JPH05271330A - 被膜形成可能なキレート形成性樹脂 - Google Patents

被膜形成可能なキレート形成性樹脂

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JPH05271330A
JPH05271330A JP3102182A JP10218291A JPH05271330A JP H05271330 A JPH05271330 A JP H05271330A JP 3102182 A JP3102182 A JP 3102182A JP 10218291 A JP10218291 A JP 10218291A JP H05271330 A JPH05271330 A JP H05271330A
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resin
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JP3102182A
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English (en)
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Hideo Kogure
英雄 木暮
Heihachi Murase
平八 村瀬
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】下記式[1]で表わされるキレート形成基を分
子中に少なくとも2個有する被膜形成可能なキレート形
成性樹脂。 【化1】 (式中、RおよびRは同一又は異なって、水素原
子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、
炭素数18以下の炭化水素基又は炭素数12以下のアル
コキシアルキル基を表わす。) 【効果】本発明樹脂は、鉄、亜鉛、銅、アルミニウム等
の腐食によって+2価又は+3価の金属イオンを発生す
る金属に対して優れた防食性を付与することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属表面に強固な金属
キレート錯体を形成して、金属の腐食を防止できる樹脂
およびその製造方法、ならびにその利用に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、金属の腐食を防止す
るために、(1)リン酸塩やクロム酸塩等の無機質被膜
を金属素材表面に形成する金属表面処理、(2)エポキ
シ樹脂やフェノール樹脂等の有機質被膜を金属表面に形
成する塗膜防食の技術、等が利用されてきた。
【0003】しかしながら、金属表面処理の場合、重金
属廃液による環境汚染公害の発生、酸・アルカリ・シア
ン等の劇毒物の使用、複雑な工程を要する、といった欠
点がある。
【0004】また、塗膜防食の場合、金属との結合力が
腐食反応を完全に抑える程強固ではないといった問題が
ある。
【0005】従って、現在、無公害で実用性があり、優
れた防食性を示す防食技術が確立されておらず、その開
発が待たれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の現状
に鑑み、リン酸塩やクロム酸塩等の無機質表面処理剤に
代えて無公害の表面処理剤として使用でき、かつエポキ
シ樹脂やフェノール樹脂等より優れた防食性を示す新規
で無公害な樹脂を得るために界面化学・熱力学・電気化
学・錯体化学等を総合的に応用して研究を行なってき
た。
【0007】その結果、キレート錯体を形成し得る高分
子化合物がエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の樹脂より
遥かに強固に金属と結合することに着目し、キレート錯
体を形成し得る高分子化合物について検討を進めた。そ
の結果、被膜形成可能な樹脂に、フェノール性水酸基に
対して窒素原子がオルト位に結合した特定のキレート形
成基を1分子中に2個以上持たせることによって、キレ
ート形成による金属との結合エネルギーが腐食反応エネ
ルギーを上回ること、また金属イオンの電荷を中和でき
ること、また、キレート形成によって3次元架橋がなさ
れること等から、この樹脂による被膜が優れた防食性を
示すこと等を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、下記式[1]で表わされ
るキレート形成基を分子中に少なくとも2個有する被膜
形成可能なキレート形成性樹脂を提供するものである。
【0009】
【化3】 (式中、RおよびRは同一又は異なって、水素原
子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、
炭素数18以下の炭化水素基又は炭素数12以下のアル
コキシアルキル基を表わす。)また、本発明は、下記式
[2]で表わされる化合物のアミノ基と、重合性二重結
合を有する樹脂または化合物中の重合性二重結合との反
応によって付加反応させることを特徴とする上記キレー
ト形成性樹脂の製造方法を提供するものである。
【0010】
【化4】 (式中、RおよびRは上記と同じ意味を有する。) さらに本発明は、上記キレート形成性樹脂の水性液、お
よび該樹脂に架橋剤を配合してなるキレート形成性樹脂
組成物などを提供するものである。
【0011】本発明キレート形成性樹脂において、上記
式[1]で表わされるキレート形成基のRおよびR
における炭化水素基は、炭素数18以下であり、好まし
くは炭素数5以下であって、アルキル基、シクロアルキ
ル基、アラルキル基、アリール基などが包含される。ま
た、RおよびRにおけるアルコキシアルキル基は、
炭素数12以下であり、好ましくは炭素数5以下であ
る。
【0012】上記式[1]で表わされるキレート形成基
のRおよびRにおける、アルキル基、アルコキシア
ルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール
基の具体例を以下に示す。
【0013】アルキル基としては、直鎖でも枝分れ鎖で
もよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、
n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ドデシル
基およびn−オクタデシル基など;アルコキシアルキル
基としては、例えば、2−メトキシエチル基および3−
メトキシプロピル基など;シクロアルキル基としては、
例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基および3
−メチルシクロヘキシル基など;アラルキル基として
は、例えば、ベンジル基、4−メチルベンジル基、4−
イソプロピルベンジル基、フェネチル基など;アリール
基としては、例えば、フェニル基、ジフェニル基、ナフ
チル基、4−メチルフェニル基などが挙げられる。
【0014】上記[1]式で示されるキレート形成基の
代表例としては、
【0015】
【化5】 などが挙げられる。
【0016】本発明樹脂において、上記キレート形成基
は+2価又は+3価の金属イオンと非イオン性分子内錯
塩型の安定な5員環のキレート錯体を形成する部分であ
る。
【0017】上記キレート形成基を
【0018】
【化6】 と略記して、形成されるキレート錯体をモデル的に示す
と下記の通りである。
【0019】
【化7】 上記のように+3価の金属イオンに対しては3組のキレ
ート形成基が結合し、また+2価の金属イオンに対して
は2組のキレート形成基が結合して、金属イオンの電荷
がフェノキシドイオンによって中和された5員環のキレ
ート錯体を形成する。形成されたキレート錯体は電荷が
中和されており、非イオン性であるため金属の腐食に対
して腐食電流が流れにくくなり、また5員環を形成して
いるため構造的に安定である。
【0020】本発明樹脂は、上記キレート形成基を1分
子中に少なくとも2個、好ましくは3〜700個有する
ことが必要であり、キレート形成基を1分子中に複数個
有することによってキレート形成した際に樹脂被膜の3
次元化が進行し、強固なキレート結合が形成されるとと
もに樹脂被膜の架橋密度が増大するため優れた防食性を
示す。
【0021】樹脂中にキレート形成基を導入して本発明
の樹脂を得る方法としては、例えば下記の(a)〜
(d)の方法等を挙げることができる。 (a)基体部分を形成する樹脂の末端又は側鎖に重合性
二重結合を有せしめ、この二重結合に前記式[2]で表
わされる化合物を付加反応させる方法。 (b)水酸基等の官能基及び重合性二重結合を有する化
合物と前記式[2]で表わされる化合物との付加反応生
成物と、該反応生成物中の水酸基等の官能基と反応性を
有するイソシアネート基等の官能基を有するポリマーと
を反応させる方法。 (c)前記式[1]のキレート形成基と重合性二重結合
とを有する化合物を該化合物と共重合可能な他の重合性
不飽和モノマーと共重合させる方法。 (d)前記式[2]で示される化合物と、エーテル化さ
れたシラノール基及び重合性二重結合を有するシラン化
合物又は樹脂とを付加させる方法。またこの方法によっ
て得られる前記式[1]の構造部分とエーテル化された
シラノール基とを有する化合物又は樹脂を部分縮合させ
るか、又はエーテル化されたシラノール基を有する他の
シラン化合物と部分共縮合させる方法。
【0022】(a)の方法において、末端又は側鎖に重
合性二重結合を有する樹脂としては、特に限定されるも
のではなく公知の方法によって得られる多種の樹脂が使
用できる。例えばグリシジル(メタ)アクリレート、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリ
レート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有
重合性不飽和モノマーと他の重合性モノマーとの共重合
体や、ビスフェノール型等各種エポキシ樹脂等の末端又
は側鎖にエポキシ基を有する樹脂に(メタ)アクリル酸
等のカルボキシル基含有重合性不飽和化合物を付加させ
てエポキシ基を開環し、樹脂中に重合性不飽和基を導入
することによって得られる。この付加反応は、両者を例
えば第4級アンモニウム塩などの反応触媒やハイドロキ
ノンなどの重合禁止剤の存在下に例えば約50〜115
℃で30分〜8時間程度加熱することによって行なうこ
とができる。
【0023】また、水酸基を有するアクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂中
の水酸基にイソシアナトエチル(メタ)アクリレート、
m−イソプロペニルフェニルイソシアネート、m−イソ
プロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート
等の重合性不飽和基含有イソシアネート化合物を付加さ
せて重合性不飽和基を導入することによっても得られ
る。この付加反応は例えば両者をジブチル錫オクチレー
ト等の錫系触媒の存在下で20〜100℃で約1〜10
時間反応させることによって行なうことができる。
【0024】上記のようにして得られる末端又は側鎖に
重合性二重結合を有する樹脂は、前記式[2]で示され
る化合物との反応によって、樹脂中に前記式[1]で示
されるキレート形成基が導入される。前記式[2]で示
される化合物の代表例としては、o−アミノフェノー
ル、4−クロロ−2−アミノフェノール、4−ブロモ−
2−アミノフェノール、5−ニトロ−2−アミノフェノ
ール、4−メチル−2−アミノフェノール、5−メチル
−2−アミノフェノール、4−エチル−2−アミノフェ
ノール等が挙げられ、これらのうち、特にo−アミノフ
ェノールが好ましい。これらの化合物は単独で、もしく
は2種以上混合して使用できる。
【0025】樹脂中の重合性二重結合への式[2]で示
される化合物の付加反応は、両者を例えば酸触媒の存在
下に通常約20〜100℃で約1〜24時間反応させる
ことによって行なうことができる。
【0026】前記(b)の方法は、(a)の方法におけ
る反応順序を変えたものであって、前記式[1]で示さ
れるキレート形成基と水酸基等の官能基とを有する反応
生成物を先ず作製し、このものの官能基をポリマー中の
官能基と反応させて高分子量化する方法である。
【0027】前記(c)の方法において、前記式[1]
のキレート形成基と重合性二重結合とを有する化合物
は、例えば、前記式[2]で示される化合物と2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽
和モノマーとの付加生成物中の水酸基を、イソシアナト
エチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニルフェ
ニルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−ジ
メチルベンジルイソシアネート等の重合性二重結合含有
モノイソシアネート化合物に付加させる方法によって得
ることができる。式[2]で示される化合物と水酸基含
有不飽和モノマーとの反応は、例えば酸触媒の存在下に
両者を等モルにて約20〜100℃で約1〜24時間反
応させることによって行なうことができる。これによっ
て得られる付加生成物は水酸基を有し、このものと重合
性二重結合含有モノイソシアネート化合物との付加反応
は、例えば錫系触媒の存在下に両者を等モルにて約20
〜100℃で約1〜10時間反応させることによって行
なうことができる。
【0028】前記式[1]のキレート形成基と重合性二
重結合とを有する化合物は、上記以外の方法によって得
たものであってもよい。
【0029】(c)の方法において、前記式[1]のキ
レート形成基と重合性二重結合とを有する化合物と共重
合させるために用いる他の重合性不飽和モノマーとして
は、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリ
ル酸のC〜C18アルキルエステル;2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレートの如き(メタ)アクリル酸のC〜C
ヒドロキシアルキルエステル及びアリルアルコール等
の水酸基含有不飽和単量体;スチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル
(メタ)アクリレートなどの第2級もしくは第3級アミ
ノ基を有する重合性不飽和モノマー;アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマ
ル酸などの酸基含有不飽和単量体;酢酸ビニル、(メ
タ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、N−
メチロール(メタ)アクリルアミドブチルエーテル等の
モノマーを挙げることができ、これらはそれぞれ単独で
又は2種以上併用することができる。
【0030】上記重合性二重結合含有付加物と上記他の
重合性不飽和モノマーとの共重合は、公知の共重合方法
によって行なうことができ、例えば上記の成分を重合触
媒及び好ましくは有機溶剤の存在下で加熱反応させるこ
とによって行なうことができる。
【0031】前記(d)の方法において、重合性二重結
合とエーテル化されたシラノール基とを有するシラン化
合物又は樹脂の望ましいものとして、下記一般式[3]
で示されるシラン化合物、これらのシラン化合物の一種
又は二種以上を部分縮合した樹脂、及びこれらのシラン
化合物とエーテル化されたシラノール基を有する他のシ
ランとの部分共縮合物が挙げられる。
【0032】
【化8】 〔式中、Aは不飽和炭化水素基又は不飽和カルボニルオ
キシアルキル基を示し、Xは水素原子、炭素数1〜18
個の炭化水素基、炭素数1〜18個のアルコキシル基、
炭素数6〜8個のアリールオキシ基又は炭素数5〜8個
の脂環式炭化水素オキシ基を示す。Y及びZはそれぞれ
同一又は異なって炭素数1〜18個のアルコキシル基、
炭素数6〜8個のアリールオキシ基又は炭素数5〜8個
の脂環式炭化水素オキシ基を示し、Xと同一であっても
よい。〕 上記Aの好ましい例としては、ビニル基、アリル基、メ
タクリロイルオキシエチル基、アクリロイルオキシエチ
ル基、メタクリロイルオキシプロピル基、アクリロイル
オキシプロピル基等が挙げられる。
【0033】上記X、Y及びZにおいて、炭素数1〜1
8個のアルコキシル基、炭素数6〜8個のアリールオキ
シ基、炭素数5〜8個の脂環式炭化水素オキシ基のう
ち、好ましいものとして、例えば、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキソキシ、オクトキシ、
メトキシエトキシ基等の炭素数1〜8個のアルコキシル
基、フェノキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げら
れる。
【0034】上記Xにおいて、炭素数1〜18個の炭化
水素基のうち、好ましいものとしては、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ヘ
キシル等の炭素数1〜6個のアルキル基;フェニル、メ
チルフェニル、エチルフェニル等の炭素数6〜8個のア
リール基;シクロペンチル、シクロヘキシル基の炭素原
子数5〜8個の脂環式炭化水素基が挙げられる。
【0035】上記一般式[3]で示されるシラン化合物
の代表例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリス(n−プロポキシ)
シラン、アリルトリメトキシシラン、β−アクリロイル
オキシエチルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピル(メチルジエトキシ)シラン、γ−メ
タクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、β−
メタクリロイルオキシプロピルトリス(n−ブトキシ)
シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリス(イ
ソプロポキシ)シラン等が挙げられる。
【0036】上記式[3]で示されるシラン化合物と部
分共縮合させることができるエーテル化されたシラノー
ル基を有する他のシラン化合物としては、2個以上のエ
ーテル化されたシラノール基を有するシラン化合物が使
用でき、例えばテトラエトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、イソブ
チルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン等のシラン化合物、及びこれらのシラン化合物の部分
共縮合物等が挙げられる。
【0037】上記式[3]で示されるシラン化合物の部
分縮合及び上記式[3]で示されるシラン化合物とエー
