JP2000080572A - 人工皮革 - Google Patents

人工皮革

Info

Publication number
JP2000080572A
JP2000080572A JP10252295A JP25229598A JP2000080572A JP 2000080572 A JP2000080572 A JP 2000080572A JP 10252295 A JP10252295 A JP 10252295A JP 25229598 A JP25229598 A JP 25229598A JP 2000080572 A JP2000080572 A JP 2000080572A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
artificial leather
degrees
reflected light
amount
ultrafine fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10252295A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromichi Iijima
弘通 飯島
Koji Watanabe
幸二 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP10252295A priority Critical patent/JP2000080572A/ja
Priority to PCT/JP1998/004554 priority patent/WO1999024656A1/ja
Priority to CA 2277077 priority patent/CA2277077C/en
Priority to EP98947794A priority patent/EP0953674B1/en
Priority to DE1998635805 priority patent/DE69835805T2/de
Publication of JP2000080572A publication Critical patent/JP2000080572A/ja
Priority to US10/078,218 priority patent/US6780469B2/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、立毛の方向性による表面の光沢差に
基づく縫製における差し込み性不良の問題を解決し、縫
製歩留まりを向上させた人工皮革を提供せんとするもの
である。 【解決手段】本発明の人工皮革は、極細繊維からなる絡
合体に高分子弾性体が付与され、少なくとも片面に極細
繊維からなる立毛面を有する人工皮革において、自動変
角光度計によって該立毛面を0度〜180度回転して測
定した変角反射曲線から、下記式で求められるR値が2
5%以下となることを特徴とするものである。 R値(%)=(R1−R3)/(R1−R2)×100 (ここで、R1:0度における反射光量、R2:0度〜
180度回転範疇における最小反射光量、R3:180
度における反射光量を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工皮革の表面立
毛方向性を極力少なくした人工皮革に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の極細繊維の絡合体と高分子弾性体
とからなる立毛を有する人工皮革製造技術は、最終製品
で立毛の方向性が強く、生地を方向転換してミシン縫す
ると色濃度差が発生し、同一方向で繋ぎ合わせて縫製す
る必要があった。そのため生地を有効に使用できず縫製
歩留まりに限界があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来人工皮
革のかかる問題点に鑑み、立毛の方向性による表面の光
沢差に基づく縫製における差し込み性不良の問題を解決
し、縫製歩留まりを向上させた人工皮革を提供せんとす
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の人工皮革は、極細繊維からなる
絡合体に高分子弾性体が付与され、少なくとも片面に極
細繊維からなる立毛面を有する人工皮革において、自動
変角光度計によって該立毛面を0度〜180度回転して
測定した変角反射曲線から、下記式で求められるR値が
25%以下となることを特徴とするものである。
【0005】 R値(%)=(R1−R3)/(R1−R2)×100 (ここで、R1:0度における反射光量、R2:0度〜
180度回転範疇における最小反射光量、R3:180
度における反射光量を示す。)
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまり立毛
の方向性による表面の光沢差に基づく縫製における差し
込み性不良の問題を解決し、縫製歩留まりを向上させた
人工皮革について、鋭意検討し、立毛面の光の反射状態
の特定なもの、すなわち、表面光沢差を極力少なくして
みたところ、意外にも、かかる課題を一挙に解決するこ
とを究明したものである。
