JPH0132737Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はチツプ型コンデンサに関し、特に樹脂
外装したチツプ型固体電解コンデンサの構造の改
良に関する。

一般にチツプ型固体電解コンデンサは例えばタ
ンタル材を用いた固体電解コンデンサでみると第
１図ａ，ｂに示すように弁作用を有するタンタル
金属粉末にタンタル線を植立し加圧成形および真
空焼結して成る焼結体に誘電体酸化皮膜を形成し
た後、この誘電体酸化皮膜の上に半導体層および
導電体層を順次形成してコンデンサ素子１を構成
し、前述のタンタル線は陽極リード２を構成して
いる。次に、コンデンサ素子１に陰極端子３を接
続し、陽極リード２には陽極端子４を接続する。
次に陰極端子３および陽極端子４の各接続部を含
めたコンデンサ素子１および陽極リード２の全体
を外装樹脂５にて被覆した後、陰極端子３および
陽極端子４の露出部を外装樹脂の側面５ａおよび
底面５ｂに沿つてＬ字状に折り曲げ加工して構成
している。

このような従来のチツプ型固体電解コンデンサ
（以下、従来品と称す）８は第１図ａ，ｂに示す
ように外装樹脂の側面５ａはほぼ同一平面で構成
されており、外装樹脂の側面５ａに沿つて折り曲
げ加工された陰極端子３の外側面３ａと陽極端子
４の外側面４ａは外装樹脂の側面５ａより突出し
た形状となつている。

また、第２図ａ，ｂに示した如く、従来品の印
刷配線板などの配線板への自動実装は吸着ノズル
６によつて従来品８を吸着し、位置決め挾持機構
のツメ７で両側面５ａ，５ａをはさみ込んで位置
を修正し、実装を行なつている。従つて従来品８
の高さ寸法とツメ７の高さ位置との相対関係によ
つて(イ)第２図ａの如く位置決めのツメ７は従来品
８の外装樹脂の側面５ａをはさみ込む場合、(ロ)第
２図ｂの如く陽陰極端子の外側面４ａ，３ａをは
さみ込む場合、(ハ)第３図ａの如く外装樹脂の側面
５ａと陽陰極端子外側面４ａ，３ａの境界部分を
はさみ込む場合、の三通りの挾持状態になる。さ
らに従来品８は外装樹脂の側面５ａと陽陰極端子
の外側面４ａ，３ａとは段差を有した状態となつ
ているために第３図ａの如き挾持状態の場合に
は、一方の端子（ここでは陰極端子の側面３ａ）
がツメ７より外れ第３図ｂの如く従来品８は傾い
て吸着ノズルとの間に隙間を生じ、吸着エラーを
生じたり、時には飛散させ、自動実装時の実装率
の低下を生じる欠点を有していた。また、第３図
ｃの如くツメ７の挾持部分の一方は、外装樹脂の
側面５ａ、他方が陽極端子の側面４ａと異なつて
接触し、吸着ノズル６の中心位置と従来品８の中
心位置がずれ、配線板への実装位置のずれを大き
くし、配線板の配線パターンとの接続不良を生ず
る欠点を有していた。

また、第１図ｂに示す如く外装樹脂の側面５ａ
と外装樹脂５の内部の陰極端子の側面部３ｂとの
間の外装樹脂５の肉厚が薄いために陰極端子３の
折り曲げ加工時の応力により外装樹脂の側面５ａ
部分が破損して不良となる欠点も有していた。

本考案の目的はかかる従来欠点を除去したチツ
プ型固体電解コンデンサを提供することにある。

本考案によれば、絶縁外装されたコンデンサ本
体から導出された板状電極端子をコンデンサ本体
の側面および底面に沿つて折り曲げ加工されたチ
ツプ型固体電解コンデンサにおいて、少なくとも
板状電極端子導出部より上部の絶縁外装の側面を
板状電極端子の外側面とほぼ同一平面を構成する
突出面を設けたことを特徴とするチツプ型固体電
解コンデンサが得られる。

以下、本考案の実施例を第４図〜第７図を用い
て説明する。

第４図ａ，ｂは本考案によるチツプ型固体電解
コンデンサ（以下、本考案品と称す）１８を示
す。本考案品１８は従来例と同様に構成したコン
デンサ素子１に陰極端子３を接続し、陽極リード
２には陽極端子４を接続する。次に陰極端子３お
よび陽極端子４の各接続部を含めたコンデンサ素
子１および陽極リード２の全体を外装樹脂１５に
て被覆した後、陰極端子３および陽極端子４の露
出部を外装樹脂５からの導出部より下側の外装樹
脂の側面１５ａおよび底面１５ｂに沿つてＬ字状
に折り曲げ加工し、かつ陰極端子３および陽極端
子４それぞれの外装樹脂１５からの導出部より上
部に外装樹脂の突出側面１５ｃを設ける。この突
出側面１５ｃは陰極端子の外側面３ａおよび陽極
端子の外側面４ａとほぼ同一面となるように突出
させて構成している。

第５図ａ，ｂ，ｃは本考案品１８の配線板への
自動実装時の吸着および位置決め挾持状態を示
す。本考案品１８はツメ７により挾持された位置
が第５図ａ，ｂ，ｃに示す如くいずれの場合も、
陽陰極端子３，４の導出部より上部の外装樹脂の
突出側面１５ｃと、陽陰極端子の側面４ａ，３ａ
はほぼ同一平面を構成する。従つてツメ７により
本考案品１８を傾けることがないので本考案品１
８の吸着エラーおよび飛散状態を生じない。

更に、吸着ノズル６の中心と本考案品１８の中
心はほぼ同一に位置するため、配線板への実装位
置のずれを小さくできる。

また第４図ｂに示す如く、本考案品においては
製品の外形寸法を大きくすることなく外装樹脂の
突出側面１５ｃと外装樹脂５の内部の陰極端子側
面部３ｂとの間の外装樹脂５の肉厚が、従来品よ
りも厚く設けられているので、陰極端子３の折り
曲げ時の応力により外装樹脂の突出側面１５ｃ部
分の外装樹脂５は破損されない。

次に第６図ａ，ｂおよび第７図ａ，ｂは本考案
によるチツプ型固体電解コンデンサの他の実施例
を示す。いずれも外装樹脂１５からの陽極端子
４，３の導出部より下面に向つて、陽陰極端子の
側面４ａ，３ａとほぼ同一高さの面になる様に外
装樹脂の突出側面１５ｃを設けたものである。

以上、本考案により次の効果がある。

(i) 部品自動実装時に吸着エラーおよび飛散をさ
せないので、実装良品率を向上できる。

(ii) 部品自動実装時の配線板への実装位置ずれを
小さくでき、かつ部品配線パターンとの接続性
を向上できる。

(iii) 製品の外形寸法を格別大きくすることなく、
破損し易い個所の外装樹脂の肉厚を厚く補強で
きるので、歩留りおよび品質を向上できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは従来のチツプ型固体電解コンデ
ンサの斜視図および側断面図。第２図ａ，ｂおよ
び第３図ａ，ｂ，ｃは第１図のチツプ型固体電解
コンデンサを自動実装する際の吸着および位置決
め挾持状態の側面図。第４図ａ，ｂは本考案によ
るチツプ型固体電解コンデンサの斜視図および側
断面図。第５図ａ，ｂ，ｃは第４図のチツプ型固
体電解コンデンサを自動実装する際の吸着および
位置決め挾持状態の側面図。第６図ａ，ｂ、第７
図ａ，ｂは本考案の他の実施例をそれぞれ示す斜
視図および側断面図。 １……コンデンサ素子、２……陽極リード、３
……陰極端子、３ａ……陰極端子の側面、３ｂ…
…外装樹脂内部の陰極端子の側面部、４……陽極
端子、４ａ……陽極端子の側面、５，１５……外
装樹脂、５ａ，１５ａ……外装樹脂の側面、５
ｂ，１５ｂ……外装樹脂の底面、１５ｃ……外装
樹脂の突出側面、６……吸着ノズル、７……ツ
メ、８……従来品、１８……本考案品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁外装されたコンデンサ本体から導出された
   板状電極端子を、前記コンデンサ本体の側面およ
   び底面に沿つて折り曲げ加工されたチツプ型固体
   電解コンデンサにおいて、少なくとも前記板状電
   極端子の導出部より上部の前記絶縁外装の側面を
   前記板状電極端子の外側面と、ほぼ同一平面を構
   成する突出面を設けたことを特徴とするチツプ型
   固体電解コンデンサ。