JPH034669B2 - - Google Patents

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JPH034669B2
JPH034669B2 JP57005355A JP535582A JPH034669B2 JP H034669 B2 JPH034669 B2 JP H034669B2 JP 57005355 A JP57005355 A JP 57005355A JP 535582 A JP535582 A JP 535582A JP H034669 B2 JPH034669 B2 JP H034669B2
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JP
Japan
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artificial leather
denier
fibers
elongation
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JP57005355A
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Toshio Yoneyama
Masataka Ikeda
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、衣料特性に優れた人工皮革に関す
る。更に詳しくは、柔軟で機械強度に優れ、しか
も耳ほつれがなく、裁ち切り縫製可能な人工皮革
に関するものである。 従来、極細繊維を用いた不織布に弾性重合体が
充填された人工皮革は、特公昭49−48583号公報
特公昭51−6261号公報などに見られる様に広く知
られている。しかしながらこれらの人工皮革はそ
の基体が多くは0.2デニール以下の極細繊維が立
体的に交絡した不織布であるので、基体としての
機械的強度が衣料として到底耐えられない程度に
小さく、そのため強度を持たさる為に通常は多量
の弾性重合体が不織布基体に含浸されている。そ
の結果、不織布が有する柔軟さ、ドレーブ性が失
なわれ、弾性重合体特有の硬いパカパカした風合
にしかならなかつた。更にドレーブ性のある柔軟
な風合の人工皮革を得るには、弾性重合体の充填
量を少なくしたり、充填した弾性重合体に積極的
に発泡構造を付与したりすることが必要である
が、この様な場合、弾性重合体による機械強度が
補強効果が十分でなく、得られる人工皮革は柔軟
であるが、強伸度や引裂強度が衣料として耐えら
れるレベルに到達せず、かつ伸長回復性も劣り着
用時のヒジ抜けなどの欠点を有するものであつ
た。 この様な人工皮革の衣料としての適性を更に改
善する目的で検討を行つた結果、本出願人は先に
特願昭55−98730を提案した。この提案における
改良された人工皮革の主な構成は、極細繊維、織
物及び弾性重合体を主体としたシート状物であつ
て、織物として200〜1200T/mの撚りの施こさ
れた仮撚加工糸を用いたものである。この構成を
有する人工皮革により、衣料特性のうち引裂強
度、縫目強度及び裁断時の織物のほつれなどの欠
点が大巾に改善され、有益な結果をもたらした。 しかしながら、この様な人工皮革も新たな問題
点を有することが判明した。即ち、裁ち切り縫製
品や、裁り切りのまま部分使い(パツチワーク)
した衣服をドライクリーニングや洗濯を繰返し行
うと裁断面から織物のほつれが発生し、このため
耳かがり縫製を行う必要があり用途が著しく制限
されることである。また、縫目強度が未だ不十分
であり、長い間着用し続けると応力が集中して、
かかる箇所の縫目がずれるという問題点が見い出
された。 本発明者らは、これらの問題点の原因追求を行
い、織物の改良検討を更に進めた結果、本発明に
到達した。 即ち、本発明は、0.5デニール以下の極細繊維
が織物の少なくとも片面を覆つて織物と交絡して
いる交絡体の組織間隙に弾性重合体が含有されて
なる人工皮革において、この織物を構成する繊維
が単糸縫度3デニール以下のマルチフイラメント
と仮撚加工糸よりなり、仮撚加工糸には0〜199
回/メートルの撚利が施され、そのトータルデニ
