JPH04258603A - 被膜形成が可能なキレート形成性樹脂 - Google Patents

被膜形成が可能なキレート形成性樹脂

Info

Publication number
JPH04258603A
JPH04258603A JP4247591A JP4247591A JPH04258603A JP H04258603 A JPH04258603 A JP H04258603A JP 4247591 A JP4247591 A JP 4247591A JP 4247591 A JP4247591 A JP 4247591A JP H04258603 A JPH04258603 A JP H04258603A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
resin
chelate
parts
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4247591A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Kogure
英雄 木暮
Heihachi Murase
村瀬 平八
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP4247591A priority Critical patent/JPH04258603A/ja
Priority to PCT/JP1992/000113 priority patent/WO1992013902A1/ja
Priority to DE19924290288 priority patent/DE4290288T1/de
Priority to US07/930,524 priority patent/US5342901A/en
Priority to DE4290288A priority patent/DE4290288C2/de
Publication of JPH04258603A publication Critical patent/JPH04258603A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属表面に強固な金属
キレート錯体を形成して、金属の腐食を防止できる樹脂
およびその製造方法、ならびにその利用に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、金属の腐食を防止す
るために、(1)リン酸塩やクロム酸塩等の無機質被膜
を金属素材表面に形成する金属表面処理、(2)エポキ
シ樹脂やフェノール樹脂等の有機質被膜を金属表面に形
成する塗膜防食の技術、等が利用されてきた。しかしな
がら、金属表面処理の場合、■重金属廃液による環境汚
染公害の発生、■酸・アルカリ・シアン等の劇毒物の使
用、■複雑な工程を要する、といった欠点がある。
【0003】また、塗膜防食の場合、金属との結合力が
腐食反応を完全に抑える程強固ではないといった問題が
ある。
【0004】現在、無公害で実用性があり、優れた防食
性を示す防食技術が確立されておらず、その開発が待た
れている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の現状
に鑑み、リン酸塩やクロム酸塩等の無機質表面処理剤に
代えて無公害の表面処理剤として使用でき、かつエポキ
シ樹脂やフェノール樹脂等により優れた防食性を示す新
規で無公害な樹脂を得るために界面化学・熱力学・電気
化学・錯体化学等を総合的に応用して研究を行なってき
た。
【0006】その結果、キレート錯体を形成し得る高分
子化合物がエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の樹脂より
遙かに強固に金属と結合することに着目し、キレート錯
体を形成し得る高分子化合物について検討を進めた。そ
の結果、被膜形成可能な樹脂に、ナフトールのフェノー
ル性水酸基に対して窒素原子がオルト位に結合した特定
のキレート形成基を1分子中に2個以上持たせることに
よって、キレート形成による金属との結合エネルギーが
腐食反応エネルギーを上回ること、また金属イオンの電
荷を中和できること、また、キレート形成によって3次
元架橋がなされること等から、この樹脂による被膜が優
れた防食性を示すこと等を見出し、本発明を完成するに
至った。
【0007】即ち、本発明は、下記式〔1〕,〔2〕又
は〔3〕で表わされるキレート形成基を分子中に少なく
とも2個有する被膜形成可能なキレート形成性樹脂を提
供するものである。
【化3】
【化4】 (各式中、R1 は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ
基、ニトロソ基、シアノ基、炭素数18以下の炭化水素
基又は炭素数12以下のアルコキシアルキル基を表わす
。)
【0008】また、本発明は、下記式〔4〕,〔5〕又
は〔6〕で表わされる化合物のアミノ基と、重合性二重
結合を有する樹脂または化合物中の重合性二重結合との
反応によって付加反応させることを特徴とする上記キレ
ート形成性樹脂の製造方法を提供するものである。
【化5】 (各式中、R1 は上記と同じ意味を有する。)
【00
09】さらに本発明は、上記キレート形成性樹脂の水性
液、および該樹脂に架橋剤を配合してなるキレート形成
性樹脂組成物などを提供するものである。
【0010】本発明キレート形成性樹脂において、前記
〔1〕,〔2〕又は〔3〕式で表わされるキレート形成
基のR1 およびR2 における炭化水素基は、炭素数
18以下であり、好ましくは炭素数5以下であって、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール
基などが包含される。また、R1 におけるアルコキシ
アルキル基は、炭素数12以下であり、好ましくは炭素
数5以下である。
【0011】上記〔1〕,〔2〕又は〔3〕式で表わさ
れるキレート形成基のR1 における、アルキル基、ア
ルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基
、アリール基の具体例を以下に示す。アルキル基として
は、直鎖でも枝分れ鎖でもよく、例えば、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキ
シル基、n−ドデシル基およびn−オクタデシル基など
;アルコキシアルキル基としては、例えば、2−メトキ
シエチル基および3−メトキシプロピル基など;シクロ
アルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基および3−メチルシクロヘキシル基など;
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、4−メチ
ルベンジル基、4−イソプロピルベンジル基、フェネチ
ル基など;アリール基としては、例えば、フェニル基、
ジフェニル基、ナフチル基、4−メチルフェニル基など
が挙げられる。
【0012】上記〔1〕式で示されるキレート形成基の
代表例としては、
【化6】 などが挙げられる。
【0013】本発明樹脂において、上記キレート形成基
は+2価又は+3価の金属イオンと非イオン性分子内錯
塩型の安定な5員環のキレート錯体を形成する部分であ
る。
【化7】
【0014】上記のように+3価の金属イオンに対して
は3組のキレート形成基が結合し、また+2価の金属イ
オンに対しては2組のキレート形成基が結合して、金属
