JPH021641B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この発明はコンクリートブロツクの表面に弾力
性を有する緩衝層を被覆する積層成形法に関す
る。

＜従来の技術＞ 本発明に最も近い従来技術としては、特公昭60
−33670号公報の発明がある。それは、粉砕した
ゴムチツプと接着剤とを混合した練合物を型枠の
底部に敷均し、直ちに、その上にセメントを振り
かけ、型枠を振動させて醋酸ビニール樹脂を上記
練合物の空隙内に充填し、その上に生コンクリー
トを充填して再び振動させ凝固したら脱型する、
というものである。

＜発明が解決しようとする問題点＞ 従来技術では弾性を有するゴムチツプや弾性素
材とを接着剤で混合した粘着性のあるゴム混合物
を直接コンクリート型枠の内部に振動を与えなが
ら投入してから型枠の底部に密着するように鏝に
て平らにならし、更にその上にエマルジヨンの接
着剤を塗布して弾性素材間の空隙に接着剤を浸透
させて結合し、その上面にスランプのあるコンク
リートを再び振動を掛けながら投入して上面を仕
上げ型枠内でコンクリートと弾性を有するゴム層
とを一体に凝固させ、硬化後に型枠から製品を脱
型していた。

この技術ではゴムチツプ同志又はコンクリート
との固着は専ら型枠内で行なつている。そのた
め、粘着性のある弾性素材を型枠底面へ層状に定
量供給することが困難なので深さのある型枠底部
に鏝などを利用して上面をたたきながら平らにな
らすのに手間が掛り、且又、平らにしてから樹脂
を空隙内に充填して結合させるので表面の弾性層
を形成仕上げするのに労力と時間を要するのであ
る。

加えて表面形状が凹凸を有する場合には型枠が
製品高さを有するので底面が深く、底面の表面層
を薄く一様に充填仕上げるのに作業性も悪くその
結果厚くなり材料を多量に使用することになる。

又全ての充填作業を同一の型枠で行なつてから
製品が凝固して脱型するまで長時間を要し、その
間型枠を放置しておかなければならないので極め
て能率が悪いものとなつていた。

本発明の目的は粘着性のある素材でも表面に凹
凸のある表面層に薄く一様に形成できる様にし、
又コンクリートに弾性素材層を被覆したら直ちに
型枠から脱型してコンクリート層とゴム弾性層を
強固に結合する成形法を提供するところにある。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記の目的を達成するために本発明は積層被覆
するゴムチツプなどの弾性素材を接着粘性液又は
粘性粉粒を加えて混合してから、あらかじめ皿形
面パレツトに所要量だけ充填して被覆表面層を形
成しておき、製品成形時には型枠の底面部に皿型
面パレツトを供給し、直ちに面パレツト上面にパ
サパサコンクリートを給材して振動加圧成形する
か、或はコンクリート部成形後に型枠上面に皿型
面パレツトを被覆し、その上面から振動、プレス
成形を行なつて即時に型枠の上側又は下側に脱型
し養生工程でコンクリートと積層した弾性素材層
と一体に強固に凝結させるようにしたのである。

これにより製品成形時に要していた被覆する表
面層の充填時間を削減し且つ又表面に凹凸部があ
つても高さの低いパレツトで表面形成作業を行な
うので薄く被覆させることが容易で、しかも即時
脱形製法なので生産能率が著しく向上し得るので
ある。

＜作用＞ 本発明の積層成形法は積層する弾力性素材ゴム
を底板を兼ねた皿形面パレツトに接着粘性液又は
粘性粉粒を加えて混合した弾性素材を所要面パレ
ツトに充填して被覆上面層を形成するので表面の
仕上りもよく、表面形状に凹凸があつても薄く均
一に形成することができる。

又コンクリートとの接合形状や必要に応じて面
パレツト上面に接着剤、セメント、粘性液などを
直接塗布することも容易なので、コンクリートと
被覆する弾性素材との結合を強固にすることが可
能となつた。