テル化されたシラノール基を有する他のシラン化合物と
の部分共縮合は、従来公知のエーテル化シラン化合物の
縮合方法に従って行なうことができ、一般に、酢酸等の
有機酸、塩酸等の無機酸等の酸、及び水の存在下に常温
乃至沸点以下の温度、好ましくは50〜90℃に加熱す
ることによって行うことができる。水の量は縮合させる
程度に応じて適宜増減させればよい。
【0038】上記重合性二重結合とエーテル化されたシ
ラノール基とを有するシラン化合物又は樹脂を前記式
[2]で示される化合物と付加させることによって前記
式[1]のキレート形成基とエーテル化されたシラノー
ル基とを有するシラン化合物又は樹脂が得られる。上記
付加反応は、両者を、例えば酸触媒の存在下に通常約2
0〜100℃で約1〜24時間反応させることによって
行うことができる。この方法によって得られた樹脂は本
発明の樹脂に包含される。
【0039】上記付加反応によって得られたシラン化合
物又は樹脂を部分縮合させるか又はエーテル化されたシ
ラノール基を有する他のシラン化合物と部分共縮合させ
ることによっても本発明樹脂が得られる。
【0040】上記エーテル化されたシラノール基を有す
る他のシラン化合物としては、前記式[3]のシラン化
合物と部分共縮合させることができる他のシラン化合物
として示したものを用いることができる。部分縮合及び
部分共縮合は、前記、部分(共)縮合方法と同様に行う
ことができる。
【0041】これら(d)の方法によって得られる本発
明樹脂は、エーテル化されたシラノール基を有してお
り、この基が空気中の水分と反応し、加水分解してシラ
ノール基を形成し架橋反応していく、いわゆる湿気硬化
型となり得る。
【0042】また、上記(a)、(b)又は(c)の方
法で得られた樹脂についても樹脂中にエーテル化された
シラノール基を導入することによって湿気硬化型とする
ことができる。樹詣中にエーテル化されたシラノール基
を導入するには、例えば樹脂中にアルコール性水酸基を
存在させておき、この水酸基にエーテル化されたシラノ
ール基を有するモノイソシアネート化合物を例えば錫系
触媒の存在下に両者を約20〜100℃で約1〜10時
間反応させるなどの方法が利用できる。上記エーテル化
されたシラノール基を有するモノイソシアネート化合物
の代表例としては、例えばγ−イソシアナトプロピルト
リメトキシシラン、γーイソシアナトプロピルトリエト
キシシラン等が挙げられる。
【0043】本発明樹脂は、上記(a)〜(d)の方
法、これらの変性方法以外の方法によって得られたもの
であってもよい。
【0044】本発明樹脂は、被膜形成能を有しているこ
とが必要であり、数平均分子量が約500〜50000
0の範囲が好ましく更に好ましくは約1000〜200
000の範囲内にあることが適当である。また本発明樹
脂は分子中に上記したキレート形成基を少なくとも2個
有することが必要であり、樹脂1000g中に該キレー
ト形成基を0.2〜3.5モル更には0.3〜3.0モ
ル有することが好ましい。
【0045】本発明樹脂では、基体樹脂としては、上記
した様に各種のものを用いることができるが、被膜形成
性などの点からアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、アルキド系樹脂、ケイ素含有樹脂が好
ましい。
【0046】本発明樹脂は、有機溶剤で希釈して用いて
もよいし、また樹脂中のアミノ基の量を、例えばアミン
価が30〜130となるように調節し、アミノ基を酸、
例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸などの有機酸
や、例えば塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸で中和し、
カオチン化することによって水中に分散乃至は溶解させ
て用いてもよい。また樹脂中にカルボキシル基などの酸
基を導入し、酸基の量を、例えば酸価が30〜130と
なるように調節し、酸基を有機アミン、アンモニア等の
塩基で中和し、アニオン化することによって水中に分散
乃至は溶解させて用いてもよい。
【0047】上記、樹脂をカオチン化する場合、樹脂中
へ導入するアミノ基はキレート形成基となる式[2]で
示される化合物によるものであってもよいし、式[2]
の化合物とこの化合物以外のアミノ基含有化合物との両
者によるものであってもよい。
【0048】式[2]で示される化合物以外のアミノ基
含有化合物としては、脂肪族、脂環族もしくは芳香−脂
肪族系の第1級もしくは第2級アミン(これらはエポキ
シ基と反応してアミノ基を形成しうる)、第3級アミノ
アルコールとジイソシアネートとの反応によって得られ
る第3級アミノモノイソシアネート(これは樹脂中の水
酸基と反応して該樹脂にアミノ基を導入しうる)および
第2級もしくは第3級アミノ基を有する重合性不飽和モ
ノマー(例えば前記(c)の方法において共重合により
樹脂中にアミノ基を導入しうる)等が挙げられる。
【0049】上記の第1級もしくは第2級アミンの例と
しては例えば次のものを挙げることができる: (イ)メチルアミン、エチルアミン、n−もしくはis
o−プロピルアミン、モノエタノールアミン、n−もし
くはiso−プロパノールアミンなどの第1級モノアミ
ン; (ロ)ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−
または−iso−プロパノールアミン、N−メチルエタ
ノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2
級モノアミン; (ハ)エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒド
ロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチル
アミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノ
エチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミンなどの第
1級もしくは第2級のポリアミン等が挙げられる。
【0050】これらの第1級もしくは第2級アミンは、
樹脂中にエポキシ基がある場合、このエポキシ基とその
まま反応させてもよいが、一般には上記のアミンのうち
第1級アミンやN−ヒドロキシアルキル第2級アミンを
使用する場合には、このものを予めケトン、アルデヒド
もしくはカルボン酸と例えば、100〜230℃程度で
加熱反応させてアルジミン、ケチミン、オキサゾリンも
しくはイミダゾリンに変性し、このものを使用すること
が好ましい。これらの第1級アミン、第2級アミン、変
性したアミンと樹脂中のエポキシ基との反応は、例え
ば、約80〜約200℃の温度で、約2〜約5時間加熱
することによって行なうことができる。
【0051】また樹脂中に重合性不飽和基がある場合に
は、第1級アミンを該重合性不飽和基に付加させること
によってもアミノ基を導入することができる。この付加
反応は、両者を例えば酸触媒の存在下に約20〜100
℃で約1〜24時間反応させることによって行なうこと
ができる。
【0052】また、アミノ基含有化合物として第3級ア
ミノモノイソシアネートを用いる場合、例えば、30〜
120℃程度の温度において樹脂中のアルコール性水酸
基と反応させ赤外吸収スペクトル測定によりイソシアネ
ート基の吸収が完全になくなるまで反応を行なえばよ
い。
【0053】また、第2級もしくは第3級アミノ基を有
する重合性不飽和モノマーを用いてアミノ基を導入する
には、例えば前記(c)の方法において、式[1]で示
されるキレート形成基と重合性二重結合とを有する化合
物と共重合させる、他の重合性不飽和モノマーの一部又
は全部として第2級もしくは第3級アミノ基を有する重
合性不飽和モノマーを使用すればよい。
【0054】上記、樹脂をアニオン化する場合、樹脂中
へ導入する酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸
基、リン酸基などが挙げられる。
【0055】これらの酸基を樹脂中に導入するには、例
えば、樹脂中にエポキシ基を有せしめ、このエポキシ基
に対して過剰モル量の上記酸基を有する多塩基酸を反応
させることによって行なうことができる。多塩基酸とし
ては、例えば(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、ヘキサヒドロフタル酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無
水)トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられ
る。
【0056】樹脂中に酸基を導入する他の方法として
は、例えば前記(c)の方法において、キレート形成基
と重合性二重結合とを有する化合物と共重合させる、他
の重合性不飽和モノマーの一部又は全部として上記酸基
を有する酸基含有不飽和単量体を使用する方法などが挙
げられる。
【0057】また本発明樹脂は、該樹脂中に上記したキ
レート形成基以外に水酸基等の反応性基を存在させて、
この反応性基と反応する架橋剤と併用することができ
る。例えば上記反応性基が水酸基である場合には、架橋
剤として、公知のポリイソシアネート化合物、ブロック
化したポリイソシアネート化合物や、アミノプラスト樹
脂、即ち尿素、メラミン、ベンゾグアナミン等の含窒素
化合物とホルムアルデヒドなどのアルデヒド類との縮合
物や、この縮合物の低級アルキルエーテル化物(アルキ
ル基の炭素数は1乃至4)等を使用して、常温で又は加
熱によって架橋させることができる。また樹脂中に水酸
基を存在させて、この水酸基の一部に、ジイソシアネー
ト化合物のうちの一方のイソシアネート基をブロック化
した化合物を反応させて樹脂中にブロック化イソシアネ
ート基を導入することによって、自己架橋性を有する樹
脂とすることができる。
【0058】また、本発明樹脂中に重合性不飽和基を存
在させておき、この樹脂と重合性不飽和ビニル単量体と
を併用し、必要に応じて、光重合開始剤を配合すること
によって、電子線や紫外線などの活性光線の照射によっ
て硬化する組成物を得ることもできる。重合性不飽和ビ
ニル単量体としては、従来公知のビニル単量体が使用で
き、例えば、前記(c)の方法における、他の重合性不
飽和モノマーとして例示したものや、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレートなどの多官能性モノマーが挙げ
られる。樹脂中への重合性不飽和基の導入は、樹脂中に
エポキシ基を存在させておき、このものにカルボキシル
基含有重合性不飽和化合物を付加させる方法等が使用で
きる。
【0059】本発明樹脂は有機溶剤系、水系(カオチン
系、アニオン系)のいずれにもすることができ、これら
の系において、単独で、又は架橋剤、ビニルモノマー等
と併用し、さらに必要に応じて顔料、表面調整剤、酸化
剤等を配合することによって金属の表面処理剤や防食用
塗料等として使用できる。これらの表面処理剤や防食用
塗料等は基材上にスプレー塗装、ハケ塗り、ロール塗
装、浸漬塗装、カオチン電着塗装、アニオン電着塗装、
浸漬自動析出、シルクスクリーン印刷等の方法に従い乾
燥膜厚で通常0.1〜50μmとなるように塗布され、
ついで乾燥、硬化される。表面処理剤として用いる場
合、乾燥膜厚0.1〜5μm程度が好ましく、防食用塗
料として使用する場合、乾燥膜厚1〜50μm程度が好
ましい。塗布される基材としては、鉄、亜鉛、銅、アル
ミニウム等の金属、これらの金属表面にリン酸塩処理や
クロメート処理などの表面処理を施したものなどが挙げ
られる。
【0060】
【発明の効果】本発明樹脂は、鉄、亜鉛、銅、アルミニ
ウム等の腐食によって+2価又は+3価の金属イオンを
発生する金属に対して優れた防食性を付与することがで
き、しかも無公害である。このため、本発明樹脂は、金
属の表面処理剤又は防食用塗料用として極めて有用であ
る。
【0061】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、以下、「部」および「%」は特に断らない
限り、重量基準によるものとする。
【0062】
【実施例1】フラスコ中に、o−アミノフェノール10
9部、N,N−ジメチルホルムアミド58部およびハイ
ドロキノン0.1部を配合し、撹拌下で70℃に加熱し
て溶解させ70℃に保持した。この中にアクリル酸72
部と付加反応触媒である酢酸銅2.3部との混合物を2
時間かけて滴下し、滴下終了後、90℃に昇温し、90
℃で3時間反応させて付加物溶液を得た。
【0063】次いで、このものに、予め混合溶解させて
おいたエピコート828(シェル化学社製、エポキシ樹
脂、エポキシ当量約190)190部とメチルイソブチ
ルケトン30部との混合物220部、臭化テトラエチル
アンモニウム1.0部、イソブチルアルコール150部
およびメチルイソブチルケトン129.4部を配合した
後、110℃に昇温し、同温度で4時間反応させて、固
形分50%のキレート形成性樹脂溶液を得た。得られた
樹脂の樹脂酸価は1.0以下であった。
【0064】
【実施例2】フラスコ中に、イソプロピルアルコール2
0部および酢酸ブチル25部を配合し、85℃に加熱
し、同温度に保持した。この中に下記のモノマー混合物
を2時間かけて滴下した。
【0065】グリシジルメタクリレート50部、ヒドロ
キシエチルメタクリレート30部、スチレン20部およ
びアゾビスバレロニトリル2部の混合物。
【0066】滴下終了後、85℃で更に2時間保持した
後、ハイドロキノン0.1部を加え脱溶剤を行ない20
部の溶剤を留去し、固形分80%の樹脂溶液を得た。
【0067】別のフラスコにn−ブチルアルコール2
8.6部、臭化テトラエチルアンモニウム1部およびア
クリル酸25部を配合し、空気吹込み下にて110℃に
加熱保持し、この中に上記で得た固形分80%の樹脂溶
液125部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、同温
度にて3時間保持し、重合性不飽和基を有する付加物溶
液を得た。この付加物溶液を60℃に冷却し、この中に
5−メチル−2−アミノフェノール43部、ジメチルホ
ルムアミド22部、オクチル酸銅0.5部およびトリク
ロロ酢酸2部を配合し、60℃で8時間反応させた後、
メチルイソブチルケトン88.9部を加え固形分50%
のキレート形成性樹脂溶液を得た。
【0068】
【実施例3】フラスコ中に、4−メチル−2−アミノフ
ェノール44部、メチルイソブチルケトン20部、2−
ヒドロキシエチルアクリレート37部およびギ酸1.6
部を配合し、90℃に昇温し同温度で5時間反応させ
た。次いで昇温し、メチルイソブチルケトンの還流下に
ギ酸を留去して系外に除去した後、冷却し、更にメチル
イソブチルケトン109部を配合して水酸基含有キレー
ト化合物溶液を得た。
【0069】別のフラスコにメチルイソブチルケトン5
0部を配合し、85℃に加熱、保持した。この中にメタ
クリル酸エチルイソシアネート50部、アクリル酸イソ
ブチル30部、スチレン20部および2,2′−アゾビ
スイソブチロニトリル2部の混合物を窒素ガス流入下、
2時間かけて滴下し、滴下終了後、さらに2時間同温度
に保持し、イソシアネート基含有アクリル樹脂溶液を得
た。次いでこの中に上記で得た水酸基含有キレート化合
物溶液210部を加え、70℃で2時間反応させて固形
分50%のキレート形成性樹脂溶液を得た。
【0070】
【実施例4】フラスコ中に5−ニトロ−2−アミノフェ
ノール154部、アクリル酸72部、メチルイソブチル
ケトン97部およびハイドロキノン1.5部を配合し、
90℃で4時間反応を行なった。次いでこの中に空気吹
込み下でグリシジルメタクリレート142部、臭化テト
ラエチルアンモニウム3.7部およびN−ニトロソジフ
ェニルアミン0.1部を配合し、110℃で3時間反応
を行ないキレート形成基含有重合性不飽和モノマー溶液
を得た。
【0071】別のフラスコに酢酸ブチル149.4部お
よびメチルイソブチルケトン230部を配合し、85℃
に加熱、保持した。この中に上記で得たキレート形成基
含有重合性不飽和モノマー溶液470.3部、ヒドロキ
シエチルメタクリレート130部、メチルアクリレート
158.6部、アクリロニトリル79.5部およびアゾ
ビスバレロニトリル9部の混合物を窒素ガス流入下、2
時間かけて滴下し、滴下終了後、更に2時間同温度に保
持し、固形分60%のキレート形成性樹脂溶液を得た。
【0072】
【実施例5】フラスコ中に4−クロロ−2−アミノフェ
ノール143.5部、ギ酸72部、テトラヒドロピラン
92.4部、ハイドロキノン0.2部およびγ−メタク
リロイルオキシプロピルトリメトキシシラン150部を
配合し、80℃で4時間反応させキレート形成基含有シ
ラン溶液を得た。次いで、このものにトルエン951.
6部、メチルトリメトキシシラン680部および脱イオ
ン水324部を加え、80℃で2時間加水分解縮合反応
させた後、118℃で2時間加熱しながら脱溶剤を行な
い、965.5部の溶剤などを留去し、固形分50%の
キレート形成性樹脂溶液を得た。
【0073】
【実施例6】フラスコ中に、メチルイソブチルケトン6
7部およびイソホロンジイソシアネート111部を配合
し、反応温度を30〜35℃に保ちながら、メチルエチ
ルケトオキシム46部とメチルイソブチルケトン25部
との混合物を徐々に滴下し、部分ブロックポリイソシア
ネート溶液を得た。
【0074】別のフラスコ中に、デナコールEX521
(長瀬化成(株)、ポリオールポリグリシジルエーテ
ル、平均分子量約1200、エポキシ当量約200)2
00部、メチルイソブチルケトン118部、アクリル酸
76部、テトラエチルアンモニウムブロマイド2.5部
およびハイドロキノン0.3部を配合し、110℃で3
時間反応を行なった。次いで、この中に上記で得た部分
ブロックポリイソシアネート溶液249部を配合し、7
0℃で3時間反応を行ない樹脂中にブロックイソシアネ
ート基を導入した。このものに更に、o−アミノフェノ
ール91部、蓚酸37.5部、ジエタノールアミン1
7.5部およびイソプロパノール43部を配合し、70
℃で3時間反応を行ない、固形分50%のキレート形成
性樹脂溶液を得た。
【0075】
【実施例7】実施例1で得た固形分50%のキレート形
成性樹脂溶液4部にスミマールM55(メラミン樹脂、
住友化学(株)製)0.7部、メチルイソブチルケトン
60部、エタノール25部、水9.8部およびクエン酸
0.5部を配合し表面処理組成物Aを得た。
【0076】
【実施例8】実施例1で得た固形分50%のキレート形
成性樹脂溶液35部にスミマールM55 11部、メチ
ルイソブチルケトン24部、イソプロパノール28部お
よび水2部を配合し塗料組成物Bを得た。
【0077】
【実施例9】実施例2で得た固形分50%のキレート形
成性樹脂溶液4部にスミマールM55 0.7部、メチ
ルイソブチルケトン60部、エタノール25部、水9.
8部およびクエン酸0.5部を配合し表面処理組成物C
を得た。
【0078】
【実施例10】実施例2で得た固形分50%のキレート
形成性樹脂溶液35部にスミマールM55 11部、メ
チルイソブチルケトン24部、イソプロパノール28部
および水2部を配合し塗料組成物Dを得た。
【0079】
【実施例11】実施例3で得た固形分50%のキレート
形成性樹脂溶液10部にメチルイソブチルケトン60
部、トルエン20部、エタノール8部および1%蟻酸水
溶液2部を配合し表面処理組成物Eを得た。
【0080】
【実施例12】実施例3で得た固形分50%のキレート
形成性樹脂溶液50部にメチルイソブチルケトン20
部、イソブタノール20部、エタノール9部および0.
5%クエン酸水溶液1部を配合し塗料組成物Fを得た。
【0081】
【実施例13】実施例4で得た固形分60%のキレート
形成性樹脂溶液8.5部にイソホロンジイソシアネート
1.2部、メチルイソブチルケトン40部、トルエン1
0部および酢酸ブチル40部を配合し表面処理組成物G
を得た。
【0082】
【実施例14】実施例4で得た固形分60%のキレート
形成性樹脂溶液34部にイソホロンジイソシアネート5
部、メチルイソブチルケトン30部、トルエン20部お
よび酢酸ブチル10部を配合し塗料組成物Hを得た。
【0083】
【実施例15】実施例5で得た固形分50%のキレート
形成性樹脂溶液10部にイソブチルアルコール70部、
エタノール5部およびトルエン15部を配合し表面処理
組成物Iを得た。
【0084】
【実施例16】フラスコ中にトルエン30部、メチルイ
ソブチルケトン40部および酢酸ブチル30部を配合
し、100℃に加熱保持した。この中にγ−メタクリロ
イルオキシプロピルトリメトキシシラン20部、メチル
メタクリレート60部、イソブチルメタクリレート20
部および2,2′−アゾビスイソブチロニトリル2部の
混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度に
2時間保持した後、2,2′−アゾビスイソブチロニト
リル1部を添加し、さらに1時間100℃に保持して固
形分50%の湿気硬化型アクリル樹脂溶液を得た。
【0085】得られた湿気硬化型アクリル樹脂溶液10
部にチタン白100部、エタノール30部、メチルイソ
ブチルケトン20部およびトルエン15部を配合し、分
散して、固形分60%の白顔料ペーストを得た。
【0086】上記で得た白顔料ペースト105部、実施
例5で得た固形分50%のキレート形成性樹脂溶液10
0部、上記で得た湿気硬化型アクリル樹脂溶液94部、
エタノール50部、メチルイソブチルケトン100部お
よびトルエン51部を均一に混合して塗料組成物Jを得
た。
【0087】
【実施例17】濃度7%のギ酸水溶液79.5部と塩素
酸ナトリウム0.5部との混合物中に、撹拌下で実施例
6で得た固形分50%のキレート形成性樹脂溶液20部
を徐々に添加し、均一に混合して自動析出型表面処理組
成物Kを得た。
【0088】
【実施例18】実施例6で得た固形分50%のキレート
形成性樹脂溶液40部を撹拌下で濃度0.2%のギ酸水
溶液60部中に徐々に添加し、均一に混合して塗料組成
物Lを得た。
【0089】
【試験例1〜6】実施例7、9、11、13、15およ
び17で得た表面処理組成物A、C、E、G、Iおよび
Kのそれぞれを表1に示すように各種素材上に乾燥膜厚
が0.5μmとなるように塗布し、風乾させた。
【0090】なお、表面処理組成物Kを使用する試験例
6においては、素材を組成物K中に浸漬し、自動析出さ
せることにより表面処理膜を形成した。試験例1〜5に
おいては、バーコータによって各表面処理組成物を塗布
した。
【0091】ついで得られた表面処理膜上に、上塗塗料
を塗布、乾燥させて上塗塗膜を形成した。試験例1、
2、3および6においてはエポキシ・メラミン系塗料
(表1では「EP/ME」と略記する。)を乾燥膜厚が
約40μmとなるよう塗布し、140℃で30分間焼付
け硬化させた。また試験例4においては、ウレタン系白
エナメル塗料(表1中では「ウレタン」と略記する。)
を乾燥膜厚が20μmとなるように塗布し、室温で5日
間乾燥させた。さらに試験例5においては、エポキシ・
ポリアミン系白エナメル塗料(表1中では「EP/P
A」と略記する。)を乾燥膜厚が50μmとなるように
塗布し、室温で1日乾燥させた後、この上にポリオール
・ポリイソシアネート系白エナメル塗料(表1中では
「PO/PI」と略記する。)を乾燥膜厚が25μmと
なるよう塗布し、室温で4日間乾燥させた。
【0092】
【試験例7〜12】実施例8、10、12、14、16
および18で得たキレート形成性塗料組成物B、D、
F、H、JおよびLのそれぞれを表2に示す条件にて各
種素材上に塗布、乾燥させた。試験例7、8および10
においては得られた塗装板上に上塗塗料を塗布、乾燥さ
せて上塗塗膜を形成した。試験例7および8において
は、上塗塗料として、アクリル・メラミン系白エナメル
塗料(表1中では「アクリル」と略記する。)を使用
し、乾燥膜厚が20μmとなるように塗装し、140℃
で30分間焼付けた。また試験例10においては、上塗
塗料として試験例4で使用したウレタン系白エナメル塗
料と同じ塗料を使用し、乾燥膜厚が20μmとなるよう
塗装し、室温で5日間乾燥させた。
【0093】
【比較試験例1〜3】素材にキレート形成性表面処理を
行なうかわりにリン酸亜鉛処理板(例1)、クロム酸処
理板(例2)又は無処理板(例3)を使用し、この上に
上塗塗料としてエポキシ・メラミン系塗料を乾燥膜厚が
40μmとなるよう塗装し、140℃で30分間焼付け
た。
【0094】
【比較試験例4】各種素材に試験例7で使用したアクリ
ル・メラミン系白エナメル塗料を乾燥膜厚が20μmと
なるように塗装し、140℃で30分間焼付けた。
【0095】
【比較試験例5】各種素材に試験例5で使用したエポキ
シ・ポリアミン系白エナメル塗料を乾燥膜厚が30μm
となるように塗布し、室温で1日乾燥させた後、この上
に試験例7で使用したアクリル・メラミン系白エナメル
塗料を乾燥膜厚が20μmとなるように塗装し、140
℃で30分間焼付けた。
【0096】試験例1〜12および比較試験例1〜5で
得た塗板にクロスカットを入れ、これらの塗板について
耐塩水噴霧試験、耐糸錆び発生試験及び屋外バクロ試験
を行なった。試験結果を表1および表2に示す。
【0097】
【試験方法】
耐塩水噴霧試験(SST):塗板にクロスカットを入れ
JIS Z 2371に準じて試験を行なった。塩水噴
霧時間は1000時間とした。
【0098】耐糸錆び発生試験(FCT):12N塩酸
を入れたビーカーの上部にクロスカットを入れた塗板の
塗面を下に向け塩酸蒸気が塗面に当たるようにして密封
して1時間蒸気にさらした後、50±2℃、98±2%
RHの条件で湿潤試験を1000時間行った。
【0099】屋外バクロ試験(EPT):クロスカット
を入れた塗板についてJIS K5400 9.9に準
じて、南面30°の条件で千葉県千倉の海岸べりで1年
間試験を行った。
【0100】それぞれの試験後の塗板についてクロスカ
ット部の片側のハクリ幅、発錆巾の最大長さを求め、こ
れを表1及び2に示す。
【0101】後記表1及び2から明らかなように、本発
明樹脂、及び本発明樹脂と架橋剤とを組合せた組成物
は、様々な素材に対して、従来の表面処理組成物や塗料
に比較して良好な耐腐食能を付与することができる。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 230/08 MNU 7242−4J C08G 59/14 NHB 8416−4J 63/12 NNQ 7211−4J 63/16 NLK 7211−4J C09D 5/08 PPX 6904−4J PPY 6904−4J PPZ 6904−4J PQA 6904−4J PQE 6904−4J 201/02 PDN 7242−4J

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[1]で表わされるキレート形成基
    を分子中に少なくとも2個有する被膜形成可能なキレー
    ト形成性樹脂。 【化1】 (式中、RおよびRは同一又は異なって、水素原
    子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、
    炭素数18以下の炭化水素基又は炭素数12以下のアル
    コキシアルキル基を表わす。)
  2. 【請求項2】キレート形成性樹脂の基体部分が、アクリ
    ル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アル
    キド系樹脂又はケイ素含有樹脂である請求項1記載のキ
    レート形成性樹脂。
  3. 【請求項3】下記式[2]で表わされる化合物のアミノ
    基と、重合性二重結合を有する樹脂または化合物中の重
    合性二重結合との反応によって付加反応させることを特
    徴とする請求項1記載のキレート形成性樹脂の製造方
    法。 【化2】 (式中、RおよびRは同一又は異なって、水素原
    子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、
    炭素数18以下の炭化水素基又は炭素数12以下のアル
    コキシアルキル基を表わす。)
  4. 【請求項4】アミン価を30〜130としてなる請求項
    1記載のキレート形成性樹脂を酸で中和し、水溶化ない
    しは水分散化してなるキレート形成性樹脂の水性液。
  5. 【請求項5】キレート形成性樹脂中のアミノ基の一部
    が、エポキシ基と、脂肪族、脂環族もしくは芳香−脂肪
    族系の第1級もしくは第2級アミン又はこれらのアミン
    のアルジミン、ケチミン、オキサゾリンもしくはイミダ
    ゾリン変性物とを反応させることによって導入されたも
    のである請求項4記載の水性液。
  6. 【請求項6】請求項1記載のキレート形成性樹脂に架橋
    剤を配合してなるキレート形成性樹脂組成物。
JP3102182A 1991-02-05 1991-02-05 被膜形成可能なキレート形成性樹脂 Pending JPH05271330A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008545827A (ja) * 2005-05-23 2008-12-18 ビーエーエスエフ コーティングス アクチェンゲゼルシャフト 塗料層を形成する腐食保護剤およびその無電流塗装のための方法
JP2010509470A (ja) * 2006-11-13 2010-03-25 ビーエーエスエフ コーティングス アクチェンゲゼルシャフト 良好な接着性を有するコーティング膜を形成する防食剤およびその非ガルバニック塗布のための方法
JP2012516916A (ja) * 2009-02-05 2012-07-26 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 耐蝕性の複層塗装及びその製造方法

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