イオンの電荷がフェノキシドイオンによって中和された
5員環のキレート錯体を形成する。形成されたキレート
錯体は電荷が中和されており、非イオン性であるため金
属の腐食に対して腐食電流が流れにくくなり、また5員
環を形成しているため構造的に安定である。
【0015】本発明樹脂は、上記キレート形成基を1分
子中に少なくとも2個、好ましくは3〜700個有する
ことが必要であり、キレート形成基を1分子中に複数個
有することによって、キレート形成した際に樹脂被膜の
3次元化が進行し、強固なキレート結合が形成されると
ともに樹脂被膜の架橋密度が増大するため優れた防食性
を示す。
【0016】樹脂中にキレート形成基を導入して本発明
の樹脂を得る方法としては、例えば下記の(a)〜(d
)の方法等を挙げることができる。 (a)  基体部分を形成する樹脂の末端又は側鎖に重
合性二重結合を有せしめ、この二重結合に前記式〔4〕
,〔5〕又は〔6〕で表わされる化合物(以下、「o−
アミノナフトール類」)を付加反応させる方法。 (b)  水酸基等の官能基及び重合性二重結合を有す
る化合物とo−アミノナフトール類との付加反応生成物
と、該反応生成物中の水酸基等の官能基と反応性を有す
るイソシアネート基等の官能基を有するポリマーとを反
応させる方法。 (c)  前記式〔1〕,〔2〕又は〔3〕で表わされ
るキレート形成基と重合性二重結合とを有する化合物を
該化合物と共重合可能な他の重合性不飽和モノマーと共
重合させる方法。 (d)  o−アミノフェノール類と、エーテル化され
たシラノール基及び重合性二重結合を有するシラン化合
物又は樹脂とを付加させる方法。またこの方法によって
得られる前記式〔1〕,〔2〕又は〔3〕の構造部分と
エーテル化されたシラノール基とを有する化合物又は樹
脂を部分縮合させるか、又はエーテル化されたシラノー
ル基を有する他のシラン化合物と部分共縮合させる方法
【0017】(a)の方法において、末端又は側鎖に重
合性二重結合を有する樹脂としては、特に限定されるも
のではなく公知の方法によって得られる多種の樹脂が使
用できる。例えばグリシジル(メタ)アクリレート、3
,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレ
ート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重
合性不飽和モノマーと他の重合性モノマーとの共重合体
、ビスフェノール型等各種エポキシ樹脂等の末端又は側
鎖にエポキシ基を有する樹脂に(メタ)アクリル酸等の
カルボキシル基含有重合性不飽和化合物を付加させてエ
ポキシ基を開環し、樹脂中に重合性不飽和基を導入する
ことによって得られる。この付加反応は、両者を例えば
第4級アンモニウム塩などの反応触媒やハイドロキノン
などの重合禁止剤の存在下に例えば約50〜115℃で
30分〜8時間程度加熱することによって行なうことが
できる。
【0018】また、水酸基を有するアクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂中
の水酸基にイソシアナトエチル(メタ)アクリレート、
m−イソプロペニルフェニルイソシアネート、m−イソ
プロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート
等の重合性不飽和基含有イソシアネート化合物を付加さ
せて重合性不飽和基を導入することによっても得られる
。この付加反応は例えば両者をジブチル錫オクチレート
等の錫系触媒の存在下で20〜100℃で約1〜10時
間反応させることによって行なうことができる。
【0019】上記のようにして得られる末端又は側鎖に
重合性二重結合を有する樹脂は、o−アミノフェノール
との反応によって、樹脂中に前記式〔1〕,〔2〕又は
〔3〕で示されるキレート形成基が導入される。上記式
〔4〕,〔5〕又は〔6〕で表わされる化合物の代表例
としては、2−アミノ−3−ナフトール、1−アミノ−
2−ナフトール、2−アミノ−3−ナフトール、5−ニ
トロ−1−アミノ−2−ナフトールなどが挙げられる。 これらの化合物は単独で、もしくは2種以上混合して使
用できる。
【0020】樹脂中の重合性二重結合へのo−アミノフ
ェノール類の付加反応は、両者を例えば酸触媒の存在下
に通常約20〜100℃で約1〜24時間反応させるこ
とによって行なうことができる。
【0021】前記(b)の方法は、(a)の方法におけ
る反応順序を変えたものであって、前記式〔1〕,〔2
〕又は〔3〕で示されるキレート形成基と水酸基等の官
能基とを有する反応生成物を先ず作製し、このものの官
能基をポリマー中の官能基と反応させて高分子量化する
方法である。
【0022】前記(c)の方法において、前記式〔1〕
,〔2〕又は〔3〕のキレート形成基と重合性二重結合
とを有する化合物は、例えば、o−アミノフェノール類
と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸
基含有不飽和モノマーとの付加生成物中の水酸基を、イ
ソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロ
ペニルフェニルイソシアネート、m−イソプロペニル−
α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等の重合性二
重結合含有モノイソシアネート化合物に付加させる方法
によって得ることができる。o−アミノフェノール類と
水酸基含有不飽和モノマーとの反応は、例えば酸触媒の
存在下に両者を等モルにて約20〜100℃で約1〜2
4時間反応させることによって行なうことができる。こ
れによって得られる付加生成物は水酸基を有し、このも
のと重合性二重結合含有モノイソシアネート化合物との
付加反応は、例えば錫系触媒の存在下に両者を等モルに
て約20〜100℃で約1〜10時間反応させることに
よって行なうことができる。
【0023】前記式〔1〕,〔2〕又は〔3〕のキレー
ト形成基と重合性二重結合とを有する化合物は、上記以
外の方法によって得たものであってもよい。
【0024】(c)の方法において、前記式〔1〕,〔
2〕又は〔3〕のキレート形成基と重合性二重結合とを
有する化合物と共重合させるために用いる他の重合性不
飽和モノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ
)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘ
キシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリル酸のC1 〜C18アルキルエステル
;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレートの如き(メタ)アク
リル酸のC2 〜C8 ヒドロキシアルキルエステル及
びアリルアルコール等の水酸基含有不飽和単量体;スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族
ビニル化合物;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル
アミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエ
チルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの第2級
もしくは第3級アミノ基を有する重合性不飽和モノマー
;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸
、マレイン酸、フマル酸などの酸基含有不飽和単量体;
酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリ
ロニトリル、N−メチロール(メタ)アクリルアミドブ
チルエーテル等のモノマーを挙げることができ、これら
はそれぞれ単独で又は2種以上併用することができる。
【0025】上記重合性二重結合含有付加物と上記他の
重合性不飽和モノマーとの共重合は、公知の共重合方法
によって行なうことができ、例えば上記の成分を重合触
媒及び好ましくは有機溶剤の存在下で加熱反応させるこ
とによって行なうことができる。
【0026】前記(d)の方法において、重合性二重結
合とエーテル化されたシラノール基とを有するシラン化
合物又は樹脂の望ましいものとして、下記一般式〔7〕
で示されるシラン化合物、これらのシラン化合物の一種
又は二種以上を部分縮合した樹脂、及びこれらのシラン
化合物とエーテル化されたシラノール基を有する他のシ
ランとの部分共縮合物が挙げられる。 〔式中、Aは不飽和炭化水素基又は不飽和カルボニルオ
キシアルキル基を示し、Xは水素原子、炭素数1〜18
個の炭化水素基、炭素数1〜18個のアルコキシル基、
炭素数6〜8個のアリールオキシ基又は炭素数5〜8個
の脂環式炭化水素オキシ基を示す。Y及びZはそれぞれ
同一又は異なって炭素数1〜18個のアルコキシル基、
炭素数6〜8個のアリールオキシ基又は炭素数5〜8個
の脂環式炭化水素オキシ基を示し、Xと同一であっても
よい。〕
【0027】上記Aの好ましい例としては、ビニル基、
アリル基、メタクリロイルオキシエチル基、アクリロイ
ルオキシエチル基、メタクリロイルオキシプロピル基、
アクリロイルオキシプロピル基等が挙げられる。
【0028】上記X,Y及びZにおいて、炭素数1〜1
8個のアルコキシル基、炭素数6〜8個のアリールオキ
シ基、炭素数5〜8個の脂環式炭化水素オキシ基のうち
、好ましいものとして、例えば、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、ブトキシ、ヘキソキシ、オクトキシ、メト
キシエトキシ基等の炭素数1〜8個のアルコキシル基、
フェノキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる
【0029】上記Xにおいて、炭素数1〜18個の炭化
水素基のうち、好ましいものとしては、メチル、エチル
、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ヘキ
シル等の炭素数1〜6個のアルキル基;フェニル、メチ
ルフェニル、エチルフェニル等の炭素数6〜8個のアリ
ール基;シクロペンチル、シクロヘキシル等の炭素原子
数5〜8個の脂環式炭化水素基が挙げられる。
【0030】上記一般式〔7〕で示されるシラン化合物
の代表例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリス(n−プロポキシ)
シラン、アリルトリメトキシシラン、β−アクリロイル
オキシエチルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピル(メチルジエトキシ)シラン、γ−メ
タクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、β−
メタクリロイルオキシプロピルトリス(n−ブトキシ)
シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリス(イ
ソプロポキシ)シラン等が挙げられる。
【0031】上記式〔7〕で示されるシラン化合物と部
分共縮合させることができるエーテル化されたシラノー
ル基を有する他のシラン化合物としては、2個以上のエ
ーテル化されたシラノール基を有するシラン化合物が使
用でき、例えばテトラエトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、イソブ
チルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン等のシラン化合物、及びこれらのシラン化合物の部分
共縮合物等が挙げられる。
【0032】上記式〔7〕で示されるシラン化合物の部
分縮合及び上記式〔7〕で示されるシラン化合物とエー
テル化されたシラノール基を有する他のシラン化合物と
の部分共縮合は、従来公知のエーテル化シラン化合物の
縮合方法に従って行なうことができ、一般に、酢酸等の
有機酸、塩酸等の無機酸等の酸、及び水の存在下に常温
乃至沸点以下の温度、好ましくは50〜90℃に加熱す
ることによって行うことができる。水の量は縮合させる
程度に応じて適宜増減させればよい。
【0033】上記重合性二重結合とエーテル化されたシ
ラノール基とを有するシラン化合物又は樹脂をo−アミ
ノフェノール類と付加させることによって前記式〔1〕
,〔2〕又は〔3〕のキレート形成基とエーテル化され
たシラノール基とを有するシラン化合物又は樹脂が得ら
れる。上記付加反応は、両者を、例えば酸触媒の存在下
に通常約20〜100℃で約1〜24時間反応させるこ
とによって行うことができる。この方法によって得られ
た樹脂は本発明の樹脂に包含される。
【0034】上記付加反応によって得られたシラン化合
物又は樹脂を部分縮合させるか又はエーテル化されたシ
ラノール基を有する他のシラン化合物と部分共縮合させ
ることによっても本発明樹脂が得られる。上記エーテル
化されたシラノール基を有する他のシラン化合物として
は、前記式〔7〕のシラン化合物と部分共縮合させるこ
とができる他のシラン化合物として示したものを用いる
ことができる。部分縮合及び部分共縮合は、前記、部分
(共)縮合方法と同様に行うことができる。
【0035】これら(d)の方法によって得られる本発
明樹脂は、エーテル化されたシラノール基を有しており
、この基が空気中の水分と反応し、加水分解してシラノ
ール基を形成し架橋反応していく、いわゆる湿気硬化型
となり得る。
【0036】また、上記(a),(b)又は(c)の方
法で得られた樹脂についても樹脂中にエーテル化された
シラノール基を導入することによって湿気硬化型とする
ことができる。樹脂中にエーテル化されたシラノール基
を導入するには、例えば樹脂中にアルコール性水酸基を
存在させておき、この水酸基にエーテル化されたシラノ
ール基を有するモノイソシアネート化合物を例えば錫系
触媒の存在下に両者を約20〜100℃で約1〜10時
間反応させるなどの方法が利用できる。上記エーテル化
されたシラノール基を有するモノイソシアネート化合物
の代表例としては、例えばγ−イソシアナトプロピルト
リメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエト
キシシラン等が挙げられる。
【0037】本発明樹脂は、上記(a)〜(d)の方法
、これらの変性方法以外の方法によって得られたもので
あってもよい。本発明樹脂は、被膜形成能を有している
ことが必要であり、数平均分子量が約500〜5000
00の範囲が好ましく、更に好ましくは約1000〜2
00000の範囲内にあることが適当である。また本発
明樹脂は分子中に上記したキレート形成基を少なくとも
2個有することが必要であり、樹脂1000g中に該キ
レート形成基を0.2〜3.5モル更には0.3〜3.
