JP3083690B2 - カットパイル織物 - Google Patents

カットパイル織物

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JP3083690B2 JP05212784A JP21278493A JP3083690B2 JP 3083690 B2 JP3083690 B2 JP 3083690B2 JP 05212784 A JP05212784 A JP 05212784A JP 21278493 A JP21278493 A JP 21278493A JP 3083690 B2 JP3083690 B2 JP 3083690B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカットパイル織物に関す
るものであり、さらに詳しくは、立毛長が短いにもかか
わらず、地透け感のないカットパイル織物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーヨンや綿のカットパイル
織物、特にベルベット織物は毛足が長く、かつ毛の方向
が均一で優雅なシルエットを有しているため、高級感の
ある織物として用いられてきたが、パイル割れ(パイル
が倒れて地組織が透けて見える現象)が生じたり、目付
が大きくて重いという欠点を有していた。
【0003】このような欠点を改良するため、例えば特
開昭62−191543号公報には、パイル糸に単繊維
繊度1デニール未満、特に0.5デニール未満の極細繊
維を用い、織構造を特定することによって立毛パイルを
ランダム化させ、パイル割れを防止したカットパイル織
物が開示されている。
【0004】しかしながら、該公報に記載の織物は立毛
長が5mm以上のものであり、毛足が5mmに満たな
い、いわゆるシフォンベルベットのような立毛織物を得
ようとすると、地組織が透けて見えるという問題を有し
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の有する問題点を解消し、毛足の短い立毛織物
における地組織の透けを防止するとともに、従来にない
自然な外観を有し、しかも軽くてソフトな表面タッチと
適度な張り、腰を有するカットパイル織物を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決するため鋭意検討した結果、パイル織物の地組織を
強撚糸で構成し、その解撚トルクを利用して立毛パイル
をランダム化させるとき、立毛長が短いにもかかわらず
パイル割れによる地透けのない織物が得られることを究
明した。
【0007】かくして本発明によれば、パイル部を構成
する繊維の単繊維繊度が0.5デニール未満、パイル長
さが5mm未満のカットパイル織物において、該織物の
地組織が、単繊維繊度が1.0デニール以上であるマル
チフィラメント糸の強撚糸で構成されており、カットパ
イル立毛部がランダム配列状態を呈していることを特徴
とするカットパイル織物が提供される。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
カットパイル織物において、パイル部には単繊維繊度が
0.5デニール未満の極細繊維が使用される。単繊維繊
度が0.5デニールを越える場合には軽くてソフトな風
合が得られない。特に好ましい単繊維繊度の範囲は0.
1〜0.3デニールである。
【0009】該極細繊維を形成するポリマーとしては、
極細繊維が形成可能なポリマーであれば特に制限はな
く、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ナイロン6あるいはナイロン66などが例示
される。
【0010】かかるポリマーには本発明の目的を阻害し
ない範囲で、染色性改良剤、安定剤、可塑剤、艶消剤、
滑剤、および難燃剤等の改質剤や添加剤を含有せしめる
こともできる。
【0011】単繊維繊度が0.5デニール未満の極細繊
維を得る方法としては、直接紡糸法、スーパードロー
法、海島型複合繊維あるいは剥離分割型複合繊維などの
物理的、化学的分割等公知の方法が任意に採用できる。
【0012】特に好ましいのはポリエステルおよびポリ
アミドから構成される中空多層貼合わせ型複合繊維をア
ルカリで溶割した繊維である。
【0013】即ち、上記繊維を用いれば、アルカリ溶割
後、立毛部の密度を大幅に高めることが可能となり、織
物の地透けを目立ちにくくさせることができる。
【0014】また、地組織は、単繊維繊度が1.0デニ
ール以上であるマルチフィラメント糸の強撚糸で構成さ
れていることが必要である。単繊維繊度が1.0デニー
ル未満の場合には得られる織物の張り、腰が不足する。
特に好ましい単繊維繊度の範囲は1.0〜2.0デニー
ルである。
【0015】上記マルチフィラメント糸の撚数は、解撚
トルクが充分に発現して立毛パイルをランダム配列させ
ることができる程度であればよく、マルチフィラメント
糸の全デニールに応じて適宜調整すればよい。
【0016】撚数が少なすぎる場合には解撚トルクの発
現が不充分となり、立毛パイルをランダム配列させるこ
とが困難となるばかりでなく、織物の張り、腰が不足す
る。一方、撚数が多すぎる場合には織物の風合が粗硬と
なる。好ましい撚数の範囲は1500〜4000T/m
である。
【0017】上記マルチフィラメント糸には、製織時の
取り扱い性を向上させるために撚止めセットを施しても
構わない。但し、製織後、精練や染色あるいはファイナ
ルセットなどの加熱工程で解撚トルクが発現することが
必要であるので、撚止めセットはできるだけ低温で実施
することが好ましい。
【0018】本発明のカットパイル織物は、2重織機を
使用し、上下2枚の地組織を中間に仕掛けたパイル経糸
で連結させた後、中間のパイル糸を切断することにより
得られる。
【0019】この場合、立毛パイルの長さが5mm以下
になるように2枚の地組織の間隔を調節する。立毛パイ
ルの長さが5mmを越える場合には前述のような所望の
織物が得られない。
【0020】また、上記織物の製織に際しては、本発明