【0007】極細繊維からなる絡合体に高分子弾性体が
付与され、少なくとも片面に極細繊維からなる立毛面を
有する人工皮革は、起毛するプロセスにおいて、例えば
サンドペーパーを用いて、シート表面をシートのタテ方
向にバフィングすることにより立毛を発生させる。この
時、バフィング方向によって立毛に方向性が付与され
る。ここで立毛表面をブラシでなでた場合に、立毛が倒
れ易い方向を正方向、立毛が起きる方向を逆方向と定義
する。
【0008】本発明で言う変角反射曲線の測定方法を図
1に示したモデル図で説明する。
【0009】まず、光源ランプとして、ハロゲンランプ
(12V、50W)を装着した自動変角光度計(GP−
1R,GP−200型)を用い、入射光(i)を人工皮
革(S)の表面の法線(N)に対し、中心点(O)に向
け、入射角(α)を60度、反射光(R)の受光角
(γ)を60度とする。次いで、素材がナイロン(21
0D−15f、東レ製)フィラメントを用い、地タテ糸
×地ヨコ糸=85×57本/inch、パイル本数=594
株/25mm2 、パイル長=2.6mm(生地裏からパイル
先端までの厚み)の二重パイル織物とし、ヒートセット
して、一方向にパイルを傾斜させたブラシ生地を、重さ
400gの長さ×幅=10×10cmの平面を有する加重
に張り付け固定したものを、人工皮革の立毛表面に乗
せ、立毛の正方向に5m/秒の速さでなでる。この操作
を5回繰り返し、測定試料とする。
【0010】上記の条件は、通常、人が衣服に付着した
塵をエチケットブラシを用いて除去する程度の条件であ
る。この試料を図1に示したように立毛の正方向(a)
が入射光(i)に対して直角になるようにセットする。
この位置での試料角度を0度とする。
【0011】ここで光源を当てると同時に該人工皮革を
矢印の方向に180度連続して回転させ、反射光(R)
を連続的に測定し変角反射曲線を得る。
【0012】ただし、人工皮革の色相により同じ光量で
も変角反射曲線上の反射光量は、当然異なったものとな
る。したがって、本発明に示すR値(%)を求める基準
条件は、次に述べる条件で測定した場合のものである。
【0013】まず、フッ化マグネシュウムの白板を用い
て、光量調整と装置の感度調整を使用して、フルスケー
ルを100%に調整する。次いで、例えば人工皮革の濃
色品を上記の条件でセットした場合は、当然、反射光量
は低い位置に推移する。また、人工皮革の淡色品を上記
の条件でセットした場合は、当然、反射光量は濃色品よ
り高い位置に推移する。このような人工皮革の色相によ
る差を無くし、同じ基準で評価するために、立毛の正方
向(a)が入射光(i)に対して直角(試料角度を0
度)になるようにセットした時の反射光量が、フッ化マ
グネシュウムの白板の50%の位置(X)に来るよう
に、光量絞りと装置の感度を調整してから、測定を開始
し、図2に示したごとき変角反射曲線を得る。これを用
いて下記計算式によりR値(%)を求めるものである。
ただし、人工皮革と言えども表面に多少の斑があるた
め、測定試料数=5とし、その平均値を求める。
【0014】 R値(%)=(R1−R3)/(R1−R2)×100 (ここで、R1:0度における反射光量、R2:0度〜
180度回転範疇における最小反射光量、R3:180
度における反射光量を示す。)変角反射曲線の一例を用
いて、さらに詳細に説明する。本発明で言うR1とは、
図2の変角反射曲線上におけるR1を指し、すなわち正
方向の立毛に光源が90度で当るその時の反射光量であ
る。またR2とは、該人工皮革を図1の矢印方向に一定
速度で180度まで連続的に回転させ、最も低い反射光
量を指し、R3とは180度回転した時、即ちR1にお
ける立毛の方向性と全く逆になった位置における反射光
量である。
【0015】本発明者らは、この変角反射曲線において
(R1−R2)の光量差を100%とし、(R1−R
3)の光量差がその何%に当るか求めたR値(%)が、
25%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは1
5%以下になると、生地を方向転換して、ミシン縫して
も立毛表面の光沢差が少なく、肉眼的に色濃度差が少な
くなり、生地が有効に使用でき縫製歩留が向上すること
を見出だしたものである。 このようなR値(%)を有
する高分子弾性体が付与され、少なくとも片面に極細繊
維からなる立毛面を有する人工皮革としては、極細繊維
からなる絡合体として、例えば互いに性質の異なる少な
くとも2成分のポリマーを用い、複合紡糸あるいは混合
紡糸などにより形成された複合繊維をウェブ化し、ニー
ドルパンチやウオータージェットパンチなどの絡合手段
を施して不織布とし、その後、少なくとも1成分を溶解
除去あるいは物理的、化学的作用により剥離、分割する
ことにより得られるものである。
【0016】かかる複合繊維および極細繊維の形態は特
に限定するものではない。上記の複合繊維は、例えば極
細繊維形成ポリマーとして、ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン12、共重合ナイロンなどのポリアミド
類、ポリエチレンテレフタレート、共重合ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合
ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタ
レートおよびその共重合体などのポリエステル類を配
し、溶解除去あるいは物理的、化学的作用により剥離、
分割可能なポリマーとして、上記のポリアミド類、ポリ
エステル類、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピ
レンなどのポリオレフィン類などを用い、これらのポリ
マーの中から極細繊維の断面形成性、紡糸性、延伸性な
どを考慮して組み合わせればよい。また、極細繊維形成
ポリマー中に、必要に応じて耐光剤、顔料、艶消し剤、
制電剤、難燃剤などの添加剤を含有せしめてもさしつか
えなく、かかる添加剤の有無によって、本発明の効果は
損なわれるものではない。
【0017】本発明における極細繊維は、単繊維状でも
よいが、好ましくは繊維束状がよい。かかる束状を形成
する本数としては、極細繊維の太さとの絡みから一概に
は限定できないが、好ましくは少なくとも5本、さらに
好ましくは15本以上、特に好ましくは30本以上であ
るのがよい。また、極細繊維の太さとしては、人工皮革
の風合い、表面タッチ、発色性および後述する立毛の緻
密性などの観点から、極細繊維の平均繊維太さは、好ま
しくは0.001dtex〜0.1dtexとし、平均
繊維太さが大きくなると極細繊維束を少なくし、また平
均繊維太さが小さくなると極細繊維束を多くする方向で
組み合わせるのが、本発明の効果を得るのに好ましいも
のである。平均繊維太さが0.001dtex未満では
繊維の強力が低下し、バフィング時に立毛が切れ易くな
り、また0.1dtexを越えると逆に立毛が短く均一
に切れ難くなり、不揃いな立毛となり、本発明の効果が
得難くなる。
【0018】このような極細繊維が形成する絡合体に高
分子弾性体が付与されたものであり、該高分子弾性体と
しては、特に限定されるものではなく、例えばポリエス
テルジオール系、ポリエーテルジオール系、ポリカーボ
ネートジオール系などを単独もしくは組み合わせたもの
などが人工皮革の風合い、表面タッチの観点から好まし
く用いられる。該弾性体中に必要に応じて着色剤、酸化
防止剤、制電防止剤、分散剤、柔軟剤、凝固調整剤など
の添加剤が配合されたものであってもよい。
【0019】本発明の人工皮革は、図3に示したように
R値(%)が25%以下であると共に、さらに試料面を
90度前後に回転したとき、図2に示した反射曲線上の
90度前後における顕著な2つの反射光量変化の谷間を
殆ど有さないことが特徴である。このことは反射光量変
化が90度前後においても殆どなく、色濃度差が発生し
難いものとなる。
【0020】上記の特性を有する人工皮革は、見掛密度
を高め、極力表面を繊維リッチにするのが好ましく、そ
の目安としては、好ましくは0.3g/cm3 以上、さらに
好ましくは0.4g/cm3 以上とするのがよい。極細繊維
の見掛密度を高める手段としては、極細繊維を発生させ
る複合繊維の繊維収縮率を高め、絡合体の面積収縮率を
高め、その後、圧縮する方法、高分子弾性体の溶剤また
は膨潤剤をシートに付与し、その後、圧縮する方法ある
いは立毛表面に高分子弾性体の溶剤または膨潤剤を付与
し圧縮する方法など適宜組み合わせることにより達成可
能である。
【0021】かかる人工皮革の見掛密度0.3g/cm3
満となると、立毛の方向性がきつくなり、また高分子弾
性体が表面に露出し易い方向になり、図2に示したよう
な反射曲線上の90度前後において、2つの反射光量変
化の谷間が生じ、肉眼的に色濃度差が見え易い方向にな
る。また、反射光量変化は、人工皮革表面の立毛状態に
より変化する。人工皮革表面への立毛の付与は、極細繊
維の絡合体に高分子弾性体が付与されたシートを例えば
サンドペーパーを用いて少なくとも片面をバフィングす
ることにより、極細繊維からなる立毛面を有する人工皮
革が得られる。本発明の効果を高めるには、極細繊維の
束状の立毛を均一に短くするのがよい。かかる立毛長さ
としては、好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.
5mm以下がよい。立毛長さが1mmを越えると、立毛の方
向性がきつくなり、R値(%)が高くなる傾向になる。
また、束状の立毛が筆状の立毛状態より、束全体の極細
繊維の立毛長がベルベットのパイルの如く、揃って、か
つ短くなるのが好ましい。このような立毛状態を得る手
段としては、例えばバフィング速度を高めたり、サンド
ペーパーの塗粒を細かくしたり或いは極細繊維と高分子
弾性体との接着性を高めてからバフィングする、或いは
シート表面に微細な無機微粒子をブラシで塗布し、摩擦
抵抗を高めてから高速度でバフィングスルなどの方法を
適宜組み合わせて起毛処理するのが好ましい。しかしな
がら一般的な傾向としては、極細繊維が太くなり、かつ
束本数が多く、立毛が短くなると人工皮革の風合い、タ
ッチが劣る方向になる。このような品質欠点をなくしな
がら、かつ本発明の特性値を付与させるには、例えば、
染色前または後において極細繊維形成ポリマーがポリエ
ステルまたはその共重合体類である場合は、アルカリ溶
液で極細繊維を適性範疇に減量処理し、立毛間の空隙を
開け、立毛先端を細くすることにより、またはポリアミ