ールが50〜150デニールであり、且つ織物の糸密
度が60〜250本/インチであることを特徴とする
人工皮革である。 本発明による人工皮革の第1の要点は、基体と
して用いる交絡体の内部もしくは裏面にある織物
の設計にある。その意味で本発明の詳細な説明を
織物から述べる。 本発明における織物の構成原糸の形態は0〜
199回/メートルの撚りが施されたマルチフイラ
メントの仮撚加工糸であり特に無撚かまたは1m
当り100回以下の撚りが施こされたものが好まし
い。構成原糸が200回/メートル以上の撚りを施
こされたマルチフイラメント仮撚加工糸や、仮撚
加工を施こしてないマルチフラメントストレート
糸の場合、得られる人工皮革の裁ち切り縫製品を
裁ち切りのまま部分使いした衣服をドライクリー
ニングや洗濯を繰返し行うと耳ほつれが発生す
る。しかも、ミシン縫いをした時に縫目強度が不
十分で着用中に縫目に所定以上の応力がかかると
縫目がずれるという問題が発生する。 本発明のシート状物の内部構造を観察すると、
撚数が200回/メートル以上のマルチフイラメン
トの場合、撚りにより織物構成繊維が集束してお
り極細繊維と織物の構成繊維との間の交絡程度が
低いが、一方199回/メートル以下の撚りが施こ
されたマルチフイラメントの仮撚加工糸の場合、
撚りが少ない上に仮撚加工により単糸バラケイが
大となり織物構成繊維相互の空隙部が大きく、極
細繊維と織物構成繊維とが比較的強固に交絡し合
つていることが見られ、シート状物内部における
織物構成繊維の固定が強化された結果、ほつれの
発生が抑制され、しかも縫目強度も高められたも
のと思われる。また、たとえ本発明の人工皮革の
裁断面から織物のほつれが発生したとしても、撚
り数が小さい仮撚加工系のためマルチフイラメン
トの単糸バラケしているためにはとんど目立ず問
題とならない。本発明においては、無撚かまたは
撚りがあつても199回/メートル以下であるマル
チフイラメントの仮撚加工糸から構成された織物
を適用することによつてはじめて、裁ち切り縫製
を可能とし、しかも縫目強度の著しく高い人工皮
革を提供することが可能となつたのである。 また、マルチフイラメントと撚り数を小さくす
ると一方では皮革の引裂強度の低下がみられる
が、この問題は、たとえばタフネスが高い仮撚加
工糸を用いる、トータルデニールの比較的大きい
仮撚加工糸を用いる、比較的高い糸密度の織物を
用いるなどして、皮革の単位長さ当りの破断エネ
ルギーを高めることによつて解決できることが見
い出された。 本発明における織物は、単繊維繊度が3デニー
ル以下のマルチフイラメントからなるものが好ま
しい。織物の構成原糸の繊度は皮革の柔軟性と密
接な関係があり、3デニールを越える単繊維から
構成された織物では、得られる人工皮革の風合は
硬く芯の感じられるものになる。3デニール以下
であると、得られる織物も柔軟性に富むものにな
り皮革も柔軟なものが得られる。更には、皮革の
裁断面から織物のほつれがたとえ発生しても3デ
ニール以下であると見えにくいため実質的にほつ
れがないものと同等な効果が得られるという利点
がある。この点から、特に2デニール以下が好ま
しい。 織物のマルチフイラメントの素材は限定されな
いが、ポリエチレンテレフタレート(以下PET
と略記する)、ナイロン6、ナイロン6.6、ポリア
クリロニトリル、ポリプロピレンなどの合成繊
維、レーヨン、キユプラレーヨンなどの再生繊維
などが適用され、合成繊維のうち特にPETが好
ましい。 また、仮撚加工糸は公知の製法たとえばスピン
ドル法、フリクシヨン法の1ヒーター、2ヒータ
ータイプ等が用いられる。仮撚加工糸に撚りを施
こす場合には、通常の撚糸機が用いられる。撚り
方向はS撚り、Z撚りいずれでもよい。 織物の組織は、例えば平織物、綾織物、朱子織
物、模沙織物などがあるが、皮革の表面平滑性や
コスト面から平織物が好ましい。 織物の糸密度とマルチフイラメントとトータル
デニールは本発明において比較的重要である。即
ち、糸密度が大きいほど得られる皮革の引裂強度
が高まる。この引裂強度は一方においてはマルチ
フイラメントのトータルデニール数によつても変
わり、同一糸密度の織物の場合はトータルデニー
ル数が大きいほど引裂強度も大きい。反面、糸密
度やトータルデニール数を高めすぎると得られる