の目的を損なわない範囲で木綿などの天然繊維、レーヨ
ンなどの再生繊維、および他の合成繊維と交織されても
かまわない。
【0021】次いで、上記織物は、常法に従って精練、
リラックスした後染色される。
【0022】この際、パイル経糸に海島型複合繊維ある
いは剥離分割型複合繊維などを使用し、溶解あるいは分
割して極細繊維とする場合には、上記工程中で溶解や分
割を同時に行なっても良い。
【0023】例えば、ポリエステルおよびポリアミドか
ら構成される中空多層貼合わせ型複合繊維を用いた場合
には、リラックス処理するに際し、苛性ソーダを併用し
て溶割する方法等が特別な装置を必要とせず好ましい。
【0024】また、リラックス処理や染色に際しては、
液流染色機など、布に対する揉み作用の強い装置を用い
ることが好ましい。
【0025】かくして得られたカットパイル織物は、地
組織を構成する繊維の解撚トルクにより、立毛パイル部
がランダムな配列状態を呈している。
【0026】上記本発明のカットパイル織物には各種の
仕上げ加工を施しても良い。特に撥水加工を行なった場
合には、極細繊維からなる立毛パイル部がランダムな配
列状態を呈した織物の表面形態と相俟って顕著な効果が
発現する。
【0027】
【作用】立毛パイル部の配列が均一な織物、特にパイル
長さが5mm未満の織物は、地組織が透けて見えること
は既に説明した通りである。
【0028】これに対して、本発明のカットパイル織物
は、地組織を構成するマルチフィラメント糸が強撚糸で
あり、精練や染色あるいはファイナルセット工程での加
熱によって大きな解撚トルクが発現するので地組織が踊
り、この作用によって地組織に連結された立毛パイルが
ランダム配列状態を呈する。
【0029】従って、立毛長が短いにもかかわらず、パ
イル割れによる地透けのないカットパイル織物が得られ
る。
【0030】さらに、本発明のカットパイル織物はパイ
ル部に極細繊維が配されているので、表面タッチが軽く
てソフトである一方、地組織が強撚糸で構成されている
ので適度な張り、腰も有している。
【0031】また、本発明のカットパイル織物は短い立
毛がランダムに配列しているので、織物表面の立毛繊維
中に多量の空気を含んでおり、撥水性や保温性にも優れ
ている。
【0032】以下、実施例により本発明をさらに具体的
に説明する。
【0033】
【実施例1】2重ベルベット織機を用い、下記の構成成
分を使用して経パイル組織の複パイル織物を製織した
後、パイル部をナイフでカットしてカットパイル織物を
得た。
【0034】(パイル経糸)ポリエチレンテレフタレー
トとポリアミドの比率が50:50で、ポリエチレンテ
レフタレートが8層、ポリアミドが8層の計16層から
なる、70デニール/20フィラメントの中空多層貼合
わせマルチフィラメントを使用した。
【0035】(地組織の経糸)50デニール/24フィ
ラメントのポリエチレンテレフタレートの双糸を使用し
た。該双糸の撚数は下撚が2000T/m、上撚が20
00T/mであった。
【0036】(地組織の緯糸)50デニール/24フィ
ラメントのポリエチレンテレフタレートに2000T/
mの撚糸を施し、90℃で20分間撚止めセットしたマ
ルチフィラメント糸を使用した。
【0037】上記織物を拡布して精練した後、液流染色
機(日阪製作所製、サーキュラーRA型)を用いて12
0℃、30分間リラックスを行なった。この際、10g
/lの苛性ソーダを入れ、中空多層貼合わせマルチフィ
ラメントを溶割してパイル部の単繊維繊度を0.2デニ
ールとした。
【0038】次いで、上記織物を常法に従ってプレセッ
ト、染色、ファイナルセットした後、明星化学 (株) 製
アサヒガードAG−710(固形分18%)5%水溶液
に浸漬し、マングルで絞った後乾燥、熱処理を行なっ
た。
【0039】得られたカットパイル織物の密度は経30
0本/インチ、緯112本/インチ、立毛パイルの長さ
は地組織から0.8mmであった。
【0040】該織物はパイル割れによる地組織の透けが
なく、立毛パイルがランダム配列された独特の外観を有
しているとともに、表面タッチが軽くてソフトである
上、適度な張り、腰を有する高級感のあるものであっ
た。
【0041】また、該織物は、極めて良好な撥水性能を
有していた。
【0042】
【比較例1】実施例1において、地組織の経糸および緯
糸の撚数(双糸の場合は上撚、下撚とも)を800T/
mとした以外は実施例1と同様に実施した。
【0043】得られた織物は立毛パイルの乱れが少な
く、地組織が透けて見える上、張り、腰が不足であっ
た。また、実施例1の織物に比べ撥水性の劣るものであ
った。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、立毛長が短いにもかか
わらずパイル割れによる地組織の透けがなく、軽くてソ
フトな表面タッチと適度な張り、腰を有するカットパイ
ル織物が得られ、ブルゾン、ウインドブレーカー、コー
ト、パンツ、スカートなどの一般衣料用途をはじめ、イ
ンテリア用途などに好適に使用できる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイル部を構成する繊維の単繊維繊度が
    0.5デニール未満、パイル長さが5mm未満のカット
    パイル織物において、該織物の地組織が、単繊維繊度が
    1.0デニール以上であるマルチフィラメント糸の強撚
    糸で構成されており、カットパイル立毛部がランダム配
    列状態を呈していることを特徴とするカットパイル織
    物。
  2. 【請求項2】 強撚糸の撚数が1500〜4000T/
    mである請求項1記載のカットパイル織物。
  3. 【請求項3】 パイル部を構成する繊維が、ポリエステ
    ルおよびポリアミドから構成される中空多層貼合わせ型
    複合繊維をアルカリ溶割した繊維である請求項1または
    2記載のカットパイル織物。
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