0モル有することが好ましい。
【0038】本発明樹脂では、基体樹脂としては、上記
した様に各種のものを用いることができるが、被膜形成
性などの点からアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、アルキド系樹脂、ケイ素含有樹脂が好
ましい。
【0039】本発明樹脂は、有機溶剤で希釈して用いて
もよいし、また樹脂中のアミノ基の量を、例えばアミン
価が30〜130となるように調節し、アミノ基を酸、
例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸などの有機酸や
、例えば塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸で中和し、カ
チオン化することによって水中に分散乃至は溶解させて
用いてもよい。また樹脂中にカルボキシル基などの酸基
を導入し、酸基の量を、例えば酸価が30〜130とな
るように調節し、酸基を有機アミン、アンモニア等の塩
基で中和し、アニオン化することによって水中に分散乃
至は溶解させて用いてもよい。
【0040】上記、樹脂をカチオン化する場合、樹脂中
へ導入するアミノ基はキレート形成基となるo−アミノ
フェノール類によるものであってもよいし、o−アミノ
フェノール類とこのもの以外のアミノ基含有化合物との
両者によるものであってもよい。上記、o−アミノフェ
ノール類以外のアミノ基含有化合物としては、脂肪族、
脂環族もしくは芳香−脂肪族系の第1級もしくは第2級
アミン(これらはエポキシ基と反応してアミノ基を形成
しうる)、第3級アミノアルコールとジイソシアネート
との反応によって得られる第3級アミノモノイソシアネ
ート(これは樹脂中の水酸基と反応して該樹脂にアミノ
基を導入しうる)および第2級もしくは第3級アミノ基
を有する重合性不飽和モノマー(例えば前記(c)の方
法において共重合により樹脂中にアミノ基を導入しうる
)等が挙げられる。
【0041】上記の第1級もしくは第2級アミンの例と
しては例えば次のものを挙げることができる:■  メ
チルアミン、エチルアミン、n−もしくはiso−プロ
ピルアミン、モノエタノールアミン、n−もしくはis
o−プロパノールアミンなどの第1級モノアミン;■ 
 ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−また
はジ−iso−プロパノールアミン、N−メチルエタノ
ールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級
モノアミン;■  エチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチル
アミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン、ジ
メチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルア
ミンなどの第1級もしくは第2級のポリアミン等が挙げ
られる。
【0042】これらの第1級もしくは第2級アミンは、
樹脂中にエポキシ基がある場合、このエポキシ基とその
まま反応させてもよいが、一般には上記のアミンのうち
第1級アミンやN−ヒドロキシアルキル第2級アミンを
使用する場合には、このものを予めケトン、アルデヒド
もしくはカルボン酸と例えば、100〜230℃程度で
加熱反応させてアルジミン、ケチミン、オキサゾリンも
しくはイミダゾリンに変性し、このものを使用すること
が好ましい。これらの第1級アミン、第2級アミン、変
性したアミンと樹脂中のエポキシ基との反応は、例えば
、約80〜約200℃の温度で約2〜約5時間加熱する
ことによって行なうことができる。また樹脂中に重合性
不飽和基がある場合には、第1級アミンを該重合性不飽
和基に付加させることによってもアミノ基を導入するこ
とができる。この付加反応は、両者を例えば酸触媒の存
在下に約20〜100℃で約1〜24時間反応させるこ
とによって行なうことができる。
【0043】また、アミノ基含有化合物として第3級ア
ミノモノイソシアネートを用いる場合、例えば、30〜
120℃程度の温度において樹脂中のアルコール性水酸
基と反応させ赤外吸収スペクトル測定によりイソシアネ
ート基の吸収が完全になくなるまで反応を行なえばよい
【0044】また、第2級もしくは第3級アミノ基を有
する重合性不飽和モノマーを用いてアミノ基を導入する
には、例えば前記(c)の方法において、式〔1〕,〔
2〕又は〔3〕で示されるキレート形成基と重合性二重
結合とを有する化合物と共重合させる、他の重合性不飽
和モノマーの一部又は全部として第2級もしくは第3級
アミノ基を有する重合性不飽和モノマーを使用すればよ
い。
【0045】上記、樹脂をアニオン化する場合、樹脂中
へ導入する酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸
基、リン酸基などが挙げられる。これらの酸基を樹脂中
に導入するには、例えば、樹脂中にエポキシ基を有せし
め、このエポキシ基に対して過剰当量の上記酸基を有す
る多塩基酸を反応させることによって行なうことができ
る。多塩基酸としては、例えば(無水)フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、(無水)マレイン酸、
フマル酸、(無水)トリメリット酸、ピロメリット酸な
どが挙げられる。
【0046】樹脂中に酸基を導入する他の方法としては
、例えば前記(c)の方法において、キレート形成基と
重合性二重結合とを有する化合物と共重合させる、他の
重合性不飽和モノマーの一部又は全部として上記酸基を
有する酸基含有不飽和単量体を使用する方法などが挙げ
られる。
【0047】また本発明樹脂は、該樹脂中に上記したキ
レート形成基以外に水酸基等の反応性基を存在させて、
この反応性基と反応する架橋剤と併用することができる
。例えば上記反応性基が水酸基である場合には、架橋剤
として、公知のポリイソシアネート化合物、ブロック化
したポリイソシアネート化合物や、アミノプラスト樹脂
、即ち尿素、メラミン、ベンゾグアナミン等の含窒素化
合物とホルムアルデヒドなどのアルデヒド類との縮合物
や、この縮合物の低級アルキルエーテル化物(アルキル
