JPH0216883Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はリヤウインドガラスに用いられる縦、
横のモールデイング、就中ピラーモールデイング
とロアモールデイングの各端末接合部の取付構造
の改良に関するものである。

車両のリヤウインドガラスは車幅方向の端部が
彎曲し、且つ前上傾する如く形成され、かかるリ
ヤウインドガラスは周辺部をフレームリヤ部のウ
インド部用開口部に嵌合されて接着され、ガラス
周辺部の外面を縦、横のモールで覆い、外観性を
向上させている。

従来のかかるモールの取り付けは、縦に設けら
れるピラーモールデイングは一本の部材で形成さ
れるも、ガラス下辺を車幅方向に覆うロアモール
デイングは車幅方向に長く、且つガラスが両側部
で彎曲しているため、概ね真直の中間部と、ピラ
ーモールデイングに接合する彎曲した両側部との
三部材に分割して形成され、組み付けられてい
る。

以上の従来構造は、部品点数が多いこと、組付
工数が増えること等コストの点、製作の点、そし
て組付性の点で不利であり、従つてその改善が要
望される。

本考案は以上を改善すべくなされたもので、そ
の目的とする処は、ロアモールデイングを一本の
部材で構成し、部品点数削減、コストダウンを図
りつつピラーモールデイングとの接合を確実に、
外観性を向上させつつ、且つ作業を簡易化しつつ
企図し得る如くしたリヤウインドモールデイング
の取付構造を提供するにある。

以上の課題を達成すべく本考案は、車両のリヤ
ウインドガラスの下端部外面を覆うロアモールデ
イングと、前記リヤウインドガラスの側端部外面
を覆うピラーモールデイングとを有し、車体の後
面開口部に前記リヤウインドガラスを嵌合固定す
るリヤウインドモールデイングにおいて、前記ロ
アモールデイングを車幅方向の全長に亘り一本の
部材で形成し、該ロアモールデイングの側端部に
形成した長孔と、前記ピラーモールデイングの下
端部裏面に設けた突部とによる係合部を構成する
とともに、前記ロアモールデイングの裏面と、前
記リヤウインドガラスの下端部外面とを、前記係
合部より車幅方向の内側部分においてスペーサを
介設して固定結合したことを特徴とする。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は車両後部の後面斜視図、第２図はモー
ルデイング接合部の外面図、第３図及び第４図は
第２図３−３線及び４−４線断面図、第５図は第
１図５−５線断面図、第６図は第１図６−６線断
面図を示す。

第１図において２は車両１の車体を示し、車体
２の後部に設けた後面開口部にリヤウインドガラ
ス３が嵌合され、車体２側に周辺部を接着固定
し、ガラス３の周辺部はモールデイングで覆われ
る。

第２図乃至第６図はこれの詳細を示し、４は車
体外板をなすアウタパネルで、車体のリヤピラー
部４１にはピラーモールデイング５が、又車体の
ガラス下端に臨むトランクリツド７の前端に臨む
下部４２にはロアモールデイング６が車幅方向に
設けられている。ロアモールデイング６はステン
レス鋼板等の外観性に優れ、耐食性に優れたもの
が用いられ、第４図及び第５図に示される如く断
面横向きの略チヤンネル状をなし、縦片６１、こ
れの上端から前方に折曲延出された上片６２、上
片６２の前端から下方に折曲された上部当片６
３、縦片６１の下端から前下傾する如く折曲延出
された下片６４、下片６４の前端から折曲垂下さ
れた下部当片６５を備え、下部当片６５の下端部
は合成樹脂等で成形せるプロテクタ６６で覆われ
ている。ロアモールデイング６はガラス３の下端
部３１の略全長に亘る如く一本の部材で形成され
ている。かかるロアモールデイング６をガラス３
の下端部３１外面に臨ませ、このガラス下端部３
１はアウタパネル４の開口部４３下方に設けた後
方に膨出する段部４４上との間に隙間を有する如
く臨ませ、開口部４３の周辺部４５外面とガラス
下端部３１裏面との間に介設した接着剤８で接着
固定されている。ロアモールデイング６はガラス
下端部３１の接着部外面に臨み、下部当片６５の
プロテクタ６６は段部４４上に当接支持され、上
部当片６３はガラス下端部３１の外面に面接触で
当接している。