皮革の柔軟性がそこなわれるため好ましくない。
本願発明の範囲の組合せは、マルチフイラメント
のトーラルデニールが50〜150デニールで織物の
糸密度が6.0〜250本/インチ(軽糸と緯糸の密
度)である。 また、本発明の人工皮革に、より高い引裂強度
を付与するには、彼撚加工糸のタフネス:TS×
E(TSは原糸強度g、TEは原糸伸度%)が
1250以上であることが更に好ましい。 本発明を構成する重要な要素の一つである極細
繊維は、その単糸繊度が0.5デニール以下、好ま
しくは0.3デニール以下である。0.5デニールより
大きいと、柔軟性が劣りしかも起毛皮革のライテ
イングエフエクトが発現せず高級人工皮革として
の商品価値がなくなり、0.5デニール以下ではじ
めて柔軟性と優美なライテングエフエクトが達成
される。極細繊維の素材は特に制限されるもので
なく、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロ
ニトリルなどの合成繊維、レーヨン、キユプラレ
ーヨンなどの再生繊維などが用いられるが、織物
に用いる素材と同一にすることが染色面から好ま
しく、特にPETが好ましい。 極細繊維は長繊維、短繊維いずれの形状をとつ
ても良い。但し該織物との交絡一体化という点か
ら短繊維状が好ましい。また極細繊維は単繊維に
バラバラに分離していても、繊維束状になつてい
ても単繊維と大小さまざまな繊維束の混合された
状態のいずれであつても良いが、表面の緻密性に
優れたライテイングエフエクトが発現するには単
繊維状であることが好ましい。 更に極細繊維は極細繊維相互及び織物と十分に
相互に三次元交絡し一体化していることが本発明
の目的にとつて大切である。本発明における交絡
は主として極細繊維が織物の織目間隙に入りこむ
ことでなされているが、同時に極細繊維の一部が
織物を構成するマルチフイラメントのフイラメン
ト間隙にも入り込んで行なわれている。交絡の度
合は本発明においては高ければ高い程良い。 また極細繊維間の交絡は、起毛してスウエード
調人工皮革とした場合の表面のナツプの状態にと
つて重要である。極細繊維相互の交絡が不十分で
あるとナツプは長く、密度が小さく、良好なライ
テングエフエクトが得られない。 本発明を構成する弾性重合体は、起毛した場合
の毛羽の根元把持と天然皮革特有の腰のある柔軟
性の付与及び耐ほつれ性の為に重要である。 好適な弾性重合体の割合は人工皮革中の繊維成
分(極細繊維+織物繊維)に対してい30〜60重量
%である。 弾性重合体の種類には特に制限はないが、ポリ
ウレタン類が本発明品を好ましい柔軟性にする為
に特に好ましい。ポリウレタンの組成としては、
ポリオール成分としてポリエチレンアジペートグ
リコール、ポリブチレンアジペートグリコールな
どのポリエステルジオール類、ポリエチレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコールなどのポ
リエーテルグリコール類;イソシアネート成分と
してはジフエニルメタン−4,4′−ジイソシアネ
ートなどの芳香族ジイソシアネート、ジシクロヘ
キシルメタン−4,4′−ジイソシアネートなどの
脂還式ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;鎖伸
長剤として、エチレングリコールなどのグリコー
ル類、エチレンジアミン、4,4′−ジアミノジフ
エニルメタンなどのジアミン類、などを適切に組
み合わせて用いることができる。 次に本発明の人工皮革は皮革としての1Kg荷重
下での伸度が経方向3〜20%、緯方向5〜40%の
特定範囲にあることが好ましい。更には経6〜15
%、緯8〜25%が特に好ましい。 経方向が3%未満及び/もしくは緯方向が5%
未満であると、衣服を縫製する際にいせこみ性が
悪くなつたり、縫目パツカリングが発生するなど
衣料特性が極端に悪くなり仕立て映えのする衣服
が到底得られないことが明らかになつた。 経方向が20%以上及び/もしくは緯方向が40%
以上の伸度であると、いせこみ性や縫目パツカリ
ングなどの縫製特性は良好であるが、例えば、こ
の様な伸度を有した人工皮革で作つた衣服をハン
ガーに吊して放置しておくと伸びて戻らなかつた
り、着用時にヒジ部などが伸びて戻らず“抜け”
てしまうなどの現象が観察され、結局伸長回復性
の極めて悪いものしか得られない。 人工皮革がこの様な特定範囲の伸度を有してい
ることは更に風合も著しく柔軟になるという驚く
べき効果もあるということがわかつた。 本発明の人工皮革の場合、皮革の伸度は、交絡
体の伸度に依存し、交絡体と伸度は交絡体の構成
成分である織物の伸度に依存すること、即ち皮革
の伸度は織物の伸度に依存していることが検討の
結果明らかになつた。弾性重合体は実質的に皮革
の伸度を何ら規定しないという言い方もできる。 この事は本発明の人工皮革から弾性重合体をそ
の溶剤で抽出除去し、残つた交絡体の伸度を測定
し、更に交絡体から極細繊維を抜くなどして分離
し、最後に残つた織物の伸度を測定して、これら
の伸度とあらかじめ測定しておいた皮革の伸度と
を比較することにより容易にわかることである。 次に本発明の人工皮革の製造法の一例について
説明する。先ず、マルチフイラメントの仮撚加工
糸をそのままかまたは199回/メートル以下の撚
りを施こし、織物にする。次にこの織物に必要に
より特定の範囲の伸度を持たせる。これにより本
発明品の皮革の伸度を調節することが可能とな
る。 織物に伸度を付与する好ましい方法としては、
熱水中での仮撚加工糸の収縮による伸びの発現を
利用する方法が用いられ、例えば、織物を熱水処
理により収縮させ、ついで所定の寸法に伸長し熱
セツトする方法である。伸度は熱水処理の温度、
時間、或いは熱セツト時の伸長率、セツト温度な
どの組み合わせにより容易にコントロールでき
る。 次に極細繊維からなるシートを作る。極細繊維
を得る方法としては、従来公知の方法を適用する
ことができる。例えば、海島繊維法、混合繊維法
などの潜在極細糸法や特願昭54−40519に代表さ
れる直接紡糸法、更にはメルトブローイング法な
どいずれも本発明の極細繊維を得る方法として用
いることができる。これをシート化するには、極
細繊維をカツトしもしくはせずにカードクロスレ
イヤーにより不織ウエツブにする方法、或いは抄
造法による方法、更にはメルトブローイングによ
り直接ウエブ化する方法などにより容易に得られ
る。織物はこの様にして得られた極細繊維シート
の間に挿入したり、或いはシートの裏面に貼りつ
けたりして続く交絡処理を受ける。 本発明の交絡状態は、極細繊維及び織物の性状
に応じて交絡の方法と条件を調整することにより
得られる。極細繊維として抄造された3〜10mm程
度の短繊維を用い、織物として追撚数0〜199
回/メートルの仮撚加工糸による目付量20〜100
g/m2程度の平織物を用いる場合には、交絡手段
としては、細孔ノズルより噴出する柱状水流によ
る交絡が好ましい。例えば、その条件としては、
ノズル径0.05〜0.5mmの多数の細孔ノズルから噴
射圧力1〜30Kg/cm2の柱状水流を前記シートの表
面、裏面に全面隅なく当てることが好まし。交絡
手段としては、この他、ニードルパンチ法なども
用いることができる。 次に必要により交絡体の毛羽立てを行なう。毛
羽立てする手段としては従来公知の手段、例えば
エメリーペーパー、針布、ブラシなどが適用でき
る。毛羽立ては弾性重合体の含浸前または含浸後
に行なうことができる。 交絡体に重合体を充填させる方法としては、従
来公知の乾式凝固法や湿式凝固法で弾性重合体を
含浸凝固させる方法がある。弾性重合体の好適な
例としてポリウレタンを用いる時には、ジメチル
ホルムアミド(DMF)を好ましい溶媒として用
い、湿式凝固の際の凝固浴には水、或いは水−
DMF系溶剤が好ましく用いられる。ポリウレタ
ン中に顔料、染料などの着色剤を添加しておくの
も良い。 最後に、これを染色し、好ましくは形成したナ
ツプをブラシなどで整毛すると、良好なライテイ
ングイエフエクトを有し、衣料特性に優れた本発
明の人工皮革が得られる。 以下実施例により本発明を具体的に説明する。
なお、以下の実施例において用いる測定法は下記
の様な方法によつた。 (1) 伸度:1Kg/cm荷重下の伸長率をJISL−
1079Cに準拠して測定した値。 (2) 柔軟性:JISL−1079カンチレバー法での値。 (3) 縫目強度:JISL−1093に準拠。乾条件にて
測定した。 (4) 引裂強度:JIS 1079cペンジユラム法に準拠。 (5) 縫製性:縫目バツカリング性といせこみ性で
評価した。 縫目バツカリング性については、紳士服の
脇の線に合致する様に巾10cm、長さ30cmの試
験片2枚を曲率0.04cm-1の曲線になる様に縫
い合わせ、視覚判定でもつて第1表の評価基
準で評価した。 いせこみ性については実際にサンプルを縫
製工程に適用して第1表の評価基準で評価し
た。
【表】 (6) ほつれ性 図面のようにハサミでカツトしたサンプルを
増布(エステルのジヤージイ:300g)ととも
に、150ノパークロルエチレンの入つたミツ
ビシパーマツクドライクリー+MC−9型(三
菱重工K.K社製)の投入した。洗濯条件は、洗
濯8分、遠心脱水5分、乾燥(60°×20分)の
サイクルを5回繰り返した。評価は、処理後サ
ンプルの4個所の裁断面からの織物のほつれの
有無を視覚判定した。 実施例 1 100デニール/48フイラメントのポリエチレン
テルフタレート(PET)の延伸糸に3000回/メ
ートル(加撚S撚、解撚Z撚)の仮撚加工を施こ
した後、この仮撚加工糸を経緯の糸密度が各々60
本/インチになる様に平織物に製織した。この織
物を95℃の熱水中で30分間リラツクス処理し、乾
燥後、経緯の糸密度が71本/inになる様に伸長し
180℃で、熱セツトした。得られた織物の1Kg/
cm荷重下の伸度は経緯各々15%であつた。 織物とは別に、特願昭54−40519の方法により
PETの0.1デニールの極細延伸糸を作り、これを
3mmにカツトし、更にポリビニルアルコール
(PVA)の1デニール、3mmカツト糸をPET/
TVA=80/20の比率で混合し、抄造法により100
g/m2の混抄シートを得た。この混抄シート上の
上に先に準備した織物を載せ、更にその上に前記
の混抄シートを載せサンドイツチの三層シートに
した。 この三層シートに0.2mmφのオリフイスを有す
るノズルから20Kg/cm2の圧の高圧水流を噴射し、
その操作を表裏各々4回ずつ繰り返した。この結
果三層シートはPET極細繊維相互及び極細繊維
と織物の追撚仮撚加工糸相互は十分に三次元に交
絡した。次いで交絡シートの表面を240メツシユ
のエメリーペーパーを装着したベルトサンダーで
毛羽立てし、ポリビニルアルコール(PVA)の
5%水溶液にその基体を含浸し絞り率300%で絞
り、乾燥した。PVAの付着量は基体繊維に対し
15重量%(以下付着量%は全て重量%とする。)
であつた。毛羽立てした方の表面層にカルボキシ
ルメチルセルロール(CMC)の濃厚溶液をドク
ターナイフで薄くコートし乾燥したのち、ポリエ
ーテル系のポリウレタンの1.5%DMF溶液を含浸
し、マングルで絞り、常温の水中に10分間凝固さ
せ乾燥した。 その後、90℃の熱水中で30分間かけて、基体シ
ート中のPVA繊維、PVA、CMCを全て抽出し乾
燥した。最後にこうして得られたシート状物を
Sumikaron Rubine SE−2BL 5% owfで染色
し、テクロリン25g/で還元洗浄を施こし乾燥
したのち、表面をナイロンブラシで軽く整毛し
た。 得られた人工皮革は、極めて優美なライテイン
グエフエクトを有するスウエード調表面を有し、
風合もはりのある柔軟性を有した優れたものであ
つた。また、衣料特性も以下に示す如く縫目、引
裂強度に優れ、かつ縫製性も優秀であつた。これ
を用いて裁ち切り縫製した婦人物コートは極めて
上品な感じを与える仕立て映えのするものであ
り、しかも耳ほつれがないものであつた。 縫目強度(経方向);40Kg/インチ 引裂強度(経方向);2.0Kg 柔軟度;47mm 伸度(1Kg/cm定荷重);経8%、緯13% ほつれ性;良好 縫製性:良好 (いせこみ性:0 縫目パツカリング:0) 実施例 2 PETの75デニール/36フイラメントの3000回
仮撚加工糸(加撚S撚、解撚Z撚)をZ方向に第
2表に示した追撚数で追撚した後、糸密度を経緯
とも75本/インチで平織物にした。この生機を90
℃の熱水中で40分間収縮処理をし、経緯の糸密度
が90本/インチになるように伸長し180℃のピン
テンター中で緊張熱処理を行つた。得られた織物
の伸度はそれぞれ第2表のようであつた。 これらの織物を用い実施例1と同様の方法で加
工しスウエード調人工皮革を得た。これらは表面
が優美なライテイングエフエクトを有し、はりの
ある柔軟性を有するもので、かつ衣料特性、ほつ
れ性、縫製性ともに第2表に示した様に極めめて
優秀なものであつた。 比較として本発明の範囲外の追撚数(200回/
メートル)を有する仮撚加工糸、及び仮撚加工を
施こさないストレート糸使いの織物を用いて同様
に処理して人工皮革を得たが、ほつれ性不良であ
つた。
【表】 〓表中の物性値は全て経緯の平均値〓
実施例 3 0.1デニール、5mmカツトと極細PET繊維90部
と1d、5mmカツトとPVA短繊維30部からなる目
付120g/m2の混抄シート上に、実施例1の熱セ
ツト織物を載せ、更にその上にメルトブロー法で
得られら平均繊度0.01デニールのPETの集積され
た目付量80g/m2のウエブを載せ3層シートとし
た。このシートを実施例1と同様の方法で人工皮
革を作つた。得られた皮革はメルトブロー法
PET繊維を表面にした為に、その表面に極めて
緻密なナツプを有するヌバツク調の表面を有し、
かつ柔軟性に富んだ高級皮革であつた。この皮革
は、縫目、引裂強度に優れ、しかもほつれ性、縫
製性ともに優れたものであつた。 実施例 4 ナイロン6の仮撚加工糸(70デニール/24フイ
ラメント)を用い、経65本/インチ、緯70本/イ
ンチの密度の平織物に製織した。この織物を80℃
の熱水で収縮処理しピンテンターで熱セツト処理
し、経緯17%の伸度を付与した。 一方、直接紡糸法によつて0.15デニールのナイ
ロン6を得て、これを3mmにカツトした短繊維90
部に1d、3mmのPVA短繊維10部を混合し抄造法
により目付80g/m2のシートを作つた。このシー
ト2枚の間に、先の熱セツト処理した織物をはさ
み、実施例1と同様の方法で皮革加工し、酸性染
料で染色後、整毛した。 この皮革は、優美なライテングエフエクトを有
した表面であり、柔軟性に優れ、しかも縫目、引
裂強度に優れ、かつほつれ性、縫製性ともに優れ
たものであつた。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明のほつれ性を評価する際のサンプ
ル形状を示した図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 0.5デニール以下の極細繊維が織物の少なく
    とも片面を覆つて織物と交絡している交絡体の組
    織間〓に弾性重合体が含有されてなる人工皮革に
    おいて、この織物を構成する繊維が単糸繊度3デ
    ニール以下のマルチフイラメントの仮撚加工糸よ
    りなり、仮撚加工糸には0〜199回/メートルの
    撚りが施され、そのトータルデニールが50〜150
    デニールであり、かつ織物の糸密度が60〜250
    本/インチであることを特徴とする人工皮革。 2 織物が平織物であることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の人工皮革。 3 仮撚加工糸のタフネス(TS×√)が1250
    以上であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    記載の人工皮革。 4 シート状物の1Kg/cm荷重下での伸度が経方
    向3〜20%、緯方向5〜40%であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の人工皮革。 5 シート状物の表面に極細繊維の毛羽が形成さ
    れていることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の人工皮革。
JP535582A 1982-01-19 1982-01-19 衣料特性の改良された人工皮革 Granted JPS58126379A (ja)

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JP535582A JPS58126379A (ja) 1982-01-19 1982-01-19 衣料特性の改良された人工皮革

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