基の炭素数は1乃至4)等を使用して、常温で又は加熱
によって架橋させることができる。また樹脂中に水酸基
を存在させて、この水酸基の一部に、ジイソシアネート
化合物のうちの一方のイソシアネート基をブロック化し
た化合物を反応させて樹脂中にブロック化イソシアネー
ト基を導入することによって、自己架橋性を有する樹脂
とすることができる。
【0048】また、本発明樹脂中に重合性不飽和基を存
在させておき、この樹脂と重合性不飽和ビニル単量体と
を併用し、必要に応じて、光重合開始剤を配合すること
によって、電子線や紫外線などの活性光線の照射によっ
て硬化する組成物を得ることもできる。重合性不飽和ビ
ニル単量体としては、従来公知のビニル単量体が使用で
き、例えば、前記(c)の方法における、他の重合性不
飽和モノマーとして例示したものや、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレートなどの多官能性モノマーが挙げ
られる。樹脂中への重合性不飽和基の導入は、樹脂中に
エポキシ基を存在させておき、このものにカルボキシル
基含有重合性不飽和化合物を付加させる方法等が使用で
きる。
【0049】本発明樹脂は、有機溶剤系、水系(カチオ
ン系、アニオン系)のいずれにもすることができ、これ
らの系において、単独で、又は架橋剤、ビニルモノマー
等と併用し、さらに必要に応じて顔料、表面調整剤、酸
化剤等を配合することによって金属の表面処理剤や防食
用塗料等として使用できる。これらの表面処理剤や防食
用塗料等は基材上にスプレー塗装、ハケ塗り、ロール塗
装、浸漬塗装、カチオン電着塗装、アニオン電着塗装、
浸漬自動析出、シルクスクリーン印刷等の方法に従い乾
燥膜厚で通常0.1〜50μmとなるように塗布され、
ついで乾燥、硬化される。表面処理剤として用いる場合
、乾燥膜厚0.1〜5μm程度が好ましく、防食用塗料
として使用する場合、乾燥膜厚1〜50μm程度が好ま
しい。塗布される基材としては、鉄、亜鉛、銅、アルミ
ニウム等の金属、これらの金属表面にリン酸塩処理やク
ロメート処理などの表面処理を施したものなどが挙げら
れる。
【0050】
【発明の効果】本発明樹脂は、鉄、亜鉛、銅、アルミニ
ウム等の腐食によって+2価又は+3価の金属イオンを
発生する金属に対して優れた防食性を付与することがで
き、しかも無公害である。このため、本発明樹脂は、金
属の表面処理剤又は防食用塗料用として極めて有用であ
る。
【0051】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、以下、「部」および「%」は特に断らない
限り、重量基準によるものとする。 実施例1 フラスコ中に、1−アミノ−2−ナフトール159部、
N,N−ジメチルホルムアミド58部およびハイドロキ
ノン0.1部を配合し、撹拌下で70℃に加熱して溶解
させ70℃に保持した。この中にアクリル酸72部と付
加反応触媒である酢酸銅2.3部との混合物を2時間か
けて滴下し、滴下終了後、90℃に昇温し、90℃で3
時間反応させて付加物溶液を得た。次いで、このものに
、予め混合溶解させておいたエピコート1001(シェ
ル化学社製、エポキシ樹脂、エポキシ当量  約500
)500部とメチルイソブチルケトン114部との混合
物614部、臭化テトラエチルアンモニウム3.7部、
イソブチルアルコール272.3部およびメチルイソブ
チルケトン272.3部を配合した後、110℃に昇温
し、同温度で4時間反応させて、固形分50%のキレー
ト形成性樹脂溶液を得た。得られた樹脂の樹脂酸価は1
.0以下であった。
【0052】実施例2 フラスコ中に、イソプロピルアルコール20部および酢
酸ブチル25部を配合し、85℃に加熱し、同温度に保
持した。この中に下記のモノマー混合物を2時間かけて
滴下した。グリシジルメタクリレート50部、ヒドロキ
シエチルメタクリレート30部、スチレン20部および
アゾビスバレロニトリル2部の混合物。滴下終了後、8
5℃で更に2時間保持した後、ハイドロキノン0.1部
を加え脱溶剤を行ない20部の溶剤を留去し、固形分8
0%の樹脂溶液を得た。別のフラスコにn−ブチルアル
コール28.6部、臭化テトラエチルアンモニウム1部
およびアクリル酸25部を配合し、空気吹込み下にて1
10℃に加熱保持し、この中に上記で得た固形分80%
の樹脂溶液125部を2時間かけて滴下した。滴下終了
後、同温度にて3時間保持し、重合性不飽和基を有する
付加物溶液を得た。この付加物溶液を60℃に冷却し、
この中に2−アミノ−1−ナフトール55部、ジメチル
ホルムアミド22部、オクチル酸銅0.5部およびトリ
クロロ酢酸2部を配合し、60℃で8時間反応させた後
、メチルイソブチルケトン100.9部を加え固形分5
0%のキレート形成性樹脂溶液を得た。
【0053】実施例3 フラスコ中に、3−アミノ−2−ナフトール159部、
メチルイソブチルケトン60部、2−ヒドロキシエチル
アクリレート116部およびギ酸5部を配合し、90℃
に昇温し同温度で5時間反応させた。次いで昇温し、メ
チルイソブチルケトンの還流下にギ酸とメチルイソブチ
ルケトンとの混合物10部を留去して系外に除去した後
、冷却し、更にメチルイソブチルケトン7.5部を配合
して水酸基含有キレート化合物溶液を得た。別のフラス
コにメチルイソブチルケトン50部を配合し、85℃に
加熱、保持した。この中にメタクリル酸エチルイソシア
ネート50部、アクリル酸イソブチル30部、スチレン
20部および2,2′−アゾビスイソブチロニトリル2
部の混合物を窒素ガス流入下、2時間かけて滴下し、滴
下終了後、さらに2時間同温度に保持し、イソシアネー
ト基含有アクリル樹脂溶液を得た。次いでこの中に上記
で得た水酸基含有キレート化合物溶液108部を加え、
70℃で2時間反応させた後、エチレングリコールモノ
メチルエーテル212部を加えて固形分40%のキレー
ト形成性樹脂溶液を得た。
【0054】実施例4 フラスコ中に5−ニトロ−1−アミノ−2−ナフトール
204部、アクリル酸72部、メチルイソブチルケトン
97部およびハイドロキノン1.5部を配合し、90℃
で4時間反応を行なった。次いでこの中に空気吹込み下
でグリシジルメタクリレート142部、臭化テトラエチ
ルアンモニウム3.7部およびN−ニトロソジフェニル
アミン0.1部を配合し、110℃で3時間反応を行な
いキレート形成基含有重合性不飽和モノマー溶液を得た