リヤピラー４１の開口部周辺部に縦設したピラ
ーモールデイング５の下端部５１は内側に折曲し
て部分的にＬ型とし、このＬ型下端部５１には裏
面方向に円形の係合突起５２を突設し、一方、ロ
アモールデイング６の縦片６１の側端部６７には
長さ方向の長孔６８を設け、ピラーモールデイン
グ５のＬ型下端部５１の裏側にロアモールデイン
グ６の側端部６７を重ね合せて長孔６８と突起５
２を係合し、端部相互を連結し、長孔６８により
ロアモールデイング６の長さ方向の誤差を吸収す
ることができ、又突起５２と長孔６８により上下
方向は規制され、ピラーモールデイング５とロア
モールデイング６の位置決めがなされる。この係
合位置決め構造を第３図、第４図で示し、ガラス
３の側端部３２はかかるピラーモールデイング５
で覆われる。リヤピラー４１の後縁部には裏面側
への段差が異なる前後の段部４６，４７が形成さ
れ、段差の大きな後側の段部４７にガラス側端部
３２を臨ませて接着剤８で固定し、段差の小さな
前側の段部４６にピラーモールデイング５の前縁
部を臨ませて適所を互いにビス止めし、ピラーモ
ールデイング５の後縁部をガラス側端部３２外面
に臨ませている。これを第６図に示した。

そしてロアモールデイング６の側端部６７の裏
面であつて第２図に示す如く長孔６８より車幅方
向の内側部分にスペーサ９を配設する。このスペ
ーサ９は第５図のようにロアモールデイング６の
縦片６１とガラス下端部３１との間に介設され、
スペーサ９は両面接着テープ等により表裏両面に
接着層９１，９２を備え、これによりロアモール
デイング縦片６１裏面とガラス下端部３１外面と
を間隙を保持して接合する。

以上によりロアモールデイングの端部の位置決
め係止とガラスへの固定保持を行う。

以上で明らかな如く本考案によれば、リヤウイ
ンドガラス下端部を覆うロアモールデイングを一
本の部材で形成することが可能となり、端末処理
もリヤピラーモールデイングとの関係で円滑に外
観性を向上せしめつつ組付性容易に正確に位置決
めしつつ、又誤差を吸収しつつ行え、更にロアモ
ールデイング端部の前後方向の位置決めもスペー
サでなし得、部品点数の削減を図り、コストダウ
ンを企図しつつ組付工数削減、組付性向上、外観
性向上、正確な組み付けをなし得る等多大の利点
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は車両後部の斜視図、第２図はピラーモ
ールデイングとロアモールデイング接合部の外面
図、第３図及び第４図は第２図３−３線及び４−
４線断面図、第５図及び第６図は第１図５−５線
及び６−６線断面図である。 尚図面中２は車体、３はリヤウインドガラス、
５はピラーモールデイング、６はロアモールデイ
ング、５２は突起、６８は長孔、９はスペーサで
ある。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車両のリヤウインドガラスの下端部外面を覆う
   ロアモールデイングと、前記リヤウインドガラス
   の側端部外面を覆うピラーモールデイングとを有
   し、車体の後面開口部に前記リヤウインドガラス
   を嵌合固定するリヤウインドモールデイングにお
   いて、 前記ロアモールデイングを車幅方向の全長に亘
   り一本の部材で形成し、 該ロアモールデイングの側端部に形成した長孔
   と、前記ピラーモールデイングの下端部裏面に設
   けた突部とによる係合部を構成するとともに、 前記ロアモールデイングの裏面と、前記リヤウ
   インドガラスの下端部外面とを、前記係合部より
   車幅方向の内側部分においてスペーサを介設して
   固定結合したことを特徴とする車両のリヤウイン
   ドモールデイングの取付構造。