ド類の場合は、膨潤剤で前処理し、染色での揉み処理条
件を適宜選択することにより、上記の製品欠点を緩和す
ると共に人工皮革のR値(%)を低くすることができ
る。
【0022】本発明の人工皮革は、衣料分野は勿論であ
るが、家具、鞄、靴、カーシートなどの資材分野におい
ても生地の方向性が少なく、縫製歩留まりを高めるのに
有効なものである。資材分野においては、衣料分野より
製品強力が更に要求される。製品強力を高め本発明の効
果を同時に付与させるには、極細繊維からなる絡合体と
織物または編み物とが交絡一体化されたシートに高分子
弾性体が付与され、少なくとも片面に極細繊維からなる
立毛面を有し、自動変角光度計によって該立毛面を0度
〜180度回転して測定した変角反射曲線から、前記R
値が25%以下となる人工皮革が好ましい。このような
人工皮革の構造形成は、上記の複合繊維のウエブあるい
は抄紙法により得られたウエブを織物もしくは編み物に
積層し、ニードルパンチやウォータージエットパンチあ
るいはこれらを組み合わせた絡合処理により絡合一体化
するものである。積層方法としては、ウエブの両面もし
くは片面に織物もしくは編み物を積層し絡合処理する方
法あるいは片面に積層し絡合処理した後、さらに該絡合
体を複数重ねて再度絡合処理し、後工程でスライスする
方法などが用いられる。
【0023】織物もしくは編み物を構成する糸種として
は、フィラメントヤーン、紡績糸、フィラメントと短繊
維の混紡糸などを用いることができ、特に限定されるも
のではない。また、織物もしくは編み物の種類として
は、経編、トリコット編みで代表される緯編、レース編
およびそれらの編み方を基本とした各種編み物、あるい
は平織、綾織、朱子織およびそれらの織り方を基本とし
た各種織物などいずれも採用することができ、特に限定
されるものではない。
【0024】糸種によっては、ニードルパンチで複合繊
維と織物もしくは編み物との絡合を強固にする場合、切
断され易いことがあり、これを防止する手段としては、
これらの糸種が強撚糸であることが好ましい。
【0025】かかる強撚糸の撚り数としては、500T
/m以上、4500T/m以下が好ましく、より好まし
くは1500T/m以上、最も好ましくは2000T/
m以上である。500T/m未満では、糸を構成する単
糸同士の絞まりが不十分であるため、ニードルにひっ掛
かり損傷し易く、また、撚り数が多すぎても、繊維が硬
くなりすぎ、製品風合柔軟化の点から好ましくなくなる
ので、上限としては好ましくは4000T/m以下とす
るのがよい。
【0026】織物もしくは編み物を構成する繊維は、ポ
リエステル類、ポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンおよびそれらの共重合体類が用いられる。中でも
ポリエステル類、ポリアミド類およびそれらの共重合体
類を単独または複合して用いるが好ましい。
【0027】かかる織物もしくは編み物を挿入すると、
製品風合が硬くなる方向にあるが、より柔軟化せしめる
には、編み物を構成する繊維が細化可能型複合繊維であ
ることが好ましい。細化可能型複合繊維とは、少なくと
も1成分を溶解除去し、あるいは物理的、化学的作用に
より剥離、分割することにより極細化可能な複合繊維で
あり、その複合繊維の断面形状は特に限定するものでは
ない。
【0028】例えば、極細繊維を形成するポリマーとし
ては、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン1
2、共重合ナイロンなどのポリアミド類、ポリエチレン
テレフタレート、共重合ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリブチレンテレ
フタレートなどのポリエステル類などを使用することが
できる。溶解除去あるいは物理的、化学的作用により剥
離、分割されるポリマーとしては、上記のポリアミド
類、ポリエステル類、ポリエチレン、ポリスチレン、ポ
リプロピレンなどのポリオレフィン類を使用することが
できる。これらの中から極細繊維の断面形成性、紡糸
性、延伸性や整織性、ウエブに用いる複合繊維との脱海
性などを考慮して組み合わせればよい。また、これらの
ポリマー中に必要に応じて安定剤、艶消し剤、制電剤、
難燃剤などの添加剤を含有せしめても、本発明の効果が
損なわれるものではない。上記の構成にした後、高分子
弾性体に必要に応じて着色剤、酸化防止剤、制電防止
剤、分散剤、柔軟剤、凝固調整剤、難燃剤、抗菌剤、防
臭剤などの添加剤を配合し付与し、極細繊維太さ、束
数、極細繊維密度および立毛長を前述した条件で仕上げ
ることにより、本発明の人工皮革が得られるものであ
る。
【0029】
【実施例】以下に、本発明を実施例にて詳細に説明する
が、本発明の有効性や権利の範囲はこれによって限定、
制約をうけるものではない。むしろ次の応用、発展をも
たらすものである。
【0030】実施例1 島成分がポリエチレンテレフタレート、海成分がポリス
チレン、島/海比率=30/70重量%、島数36島、
複合繊維デニール約4d、カット長約51mm、ケン縮数
約12山/inとした高分子相互配列体繊維のステープル
を用い、このステープルをカード・クロスラッパーでウ
