JPH044887Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、ウインドガラスの取付けを容易に
すると共に、取付け後の外観の向上を図つた、ウ
インドガラスの取付装置に関するものである。

「従来の技術」 自動車のウインドガラスには、車体（またはそ
の一部であるドア）に対してスライドして開閉す
るものと、車体に開閉不能に取付けられるものと
がある。後者のうちの代表的なものは、フロント
ウインドガラスである。第３図に示す自動車にお
いては、フロントウインドガラス１のほかに、ル
ーフ２に設けられたルーフウインドガラス３が、
開閉不能になつている。以後の説明における便宜
のため、これらフロントウインドガラス１とルー
フウインドガラス３とを支持する部分の車体を符
号４で表わす。

「考案が解決しようとする問題点」 上記のようにフロントウインドガラス１および
ルーフウインドガラス３を車体４の取付けるに当
り、最近ではウインドガラスの周縁部内側を車体
４のフランジ部に接着により取付け、この取付部
のウインドガラスと車体４との間（車体４のフラ
ンジ部でないところ）の隙間にモールを嵌着して
外装処理を行なうことになる。この場合、ウイン
ドガラスの角の部分は小さな半径の円弧になつて
いるので、直線状に製造されているモールを折曲
げると、その部分の内側（ウインドガラス側）に
しわが生じたり、あるいは浮き上つてしまう問題
があり、これを外観不良とならないようにするに
は、取付けに熟練と時間とを必要とした。

この考案は上述した従来の問題を解決し、モー
ルにしわが生じないように極めて容易に嵌着する
ことができ、しかも接着剤がはみ出すことがな
く、外観も損うことのないウインドガラスの取付
装置を提供することを目的とするものである。

「問題点を解決するための手段」 この考案のウインドガラスの取付装置は、車体
のアウタパネルとインナパネルとを縁部において
重ね溶接してフランジ部が形成され、前記アウタ
パネルの外面には前記フランジ部に沿う凹溝が形
成され、前記フランジ部にオープニングトリムを
嵌着し、ウインドガラスの周縁部内側を前記オー
プニングトリムに当接させて前記車体のフランジ
部とオープニングトリムとに接着により取付け、
前記ウインドガラスの周縁部とアウタパネルとの
間の隙間にモールを嵌着した自動車において、前
記モールを、ウインドガラスの周縁部に嵌着する
溝と前記フランジ部に密に当接する先端部とを有
する断面が細長い形状の第１のモールと、該第１
のモールに対し前記ウインドガラス周縁部の外側
に位置して前記アウタパネルの凹溝に当接する頭
部と前記凹溝とフランジ部との間で前記アウタパ
ネルに当接するリツプと前記フランジ部に達する
先端部とを有する断面が細長い形状の第２のモー
ルとに分割して形成し、該第１、第２の２つのモ
ールを、その接合面において長手方向に設けた突
条と溝との係合により結合したことを特徴とする
ウインドガラスの取付装置としたものである。

「作用」 このような構成とすれば、直線状に製造されて
いるモールを用いても、ウインドガラスの周縁部
に嵌着するために、その外側に位置する第２のモ
ールより角部において小さな曲率半径となる第１
のモールの長さを若干短かくすることにより、従
来のようにしわが生じたり、浮き上つたりせず、
接着剤は第１のモールの先端からはみ出すことが
なく、第２のモールの頭部はアウタパネルの凹溝
に当接して、アウタパネルから不自然に盛り上る
ことがない。

「実施例」 次に、この考案の一実施例を、第３図の−
線に沿う断面を示す第１図と、第３図の−線
に沿う断面を示す第２図とについて説明する。こ
れらは車体４の対する部位が異なつても構造は同
一である。車体４は、アウタパネル５とインナパ
ネル６とによつて構成されており、アウタパネル
５とインナパネル６とは縁部において重ね、溶接
７により結合してフランジ部８が形成されてい
る。そしてアウタパネル５の外面にはフランジ部
８に沿つて凹溝１８が形成され、フランジ部８に
は、ゴム等で長尺に形成されたオープニングトリ
ム９が嵌着されており、フロントウインドガラス
１およびルーフウインドガラス３の周縁部内側が
オープニングトリム９に当接し、フロントウイン
ドガラス１およびルーフウインドガラス３の周縁
の先端内側とフランジ部８の間には、このオープ
ニングトリム９ではみ出さないようにして接着剤
１０が充填され、両ウインドガラスを支持してい
る。

