JPH0439817Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、乗用自動車のアツパバツク構造に関
するものである。

＜従来の技術＞ 乗用自動車のバツクウインドの下方のアツパバ
ツク部の構造は次のような構成である。すなわ
ち、第３図で示すように、アツパバツクパネル１
の前端に下向きコ字状の屈曲縁２を車幅方向に形
成し、この屈曲縁２の下面にアツパバツクリーン
フオース３を結合して閉断面が構成され、この閉
断面の左右両端を第４図Ａ，Ｂで示すように、リ
ヤホイルハウス４に結合されているリヤスプリン
グサポート５にホイルハウスリーンフオース６及
びブラケツトオパツケージトレイ７を介して結合
した構造である。

＜考案が解決しようとする問題点＞ このアツパバツクは、左右のリヤホイルハウス
間のボデー剛性を保持する重要な部材の１つであ
るが、上記のようなホイルハウスリーンフオース
６とアツパバツクパネル１の前端の屈曲縁２及び
アツパバツクリーンフオース３とによる閉断面と
の継ぎ部では剛性が不足するため、第３図で示す
ように、リヤスプリングサポート５間のフロア８
上にアツパクロスメンバ９を固設し、さらにアツ
パクロスメンバ９の両端とリヤスプリングサポー
ト５とをガゼツトホイルハウス１０で結合すると
共に、ホイルハウスリーンフオース６とフロア８
とをストレーナパネル１１にて結合した補強手段
を講じている。このため、アツパクロスメンバ
９、ガゼツトホイルハウス１０及びストレーナパ
ネル１１の３部材と、これらの結合作業を必要と
し、コストアツプ並びに組付作業工数を増大して
いる他に、これら３部材によつてトランクスルー
車における開口面積を狭くしている問題があつ
た。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案は、上記従来の問題点を改善したアツパ
バツク構造を提供するもので、その特徴とする構
成は、アツパバツクパネルの前端に下向きコ字状
の屈曲縁を車幅方向に形成し、この屈曲縁の左右
両端をリヤホイルハウスに結合されているリヤス
プリングサポートにホイルハウスリーンフオース
を介して結合し、前記アツパバツクの屈曲縁にブ
レースを車幅方向に貫通してその左右両端を前記
リヤスプリングサポートに結合し、前記ブレース
とアツパバツクパネルとを結合したものである。

＜作用＞ 上記の構成により、左右のリヤホイルハウス間
のボデー剛性をブレースによつて向上し、リヤサ
スペンシヨンタワーの動きを吸収して操縦性、安
定性及び乗心地性のすべてが向上する。また、ト
ランクスルー車の開口部の面積の拡大が可能とな
つた。

＜実施例＞ 以下本考案の実施例を第１図及び第２図に基づ
いて説明する。第１図において、１はアツパバツ
クパネル、４はリヤホイルハウス、５はリヤスプ
リングサポート、６はホイルハウスリーンフオー
スである。

本考案は、アツパバツクパネルの前端に車幅方
向に形成されている下向きコ字状の屈曲縁２の下
面にアツパバツクリーンフオースを結合せず下向
き開口のままとする。そして、この屈曲縁２にブ
レース１２を車幅方向に貫通してその両端を前記
リヤスプリングサポート５に結合し、またブレー
ス１２とアツパバツクパネル１とを結合したもの
である。

前記ブレース１２のリヤスプリングサポート５
並びにアツパバツクパネル１への結合手段は第２
図で示すように、ブレース１２の両端に第１ブラ
ケツト１３を、またブレース１２の軸線の任意の
複数個所に第２ブラケツト１４を固着し、第１図
で示すように、第１ブラケツト１３はリヤスプリ
ングサポート５に結合し、第２ブラケツト１４は
アツパバツクパネル１に結合した構造である。

本考案は上記の通りの構造であるから、アツパ
バツク部におけるリヤホイルハウス４間の強度
は、アツパバツクパネル１の前端の屈曲縁２、ブ
レース１２及びブレース１２に第２ブラケツト１
４で結合されたアツパバツクパネル１によつて保
持し、剛性を著しく向上する。このブレース１２
による剛性向上により、従来のアツパクロスメン
バ９、ガゼツトホイルハウス１０及びストレーナ
パネル１１の補強部材による補強が不要となる。
また、ブレース１２によりリヤスプリングサポー
ト５、すなわちサスペンシヨンタワーの上端間を
結合したことによりサスペンシヨンタワーの動き
を吸収し操縦性、安定性、乗心地性のすべてが向
上される。

＜考案の効果＞ 以上のように本考案によると、アツパバツクパ
ネルの前端に車幅方向に形成された下向きコ字状
の屈曲縁にブレースを貫通してその両端をリヤス
プリングサポートに結合し、ブレースの軸部をア
ツパバツクパネルに結合した簡単な構造によりア
ツパバツクとリヤホイルハウスの継ぎ部の剛性が
著しく向上し、従来のアツパクロスメンバ、ガゼ
ツトホイルハウス及びストレーナパネルの３部品
よりなる補強部材を不要とし、コストダウンが図
られると共に、トランクスルー車においては、そ
の開口面積が拡大される。また、ブレースはサス
ペンシヨンタワーの動きを吸収するものであるか
ら、操縦性、安定性及び乗心地性のすべてが向上
する、さらに、ブレースはアツパバツクパネル前
端の下向きコ字状の屈曲縁内に貫通されているの
で外部に露呈することがなくトランクスルー開口
部の見栄えを良好としている効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の要部斜視図、第２図はブレー
スの斜視図、第３図は従来構造の要部斜視図、第
４図Ａ，Ｂは従来構造によるアツパバツクパネル
とリヤホイルハウスとの結合構造を示す説明図で
ある。 １……アツパバツクパネル、２……屈曲縁、４
……リヤホイルハウス、５……リヤスプリングサ
ポート、６……リヤホイルハウスリーンフオー
ス、１２……ブレース、１３……第１ブラケツ
ト、１４……第２ブラケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アツパバツクパネルの前端に下向きコ字状の屈
   曲縁を車幅方向に形成し、この屈曲縁の左右両端
   をリヤホイルハウスに結合されているリヤスプリ
   ングサポートにホイルハウスリーンフオースを介
   して結合し、前記アツパバツクの屈曲縁にブレー
   スを車幅方向に貫通してその左右両端を前記リヤ
   スプリングサポートに結合し、前記ブレースとア
   ツパバツクパネルとを結合したことを特徴とする
   自動車のボデーのアツパバツク構造。