ェブとし、ニードルパンチして目付790g/m2 のフ
ェルトを作製した。
【0031】このフェルトを収縮処理し乾燥し、ポリビ
ニールアルコールを付与し、乾燥した後、トリクレンに
浸漬し、マングルで圧搾する操作を繰り返した後、乾燥
した。このシートにポリエステル−ポリエーテル系ポリ
ウレタンを固形分として対島繊維当たり約30部となる
ように含浸し、湿式凝固した。
【0032】次いで、ジメチルホルムアミドの90重量
%水溶液中に浸漬すると共に厚みの約半分のクリアラン
スで圧縮し、水中に浸漬し、溶剤除去を行い、乾燥し平
均繊維太さが約0.04dtexのポリエチレンテレフ
タレートの極細繊維束の絡合体に高分子弾性体が付与さ
れたシートを得た。このシートを厚み方向に半裁し、半
裁面を400メッシュのサンドペーパーで起毛処理を行
い、生機を作製した。次いで、この生機をサーキュラー
染色機に投入し、極細繊維の減量率が4%となるように
アルカリ処理を施し、一度、サーキュラー染色機からシ
ートを取り出し、投入方向を逆転させて再投入し、その
後、分散染料を用いてブラウン系に染色、仕上処理を行
い、更にタンブラー型揉み処理機に掛け、同時に乾燥処
理を行ない、見掛密度が0.41g/cm3 、立毛長さが
約0.7mmの人工皮革を得た。この人工皮革をタテ×ヨ
コ=5×5cmに切断し、ブラシで立毛表面を正方向に5
回撫でた後、自動変角光度計によって該立毛面を0度〜
180度連続的に回転し変角反射曲線を測定した。変角
反射曲線から得られたR値は15%で、かつ図3に示し
たような反射曲線上の90度前後における2つの反射光
量変化の谷間を殆ど有さないものであった。この人工皮
革をタテ×ヨコ=30×10cmものを2枚採取し、1枚
を180度逆転させ、タテ方向にミシン縫いし、その立
毛面の色濃度差を肉眼判定したところ極めて差の少ない
ものであった。このシートで婦人物ジャケットを縫製し
たところ歩留まり率は、約20%向上することが確認さ
れた。実施例2 実施例1と同じ高分子相互配列体繊維のステープルを用
いたウェブをポリエチレンテレフタレートの75D−7
2f、撚り数2500T/mの生糸仮撚糸使いの平織物
(目付70g/m2 )に積層し、ニードルパンチを行い
目付780g/m2 のフェルトを作成した。以後、実施
例1と同じ条件で処理し平均繊維太さ約0.04dte
xのポリエチレンテレフタレートからなる極細繊維束と
織物とが絡合一体化した繊維絡合体にポリウレタンが付
与された見掛密度が0.44g/cm3 、立毛長さが約0.
7mmの人工皮革を得た。
【0033】この人工皮革を実施例1と同じ方法で測定
した変角反射曲線から得られたR値は12%で、かつ実
施例1と同様な反射曲線上の90度前後における2つの
反射光量変化の谷間を殆ど有さないものであった。実施
例1と同様にミシン縫い後の肉眼判定での色濃度差も極
めて差の少ないものであった。
【0034】比較例1 島成分がポリエチレンテレフタレート、海成分がポリス
チレン、島/海比率=80/20重量%、島数16島、
複合繊維デニール約4d、カット長約51mm、ケン縮数
約12山/inとした高分子相互配列体繊維のステープル
を用い、このステープルをカード・クロスラッパーでウ
ェブとし、ニードルパンチして目付520g/m2 のフ
ェルトを作製した。このフェルトを収縮処理し乾燥し、
ポリビニールアルコールを付与し、乾燥した後、トリク
レンに浸漬し、マングルで圧搾する操作を繰り返した
後、乾燥した。このシートにポリエステル−ポリエーテ
ル系ポリウレタンを固形分として対島繊維当たり約30
部となるように含浸し、湿式凝固し、溶剤除去を行い、
乾燥し平均繊維太さ約0.23dtexのポリエチレン
テレフタレートの極細繊維束の絡合体に高分子弾性体が
付与されたシートを得た。このシートを半裁し、非半裁
面を240メッシュのサンドペーパーで起毛処理を行
い、生機を作製した。
【0035】次いで、この生機をサーキュラー染色機に
投入し分散染料を用いてブラウン系に染色、仕上処理を
行った。かくして見掛密度が0.25g/cm3 、立毛長さ
が約1.3mmの人工皮革を得た。
【0036】この人工皮革を実施例1と同じ方法で測定
した変角反射曲線から得られたR値は37%で、かつ図
2に示したような反射曲線上の90度前後における2つ
の反射光量変化の顕著な谷間を有したものであった。実
施例1と同様にミシン縫い後の肉眼判定での色濃度差は
大きいものであった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、立毛方向性による表面
の色差を極力減少させたものを提供することができ、衣
料分野、資材分野における縫製歩留まりを向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明でいう変角反射曲線の測定方法モデル図
である。
【図2】従来の人工皮革の変角反射曲線の一例を示すも
のである。
【図3】本発明の人工皮革の変角反射曲線の一例を示す
ものである。
【符号の説明】
S:試料面 i:入射光 R:反射光 α:入射角 γ:受光角 N:試料面の法線 O:中心点 a:立毛の方向性 R1:0度における反射光量 R2:0度〜180度回転範疇における最小反射光量 R3:180度における反射光量