。別のフラスコに酢酸ブチル182.8部およびメチル
イソブチルケトン230部を配合し、85℃に加熱、保
持した。この中に上記で得たキレート形成基含有重合性
不飽和モノマー溶液520.3部、ヒドロキシエチルメ
タクリレート130部、メチルアクリレート158.6
部、アクリロニトリル79.5部およびアゾビスバレロ
ニトリル9部の混合物を窒素ガス流入下、2時間かけて
滴下し、滴下終了後、更に2時間同温度に保持し、固形
分60%のキレート形成樹脂溶液を得た。
【0055】実施例5 フラスコ中に1−アミノ−2−ナフトール159部、ギ
酸46部、テトラヒドロピラン88.6部、ハイドロキ
ノン0.2部およびγ−メタクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン150部を配合し、80℃で4時間
反応させキレート形成基含有シラン溶液を得た。次いで
、このものにトルエン951.6部、メチルトリメトキ
シシラン680部および脱イオン水324部を加え、8
0℃で2時間加水分解縮合反応させた後、118℃で2
時間加熱しながら脱溶剤を行ない、1157.3部の溶
剤などを留去し、固形分50%のキレート形成性樹脂溶
液を得た。
【0056】実施例6 フラスコ中に、メチルイソブチルケトン67部およびイ
ソホロンジイソシアネート111部を配合し、反応温度
を30〜35℃に保ちながら、メチルエチルケトオキシ
ム46部とメチルイソブチルケトン25部との混合物を
徐々に滴下し、部分ブロックポリイソシアネート溶液を
得た。別のフラスコ中に、デナコールEX521(長瀬
化成(株)、ポリオールポリグリシジルエーテル、平均
分子量約1200、エポキシ当量約200)200部、
メチルイソブチルケトン118部、、アクリル酸76部
、テトラエチルアンモニウムブロマイド2.5部および
ハイドロキノン0.3部を配合し、110℃で3時間反
応を行なった。次いで、この中に上記で得た部分ブロッ
クポリイソシアネート溶液249部を配合し、70℃で
3時間反応を行ない樹脂中にブロックイソシアネート基
を導入した。このものに更に、1−アミノ−2−ナフト
ール133部、蓚酸37.5部、ジエタノールアミン1
7.5部およびイソプロパノール85部を配合し、70
℃で3時間反応を行ない、固形分50%のキレート形成
性樹脂溶液を得た。
【0057】実施例7 実施例1で得た固形分50%のキレート形成性樹脂溶液
4部にスミマールM55(メラミン樹脂、住友化学(株
)製)0.7部、メチルイソブチルケトン60部、エタ
ノール25部、水9.8部およびクエン酸0.5部を配
合し表面処理組成物Aを得た。 実施例8 実施例1で得た固形分50%のキレート形成性樹脂溶液
35部にスミマールM55  11部、メチルイソブチ
ルケトン24部、イソプロパノール28部および水2部
を配合し塗料組成物Bを得た。
【0058】実施例9 実施例2で得た固形分50%のキレート形成性樹脂溶液
4部にスミマールM550.7部、メチルイソブチルケ
トン60部、エタノール25部、水9.8部およびクエ
ン酸0.5部を配合し表面処理組成物Cを得た。 実施例10 実施例2で得た固形分50%のキレート形成性樹脂溶液
35部にスミマールM55  11部、メチルイソブチ
ルケトン24部、イソプロパノール28部および水2部
を配合し塗料組成物Dを得た。
【0059】実施例11 実施例3で得た固形分40%のキレート形成性樹脂溶液
12.5部にメチルイソブチルケトン57.5部、トル
エン20部、エタノール8部および1%蟻酸水溶液2部
を配合し表面処理組成物Eを得た。 実施例12 実施例3で得た固形分50%のキレート形成性樹脂溶液
50部にメチルイソブチルケトン20部、イソブタノー
ル20部、エタノール9部および0.5%クエン酸水溶
液1部を配合し塗料組成物Fを得た。
【0060】実施例13 実施例4で得た固形分60%のキレート形成性樹脂溶液
8.5部にイソホロンジイソシアネート1.2部、メチ
ルイソブチルケトン40部、トルエン10部および酢酸
ブチル40部を配合し表面処理組成物Gを得た。 実施例14 実施例4で得た固形分60%のキレート形成性樹脂溶液
34部にイソホロンジイソシアネート5部、メチルイソ
ブチルケトン30部、トルエン20部および酢酸ブチル
10部を配合し塗料組成物Hを得た。
【0061】実施例15 実施例5で得た固形分50%のキレート形成性樹脂溶液
10部にイソブチルアルコール70部、エタノール5部
およびトルエン15部を配合し表面処理組成物Iを得た
【0062】実施例16 フラスコ中にトルエン30部、メチルイソブチルケトン
40部および酢酸ブチル30部を配合し、100℃に加
熱保持した。この中にγ−メタクリロイルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン20部、メチルメタクリレート6
0部、イソブチルメタクリレート20部およびアゾビス
イソブチロニトリル2部の混合物を2時間かけて滴下し
た。滴下終了後、同温度に2時間保持した後、アゾビス
イソブチロニトリル1部を添加し、さらに1時間100
℃に保持して固形分50%の湿気硬化型アクリル樹脂溶
液を得た。得られた湿気硬化型アクリル樹脂溶液10部
にチタン白100部、エタノール30部、メチルイソブ
チルケトン20部およびトルエン15部を配合し、分散
して、固形分60%の白顔料ペーストを得た。上記で得
た白顔料ペースト105部、実施例5で得た固形分50
%のキレート形成性樹脂溶液100部、上記で得た湿気
硬化型アクリル樹脂溶液94部、エタノール50部、メ
チルイソブチルケトン100部およびトルエン51部を
均一に混合して塗料組成物Jを得た。
【0063】実施例17 濃度7%のギ酸水溶液79.5部と塩素酸ナトリウム0
.5部との混合物中に、撹拌下で実施例6で得た固形分
50%のキレート形成性樹脂溶液20部を徐々に添加し
、均一に混合して自動析出型表面処理組成物Kを得た。 実施例18 実施例6で得た固形分50%のキレート形成性樹脂溶液
40部を撹拌下で濃度0.2%のギ酸水溶液60部中に
徐々に添加し、均一に混合して塗料組成物Lを得た。
【0064】試験例1〜6 実施例7,9,11,13,15および17で得た表面
処理組成物A,C,E,G,IおよびKのそれぞれを表
1に示すように各種素材上に乾燥膜厚が0.5μmとな
るように塗布し、風乾させた。なお、表面処理組成物K
を使用する試験例6においては、素材を組成物K中に浸
漬し、自動析出させることにより表面処理膜を形成した
。試験例1〜5においては、バーコータによって各表面
処理組成物を塗布した。ついで得られた表面処理膜上に
上塗塗料を塗布、乾燥させて上塗塗膜を形成した。試験
例1,2,3および6においてはエポキシ・メラミン系
塗料(表1中では「EP/ME」と略記する。)を乾燥
膜厚が約40μmとなるように塗布し、140℃で30
分間焼付け硬化させた。また試験例4においては、ウレ
タン系白エナメル塗料(表1中では「ウレタン」と略記
する。)を乾燥膜厚が20μmとなるように塗布し、室
温で5日間乾燥させた。さらに試験例5においては、エ
ポキシ・ポリアミン系白エナメル塗料(表1中では「E
P/PA」と略記する。)を乾燥膜厚が50μmとなる
ように塗布し、室温で1日乾燥させた後、この上にポリ
オール・ポリイソシアネート系白エナメル塗料(表1中
では「PO/PI」と略記する。)を乾燥膜厚が25μ
mとなるよう塗布し、室温で4日間乾燥させた。
【0065】試験例7〜12 実施例8,10,12,14,16および18で得たキ
レート形成性塗料組成物B,D,F,H,JおよびLの
それぞれを表2に示す条件にて各種素材上に塗布、乾燥
させた。試験例7,8および10においては得られた塗
装板上に上塗塗料を塗布、乾燥させて上塗塗膜を形成し
た。試験例7および8においては、上塗塗料としてアク
リル・メラミン系白エナメル塗料(表1中では「アクリ
ル」と略記する。)を使用し、乾燥膜厚が20μmとな
るように塗装し、140℃で30分間焼付けた。また試
験例10においては、上塗塗料として試験例4で使用し
たウレタン系白エナメル塗料と同じ塗料を使用し、乾燥
膜厚が20μmとなるよう塗装し、室温で5日間乾燥さ
せた。なお、キレート形成性塗料組成物B,D,F,H
およびJの塗装はスプレー塗装にて行ない、キレート形
成性塗料組成物Lの塗装はカチオン電着塗装によって行
なった。
【0066】比較試験例1〜3 素材にキレート形成性表面処理を行なうかわりにリン酸
亜鉛処理板(例1)、クロム酸処理板(例2)又は無処
理板(例3)を使用し、この上に上塗塗料としてエポキ
シ・メラミン系塗料を乾燥膜厚が40μmとなるよう塗
装し、140℃で30分間焼付けた。 比較試験例4 各種素材に試験例7で使用したアクリル・メラミン系白
エナメル塗料を乾燥膜厚が20μmとなるように塗装し
、140℃で30分間焼付けた。 比較試験例5 各種素材に試験例5で使用したエポキシ・ポリアミン系
白エナメル塗料を乾燥膜厚が30μmとなるように塗布
し、室温で1日乾燥させた後、この上に試験例7で使用
したアクリル・メラミン系白エナメル塗料を乾燥膜厚が
20μmとなるように塗装し、140℃で30分間焼付
けた。
【0067】試験例1〜12および比較試験例1〜5で
得た塗板にクロスカットを入れ、これらの塗板について
耐塩水噴霧試験、耐糸錆び発生試験及び屋外バクロ試験
を行なった。試験結果を表1および表2に示す。 試験方法 耐塩水噴霧試験(SST):塗板にクロスカットを入れ
JIS  Z  2371に準じて試験を行なった。塩
水噴霧時間は1000時間とした。耐糸錆び発生試験(
FCT):12N塩酸を入れたビーカーの上部にクロス
カットを入れた塗板の塗面を下に向け塩酸蒸気が塗面に
当たるようにして密封して1時間蒸気にさらした後、5
0±2℃、98±2%RHの条件で湿潤試験を1000
時間行った。屋外バクロ試験(EPT):クロスカット
を入れた塗板についてJIS  K5400  9.9
−1990に準じて、南面30°の条件で千葉県千倉の
海岸べりで1年間試験を行った。
【0068】それぞれの試験後の塗板についてクロスカ
ット部の片側のハクリ幅、発錆巾の最大長さを求め、こ
れを表1および表2に示す。後記表1および表2から明
らかなように、本発明樹脂、及び本発明樹脂と架橋剤等
とを組合せた組成物は、様々な素材に対して、従来の表
面処理組成物や塗料に比較して良好な耐腐食能を付与す
ることができる。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  下記式〔1〕,〔2〕又は〔3〕で表
    わされるキレート形成基を分子中に少なくとも2個有す
    る被膜形成が可能なキレート形成性樹脂。 【化1】 (各式中、R1 は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ
    基、ニトロソ基、シアノ基、炭素数18以下の炭化水素
    基又は炭素数12以下のアルコキシアルキル基を表わす
    。)
  2. 【請求項2】  キレート形成性樹脂の基体部分がアク
    リル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ア
    ルキド系樹脂又はケイ素含有樹脂である請求項1記載の
    キレート形成性樹脂。
  3. 【請求項3】  下記式〔4〕,〔5〕又は〔6〕で表
    わされる化合物のアミノ基と、重合性二重結合を有する
    樹脂または化合物中の重合性二重結合との反応によって
    付加反応させることを特徴とする請求項1記載のキレー
    ト形成性樹脂の製造方法。 【化2】 (各式中、R1 は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ
    基、ニトロソ基、シアノ基、炭素数18以下の炭化水素
    基又は炭素数12以下のアルコキシアルキル基を表わす
    。)
  4. 【請求項4】  アミン価を30〜130としてなる請
    求項1記載のキレート形成性樹脂を酸で中和し、水溶化
    ないしは水分散化してなるキレート形成性樹脂の水性液
  5. 【請求項5】  キレート形成性樹脂中のアミノ基の一
    部が、エポキシ基と、脂肪族、脂環族もしくは芳香−脂
    肪族系の第1級もしくは第2級アミン又はこれらのアミ
    ンのアルジミン、ケチミン、オキサゾリンもしくはイミ
    ダゾリン変性物とを反応させることによって導入された
    ものである請求項4記載の水性液。
  6. 【請求項6】  請求項1記載のキレート形成性樹脂に
    架橋剤を配合してなるキレート形成性樹脂組成物。
