株式会社 | 骨形成促進剤 |
JP2010254718A (ja) * | 2010-08-13 | 2010-11-11 | Morinaga Milk Ind Co Ltd | 骨形成促進剤 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50101231A (ja) * | 1974-01-14 | 1975-08-11 | ||
JPS6032355B2 (ja) * | 1978-11-22 | 1985-07-27 | 三菱電機株式会社 | 半導体装置の製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS529850Y2 (ja) * | 1973-04-14 | 1977-03-02 | ||
JPS6032355U (ja) * | 1983-08-05 | 1985-03-05 | 品川白煉瓦株式会社 | ガス吹込み用ポ−ラスプラグ |
DE3512907A1 (de) * | 1985-04-11 | 1986-10-16 | Stopinc Ag, Baar | Ausgusshuelse fuer einen metalschmelze enthaltenden behaelter |
-
1989
- 1989-01-30 JP JP1020548A patent/JP2640977B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50101231A (ja) * | 1974-01-14 | 1975-08-11 | ||
JPS6032355B2 (ja) * | 1978-11-22 | 1985-07-27 | 三菱電機株式会社 | 半導体装置の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02200696A (ja) | 1990-08-08 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |