JPH035379B2 - - Google Patents

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JPH035379B2
JPH035379B2 JP59024331A JP2433184A JPH035379B2 JP H035379 B2 JPH035379 B2 JP H035379B2 JP 59024331 A JP59024331 A JP 59024331A JP 2433184 A JP2433184 A JP 2433184A JP H035379 B2 JPH035379 B2 JP H035379B2
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oxabicyclo
racemic
diol
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Fumio Toda
Koichi Tanaka
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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【発明の詳細な説明】
本発明は、光学活性を有するビシクロケトン類
の製法に関するものである。 光学活性なビシクロケトン類は、医薬品、農
薬、香料など原料中間体として重要な化合物であ
る。例えば、本発明におけるビシクロラクトン類
の1つである2−オキサビシクロ〔3,3,0〕
オクタ−6−エン−3−オンは、“夢の医薬品”
とも呼ばれているプロスタグランジン類の中間体
であるコーリー(Corey)ラクトンの原料の1つ
である。しかし、そのラセミ体の工業的分割法が
見い出されていないため、2−オキサビシクロ
〔3,3,0〕オクタ−6−エン−3−オン経由
のプロスタグランジン類の工業的製法は、確立さ
れていない。 本発明者らは、ビシクロケトン類のラセミ体の
工業的分割法を開発することを目的とし、鋭意研
究を行つた。その結果、光学活性な1,6−ジ
(ハロフエニル)−1,6−ジフエニル−2,4−
ヘキサジイン−1,6−ジオールが、ビシクロケ
トン類のラセミ体を極めて効率良く光学分割する
作用を有していることを見い出し、本発明の完成
に到つた。 すなわち本発明は、ビシクロケトン類のラセミ
体と、光学活性な1,6−ジ(ハロフエニル)−
1,6−ジフエニル−2,4−ヘキサジイン−
1,6−ジオールを有機溶媒中で接触させ、得ら
れるビシクロケトン類の一方の対掌体を包接した
前記ジオール類の錯体を分離した後、その包接錯
体を分解することからなる、光学活性なビシクロ
ケトン類の工業的に優れた製法を提供するもので
ある。 本発明において、対象とされるビシクロケトン
類のラセミ体としては、例えば次に示すものを挙
げることができる。 (1) 2−オキサビシクロ〔3,3,0〕オクタ−
6−エン−3−オン (2) ビシクロ〔3,2,0〕ヘプタ−2−エン−
6−オン (3) シス−2−オキサビシクロ〔4,3,0〕ノ
ナ−3−オン (4) 2−オキサビシクロ〔4,3,0〕ノナ−6
−エン−3−オン これらのビシクロケトン類のラセミ体は、いず
れも既知化合物であり、しかも容易に合成するこ
とができる。例えば、シクロペンタジエンとケテ
ンの反応により、ビシクロ〔3,2,0〕ヘプタ
−2−エン−6−オンのラセミ体を得ることがで
き、次いでこのラセミ体を過酸化水素と接触させ
ることにより、2−オキサビシクロ〔3,3,
0〕オクタ−6−エン−3−オンのラセミ体を合
成することができる。 本発明において、分割試薬剤として用いる光学
活性な1,6−ジ(ハロフエニル)−1,6−ジ
フエニル−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオ
ール(以下、ジアセチレンジオール類と略称する
ことがある。)は、次の構造式で示される。 (ただし、式中Xは塩素、臭素などのハロゲン原
子を示す。)。 前記一般式で表わされる光学活性はジアセチレ
ンジオール類の具体例、およびその物性を次表に
示す。
【表】 これらの光学活性なジアセチレンジオール類
は、次の構造をもつた光学活性な1−O−ハロフ
エニル−1−フエニルプロパルギルアルコールを
塩化第一銅、ピリジン及び酸素の共存下で有機溶
媒(例えばアセトン)中でカツプリング反応を行
なうことにより、容易に合成することができる。 (ただしXは、ハロゲン原子を示す。) 次に、その合成例を示す。 光学活性な1−O−クロロフエニル−1−フエ
ニルプロパルギルアルコール48gを100mlのアセ
トンと10mlのピリジンの混合液に溶解し、塩化第
一銅862mgを加え、酸素を200ml/時の流量で反応
液に通しながら室温で16時間反応を行なわせる
と、淡青色の結晶が析出する。反応液を除去し、
この結晶をベンゼンに溶解し、これと等容量の12
%塩酸水で洗浄し、更に水洗後、ベンゼン層を芒
硝で乾燥してベンゼンを除去すると、光学活性な
1,6−ジ(O−クロロフエニル)−1,6−ジ
フエニル−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオ
ールの白色結晶43gが得られた。 本発明において、ビシクロケトン類のラセミ体
は、光学活性なジアセチレンジオール類1モルに
対して、通常1〜20モル使用することができる
が、包接錯体の晶析率と分割された目的物のビシ
クロケトン類の光学純度を考慮した場合、光学活
性なジアセチレンジオール類1モルに対して2〜
10モル使用するのが好ましい。 使用に供される有機溶媒としては、光学活性な
ジアセチレンジオール類と光学分割しようとする
ビシクロケトン類のラセミ体を溶解し、かつ形成
した包接錯体の溶解度の小さいものが良い。この
様な溶剤として、ベンゼン、トルエン、四塩化炭
素、クロロホルム、塩化メチレン、酢酸エチル、
酢酸メチル、石油エーテル、テトラヒドロフラ
ン、エチルエーテルなどが挙げられるが、包接錯
体の晶析率や分割された目的物の光学純度などを
考慮した場合、エーテル−石油エーテル混合溶媒
(容積比任意)が最も適当な溶剤である。 その溶媒の使用量は、光学活性なジアセチレン
ジオール類1gに対して2〜10mlが好ましい。 ビシクロケトン類のラセミ体と光学活性なジア
セチレンジオール類との接触は、通常10〜50℃の
温度で、1〜50時間行うのがよい。この接触によ
つて、ビシクロケトン類のラセミ体のうち一方の
対掌体が光学活性なジアセチレンジオール類に包
接され、その錯体が晶析する。 晶析した光学活性なジアセチレンジオール類と
ビシクロケトン類との包接錯体は、集した後、
カラムクロマトグラフにより分離したり、また減
圧下で加温することにより目的とする光学活性な
ビシクロケトン類を光学活性なジアセチレンジオ
ール類から分離することができる。その際のカラ
ムクロマトグラフの展開溶媒や蒸留による分離の
際の温度や減圧度は、ビシクロケトン類などの物
性に合せて、適宜選択することができる。 回収された光学活性なジアセチレンジオール類
は、上記の操作処理を行なつてもその光学純度を
損なわず、再び分割剤として使用することができ
る。 なお、もう一方の光学活性なビシクロケトン類
を得たい場合には、旋光度の正負が逆である光学
活性なジアセチレンジオール類を分割剤として用
いればよく、その分割操作はこれまで述べた手順
と何ら変わらない。 本発明は、このように光学活性なビシクロケト
ン類を効率よく製造することができ、またプロス
タグランジンの新しい工業的製法のルートも提供
するもので、その工業的意義は極めて深いものが
ある。 次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定
するものでないことはいうまでもない。 実施例 1 光学活性な(−)−1,6−ジ(O−クロロフ
エニル)−1,6−ジフエニル−2,4−ヘキサ
ジイン−1,6−ジオール10.0g、および2−オ
キサビシクロ〔3,3,0〕オクタ−6−エン−
3−オンのラセミ体10.3gをエーテル−石油エー
テルの混合溶媒(容積比2:1)45mlに溶解させ
た。室温下で12時間放置したところ、光学活性な
(−)−1,6−ジ(O−クロロフエニル)−1,
6−ジフエニル−2,4−ヘキサジイン−1,6
−ジオール1分子に対して、2分子の2−オキサ
ビシクロ〔3,3,0〕オクタ−6−エン−3−
オンが包接された錯体が晶析した。該錯体を集
し、エーテル60mlを用いて再結晶操作を10回繰り
返した後、析出結晶を集し乾燥した。 この結晶1.67gを蒸留釜に入れ、約15mmHgの
減圧下で150℃に加熱し、光学活性な2−オキサ
ビシクロ〔3,3,0〕オクタ−6−エン−3−
オン0.51gを得た。なお、その旋光度は、〔α〕25/
104゜(1%CH3OH)であつた。 実施例 2 ジアセチレンジオール類として、光学活性な
(−)−1,6−ジ(O−ブロモフエニル)−1,
6−ジフエニル−2,4−ヘキサジイン−1,6
−ジオール11.8gを用いた他は、実施例1と同様
の操作で実験を行つた。 その結果、旋光度〔α〕25/D+104゜(1%
CH3OH)を有する光学活性な2−オキサビシク
ロ〔3,3,0〕オクタ−6−エン−3−オン
0.75gが得られた。 実施例 3 光学活性な(−)−1,6−ジ(O−クロロフ
エニル)−1,6−ジフエニル−2,4−ヘキサ
ジイン−1,6−ジオール10.0g、およびビシク
ロ〔3,2,0〕ヘプタ−2−エン−6−オンの
ラセミ体8.94gをエーテル−石油エーテルの混合
溶媒(容積比1:5)12mlに溶解させた。室温下
で12時間放置したところ、光学活性な(−)−1,
6−ジ(O−クロロフエニル)−1,6−ジフエ
ニル−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール
1分子に対して、2分子のビシクロ〔3,2,
0〕ヘプタ−2−エン−6−オンが包接された錯
体が晶析した。 該錯体を集し、乾燥して得た結晶10.1gを蒸
留釜に入れ、約15mmHgの減圧下で70℃に加熱し、
光学活性なビシクロ〔3,2,0〕ヘプタ−2−
エン−6−オン2.5gを得た。なお、その旋光度
は、〔α〕25/D−5.2゜(1%CH3OH)であつた。 実施例 4 ビシクロケトン類として、シス−2−オキサビ
シクロ〔4,3,0〕ノナ−3−オンのラセミ体
11.6gを用いた他は、実施例1と同様の操作で実
験を行つた。 その結果、旋光度〔α〕25/D+50.3゜(1%CHCl3
を有する光学活性なシス−2−オキサビシクロ
〔4,3,0〕ノナ−3−オン3.48gが得られた。 実施例 5 ビシクロケトン類として、2−オキサビシクロ
〔4,3,0〕ノナ−6−エン−3−オンのラセ
ミ体11.5gを用いた他は、実施例1と同様の操作
で実験を行つた。その結果、旋光度〔α〕25/D
10.6゜(1%CHCl3)を有する光学活性な2−オキ
サビシクロ〔4,3,0〕ノナ−6−エン−3−
オン3.4gが得られた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ビシクロヘプタノン類、ビシクロオクタノン
    類、ビシクロノナノン類から選ばれたビシクロケ
    トン類のラセミ体と、光学活性な1,6−ジ(ハ
    ロフエニル)−1,6−ジフエニル−2,4−ヘ
    キサジイン−1,6−ジオールを有機溶媒中で接
    触させ、得られるビシクロケトン類の一方の対掌
    体を包接錯体を分離した後、その包接錯体を分解
    することを特徴とする、光学活性なビシクロケト
    ン類の製法。
JP2433184A 1984-02-14 1984-02-14 光学活性なビシクロケトン類の製法 Granted JPS60169434A (ja)

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KR101944575B1 (ko) * 2011-12-15 2019-04-17 다이이찌 산쿄 가부시키가이샤 부제 촉매를 사용하는 2고리형 화합물의 광학 분할 방법
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