JP4247591A 1991-02-05 1991-02-13 被膜形成が可能なキレート形成性樹脂 Pending JPH04258603A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4247591A JPH04258603A (ja) 1991-02-13 1991-02-13 被膜形成が可能なキレート形成性樹脂
PCT/JP1992/000113 WO1992013902A1 (en) 1991-02-05 1992-02-05 Film-forming chelating resin, production thereof, use thereof, and formation of electrodeposition coating
DE19924290288 DE4290288T1 (ja) 1991-02-05 1992-02-05
US07/930,524 US5342901A (en) 1991-02-05 1992-02-05 Film-formable, chelate-forming resin, process for preparation thereof, use thereof and method for forming electrophoretic coating
DE4290288A DE4290288C2 (de) 1991-02-05 1992-02-05 Zu einem Film formbares, chelatbildendes Harz, Verfahren zur Herstellung desselben, Verwendung desselben und Verfahren zur Bildung eines elektrophoretischen Überzugs

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4247591A JPH04258603A (ja) 1991-02-13 1991-02-13 被膜形成が可能なキレート形成性樹脂

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04258603A true JPH04258603A (ja) 1992-09-14

Family

ID=12637087

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4247591A Pending JPH04258603A (ja) 1991-02-05 1991-02-13 被膜形成が可能なキレート形成性樹脂

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04258603A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012516918A (ja) * 2009-02-05 2012-07-26 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 耐腐食性塗膜の被覆剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012516918A (ja) * 2009-02-05 2012-07-26 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 耐腐食性塗膜の被覆剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5570502B2 (ja) 金属ストリップのコーティング方法
US5342901A (en) Film-formable, chelate-forming resin, process for preparation thereof, use thereof and method for forming electrophoretic coating
JP2005247906A (ja) 鋼材用水性被覆剤、被覆方法及び被覆鋼材
JP4629987B2 (ja) シーリング剤、リン酸塩処理鋼板の被覆方法及びリン酸塩処理鋼板
JP2000204285A (ja) 水性シ―ラ―及び窯業系基材のインライン塗装方法
JP5099732B2 (ja) 水系金属表面処理剤
US5196487A (en) Corrosion preventive resin and photopolymerizable composition incorporating same
JP2981567B2 (ja) 腐食防止性樹脂
JPS6244578B2 (ja)
US4435529A (en) Tannin-epoxy reaction products and compositions thereof
JP2000281946A (ja) 亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板被覆用組成物及び有機被覆鋼板
JPH04258603A (ja) 被膜形成が可能なキレート形成性樹脂
JPH05271330A (ja) 被膜形成可能なキレート形成性樹脂
JP3482678B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JPH04234468A (ja) バインダー組成物、その製造方法、それを含むコーティング剤及びその使用
JPH0522743B2 (ja)
JPH0632824A (ja) 被膜形成可能なキレート形成性樹脂
JPS61182940A (ja) 防食金属製品の製造方法
JP2975195B2 (ja) 電着塗膜形成方法
JP3383596B2 (ja) 耐食性に優れた有機被覆鋼板
WO1992013902A1 (en) Film-forming chelating resin, production thereof, use thereof, and formation of electrodeposition coating
JPH07292027A (ja) 被膜形成可能なキレート形成性樹脂
JP2003313426A (ja) 有機無機複合樹脂の水系分散体
JP4420563B2 (ja) 無機系多孔質基材用水性シーラー及びインライン塗装法
JPH0121191B2 (ja)