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極細繊維からなる絡合体に高分子弾性体が
    付与され、少なくとも片面に極細繊維からなる立毛面を
    有する人工皮革において、自動変角光度計によって該立
    毛面を0度〜180度回転して測定した変角反射曲線か
    ら、下記式で求められるR値が25%以下となることを
    特徴とする人工皮革。 R値(%)=(R1−R3)/(R1−R2)×100 (ここで、R1:0度における反射光量、R2:0度〜
    180度回転範疇における最小反射光量、R3:180
    度における反射光量を示す。)
  2. 【請求項2】極細繊維からなる絡合体が織物または編み
    物とが交絡一体化されたシートに高分子弾性体が付与さ
    れ、少なくとも片面に極細繊維からなる立毛面を有する
    人工皮革であって、自動変角光度計によって該立毛面を
    0度〜180度回転して測定した変角反射曲線から、請
    求項1に記載の下記式で求められるR値が25%以下と
    なることを特徴とする人工皮革。 R値(%)=(R1−R3)/(R1−R2)×100 (ここで、R1:0度における反射光量、R2:0度〜
    180度回転範疇における最小反射光量、R3:180
    度における反射光量を示す。)
  3. 【請求項3】該織物または編み物の構成糸の少なくとも
    一部が、500T/m以上、4500T/m以下の強撚
    糸により構成されていることを特徴とする請求項2記載
    の人工皮革。
JP10252295A 1997-11-07 1998-09-07 人工皮革 Pending JP2000080572A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10252295A JP2000080572A (ja) 1998-09-07 1998-09-07 人工皮革
PCT/JP1998/004554 WO1999024656A1 (fr) 1997-11-07 1998-10-08 Similicuir du type nubuck et son procede de fabrication
CA 2277077 CA2277077C (en) 1997-11-07 1998-10-08 Nubuck-like artificial leather and a production process thereof
EP98947794A EP0953674B1 (en) 1997-11-07 1998-10-08 process for the production of nubuck-type artificial leather
DE1998635805 DE69835805T2 (de) 1997-11-07 1998-10-08 Verfahren zur herstellung eines nubuck-kunstleders
US10/078,218 US6780469B2 (en) 1997-11-07 2001-11-07 Nubuck-like artificial leather and a production process thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10252295A JP2000080572A (ja) 1998-09-07 1998-09-07 人工皮革