＜実施例＞ 第１図は成形状況を示す全体正面図で、第２図
〜第６図は皿型パレツトを用いた弾性素材とコン
クリートの結合動作の説明図で、第８，９図は成
形された製品の斜視図である。

１は弾性素材を結合する樹脂で、５は被覆する
弾性素材層を作る皿型パレツト、１１は型枠内で
コンクリート上面を加圧するプレス板、１３はコ
ンクリート給材ホツパーで１６は振動機である。

ここにいう緩衝層を形成する弾性素材の中に
は、素材間の空隙を埋める充填材や防水性、耐久
性を高める添加材料を含むものである。

次に本発明の成形方法を説明する。先ずはじめ
にコンクリート上面の緩衝層を作るためにコロコ
ンベア９の上に順次供給される皿型パレツトの内
面に離型剤６を塗布し、ついでテーブルバイブレ
ータ１５の方へ移動させミキサー（図示せず）で
ゴムチツプの弾性素材Ａを相互接着してコンクリ
ートとの結合を可能にする被覆層を作るために樹
脂液を加えて混合するとゴムチツプ表面には接着
力を有する皮膜が形成される。それからゴムチツ
プ４を貯留している弾性素材供給ホツパー８の下
で振動を掛けながら皿型パレツト５にゴムチツプ
を投入し、積層するコンクリートの所定形状面を
鏝でならして形成する。

緩衝層を形成する厚さは約10ｍ／ｍ程度なので
皿型パレツト５の高さも低いので凹凸形状があつ
ても底面によく密着するように鏝で叩きながら仕
上げることが容易である。

このようにして弾性素材を皿型パレツト５内
で、ゴムチツプの皮膜が相互に接合するように成
形したら緩衝層を結合するためラツク（図示せ
ず）に移動して初期硬化の促進を図る。

他方ゴムチツプ４の緩衝層Ａを被覆成形するた
めに皿型パレツトの固定ロツド１９の上に初期硬
化の終つた皿型パレツト５を載置して昇降シリン
ダー２０を介して、第２図に示すように型枠１７
の底部に定着させる。

次に第３図のように皿型パレツト上面５′にコ
ンクリートを積層するために振動を掛けながら摺
動シリンダー１４を差動させて、型枠１７内にコ
ンクリートを給材し型枠上面まで充填したら摺動
ホツパーを定位置に戻して第５図のようにプレス
板１１を下降させて振動、加圧を行ない上面を仕
上げる。続いてプレス板１１をプレス装置１０に
戻してから成形した製品を脱型するために昇降シ
リンダー２０を差動させて型枠内の皿型パレツト
５の下面をロツドで押し上げて型枠の上側へ脱型
する。

脱型した製品Ｆは直ちにオフベアラー（図示せ
ず）で養生室へ移動する。引続き型枠上面の固定
ロツド１９に次に成形する皿型パレツト５を載置
し前述の要領で型枠の底部に皿型パレツトを定着
させて次の成形を行なうのである。

このようにして成形された製品を初期養生完了
後に皿型パレツトを製品Ｆから剥離するとコンク
リート層Ｃと弾性素材の緩衝層Ａはゴムチツプの
接着被覆とコンクリートが強固に結合して弾力性
の面を持つコンクリート製品Ｆができるのであ
る。

以上皿型パレツトを用いた即時脱型方法の一実
施例を説明したが、本発明の成形法は必ずしも皿
型パレツトを型枠の下方に定着限定することな
く、例えば下面に先にコンクリートを成形してか
らその上面に皿型パレツトにゴムチツプ層を充填
したパレツトを被覆してプレス板で押し重ねて型
枠の上側又は反転して下側に脱型したり、皿型パ
レツトを型枠の途中で停止してコンクリートを積
層し、次に底部に下降して形成された空間部に他
の異質材料を再度積層するなどその応用範囲は極
めて多種多様である。

そして本発明の成形法は皿型パレツトを用いる
ことによりあらかじめゴムチツプを多孔質の緩衝
層に成形仕上げすることも容易なので弾力性も兼
ねた透水製品も能率よく成形できる。又コンクリ
ート層Ｃとの接合をより強力にするために皿型パ
レツト上面に第７図のように親水性の樹脂やエマ
ルジヨンを塗布したり、更にセメント粉末の分散
や、接合面積を大きくして剥離抵抗を増大させる
凹凸形状を設けるなど製品の用途に応じて自由に
形成できるのである。

上記実施例の弾性素材ＡとコンクリートＣの配
合の一例を示す。

〔弾性素材〕

破砕タイヤゴムチツプ（粒径1.5〜3.0mm） 600ｇ ポリエステル樹脂 118ｇ ナフテンサンコバルト ６ｇ メチールエチールケトンパーオキサイド 12ｇ 炭酸カルシウム 100ｇ 〔コンクリート〕 セメント 1000ｇ 水 370ｇ ６号砕石（粒径５ｍ／ｍ〜13ｍ／ｍ） 1687ｇ 砂 3052ｇ ＜発明の効果＞ 本発明の成形法は被覆する弾性素材層をあらか
じめ皿型パレツトなどに所要量だけ充填して表面
部を形成して、製品成形時には面パレツトをコン
クリート部を結合させるだけなので成形型枠内で
の弾性素材層の成形工程が省かれるので粘性が高
くて充填しにくい弾性素材でも事前に充填成形し
ておくことができ、使用する素材に応じた接着剤
やゲルタイムが自由に設定することができる。

これによりコンクリートと非コンクリートの積
層成形が容易となり合せてパサパサコンクリート
による即時脱型なので型枠の設備費などが大巾に
削減され、生産コストが著しく低減されその経済
効果は極めて高いものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は成形状況を示す全体正面図、第２図〜
第６図は成形動作の説明図、第７図はゴムチツプ
による他の充填実施例、第８図，第９図は成形さ
れた製品の斜視図、第１０図は三層に積層した製
品の断面図である。 Ａ……弾性素材の緩衝層、Ｃ……コンクリー
ト、２……エマルジヨン、３……セメント、７…
…離型剤ノズル、１２……親ホツパー、１８……
昇降板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 粒状または断片状弾性素材に合成樹脂の接着
   剤または接着粘性液を加えて混合することにより
   弾性素材の表面に接着力を有する被膜を形成し、 該弾性素材をコンクリート製品の緩衝層となる
   所要の厚さだけ面パレツトに給材して弾性素材の
   被膜が相互に結合するように充填して被覆層を作
   り、 上記面パレツトを即時脱型コンクリート成形型
   枠の下面または上面に供給して同一型枠内でコン
   クリートと積層し、上記面パレツトとコンクリー
   トの積層途中または最後で加圧振動成形を行つて
   面パレツトの弾性素材に形成された接着被膜の結
   合力で弾性素材とコンクリートを一体化して即時
   に脱型し、養生工程で弾性素材の接着被膜で面パ
   レツト内の弾性素材相互の結合並びに面パレツト
   被覆層上面とセメントの化学反応で硬化されたコ
   ンクリート面との接合強度の増大を進めることを
   特長とする緩衝層つき複合コンクリート製品の成
   形方法。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の成形方法におい
   て弾性素材層が多孔質であることを特長とする緩
   衝層つき複合コンクリート製品の成形方法。 ３ 特許請求の範囲第１項記載の成形方法におい
   て弾性素材が破砕ゴムタイヤであることを特長と
   する緩衝層つき複合コンクリート製品の成形方
   法。 ４ 特許請求の範囲第１項記載の成形方法におい
   て面パレツトの被覆層上面に接着強度を促進する
   結合材料を塗布または分散してなることを特長と
   する緩衝層つき複合コンクリート製品の成形方
   法。