JPH042807Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車特に車体側面もフラツシユサ
ーフエース化した自動車において、高速走行時に
生じる車室内外の圧力差によつてドアガラスが外
側へ吸出されるのを防止する装置に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

従来のドアガラス吸出され防止装置は、例えば
実開昭58−62789号公報のように、かぎ形を成す
ガラスホルダの基部をドアサツシのチヤンネル部
の所定位置にはめ込み、チヤンネル部にはめたガ
ラスランによつて押えただけである（同公報第２
図）。

またガラスホルダをドアサツシの外側縁に切起
し成形したもの（同上公報第３図・第４図）があ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが前者のガラスホルダは、ガラスランに
よる押圧作用が弱いと、車体の振動でガラスホル
ダの位置がずれるおそれがある。ガラスホルダを
チヤンネル部に溶接することが考えられるが車体
組立の作業工程が増える。

後者のガラスホルダはドアサツシと完全一体で
あるから、前者のガラスホルダのように位置がず
れることはないけれども、ドアサツシのプレス加
工工程が複雑になる。

本考案は従来のドアガラス吸出され防止装置が
持つ上記の問題点を解消したガラス押え効果に優
れ、取付けやすく位置ずれを起さないドアガラス
吸出され防止装置を提供することを目的とする。

ロ 考案の構成 〔問題点を解決するための手段〕 本考案は、上記の目的を達成させるために、図
面に示すように、心板２１が入つたガラスホルダ
１との当接によりドアガラス６の吸出されを防止
する装置において、該ガラスホルダ１の心板２１
の内端部に折曲部２を形成し、その折曲部２を、
ドアガラスシール３を保持するドアサツシ４また
は車体開口部枠の内周のフランジ５，１３に引掛
け、更にその折曲部２をフランジトリム３１で覆
つてガラスホルダ１を固定したものである。

〔作用〕

ドアガラス６の鎖線示のように閉じると、ドア
ガラス６の端縁はガラスシール３に密着させられ
る。そして高速走行による車室内外の圧力差によ
つてドアガラス６の外方に吸出されようとして
も、ガラスホルダ１で止められるものである。

〔実施例〕

本考案の実施例を具体的に説明すると、図示の
ものは、車体構造をフラツシユサーフエース化の
ため、ドアを閉じたとき、ドアサツシ４がフロン
トピラー７に側面から前面にかけて回り込むよう
に重なり、ドアサツシ４の前端縁４１を、ウイン
ドシールドガラス８の側縁に沿うシール９に当接
させてウインドシールドガラス８とドアサツシ４
が滑らかに連続するようにしたフルドア構造であ
る。

そしてドアガラス６の外面とドアサツシ４の外
面を、両者間に段差のない略連続する面とするた
め、チヤンネル形シールいわゆるガラスランに代
えて、ガラス６より内側でドアサツシ４の内周に
形成されているフランジ５に、フランジトリム３
１で止めたドアガラスシール３を用いている。上
記フランジトリム３１はドアガラスシール３に一
体に形成されている。

車体側面のフラツシユサーフエース化のため、
上記図示例のようなドアガラスシール３を用いた
場合に、特にガラスホルダ１が必要となるもので
ある。

ガラスホルダ１は、中に心板２１が入つたかぎ
形の硬質合成樹脂成形品で、その心板２１の端部
を露出させてＪ字形の折曲部２を形成している。
そのＪ字形折曲部２はフランジ５に密着して引掛
かる形状寸法に形成されている。

そして上記ガラスホルダ１は、ドアガラスシー
ル３に予め一体に接着または溶着しておくもの
で、ドアガラスシール３と同時に固着され、折曲
部２はフランジトリム３１で覆われて外観を向上
させる。

ガラスホルダ１は、ドアガラスシール３と別体
のものを、シール３の取付けに先立つてフランジ
５の所定位置に引掛けておき、その上からドアガ
ラスシール３を取付けることもできる。

ガラスホルダ１のＪ字形折曲部２の端は、第２
図および第４図の実施例で示すように、ドアガラ
スシール３のフランジトリム３１の内面に形成し
たリツプ３１１の手前までの長さにすれば、ガラ
スホルダ１とドアサツシ４の重ね合せ面からの水
の侵入を止めることができる。

ガラスホルダ１は第１図に示すように、ドアガ
ラスシール３のフロントピラー７に沿う部分の上
部に取付けるのが一般である。従つてドアガラス
シール３のルーフサイドレール１０に沿う部分、
およびフロントピラー７に沿う部分のガラスホル
ダ１が無い所では、第３図のようにフランジ５に
はドアガラスシール３だけがフランジトリム３１
を介して取付けられる。１２はドアシール、１３
は、フロントピラー７およびルーフサイドレール
１０によつて構成される車体開口部枠の内周に突
出するフランジで、フランジトリム１４で覆つて
いる。

図示例はドアサツシ４を持つ形式の車体の場合
を示したが、サツシレスすなわちドアガラスの端
縁を、車体開口部枠７，１０に直接当接させて閉
じる形式の車体の場合、ドアガラスシール３およ
びガラスホルダ１は上記のフランジ１３に取付け
られる。

ハ 考案の効果 本考案は上記のように、ガラスホルダ１に入つ
ている心板２１の内端部に折曲部２を形成し、そ
の折曲部２を、ドアガラスシール３を保持するド
アサツシ４または車体開口部枠の内周のフランジ
５，１３に引掛け、上記ガラスホルダ１の折曲部
２をフランジトリム３１で覆つてガラスホルダ１
を固定したから、ガラスホルダ１はドアサツシ４
または車体開口部枠の内周のフランジ５，１３に
確固に取付けられる。

車室内外の圧力差の発生により、ドアガラス６
が外側へ吸出さようとしてガラスホルダ１に外方
向の荷重が作用しても、ガラスホルダ１は車体の
フランジ５または１３に折曲部２で引掛かつてい
るので車体と一体であり、該ガラスホルダ１に心
板２１が入つているためガラスホルダ１が強固で
あることと相まつてドアガラス６の吸出され防止
効果を十分に発揮する。

そしてガラスホルダ１を車体に取付けるのに、
ガラスホルダ１の心板２１の内端部に設けた折曲
部２を引掛けて固定するようにしたから、取付け
構造が簡単で、しかも容易に取付けることができ
て溶接等の特別の工程を必要としないし、また上
記折曲部２はフランジトリム３１で覆われるので
外観上も良好である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施部位を示す自動車の側面
図、第２図は第１図Ａ−Ａ線に沿う拡大断面図、
第３図は第１図Ｂ−Ｂ線に沿う拡大断面図、第４
図は折曲部の掛合状態を示す縦断面図。 １はガラスホルダ、２は折曲部、３はドアガラ
スシール、３１はフランジトリム、４はドアサツ
シ、５，１３はフランジ、６はドアガラス、７は
フロントピラー、１０はルーフサイドレール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 心板が入つたガラスホルダとの当接によりドア
   ガラスの吸出されを防止する装置において、該ガ
   ラスホルダの心板の内端部に折曲部を形成し、そ
   の折曲部を、ドアガラスシールを保持するドアサ
   ツシまたは車体開口部枠の内周のフランジに引掛
   け、更にその折曲部をフランジトリムで覆つてガ
   ラスホルダを固定した自動車のドアガラス吸出さ
   れ防止装置。