１１は塩化ビニル等で製作されたモールであ
る。従来はこのモール１１は１本であつたが、こ
の考案においては、第１のモール１２と第２のモ
ール１３とに分割して形成されている。

第１のモール１２はフロントウインドガラス１
またはルーフウインドガラス３側に位置するもの
で、その内側に設けられた溝１４により、フロン
トウインドガラス１またはルーフウインドガラス
３の周縁部を嵌着して支持しており、また第１の
モール１３の断面は細長い形状で先端部がフラン
ジ部８に密に当接し、接着剤１０がはみ出さない
ようにしている。

第２のモール１３は第１のモール１２に対し、
フロントウインドガラス１またはルーフウインド
ガラス３の周縁外側に位置していて、頭部の端縁
はアウタパネル５の凹溝１８に当接してアウタパ
ネル５から不自然に盛り上らないようになつてお
り、細長い断面形状の先端部はフランジ部８に達
するようになつている。さらに第１のモール１２
とは反対側の側面とアウタパネル５との間には空
隙があつて、第２のモール１３の側面に突設され
ているリツプ１５が凹溝１８とフランジ部８との
間でアウタパネル５に当接し、車体４およびウイ
ンドガラス１，３の寸法誤差、組付誤差を吸収す
るようになつている。

第１のモール１２および第２のモール１３は、
その接合面において長手方向に設けられた突条１
６と溝１７との係合により、結合されている。第
１のモール１２および第２のモール１３はいずれ
も断面形状が細長いので、第２のモール１３を第
１のモール１２とアウタパネル５との間に挿入し
て第１のモール１２と第２のモール１３とを組付
ける際に作業が容易であり、突条１６と溝１７と
の係合による結合であるから、その長手方向には
摺動できることになる。

「考案の効果」 この考案は以上説明したように、従来１本であ
つたモール１１を第１のモール１２と第２のモー
ル１３とに分割して形成し、しかもこれらをその
接合面において長手方向に設けた突条と溝との係
合により結合させたものであるから、内側の第１
のモール１２を外側の第２のモール１３より若干
短かくすることにより、また適宜摺動させること
により、従来のようにしわが生じたり、浮き上つ
たりすることなく、きわめて容易に組付けること
ができ、さらにモールの頭部がアウタパネルから
不自然に盛り上つたり接着剤がはみ出したりする
ことがなく、美麗にウインドガラスを取付けるこ
とができ、車体およびウインドガラスの寸法誤
差、組付誤差を吸収することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の要部を示すもの
で、第３図の−線に沿つた拡大断面図、第２
図は第１図とは異つた部分を示す第３図の−
線に沿う拡大断面図、第３図はこの考案を適用す
る自動車の斜視図である。 １……フロントウインドガラス、３……ルーフ
ウインドガラス、４……車体、５……アウタパネ
ル、６……インナパネル、７……溶接、８……フ
ランジ部、９……オープニングトリム、１０……
接着剤、１１……モール、１２……第１のモー
ル、１３……第２のモール、１４……溝、１５…
…リツプ、１６……突条、１７……溝、１８……
凹溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体のアウタパネルとインナパネルとを縁部に
   おいて重ね溶接してフランジ部が形成され、前記
   アウタパネルの外面には前記フランジ部に沿う凹
   溝が形成され、前記フランジ部にオープニングト
   リムを嵌着し、ウインドガラスの周縁部内側を前
   記オープニングトリムに当接させて前記車体のフ
   ランジ部とオープニングトリムとに接着により取
   付け、前記ウインドガラスの周縁部とアウタパネ
   ルとの間の隙間にモールを嵌着した自動車におい
   て、前記モールを、ウインドガラスの周縁部に嵌
   着する溝と前記フランジ部に密に当接する先端部
   とを有する断面が細長い形状の第１のモールと、
   該第１のモールに対し前記ウインドガラス周縁部
   の外側に位置して前記アウタパネルの凹溝に当接
   する頭部と前記凹溝とフランジ部との間で前記ア
   ウタパネルに当接するリツプと前記フランジ部に
   達する先端部とを有する断面が細長い形状の第２
   のモールとに分割して形成し、該第１、第２の２
   つのモールを、その接合面において長手方向に設
   けた突条と溝との係合により結合したことを特徴
   とするウインドガラスの取付装置。