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000080572A true JP2000080572A (ja) 2000-03-21

Family

ID=17235278

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10252295A Pending JP2000080572A (ja) 1997-11-07 1998-09-07 人工皮革

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000080572A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002363856A (ja) * 2001-06-06 2002-12-18 Toray Ind Inc 表面形状に基づく黒発色性評価方法
JP2015161040A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 東レ株式会社 シート状物およびその製造方法
JP2019189962A (ja) * 2018-04-23 2019-10-31 東レ株式会社 シート状物およびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002363856A (ja) * 2001-06-06 2002-12-18 Toray Ind Inc 表面形状に基づく黒発色性評価方法
JP2015161040A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 東レ株式会社 シート状物およびその製造方法
JP2019189962A (ja) * 2018-04-23 2019-10-31 東レ株式会社 シート状物およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101331265B (zh) 具有优异的强度和伸长率性质的绒面状人造革
TWI250239B (en) A composite sheet used for artificial leather with low elongation and excellent softness
EP0953674B1 (en) process for the production of nubuck-type artificial leather
JP4967627B2 (ja) 皮革様シートおよびその製造方法
JP4267145B2 (ja) 立毛繊維シート及びその製造方法
JP2000080572A (ja) 人工皮革
JP3428425B2 (ja) 人工皮革
JPH05132878A (ja) 立毛性状、柔軟性および高強力に優れた皮革様物の製造方法
TWI782262B (zh) 片狀物
JP7096694B2 (ja) メランジ効果を発現する人工皮革
KR100500746B1 (ko) 오염물 제거용 직물 및 그의 제조방법
KR20030036445A (ko) 장섬유 코듀로이 직물의 제조방법
JP3997592B2 (ja) 人工皮革およびその製造方法
JP4419669B2 (ja) 皮革様シート状物ならびにその製造方法
JP2008127705A (ja) ポリプロピレンマルチフィラメント繊維を用いた繊維製品およびその製造方法
JPS6353310B2 (ja)
JP2002054077A (ja) 人工皮革
JP4110800B2 (ja) タテ方向伸縮性に優れた人工皮革及びその製造方法
JP7352142B2 (ja) 人工皮革およびその製造方法
JPS61152849A (ja) 内装用パイル布帛
JPH0128151B2 (ja)
JP4605616B2 (ja) 起毛織物
KR100681375B1 (ko) 중량감과 두께감이 우수한 스웨이드조 원단 및 그의제조방법
JPH034669B2 (ja)
JPH05345377A (ja) 立毛シート状物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080523

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090523

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090523

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100523

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100523

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees